説明

流体プロセス制御

流体調整器特徴付けシステム100、212が、受け取った制御信号に応答して生じる流体調整器108の流量を特徴付けることができる。流体調整器特徴付けシステムは、特徴付けを使用して、流体調整器に関する全動作範囲にわたって(例えば、0パーセント移動から100パーセント移動まで)、受け取った制御信号に対する線形流体調整器流量ゲインを達成することができる。線形流体調整器流量ゲインは、プロセス制御を改善し、プロセス変動性を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の参照
本願は、その内容全体が本明細書に組み込まれる2008年9月4日出願の米国特許出願第12/204635号に対する優先権の特典を主張する。
【0002】
本開示はプロセス制御に関し、詳細には流体についてのプロセス制御に関する。
【背景技術】
【0003】
流体調整器(例えば弁)は、商業的応用分野と工業的応用分野のどちらでも多種多様な環境で使用される。例えば、流体調整器を使用して、パイプライン・システム、化学プラント、建築環境システム内の流体を調整することができる。環境または応用分野の如何に関わらず、多数の流体調整器が、流体調整器と共に位置し、または流体調整器から離れて位置するいくつかのタイプの論理駆動コントローラによって制御される。コントローラにより、インテリジェントな方式で流体調整器を操作し、1つまたは複数の定義済みの性能尺度(例えば、流量、圧力、温度、レベル、エネルギー効率など)を達成することが可能となる。
【0004】
一般的なタイプのコントローラは、空気制御技法に応答して動作する。このタイプのコントローラはしばしば、外部給気を受け、電子制御信号に応答して給気を操作し、流体調整器を適切に作動させる。したがって、空気コントローラはしばしば、電子制御信号を対応する空気制御圧に変換する電気−圧力変換器を含むと言われる。作動させるべき流体調整器に応じて、空気流体調整器コントローラは、第2の空気構成要素を含むこともできる。このコントローラの第2ステージは、電気−圧力変換器の出力の圧力および/または体積流量を増幅することができる。これを実施するための一般的な装置は、スプール弁および空気中継器を含む。
【0005】
空気制御流体調整器を通る流体の流量は、空気制御圧に部分的に依存し、空気制御圧は、電気−圧力変換器が受け取る電子制御信号に依存する。流体調整器の流量と電子制御信号との間の関係は、多くの場合非線形であり、したがって制御信号の特定の増大は、流体調整器の流量の一次増大に対応しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書は、プロセス制御に関する技術を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
流体調整器特徴付けシステムは、受け取った制御信号に応答して生じる流体調整器の流量を特徴付けることができる。流体調整器特徴付けシステムは、特徴付けを使用して、流体調整器に関する全動作範囲にわたって、受け取った制御信号に対する線形流体調整器流量ゲインを達成することができる。
【0008】
一般には、本明細書に記載の主題の一態様は、流体調整器に関する標準化動作環境に基づいて、制御信号に対する第1流体調整器流量の第1特徴付けを求める動作と、流体調整器に関する計画動作環境の特性を受け取る動作と、第1特徴付けおよび受け取った特性に基づいて、制御信号に対する第2流体調整器流量の第2特徴付けを生成する動作と、第2特徴付けに基づいて、制御信号に対する流体調整器流量ゲインを線形化する動作とを含む方法で実施することができる。この態様の他の実装は、対応するシステム、機器、およびコンピュータ・プログラム製品を含む。
【0009】
こうした実装および他の実装は、任意選択で以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。第1流体調整器流量は、パーセント定格流量容量に対するパーセント定格移動でよい。第1特徴付けおよび第2特徴付けは、流体調整器に関する全動作範囲にわたるものでよく、流体調整器に関する全動作範囲は、例えば最小パーセント・リフトおよび最大パーセント・リフトで定義することができる。制御信号に対する第2流体調整器流量の第2特徴付けは、定義済み動作範囲にわたって流体調整器流量ゲインを線形化する、制御信号に対する流体調整器部材移動でよい。制御信号に対する流体調整器部材移動は、流体調整器の両端間の第1圧力差の、流体調整器の両端間の第2圧力差に対する比に基づいて求めることができる。
【0010】
第1圧力差は、高流量時の流体調整器の両端間の圧力差でよく、第2圧力差は、低流量時の流体調整器の両端間の圧力差でよい。流体調整器の両端間の第1圧力差の、流体調整器の両端間の第2圧力差に対する比は、膨張係数比および上流側圧力比に基づいてスケーリングすることができる。膨張係数比は、高流量時の膨張係数の、低流量時の膨張係数に対する比でよい。
【0011】
本明細書に記載の主題の特定の実装は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を実現するように実装することができる。流体調整器流量は、受け取った制御信号に対して線形化することができる。線形流体調整器流量ゲインは、プロセス制御を改善し、プロセス変動性を低減することができる。したがって、制御システムにわたってさらなる制御を達成することができる。線形化は、流体調整器設置前に求めて、流体調整器コントローラ内に格納することができる。線形化は、標準化動作環境および計画動作環境での流体調整器の特性に基づくことができる。
【0012】
本明細書に記載の主題の1つまたは複数の実装の詳細を添付の図面および以下の説明で述べる。主題の他の特徴、態様、および利点は、この説明、図面、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】例示的流体調整システムのブロック図である。
【図2】例示的流体調整器特徴付け環境のブロック図である。
【図3】流体調整器の例示的線形特徴付けを示すグラフである。
【図4】流体調整器ゲインを線形化する例示的プロセスを示す図である。
【図5】第1特徴付けを求める例示的プロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な図面中の同様の参照番号および指定は、同様の要素を示す。
【0015】
流体調整器を通る流量(例えば流体調整器ゲイン)の増大が制御信号の増大に対して線形となるように制御信号に応答して流体調整器部材を配置することのできるコントローラを含む調整システムにより、流体調整器性能の線形化を達成することができる。ある実装では、受け取った制御信号と流体調整器流量との間の線形関係を容易にする流体調整器の特徴付けをコントローラに与えることができる。特徴付けは、制御中の流体調整器に関する全動作範囲について有効とすることができる。制御信号に対して流体調整器ゲインを線形化すると、例えばオペレータまたは制御システムが流体調整器流量の目標変化に比例して制御信号を調節することを可能にすることにより、調整システムの制御を単純化することができる。
【0016】
図1は、例示的流体調整システム100を示す。調整システム100は、通信インターフェース102、コントローラ104、アクチュエータ106、流体調整器108、およびフィードバック・ユニット110を含む。通信インターフェース102は、外部装置または外部システム(例えば、制御装置または中央制御室など)との通信を容易にすることができる。通信インターフェース102は、例えばモデム、ネットワーク・インターフェース、ワイヤレス・インターフェース、またはデータを送信および受信することのできる他の適切な任意の装置として実装することができる。ある実装では、通信インターフェース102は、制御装置または制御室から制御信号を受信し、制御信号をコントローラ104に渡す。制御信号は、例えば、以下で論じるように、流体調整器を通る流量を制御するように変化することのできる(例えば、4〜20ミリアンペアの間で)電気信号でよい。
【0017】
コントローラ104は、プロセッサ112、メモリ113、電気−圧力変換器114、および圧力センサ118を含む。プロセッサ112は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他の任意のタイプの論理装置でよい。プロセッサをメモリ113に結合して、受け取ったデータを格納することができる。メモリ113は、例えば、ランダム・アクセス・メモリ、読取り専用メモリ、レジスタ、または他の適切な任意のメモリ装置でよい。メモリ113は、プロセッサ112に対する命令、調整システム100の制御に関するデータ(例えば線形化情報)、または他の任意の情報を格納することができる。プロセッサ112は、通信インターフェース102を介してデータを受け取り、データを使用して流体調整器108を制御することができる。プロセッサ112は、例えば、受け取ったデータ内の制御信号を識別し、制御信号を電気−圧力変換器114に渡すことができる。
【0018】
コントローラ104は、適切な任意のデジタル・ポジショナでよい。例えば、コントローラ104は、マサチューセッツ州エーボンのDresser−Masoneilanから入手可能なSVI2APポジショナでよい。SVI2APポジショナは、弁/ポジショナ特性の線形特徴付け、パーセンテージ特徴付け、およびカスタム特徴付け(例えば流量と移動特性との関係)を可能にする。
【0019】
電気−圧力変換器114は、外部圧力源から入力圧力を受け、プロセッサ112からの制御信号に基づいて出力圧力を制御する。電気−圧力変換器114は、例えば、電気ループ(例えば、銅線のコイル)に対して可動である励磁可能素子(例えば、ニッケル−鉄合金から構成されるフレクシャ)を含むことができる。励磁可能素子の移動は、電気−圧力変換器114の出力圧力に影響を及ぼすことができる。例えば、制御信号の増大に応答して、電気−圧力変換器114は、出力圧力を増大させることができる。ある応用分野では、電気−圧力変換器114はまた、出力圧力を増幅するための圧力増幅器(例えば中継器)をも含むことができる。
【0020】
電気−圧力変換器114の出力圧力は、圧力センサ118で測定することができる。圧力センサ118は、電気−圧力変換器114の出力圧力に対応する電気信号をプロセッサ112に供給することができる。プロセッサ112は、制御信号に対する調節を行い、時と共に出力圧力に様々に影響を及ぼす可能性のあるシステム変動(例えば、圧力系漏れ、温度変化など)を補償することができる。圧力センサ118は、例えば圧電型センサとして実装することができる。
【0021】
電気−圧力変換器114の出力圧力が、アクチュエータ106で受けられる。アクチュエータ106は、例えば、差圧下にあるピストンまたは圧力活動化ばねを含むように実装することができる。アクチュエータ106は、制御圧に応答してピストンまたは圧力活動化ばねの位置を調節することができる。アクチュエータ106は、以下で説明するように、接続される流体調整器108を調節することができる。
【0022】
流体調整器108は、ステム120および流体調整器部材122を含む。ステム120は、例えば、金属または他の適切な材料から構成されるロッド、軸、または支柱でよい。ステム120をアクチュエータ106に接続し、アクチュエータ106内のピストンまたは圧力活動化ばねの位置に対する調節に応答してステム120を操作することができる。ステム120を流体調整器部材122に接続することができ、したがってアクチュエータ106内のピストンまたは圧力活動化ばねの位置に対する調節に応答して、流体調整器部材122が同様に操作される。
【0023】
流体調整器部材122は、流体調整器108を通る流体(例えば、液体または気体)の流量を調整する。例えば、流体調整器部材122を、流体が流体調整器108を通過しないように完全に閉じた位置まで、流体調整器108を通じて流体の最大流量が実現されるように完全に開いた位置まで、または完全に開いた位置と完全に閉じた位置の間の任意の位置まで操作することができる。完全に閉じた位置から完全に開いた位置までの流体調整器部材位置の範囲(完全に閉じた位置および完全に開いた位置を含む)は、流体調整器108の全動作範囲と呼ばれる。例えば、プラスチック、金属、ゴム、複合材料、および/または他の適切な任意の材料から流体調整器部材122を製造することができる。流体調整器部材122は、プラグ、ボール弁ボール、ディスク、または流体調整器108を通る流量を調整することのできる他の任意の要素でよい。流体調整器部材がプラグであるとき、最小パーセント・リフトから最大パーセント・リフトに及ぶ範囲によって全動作範囲を定義することができる。
【0024】
流体調整器108にフィードバック・ユニット110を接続し、流体調整器部材122の位置ならびに流体調整器108を通る流量を監視することができる。フィードバック・ユニット110は、位置センサ124および流量センサ126を含むことができる。位置センサ124は、ステム120の位置を求め、ステムの位置をプロセッサ112に供給することができる。ステム120の位置は、流体調整器部材122の位置に相関する。したがって、プロセッサ112は、ステム120の位置に基づいて流体調整器部材122の位置を求めることができる。位置センサ124は、例えば、ステム120の位置を求めることのできる電気素子、電磁素子、光学素子、および/または機械素子でよい。特定の実装では、位置センサ124はホール効果センサである。
【0025】
ある実装では、流量センサ126は、流体調整器108を通る流体の流量を求め、流量に対応する電気信号をプロセッサ112に供給することができる。別の実装では、流量に対応する電気信号を制御室内のコンピューティング装置に供給することができる。プロセッサ112または制御室内のコンピューティング装置は、実際の流量が目標流量に対応しないとき、実際の流量に応答して電気−圧力変換器114に対する制御信号を調節することができる。流体調整器を通る実際の流量に応答して制御信号を調節することにより、例えば流量に影響を及ぼすシステム変動(流体調整器動作、温度、湿度の変化、流体調整器内の材料蓄積など)のためのシステムに対する調節が容易となる。
【0026】
上記で論じたように、プロセッサで受信される制御信号により、流体調整器108を通る流量を調節することができる。しかし、多くの状況では、制御信号に対する調節と、得られる流体調整器流量の調節との間の関係は線形ではない。非線形性は、システム内の各要素の動作特性の結果として生じる可能性がある。例えば、電気−圧力変換器114に対する供給圧力が変化する場合、アクチュエータ106の受ける圧力が変化する可能性がある。同様に、環境条件がアクチュエータ106、ステム120、または流体調整器部材122の操作に影響を及ぼす場合、流体調整器流量と制御信号との間の関係は、線形ではないことがある。
【0027】
こうした動作特性の多くは経時的に変動する可能性があり、圧力センサ118およびフィードバック・ユニット110の使用によって補償することができるが、いくつかの非線形特性は、補正するのがより難しい。例えば、設置される流体調整器108の特性が、流体調整器の全動作範囲にわたって非線形の性能となる可能性がある。ある状況では、流体調整器108は、調整システム100の最も非線形の要素となる可能性がある。圧力センサ118およびフィードバック・ユニット110を用いる補正が、流体調整器動作に先立って非線形性を補正することよりも効率が低くなるほどに、非線形流体調整器性能変動の大きさが大きくなる可能性がある。例えば、ある動作範囲では、制御室での制御信号の小さな変化が、流体調整器流量の大きな変化となる可能性があるのに対して、別の動作範囲では、制御信号の大きな変化が、流体調整器流量の小さな変化となることがある。この結果、目標流体調整器流量を達成するのに必要な期間が長くなる可能性がある。
【0028】
通常、流体調整器108の性能は、設置前に特徴付けることができる。例えば、性能は、流体調整器の全動作範囲にわたって特徴付けることができる。特徴付けを使用して、制御信号と流体調整器流量との間の関係を線形化することができる。制御信号と流体調整器流量との間の関係を線形化することにより、任意の信号レベルで得られる最適なプロセス・コントローラ設定を、全信号範囲にわたって有用なものとすることができる。この結果、プロセス制御を改善し、プロセス変動性を低減することができる。
【0029】
ある実装では、各制御信号レベルでの流体調整器流量および流体調整器部材位置を求め、流体調整器の全動作範囲にわたって流体調整器流量と制御信号との間の線形な関係が得られることになる流体調整器部材位置に関する偏位を求めることにより、制御信号と流体調整器流量との間の関係を線形化することができる。この線形化決定は、例えば、標準化動作環境に関する流体調整器108の特性(例えば固有流量特性)と、計画動作環境に関する流体調整器108の特性(例えば設置後流量特性)とに基づく、コンピュータで実施されるルーチンによって実行することができる。さらに、流体調整器108が調整することになる流体の特性に基づいて決定を実施することができる。この特徴付けは、例えば流体調整器特徴付けシステムで実施することができる。
【0030】
上記で開示した線形化を使用して、例えば、普通なら不安定性に直面するはずの制御システムの安定性を実現することができる。例えば、古典的Ziegler−Nicholsチューニングの下で、一定の不安定性が生じるまでコントローラ・ゲインが上昇する。次いで、ゲインが、一定の不安定性が生じた値の1/2まで低下する。しかし、フル信号の80%でゲイン0.5を有する弁は、フル信号の50%未満である任意の信号で弁が1.0より大きいゲインを有する場合、Ziegler−Nicholsチューニング方法を用いると不安定性を示す。フル信号の50%未満の任意の信号について、弁のゲインが2倍を超えて上昇するからである。この結果、制御ループ・ゲインは制御ループ内の各要素のゲインの積であるので、不安定性が生じる可能性がある。したがって、弁ゲインが上昇するにつれて、制御ループ・ゲインが上昇する。しかし、弁ゲインを制御信号に対して線形化することができる(例えば、ゲインが0%フル信号から100%フル信号までほぼ1である)場合、制御ループ・ゲインを低下させることができる。
【0031】
図2は、例示的流体調整器特徴付け環境200のブロック図である。流体調整器特徴付け環境200は、例えばコンピュータ202で実装することができる。コンピュータ202は、データを処理し、コンピュータ内の命令およびアプリケーションを実行するプロセッサ204を含むことができる。演算のための命令および処理すべきデータを格納することのできるメモリ206にプロセッサを結合することができる。要素によって実施される活動を管理する任を担い、データを処理し、命令を実施し、アプリケーション210を実行するためのリソースを割り振る任を担うオペレーティング・システム208(例えば、UNIX、Linux、またはWindows)を含めることができる。
【0032】
