説明

流体ジェットを用いることにより穿孔された微細構造を製造する−方法

皮膚の層を貫通し得る微細構造を構築するための方法が提供され、ここで、微細要素が成形プロセスの間に形成され、流体ジェットが微細要素中に開口を生成する。この成形プロセスで用いられる構造は、材料堆積ステップ中にこの微細要素の形状を生成し、そしてまた、上記流体ジェットにより形成される上記開口のサイズおよび形状を生成するツーリングにより形成される。上記少なくとも1つの開口は、上記中実微細構造を完全に通って延びることによって特徴付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般に、微細構造を製造することに関し、そして特に基板および貫通穴を有する微細要素のアレイを含むタイプの微細構造に関する。本発明は、詳細には、皮膚の層を貫通し得る微細構造を構築するための方法として開示され、そこでは、微細要素が成形プロセスの間に形成され、流体ジェットがこの微細要素中に開口を生成する。この成形プロセス中で用いられる構造は、これら微細要素の形状を生成し、そしてまた流体ジェットにより形成される開口のサイズおよび形状を生成するツーリングにより形成される。いくつかの実施形態では、これら開口のサイズおよび形状は、マスクプレートにより決定され、その一方、別の実施形態では、別個のマスクプレートは用いられない。いくつかの実施形態では、これら鋳型構造は、堆積プロセスを用いて形成され、その一方、その他の実施形態では、それらは射出成形、エンボス加工、またはダイキャスティングによって形成される。実施形態の1つでは、これら微細構造は、特定形状のツーリングの表面上に材料を堆積すること、そして次に、このツーリングから離脱された後に、第1のツーリングで形成された材料の上にマスクとして作用する第2の材料を配置することにより形成される。成形可能な材料が、次に、これら2つの材料の組み合わせに対して配置され、そしてこの手順の間に高圧ガスまたは液体がこのマスク中の穴を通って向けられ(すなわち、流体ジェットを形成する)、この成形可能な材料中に貫通穴を形成する。一旦、成形可能な材料が離脱されると、結果は、基板から突出する中空の微細要素のアレイである。(別個のマスクのない)代替の実施形態の1つでは、第1の材料は、方向付けられた高圧ガスまたは液体のための「マスク」としてのそれら自身の使用のために適正なサイズである開口を有する。
【背景技術】
【0002】
微細要素のアレイを含む微細構造は、種々の特許刊行物に開示されており、それらの多くは、この微細要素アレイの上表面と底表面との間に流体交換を可能にする開口を含む。個々の微細要素は、代表的には、動物の皮膚の角質層を貫通するよう、または特定のその他のタイプの膜を貫通するよう設計されている。一旦、この貫通が達成されると、流体(例えば、液体薬物)が、上記微細構造中のリザーバーから身体中に分与され得、または逆の方向に、体液が、このような微細構造中のリザーバー中にサンプリングされ得る。
【0003】
これら微細要素の適正なサイズおよび形状は多くの因子に依存し、そしていくつかの適用については(例えば、ヒトの皮膚を通る薬物送達または体液サンプリング)、いくつかの異なるサイズ、そして特に形状が満足せしめる。微細構造のいくつかの適用は開口を必要としない;しかし、開口を必要とするような適用には、これらデバイスの製造の間に不合格品の率を低下するために、許容可能な正確さにある安価(かつ高容量)の様式でこのような微細構造を製造する方法を見出すことが重要である。
【0004】
微細構造の種々のサイズおよび形状は、本発明者らによって、以下に記載するような同一人に譲渡された米国特許出願に開示されている。以下に列挙される書類は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される:「皮内微小ニードルアレイ装置」、出願番号第09/328,947号、1999年6月9日出願;「皮内微小ニードルアレイを用いるための装置および方法」、出願番号第09/329,025号、1999年6月9日出願、今や2001年7月3日に発行された米国特許第6,256,533B1号;「皮下微小ニードルアレイを製造するための装置および方法」、出願番号第09/328,946号、1999年6月9日出願、今や2001年11月6日に発行された米国特許第6,312,612B1号;「皮下エッジをもつ微小ニードル装置」、出願番号第09/580,780号、2000年5月26日出願;「皮下微小ニードルアレイ装置」、出願番号第09/580,819号、2000年5月26日出願;「皮下微小ニードルアレイの製造方法」、出願番号第09/579,798号、2000年5月26日出願;「ソフトリソグラフィーおよびフォトリソグラフィーを用いる微小ニードル構造の製造方法」、出願番号第09/808,534号、2001年3月14日出願;「皮膚を処理および馴化するための微細構造」、出願番号第09/952,403号、2001年9月14日出願;「皮膚に皮下的に組成物を送達するための微細構造」、出願番号第09/952,391号、2001年9月14日出願;「回転可能な構造を用いて皮膚に皮下的に組成物を送達するための微細構造」、出願番号第10/216,148号、2002年8月9日出願;および「貫通穴をもつ複数微細要素を有する微細構造を製造するための方法」、出願番号第10/373,251号、2003年2月24日出願。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板を通り、かつ個々の微小要素を通って延びる開口をもつ微細構造を製造する改良され、かつ低コストの高容量の方法を提供することが有益であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
従って、開口をもつ微小要素のアレイを有する微細構造を形成するための方法を提供することが本発明の利点であり、ここで、この微細構造は、最初、所定の形状の(ダイまたは鋳型のような)ツーリング上に材料を所定の厚みまで堆積する工程、ここで、このツーリングは、この第1の材料中に生成される開口を引き起こす複数の突出部を提示し、次いで、この第1の材料を放出し、かつその上に第1の材料のマスクとして作用する第2の材料を配置する工程であって、このマスクが所定の位置に開口を有する工程、次いで、上記第1の材料層および第2の材料(マスク)層の両方によって形成される表面に対して成形可能な(第3の)材料を配置する工程、および最後にこのマスクの開口を通って高圧ガスまたは液体を方向付け、この成形可能な材料中に穴を形成する工程、次いで、この成形可能な材料を固化および鋳型からとる工程であって、これは、中空の微細構造のアレイを提示する工程によって形成される。
【0007】
従って、本発明の別の利点は、開口を有する微細要素のアレイを有する微細構造を形成するための方法を提供することであり、ここで、この微細構造は、最初、所定の形状の(ダイまたは鋳型のような)ツーリング上に材料を所定の厚みまで堆積する工程、ここで、このツーリングは、この第1の材料中に生成される開口を引き起こす複数の突出部を提示し、次いで、この材料を放出し、かつその上に上記第1の材料の上にマスクとして作用する第2の材料を配置する工程であって、このマスクが所定の位置に開口を有する工程、ここで、このマスクが上記第1の材料中に形成される開口に向けられる突出分を含み、次いで、上記第1の材料層および第2の材料(マスク)層の両方によって形成される表面に対して成形可能な(第3の)材料を配置する工程、および最後にこのマスクの開口を通って高圧ガスまたは液体を方向付け、この成形可能な材料中に穴を形成する工程、次いで、この成形可能な材料を固化および鋳型からとる工程であって、これは、基板から突出する中空の微細構造のアレイを提示し、そしてここで、この中空の微小要素は、個々の微細要素の先端部の近傍に拡大された内側開口(または直径)を提示する工程によって形成される。
【0008】
