説明

流体カートリッジ

【課題】印刷流体カートリッジに設けられた電気的インターフェースを用いて印刷流体カートリッジの種別を判定可能とする手段を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、インクが貯留可能なインク室36を有する本体31と、前壁40に設けられており、インク室36から外部にインクを流出可能なインク供給部43と、カートリッジ装着部110に装着される途中において、接点131,132,133に接触可能なIC基板80と、を具備する。IC基板80のHOT電極82及びGND電極84のパターンが奥行き方向53において異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体が貯留される流体カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクを用いて記録用紙(被記録媒体)に画像を記録するインクジェット記録装置が広く知られている。インクジェット記録装置は、インクジェット方式の記録ヘッドを備える。記録ヘッドは、インクカートリッジから供給されたインクを記録用紙へ向けてノズルから選択的に噴出する。インクカートリッジは、インクジェット記録装置に着脱可能に設けられる。
【0003】
上記インクカートリッジには、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのようないずれか一色を有するインクが貯留されている。また、顔料系のインクや染料系のインクなど、インクの特性が異なるものが貯留されていることもある。インクの混色や固化などを防止する観点から、ユーザにより取り付けられるインクカートリッジが、何色のインクを貯留するものであるか、或いは、どのような特性を有するインクを貯留するものであるかを、インクジェット記録装置が判別できることが望まれる。この判別をするための構成の一つとして、ICチップのように、インク色などの情報を記憶可能な記憶手段を備えたインクカートリッジが公知である(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−39265号公報
【特許文献1】特開23003−54003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インクカートリッジの輸送や保管、ユーザによる取り扱いに際して、記憶手段に記憶された情報が消失することが想定される。そのような場合に、記憶手段から情報を読み出せないことをもって、インクカートリッジが全く使用できなくすることは望ましくない。一方、インクの混色や固化などインクジェット記録装置に及ぼす重大な影響を考慮すると、仮に記憶手段から情報が読み出せないとしても、少なくともインクカートリッジの種別に対して判定することが望ましいものもある。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷流体カートリッジに設けられた電気的インターフェースを用いて印刷流体カートリッジの種別を判定可能とする手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カートリッジ装着部に装着される途中において、接点と導通する電極を備えた印刷流体カートリッジに関する。印刷流体カートリッジは、前面及び当該前面から離れて配置される後面を有し、内部に設けられた部屋に印刷流体を貯留可能な本体と、上記前面に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に印刷流体を流出可能な印刷流体供給部と、上記カートリッジ装着部に装着される途中において、上記接点に接触可能な電気的インターフェースと、を具備する。上記電気的インターフェースの電極パターンが前後方向において異なる。
【0008】
電気的インターフェースの電極パターンが異なるので、印刷流体カートリッジがカートリッジ装着部に装着される途中の前後方向の位置によって、電気的インタフェースと接点との導通状態が変化する。この導通状態の変化に基づいて、印刷流体カートリッジの種別を判定することができる。
【0009】
本発明は、カートリッジ装着部に装着される途中において、接点と導通する電極を備えた印刷流体カートリッジを備えた記録装置であって、上記印刷流体カートリッジは、前面及び当該前面から離れて配置される後面を有し、内部に設けられた部屋に印刷流体を貯留可能な本体と、上記前面に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に印刷流体を流出可能な印刷流体供給部と、上記カートリッジ装着部に装着される途中において、上記接点に接触可能な電気的インターフェースと、を具備し、上記電気的インターフェースの電極パターンが前後方向において異なるものであり、上記カートリッジ装着部は、上記電気的インターフェースと上記接点との導通により発生する信号に基づいて、上記流体カートリッジの種別を判定する判定手段を具備するものである記録装置として捉えられてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電気的インターフェースの電極パターンが前後方向において異なるので、この電極パターンと接点との導通状態によって、印刷流体カートリッジの種別を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の一実施形態としてのカートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態のインクカートリッジ30の外観構成を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態のインクカートリッジ30の内部構成を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態のIC基板80及び接点131,132,133を示す模式図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態としてのカートリッジ装着部110の構成を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態のインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態を示すインクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110の断面図である。
