流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータ
流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータであって、本体(4)と、第1の軸を中心に、前記本体(4)に対して回転するように設置されたアクチュエータ(1)であって、ドライブ手段(14,15)を有する前記アクチュエータと、そして、第2の軸を中心に前記本体(4)に対して回転するように設置された円筒形のインジケータ部材(2)であって、歯のセット(21)を有し、当該歯は、前記アクチュエータ(1)の前記ドライブ手段(14,15)と協働して、ディスペンサ装置が駆動されるたびに回転する、というインジケータ部材であって、数字および/または記号によるインジケータ手段(25)を更に有し、それによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズまたは未投与の残ドーズの数をユーザに示す、という前記インジケータ部材(2)と、を有し、前記アクチュエータ(1)は、前記本体(4)に固定されたアクチュエータ手段(7)と協働し、前記アクチュエータ手段(7)は、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進で移動させられ、さらに、前記アクチュエータ(1)と協働して、前記アクチュエータ手段(7)の並進を前記アクチュエータ(1)の回転に変換することである、という前記インジケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーズインジケータ、および、そのようなインジケータを有する流体ディスペンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーズインジケータまたはカウンタは、流体ディスペンサ装置に関しては公知であり、具体的には、薬剤や化粧品のディスペンサ、あるいは、香水の分野のディスペンサがある。それらは、ポンプを有する装置や弁を有する装置など、流体が推進用ガスを用いて投与される型の装置と組み合わせることができる。重要な条件として、特に薬用のディスペンサでは、過少カウントの危険を排除しなければならない。これを実現するには、ポンプまたは弁の駆動ストロークの開始段階でドーズ投与をカウントすることが必要である。これは、具体的には、駆動が部分的にしか行われなかった場合に、この部分的に投与されたドーズもカウンタによってカウントされる、ということを保証するのが目的である。さらに、もう1つの条件として、カウンタの有する構成要素部品の数を可能な限り少なくする、ということがある。そうすることで、前記カウンタの製造および組立は、複雑さが軽減され、それに伴ってコストも低くすることができる。また、カウンタの動作不良の危険も軽減される。それに加えて、大きな数のドーズ(例えば、120ドーズや200ドーズ)をカウントすることができ、しかも、それによってカウンタがひどく複雑になったり、寸法が大きくなりすぎたりすることはない、というカウンタが望まれることも多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の条件の全てを事実上満たすような、従来にない流体ディスペンサ装置用ドーズインジケータを提供することである。
具体的には、本発明は、装置のポンプまたは弁の各駆動ストロークの開始段階でドーズをカウントすることを可能すると共に、信頼性の高い形で動作する、というドーズインジケータを提供することを目的とする。
【0004】
本発明はまた、可能な限り構成要素部品の少ないドーズインジケータを提供することを目的とする。
本発明はまた、製造および組立が簡単かつ安価である、というドーズインジケータを提供することを目的とする。
本発明はまた、カウントできるドーズ数の大きいドーズインジケータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明が提供するのは、流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータであって、本体と、第1の軸を中心に、前記本体に対して回転するように設置されたアクチュエータであって、ドライブ手段を有する前記アクチュエータと、そして、第2の軸を中心に前記本体に対して回転するように設置された円筒形のインジケータ部材であって、歯のセットを有し、当該歯は、前記アクチュエータの前記ドライブ手段と協働して、ディスペンサ装置が駆動されるたびに回転する、というインジケータ部材であって、数字および/または記号によるインジケータ手段を更に有し、それによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズまたは未投与の残ドーズの数をユーザに示す、という前記インジケータ部材と、を有し、前記アクチュエータは、前記本体に固定されたアクチュエータ手段と協働し、前記アクチュエータ手段は、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進で移動させられ、さらに、前記アクチュエータと協働して、前記アクチュエータ手段の並進を前記アクチュエータの回転に変換する、というインジケータである。
【発明の効果】
【0006】
また、効果的な構成として、前記インジケータ部材は、前記アクチュエータを囲む形に配置されており、前記歯のセットは前記インジケータ部材の内周壁に形成されている。
また、効果的な構成として、前記第1の軸と第2の軸とは同一である。
また、効果的な構成として、カバー部材は、前記本体に固定され、前記インジケータ部材を囲む形で配置されており、前記カバー部材は、前記インジケータ部材の前記インジケータ手段が見えるようにするウィンドウを有している。
【0007】
また、効果的な構成として、インジケータ部材およびカバー部材のうち一方はガイド手段を有し、当該手段は、他方の部材に設けられた相補的ガイド手段と協働する。
また、効果的な構成として、前記ガイド手段は少なくとも1つのガイド溝を有し、前記相補的ガイド手段は少なくとも1つのガイド突起を有する。
また、効果的な構成として、前記ガイド溝は、具体的には螺旋形とすることもでき、前記インジケータ部材、またはその代わりに前記カバー部材、の周囲を複数回転分巻いた形とされ、それによって、インジケータが、インジケータ部材の歯のセットに備えられた歯の数よりも大きいドーズ数をカウントすることが可能になっている。
【0008】
また、効果的な構成として、アクチュエータおよびアクチュエータ手段のうち一方は少なくとも1つのアクチュエータ部材を有し、当該部材は、前記アクチュエータ手段の並進での移動方向に対して少なくも部分的に傾斜しており、前記少なくとも1つのアクチュエータ部材は、アクチュエータおよびアクチュエータ手段のうち他方に設けられた少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材と協働し、それによって、アクチュエータ手段の並進での移動を前記アクチュエータの回転に変換する。
【0009】
また、効果的な構成として、前記少なくとも1つのアクチュエータ部材はアクチュエータ溝であり、前記少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材はアクチュエータ突起である。
また、効果的な構成として、アクチュエータの前記ドライブ手段は可撓性タブを有し、当該タブには、インジケータ部材が有する歯のセットの歯と協働するドライブ突起が支持されている。
【0010】
また、効果的な構成として、前記可撓性タブは、第1の可撓性タブ部分と第2の可撓性タブ部分とを有し、第1の可撓性タブ部分にはドライブ突起が支持されており、第2の可撓性タブ部分は前記第1の可撓性タブを前記アクチュエータに接続する。
また、効果的な構成として、1回の駆動のたびにカウントが行われることを保証するために、そして、製造誤差を補償するために、アクチュエータが回転する角度は、インジケータ部材の歯のセットのうち1本で規定される角度より大きく、本体は受け手段を有することで、インジケータ部材が歯のセットの1本分よりも大きく回転するのを防止し、それよりも大きくアクチュエータが回転した場合は、ドライブ手段の第2の可撓性タブ部分の撓みによって補償される。
【0011】
また、効果的な構成として、前記本体は壁部分を有し、当該部分は、少なくとも部分的には円筒形であり、前記アクチュエータと前記インジケータ部材との間に配置されており、前記壁部分は、アクチュエータのドライブ手段をインジケータ部材の歯のセットの所まで通すための通路を形成するカットアウトを有する。