本発明のなお別の利点は、開口を有する微細要素のアレイを有する微細構造を形成するための方法を提供することであり、ここで、この微細構造は、最初、所定の形状の(ダイまたは鋳型のような)ツーリング上に材料を所定の厚みまで堆積する工程、ここで、このツーリングは、この第1の材料中に生成される開口を引き起こす複数の突出部を提示し、ここで、上記第1の堆積された材料は、第1の内側寸法の開口を生成する第1の厚みで形成され、そして第2の材料は、ツーリング上に、第2のより大きな厚みまで(このツーリングが同じサイズおよび形状である場合)、または少なくとも上記第1の内側寸法より小さい第2の内側寸法の開口を生成する厚みまで堆積され、その後、上記第1の材料および第2の材料は、それらのツーリングから離脱され、次いで、それらの個々の開口が整列されるように一緒に積み上げられ、その後、成形可能な(第3の)材料が、上記第1の材料層および第2の材料層の両方によって形成される表面に対して配置され、そして最後に、上記第2の材料の開口を通って高圧ガスまたは液体を方向付ける工程であって、それによって、上記第2の内側寸法によって制御されるサイズの上記成形可能な材料中に穴を形成する工程、次いで、この成形可能な材料を固化および鋳型からとる工程であって、中空の微細構造のアレイを提示する工程によって形成される。
【0009】
本発明のなお別の利点は、開口を有する微細要素のアレイを有する微細構造を形成するための方法を提供することであり、ここで、この微細構造は、最初、所定の形状の(ダイまたは鋳型のような)ツーリング上に材料を所定の厚みまで堆積する工程、ここで、このツーリングは、この第1の材料中に生成される開口を引き起こす複数の突出部を提示し、ここで、この第1の材料は、この第1の材料中にやや小さな開口を生成するために十分な厚みで堆積される工程、次いで、この第1の材料を放出する工程およびこの第1の材料より形成される表面に対して成形可能な(第2の)材料を配置する工程、上記やや小さな開口を通って高圧ガスまたは液体を方向付け成形可能な材料中に穴を形成する工程、次いで、この成形可能な材料を固化および鋳型からとる工程であって、これは、中空の微細構造のアレイを提示する工程によって形成される。
【0010】
本発明のさらなる利点およびその他の新規な特徴は、以下に続く記載中に一部提示され、そして一部は、以下を検査する際に当業者に明らかになるか、または本発明の実施とともに学ばれ得る。
【0011】
上記の利点およびその他の利点を達成するために、かつ、本発明の1つの局面に従って、微細構造を構築するための方法が提供され、ここで、この方法は、以下の工程を包含する:(a)所定の形状に形成される成形可能な材料を提供する工程;(b)成形手順の間に、圧力下の所定の流体を上記成形可能な材料の表面に向かって押す工程であって、この所定の流体が上記表面で少なくとも1つの開口を形成する工程;および(c)加圧された上記所定の流体が上記表面に向かってながれ続ける間に、上記成形可能な材料を実質的に固化する工程であって、それによって、上記表面で少なくとも1つの開口を含む中実微細構造を形成する工程。
【0012】
本発明の別の局面によれば、微細構造を構築する方法が提供され、ここで、この方法は、以下の工程を包含する:(a)第1の表面およびこの第1の表面に対向する第2の表面を有し、かつこの第1の表面上に形成された複数の突出部を有する基板を有するツーリング構造を提供する工程であって、該複数の突出部が少なくとも1つの高さを示す工程;(b)上記ツーリング構造の第1の表面上に材料を堆積する工程であって、この材料が、上記複数の突出部の少なくとも1つの高さより概して小さい厚みを有する工程;および(c)上記材料を上記ツーリング構造から分離し、微細鋳型を形成する工程であって、この微細鋳型が、この材料の厚みに沿って上記ツーリング構造の複数突出部の三次元ネガティブ形態の一部分に対応する第1の複数の開口を提示する工程。
【0013】
本発明のなお別の局面によれば、微細構造を構築する方法が提供され、ここで、この方法は、以下の工程を包含する:(a)第1の表面およびこの第1の表面に対向する第2の表面を有し、かつこの第1の表面上に形成された複数の突出部を有する第1の基板を有し、この複数の突出部が少なくとも1つの高さを提示するツーリング構造を提供する工程;(b)上記ツーリング構造の第1の表面上に第1の材料を堆積する工程であって、この第1の材料が、上記複数の突出部の少なくとも1つの高さより概して小さい厚みを有する工程;(c)上記第1の材料を上記ツーリング構造から放出する工程であって、この第1の材料が、この第1の材料の厚みに沿って上記ツーリング構造の複数突出部の三次元ネガティブ形態の一部分に対応する複数の開口を提示し、この複数の開口が、上記第1の材料の第3の表面の近位方向に少なくとも1つの所定の内側領域を提示する工程;(d)上記第1の材料の第4の表面から所定かつ間隔を置いて離れた距離で裏打ち部材を提供する工程であって、この第4の表面が、上記第1の材料の第3の表面に対向し、この裏打ち部材が、成形可能な第2の材料に対して比較的小さな間隙率を示すが、所定の流体に対して実質的な間隙率を示す工程;(e)上記裏打ち部材と上記第1の材料の第4の表面との間に上記成形可能な第2の材料を導入し、かつ、上記所定の流体を、圧力下で上記第1の材料の複数の開口を通って押し、上記第1の材料と上記裏打ち部材との間の第2の材料中に少なくとも1つのチャネルを形成し、そして加圧された所定の流体が上記複数の開口を通って流れることを継続する間、上記第2の材料を実質的に固化する工程;および(f)上記固化された第2の材料を、上記裏打ち部材および第1の材料から分離する工程であって、この固化された第2の材料が第2の基板を提示し、そして上記第1の材料中の複数の開口の三次元ネガティブ形態にサイズおよび形状において実質的に対応する複数の微細要素を提示し、そしてさらに、上記第2の基板および上記複数の微細要素の少なくとも1つを完全に通って走る少なくとも1つのチャネルを提示する工程。
【0014】
本発明のなおその他の利点は、以下の記載および図面から当業者に明らかになり、ここで、本発明を実施するために企図される最良の様式の1つにおける本発明の好ましい実施形態が記載され、かつ示されている。実現されるとき、本発明は、その他の異なる実施形態であり得、そしてそのいくつかの詳細は、本発明から逸脱することなく種々の自明な局面すべてにおいて改変し得る。従って、これら図面および記載は、本来、例示としてみなされ、そして制限的ではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本明細書中に援用されかつ本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの局面を例示し、そして記載および請求項ととともに、本発明の原理を説明するために供される。
【0016】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで、本発明の現在の好ましい実施形態への詳細な参照がなされ、その例は、添付の図面中に示され、ここで、同様の番号は、図面を通じて同じ要素を示す。
【0017】
以下に論議されるように、本発明は、中空微細ニードル(または「微細要素」)を製造するためのいくつかの異なる方法を含み、そこでは、このような微細ニードルは、種々の長さであり得る。これらの微細ニードルは、例えば、2000ミクロンまたは3000ミクロン程度に長く、または、例えば、1ミクロンの1/10程度に短い。(ミクロンは、10−6メートルであるマイクロメートルである。)これら微細要素の長さは、所望であれば、全体アレイに亘って実質的に一定であり得るか、またはこれら長さは、特定の適用のためにこのアレイ上で変動し得る。最大の所望される長さは、代表的には、この微細構造が用いられ得る特定の適用に依存し、例えば、これら微細要素が動物(例えば、ヒト)の皮膚の角質層を完全に貫通しないような長さに制限することが所望され得る。
【0018】
微細構造のいくつかの適用は、皮膚を貫通することを全く含まないことを含まないことに注目すべきである。例えば、剥離適用は、外側皮膚から、多分、毛を含む物質を除去する傾向にある。同時に、流体の化合物が皮膚に付与され得る。
【0019】
この微細ニードルの形状は、種々の材料を用いて作製され得、所望であれば、金属さえ含む。複数の微細ニードル/微細要素を含む最終のアレイ構造は、一般に、本明細書中では、「微細構造」と称される。
【0020】
ここで、図1を参照して、予備成形されたツーリングは、プラスチック成形または金属ダイキャスティング手順のための鋳型またはダイを調製するような様式で調製される。ツーリングは、一般に、参照番号10よって指定され、そして一対の最高のピーク18で終了するピラミッド形状の突出部14を有する基板12を提示する。(このツーリング10は、数千ではないにしろ、数百のこのような突出部14を実際に含むことが理解され得る)。これら突出部14の間の上部の平坦な表面は、参照番号16で示される。このツーリング10は、射出部(突出部)14の最終形状が、形成されるべき微細構造の所望の形状(単数または複数)を表すような様式で機械加工またはエッチングされ得、そこでは、これら形状は、システム設計者により所望される、ピラミッド、円錐、円筒、および/またはくさび形のような任意の様式であり得る。勿論、形状の組み合わせが、この同じ基板12上の突出部として作製または形成され得る。このツーリングの材料は、金属、セラミック、またはシリコン、または、システム設計者により所望されるような特定のその他のタイプの材料であり得る。
【0021】
ここで、図2を参照して、第2の材料22が、電気メッキ、スピンコーティング、または蒸着のようなプロセスを用いてツーリング10上に堆積される。全体の得られる構造は、一般に、参照番号20によって指定され、そしてこの第2の材料22は、平坦な表面16の上に所定の厚みを提示するように形成され、ここで、この所定の厚みは、参照矢印24で示される。
【0022】
この第2の材料22は、当初のツーリング10から部分的にネガティブな微細鋳型を形成し、そしてその高さは、当該分野で公知である任意の数の方法よって所定の値に制御される。このステップは、プラスチック射出成形手順を用いることによってでさえ達成され得、これは、上記材料22の上部表面および上記射出部14の上部表面に嵌合する第2の鋳型半分体を必要とし得る。しかし、このような成形(またはキャスティングでさえ)手順は、本発明の原理内で容易に達成され得るが、本発明にとって特に必要ではない。
【0023】
ここで、図3を参照して、この堆積された第2の材料22は、ツーリングから分離または離脱され、そしてここで、一般に、参照番号30によって指定される。一旦離脱されると、第2の材料22のこの層はその上部表面および底部表面の両方上で実質的に平面状であり、そしてまた参照矢印32で示されるように、それを通る開口を提示する。これらの開口32は、当初のツーリング10の突出部14の形状によって決定される形状、すなわち、三次元ネガティブ形状または「型」を有する。
【0024】
ここで、図4を参照して、マスク層は、材料22の上部表面上に配置され、ここでは、このマクスは、実質的に平面状であり、そして開口を提示する。全体の組み合わせは、一般に、参照番号40によって指定される。このマスク自身は、参照番号42により、そしてその開口は参照矢印44によって指定される。少なくともこれら開口44のいくつかは、材料22の開口32のいくつかと実質的に整列されるべきであり、これら開口44の周縁(円形である場合)は、上記開口32の周縁(円である場合)の領域または周内に整列される。これらの構造は、全体サイズで比較的小さくなければならないので(そしてそれ故、「微細構造」と称される)、開口32および44の内側の周または領域は、実質的に「良好に整列」されるべきである。
【0025】
ここで、図5を参照して、この構造40は、ここで、成形手順で用いられ、ここでは、底鋳型半分体(または「裏打ちプレート」)52が提供され、そして成形可能な材料は、この裏打ち半分体と上部構造40との間に配置される。この全体の組み合わせは、一般に、参照番号50によって指定される。この構造40が、裏打ちプレート52に対して所定の間隔を置いて離れた位置に位置決めされた後、成形可能な材料54がそれらの間に差し挟まれるか、または導入され、これは、上記材料(微小鋳型)22と裏打ちプレート52との間の実質的に平面状の領域を充填し、および容積測定空間56を充填する。この成形可能な材料54が硬化する前に、加圧流体(例えば、高圧ガスまたは液体)が、図5上で参照番号58によって一般に指定される位置にある開口44を通って方向付けられる。
【0026】
この高圧ガスまたは液体は、この開口44を通り、そして裏打ちプレート52を通って下方に通過し、これは、この高圧ガスまたは液体に対して実質的に多孔性の媒体から製造され得る。勿論、この配列では、この裏打ちプレート52は、上記成形可能な材料54自身に対しては実質的に多孔性ではあり得ない。すなわち、裏打ちプレート52は、これを通って漏れる能力を有する成形可能な材料54の流動性に対して相対的にほとんどない間隙率を示すべきである(多分いくらかの漏れは許容可能である)が、それは、おそらく製造プロセスを複雑にするであろう。
【0027】
いくつかのプロセスでは、この裏打ちプレート52が、加圧ガスまたは流体が、有意なバックプレッシャーを引き起こさずに、それを通って流れることを可能にすれば最良であり得、これは、そうでなければ、勿論、製造のプロセスに必要なパワー要求を付加し、およびより大きな容量のポンプ、またはファン(「ブロア」)およびモーターの組み合わせを必要とする。しかし、これは、厳密な要求ではなく−実質的に中実(非多孔性)の裏打ちプレート(加圧ガス/液体に対して)がその他の利点を有し得、そしてなお、それにもかかわらず、上記開口44を通って向けられるべき流体の適切な圧力供給源とともに、本発明で用いられ得る。この成形可能な材料54中に形成される上記貫通穴58のかなり正確な一定の内径を維持する必要性がない場合、そのときは、確かに、非多孔性の裏打ちプレート52が代替の配列で用いられ得る。この代替の配列では、貫通穴58の最も底の部分(図面中)は、同じ貫通穴の最も上の部分(図面中)より小さな開口(内側)領域を示し得る;しかし、この最も底の開口が、(流体の)所定の分子サイズがそれを通過することを可能にするに十分大きい場合、そのときは、そのような配列は十分である。
【0028】
この成形可能な材料54が、56にある形状化容量を含む、材料(微細鋳型)22と裏打ちプレート52との間の空間のすべてを充填するとき、そして高圧ガスまたは液体が58にある開口を通って吹き込まれ、それ故、それを通るチャネルを形成する間、全体構造50は、幾分冷却され、その結果、この成形可能な材料は硬化する。一旦、この成形可能な材料54が固化すると、それは、「鋳型半分体」22および52から離脱され、それによって、参照番号60によって一般に指定される図6に示される形状を示す。この成形可能な材料は、ここで、基板54、およびこの基板54から射出または突出する複数の微細要素56を提示する。これらの微細要素56の各々は、中空貫通穴58を提示する。これらの微細要素56は、動物の皮膚の外側層(例えば、ヒト皮膚の角質層)を貫通するように設計され、そしてこの開口または貫通穴58は、流体が、この微細要素56によって貫通された皮膚障壁または組織の膜障壁を通って分与されることを可能にする。上記で記載したように、この微細要素56は、中空円筒形、または貫通穴を備えた個々のピラミッド形状を含む任意の所望の形状に作製され得る。この微細構造60を形成するために用いられる実際の材料は、その他の材料、なお、おそらく、特定のタイプの金属(金属中にこの貫通穴を形成し得る加圧ガスまたは液体は、実際に、付与されるべき非常に高い圧力、または化学的反応が、このプロセスの形成ステージおよび冷却ステージの間にさらに生成されることを必要とし得るけれども)でさえ利用され得るが、代表的には、成形可能なプラスチックまたはポリマーであり得る。
【0029】