【図7】図7は、出力A及び出力Bの波形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0013】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、記録用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10は、インク供給装置100を備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面が外部に開放された開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を介してカートリッジ装着部110に挿入され、或いはカートリッジ装着部110から抜き出される。インクカートリッジ30が印刷流体カートリッジに相当する。プリンタ10が記録装置に相当する。
【0014】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインクが貯留されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とがインクチューブ20で接続される。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。
【0015】
給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ送給された記録用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する記録用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、画像が記録用紙に記録される。プラテン26を通過した記録用紙は、排出ローラ対22によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0016】
なお、本実施形態に係るプリンタ10の概略構成は一例に過ぎず、例えば、記録用紙の給紙方式や搬送方式、搬送路の形状などは、公知のインクジェットプリンタにおける他の構成が採用されてもよいことは言うまでもない。
【0017】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21へインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着された状態が示されている。
【0018】
[インクカートリッジ30]
図2,3に示されるように、インクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留するインク室36である。インク室36が部屋に相当する。インク室36は、本体31により区画されている空間であるが、本体31とは別の部材によってインク室36が区画されていてもよい。
【0019】
インクカートリッジ30は、図2に示された起立状態、つまり、同図の下側の面を底面とし、同図の上側の面を上面として、カートリッジ装着部110に対して矢印50(図6参照)で示される方向(以下「挿入及び取出方向50」と称する。)に沿って挿抜される。すなわち、インクカートリッジ30は、挿入向き56(図6参照)に沿ってカートリッジ装着部110に挿入され、また、取出向き55(図6参照)に沿ってカートリッジ装着部110から抜き出される。インクカートリッジ30は、起立状態のままカートリッジ装着部110に挿抜される。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される向きが挿入向き56であり、抜き出される向きが取出向き55である。起立状態における高さ方向52が、重力方向に相当する。
【0020】
本体31の外形は、略直方体形状である。本体31は、幅方向(左右方向)51に細く、高さ方向(上下方向)52と奥行き方向(前後方向)53が幅方向51よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されるときに前方側となる本体31の壁が前壁40であり、後方側となる本体31の壁が後壁42である。前壁40と後壁42とは、奥行き方向53において対向している。前壁40及び後壁42は、前壁40及び後壁42とを接続し、かつ前壁40の上端から後壁42の上端に向けて延びる上壁39、及び前壁40の下端から後壁42の下端に向けて延びる下壁41、の4つの壁によりそれぞれ区画されている。また、上壁39、前壁40、下壁41及び後壁42は、幅方向51に離れて位置される一対の側壁37,38により接続されている。なお、挿入及び取出方向50は奥行き方向53と平行である。前壁40は前面に相当し、後壁42は後面に相当する。
【0021】
本体31の前壁40における高さ方向52の中央より下側に、インク供給部43が設けられている。インク供給部43は、円筒形状の外形をなしており、前壁40から挿入及び取出方向50に沿って外側へ突出している。インク供給部43の突出端にはインク供給口71が形成されている。このインク供給口71からインク供給部43の内部空間を通じて、挿入及び取出方向50に延びて第1部屋81へ通ずるインク流路72が形成されている。インク供給口71は、インク供給バルブ70によって開閉可能に構成されている。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122(図5参照)が、インク供給口71に挿入されてインク供給バルブ70を開く。これにより、インク流路72を通ってインク室36から、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル122へインクが流出される。インク供給部43が印刷流体供給部に相当する。
【0022】
なお、インク供給口71は、必ずしもインク供給バルブ70によって開閉可能な構成に限定されず、例えば、インク供給口71がフィルムやゴム栓などで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル122がフィルムを突き破ることによりインク供給口71が開かれる構成であってもよい。
【0023】
本体31の上壁39には、IC基板80が設けられている。IC基板80は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中において接点131,132,133(図5参照)と導通し、かつインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においても接点131,132,133と導通する。IC基板80が電気的インターフェースに相当する。
【0024】
IC基板80には、IC81、HOT電極82、GND電極83及びシグナル電極84が搭載されている。IC81は、所謂半導体集積回路であり、インクカートリッジ30に関する情報、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータが読み出し可能に格納されている。IC81が記憶手段に相当する。
