説明

流体ディスペンサ

流体ディスペンサであって、気体容器(12)であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から気体を取り出すための駆動壁(120)を形作っている、という気体容器と、流体容器(13)であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から流体を取り出すための駆動壁(130)を形作っている、という流体容器を少なくとも1つと、気体容器(12)と流体容器(13)とに共通出口開口部(141)を少なくとも1つと、気体容器(12)を共通出口開口部(141)に接続する気体供給ダクト(15)と、流体容器(13)を共通出口開口部(141)に接続する流体供給チャネル(16)を少なくとも1つと、を有することを特徴とするディスペンサ

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状または粉末状の流体を投与するための流体ディスペンサに関し、このディスペンサは容器を有し、当該容器は、移動または変形させることで容器の容量を変化させ、その中身を容器から放出させることを可能とする駆動壁を形作っている。さらに、こうした型のディスペンサには出口開口部または投与開口部が設けられており、当該開口部は、容器に接続されているため、容器を駆動することでその中身の一部が出口開口部から投与される。
【背景技術】
【0002】
一般的に、容器は液状または粉末状の流体を格納しているが、気体(たとえば空気)も一緒に格納していてもよい。この場合、容器の壁を駆動すると、空気と流体との混合物が出口開口部を通って放出される。こうした型のディスペンサは、香水、化粧品、または実に薬の分野で利用される。
特許文書FR 2 791 645号の文書には、こうした型のディスペンサが開示されており、このディスペンサは、2枚の変形可能な可撓性シートで作られており、その周縁部で密封されて流体容器を形作る内部空間を規定している。効果的な構成として、投与部材が2枚のシートの間に、シール処理によって固定されている。効果的な構成として、その部材は投与開口部を形作っており、さらに液状または粉末状の流体を浸透させたり滲み込ませたりするのに適した多孔性素材で作られた部品のための支持部材としても働く。さらに、容器はスプリングを格納しており、当該スプリングは、2枚のシートを容器の最大容量を規定する休止形に戻すことを可能にする。したがって、スプリングは、ディスペンサが1回駆動されるたびに、容器を休止位置に戻すことを可能にする。容器は、少量の流体と大量の気体(たとえば空気)とを格納している。したがって、ディスペンサが駆動されるたびに、空気と流体との混合物が投与開口部を通って送り出される。上記文書の発明では、取り外し可能な密封部材によって投与開口部を閉ざすための構成も設けられている。当該密封部材は、容器がほぼ流体のみを格納し、スプリングが最大限に近い状態まで圧縮されている状態で投与開口部を閉じる。取り外し可能な部材が所定位置にある限り、容器は容量が最小の状態に維持され、容器の中に入っている流体は空気と殆ど接触しない。したがって、スプリングが緩み、投与開口部を通って入ってくる空気によって容器の容量が大きくなるのは、取り外し可能な密封部材が取り外された時のみである。そうなれば、あとは変形可能な駆動壁を構成する可撓性シートを押さえ付ければ、ディスペンサは駆動できる。シートに加えられた圧力が緩められると、容器に格納されたスプリングは最初の最大容量の状態に戻る。
【0003】
従来技術のディスペンサの問題点は、容器または多孔性の部分品の中に流体がある限り、流体が投与開口部を通って漏洩してしまう危険性がある、という点にある。取り外し可能な密封部材は再び設置することが不可能なため、投与開口部を閉じることでその問題点を解決することはできない。したがって、漏洩の危険という理由から、そのディスペンサは、いったん使用された後は、たとえ流体がまだ格納されていても、保管することはほぼ不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、投与開口部を閉じるためのストッパまたは密封部材がない場合にさえ漏洩の危険がない流体ディスペンサを形作ることで、従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、気体容器であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から気体を取り出すための駆動壁を形作っている、という気体容器と、流体容器であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から流体を取り出すための駆動壁を形作っている、という流体容器を少なくとも1つと、気体容器と流体容器とに共通出口開口部を少なくとも1つと、気体容器を共通出口開口部に接続する気体供給ダクトと、流体容器を共通出口開口部に接続する流体供給チャネルを少なくとも1つと、を有するディスペンサを提供することで、この目的を達成する。