また、効果的な構成として、前記カットアウトのエッジが前記受け手段を形成している。
【0012】
また、効果的な構成として、前記本体は、インジケータ部材用の戻り防止手段を有し、前記戻り防止手段は、前記部材が、アクチュエータに与えられる方向と反対の方向に回転するのを防止する。
また、効果的な構成として、前記戻り防止手段は可撓性タブを有し、当該タブは、前記歯のセットと協働する戻り防止突起を有する。
【0013】
また、効果的な構成として、アクチュエータ手段がその休止位置に戻る間、前記アクチュエータをその休止位置へ押しやるため、弾性手段を備えている。
また、効果的な構成として、前記弾性手段は、前記アクチュエータに固定された少なくとも1つの弾性ブレードで成り、前記少なくとも1つの弾性ブレードは、装置が駆動している間、弾性変形させられる。
【0014】
本発明はまた、流体ディスペンサ装置であって、流体を格納した貯蔵器と、ポンプや弁などのディスペンサ部材と、そして、ディスペンサ開口部を備えたディスペンサヘッドと、を有し、更には、上述したようなドーズインジケータを有する、という流体ディスペンサ装置を提供する。
また、効果的な構成として、本体は前記ヘッドの一部であって、前記アクチュエータ手段は前記ヘッドに固定される。
【0015】
また、効果的な構成として、前記アクチュエータ手段は、前記ディスペンサ開口部から見て上流で前記ヘッドの中に挿入された挿入物に形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に関する他の特徴および効果は、非限定的な例として提示される2つの実施の形態に関する以下の詳細な説明を、添付図面を参照しながら読むことで、いっそう明らかになるであろう。
本発明については、以下、2つの実施の形態(それぞれ図1、図2に示す)を参照しながら説明するが、当然のことながら、本発明は、はるかに広い適用範囲を有し、どんな種類の流体ディスペンサ装置にも適用できる。
【0017】
図1をさらに具体的に見ると、装置は貯蔵器100を有し、当該貯蔵器にはディスペンサ部材200(例:ポンプ、弁)が取り付けられている。図1における実施の形態では、ディスペンサ部材はポンプ200であり、当該ポンプは貯蔵器に対し、例えば留めリング19を用いて固定することができる。装置はさらに、ディスペンサ開口部(図示せず)の作られたディスペンサヘッド6を有する。ヘッド6はポンプ200に対して軸方向に移動可能であり、その移動によって前記ポンプを駆動し、貯蔵器100に格納された流体を投与する。図1に示す実施の形態では、ディスペンサヘッド6は、鼻用の種類のものであるが、当然のことながら、本発明には、どのような種類のヘッドでも適用できる。ヘッド6は本体4を有し、当該本体は好ましい構成として、ヘッドと一体化されて単一の部品として作られている。そして、前記本体4は、ドーズインジケータまたはカウンタを後で述べるような様態で収容するように構成されている。ドーズカウンタまたはインジケータは、第1軸を中心に前記本体4に対して回転するように設置されたアクチュエータ1を有する。回転軸については、装置の中心軸と一致するのが好ましい。図10、11に示すように、前記アクチュエータ1は、効果的な構成として、留めリング19に載り、それによって、装置の駆動中に軸方向に移動しないようになっている。さらに、円筒形のインジケータ部材2が、第2の軸を中心に本体4に対して回転するように設置されている。第2の軸については、アクチュエータの第1の回転軸と同一とするのが好ましく、すなわち、装置の中心軸とも一致するのが好ましい。
【0018】
インジケータ部材2は歯のセット21を有し、これらの歯はアクチュエータ1のドライブ手段14、15と協働する。図1、2、6に示すように、効果的な構成として、歯のセット21はインジケータ部材2の内周壁に形成されており、前記インジケータ部材は、アクチュエータ1を囲む形に配置されている。アクチュエータ1のドライブ手段14、15は、効果的な構成として、ドライブ用突起14が支持された可撓性タブ15を有する。突起14は、インジケータ部材2の歯のセット21の歯と協働することで、アクチュエータ1が回転させられるたびに、インジケータ部材2を回転させる。インジケータ部材2にはインジケータ手段25(例:数字、記号)が載っており、ユーザは、これによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズ数または未投与の残ドーズ数を知ることができる。
【0019】
本発明のインジケータは以下のように動作する。アクチュエータ1はアクチュエータ手段7と協働するが、当該手段7は本体4に固定されており、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進の形で移動する。アクチュエータ手段7の並進での移動は、前記アクチュエータの回転に変換される。その結果、装置が駆動される度に、インジケータ部材2はアクチュエータ1によって回転させられ、その結果、1ドーズがカウントされる。
【0020】
好ましい構成として、アクチュエータ1またはアクチュエータ手段7のいずれかは、1つ以上のアクチュエータ部材8を有し、効果的な構成として、当該部材8はアクチュエータ溝8によって形成されている。前記アクチュエータ1またはアクチュエータ手段7のうち、部材8を持たない方は、1つ以上の相補的アクチュエータ部材17を有する。効果的な構成として、当該部材17はアクチュエータ突起17によって形成されており、当該突起は前記アクチュエータ溝8と1対1で協働する。図に示す実施の形態では、アクチュエータ手段7は直径方向に見て対向する位置にある2つの溝8を有し、アクチュエータ1は直径方向に見て対向する位置にある2つの突起17を有する。突起17は前記溝8内をスライド移動する。特に図3に示すように、溝8は少なくとも部分的には、アクチュエータ手段7の並進移動方向に対して傾斜している。そのため、アクチュエータ手段7が並進移動すると、アクチュエータ1は突起17によって回転させられるが、それは、前記突起17が前記溝内をスライド移動し、前記溝8の傾斜部分に突起が達した時点でアクチュエータ1を回転させる、という形で起こる。そうして、可当性タブ15およびドライブ用突起14によって、アクチュエータ1はインジケータ部材を回転させ、その結果、1ドーズがカウントされる。
【0021】
効果的な構成として、カバー部材3が設けられ、インジケータ部材2を囲む形で配置される。好ましい構成として、カバー部材3は本体4に固定され、インジケータ部材2のインジケータ手段25が見えるようにウィンドウ24を有している。特に図6に見られるように、インジケータ部材2にはガイド手段22を持たせることができ、当該手段は、少なくとも1つのガイド溝22によって形成するのが効果的である。ガイド手段22は相補的ガイド手段23と協働し、当該手段23は、カバー部材3に設けられた少なくとも1つのガイド突起23によって形成するのが効果的である。また、変形例としては、カバー部材3の中にガイド手段22を、インジケータ部材2の上に相補的ガイド手段23を配置する、という形も可能である。好ましい構成として、ガイド溝22は螺旋形であり、インジケータ部材2を複数回転巻く形とするのが効果的である。そうすることで、本インジケータによってカウント可能なドーズの数を、インジケータ部材2の歯のセット21に設けられた歯の数よりも大きくすることができる。ここに示す実施の形態では、インジケータ部材2は60本の歯を有し、ガイド溝22は、図6の実施の形態では2回転している。したがって、カウントの可能なドーズ数は120となる。インジケータがカウントできるドーズ数を大きくするには、歯のセット21の歯数を増やす、および/または、ガイド溝22の回転数を増やす、という操作だけで充分である。また、ガイド溝22は必ずしも螺旋形である必要はなく、平行に並んだ複数の環状部分が傾斜路を介して互いに接続されている、という形で形成できる、ということも述べておくべきであろう。また、円周の一部分にわたり、および/または、傾斜した形で部材の周囲をめぐる構成を接合した形で設けることも可能である。カバー部材3は本体4に対して静止しているため、インジケータ部材2は回転させられ、さらに、突起23がガイド溝22内をスライド移動するにつれて、前記カバー部材3に対しては並進で移動するであろう。
【0022】