【0025】
HOT電極82、GND電極83及びシグナル電極84はIC81と電気的に接続されている。HOT電極82、GND電極83及びシグナル電極84は、それぞれが奥行き方向(前後方向)53に沿って延出されており、幅方向51に離間されて配置されている。HOT電極82が第1電極に相当し、GND電極83が第2電極に相当し、シグナル電極84が第3電極に相当する。
【0026】
HOT電極82及びGND電極83のパターンは、奥行き方向53において異なる。HOT電極82は、奥行き方向53においてシグナル電極84の挿入向き56の前端より前側まで延びている。また、HOT電極82は、奥行き方向53においてシグナル電極84の挿入向き56の前端より前側において導通を遮断する絶縁部85が設けられている。一方、GND電極83は、奥行き方向53においてシグナル電極84の挿入向き56の前端より前側まで延びている。また、GND電極83は、奥行き方向53においてシグナル電極84の挿入向き56の前端より前側において導通を遮断する箇所がなく連続している。つまり、絶縁部85の有無により、HOT電極82とGND電極83のパターンが異なる。シグナル電極84は、奥行き方向53に延びており、挿入向き56の前端が、HOT電極82の絶縁部85より後側にある。
【0027】
[カートリッジ装着部110]
図5に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体としてのケース101は、プリンタ10の正面側に開口112を有する箱形状である。開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿入又は取り出される。ケース101には、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。各実施形態で示される各図においては、1つのインクカートリッジ30に相当するケース101のみが例示されている。
【0028】
ケース101は、挿入及び取出方向50において開口112とは対向位置にあり、ケース101の内部空間に面している終面102を有する。図5に示されるように、接続部103は、ケース101の終面102の下部に設けられている。接続部103は、終面102において、ケース101に装着された各インクカートリッジ30のインク供給部43に対応する位置にそれぞれ配置されている。
【0029】
接続部103は、インクニードル122と、保持部121とを有する。同図には示されていないが、インクニードル122は、ケース101の終面と表裏をなすケース101の外面側で、インクチューブ20に接続されている。各インクニードル122と接続された各インクチューブ20は、プリンタ10の記録ヘッド21へインクを流通可能に接続されている。
【0030】
保持部121は、例えば、ケース101の終面102に形成され、終面102の一部を円筒状に窪ませて形成されている。インクニードル122は、保持部121の中心に挿入及び取出方向50に配置されている。図6に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、円筒状のインク供給部43が円筒状の保持部121に挿入される。このとき、インク供給部43の外周面が保持部121を画定している面に接触、例えば、密着する。インク供給部43が保持部121へ挿入されると、インクニードル122がインク供給部43のインク供給口71に挿入され、インクニードル122がインク供給バルブ70を移動させる。これにより、閉位置のインク供給バルブ70が、コイルバネ73の付勢に抗して開位置へ移動されて、インク室36に貯留されているインクが外部へ流出可能となる。インク室36から流出されたインクは、水頭差等により、インクニードル122内へ流入し、インクチューブ20を通じて記録ヘッド21へ流れる。
【0031】
図5に示されるように、ケース101の天面104において、終面102と開口112との間には接点131,132,133が設けられている。各接点131,132,133は、挿入及び取出方向50と直交する方向に離れて配置されている。各接点131,132,133の配置は、インクカートリッジ30のHOT電極82、GND電極83及びシグナル電極84の配置に対応している。
【0032】
各接点131,132,133は、電気回路を介して演算装置134に電気的に接続されている。演算装置134は、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものであり、プリンタ10の制御部として構成されていてもよい。接点131は、HOT電極82と電気的に導通されることによって電圧VcをHOT電極82に印加するためのものである。接点132は、GND電極83と電気的に導通されることにより、GND電極83がアースされる。接点131,132がHOT電極82及びGND電極83と導通されることによって、IC81に電力が供給される。接点133は、シグナル電極84と電気的に導通されることにより、IC81に格納されたデータにアクセス可能とするものである。電気回路からは出力A及び出力Bが演算装置134に出力される。演算装置134が判定手段に相当する。
【0033】
図6に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着される途中に、IC基板80のHOT電極82、GND電極83及びシグナル電極84は、所定のタイミングで各接点131,132,133にそれぞれ接触して電気的に導通された状態となる。前述したように、HOT電極82及びGND電極83は、シグナル電極84の挿入向き56の前端より前側へ延びているので、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着される過程において、先ず、HOT電極82及びGND電極83が接点131,132に接触して電気的に導通される。
【0034】
図7に示されるように、HOT電極82及びGND電極83の挿入向き56の前端に各接点131,132が接触して電気的に導通されると(タイミングT1)、出力Aは、HI信号となり、出力Bは電圧Vcに応じたHI信号となる。
【0035】
さらに、インクカートリッジ30が挿入向き56へ挿入されると、HOT電極82の絶縁部85に接点131が位置する(タイミングT2)。そうすると、出力Aは、LOW信号となる。さらに、インクカートリッジ30が挿入向き56へ挿入されると、絶縁部85が接点131より終面102側へ移動して、HOT電極82が接点131と電気的に導通される(タイミングT3)。これにより、出力Aは再びHI信号となる。
【0036】