上記のように、この流体自身は、この開口44を通る流れ(例えば、流体流れ)を形成する高圧液体または熱いガスのようなガスまたは液体からなり得、そしてこれらは、この成形可能な材料を通って、それがなお、主には流体の状態にある間(すなわち、固化する前)、開口58を機械的に押し入るために用いられる。この加圧された流体は、スチームのような加熱されたガス、またはおそらくは加熱された液体または流体溶媒を含み得る。代替として、この成形可能な材料54を化学的に溶解する傾向にあるガスまたは液体(流体)流れが用いられ得、この「成形可能な」材料54が金属からなるまでの状況を含む。
【0030】
図4を見るとき、マスクプレート42は、この構造40中に底部層(すなわち、微細鋳型)22の開口32上部に本質的に「覆いかぶさる」部分を有することが観察され得る。この「覆いかぶさり」は、再使用可能なマスクプレート42が、このプロセスが図6に到達するときまでに形成される中空の微細構造の壁厚みおよび内側周(および内側領域)を規定するより小さな開口44を提供することを可能にする。換言すれば、チャネル58の内側寸法は、マスクプレート42の開口44中の内側の周(例えば、円形の場合内径)に実質的に依存し、そして図3の構造30中の開口32の内側の周(例えば、円形の場合内径)に依存しない。
【0031】
開口32および44について描写された形状および角度は、例示および説明の目的のためであり、しかも、種々のその他の形状および角度が本発明の原理から逸脱することなく用いられ得ることが理解される。さらに、これら開口32および44内側寸法の比もまた、例示および説明の目的のためであり、しかも種々のその他の比率が、本発明の原理から逸脱することなく用いられ得る。確実に、実質的に任意の微細構造寸法がツーリング突出部14のサイズ、材料22の厚み24、および基板54の厚み、ならびに最終微細構造60の微細要素56の長さについて用いられ得、そしてそれ故、本発明の企図の中にある。
【0032】
複数の微細要素を備えた微細構造を形成するための手順を示す第2の実施形態が図7〜12に示され、そしてここで詳細に論議される。ここで図7を参照して、予備成型されたツーリングが、プラスチック成型または金属ダイキャスティング手順のための鋳型またはダイを調製し得る様式で調製される。このツーリングは、一般に参照番号110によって指定され、そして最も上のピーク118で終わる一対のピラミッド形状の突出部114を有する基板112を示す。(このツーリング110は、このような突出部114の数千ではないにしても数百を実際に含むことが理解される。)これら突出部114間の上部の平面状の表面は、参照番号116で示される。このツーリング110は、射出部(突出部)114の最終形状が、形成されるべき微細構造の所望の形状(単数または複数)を表すような様式で機械加工またはエッチングされ得、ここで、これらの形状は、ピラミッド、円錐体、円筒形、および/または楔形のような、システム設計者によって所望される任意の様式であり得る。もちろん、形状の組み合わせが、この基板112上の突出部として作製または形成され得る。このツーリングの材料は、金属、セラミック、またはシリコン、またはシステム設計者によって所望されるようなおそらく特定のその他のタイプの材料であり得る。
【0033】
ここで、図8を参照して、第2の材料122が、電気メッキ、スピンコーティング、または蒸着のようなプロセスを用いてツーリング110上に堆積される。全体の得られる構造は、一般に、参照番号120によって指定され、そして第2の材料122は、平面状表面116の上で所定の厚みを示すように形成され、ここで、この所定の厚みは参照矢印124で示される。
【0034】
この第2の材料122は、当初のツーリング110から部分的にネガティブな微細鋳型を形成し、そしてその高さは、当該技術分野で公知である任意の数の方法によって所定の値に制御される。このステップは、上記材料(微細鋳型)122の上部表面および上記突出部114の上部表面に対して嵌合する第2の鋳型半分体を必要とし得るプラスチック射出成形手順を用いることによって達成され得る。しかし、このような成形(またはキャスティングでさえ)手順は、本発明の原理内で容易に達成されるが、本発明にとって特に必要ではない。
【0035】
ここで、図9を参照して、この堆積された第2の材料122は、ツーリングから分離または離脱され、そしてここで、一般に、参照番号130によって指定される。一旦離脱されると、第2の材料122のこの層はその上部表面および底部表面の両方上で実質的に平面状であり、そしてまた参照矢印132で示されるように、それを通る開口を提示する。これらの開口132は、当初のツーリング110の突出部114の形状によって決定される形状、すなわち、三次元ネガティブ形状または「型」を有する。
【0036】
ここで、図10を参照して、マスク層は、材料122の上部表面上に配置され、ここで、このマスクは、実質的に平面状であり、そして開口を提示する。この全体の組み合わせは、一般に、参照番号140によって指定される。このマスク自体は、参照番号142によって、そしてその開口は参照矢印144によって指定される。少なくともいくつかの開口144は、上記材料122の開口132のいくつかと実質的に整列され、その結果、開口144の周縁(円形の場合)または領域は、開口132の周縁(円形の場合)または領域の周の中で整列する。これらの構造は、全体のサイズにおいて比較的小さくあるべきであるので(そしてそれ故、「微細構造」と称される)、これら開口132および144の内側の周/領域は、実質的に「良好に整列されている」べきである。
【0037】
マスクプレート142は、図4を参照して上記で論議された先のマスクプレート42とは幾分異なる形状を有する。図10では、このマスクプレート142は、144で開口を提示するだけではなく、材料122の層中の開口132によって占領される容量中に中空の突出部を形成する(図10に見られるような)下方方向に突出する垂直構造を示すことが理解される。この突出部146は、この構造140から形成される微細要素の形状を最終的に生成し、そしてこの形状は、図6に示されるのと幾分異なる。
【0038】
ここで、図11を参照して、構造140は、ここで、底鋳型半分体(または「裏打ちプレート」)152が提供される成形手順で用いられ、そして成形可能な材料が、この裏打ち半分体と上部構造140との間に配置される。この全体の組み合わせは、一般に、参照番号150によって指定される。この構造140が裏打ちプレート152に対して所定の間隔を置いた位置に位置決めされた後、成形可能な材料154が、それらの間に差し挟まれるか、または導入され、これは、上記材料122と裏打ちプレート152との間の実質的に平面状の領域を充填し、および容積測定空間156を充填する。この成形可能な材料154が硬化する前に、加圧流体(例えば、高圧ガスまたは液体)が、図11上で参照番号158によって一般に指定される位置にある開口144を通って方向付けられる。この高圧ガスまたは液体は、この開口144を通り、そして裏打ちプレート152を通って下方に通過し、これは、この高圧ガスまたは液体に対して実質的に対して実質的に多孔性の媒体から製造され得る。勿論、この裏打ちプレート152は、上記成形可能な材料154自身に対しては実質的に多孔性ではあり得ない。あるいは、この裏打ちプレート152は、適切な圧力供給源をともなう加圧ガス/液体に対して非多孔性特徴を有し得る。
【0039】
この成形可能な材料154が、156にある形状化容量を含む、材料122と裏打ちプレート152との間の空間のすべてを充填するとき、そして高圧ガスまたは液体が158にある開口を通って吹き込まれ、それ故、それを通るチャネルを形成する間、全体構造150は、幾分冷却され、その結果、この成形可能な材料は硬化する。一旦、この成形可能な材料154が固化すると、それは、「鋳型半分体」122および152から離脱され、それによって、参照番号160によって一般に指定される図12に示される形状を示す。この成形可能な材料は、ここで、基板154、およびこの基板154から射出または突出する複数の微細要素156を提示する。これらの微細要素156の各々は、中空の貫通穴158を提示する。これらの微小要素156は、動物の皮膚の外側層(例えば、ヒト皮膚の角質層)を貫通するように設計され、そしてこれらの開口または貫通穴158は、流体が、この微細要素156によって貫通された皮膚障壁または組織の膜障壁を通って分与されることを可能にする。