コンピュータ202内に含めることのできる1つのアプリケーション210は、流体調整器特徴付けシステム212である。ある実装では、流体調整器特徴付けシステム212は、流体調整器に関する標準化動作環境および流体調整器に関する計画動作環境に基づいて、流体調整器に関する線形特徴付けを求めることができる。流体調整器特徴付けシステム212は、流量識別モジュール214および流体調整器特徴付けモジュール216を含むことができる。流体調整器特徴付けシステム212は、独立したアプリケーション210として、または流体調整器サイジングおよび選択アプリケーション218の一部として常駐することができる。
【0033】
流体調整器サイジングおよび選択アプリケーション218は、例えば、特定の動作環境に対して使用すべき適切な流体調整器を決定することができる。あるサイジングおよび選択プログラムは、流体調整器が使用される動作環境の特性に基づいて適切な流体調整器を決定する。流体調整器の選択を容易にするのに使用することのできるいくつかの特性は、調整すべき流体(例えば、気体または液体)、上流側圧力、下流側圧力、パイプ・サイズ、最小流量、通常流量、最大流量を含むことができる。例えば、使用されるサイジングおよび選択プログラムならびに応用分野に応じて、他の特性を使用することができる。流体調整器サイジングおよび選択プログラムは当業者には周知である。
【0034】
ある実装では、流体調整器特徴付けシステム212は、サイジングおよび選択アプリケーション218が応用分野に対する適切な流体調整器を選択した後に、流体調整器に関する線形特徴付けを求めることができる。別の実装では、ユーザは、特徴付けるべき流体調整器を指定することができる。例えば、ユーザは、キーボード入力を介して、特徴付けるべき流体調整器に関するモデル番号を入力することができ、またはユーザは、ドロップダウンまたは他の選択ツールから、特徴付けるべき流体調整器を選択することができる。
【0035】
特徴付けるべき流体調整器が選択されると、流量識別モジュール212は、標準化動作環境に基づいて流体調整器に関する特性を求めることができる。標準化動作環境は、例えば、流体調整器の両端間で1ポンド毎平方インチの一定の圧力降下を伴う、流体調整器を流れる華氏60度の水に基づいて部分的に定義することができる。流体調整器について求めることのできる例示的特性は、流体調整器流量係数である。流体調整器流量特性は、例えば1分間に流体調整器を流れる華氏60度の水量(例えば米国ガロン単位)でよい。例示的標準化動作環境では、流体調整器流量特性は、流体調整器の固有流量特性と呼ばれることもある。この固有流体調整器流量特性は、流体調整器に関する動作範囲全体にわたって求めることができる。
【0036】
ある実装では、固有流体調整器流量特性は、例えば流体調整器製造業者によって提供されるルックアップ・テーブルにアクセスすることによって求めることができる。別の実装では、固有流体調整器流量特性は、例示的標準化動作環境で流量を測定することによって求めることができる。
【0037】
固有流量特性は、流体調整器部材のパーセント移動に対する流体調整器の流量の尺度でよい。流体調整器部材のパーセント移動は、流体調整器が完全に開いた位置に比べてどれほど開いているかという尺度である。例えば、10パーセント移動では、流体調整器部材は、流体調整器部材に関する完全に開いた位置に比べて10パーセント開いている。したがって、所与の流体調整器について0パーセント移動から100パーセント移動までの固有流量特性を決定または提供することができる。
【0038】
上記で論じたように、流体調整器部材のパーセント移動は、制御信号の大きさに依存する。したがって、固有流量特性をパーセント移動に対してではなく、制御信号に対して求めることができる。例えば、流体調整器の全動作範囲にわたる各点で、制御信号に対する固有流体調整器流量特性を明らかにする変換因子を固有流体調整器流量特性に適用することができる。ある実装では、流量識別モジュール214によって変換因子を適用することができる。別の実装では、制御信号に対する固有流体調整器流量特性をメモリ206内のルックアップから取り出すことができる。
【0039】
ある実装では、流量識別モジュール214は、流体調整器特徴付けモジュール216に固有流体調整器流量特性を供給することができる。流体調整器特徴付けモジュール216は、固有流量特性に基づいて流体調整器の第1特徴付けを求めることができる。ある実装では、第1特徴付けは、流体調整器の全動作範囲にわたって制御信号に対して流体調整器流量を線形化する特徴付けでよい。
【0040】
例えば、図3を参照しながら以下で論じるように、流体調整器特徴付けモジュール216は、固有流量と制御信号との間の線形関係を定義し、定義した線形関係について固有流体調整器流量特性の鏡像を生み出すことができる。ある実装では、最大制御信号の0パーセントでの0パーセント固有流体調整器流量を最大制御信号の100パーセントでの100パーセント固有流体調整器流量に接続する直線に従って、線形関係を定義することができる。別の実装では、回帰または他の統計計算を実施して線形関係を定義することができ、対応する偏位を固有流量特性に適用して線形関係を実現することができる。線形関係が定義されると、線形関係について曲線の鏡像を生み出すことができる。鏡像曲線の座標を使用して、線形関係を実現するのに必要な流体調整器部材パーセント・リフトを求めることができる。
【0041】
図3は、流体調整器の例示的線形特徴付けを示すグラフである。図3に示されるように、曲線302は、パーセント最大制御信号に対してプロットされた流体調整器の固有流量特性を表す。この曲線は、例えば、流量識別モジュールによって供給される固有流量特性データから構築することができる。
【0042】
曲線304は、固有流体調整器流量と制御信号との間の線形関係を表す。この例では、線形関係は、0パーセント最大制御信号での固有流量尺度と、100パーセント最大制御信号での固有流量尺度との間の線形曲線を生み出すことによって求められる。
【0043】
線形関係が識別されると、線形関係を実現するのに使用することのできる偏位曲線を曲線306で表すことができる。図3に示されるように、偏位を表す曲線306は、曲線304に対する曲線302の鏡像である。曲線302に偏位曲線306を適用することにより、固有流体調整器流量と制御信号との間の関係は、曲線304に近づく。ある実装では、最大制御信号のパーセントをパーセント固有流量特性の関数としてプロットすることから得られる曲線から、偏位曲線306を導出することができる。こうした実装では、パーセント固有流量特性に対するパーセント最大制御信号が図2のメモリ206内に格納される場合、流量識別モジュール212は、この情報を取り出し、この情報を偏位と定義する。