さらに、インクカートリッジ30が挿入向き56へ挿入されると、シグナル電極84が接点133と電気的に導通される(タイミングT4)。これにより、出力Bは電圧Vcより回路抵抗の分だけ低い出力信号となる。演算装置134は、このタイミングにおいて、出力AがLOW信号に変化したか否かによって、インクカートリッジ30の種別を判定する。例えば、出力AがLOW信号に変化したか、さらにはその回数によって、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色が予め割り当てられたテーブルを参照することによって、インクカートリッジ30のインク色が判定可能となる。もちろん、インク色ではなく、インク室36に貯留されているインク量などが判定されてもよい。
【0037】
そして、図6に示されるように、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着されると、IC基板80のHOT電極82、GND電極83及びシグナル電極84の挿入向き56の各後端部が各接点131,132,133にそれぞれ接触して電気的に導通された状態となる。これにより、HOT電極82及びGND電極83を通じてIC81に電源が供給され、シグナル電極84を通じて演算装置134がIC81の情報にアクセス可能となる。
【0038】
[実施形態の効果]
本実施形態によれば、IC基板80のHOT電極82及びGND電極83のパターンが奥行き方向53において異なるので、HOT電極82及びGND電極83と接点131,132との導通状態によって生じる出力A,Bに基づいて、インクカートリッジ30のインク色などを判定することができる。したがって、仮にIC81のデータにアクセスできなかったり、IC81からデータが消失されたりしたとしても、インクカートリッジ30のインク色などを判定することができる。
【0039】
[変形例]
なお、実施形態においては、残量検知部が省略されているが、インクカートリッジ30に残量検知部が設けられていてもよい。この残量検知部は、インクカートリッジ30の前壁40からインク室36から離れる向きに突出するようにして配置される。この残量検知部は、光透過性樹脂からなる。残量検知部を介してインク室36内を外部から見て残量を視認することや光センサで検知することが可能である。光センサを用いる場合の残量検知部を構成する一対の側壁の距離は、光センサの発光素子と受光素子との間隔よりも小さく設定されている。なお、残量検知部内には、インク量に応じて移動するような遮光板が設けられていてもよい。また、この遮光板に代えて、インク室36内のインク量に応じて、発光素子から出射された光の全部又は一部を反射、回折、または減衰させるようにして受光素子に至る光量を低下させるものであってもよい。
【0040】
さらに、実施形態においては、インクジェット方式のプリンタ10に対応して、印刷流体としてインクがインクカートリッジ30に収納される態様が示されているが、印刷流体としてはインクに限られず、例えば、電子写真式の画像形成装置に対応する印刷流体としてのトナーを収納したカートリッジなどにも本発明を適用することは可能である。
【符号の説明】
【0041】
10・・・プリンタ(記録装置)
30・・・インクカートリッジ(印刷流体カートリッジ)
31・・・本体
36・・・インク室(部屋)
37・・・インク供給部(印刷流体供給部)
40・・・前壁(前面)
42・・・後壁(後面)
80・・・IC基板
81・・・IC(記憶手段)
82・・・HOT電極(第1電極)
83・・・GND電極(第2電極)
84・・・シグナル電極(第3電極)
85・・・絶縁部
110・・・カートリッジ装着部
131,132,133・・・接点
134・・・演算装置(判定手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジ装着部に装着される途中において、接点と導通する電極を備えた印刷流体カートリッジであって、
前面及び当該前面から離れて配置される後面を有し、内部に設けられた部屋に印刷流体を貯留可能な本体と、
上記前面に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に印刷流体を流出可能な印刷流体供給部と、
上記カートリッジ装着部に装着される途中において、上記接点に接触可能な電気的インターフェースと、を具備し、
上記電気的インターフェースの電極パターンが前後方向において異なる印刷流体カートリッジ。
【請求項2】
上記電気的インターフェースは、少なくとも第1電極及び第2電極を有する記憶手段を具備しており、
上記第1電極及び上記第2電極は、前後方向と直交する方向に配置されており、少なくともいずれか一方の電極は前後方向において導通を遮断する絶縁部を有する請求項1に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項3】
上記第1電極及び上記第2電極のうち上記絶縁部を有しない電極は、前後方向において連続している請求項2に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項4】
上記電気的インターフェースは、前後方向と直交する方向に配置された第3電極を更に有する請求項2又は3に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項5】
上記第3電極の前端は、上記第1電極及び上記第2電極の前端よりも後側にある請求項4に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項6】
上記第3電極は、上記記憶手段から情報を読み出すためのシグナル電極である請求項4又は5に記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項7】
上記カートリッジ装着部に装着されたとき、上記第1電極、上記第2電極及び上記第3電極の前後方向における後端部が上記接点と導通する請求項1から6のいずれかに記載の印刷流体カートリッジ。
【請求項8】
カートリッジ装着部に装着される途中において、接点と導通する電極を備えた印刷流体カートリッジを備えた記録装置であって、
上記印刷流体カートリッジは、前面及び当該前面から離れて配置される後面を有し、内部に設けられた部屋に印刷流体を貯留可能な本体と、上記前面に設けられており、上記部屋から上記本体の外部に印刷流体を流出可能な印刷流体供給部と、上記カートリッジ装着部に装着される途中において、上記接点に接触可能な電気的インターフェースと、を具備し、上記電気的インターフェースの電極パターンが前後方向において異なるものであり、
上記カートリッジ装着部は、上記電気的インターフェースと上記接点との導通により発生する信号に基づいて、上記流体カートリッジの種別を判定する判定手段を具備するものである記録装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate