流体充填レンズ組立体用のヒンジ機構体
或る1つの実施形態では、流体充填レンズ組立体用のヒンジがレンズ組立体のテンプルアーム連結されるよう構成された第1の端部及びレンズ組立体のフレームに連結されるよう構成された第2の端部を有するベースを含み、ベースは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるような形状の隙間を有する。或る1つの実施形態では、ベースの第1の端部は、テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する。或る1つの実施形態では、ベースの第1及び第2の端部は、ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、流体充填レンズ、特に可変流体充填レンズに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年10月15日に出願された米国特許仮出願第61/251,819号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
基本的な流体レンズは、米国特許第2,836,101号明細書に記載されているように1958年頃から知られている。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。最近における例は、タン他(Tang et al.),「ダイナミカリ・リコンフィギュラブル・フルイド・コア・フルイド・クラディング・レンズ・イン・ア・マイクロフルイディック・チャネル(Dynamically Reconfigurable Fluid Core Fluid Cladding Lens in a Microfluidic Channel)」,ラボラトリーチップ(Lab Chip),第8巻,2008年,p.395及び国際公開第2008/063442号パンフレットに見受けられ、この非特許文献及び特許文献の各々を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。流体レンズのこれらの用途は、フォトニクス、ディジタル電話及びカメラ技術並びにマイクロエレクトロニクスに向けられている。
【0004】
また、オフサルミック(眼科学)用途にあった流体レンズが提案された(これについては、例えば、米国特許第7,085,065号明細書を参照されたい。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする)。あらゆる場合において、ダイナミックレンジが広いこと、適応補正(矯正)を提供することができること、堅牢であること及び安価であることを含む流体レンズの利点は、アパーチュアサイズの制約、漏れ傾向及び性能の一貫性に対して釣り合わされなければならない。米国特許第7,085,065号明細書は、例えば、オフサルミック用途で用いられるべき流体レンズ内への流体の効果的な収容に関する幾つかの改良例及び実施形態を開示している。ただし、これらには限定されない(これについては、例えば、米国特許第6,618,208号明細書を参照されたい。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする)。流体レンズの屈折力調節は、追加の流体をレンズキャビティ中に注入することにより、エレクトロウェッティング(electrowetting)により、超音波衝撃を加えることにより及び膨潤剤、水の導入時に架橋ポリマー中に膨潤力を利用することにより実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,836,101号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/063442号パンフレット
【特許文献3】米国特許第7,085,065号明細書
【特許文献4】米国特許第6,618,208号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】タン他(Tang et al.),「ダイナミカリ・リコンフィギュラブル・フルイド・コア・フルイド・クラディング・レンズ・イン・ア・マイクロフルイディック・チャネル(Dynamically Reconfigurable Fluid Core Fluid Cladding Lens in a Microfluidic Channel)」,ラボラトリーチップ(Lab Chip),第8巻,2008年,p.395
【発明の概要】
【0007】
或る1つの実施形態では、流体充填レンズ組立体用のヒンジが、レンズ組立体のテンプルアーム連結されるよう構成された第1の端部及びレンズ組立体のフレームに連結されるよう構成された第2の端部を有するベースを含み、ベースは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を有する。或る1つの実施形態では、ベースの第1の端部は、テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する。或る1つの実施形態では、ベースの第1及び第2の端部は、ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている。
【0008】
別の実施形態では、流体充填レンズ組立体が、テンプルアームと、ハウジング内に設けられたリザーバと、フレームと、フレーム内に設けられた流体充填レンズと、リザーバを流体充填レンズに連結する管と、テンプルアーム及びフレームに取り付けられたヒンジとを含む。ヒンジは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を備えたベースを有する。
【0009】
添付の図面を参照して、本発明の別の実施形態、別の特徴並びに本発明の種々の実施形態の構造及び動作原理を以下において詳細に説明する。
【0010】
本明細書に組み込まれてその一部をなす添付の図面は、本発明を記載しており、説明と一緒になって更に、本発明の原理を説明すると共に当業者が本発明を実施して利用することができるようにするのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体の斜視図である。
【図2】或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体の分解組立て斜視図である。
【図3】或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリを組み立てる第1の組をなすステップを示す図である。
【図4】或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリを組み立てる第2の組をなすステップを示す図である。
【図5】或る1つの実施形態に従ってテンプルサブアセンブリを組み立てる1つの組をなすステップを示す図である。
【図6】或る1つの実施形態に従ってフレーム組立体を組み立てる第1の組をなすステップを示す図である。
【図7】或る1つの実施形態に従ってフレーム組立体を組み立てる第2の組をなすステップを示す図である。
【図8】或る1つの実施形態としての完成状態のフレーム組立体を示す図である。
【図9】或る1つの実施形態としてのテンプルアームに連結されたばねを示す図である。
【図10】或る1つの実施形態としてのテンプルアームに連結されたばねを示す図である。
【図11】或る1つの実施形態としてのヒンジを示す図である。
【図12】或る1つの実施形態としてのヒンジを示す図である。
【図13】板ばねヒンジ型実施形態の図である。
【図14】板ばねヒンジ型実施形態の別の図である。
【図15】板ばねヒンジ型実施形態の別の図である。
【図16】板ばねヒンジ型実施形態の別の図である。
【図17】板ばねヒンジ型実施形態の分解組立体図である。
【図18】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの図である。
【図19】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの別の図である。
【図20】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの別の図である。
【図21】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの別の図である。
【図22】板金ばねヒンジ型実施形態の分解組立て図である。
【図23】或る1つの実施形態としての組立て状態の1本の眼鏡を示す多くの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の形態及び構成を説明するが、これは、例示目的でのみなされていることは理解されるべきである。当業者であれば認識されるように、他の形態及び構成を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができる。本発明は種々の他の用途でも利用できることは当業者には明らかになろう。
【0013】
注目されるように、本明細書において「一実施形態」、「或る1つの実施形態」、「例示の実施形態」等という記載は、説明する実施形態が特定の特徴、構造又は特性を有する場合があるが、実施形態全てが必ずしも特定の特徴、構造又は特性を有する必要がないことを示している。さらに、かかる字句は、必ずしも、同一の実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性が実施形態と関連して記載されている場合、明示により記載されているにせよそうでないにせよいずれにせよ、他の実施形態と関連してかかる特徴、構造又は特性を利用することは当業者の通常の知識の範囲内にある。
【0014】
流体レンズは、視力矯正の従来型手段、例えば硬質レンズ及びコンタクトレンズと比較して重要な利点を有している。かくして、近くの物体を見るために追加の正の屈折力補正を必要とする人は、遠視レンズ処方箋に合ったベース屈折力の流体レンズを装着する場合がある。この場合、ユーザは、流体レンズを調節して中間距離又は他の距離に位置する物体を見るために必要に応じて追加の正の屈折力補正を得ることができる。
【0015】
第2に、流体レンズは、装用者によって所望の屈折力範囲にわたり連続して調節可能である。その結果、装用者は、屈折力を調節して特に明るい環境において特定の物体距離について屈折誤差を正確に合わせることができる。かくして、流体レンズは、目の生まれつきの焦点深度の変更を補償するよう屈折力の調節を可能にし、目の焦点深度は、装用者の瞳孔サイズで決まり、瞳孔サイズは、周囲の光レベルに依存する。
【0016】
第3に、角度の1分(1/60°)の像の解像力に対応した20/20視力が視力の許容可能な質を表すものとして一般的に承認されているが、人間の網膜は、より細かい像の解像を行うことができる。健常な人間の網膜は、角度の20秒(1/300°)を解像できるということが知られている。患者がこの優れた視力レベルを達成することができるようにするよう設計された矯正用眼鏡は、約0.10D以上の解像力を有する。この解像力は、連続調整可能な流体レンズ要素で達成できる。
【0017】
1本の眼鏡の流体充填レンズの或る1つの実施形態では、流体充填レンズの光学屈折力は、眼鏡フレームのテンプルアーム内に設けられたリザーバに取り付けられているアクチュエータを動かすことによって調節できる。リザーバは、連結管を介して流体充填レンズに取り付けられている。アクチュエータを第1のやり方で動かすと、リザーバが圧縮され又は押し縮められて流体が流体レンズ中に押し込められる。アクチュエータを第2のやり方で動かすと、リザーバが拡張して流体を流体レンズから引き込むことができる。リザーバの圧縮及び拡張により、流体充填レンズの光学屈折力が変化する。或る1つの実施形態としての流体レンズ組立体では、各々がそれ自体の作動システムを有する1つ又は2つ以上の流体レンズが提供される場合があり、したがって、各目に関するレンズを別個独立に調節することができるようになっている。この特徴により、装用者、例えば不同視患者は、各目の屈折誤差を別々に補正して両目の適当な矯正を達成することができ、その結果、良好な両眼視及び良好な両眼加重を得ることができる。リザーバのそれ以上の説明及び追加の実施形態は、米国特許出願第12/904,736号明細書に記載されている。
【0018】
かかる流体充填レンズ設計例では、流体は、眼鏡のテンプルアーム内に設けられたリザーバからテンプルアームと眼鏡の前枠に配置されたレンズフレームとの間の接合部のところに設けられているヒンジを通って流れなければならない。ヒンジは、繰り返し曲げを受けるので、連結管は、弱い材料で作られている場合、時期尚早に破損する場合がある。さらに、連結管は、或る特定のレベルを超えて曲げられた場合、レンズ内の流体圧力に悪影響が及ぶ場合がある。したがって、本発明の或る1つの実施形態としての流体充填レンズ組立体は、連結管がねじれなく曲がるようにするためにテンプルとアイピースとの間に十二分な空間を提供する。加うるに、或る1つの実施形態によれば、ヒンジ機構体全体は、テンプルアーム及びフレームの容積部内に配置されるのが良い。
【0019】
図1は、本発明の或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体100の斜視図である。キャリパアクチュエータ組立体100は、テンプル(つる)カバー110を含み、このテンプルカバーは、キャリパアクチュエータ組立体100の追加の部品を包囲するよう一緒に形成された中空外側部分と中空内側部分を有している。テンプルカバー110の遠位端部160は、装用者の耳に掛かるような形になっている。キャリパアクチュエータ組立体100は、テンプルシャーシ120、ホイール130及びスライダ140を更に含む。或る1つの実施形態では、ホイール130及びスライダ140は、テンプルシャーシ120内に長手方向に摺動可能に設けられている。キャリパアクチュエータ組立体100は、リザーバ150を圧縮し、流体をリザーバ150と流体レンズ(図示せず)との間で移送するよう働く。圧縮力を、種々の仕方で、例えばホイール130を回すことにより又はホイールをスロットに沿って並進させることにより加えることができる。圧縮力を加える別の方法についても本明細書において説明する。リザーバ150の圧縮は、以下に詳細に説明するようにリザーバ150を垂直又は水平方向にテンプルシャーシ120の天井又は内壁に押し付けることにより実施されるのが良い。
【0020】
図2は、或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体100の分解組立て斜視図である。或る1つの実施形態では、スライダサブアセンブリ295(図3及び図4を参照して以下に説明する)がリザーバ150を圧縮するためにテンプルカバー110及びテンプルシャーシ120のうちの一方又は両方に沿って並進するよう構成されている。動作原理を説明すると、ユーザは、ホイール130を回し、それによりスライダブロック255が動き、それによりリザーバ150の第1の側面265を接触状態にある比較的剛性の金属板、例えば圧縮アーム270が圧縮される。リザーバ150の第2の側面(図示せず)がつりシャーシ120の内壁285、テンプルカバー110の一部分又は任意他の適当な表面に当てて配置されている。スライダ140は、圧縮アーム270に圧接し、圧縮アームは、リザーバ150を制御された仕方で圧縮する。或る1つの実施形態では、ホイール130の側方運動の長さは、圧縮アームの圧縮の大きさに比例すると共にリザーバの圧縮の大きさに比例している。アクチュエータのそれ以上の説明及び追加の実施形態は、米国特許出願第12/904,720号明細書に記載されている。
【0021】
或る1つの実施形態では、ホイール130は、ユーザの指とのしっかりとした接触並びにホイール130の並進に対するより正確な制御を提供するために刻み付き縁部を有している。
【0022】