【0044】
流体調整器を上記で論じた標準化環境(例えば流体調整器の両端間の一定の圧力降下)内に設置することができる場合、偏位曲線306を使用して、流体調整器の動作を線形化することができる。しかし、多くの状況では、流体調整器は、標準化環境とは異なる動作環境内に設置される。例えば、多くの設備では、流体調整器の両端間の圧力降下が、流体調整器を流れる流体(例えば、液体または気体)の特性、調整システム内で使用される他の要素、ならびに流体調整器部材のパーセント移動を含むいくつかの要素に従って変動する。したがって、流体調整器について第2特徴付けを求めることができる。
【0045】
流体調整器の第2特徴付けは、計画動作環境内の流体調整器の流量特性(例えば設置後流量特性)でよい。ある実装では、第1特徴付けと、流体調整器を設置すべき計画動作環境内の流体調整器の特性(例えば設置後流体調整器特性)とに基づいて第2特徴付けを求めることができる。第2特徴付けは、流体調整器の全動作範囲にわたって実施することができる。
【0046】
図2を再び参照すると、第2特徴付けが流体調整器特徴付けシステム212で実施されるとき、流量識別モジュール214は、設置後流体調整器特性を流体調整器特徴付けモジュール216に供給することができる。設置後流体調整器特性が与えられない状況では、流体調整器に関する全動作範囲にわたって流体調整器特性を測定することにより、設置後流体調整器特性を求めることができる。
【0047】
設置後流体調整器特性は、例えば、流体調整器を流れている気体についての流体調整器の両端間の圧力差(dP)、上流側圧力(P1)、および圧縮係数(Y)を含むことができる。上記で論じたように、こうした特性が与えられない状況では、こうした特性を測定することができる。こうした測定は、流体調整器が設置される環境内の流量識別モジュール214で実施し、メモリ206内に格納することができる。さらに、流量識別モジュール214は、流体調整器特徴付けモジュール216に設置後流量特性を供給することができる。
【0048】
ある実装では、流体調整器特徴付けモジュール216は、第1特徴付けおよび設置後流体調整器特性を使用して、第2特徴付けを求めることができる。第2特徴付けは、例えば以下の式に従って求めることができる。
【0049】
【数1】

上式では、
x=第1特徴付け、
γ(液体)=dP比=最大流量での流体調整器の両端間の圧力降下/最小流量での流体調整器の両端間の圧力降下、および
γ(気体)=Y比^2*dP比*P1比
上式では、
Y比=最大流量での圧縮係数/最小流量での圧縮係数、および
P1比=最大流量での上流側圧力/最小流量での上流側圧力。
【0050】
上式を使用して、流体調整器特徴付けモジュール216は、流体調整器部材に関するパーセント移動を求めることができ、その結果、各制御信号値について、制御信号に対する流体調整器の設置後流量の間の線形関係が得られる。求めたパーセント移動を各制御信号値で流体調整器コントローラ104に供給することができ、その結果、制御信号の変化により、制御信号に対して線形である、対応する流体調整器流量の変化が得られる。求めたパーセント移動は、例えば図1のプロセッサ112内に格納することができる。
【0051】
図4は、流体調整器ゲインを線形化する例示的プロセス400を示す。例えば、調整システム100または流体調整器特徴付けシステム212でプロセス400を実装することができる。
【0052】
ステージ402は、流体調整器に関する標準化動作環境に基づいて、制御信号に対する第1流体調整器流量の第1特徴付けを求める。ある実装では、第1流体調整器流量は、流体調整器に関する固有流体調整器流量係数でよい。固有流体調整器流量係数は、例えば、流体調整器の両端間で1ポンド毎平方インチの一定の圧力降下を伴う、1分間に流体調整器を流れる華氏60度の水量でよい。第1特徴付けは、第1流体調整器流量と制御信号との間の線形関係を提供し、またはもたらすことができる。第1特徴付けは、例えば流体調整器特徴付けシステム212で求めることができる。
【0053】
ステージ404は、流体調整器に関する計画動作環境の特性を受け取る。ある実装では、特性を提供することができる。別の実装では、計画動作環境内に設置された流体調整器で特性を測定することができる。特性は、例えば、流体調整器に関する設置後流量特性でよい。特性は、例えば流体調整器特徴付けシステム212で受け取ることができる。
【0054】
ステージ406は、第1特徴付けおよび受け取った特性に基づいて、制御信号に対する第2流体調整器流量の第2特徴付けを生成する。ある実装では、第2流体調整器流量は、設置後流体調整器流量でよい。設置後流体調整器流量は、例えば、計画動作環境内の流体調整器の全動作範囲にわたって流体調整器について実現される流体調整器流量でよい。例えば、計画動作環境は、流体調整器の両端間の圧力降下および上流側圧力によって部分的に定義することができる。液体ではなく気体が流体調整器を移動中である場合、膨張係数または圧縮係数を使用して環境をさらに定義することができる。
【0055】
第2特徴付けは、流体調整器の全動作範囲にわたって流体調整器流量と制御信号との間の線形関係が得られる流体調整器流量に対応する、流体調整器部材に関するパーセント移動を提供することができる。第2特徴付けは、例えば流体調整器特徴付けシステム212によって求めることができる。
【0056】
ステージ408は、第2特徴付けに基づいて、制御信号に対して流体調整器流量ゲインを線形化する。ある実装では、調整システム内に第2特徴付けを格納することができる。第2特徴付けは、電気的インターフェース、光学的インターフェース、ワイヤレス・インターフェース、または他の適切な通信インターフェースを介して調整システム内に格納することができる。電気的接続は、例えば、分散ネットワーク通信インターフェース(例えば、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、ワイヤレス・インターフェース)、または直接通信インターフェース(例えば、IEEE1394、ユニバーサル・シリアル・バス、RS−232)でよい。流体調整システム100は、制御信号に対する線形流体調整器流量が実現されるように流体調整器部材を操作することができる。線形化は、例えば、流体調整器特徴付けシステム212、および/または流体調整システム100で実現することができる。
【0057】
図5は、第1特徴付けを求める例示的プロセス500を示す。プロセス500は、例えば流体調整器特徴付けシステム212で実装することができる。
【0058】
ステージ502は、流体調整器に関する標準化動作環境に基づいて、パーセント定格移動に対するパーセント定格流量容量曲線を識別する。ある実装では、パーセント定格流量容量は、流体調整器の全動作範囲にわたって求めることができる。パーセント定格流量容量は、例えば、流体調整器の固有流量でよい。識別は、例えば流量識別モジュール214で実施することができる。
【0059】
ステージ504は、パーセント定格流量容量曲線を線形化するパーセント定格流量偏位曲線を求める。ある実装では、線形曲線に対してパーセント定格流量容量曲線を鏡映する曲線を生み出すことによってパーセント定格流量偏位曲線を求めることができる。線形曲線は、例えば、最小制御信号値でのパーセント定格流量値と、最大制御信号値でのパーセント定格流量値とを接続する線形曲線、あるいはパーセント定格流量と制御信号との間の関係を線形化する線形曲線と定義することができる。パーセント定格偏位曲線は、例えば流体調整器特徴付けモジュール216で求めることができる。
【0060】
本明細書に記載の主題および機能的動作の実装は、デジタル電子回路として、あるいは本明細書で開示された構造およびその構造的均等物を含むコンピュータ・ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアとして、あるいはそれらのうちの1つまたは複数の組合せとして実装することができる。本明細書に記載の主題の実装は、1つまたは複数のコンピュータ・プログラム製品、すなわちデータ処理機器で実行するために、またはデータ処理機器の動作を制御するために有形プログラム・キャリア上に符号化されたコンピュータ・プログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。有形プログラム・キャリアは、伝播信号またはコンピュータ可読媒体でよい。伝播信号は、人工的に生成された信号、例えば、情報を符号化するように生成され、適切な受信機機器に伝送され、コンピュータで実行される、機械で生成された電気的信号、光学的信号、または電磁的信号である。コンピュータ可読媒体は、機械可読記憶装置、機械可読記憶基板、メモリ装置、機械可読伝播信号を実施する物質の組成、あるいはそれらのうちの1つまたは複数の組合せでよい。
【0061】
コンピュータ・プログラム(プログラム、ソフトウェア、アプリケーション、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイル型言語またはインタプリタ型言語、あるいは宣言型言語または手続型言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチンとして、またはコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしての形態を含む、任意の形態で配置することができる。コンピュータ・プログラムは、必ずしもファイル・システム内のファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部の中に格納することができ(例えば、マークアップ言語文書内に格納された1つまたは複数のスクリプト)、当該のプログラム専用の単一ファイル内に格納することができ、または複数の協調ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの各部分を格納するファイル)内に格納することができる。コンピュータ・プログラムは、1つのサイトに位置し、または複数のサイトにわたって分散し、通信ネットワークで相互接続される1つまたは複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができる。
【0062】
本明細書に記載のプロセスおよび論理フローは、入力データに対する演算を行い、出力を生成することによって機能を実施するように1つまたは複数のコンピュータ・プログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサで実施することができる。プロセスおよび論理フローは、専用論理回路、例えばFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)で実施することもでき、機器を専用論理回路として実装することもできる。
【0063】
コンピュータ・プログラムの実行に適したプロセッサは、例えば、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、ならびに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリまたはランダム・アクセス・メモリあるいはその両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの不可欠な要素は、命令を実施するプロセッサと、命令およびデータを格納する1つまたは複数のメモリ装置である。一般に、コンピュータはまた、データを格納する1つまたは複数の大容量記憶装置、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクを含み、あるいは大容量記憶装置からデータを受け取り、または大容量記憶装置にデータを転送し、またはその両方を行うように動作可能に結合される。しかし、コンピュータがそのような装置を有する必要はない。さらに、コンピュータは、別の装置、例えばほんの数例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイル・オーディオまたはビデオ・プレーヤ、ゲーム・コンソール、全地球測位システム(GPS)受信機内に組み込むことができる。
【0064】