【発明の効果】
【0006】
このように気体容器を流体容器から隔てることによって、共通出口開口部に供給される流体の量をさらに正確に制御することができる。このことは、ディスペンサが複数個の流体容器を有する場合に、さらにはっきりと理解される。たとえば気体容器の壁を1度または2度駆動するだけで使い切ることができるように流体容器の寸法を決めることができるようになる。したがって、気体容器を1回または2回駆動した後には共通出口開口部に流体が残らないことが保証される。さらに、留意すべき点として、気体容器は流体を全く格納していない。
【0007】
効果的な構成として、ダクトは、出口開口部においてチャネルと合流することとする。したがって、流体が供給ダクトを通って気体容器に入り込むことはほぼ不可能である。
また、本発明の別の特徴によれば、出口開口部は出口チャンバの位置に形成されており、ダクトとチャネルとは当該チャンバの中に向かって開いていることとする。効果的な構成として、チャンバは、流体を滲み込ませるのに適した多孔性素材の部分品を格納していることとする。また、好ましい構成として、多孔性素材の部分品は、ダクトとチャネルとの間に配置する。こうすれば、多孔性素材の部分品は、ダクトとチャネルとの間でプラグとして働き、気体容器への供給用の供給ダクトに沿って流体が伝わるのを防ぐ。多孔性素材の部分品は多孔性ストッパとして働く、と言うことさえできる。流体と気体とは、出口開口部、さらに広く言えばほぼ出口チャンバに及ぶ位置まで、このように完全に互いから隔てられている。
【0008】
出口開口部における流体の漏洩を防ぐことに貢献する本発明の別の効果的な特徴として、チャネルには、チャネルを介した流体容器と出口開口部との間の連絡を絶つのに適した初期密封部材が設けられていることとする。効果的な構成として、初期密封部材は、流体容器の駆動壁を駆動することによって開けられるのに適したものであることとする。これにより、ディスペンサの初回使用前または使用時と使用時との間に、気密状態で出口開口部を閉ざすため出口開口部に置かれる取り外し可能な密封部材を省くことが可能である。各流体容器は、使用前の段階では、出口開口部から隔絶されている。駆動壁が押さえ付けられるや否や、初期密封手段は壊れて、容器に格納された流体は、初期密封手段が壊れた結果開いたチャネルを通って、出口開口部まで流出することができる。その後は、気体容器の壁を駆動しさえすれば、流体と気体との混合物が投与される。前記壁が数回駆動された後には、容器の中にも出口開口部の中にも、もはや流体はない。したがって、ディスペンサには漏洩の危険はない。ディスペンサの次回使用時には、第1の容器の場合と同様に、第2の流体容器を駆動して、その初期密封部材を壊すだけでよい。その他の流体容器についても同様である。こうして、気体容器の駆動壁が、使用対象の流体容器および供給チャネルの中身を使い切るのに十分な回数分駆動される、という条件を満たせば、いかなる場合にも漏洩の危険はない、という流体ディスペンサが得られる。多孔性素材の部分品が出口開口部に配置されている場合には、流体容器とそれに関わる供給チャネルとは、多孔性素材の構造による毛細現象の結果として、ほぼ自動的に空になる。したがって、容器とそのチャネルとは、操作対象となる流体容器の駆動壁の駆動後には中身が空の状態になることが保証される。
【0009】
本発明の別の効果的な特徴によれば、容器、ダクト、そして前記少なくとも1つのチャネルは、局部的に固定されて一体化した2枚のシートの間に形成されていることとする。効果的な構成として、1枚のシートは実質的に変形可能で、容器の駆動壁を形成していること。好ましい構成として、シートは、効果的な構成として熱成形された断面成形シェルであることとする。さらに、他方のシートはほぼ平面であることとする。ディスペンサは2つの部品、すなわち2枚のシートのみから作られる、ということを考慮すれば、これは特に安価な実施の形態である。多孔性素材の部分品を組み入れる場合には、ディスペンサを構成する部品の数は3つに増える。たとえば、こうしたディスペンサは、特に平らな形をしている、という性質上、雑誌などの出版物に挿入することも可能な無料サンプルとして使用することができる。
【0010】
特に医薬品または化粧品への使用に合わせて作られた別の実施の形態において、ディスペンサは流体容器を少なくとも2つ有し、当該流体容器は異なった流体を格納しており、効果的な構成として、当該流体は出口開口部において即座に混合されることとする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を非限定的な例として示す添付図面を参照しながら、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の説明に使用する、図1および2に示すところの実施の形態は、単に1つの好適な実施の形態にすぎず、特にサンプル型の安価なディスペンサとして使用するために作られたものである。しかし、これは、サンプルとして配布するのではなく、販売目的の本格的なディスペンサとしても使用することができる。