レンズモジュール200が出口ポート245を介して連結管(図示せず)に連結されており、この連結管は、リザーバ150に連結されている。レンズモジュール200は、例えば、硬質光学レンズのエッジ上に平らに引き伸ばされた軟質メンブレン(図示せず)により提供される柔軟性後面を更に有するのが良い。流体充填モジュール200の光学屈折力を変化させるため、リザーバ150からの流体の追加によってメンブレンをインフレートさせるのが良い。
【0023】
連結管は、流体をレンズモジュール200からリザーバ150に、又リザーバ150からレンズモジュール200に送り出す。連結管は、この中に入っている流体に対して比較的不浸透性であるよう設計されている。或る1つの実施形態では、連結管は、流体充填レンズモジュール200の光学屈折力を変化させることを目的としてユーザが動かすホイール130に対して最短の応答速度を保証するよう常時最小流量の実現を可能にするよう構成されている。連結管は、一端がレンズモジュール200の出口ポート245に連結され、他端がリザーバ150に連結されている。或る1つの実施形態では、レンズモジュール200、連結管及びリザーバ150を含む組立体全体は、2年以上の使用期間全体にわたって流体及び空気を遮断するシールを維持するよう設定されている。或る1つの実施形態では、連結管は、これをヒンジキャビティ内に収容するために薄手でなければならない。或る1つの実施形態では、連結管は、適当な流体の流れを維持するために、外径が2.0mm未満であり、壁厚が0.50mm未満である。或る1つの実施形態では、連結管を60°以上の角度曲げることができる。或る1つの実施形態では、連結管を折り曲げないで45°以上の角度曲げることができる。或る1つの実施形態では、連結管は、ヒンジの屈曲の繰り返しに対して耐久性がある。
【0024】
ヒンジブロック250及びばね230が内側ブロック210と外側ブロック240との間の被覆領域内に収納されている。ヒンジブロック250は、連結管がヒンジブロック250を通過することができるようにする形状の隙間を有する。後で図9〜図22を参照してばねの追加の実施形態について説明する。キャリパアクチュエータ組立体100は、心棒280により定位置に保持されたホイール130、スライダ140、スライダブロック255、スペーサブロック290及び圧縮アーム270を含む。これら部品は、テンプルシャーシサブアセンブリの状態に組み立てられ、ねじ235によって定位置に保持される。ゴムストリップ205が柔軟性の表面を有し、ホイール130は、この柔軟性の表面上を動くことができる。或る1つの実施形態では、ホイール130は、回転するのが良い。別の実施形態では、ホイールは、並進するのが良く、更に別の実施形態では、ホイールは、回転すると共に並進するのが良い。
【0025】
組立て
【0026】
図3及び図4は、或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリを組み立てる1つの組をなすステップを示している。図3で始まって、スペーサブロック290をテンプルシャーシ120上に置く。次に、スペーサブロック290を縁310,320に沿ってテンプルシャーシ120に溶接する。次に、ヒンジブロック250をテンプルシャーシ120上に置く。次に、ヒンジブロック250を縁330,340に沿ってテンプルシャーシ120に溶接する。テンプルシャーシサブアセンブリは、図4に続き、図4は、或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリ400を組み立てる第2の組をなすステップを示している。裏当て(図示せず)をリザーバ150の両側部に被着されているテープ410から取り除くのが良い。リザーバ150をテンプルシャーシ120に当てて配置する。次に、圧縮アーム270をスペーサブロック290上に置く。次に、圧縮アーム270をスペーサブロック290に溶接する。
【0027】
図5は、或る1つの実施形態に従ってテンプルサブアセンブリ500を組み立てる1つの組をなすステップを示している。最初に、テンプルシャーシサブアセンブリ400のタブ520をテンプルカバー110の後側スロット530内に滑り込ませる。次に、テンプルシャーシサブアセンブリ400をこれが定位置にスナップ嵌め状態になるまでテンプルカバー110内で回転させる。スライダサブアセンブリ295をテンプルカバー110内でできるだけ遠位側に位置決めすることが推奨される。さらに、テンプルシャーシサブアセンブリ400をテンプルカバー110内にスナップ嵌めするとき、管540がヒンジブロック250とテンプルカバー110又はテンプルシャーシサブアセンブリ400との間に挟まれた状態になることがないようにすることが推奨される。
【0028】
図6及び図7は、或る1つの実施形態に従ってフレーム組立体を組み立てる1つの組をなすステップを示している。図6で始まって、或る1つの実施形態では、接着剤、例えばグルーをフレーム610の内縁部に塗布する。次に、ばね230をヒンジブロック250に当てて配置する。次に、或る1つの実施形態では、フレーム610をレンズモジュール200上に引っ張り、その結果、フレーム610の上側部分620及び下側部分630がレンズモジュール200に結合されるようにする。接着剤、例えばグルーを用いてレンズモジュール200をフレーム610に結合するのが良い。当業者であれば認識されるように、別の実施形態では、レンズモジュール200をフレーム組立体600の組立てが完了した後にフレーム610に追加しても良い。フレーム組立体は、図7に続き、図7は、或る1つの実施形態としてのフレーム組立体600を組み立てる第2の組をなすステップを示している。或る1つの実施形態では、ねじ235をフレーム610に設けられたそれぞれのねじ穴710内に挿入してヒンジブロック250中に挿入する。図7は、ばね230と組み立てられたフレームを示しており、ヒンジ機構体を封止すると共に連結管540への水又は汚染要因物の接近を阻止するようカバー720が追加された状態を示している。図6及び図7に示されているステップを第2のテンプルサブアセンブリについて繰り返し実施するのが良い。或る1つの実施形態では、フレーム組立体600を組み立てた後、グルー又は接着剤が硬化するのに適した時間が経過するようにする。