【0040】
上記で記載したように、この微細要素156は、中空円筒形、または貫通穴を備えた個々のピラミッド形状を含む任意の所望の形状に作製され得る。この微細構造160を形成するために用いられる実際の材料は、その他の材料、なお、おそらく、キャスティングプロセスにおける特定のタイプの金属(金属中にこの貫通穴を形成し得る加圧ガスまたは液体は、実際に、付与されるべき非常に高い圧力、または化学的反応が、このプロセスの形成ステージおよび冷却ステージの間にさらに生成されることを必要とし得るけれども)でさえ利用され得るが、代表的には、成形可能なプラスチックまたはポリマーであり得る。
【0041】
個々の微細要素156の開口の形状は、図6中に56で描写されるのと幾分異なり、図12上で162で示されるように、162における開口は、その内側寸法がより大きい。換言すれば、158における貫通穴の部分の内側の周または領域は、162における貫通穴の部分の内側の周または領域より小さく、これはまた、この微細要素156の最も上の先端部でより鋭いエッジを提供する。
【0042】
図10を見るとき、マスクプレート142は、この構造140中に底部層122の開口132上部に本質的に「覆いかぶさる」部分を有することが観察され得る。この「覆いかぶさり」は、再使用可能なマスクプレート142が、このプロセスが図12に到達するときまでに形成される中空の微細構造の壁厚みおよび内側周(および内側領域)を規定するより小さな開口144および突出部146を提供することを可能にする。換言すれば、チャネル158および162の内側寸法は、マスクプレート142の開口144および突出部146中の内側の周(例えば、円形の場合内径)に実質的に依存し、そして図9の構造130中の開口132の内側の周(例えば、円形の場合内径)に依存しない。
【0043】
開口132および144について描写された形状および角度は、例示および説明の目的のためであり、しかも、種々のその他の形状および角度が本発明の原理から逸脱することなく用いられ得ることが理解される。さらに、これら開口132および144内側寸法の比もまた、例示および説明の目的のためであり、しかも種々のその他の比率が、本発明の原理から逸脱することなく用いられ得る。確実に、実質的に任意の微細構造寸法がツーリング突出部114のサイズ、材料122の厚み124、マスクの突出部146、および基板154の厚み、ならびに最終微細構造160の微細要素156の長さについて用いられ得、そしてそれ故、本発明の企図の中にある。
【0044】
複数の微細要素を備えた微細構造を形成するための手順を示す第3の実施形態が図13〜20に示され、そしてここで詳細に論議される。ここで図13を参照して、一般に、参照番号210によって指定されるツーリング構造が提供され、その上部表面が所定の形状を有し、ここで、その基板212は、218に最も上のピークを有する突出部214とともに216に比較的平面状の上部表面を有する。
【0045】
ここで、図14を参照して、第2の材料222は、電気メッキ、スピンコーティング、または蒸着のようなプロセスを用いてツーリング210上に堆積される。全体の得られる構造は、一般に、参照番号220によって指定され、そして第2の材料222は、平面状表面216の上で所定の厚みを示すように形成され、ここで、この所定の厚みは参照矢印224で示される。
【0046】
この第2の材料222は、当初のツーリング210から部分的にネガティブな鋳型を形成し、そしてその高さは、当該技術分野で公知である任意の数の方法によって所定の値に制御される。このステップは、上記材料222の上部表面および上記射出部214の上部表面に対して嵌合する第2の鋳型半分体を必要とし得るプラスチック射出成形手順を用いることによってさえ達成され得る。しかし、このような成形(またはキャスティングでさえ)手順は、本発明の原理内で容易に達成されるが、本発明にとって特に必要ではない。
【0047】
ここで、図15を参照して、この堆積された第2の材料222は、ツーリングから分離または離脱され、そしてここで、一般に、参照番号230によって指定される。一旦離脱されると、第2の材料222のこの層はその上部表面および底部表面の両方上で実質的に平面状であり、そしてまた参照矢印232で示されるように、それを通る開口を提示する。これらの開口232は、当初のツーリング210の突出部214の形状によって決定される形状、すなわち、三次元ネガティブ形状または「型」を有する。
【0048】
同じタイプの(すなわち、サイズおよび形状において)ツーリング212もまた、再び用いられ得、ここで、材料244の層が、図16に示されるように、より大きな厚みに堆積され、ここで、この構造は、一般に、参照番号240によって指定される。このツーリングは、248でピークをもつ複数の突出部を有する底部構造242を有する。堆積された材料244は、その最も上の寸法が246に示され、そしてピーク248の高さに接近するような厚みを獲得するようにされる。材料244のこの堆積された層がツーリング242から離脱されるとき、それは、図17に示されるように、252でかなり小さな開口を示す。この堆積された材料244は、図17上で一般に参照番号250によって指定され、そして図15の材料222より厚く、そして図15の開口232と比較したとき252でより小さな開口を提示することの両方である。
【0049】
明らかな代替として、このツーリング242は、(平面状表面247の上の)堆積された材料244の高さ246が、堆積された材料222の(平面状の表面216の上の)高さ224と正確に同じであり得るように、ツーリング212のそれとは幾分異なるサイズおよび/または形状を提示し得る。その状況では、図18〜20を参照して以下に論議される後のプロセスステップのために、その開口252が制御する寸法であることがなお所望され得る(すなわち、開口252は、それらの内側の周または内側領域が開口232より小さくあるべきである)。これは、単に、248でそれらのピークを有する突出部249に異なる形状および/またはサイズを提供することで達成され得る。
【0050】
これらの構造230および250は、ここで、図18に示されるように、互いに対して接し、それによって、一般に、参照番号260によって指定される構造を生成する。底部構造230は、より大きな開口232を含み、その一方、上部構造250は、参照矢印262で見られるように、より小さな内側の周/領域まで下方に狭く、またはテーパー状になる開口252を備えた材料244のより厚い層を示す。この262における開口の周/領域は、開口232の周/領域内でほぼ整列されるべきであり、そしてそれ故、これらの構造230および250は、実質的に良好に整列されるべきである。これら2つの層230および250は、必ずしも、互いに永久的に付着または固定されている必要はないが、それらは、図19に示されている次のステップの手順の間にその場に固く保持されるべきである。
【0051】
図19では、底鋳型半分体または裏打ちプレート272は、構造260から所定の間隔を置いて離れた位置にもたらされ、そして成形可能な材料274がそれらの間に差し挟まれるか、または導入される。この全体構造は図19に示され、そして一般に、参照番号270によって指定される。この裏打ちプレート272がその位置にある間、成形可能な材料274が、層222と裏打ちプレート272との間の容量、および層230中の開口232によって形成された276における容量を充填するように導入される(おそらくは、射出成形プロセスによる)。成形可能な材料のこの導入が進行する間、高圧流体(すなわち、ガスまたは液体)が、開口252を通って、かつ開口232(これは、成形可能な材料276からつながって観察される)を通って下方に向かい、それによって、この成形可能な材料中にチャネル278を形成する。この高圧ガスまたは液体は、それによって、裏打ちプレート272を通過しながら、中空のチャネル278を形成し、これは、ガスまたは液体流れに対して多孔性の媒体から構成され得る。勿論、上記裏打ちプレート272は、成形可能な材料274に対しては実質的に多孔性ではない。上記のように、プレート272のような裏打ちプレートは、加圧流体のための適切な圧力供給源とともに用いられるとき、加圧ガス/液体に対して多孔性である必要性は必ずしもない。