【0012】
この特定の実施の形態におけるディスペンサは、3つの構成部分、つまり上側シート1、下側シート2、そして多孔性素材の部分品142から作られている。多孔性素材の部分品142は必至ではなく、場合によっては省略し、ディスペンサが2つの構成部分品、すなわち2枚のシート1、2のみで作られている、という形にしてもよい。
「シート」という言葉は、ここでは広い意味に理解すべきであって、ある次元における壁の厚みが比較的小さく、その一方で、他の次元においては広範囲にわたって延びている、という部品であればいかなるものであってもよい。さらに、部品の壁の厚みについては小さくてもよく、さらに、この厚みは一定としてもよいし、変化することにしてもよい。さらに、当該部品は、極めて可撓性がある、比較的可撓性がある、比較的剛性がある、あるいは極めて剛性がある、のうちいずれにしてもよい。さらに、部品は局部的または全体的に、可撓性をつけたり変形可能としたりすることができる。前記部品は全体的に平面としてもよいし、1つあるいは複数個の盛り上がった状態の突出部分品を有する形にしてもよい。したがって、一方または両方のシートを、可撓性のあるプレートまたは剛性のあるプレートにし、そのプレートは、効果的な構成として1つまたは複数の盛り上がった状態の部分品を有する、という形にすることができる。ここでの「シート」という語は次のような言葉を包含する。その言葉とは、プレート、基板、バッキング、フィルム、シェルなどである。
【0013】
図1および2に示された実施の形態において、シート1は、効果的な構成として熱成形された断面加工シェルの形をしており、シートの周縁部全体にわたって延びる平面メインゾーン11を有する。シート1にはメインドーム120が形成されており、当該メインドームは、図2からはっきりと見てとれるように、平面ゾーン11から突出している。また、シートまたはシェル1には、盛り上がった状態のリブ150が形成されており、当該盛り上がった状態のリブは、ドーム120から出口開口部141が設けられた盛り上がった状態の突端140まで延びている。すなわち、盛り上がった状態のリブ150は、メインドーム120を突端140に接続している。さらに複数個の補助リブ160が、突端140から星形に延びている。この例において、こうした補助リブは5つあるが、この数に限定されるわけではない。また、補助リブ160は突端140から外向きに放射状に延び、それら補助リブはそれぞれ、各補助ドーム130に接続しており、当該補助ドームは、たとえばメインドーム120の縮小形にすることができる。
【0014】
メインリブ150、突端140、そして補助リブ160は、可撓性を持たせてもよいし、変形不可能としてもよい。メインドーム120と補助ドーム130とは変形可能な形に形成されており、効果的な構成として、弾性変形が可能であり、いったん変形させられても、図2に示す最初の凸形に戻ることができる。当然のことながら、ドーム120、130の曲げ状態は、さまざまな程度に形を付けることができる。すなわち、凸形または平らな形、さらには、多角形や楕円面といった具合に、どのような幾何学的形状にしてもよい。
【0015】
下側の補助シート2は、剛性のある平らな基板または可撓性のある密封フィルムの形、またそれ以外にも、平らなシェルまたは断面成形シェルの形とすることができる。下側シート2については、上側シート1と同一の形(すなわち、断面成形シェルの形)とすることさえ考えられる。
上側シート1は、下側シート2に接触する平面ゾーン11において下側シート2に接続されている。シート1、2はそれらの周縁でシール処理されて一体になっており、好ましい構成として、ドーム120、130の周囲、そして突端140の周囲と同様にリブ150、160に沿ってシール処理されている。したがって、ドーム、リブ、そして突端の下では2枚のシートの間に隙間が形成されている。本発明において、ドーム120は気体容器12を形成しており、メインリブ150は供給ダクトを形成しており、補助ドーム130はそれぞれ流体容器13を形成しており、補助リブ160はそれぞれ流体供給チャネル16を形成しており、突端140は共通出口チャンバ14を形成している。このことは、図2から見て取れる。出口または投与開口部141が形作られた出口チャンバ14は、供給ダクト15を介して気体容器12に連絡している。さらに、同じ共通出口チャンバ14は、流体供給チャネル16を介して流体容器13に連絡している。図から観てとれるように、気体供給ダクト15は、共通出口チャネル14においてのみ流体供給チャネル16と合流する。チャンバ14については、出口開口部141の下にあるゾーンだけを形作る形になるまで小さくすることもできるため、ダクト15は投与開口部141においてのみチャネル16と合流する、と言うことも可能である。
【0016】
効果的な構成として、共通出口チャンバ14の中に、液状または粉末状の流体を滲み込ませるのに適した多孔性素材の部分品142が入っている、という形にしてもよい。多孔性素材の部分品については、投与開口部141のすぐ近傍にあるか、さらには投与開口部と接触している。また、図から見てとれるように、ダクト15は前記多孔性素材の部分品142を介してのみチャネル160と連絡することが可能である。したがって、多孔性素材の部分品は、流体が気体容器12に接続されたチャネル15を逆流して漏洩しないようにする栓または多孔性のストッパとして働く。このように、流体と気体とはディスペンサの中で完全に隔てられている。そして、流体と気体とが合流するのは、効果的な構成として多孔性素材の部分品142が設けられた投与開口部141においてのみである。
【0017】
本発明の別の側面において、チャネルのうち少なくとも1つ、また、好ましい構成としてチャネル全ては、長さ全体に沿って1つまたは複数の位置で閉じられているか、あるいは塞がれており、流体容器13は初期状態では出口チャンバ14、したがって投与開口部141から隔てられた形になっている。チャネル160のこうした閉塞状態は、たとえば図2から見て取れるように、チャネル16でシート1、2との間に弱いシール161の形で実現することができる。それぞれの弱いシール161の機能は、対応するチャネル16に加えられた圧力がシート1をシート2から引き離すのに十分となった時点ではがれたり壊れたりし、チャネル16をその長さ全体にわたって元の形に戻す、というものである。必要な圧力は、たとえば、補助ドーム130によって形成された駆動壁を押さえ付けることによって生じさせることができる。当然のことながら、初期密封手段に関しては、このような弱いシール161以外にも考えることが可能である。しかし、こうしたシールは、シート1とシート2とを接合する上ですでに効果的なものとして使用されている密封技術を実施するものであるため、単純な実施の形態を構成する。当然のことながら、弱いシール161の位置については、チャンバ14のより近く、またはチャンバ13のより近く、とすることもできる。このように、使用前の各流体容器はチャンバ14から隔てられている。したがって、投与開口部を耐漏洩様態で閉じる働きをする取り外し可能な密封部材がない場合にさえ、出口開口部141において漏洩が生じる危険はない。ディスペンサの初回使用時には、ユーザは補助ドーム130のうち1つを押さえ付ける。それによって弱いシール161が壊れて、容器13の中身が、効果的な構成として多孔性素材の部分品142が置かれた共通出口チャンバ14に送り出されることになる。留意すべき点として、他の容器はこの時点ではまだチャンバ14から隔てられている。それから、ユーザはメインドーム120から成る気体容器12の駆動壁を押さえ付ける。こうすることによって、容器12に格納された気体はダクト15を介して、チャンバ13からの流体が浸透または染み込んでいる多孔性素材の部分品142を格納しているチャンバ14まで送り出される。圧力を受けてチャンバ14に達した気体は、多孔性素材の部分品142に滲み込んだ流体を取り込みながら多孔性素材の部分品142を通り抜け、出口開口部141を介して出て行く。したがって、開口部141の出口では、流体と気体との2相の噴射が得られる。投与後は、ユ−ザがメインドーム120への圧力を緩めると、当該メインドームは、弾性変形記憶によって、図2に示すような休止位置に戻る。容器13に格納される流体の量を正確に決めれば、チャンバ13からの流体の全てまたはほぼ全てを含んだ多孔性素材の部分品142の中身を使い切るまでに何回メインドーム120を駆動する必要があるかを正確に決めることも可能である。そうすれば、たとえばメインドーム120を1回または2回駆動した後には、多孔性素材の部分品142の内部に滲み込んだり浸透した流体は全くあるいは殆ど全く残っていない状態となる。そのため、出口開口部141からの漏洩の危険はない。ユーザがより多くの流体を投与したい場合には、ユーザは2つ目の補助ドーム130を押し、再度、定量つまり「1ドーズ分」の流体を多孔性素材の部分品142の中へ送り込む、などの方法がある。メインドームは形状記憶を有し、これがメインドームを最初の位置に近づかせる。これは、補助ドームには必要ではない。
【0018】
図3は、本発明の第2の実施の形態を示す。このディスペンサ1’も、局部的にシール接合された2枚のシートまたはプレートで作ることができる。また、ディスペンサ1’には、駆動ドーム120を形作っている気体容器12と、同様に駆動ドーム130がそれぞれ設けられた2つの流体容器とが形成されている。容器12、13は、効果的な構成として多孔性素材の部分品142が置かれた混合チャンバ14’に接続されている。気体容器12は、ダクト15を介して混合チャンバ14’と連絡しており、一方、流体容器13はチャネル16を介して同じチャンバ14’と連絡している。効果的な構成として、チャネル16には中断手段161が設けられており、当該中断手段も先述した実施の形態におけるように弱いシール161の形とすることができる。
【0019】
この実施の形態において、2つの流体チャンバ13はそれぞれ、混合チャンバ14’の中で即座に混合されるよう働く異なった種類の流体を格納している。