【0029】
図8は、テンプルシャーシ120、フレーム610及びレンズモジュール200を含む完成状態のフレーム組立体600を示している。
【0030】
次に、ヒンジばねの追加の実施形態について説明する。図9は、フレーム組立体600に用いることができる或る1つの実施形態としてのばねを示している。或る1つの実施形態では、ばね910は、端部920を有する。端部920の追加の実施形態は、カム作用面を有するのが良い。テンプルアーム900が回ると、端部920は、小さな尖端部930に当たった状態でずり上がる。撓曲に起因して端部920に働く力により、テンプルアーム900が端部920を尖端部930から動かしたときに開放される貯蔵エネルギーが生じる。次に、テンプルアーム900は、加速して折り畳み位置か開き位置かのいずれかまで回転する。テンプルアーム900が遠すぎるところまで撓曲するのを阻止するためにハードストップ960が設けられるのが良い。組立ての際、連結管(図示せず)をヒンジ970の中心を通って隙間950中に引き回す。
【0031】
図10は、フレーム組立体600に用いることができる別の実施形態としてのばねを示している。或る1つの実施形態では、ばね1010は、ばね力をもたらすよう折り畳み板金アーム1020を用いた板金ヒンジである。レンズモジュール200の最も近くに位置する端部1030は、フレーム610(図示せず)内に固定されている。端部1040は、テンプルアーム1050に取り付けられている。ばね1010のたわみは、主として、曲がり部(即ち、折り畳み状態の板金アーム1020)内で起こる。組立ての際、連結管(図示せず)をばね1010の中心を通って隙間1060中に引き回す。ばね1010は、本明細書においては「板金」ヒンジと呼ばれているが、当業者であれば認識されるように、ばね1010は、ばね1010が動作するのに必要な可撓性と剛性のバランスを満足させる材料であればどのような材料、例えば、非金属材料で構成できる。
【0032】
図11は、別の実施形態としてのヒンジ1100を有している。ヒンジ1100は、テンプルアーム(図示せず)に対して回転軸線A‐A′回りに回転するよう構成されている。ヒンジ1100が回転軸線A‐A′回りに回転すると、片持ちタブ1110がテンプルアームに設けられた対応の隆起部(図示せず)に係合する。
【0033】
図12は、別の実施形態としてのヒンジ1200を示している。ヒンジ1200は、テンプルアーム(図示せず)に対して回転軸線B‐B′回りに回転するよう構成されている。ヒンジ1200が回転軸線B‐B′回りに回転すると、片持ちタブ1210がテンプルアームに設けられた対応の隆起部(図示せず)に係合する。
【0034】
図13〜図16は、本発明の或る実施形態としての板ばねヒンジの種々の斜視図である。
【0035】
図17は、本発明の或る1つの実施形態としてのブレッドボードの上方の板ばねヒンジの分解組立て図である。
【0036】
図18〜図21は、本発明の或る実施形態としての板金ばねヒンジの種々の斜視図である。
【0037】
図22は、本発明の或る1つの実施形態としてのブレッドボードの上方の板金ばねヒンジの分解組立て図である。
【0038】
図23は、本発明の或る1つの実施形態に従ってばねを有する1本の眼鏡の組立て状態の実施形態の幾つかの互いに異なる斜視図である。
【0039】
材料
【0040】
本明細書において説明する種々のアクチュエータ組立体の部品、例えばテンプルカバー、テンプルシャーシ、ホイール、スライダ、ばね、ねじ、内側ブロック、外側ブロック、心棒、圧縮アーム、スペーサブロック等(これらには限定されない)を適当な方法、例えば金属射出成形(MIM)、鋳造、機械加工、プラスチック射出成形等により製作するのが良い。材料の選択は、例えば機械的性質、温度感受性、光学的性質、例えば分散、成形性又は当業者には明らかな任意他の要因(これらには限定されない)の要件によって更に検討されるのが良い。
【0041】
流体レンズで用いられる流体は、無色の流体であるのが良いが、他の実施形態は、用途に応じて、例えば、意図した用途がサングラス用であれば、色付けされた流体を用いる。使用することができる流体の一例は、ミシガン州ミッドランド所在のダウ・コーニング(Dow Corning)社によって「拡散ポンプ油」という名称で製造されており、これは、一般に、「シリコーン油」とも呼ばれている。
【0042】
流体レンズは、ガラス、プラスチック又は任意他の適当な材料で作られた硬質光学レンズを含むのが良い。他の適当な材料としては、例えば、ジエチルグリコールビスアリルカーボネート(DEG‐BAC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及び有標ポリウレア複合体即ち、商標TRIVEX(PPG)が挙げられるが、これらには限定されない。