【0052】
高圧流体は、成形可能な材料がそれが固化するまで冷却される間流れ続け、その結果、チャネル278は永久的になる。この成形可能な材料274が固化した後、それは、要素260および272によって形成された鋳型半分体から離脱され、それによって、図20に示され、参照番号280によって一般に指定される「最終」構造を提供する。図20に見られるように、この微細構造280は、基板274および複数微細要素276を含み、これらは、278で貫通孔または開口を有する。図1〜12に関して上記で論議された手順および構造に類似の様式で、この微細要素276は、円錐体、ピラミッド、円筒形、または楔形を含む、システム設計者によって選択される事実上任意のサイズおよび形状であり得る。さらに、このような形状の組み合わせが、単一の基板274上で使用され得、複数形状の、または複数パターンのアレイの微細要素をもつ単一の微細構造280を形成する。
【0053】
図18に見られるように、層244のより小さな開口252は、それらが、層222中のより大きな開口232を「覆いかぶさる」ように本質的に「マスク」として作用することが理解される。開口252の最も狭い部分におけるこれらのより小さな開口は、参照矢印262で示され、そして微細要素276および貫通穴278の壁厚みおよび内側寸法(例えば、開放領域)を規定するこれら最も狭い(またはテーパー状の)開口262における内側の周である。
【0054】
開口232および252について描写される形状および角度は、例示および説明の目的のためであり、しかも種々のその他の形状および角度が、本発明の原理から逸脱することなく用いられ得ることが理解される。さらに、これら開口232と252との内側寸法の比率はまた、例示および説明の目的のためであり、しかも種々のその他の比率が、本発明の原理から逸脱することなく用いられ得る。確かに、実際に、任意の微細構造寸法が、ツーリング突出部214のサイズ、材料222および246の厚み224および246、ならびに基板274の厚みおよび最終微細構造280の微細要素276の長さについて用いられ得、そしてそれ故、本発明の企図内にある。
【0055】
複数微細要素を備えた微細構造を形成するための手順を示す第4の実施形態が、図21〜24に示され、そしてここで詳細に論議される。図21をここで参照して、ツーリング312は、平面状の表面316、および318でピークを備えた複数の突出部または射出部314を備える。第2の材料322が、このツーリング上に堆積され、それによって、図21中に参照番号310によって一般に指定される構造を生成する。それが堆積されているとき、第2の材料322は、所定の厚みに、参照矢印324におけるその高さがツーリング312のピーク318の高さとほとんど同じであるように届くようにされる。この堆積された材料322がツーリング312から分離されるとき、それは、図22に示されるように、参照番号320によって一般に指定される構造を生成する。この材料322中に形成された開口326は、参照矢印328におけるそれらの最も狭い点まで下方にテーパー状である。これらのテーパー状の開口328は、単に材料の量、または図21中の寸法324を規定する、この材料の高さを制御することにより制御され得る。所望であれば、図21中の構造310を形成するためのプロセスは、特定タイプの堆積手順よりもむしろ、プラスチック射出成形手順を含み得る。さらに、ダイキャスティング方法が、成形可能なプラスチックまたはポリマー材料よりもむしろ、金属を含むための構造320について用いられる材料が所望される場合に用いられ得る。射出成形またはダイキャスティングのいずれかが用いられるべき場合、そのときは、上部「鋳型半分体」または「ダイ半分体」がまた必要である。
【0056】
ここで図23を参照して、構造の層322は、第2の鋳型半分体または裏打ちプレート322に所定の間隔を置いて離れた距離内にもたらされ、そして成形可能な材料はそれらの間に差し挟まれ、それ故、参照番号330によって一般に指定される構造を形成する。334における成形可能な材料は、開口326を含む、裏打ちプレート332の上面とツーリング322の底表面との間の空間を満たし、これらは、336で成形可能な材料によって満たされる。この成形可能な材料が導入される間、高圧ガスまたは液体が上から向けられ、そしてツーリング322中の比較的小さな開口328を通過し、それによって、この成形可能な材料中にチャネル338を形成する。この状況は、この成形可能な材料が適切な容量を完全に充填し、そして次にそれが固化するように冷却されるまで維持される。一旦、この成形可能な材料334が固体になると、「鋳型半分体」322および332は、図24に示されるような構造340が離脱されるように分離される。この微細構造340は、上部平面状表面の上に突出または射出する複数微細要素336を提示する基板334を含み、そしてここで、これら微細要素336は、338で貫通開口を有する。
【0057】
上記の説明から見られるように、図21〜24のこの実施形態は、微細要素336を通じて形成される開口のサイズおよび形状を支援して規定するために別個のマスクプレートを必要としない。これは、これら微細構造を形成する際に本発明の方法による工程を経る間にパーツまたは備品をなくするのみならず、任意のタイプのマスクプレートを、微細要素それら自身を形状化するために用いられるより先に形成されたツーリング構造と整列する要求をなくする。図21〜24のこの実施形態で要求されるすべては、初期材料322の高さ(図21を参照のこと)が、開口が、(図22に見られるように)328におけるような、それらの最も狭い範囲で形成されるとき、微細要素射出部314によって形成された開口のサイズが、正確な、円でない周(または円形の場合、正確な直径)または領域であるように適正に制御されることである。
【0058】
この開口328について描写される形状および角度は、例示および説明の目的のためであり、しかも、種々のその他の形状および角度が、本発明の原理から逸脱することなく用いられ得ることが理解される。確かに、実際に、任意の微細構造寸法が、ツーリング突出部314のサイズ、材料322の厚み324、ならびに基板334の厚みおよび最終の微細構造340の微細要素336の長さについて用いられ得、そしてそれ故、本発明者らの企図内にある。
【0059】
本発明のすべての実施形態について、上記成形可能な材料中に貫通穴を形成する高圧ガスまたは液体が、連続的圧力であり得るか、またはパルス化圧力であり得ることが理解され得る。また、この高圧流体(ガスまたは液体)は、それに代わり、貫通穴よりむしろ、圧入を生成するようにその時間の持続時間について制御され得る(以下により詳細に論議される)。さらに、この成形可能な材料の差し挟みは、射出成形により、またはおそらくは成形可能な材料のフィルムをエンボス加工することにより、またはキャスティングによってでさえ、所望により達成され得る。また、図5、11、19、および23の図解における機械的要素の物理的配向は、図解されたのとは異なり得ることが理解され、そして実際、それは、所望であれば、逆さま、または90゜もしくはその他の角度で配向され得る。
【0060】
図21のツーリングは、上記で論議されたように、図22中に示される微細構造の形状320を生成するために用いられる。しかし、上記で注記したように、最終微細構造を完全に通って延びる開口または穴を常に生成する必要は必ずしもない。このような構造を構築する例は、図25および26に示される。図25では、堆積された材料322が、再び、鋳型形状または鋳型半分体として用いられ、その一方、裏打ちプレート352は、(この図に見られるように)「底」鋳型形状を提供する。成形可能な材料354は、これらの鋳型形状322と352との間に挿入され、それ故、参照番号350によってほぼ指定される一時的構造を生成する。この特定のプロセスでは、裏打ちプレート352が、加圧流体に対して任意のタイプの多孔性特徴を有する必要性または所望されることはまったくない。