また、この実施の形態と先述した実施の形態との相違点として、ディスペンサ1’がさらに投与および支持用の部分品3を有しており、当該部分品3は、たとえば射出成形されたプラスチック材料で作られている。この支持用の部分品3については、多孔性素材の部分品142のための支持リセスと突端140の位置に置かれる固定付属物とを形作ることにすればよい。ディスペンサ1’を作っているシートまたはプレートは、たとえば支持用の部分品3にシールしてもよい。さらに、支持用の部分品3はエンドピース31を形作っており、当該エンドピースの自由端には投与開口部141が形作られている。自由端31は鼻用のアプリケータとすることができる。
【0020】
このディスペンサ1’は、以下のように使用される。
ユーザは、始めに、流体容器13のうち1つのドーム130を押さえ付け、弱いシール161を壊し、その結果として元の形に戻ったチャネルを通ってドームの下に格納された流体が流出し、効果的な構成として多孔性素材の部分品142が置かれた混合チャンバに達するようにする。それから、ユーザはもう一方の流体容器に移り、対称的に処理を続ける。これにより、2つの異なった種類の流体が混合チャンバの中で、多孔性素材の部分品の内部において混合される。それから、ユーザは、気体容器12の駆動ドーム120を押さえ付け、ダクト15から多孔性素材の部分品142の中に気体を入れさえすればよい。それによって、多孔性素材の部分品に滲み込んだ流体の混合物は、エンドピース31を通過する形で引き出され、最終的には2相スプレーの形で出口開口部141から投与される。
【0021】
図3のディスペンサ1’は、より具体的に言えば、医薬品または化粧品への使用に適合している。
本発明を用いれば、効果的な構成として流体が気体から完全に隔てられ、漏洩の問題がない、という複数ドーズ用の2相ディスペンサが得られる。さらに、サンプルとして使用できる安価な型で実施することができる。
【0022】
1つの気体容器と組み合わせる形で設けられた複数の流体容器の構成は、それぞれが独立した形で、すなわち、共通出口開口部の位置でのみ流体チャネルに接続する気体ダクトを設けない形で保護される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1の実施の形態における流体ディスペンサを上方、側面方向から見た斜視図である。
【図2】図1のディスペンサの縦方向垂直断面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態におけるディスペンサを上方から見た斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ディスペンサであって、
気体容器(12)であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から気体を取り出すための駆動壁(120)を形作っている、という気体容器と、
流体容器(13)であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から流体を取り出すための駆動壁(130)を形作っている、という流体容器を少なくとも1つと、
気体容器(12)と流体容器(13)とに共通出口開口部(141)を少なくとも1つと、
気体容器(12)を共通出口開口部(141)に接続する気体供給ダクト(15)と、
流体容器(13)を共通出口開口部(141)に接続する流体供給チャネル(16)を少なくとも1つと、
を有することを特徴とするディスペンサ。
【請求項2】
ダクト(15)は、出口開口部(141)においてチャネル(16)と合流すること、
を特徴とする請求項1に記載のディスペンサ。
【請求項3】
出口開口部(141)は出口チャンバ(14)の位置に形成されており、ダクト(15)とチャネル(16)とは当該チャンバ(14)の中に向かって開いていること、
を特徴とする請求項1または2に記載のディスペンサ。
【請求項4】
チャンバ(14)は、流体を滲み込ませるのに適した多孔性素材の部分品(142)を格納していること、
を特徴とする請求項3に記載のディスペンサ。
【請求項5】
多孔性素材の部分品(142)は、ダクト(15)とチャネル(16)との間に配置されていること、
を特徴とする請求項4に記載のディスペンサ。
【請求項6】
チャネル(16)には、チャネル(16)を介した流体容器(13)と出口開口部(141)との間の連絡を絶つのに適した初期密封部材(161)が設けられていること、
を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項7】
初期密封部材(161)は、流体容器(13)の駆動壁(130)を駆動することによって開けられるのに適したものであること、
を特徴とする請求項6に記載のディスペンサ。
【請求項8】
容器(12、13)、ダクト(15)、そして前記少なくとも1つのチャネル(16)は、局部的に固定されて一体化した2枚のシート(1、2)の間に形成されていること、