コンピュータ・プログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読媒体は、例えば半導体メモリ装置、例えばEPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置、磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスクまたは取外し可能ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD−ROMおよびDVD−ROMディスクを含む、すべての形態の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリ装置を含む。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路で補足することができ、または専用論理回路に組み込むことができる。
【0065】
ユーザとの対話を実現するために、本明細書の記載の主題の実施形態は、情報をユーザに表示するディスプレイ装置、例えばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタと、ユーザがそれによってコンピュータに入力を与えることのできるキーボードおよびポインティング・デバイス、例えばマウスまたはトラックボールとを有するコンピュータ上で実装することができる。ユーザとの対話を実現するために他の種類の装置を使用することもでき、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックでよく、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む任意の形態で受け取ることができる。
【0066】
本明細書は多数の特定の実装の詳細を含むが、こうした詳細は、何らかの発明の範囲または特許請求されるものの範囲に関する限定と解釈すべきではなく、特定の発明の特定の実施形態に特有である可能性のある特徴の説明と解釈されたい。別々の実装の状況で本明細書で説明されるいくつかの特徴は、単一の実装で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の状況で説明される様々な特徴は、複数の実装で別々に実装することもでき、または任意の適切なサブコンビネーションで実装することもできる。さらに、特徴が一定の組合せで動作するものとして上記で説明されることがあり、さらには当初そのように特許請求されることがあるが、特許請求される組合せのうちの1つまたは複数の特徴は、ある場合には組合せから削除することができ、特許請求される組合せは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形を対象とすることがある。
【0067】
同様に、図面では動作が特定の順序で示されるが、このことは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示される特定の順序または順次的順序で実施されること、またはすべての図示される動作が実施されることを必要とすると理解すべきではない。ある環境では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であることがある。さらに、上述の実装での様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装でそのような分離を必要としていると理解すべきではなく、一般には記載のプログラム構成要素およびシステムを単一のソフトウェア製品として互いに統合することができ、または複数のソフトウェア製品としてパッケージ化することができることを理解されたい。
【0068】
本明細書の主題の特定の実装を説明したが、他の実装も可能である。例えば、記載の動作を異なる順序で実施し、それでもなお望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図に示されるプロセスは、望ましい結果を達成するために、図示される特定の順序、または順次的順序を必ずしも必要とするわけではない。ある実装では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であることがある。
【0069】
いくつかの実装を詳細に説明し、様々な他の実装に言及し、またはそれを示唆したが、他の実装が可能であると共に、流体プロセス制御をなお達成することを当業者は直ちに理解されよう。したがって、保護される主題の範囲は、以下の特許請求の範囲に基づいて判断すべきであり、以下の特許請求の範囲は、1つまたは複数の実装の1つまたは複数の態様を包含することがある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータで実施される方法であって、
流体調整器に関する標準化動作環境に基づいて、制御信号に対する第1流体調整器流量の第1特徴付けを求めること、
前記流体調整器に関する計画動作環境の特性を受け取ること、
前記第1特徴付けおよび受け取った前記特性に基づいて、前記制御信号に対する第2流体調整器流量の第2特徴付けを生成すること、および
前記第2特徴付けに基づいて、前記制御信号に対する流体調整器流量ゲインを線形化すること
を含む方法。
【請求項2】
前記第1流体調整器流量が、パーセント定格流量容量に対するパーセント定格移動を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1特徴付けおよび前記第2特徴付けが、前記流体調整器に関する全動作範囲にわたるものである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記流体調整器に関する全動作範囲が、最小パーセント・リフトおよび最大パーセント・リフトで定義される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第1流体調整器流量の第1特徴付けを求めることが、
前記流体調整器に関する前記標準化動作環境に基づいて、パーセント定格移動に対するパーセント定格流量容量曲線を識別すること、および
前記パーセント定格流量容量曲線を線形化するパーセント定格流量偏位曲線を求めること