【0061】
354における成形可能な材料は、開口326を含む、裏打ちプレート352の上部表面とツーリング322の底表面との間の空間を充填し、これらは、356で成形可能な材料により充填される。この成形可能な材料が導入される間、高圧ガスまたは液体が上から向けられ、そしてツーリング322中の比較的小さな開口328を通過し、それによって、この成形可能な材料中にチャネル360を形成する。この状況は、この成形可能な材料が適切な容量を完全に充填し、そして次にそれが固化するように冷却されるまで維持される。一旦、この成形可能な材料354が固体になると、上記「鋳型半分体」322および352が、図26に示されるように構造370が離脱されるように分離する。この微細構造340は、上部平面状表面の上に突出または射出する複数微細要素356を提示し、そしてこれら微細要素356が360で開口を有する基板354を含む。
【0062】
この代替のプロセスでは、加圧流体が材料322中の開口を通って向けられるとき、形状化容量356中に生成された開口またはチャネル360が、裏打ちプレート352まで完全に通過して延びないような様式でなされる。最終の微細構造370は、開口または圧入360が、基板354の底表面まで完全に通過しないで提供され、そして固体材料の(362における)一部分は、開口360の最も底の範囲に残る。これは、この開口328を通って加圧された流体を送るために流体圧力および時間の持続時間を、この成形可能な材料が、これら開口/圧入360が基板354の底まで通過する完全なチャネルを形成し得る前に固化されるように制御することにより達成され得る。パルス化圧力供給源の使用は、この微細構造を構築することで支援し得る。このような(貫通穴に代わる)圧入は、本明細書中に開示される任意の実施形態と組み合わせて形成され得る。
【0063】
上記ツーリングの射出部の正確な形状は、本発明の原理から逸脱することなく、図面中に示されたものから変動し得ることが理解される。可能な形状の例は、「背景」中で上記に記載され、またThe Procter&Gamble Companyに譲渡された特許文献中に開示されており、これらは、本明細書中に参考として援用されている。種々の穴またはチャネルサイズについての開口の相対比率は、本発明の原理から逸脱することなく図解されたものから変動し得ることもまた理解される。上記で論議された材料は単なる例示であることがさらに理解され、そして実際に、任意のタイプの成形可能な、またはキャスト可能な材料が本発明の原理と組み合わせて用いられ得、記載の方法を用いて微細構造を製造する。
【0064】
本発明の方法は、微細構造中に貫通穴または圧入を作製するためのプロセスに、これら貫通穴/圧入がその微細構造の突出部内に物理的に位置されるか否かにかかわらず拡張されることがさらに理解される。換言すれば、このような貫通穴/圧入は、そうでなければその上部表面および底表面に沿って実施的に平面状である微細構造の基板の一部分に沿って位置決めされ得る。これは、例えば、ツーリング30中の開口32(図3を参照のこと)と整列しないマスクプレート42(図4を参照のこと)中にいくつかの開口44を生成することにより容易に達成される。その状況では、これら開口44を通って向けられる加圧された流体は、成形可能な材料の基板54のみを通って延び、そして突出部56のそれを通らないいくつかの開口(図5には示されない)を生成する。突出部56の多くまたは大部分が開口を含むことが重要でない場合、そのときは上記で論議された「良好に整列された」特徴は、このような微細構造を構築するとき、維持される必要はないであろう。
【0065】
結論として、本発明は、成形可能な材料中に開口および/または圧入を、その成形可能な材料が実際に形成および固化されたその形状を有する間に同時に生成するための方法を提供する。本発明は、さらに、(例えば、電気メッキ、スピンコーティング、または蒸着により)材料を、所定の形状を有するツーリング構造上に堆積し、そして次いで、堆積された材料を離脱することにより微細鋳型を構築するための方法を提供し、これは、それによって、ツーリング構造の物理的形状の三次元ネガティブである物理的形状を獲得した。
【0066】
「発明の詳細な説明」中に引用されたすべての文献は、関連する部分で、本明細書中に参考として援用され;任意の書類の引用は、本発明に対する先行技術である承認として解釈されるべきではない。
【0067】
本発明の特定の実施形態が例示され、そして説明されたが、種々のその他の変更および改変が本発明の思想および範囲から逸脱することなくなされ得ることは当業者に明らかである。従って、添付の請求項には、本発明の範囲内にあるすべてのそのような変更および改変を含むことが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1−6】図1−6は、微細構造上の微細要素のアレイを生成するためのプロセスの種々のステップを例示し、そこでは、材料は、予備成形されたツーリング上に堆積され、そして次にそのツーリングから放出され、そして複数の開口を有するマスクで覆われ、その後、成形可能な材料の層がこの組み合わせの表面に対して配置され、そして加圧ガスまたは液体が、この形成された微細要素が基板から出る位置で成形可能な材料を通る開口を生成するように向けられる。これら図のすべては、正面断面図である。
【図7−12】図7−12は、微細構造上の微細要素のアレイを生成するためのプロセス中の種々のステップを示し、そこでは、材料は、予備成形されたツーリング上に配置され、そして次にそのツーリングから放出され、そして複数の開口を有するマスクで覆われ、そこでは、このマスクは、その中の開口の近傍に短い中空の突出部を提示し、その後、成形可能な材料の層がこの組み合わせの表面に対して配置され、そして加圧ガスまたは液体が、この形成された微細要素が基板から出る位置で成形可能な材料を通る開口を生成するように向けられる。これら図のすべては、正面断面図である。
【図13−20】図13−20は、微細構造上の微細要素のアレイを生成するためのプロセス中の種々のステップを示し、そこでは、第1の材料は、予備成形されたツーリング上に第1の所定の深さまで堆積され、そして第2の材料が予備成形されたツーリングに第2の異なる深さまで堆積され、そしてこれら2つの材料がそれらの個々のツーリングから放出された後、それらは互いにそれらの開口が良好に整列されるように接する。それが起こった後、成形可能な(第3の)材料が上記第1の材料の表面に対して配置され、その一方、高圧ガスまたは液体が、上記第2の材料中の開口を通じて向けられ、それによって、成形可能な材料中に貫通穴を形成し、そしてこの成形可能な材料が固化され、かつ放出されるとき、それは、基板から突出する中空の微細要素を提示する。これら図のすべては、正面断面図である。
【図21−24】図21−24は、微細構造上の微細要素のアレイを生成するためのプロセス中の種々のステップを示し、そこでは、第1の材料は、予備成形されたツーリング上に所定の厚みまで堆積され、そして一旦この材料が放出されると、それは、複数の小開口を有する鋳型形状になる。成形可能な(第2の)材料が、次いで、この放出され、堆積された材料に対して配置され、そして加圧ガスまたは液体がこの第1の材料中の開口を通って向けられ、それによってこの成形可能な材料中に貫通穴を形成する。この成形可能な材料が固化および放出されるとき、それは、基板から突出する複数の中空の微細要素を提示する。これら図のすべては、正面断面図である。
【図25−26】図25−26は、微細構造上に微細要素のアレイを生成する代替プロセスの最終ステップを示し、そこでは、図22の堆積された材料が、上記成形可能な材料を完全に通って延びない開口を有する微細構造を生成するために用いられる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