【0043】
流体レンズは、軟質且つ透明の水不浸透性材料、例えば、透明且つ弾性のポリオレフィン、ポリシクロ脂肪族化合物、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド及びポリウレタン、例えばポリ塩化ビニリデンフィルム(市販のフィルム、例えばMYLAN又はSARANとして製造されているフィルムを含む)として(これらに限定されない)で作られたメンブレンを含むのが良い。メンブレン材料として用いるのに適した他のポリマーとしては、例えば、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンのポリマー及び脂肪族又は脂環式ポリエーテルが挙げられるが、これらには限定されない。
【0044】
連結管は、1種類又は2種類以上の材料、例えばTYGON(ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及び天然ゴムで作られるのが良い。例えば、PVDF(例えば、熱収縮軟質PVDF)は、その耐久性、透過性及び耐折り曲げ性に基づいて考慮すると適当であると言える。
【0045】
テンプルカバーは、任意適当な形状のものであって良く、テンプルカバーをプラスチック、金属又は任意他の適当な材料で作ることができる。或る1つの実施形態では、テンプルカバーは、軽量材料、例えば高い耐衝撃性プラスチック材料、アルミニウム、チタン等として(これらには限定されない)で作られる。或る1つの実施形態では、テンプルカバーは、全体が又は一部が透明材料で作られるのが良い。
【0046】
リザーバは、ポリフッ化ビニリデン、例えばデラウェア州ウィルミントン所在のデュポン・パフォーマンス・エラストマーズ・エルエルシー(DuPont Performance Elastomers LLC)により供給されている熱収縮VITON(登録商標)、ドイツ国メッケンハイム所在のデーエスゲー・カヌーザ(DSG-CANUSA)により製造されたDERAY‐KYF190(柔軟性)、ペンシルベニア州ベルウィン所在のタイコ・エレクトロニクス・コーポレイション(Tyco Electronics Corp.)(旧社名は、レイケム・コーポレイション(Raychem Corp.))により製造されているRW‐175(半剛性)又は任意他の適当な材料(これらには限定されない)で作られるのが良い。
【0047】
フレーム組立体に用いられるねじとしては、イタリア国スゼガーナ所在のヴィゾッティカ・インダストリエ・ソシエタ・ペル・アッツィオーニ(Visottica Industrie S.P.A)により製造されたVisottica 07V120037017肩付きねじが挙げられるが、これには限定されない。他の適当な形式のねじ又は他の取り付け手段、例えばリベットを用いることができる。
【0048】
本発明の種々の実施形態を上述したが、これら実施形態は、例示として提供されているに過ぎず、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなくこれら実施形態の形態及び細部の種々の変更を実施できることは当業者には明らかであろう。かくして、本発明の広さ及び範囲は、上述の例示の実施形態のうちの任意のものによって定められるべきではなく、以下の特許請求の範囲の記載及びその均等範囲に基づいてのみ定められるべきである。
【0049】
さらに、要約書の目的は、米国特許商標庁及び一般大衆並びに特許若しくは法上の用語又は言い回しに精通していない当該技術分野における科学者、技術者及び実務者が本願の技術的開示の性質及び本質を大まかな参照から迅速に把握することができるようにすることにある。要約書の記載は、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、流体充填レンズ、特に可変流体充填レンズに関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本願は、2009年10月15日に出願された米国特許仮出願第61/251,819号の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。
【背景技術】
【0003】
基本的な流体レンズは、米国特許第2,836,101号明細書に記載されているように1958年頃から知られている。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。最近における例は、タン他(Tang et al.),「ダイナミカリ・リコンフィギュラブル・フルイド・コア・フルイド・クラディング・レンズ・イン・ア・マイクロフルイディック・チャネル(Dynamically Reconfigurable Fluid Core Fluid Cladding Lens in a Microfluidic Channel)」,ラボラトリーチップ(Lab Chip),第8巻,2008年,p.395及び国際公開第2008/063442号パンフレットに見受けられ、この非特許文献及び特許文献の各々を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。流体レンズのこれらの用途は、フォトニクス、ディジタル電話及びカメラ技術並びにマイクロエレクトロニクスに向けられている。