図1、3に示すように、アクチュエータ手段7は、ヘッド6に挿入される挿入物5に固定された形とすることができる。具体的には、挿入物5は、流体放出チャネルのデッドボリュームを制限し、ディスペンサ開口部でスプレーを形成する働きをする。また、変形例として、アクチュエータ手段7は、ヘッド6または他のいずれかの部品が有する固定部の上に形成することもできるであろう。効果的な構成として、アクチュエータ溝8は図3に示すように、最初の方には、装置の組み付けを可能にする直線的な部分を有し、その次には、ドーズのカウントを可能にする傾斜部分を、そして最後に、装置の駆動ストロークの継続を可能にする、もうひとつの直線的な部分を有する。したがって、前記傾斜部分を装置の駆動ストロークがちょうど開始される所に配置することで、駆動ストロークの開始から、確実かつ信頼できる形でカウントが行われることが保証されるため、過少カウントの危険は排除される。アクチュエータ手段7を挿入物5に形成する場合、位置決めフィン9を設けるのが効果的であり、当該フィンは、対応するヘッド6の位置決め溝10と協働し、それによって、前記挿入物5がヘッド6に対して回転するのを防止する。アクチュエータ手段7は並進の形でのみ移動するように設計されており、アクチュエータ手段の回転は回避される。
【0023】
アクチュエータ1は、効果的な構成として、図10、11に示すように、アクチュエータ手段7を囲む形でスリーブ16を有する。駆動中、すなわち、容器100に対してディスペンサヘッド6が軸方向に移動している間、ヘッド6、挿入物5(備えている場合)、インジケータ部材2、そしてカバー部材3によって形成されたユニットは、アクチュエータ1および貯蔵器100に対して軸方向に移動する。アクチュエータ1は、留めリング19に載っていることから、軸方向に見れば所定位置に保持される。螺旋形、または、少なくとも部分的に傾斜したアクチュエータ溝8によって、アクチュエータ1は回転させられるが、それは、装置の駆動中に前記アクチュエータ溝8の中をスライド移動するアクチュエータ突起17による。過少カウントのあらゆる危険を回避するため、そして特に、製造誤差を補償するために、アクチュエータ溝8は、歯のセット21における1つの歯が成す角度よりも大きな角度にわたって回転するように形成されている。図示した実施の形態では、例として、歯のセットが60本の歯を有しているため、個々の歯が成す角度は6°となる。好ましい構成として、駆動ストローク全体にわたってアクチュエータ1の回転が6°を上回る角度(例えば9°)となる、という形も考えられる。このように大きめに回転させれば、生じうる製造誤差を補償することが可能となり、1回の駆動のたびにカウントが1つ進むことが保証される。当然のことながら、インジケータ部材2が、歯1つ分に相当するよりも大きな角度で回転すること(すなわち、6°を越えて回転すること)を防止するための手段も設けられている。本手段は、効果的な構成として、本体4に形成された受け部13で成り、これがアクチュエータ1の可撓性タブ15と協働する。より厳密に言うと、可撓性タブ15は、第1の可撓性タブ部分15aおよび第2の可撓性タブ部分15bを有する形とすることができる。図5に示すように、第1の可撓性タブ部分15aにはドライブ用突起14が支持されており、一方、第2のタブ部分15bは第1のタブ部分15aをアクチュエータ1に接続している。図9を参照すれば、システムの動作をより明らかに知ることができる。すなわち、インジケータ部材2を6°にわたって回転させた後、ドライブ用突起14は本体4の受け部13に受け止められる状態となる。アクチュエータ1を大きめに回転させても、第2の可撓性タブ部分15bによって補償される。当該部分15bは曲がり、アクチュエータ1の回転の継続を可能にすると共に、ドライブ用突起14が回転すること(さらに、それに伴ってインジケータ部材2が回転すること)を防止する。受け部13は、効果的な構成として、本体4の中、壁部(少なくとも部分的には円筒形をしており、アクチュエータ1の外側を囲んだ形で、ただしインジケータ部材2の内側に延びている部分)に設けられたカットアウト40に形成されている。具体的に言えば、カットアウト40は、可撓性タブ15とそのドライブ用突起14とを歯のセット21の所にまで通すための通路を提供している。さらに、本体4には戻り防止手段を持たせることもできるが、それは、戻り防止突起12が載った可撓性タブ11によって形成することができ、当該突起12もまた前記歯のセット21と協働する。戻り防止手段は、インジケータ部材2が、アクチュエータ1によって導かれる方向と反対の方向に回転することを防止する。
【0024】
駆動の後、システムが休止位置に戻る際、第1の可撓性タブ部分15aが曲がることによって、ドライブ用突起14は歯のセット21に接した状態でスライド移動することができる。上で説明したように、この動作が原因でインジケータ部材が回転する危険のないことは、本体4に設けられた戻り防止手段によって、保証される。
効果的な構成として、弾性手段18が設けられており、当該手段18は、アクチュエータ手段7がその休止位置に戻る間にアクチュエータ1をその休止位置の方へ動かすためのものである。より厳密に言えば、弾性手段18は、アクチュエータ1を押して留めリング19に接触する状態にし、そうすることで、例えば摩擦の力によって、アクチュエータ手段7がその休止位置の方へ上がる際に、前記アクチュエータ手段と共にアクチュエータ1が軸方向に移動する、という事態を防止する。弾性手段18はどんな形で作ってもよいが、効果的な実施の形態として、ここに示す実施の形態では2つの弾性ブレード18を示している。これらはアクチュエータ1に固定されており、装置の駆動中に弾性変形する。当然のことながら、アクチュエータから独立した弾性手段を考えることも可能であろう。
【0025】
図2、4、8は、本発明の第2の実施の形態による部材を示し、ディスペンサヘッド6は鼻用の種類ではなくマウスピースであり、これに用いられるディスペンサ部材200はポンプではなく弁である。本インジケータの動作様態は、上で述べたものと非常に類似しており、両者の差異は、ヘッド6の中に挿入物5が入っておらず、そのため、アクチュエータ手段7は、図4に示すように、前記ヘッド6に直接形成されている、という点にある。加えて、図2で示すように、カバー部材3は側面フィンを有し、これによって、マウスピースディスペンサヘッド6に固定することができる。
【0026】
以上、本発明に関し、2つの実施の形態を参照しながら説明したが、様々な変形が考えられることは明らかである。たとえば、アクチュエータ部材8および/または相補的アクチュエータ部材17(アクチュエータ手段7に設けられたもの)の形状および長さを変更することで、異なるポンプストロークまたは弁ストロークに装置を適合させること、および/または、システムの全体的誤差を補償することが可能である。アクチュエータ溝8については、1つ以上の対応するリブと置き換えて、それぞれが適当な相補的アクチュエータ部材17と1対1で協働する、という形にすることも可能であろう。加えて、ガイド溝22についても、1つ以上の対応するリブと置き換えて、適当な相補的ガイド手段23と協働する、という形にできるであろう。また、アクチュエータ部材8はスリーブに形成することもでき、これは、挿入物5が使用されている場合、こうした挿入物5から独立したものにすることも可能であろう。スリーブはヘッド6の一部とすることも、独立した構成要素とすることもできる。また、システムがカウントできるドーズの最大数は、歯のセット21の歯数、および/または、インジケータ部材2のガイド手段22の回転数あるいは部分的回転数を調整するだけで変更できる。前記ガイド手段22および/または前記相補的ガイド手段23の形状はどんなものでもよいが、インジケータ部材2をカバー部材3に対して径方向および/または垂直方向に誘導できる、ということが前提である。さらに、図面においては、カバー部材3は、ガイド溝22と協働するガイド突起23を1つだけ有しているが、本システムには、複数のガイド突起や、図示したのと異なる形状を有した相補的ガイド手段を用いることも可能であろう。
【0027】
当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形で、その他の変更を考案することも可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態を構成する流体ディスペンサ装置を斜めから見た形で示す概略分解図である。
【図2】図1と同様の図であり、本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図3】図1の装置の一部を示す概略斜視図である。
【図4】図3と同様の図であり、図2の装置の一部を示す図である。
【図5】本発明の効果的な実施の形態を構成するアクチュエータの概略斜視図である。
【図6】本発明の効果的な実施の形態を構成するインジケータ部材の概略斜視図である。
【図7】図1に示す本発明の第1の実施の形態用に作られたカバー部材の概略斜視図である。
【図8】図2に示す第2の実施の形態用に作られたカバー部材の概略斜視図である。
【図9】本発明の効果的な実施の形態を構成するインジケータの一部を示す概略斜視図である。
【図10】図1に示す第1の実施の形態を構成するインジケータが組み込まれたディスペンサ装置を示す、部分切り欠き概略斜視図である。
【図11】図10と同様の図であり、別の視点から見た図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーズインジケータ、および、そのようなインジケータを有する流体ディスペンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ドーズインジケータまたはカウンタは、流体ディスペンサ装置に関しては公知であり、具体的には、薬剤や化粧品のディスペンサ、あるいは、香水の分野のディスペンサがある。それらは、ポンプを有する装置や弁を有する装置など、流体が推進用ガスを用いて投与される型の装置と組み合わせることができる。重要な条件として、特に薬用のディスペンサでは、過少カウントの危険を排除しなければならない。これを実現するには、ポンプまたは弁の駆動ストロークの開始段階でドーズ投与をカウントすることが必要である。これは、具体的には、駆動が部分的にしか行われなかった場合に、この部分的に投与されたドーズもカウンタによってカウントされる、ということを保証するのが目的である。さらに、もう1つの条件として、カウンタの有する構成要素部品の数を可能な限り少なくする、ということがある。そうすることで、前記カウンタの製造および組立は、複雑さが軽減され、それに伴ってコストも低くすることができる。また、カウンタの動作不良の危険も軽減される。それに加えて、大きな数のドーズ(例えば、120ドーズや200ドーズ)をカウントすることができ、しかも、それによってカウンタがひどく複雑になったり、寸法が大きくなりすぎたりすることはない、というカウンタが望まれることも多い。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、上記の条件の全てを事実上満たすような、従来にない流体ディスペンサ装置用ドーズインジケータを提供することである。
具体的には、本発明は、装置のポンプまたは弁の各駆動ストロークの開始段階でドーズをカウントすることを可能すると共に、信頼性の高い形で動作する、というドーズインジケータを提供することを目的とする。
【0004】
本発明はまた、可能な限り構成要素部品の少ないドーズインジケータを提供することを目的とする。
本発明はまた、製造および組立が簡単かつ安価である、というドーズインジケータを提供することを目的とする。
本発明はまた、カウントできるドーズ数の大きいドーズインジケータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明が提供するのは、流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータであって、本体と、第1の軸を中心に、前記本体に対して回転するように設置されたアクチュエータであって、ドライブ手段を有する前記アクチュエータと、そして、第2の軸を中心に前記本体に対して回転するように設置された円筒形のインジケータ部材であって、歯のセットを有し、当該歯は、前記アクチュエータの前記ドライブ手段と協働して、ディスペンサ装置が駆動されるたびに回転する、というインジケータ部材であって、数字および/または記号によるインジケータ手段を更に有し、それによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズまたは未投与の残ドーズの数をユーザに示す、という前記インジケータ部材と、を有し、前記アクチュエータは、前記本体に固定されたアクチュエータ手段と協働し、前記アクチュエータ手段は、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進で移動させられ、さらに、前記アクチュエータと協働して、前記アクチュエータ手段の並進を前記アクチュエータの回転に変換する、というインジケータである。
【発明の効果】
【0006】
また、効果的な構成として、前記インジケータ部材は、前記アクチュエータを囲む形に配置されており、前記歯のセットは前記インジケータ部材の内周壁に形成されている。
また、効果的な構成として、前記第1の軸と第2の軸とは同一である。
また、効果的な構成として、カバー部材は、前記本体に固定され、前記インジケータ部材を囲む形で配置されており、前記カバー部材は、前記インジケータ部材の前記インジケータ手段が見えるようにするウィンドウを有している。
【0007】
また、効果的な構成として、インジケータ部材およびカバー部材のうち一方はガイド手段を有し、当該手段は、他方の部材に設けられた相補的ガイド手段と協働する。
また、効果的な構成として、前記ガイド手段は少なくとも1つのガイド溝を有し、前記相補的ガイド手段は少なくとも1つのガイド突起を有する。
また、効果的な構成として、前記ガイド溝は、具体的には螺旋形とすることもでき、前記インジケータ部材、またはその代わりに前記カバー部材、の周囲を複数回転分巻いた形とされ、それによって、インジケータが、インジケータ部材の歯のセットに備えられた歯の数よりも大きいドーズ数をカウントすることが可能になっている。
【0008】
また、効果的な構成として、アクチュエータおよびアクチュエータ手段のうち一方は少なくとも1つのアクチュエータ部材を有し、当該部材は、前記アクチュエータ手段の並進での移動方向に対して少なくも部分的に傾斜しており、前記少なくとも1つのアクチュエータ部材は、アクチュエータおよびアクチュエータ手段のうち他方に設けられた少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材と協働し、それによって、アクチュエータ手段の並進での移動を前記アクチュエータの回転に変換する。
【0009】
また、効果的な構成として、前記少なくとも1つのアクチュエータ部材はアクチュエータ溝であり、前記少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材はアクチュエータ突起である。
また、効果的な構成として、アクチュエータの前記ドライブ手段は可撓性タブを有し、当該タブには、インジケータ部材が有する歯のセットの歯と協働するドライブ突起が支持されている。
【0010】
また、効果的な構成として、前記可撓性タブは、第1の可撓性タブ部分と第2の可撓性タブ部分とを有し、第1の可撓性タブ部分にはドライブ突起が支持されており、第2の可撓性タブ部分は前記第1の可撓性タブを前記アクチュエータに接続する。
また、効果的な構成として、1回の駆動のたびにカウントが行われることを保証するために、そして、製造誤差を補償するために、アクチュエータが回転する角度は、インジケータ部材の歯のセットのうち1本で規定される角度より大きく、本体は受け手段を有することで、インジケータ部材が歯のセットの1本分よりも大きく回転するのを防止し、それよりも大きくアクチュエータが回転した場合は、ドライブ手段の第2の可撓性タブ部分の撓みによって補償される。
【0011】
また、効果的な構成として、前記本体は壁部分を有し、当該部分は、少なくとも部分的には円筒形であり、前記アクチュエータと前記インジケータ部材との間に配置されており、前記壁部分は、アクチュエータのドライブ手段をインジケータ部材の歯のセットの所まで通すための通路を形成するカットアウトを有する。
また、効果的な構成として、前記カットアウトのエッジが前記受け手段を形成している。
【0012】
また、効果的な構成として、前記本体は、インジケータ部材用の戻り防止手段を有し、前記戻り防止手段は、前記部材が、アクチュエータに与えられる方向と反対の方向に回転するのを防止する。
また、効果的な構成として、前記戻り防止手段は可撓性タブを有し、当該タブは、前記歯のセットと協働する戻り防止突起を有する。
【0013】
また、効果的な構成として、アクチュエータ手段がその休止位置に戻る間、前記アクチュエータをその休止位置へ押しやるため、弾性手段を備えている。
また、効果的な構成として、前記弾性手段は、前記アクチュエータに固定された少なくとも1つの弾性ブレードで成り、前記少なくとも1つの弾性ブレードは、装置が駆動している間、弾性変形させられる。
【0014】
本発明はまた、流体ディスペンサ装置であって、流体を格納した貯蔵器と、ポンプや弁などのディスペンサ部材と、そして、ディスペンサ開口部を備えたディスペンサヘッドと、を有し、更には、上述したようなドーズインジケータを有する、という流体ディスペンサ装置を提供する。
また、効果的な構成として、本体は前記ヘッドの一部であって、前記アクチュエータ手段は前記ヘッドに固定される。
【0015】
また、効果的な構成として、前記アクチュエータ手段は、前記ディスペンサ開口部から見て上流で前記ヘッドの中に挿入された挿入物に形成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明に関する他の特徴および効果は、非限定的な例として提示される2つの実施の形態に関する以下の詳細な説明を、添付図面を参照しながら読むことで、いっそう明らかになるであろう。
本発明については、以下、2つの実施の形態(それぞれ図1、図2に示す)を参照しながら説明するが、当然のことながら、本発明は、はるかに広い適用範囲を有し、どんな種類の流体ディスペンサ装置にも適用できる。
【0017】
図1をさらに具体的に見ると、装置は貯蔵器100を有し、当該貯蔵器にはディスペンサ部材200(例:ポンプ、弁)が取り付けられている。図1における実施の形態では、ディスペンサ部材はポンプ200であり、当該ポンプは貯蔵器に対し、例えば留めリング19を用いて固定することができる。装置はさらに、ディスペンサ開口部(図示せず)の作られたディスペンサヘッド6を有する。ヘッド6はポンプ200に対して軸方向に移動可能であり、その移動によって前記ポンプを駆動し、貯蔵器100に格納された流体を投与する。図1に示す実施の形態では、ディスペンサヘッド6は、鼻用の種類のものであるが、当然のことながら、本発明には、どのような種類のヘッドでも適用できる。ヘッド6は本体4を有し、当該本体は好ましい構成として、ヘッドと一体化されて単一の部品として作られている。そして、前記本体4は、ドーズインジケータまたはカウンタを後で述べるような様態で収容するように構成されている。ドーズカウンタまたはインジケータは、第1軸を中心に前記本体4に対して回転するように設置されたアクチュエータ1を有する。回転軸については、装置の中心軸と一致するのが好ましい。図10、11に示すように、前記アクチュエータ1は、効果的な構成として、留めリング19に載り、それによって、装置の駆動中に軸方向に移動しないようになっている。さらに、円筒形のインジケータ部材2が、第2の軸を中心に本体4に対して回転するように設置されている。第2の軸については、アクチュエータの第1の回転軸と同一とするのが好ましく、すなわち、装置の中心軸とも一致するのが好ましい。
【0018】
インジケータ部材2は歯のセット21を有し、これらの歯はアクチュエータ1のドライブ手段14、15と協働する。図1、2、6に示すように、効果的な構成として、歯のセット21はインジケータ部材2の内周壁に形成されており、前記インジケータ部材は、アクチュエータ1を囲む形に配置されている。アクチュエータ1のドライブ手段14、15は、効果的な構成として、ドライブ用突起14が支持された可撓性タブ15を有する。突起14は、インジケータ部材2の歯のセット21の歯と協働することで、アクチュエータ1が回転させられるたびに、インジケータ部材2を回転させる。インジケータ部材2にはインジケータ手段25(例:数字、記号)が載っており、ユーザは、これによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズ数または未投与の残ドーズ数を知ることができる。
【0019】
本発明のインジケータは以下のように動作する。アクチュエータ1はアクチュエータ手段7と協働するが、当該手段7は本体4に固定されており、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進の形で移動する。アクチュエータ手段7の並進での移動は、前記アクチュエータの回転に変換される。その結果、装置が駆動される度に、インジケータ部材2はアクチュエータ1によって回転させられ、その結果、1ドーズがカウントされる。
【0020】
好ましい構成として、アクチュエータ1またはアクチュエータ手段7のいずれかは、1つ以上のアクチュエータ部材8を有し、効果的な構成として、当該部材8はアクチュエータ溝8によって形成されている。前記アクチュエータ1またはアクチュエータ手段7のうち、部材8を持たない方は、1つ以上の相補的アクチュエータ部材17を有する。効果的な構成として、当該部材17はアクチュエータ突起17によって形成されており、当該突起は前記アクチュエータ溝8と1対1で協働する。図に示す実施の形態では、アクチュエータ手段7は直径方向に見て対向する位置にある2つの溝8を有し、アクチュエータ1は直径方向に見て対向する位置にある2つの突起17を有する。突起17は前記溝8内をスライド移動する。特に図3に示すように、溝8は少なくとも部分的には、アクチュエータ手段7の並進移動方向に対して傾斜している。そのため、アクチュエータ手段7が並進移動すると、アクチュエータ1は突起17によって回転させられるが、それは、前記突起17が前記溝内をスライド移動し、前記溝8の傾斜部分に突起が達した時点でアクチュエータ1を回転させる、という形で起こる。そうして、可当性タブ15およびドライブ用突起14によって、アクチュエータ1はインジケータ部材を回転させ、その結果、1ドーズがカウントされる。
【0021】
効果的な構成として、カバー部材3が設けられ、インジケータ部材2を囲む形で配置される。好ましい構成として、カバー部材3は本体4に固定され、インジケータ部材2のインジケータ手段25が見えるようにウィンドウ24を有している。特に図6に見られるように、インジケータ部材2にはガイド手段22を持たせることができ、当該手段は、少なくとも1つのガイド溝22によって形成するのが効果的である。ガイド手段22は相補的ガイド手段23と協働し、当該手段23は、カバー部材3に設けられた少なくとも1つのガイド突起23によって形成するのが効果的である。また、変形例としては、カバー部材3の中にガイド手段22を、インジケータ部材2の上に相補的ガイド手段23を配置する、という形も可能である。好ましい構成として、ガイド溝22は螺旋形であり、インジケータ部材2を複数回転巻く形とするのが効果的である。そうすることで、本インジケータによってカウント可能なドーズの数を、インジケータ部材2の歯のセット21に設けられた歯の数よりも大きくすることができる。ここに示す実施の形態では、インジケータ部材2は60本の歯を有し、ガイド溝22は、図6の実施の形態では2回転している。したがって、カウントの可能なドーズ数は120となる。インジケータがカウントできるドーズ数を大きくするには、歯のセット21の歯数を増やす、および/または、ガイド溝22の回転数を増やす、という操作だけで充分である。また、ガイド溝22は必ずしも螺旋形である必要はなく、平行に並んだ複数の環状部分が傾斜路を介して互いに接続されている、という形で形成できる、ということも述べておくべきであろう。また、円周の一部分にわたり、および/または、傾斜した形で部材の周囲をめぐる構成を接合した形で設けることも可能である。カバー部材3は本体4に対して静止しているため、インジケータ部材2は回転させられ、さらに、突起23がガイド溝22内をスライド移動するにつれて、前記カバー部材3に対しては並進で移動するであろう。
【0022】
図1、3に示すように、アクチュエータ手段7は、ヘッド6に挿入される挿入物5に固定された形とすることができる。具体的には、挿入物5は、流体放出チャネルのデッドボリュームを制限し、ディスペンサ開口部でスプレーを形成する働きをする。また、変形例として、アクチュエータ手段7は、ヘッド6または他のいずれかの部品が有する固定部の上に形成することもできるであろう。効果的な構成として、アクチュエータ溝8は図3に示すように、最初の方には、装置の組み付けを可能にする直線的な部分を有し、その次には、ドーズのカウントを可能にする傾斜部分を、そして最後に、装置の駆動ストロークの継続を可能にする、もうひとつの直線的な部分を有する。したがって、前記傾斜部分を装置の駆動ストロークがちょうど開始される所に配置することで、駆動ストロークの開始から、確実かつ信頼できる形でカウントが行われることが保証されるため、過少カウントの危険は排除される。アクチュエータ手段7を挿入物5に形成する場合、位置決めフィン9を設けるのが効果的であり、当該フィンは、対応するヘッド6の位置決め溝10と協働し、それによって、前記挿入物5がヘッド6に対して回転するのを防止する。アクチュエータ手段7は並進の形でのみ移動するように設計されており、アクチュエータ手段の回転は回避される。
【0023】
アクチュエータ1は、効果的な構成として、図10、11に示すように、アクチュエータ手段7を囲む形でスリーブ16を有する。駆動中、すなわち、容器100に対してディスペンサヘッド6が軸方向に移動している間、ヘッド6、挿入物5(備えている場合)、インジケータ部材2、そしてカバー部材3によって形成されたユニットは、アクチュエータ1および貯蔵器100に対して軸方向に移動する。アクチュエータ1は、留めリング19に載っていることから、軸方向に見れば所定位置に保持される。螺旋形、または、少なくとも部分的に傾斜したアクチュエータ溝8によって、アクチュエータ1は回転させられるが、それは、装置の駆動中に前記アクチュエータ溝8の中をスライド移動するアクチュエータ突起17による。過少カウントのあらゆる危険を回避するため、そして特に、製造誤差を補償するために、アクチュエータ溝8は、歯のセット21における1つの歯が成す角度よりも大きな角度にわたって回転するように形成されている。図示した実施の形態では、例として、歯のセットが60本の歯を有しているため、個々の歯が成す角度は6°となる。好ましい構成として、駆動ストローク全体にわたってアクチュエータ1の回転が6°を上回る角度(例えば9°)となる、という形も考えられる。このように大きめに回転させれば、生じうる製造誤差を補償することが可能となり、1回の駆動のたびにカウントが1つ進むことが保証される。当然のことながら、インジケータ部材2が、歯1つ分に相当するよりも大きな角度で回転すること(すなわち、6°を越えて回転すること)を防止するための手段も設けられている。本手段は、効果的な構成として、本体4に形成された受け部13で成り、これがアクチュエータ1の可撓性タブ15と協働する。より厳密に言うと、可撓性タブ15は、第1の可撓性タブ部分15aおよび第2の可撓性タブ部分15bを有する形とすることができる。図5に示すように、第1の可撓性タブ部分15aにはドライブ用突起14が支持されており、一方、第2のタブ部分15bは第1のタブ部分15aをアクチュエータ1に接続している。図9を参照すれば、システムの動作をより明らかに知ることができる。すなわち、インジケータ部材2を6°にわたって回転させた後、ドライブ用突起14は本体4の受け部13に受け止められる状態となる。アクチュエータ1を大きめに回転させても、第2の可撓性タブ部分15bによって補償される。当該部分15bは曲がり、アクチュエータ1の回転の継続を可能にすると共に、ドライブ用突起14が回転すること(さらに、それに伴ってインジケータ部材2が回転すること)を防止する。受け部13は、効果的な構成として、本体4の中、壁部(少なくとも部分的には円筒形をしており、アクチュエータ1の外側を囲んだ形で、ただしインジケータ部材2の内側に延びている部分)に設けられたカットアウト40に形成されている。具体的に言えば、カットアウト40は、可撓性タブ15とそのドライブ用突起14とを歯のセット21の所にまで通すための通路を提供している。さらに、本体4には戻り防止手段を持たせることもできるが、それは、戻り防止突起12が載った可撓性タブ11によって形成することができ、当該突起12もまた前記歯のセット21と協働する。戻り防止手段は、インジケータ部材2が、アクチュエータ1によって導かれる方向と反対の方向に回転することを防止する。
【0024】
駆動の後、システムが休止位置に戻る際、第1の可撓性タブ部分15aが曲がることによって、ドライブ用突起14は歯のセット21に接した状態でスライド移動することができる。上で説明したように、この動作が原因でインジケータ部材が回転する危険のないことは、本体4に設けられた戻り防止手段によって、保証される。
効果的な構成として、弾性手段18が設けられており、当該手段18は、アクチュエータ手段7がその休止位置に戻る間にアクチュエータ1をその休止位置の方へ動かすためのものである。より厳密に言えば、弾性手段18は、アクチュエータ1を押して留めリング19に接触する状態にし、そうすることで、例えば摩擦の力によって、アクチュエータ手段7がその休止位置の方へ上がる際に、前記アクチュエータ手段と共にアクチュエータ1が軸方向に移動する、という事態を防止する。弾性手段18はどんな形で作ってもよいが、効果的な実施の形態として、ここに示す実施の形態では2つの弾性ブレード18を示している。これらはアクチュエータ1に固定されており、装置の駆動中に弾性変形する。当然のことながら、アクチュエータから独立した弾性手段を考えることも可能であろう。
【0025】
図2、4、8は、本発明の第2の実施の形態による部材を示し、ディスペンサヘッド6は鼻用の種類ではなくマウスピースであり、これに用いられるディスペンサ部材200はポンプではなく弁である。本インジケータの動作様態は、上で述べたものと非常に類似しており、両者の差異は、ヘッド6の中に挿入物5が入っておらず、そのため、アクチュエータ手段7は、図4に示すように、前記ヘッド6に直接形成されている、という点にある。加えて、図2で示すように、カバー部材3は側面フィンを有し、これによって、マウスピースディスペンサヘッド6に固定することができる。
【0026】
以上、本発明に関し、2つの実施の形態を参照しながら説明したが、様々な変形が考えられることは明らかである。たとえば、アクチュエータ部材8および/または相補的アクチュエータ部材17(アクチュエータ手段7に設けられたもの)の形状および長さを変更することで、異なるポンプストロークまたは弁ストロークに装置を適合させること、および/または、システムの全体的誤差を補償することが可能である。アクチュエータ溝8については、1つ以上の対応するリブと置き換えて、それぞれが適当な相補的アクチュエータ部材17と1対1で協働する、という形にすることも可能であろう。加えて、ガイド溝22についても、1つ以上の対応するリブと置き換えて、適当な相補的ガイド手段23と協働する、という形にできるであろう。また、アクチュエータ部材8はスリーブに形成することもでき、これは、挿入物5が使用されている場合、こうした挿入物5から独立したものにすることも可能であろう。スリーブはヘッド6の一部とすることも、独立した構成要素とすることもできる。また、システムがカウントできるドーズの最大数は、歯のセット21の歯数、および/または、インジケータ部材2のガイド手段22の回転数あるいは部分的回転数を調整するだけで変更できる。前記ガイド手段22および/または前記相補的ガイド手段23の形状はどんなものでもよいが、インジケータ部材2をカバー部材3に対して径方向および/または垂直方向に誘導できる、ということが前提である。さらに、図面においては、カバー部材3は、ガイド溝22と協働するガイド突起23を1つだけ有しているが、本システムには、複数のガイド突起や、図示したのと異なる形状を有した相補的ガイド手段を用いることも可能であろう。
【0027】
当業者であれば、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を逸脱しない形で、その他の変更を考案することも可能であろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第1の実施の形態を構成する流体ディスペンサ装置を斜めから見た形で示す概略分解図である。
【図2】図1と同様の図であり、本発明の第2の実施の形態を示す図である。
【図3】図1の装置の一部を示す概略斜視図である。
【図4】図3と同様の図であり、図2の装置の一部を示す図である。
【図5】本発明の効果的な実施の形態を構成するアクチュエータの概略斜視図である。
【図6】本発明の効果的な実施の形態を構成するインジケータ部材の概略斜視図である。
【図7】図1に示す本発明の第1の実施の形態用に作られたカバー部材の概略斜視図である。
【図8】図2に示す第2の実施の形態用に作られたカバー部材の概略斜視図である。
【図9】本発明の効果的な実施の形態を構成するインジケータの一部を示す概略斜視図である。
【図10】図1に示す第1の実施の形態を構成するインジケータが組み込まれたディスペンサ装置を示す、部分切り欠き概略斜視図である。
【図11】図10と同様の図であり、別の視点から見た図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータであって、
特徴となるのは、
・本体(4)と、
・第1の軸を中心に、前記本体(4)に対して回転するように設置されたアクチュエータ(1)であって、ドライブ手段(14,15)を有する前記アクチュエータと、そして、
・第2の軸を中心に前記本体(4)に対して回転するように設置された円筒形のインジケータ部材(2)であって、歯のセット(21)を有し、当該歯は、前記アクチュエータ(1)の前記ドライブ手段(14,15)と協働して、ディスペンサ装置が駆動されるたびに回転する、というインジケータ部材であって、数字および/または記号によるインジケータ手段(25)を更に有し、それによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズまたは未投与の残ドーズの数をユーザに示す、という前記インジケータ部材(2)と、を有し、
前記アクチュエータ(1)は、前記本体(4)に固定されたアクチュエータ手段(7)と協働し、前記アクチュエータ手段(7)は、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進で移動させられ、さらに、前記アクチュエータ(1)と協働して、前記アクチュエータ手段(7)の並進を前記アクチュエータ(1)の回転に変換することである、
という前記インジケータ。
【請求項2】
前記インジケータ部材(2)は、前記アクチュエータ(1)を囲む形に配置されており、前記歯のセット(21)は前記インジケータ部材(2)の内周壁に形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記第1の軸と第2の軸とは同一であること、
を特徴とする請求項1または2に記載のインジケータ。
【請求項4】
カバー部材(3)は、前記本体(4)に固定され、前記インジケータ部材(2)を囲む形で配置されており、前記カバー部材(3)は、前記インジケータ部材(2)の前記インジケータ手段(25)が見えるようにするウィンドウ(24)を有していること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項5】
インジケータ部材(2)およびカバー部材(3)のうち一方はガイド手段(22)を有し、当該手段(22)は、他方の部材(3,2)に設けられた相補的ガイド手段(23)と協働すること、
を特徴とする請求項4に記載のインジケータ。
【請求項6】
前記ガイド手段(22)は少なくとも1つのガイド溝(22)を有し、前記相補的ガイド手段は少なくとも1つのガイド突起(23)を有すること、
を特徴とする請求項5に記載のインジケータ。
【請求項7】
前記ガイド溝(22)は、具体的には螺旋形とすることもでき、前記インジケータ部材(2)、またはその代わりに前記カバー部材(3)、の周囲を複数回転分巻いた形とされ、それによって、インジケータが、インジケータ部材(2)の歯のセット(21)に備えられた歯の数よりも大きいドーズ数をカウントすることが可能になっていること、
を特徴とする請求項6に記載のインジケータ。
【請求項8】
アクチュエータ(1)およびアクチュエータ手段(7)のうち一方は少なくとも1つのアクチュエータ部材(8)を有し、当該部材(8)は、前記アクチュエータ手段(7)の並進での移動方向に対して少なくも部分的に傾斜しており、
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材(8)は、アクチュエータ(1)およびアクチュエータ手段(7)のうち他方に設けられた少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材(17)と協働し、それによって、アクチュエータ手段(7)の並進での移動を前記アクチュエータ(1)の回転に変換すること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材(8)はアクチュエータ溝(8)であり、前記少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材(17)はアクチュエータ突起(17)であること、
を特徴とする請求項8に記載のインジケータ。
【請求項10】
アクチュエータの前記ドライブ手段(14,15)は可撓性タブ(15)を有し、当該タブには、インジケータ部材(2)が有する歯のセット(21)の歯と協働するドライブ突起(14)が支持されていること、
を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項11】
前記可撓性タブ(15)は、第1の可撓性タブ部分(15a)と第2の可撓性タブ部分(15b)とを有し、第1の可撓性タブ部分(15a)にはドライブ突起(14)が支持されており、第2の可撓性タブ部分(15b)は前記第1の可撓性タブ(15a)を前記アクチュエータ(1)に接続すること、
を特徴とする請求項10に記載のインジケータ。
【請求項12】
1回の駆動のたびにカウントが行われることを保証するために、そして、製造誤差を補償するために、アクチュエータ(1)が回転する角度は、インジケータ部材(2)の歯のセット(21)のうち1本で規定される角度より大きく、
本体(4)は受け手段(13)を有することで、インジケータ部材(2)が歯のセット(21)の1本分よりも大きく回転するのを防止し、それよりも大きくアクチュエータ(1)が回転した場合は、ドライブ手段(14,15)の第2の可撓性タブ部分(15b)の撓みによって補償されること、
を特徴とする請求項11に記載のインジケータ。
【請求項13】
前記本体(4)は壁部分(4)を有し、当該部分(4)は、少なくとも部分的には円筒形であり、前記アクチュエータ(1)と前記インジケータ部材(2)との間に配置されており、
前記壁部分は、アクチュエータ(1)のドライブ手段(14,15)をインジケータ部材(2)の歯のセット(21)の所まで通すための通路を形成するカットアウト(40)を有すること、
を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項14】
前記カットアウト(40)のエッジ(13)が前記受け手段(13)を形成していること、
を特徴とする請求項12または13に記載のインジケータ。
【請求項15】
前記本体(4)は、インジケータ部材(2)用の戻り防止手段(11,12)を有し、前記戻り防止手段は、前記部材が、アクチュエータ(1)に与えられる方向と反対の方向に回転するのを防止すること、
を特徴とする請求項12または13に記載のインジケータ。
【請求項16】
前記戻り防止手段(11,12)は可撓性タブ(11)を有し、当該タブ(11)は、前記歯のセット(21)と協働する戻り防止突起(12)を有すること、
を特徴とする請求項15に記載のインジケータ。
【請求項17】
アクチュエータ手段(7)がその休止位置に戻る間、前記アクチュエータ(1)をその休止位置へ押しやるため、弾性手段(18)を備えていること、
を特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項18】
前記弾性手段(18)は、前記アクチュエータ(1)に固定された少なくとも1つの弾性ブレード(18)で成り、前記少なくとも1つの弾性ブレード(18)は、装置が駆動している間、弾性変形させられること、
を特徴とする請求項17に記載のインジケータ。
【請求項19】
流体ディスペンサ装置であって、流体を格納した貯蔵器(100)と、ポンプや弁などのディスペンサ部材(200)と、そして、ディスペンサ開口部を備えたディスペンサヘッド(6)と、を有し、
特徴となるのは、請求項1乃至18のいずれかに記載のドーズインジケータを更に有することである、という前記装置。
【請求項20】
本体(4)は前記ヘッド(6)の一部であって、前記アクチュエータ手段(7)は前記ヘッド(6)に固定されること、
を特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記アクチュエータ手段(7)は、前記ディスペンサ開口部から見て上流で前記ヘッド(6)の中に挿入された挿入物(5)に形成されていること、
を特徴とする請求項19または20に記載の装置。
【請求項1】
流体ディスペンサ装置用のドーズインジケータであって、
特徴となるのは、
・本体(4)と、
・第1の軸を中心に、前記本体(4)に対して回転するように設置されたアクチュエータ(1)であって、ドライブ手段(14,15)を有する前記アクチュエータと、そして、