微細構造を構築する方法であって:
(a)所定の形状に成形されるべき成形可能な材料を提供する工程;
(b)所定の流体を圧力下で該成形可能な材料の表面に向かって押す工程であって、該所定の流体が該表面に少なくとも1つの開口を形成する工程;を包含し、
さらに:
(c)該成形可能な材料を実質的に固化する工程であって、それによって、該表面に該少なくとも1つの開口を含む中実微細構造を形成する工程を包含することによって特徴付けられる、方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの開口が、前記中実微細構造を完全に通って延びることによって特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに:第1の鋳型半分体および第2の鋳型半分体を有する微細鋳型を提供する工程を包含し、該第1の鋳型半分体が、前記所定の流体が圧力下で押されて通る複数の開口を含み、該第2の鋳型半分体が、以下:(a)前記成形可能な材料に対しては実質的に非多孔性であるが、該所定の流体に対しては実質的に多孔性である材料;および(b)該成形可能な材料に対しては実質的に非多孔性であり、そしてまた該所定の流体に対しても実質的に非多孔性である材料の1つを含むことによって特徴付けられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
微細鋳型を構築する方法であって:
(a)第1の表面および該第1の表面に対向する第2の表面を有し、かつ該第1の表面上に形成された複数の突出部を有する基板を有するツーリング構造を提供する工程であって、該複数の突出部が少なくとも1つの高さを示す工程;
(b)該ツーリング構造の第1の表面上に材料を堆積する工程であって、該材料が、該複数の突出部の少なくとも1つの高さより概して小さい厚みを有する工程;および
(c)該材料を該ツーリング構造から分離する工程であって、該材料の厚みに沿って該ツーリング構造の複数突出部の三次元ネガティブ形態の一部分に対応する第1の複数の開口を提示する微細鋳型によって特徴付けられる微細鋳型を形成する工程、を包含する、方法。
【請求項5】
(d)裏打ち部材を提供する工程;
(e)前記微細鋳型と該裏打ち部材との間に成形可能な材料を導入する工程;
(f)成形手順の間に、所定の流体を、圧力下で、該微細鋳型中の前記第1の複数の開口を通じて該成形可能な材料の第3の表面に向かって押す工程であって、該所定の流体が、該第3の表面で第2の複数の開口を形成する工程;および
(g)加圧された該所定の流体が該第3の表面に向かって流れ続ける間に該成形可能な材料を実質的に固化する工程であって、それによって、該第3の表面で該第2の複数の開口を含む中実微細構造を形成することによって特徴付けられる工程、をさらに包含することによって特徴付けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって:
(a)前記第2の複数の開口が、前記中実微細構造を完全に通って延びるか;または
(b)該第2の複数の開口が、該中実微細構造を完全に通って延びない少なくとも1つの圧入を形成するか;または
(c)該第2の複数の開口の第1の群が、該中実微細構造を完全に通って延び、該第2の複数の開口の第2の群が、該中実微細構造を完全に通って延びない少なくとも1つの圧入を形成するか、のいずれかであることで特徴付けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
さらに:
(h)第3の複数の開口を提示するマスク部材を提供する工程;
(i)該マスク部材を、前記裏打ち部材から離れて面する前記微細鋳型の表面に実質的に対して配置する工程であって、このような配置により、該第3の複数の開口が、該微細鋳型の第1の複数の開口と実質的に良好に整列されることによって特徴付けられる工程;を包含し、そして
(j)前記成形手順の間に、前記所定の流体を、圧力下、該マスク部材の該第3の複数の開口および該微細鋳型の前記第1の複数の開口の両方を通り、前記成形可能な材料の前記第3の表面に向かって押す工程によって特徴付けられる、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記マスク部材が、以下の物理的特徴:
(a)該マスク部材が、実質的に平坦なプレートを備える;
(b)該マスク部材が、前記微細鋳型に類似の形状を示すが、配向が逆である;および
(c)該マスク部材と微細鋳型との間の前記表面で、該マスク部材の第3の複数の開口の内側領域が、該微細鋳型の第1の複数の開口の内側領域より概して小さい;の1つを示すことで特徴付けられる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記裏打ち部材が:
(a)前記成形可能な材料に対して実質的に非多孔性である材料であるが、前記所定の流体に対して実質的に多孔性である材料;および(b)該成形可能な材料に対して実質的に非多孔性であり、そしてまた該所定の流体に対しても実質的に非多孔性である材料;の1つを含むことで特徴付けられる、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
微細構造を構築する方法であって:
(a)第1の表面および該第1の表面に対向する第2の表面を有し、かつ該第1の表面上に形成された複数の突出部を有する第1の基板を有するツーリング構造を提供する工程であって、該複数の突出部が少なくとも1つの高さを示す工程;
(b)該ツーリング構造の第1の表面上に第1の材料を堆積する工程であって、該第1の材料が、該複数の突出部の少なくとも1つの高さより概して小さい厚みを有する工程;および
(c)該第1の材料を該ツーリング構造から放出する工程であって、該第1の材料が、該第1の材料の厚みに沿って該ツーリング構造の複数突出部の三次元ネガティブ形態の一部分に対応する複数の開口を提示し、該複数の開口が、該第1の材料の第3の表面の近位方向にある少なくとも1つの所定の内側領域を提示する工程を包含し;
(d)該第1の材料の第4の表面から所定のかつ間隔を置いて離れた距離で裏打ち部材を提供する工程であって、該第4の表面が該第1の材料の第3の表面と対向し、該裏打ち部材が成形可能な第2の材料に対して比較的小さな空隙率を示すが、所定の流体に対して実質的な空隙率を示す工程;
(e)該成形可能な第2の材料を、該裏打ち部材と該第1の材料の第4の表面との間に導入し、そして該所定の流体を、圧力下で、加圧された該所定の流体を該複数の開口を通って流しながら、該第1の材料の複数の開口を通って押し、該第1の材料と該裏打ち部材との間で、該第2の材料中に少なくとも1つのチャネルを形成し、そして該第2の材料を実質的に固化する工程;
(f)該固化された第2の材料を、該裏打ち部材および該第1の材料から分離する工程であって、該固化された第2の材料が第2の基板を提示し、かつ該第1の材料中の複数の開口の三次元ネガティブ形態にサイズおよび形状が実質的に対応する複数の微細要素を提示し、そしてさらに該第2の基板を完全に、かつ該複数の微細要素の少なくとも1つを通る該少なくとも1つのチャネルを提示する工程によって特徴付けられる、方法。

【公表番号】特表2006−526510(P2006−526510A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515061(P2006−515061)
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/017255
【国際公開番号】WO2004/110717
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505316978)コリウム インターナショナル, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】