を特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項9】
1枚のシート(1)は実質的に変形可能で、容器(12、13)の駆動壁(120、130)を形成していること、
を特徴とする請求項8に記載のディスペンサ。
【請求項10】
シート(1)は、効果的な構成として熱成形された断面成形シェルであること、
を特徴とする請求項9に記載のディスペンサ。
【請求項11】
他方のシート(2)はほぼ平面であること、
を特徴とする請求項9または10に記載のディスペンサ。
【請求項12】
それぞれの供給チャネルを通って共通出口開口部に接続された複数個の流体容器を有すること、
を特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項13】
流体容器(13)を少なくとも2つ有し、当該流体容器は異なった流体を格納しており、効果的な構成として、当該流体は出口開口部において即座に混合されること、
を特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のディスペンサ。




【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ディスペンサであって、
気体容器(12)であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から気体を取り出すための駆動壁(120)を形作っている、という気体容器と、
流体容器(13)であって、容器の容量を変化させ、それによって前記容器から流体を取り出すための駆動壁(130)を形作っている、という流体容器を少なくとも1つと、
気体容器(12)と流体容器(13)とに共通出口開口部(141)を少なくとも1つと、
気体容器(12)を共通出口開口部(141)に接続する気体供給ダクト(15)と、
流体容器(13)を共通出口開口部(141)に接続する流体供給チャネル(16)を少なくとも1つとを有し、
特徴となるのは、
ダクト(15)は、出口開口部(141)においてチャネル(16)と合流することである、
というディスペンサ
【請求項2】
出口開口部(141)は出口チャンバ(14)の位置に形成されており、ダクト(15)とチャネル(16)とは当該チャンバ(14)の中に向かって開いていること、
を特徴とする請求項に記載のディスペンサ。
【請求項3】
チャンバ(14)は、流体を滲み込ませるのに適した多孔性素材の部分品(142)を格納していること、
を特徴とする請求項に記載のディスペンサ。
【請求項4】
多孔性素材の部分品(142)は、ダクト(15)とチャネル(16)との間に配置されていること、
を特徴とする請求項に記載のディスペンサ。
【請求項5】
チャネル(16)には、チャネル(16)を介した流体容器(13)と出口開口部(141)との間の連絡を絶つのに適した初期密封部材(161)が設けられていること、
を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項6】
初期密封部材(161)は、流体容器(13)の駆動壁(130)を駆動することによって開けられるのに適したものであること、
を特徴とする請求項に記載のディスペンサ。
【請求項7】
容器(12、13)、ダクト(15)、そして前記少なくとも1つのチャネル(16)は、局部的に固定されて一体化した2枚のシート(1、2)の間に形成されていること、
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のディスペンサ。
【請求項8】
1枚のシート(1)は実質的に変形可能で、容器(12、13)の駆動壁(120、130)を形成していること、
を特徴とする請求項に記載のディスペンサ。
【請求項9】
シート(1)は、効果的な構成として熱成形された断面成形シェルであること、
を特徴とする請求項に記載のディスペンサ。
【請求項10】
他方のシート(2)はほぼ平面であること、
を特徴とする請求項8または9に記載のディスペンサ。
【請求項11】
流体容器(13)を少なくとも2つ有し、当該流体容器は異なった流体を格納しており、効果的な構成として、当該流体は出口開口部において即座に混合されること、
を特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−503769(P2006−503769A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547697(P2004−547697)
【出願日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003094
【国際公開番号】WO2004/039694
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(502343252)バルワー エス.アー.エス. (144)
【Fターム(参考)】