・第2の軸を中心に前記本体(4)に対して回転するように設置された円筒形のインジケータ部材(2)であって、歯のセット(21)を有し、当該歯は、前記アクチュエータ(1)の前記ドライブ手段(14,15)と協働して、ディスペンサ装置が駆動されるたびに回転する、というインジケータ部材であって、数字および/または記号によるインジケータ手段(25)を更に有し、それによって、前記ディスペンサ装置の投与済みドーズまたは未投与の残ドーズの数をユーザに示す、という前記インジケータ部材(2)と、を有し、
前記アクチュエータ(1)は、前記本体(4)に固定されたアクチュエータ手段(7)と協働し、前記アクチュエータ手段(7)は、ディスペンサ装置が駆動されるたびに並進で移動させられ、さらに、前記アクチュエータ(1)と協働して、前記アクチュエータ手段(7)の並進を前記アクチュエータ(1)の回転に変換することである、
という前記インジケータ。
【請求項2】
前記インジケータ部材(2)は、前記アクチュエータ(1)を囲む形に配置されており、前記歯のセット(21)は前記インジケータ部材(2)の内周壁に形成されていること、
を特徴とする請求項1に記載のインジケータ。
【請求項3】
前記第1の軸と第2の軸とは同一であること、
を特徴とする請求項1または2に記載のインジケータ。
【請求項4】
カバー部材(3)は、前記本体(4)に固定され、前記インジケータ部材(2)を囲む形で配置されており、前記カバー部材(3)は、前記インジケータ部材(2)の前記インジケータ手段(25)が見えるようにするウィンドウ(24)を有していること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項5】
インジケータ部材(2)およびカバー部材(3)のうち一方はガイド手段(22)を有し、当該手段(22)は、他方の部材(3,2)に設けられた相補的ガイド手段(23)と協働すること、
を特徴とする請求項4に記載のインジケータ。
【請求項6】
前記ガイド手段(22)は少なくとも1つのガイド溝(22)を有し、前記相補的ガイド手段は少なくとも1つのガイド突起(23)を有すること、
を特徴とする請求項5に記載のインジケータ。
【請求項7】
前記ガイド溝(22)は、具体的には螺旋形とすることもでき、前記インジケータ部材(2)、またはその代わりに前記カバー部材(3)、の周囲を複数回転分巻いた形とされ、それによって、インジケータが、インジケータ部材(2)の歯のセット(21)に備えられた歯の数よりも大きいドーズ数をカウントすることが可能になっていること、
を特徴とする請求項6に記載のインジケータ。
【請求項8】
アクチュエータ(1)およびアクチュエータ手段(7)のうち一方は少なくとも1つのアクチュエータ部材(8)を有し、当該部材(8)は、前記アクチュエータ手段(7)の並進での移動方向に対して少なくも部分的に傾斜しており、
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材(8)は、アクチュエータ(1)およびアクチュエータ手段(7)のうち他方に設けられた少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材(17)と協働し、それによって、アクチュエータ手段(7)の並進での移動を前記アクチュエータ(1)の回転に変換すること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項9】
前記少なくとも1つのアクチュエータ部材(8)はアクチュエータ溝(8)であり、前記少なくとも1つの相補的アクチュエータ部材(17)はアクチュエータ突起(17)であること、
を特徴とする請求項8に記載のインジケータ。
【請求項10】
アクチュエータの前記ドライブ手段(14,15)は可撓性タブ(15)を有し、当該タブには、インジケータ部材(2)が有する歯のセット(21)の歯と協働するドライブ突起(14)が支持されていること、
を特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項11】
前記可撓性タブ(15)は、第1の可撓性タブ部分(15a)と第2の可撓性タブ部分(15b)とを有し、第1の可撓性タブ部分(15a)にはドライブ突起(14)が支持されており、第2の可撓性タブ部分(15b)は前記第1の可撓性タブ(15a)を前記アクチュエータ(1)に接続すること、
を特徴とする請求項10に記載のインジケータ。
【請求項12】
1回の駆動のたびにカウントが行われることを保証するために、そして、製造誤差を補償するために、アクチュエータ(1)が回転する角度は、インジケータ部材(2)の歯のセット(21)のうち1本で規定される角度より大きく、
本体(4)は受け手段(13)を有することで、インジケータ部材(2)が歯のセット(21)の1本分よりも大きく回転するのを防止し、それよりも大きくアクチュエータ(1)が回転した場合は、ドライブ手段(14,15)の第2の可撓性タブ部分(15b)の撓みによって補償されること、
を特徴とする請求項11に記載のインジケータ。
【請求項13】
前記本体(4)は壁部分(4)を有し、当該部分(4)は、少なくとも部分的には円筒形であり、前記アクチュエータ(1)と前記インジケータ部材(2)との間に配置されており、
前記壁部分は、アクチュエータ(1)のドライブ手段(14,15)をインジケータ部材(2)の歯のセット(21)の所まで通すための通路を形成するカットアウト(40)を有すること、
を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項14】
前記カットアウト(40)のエッジ(13)が前記受け手段(13)を形成していること、
を特徴とする請求項12または13に記載のインジケータ。
【請求項15】
前記本体(4)は、インジケータ部材(2)用の戻り防止手段(11,12)を有し、前記戻り防止手段は、前記部材が、アクチュエータ(1)に与えられる方向と反対の方向に回転するのを防止すること、
を特徴とする請求項12または13に記載のインジケータ。
【請求項16】
前記戻り防止手段(11,12)は可撓性タブ(11)を有し、当該タブ(11)は、前記歯のセット(21)と協働する戻り防止突起(12)を有すること、
を特徴とする請求項15に記載のインジケータ。
【請求項17】
アクチュエータ手段(7)がその休止位置に戻る間、前記アクチュエータ(1)をその休止位置へ押しやるため、弾性手段(18)を備えていること、
を特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載のインジケータ。
【請求項18】
前記弾性手段(18)は、前記アクチュエータ(1)に固定された少なくとも1つの弾性ブレード(18)で成り、前記少なくとも1つの弾性ブレード(18)は、装置が駆動している間、弾性変形させられること、
を特徴とする請求項17に記載のインジケータ。
【請求項19】
流体ディスペンサ装置であって、流体を格納した貯蔵器(100)と、ポンプや弁などのディスペンサ部材(200)と、そして、ディスペンサ開口部を備えたディスペンサヘッド(6)と、を有し、
特徴となるのは、請求項1乃至18のいずれかに記載のドーズインジケータを更に有することである、という前記装置。
【請求項20】
本体(4)は前記ヘッド(6)の一部であって、前記アクチュエータ手段(7)は前記ヘッド(6)に固定されること、
を特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記アクチュエータ手段(7)は、前記ディスペンサ開口部から見て上流で前記ヘッド(6)の中に挿入された挿入物(5)に形成されていること、
を特徴とする請求項19または20に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2007−502457(P2007−502457A)
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523028(P2006−523028)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002007
【国際公開番号】WO2005/020138
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【国際出願番号】PCT/FR2004/002007
【国際公開番号】WO2005/020138
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】
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