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記制御信号に対する第2流体調整器流量の第2特徴付けを生成することが、定義済み動作範囲にわたって前記流体調整器流量ゲインを線形化する、前記制御信号に対する流体調整器部材移動を求めることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記制御信号に対する流体調整器部材移動を求めることが、流体調整器の両端間の第1圧力差の、前記流体調整器の両端間の第2圧力差に対する比に基づいて、前記制御信号に対する前記流体調整器部材移動を求めることを含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1圧力差が、高流量時の前記流体調整器の両端間の圧力差を含み、
前記第2圧力差が、低流量時の前記流体調整器の両端間の圧力差を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記流体調整器の両端間の前記第1圧力差の、前記流体調整器の両端間の前記第2圧力差に対する比が、膨張係数比および上流側圧力比に基づいてスケーリングされる請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記膨張係数比が、高流量時の膨張係数の、低流量時の膨張係数に対する比を含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
標準化流体調整器動作環境に関する制御信号に基づいて第1流体調整器流量を求める流量識別モジュールと、
流体調整器流量ゲインが前記制御信号に対して線形化されるように、流体調整器の第1特徴付けおよび前記流体調整器の第2特徴付けを求める流体調整器特徴付けモジュールであって、前記第1特徴付けが前記第1流体調整器流量に基づき、前記第2特徴付けが、流体調整器に関する計画動作環境および前記第1特徴付けに基づく流体調整器特徴付けモジュールと
を備える流体調整器特徴付けシステム。
【請求項12】
前記第1流体調整器流量が、前記標準化流体調整器動作環境に基づくパーセント定格流量容量でのパーセント定格移動を含む請求項11に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項13】
前記第1特徴付けが、定義済み動作範囲にわたって前記第1流体調整器流量を線形化する第1流体調整器流量偏位を含む請求項12に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項14】
前記第2特徴付けが、定義済み動作範囲にわたって前記流体調整器流量ゲインを線形化する、前記制御信号に対する流体調整器部材移動を含む請求項11に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項15】
前記制御信号に対する前記流体調整器部材移動が、前記流体調整器の両端間の第1圧力差の、前記流体調整器の両端間の第2圧力差に対する比に基づく請求項14に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項16】
前記第1圧力差が高流量時の圧力差を含み、
前記第2圧力差が低流量時の圧力差を含む請求項15に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項17】
前記第1圧力差の、前記第2圧力差に対する比が、膨張係数比および上流側圧力比に基づいてスケーリングされる請求項15に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項18】
前記膨張係数比が、前記高流量時の膨張係数の、前記低流量時の膨張係数に対する比を含む請求項17に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項19】
前記上流側圧力比が、前記低流量時の上流側圧力に対する前記高流量時の前記上流側圧力を含む請求項17に記載の流体調整器特徴付けシステム。
【請求項20】
圧力源を受ける圧力空洞と、
制御信号を対応する制御圧に変換する、前記圧力空洞に接続された電気−圧力変換器であって、前記制御圧が、流体調整器部材の移動に対応する電気−圧力変換器と、
流体調整器部材位置を示す信号を受け取り、位置信号と、全流体調整器動作範囲にわたって位置信号に対する流体調整器流量ゲインを線形化する特徴付けとに基づいて制御信号を生成することによって流体調整器部材を配置する、前記電気−圧力変換器に接続されたプロセッサと
を備える流体調整器制御システム。
【請求項21】
前記特徴付けが、標準化流体調整器動作環境および前記制御信号に対する流体調整器流量に基づく前記流体調整器流量ゲインの線形特徴付けを含む請求項20に記載の流体調整器制御システム。
【請求項22】
前記流体調整器流量が、パーセント定格流量に対するパーセント定格移動を含む請求項21に記載の流体調整器制御システム。
【請求項23】
全流体調整器動作範囲が、0パーセント流体調整器部材移動から100パーセント流体調整器部材移動までの範囲を含む請求項20に記載の流体調整器制御システム。
【請求項24】
前記電気−圧力変換器から受けた前記制御圧を増幅する、前記電気−圧力変換器に接続された圧力増幅器と、
前記流体調整器部材を備える流体調整器と
をさらに備える請求項20に記載の流体調整器制御システム。
【請求項25】
流体調整器に関する標準化動作環境に基づいて、制御信号に対する第1流体調整器流量の第1特徴付けを求める手段と、
前記流体調整器に関する計画動作環境の特性を受け取る手段と、
前記第1特徴付けおよび受け取った前記特性に基づいて、前記制御信号に対する第2流体調整器流量の第2特徴付けを生成する手段と、
前記第2特徴付けに基づいて、前記制御信号に対する流体調整器流量ゲインを線形化する手段と
を備える流体調整器特徴付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−502360(P2012−502360A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526128(P2011−526128)
【出願日】平成21年8月31日(2009.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/055516
【国際公開番号】WO2010/027939
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
2.Linux
3.WINDOWS
【出願人】(502122473)ドレッサ、インク (24)
【Fターム(参考)】