【0004】
また、オフサルミック(眼科学)用途にあった流体レンズが提案された(これについては、例えば、米国特許第7,085,065号明細書を参照されたい。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする)。あらゆる場合において、ダイナミックレンジが広いこと、適応補正(矯正)を提供することができること、堅牢であること及び安価であることを含む流体レンズの利点は、アパーチュアサイズの制約、漏れ傾向及び性能の一貫性に対して釣り合わされなければならない。米国特許第7,085,065号明細書は、例えば、オフサルミック用途で用いられるべき流体レンズ内への流体の効果的な収容に関する幾つかの改良例及び実施形態を開示している。ただし、これらには限定されない(これについては、例えば、米国特許第6,618,208号明細書を参照されたい。なお、この米国特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする)。流体レンズの屈折力調節は、追加の流体をレンズキャビティ中に注入することにより、エレクトロウェッティング(electrowetting)により、超音波衝撃を加えることにより及び膨潤剤、水の導入時に架橋ポリマー中に膨潤力を利用することにより実施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,836,101号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/063442号パンフレット
【特許文献3】米国特許第7,085,065号明細書
【特許文献4】米国特許第6,618,208号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】タン他(Tang et al.),「ダイナミカリ・リコンフィギュラブル・フルイド・コア・フルイド・クラディング・レンズ・イン・ア・マイクロフルイディック・チャネル(Dynamically Reconfigurable Fluid Core Fluid Cladding Lens in a Microfluidic Channel)」,ラボラトリーチップ(Lab Chip),第8巻,2008年,p.395
【発明の概要】
【0007】
或る1つの実施形態では、流体充填レンズ組立体用のヒンジが、レンズ組立体のテンプルアーム連結されるよう構成された第1の端部及びレンズ組立体のフレームに連結されるよう構成された第2の端部を有するベースを含み、ベースは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を有する。或る1つの実施形態では、ベースの第1の端部は、テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する。或る1つの実施形態では、ベースの第1及び第2の端部は、ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている。
【0008】
別の実施形態では、流体充填レンズ組立体が、テンプルアームと、ハウジング内に設けられたリザーバと、フレームと、フレーム内に設けられた流体充填レンズと、リザーバを流体充填レンズに連結する管と、テンプルアーム及びフレームに取り付けられたヒンジとを含む。ヒンジは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を備えたベースを有する。
【0009】
添付の図面を参照して、本発明の別の実施形態、別の特徴並びに本発明の種々の実施形態の構造及び動作原理を以下において詳細に説明する。
【0010】
本明細書に組み込まれてその一部をなす添付の図面は、本発明を記載しており、説明と一緒になって更に、本発明の原理を説明すると共に当業者が本発明を実施して利用することができるようにするのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体の斜視図である。
【図2】或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体の分解組立て斜視図である。
【図3】或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリを組み立てる第1の組をなすステップを示す図である。
【図4】或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリを組み立てる第2の組をなすステップを示す図である。
【図5】或る1つの実施形態に従ってテンプルサブアセンブリを組み立てる1つの組をなすステップを示す図である。
【図6】或る1つの実施形態に従ってフレーム組立体を組み立てる第1の組をなすステップを示す図である。
【図7】或る1つの実施形態に従ってフレーム組立体を組み立てる第2の組をなすステップを示す図である。
【図8】或る1つの実施形態としての完成状態のフレーム組立体を示す図である。
【図9】或る1つの実施形態としてのテンプルアームに連結されたばねを示す図である。
【図10】或る1つの実施形態としてのテンプルアームに連結されたばねを示す図である。
【図11】或る1つの実施形態としてのヒンジを示す図である。
【図12】或る1つの実施形態としてのヒンジを示す図である。
【図13】板ばねヒンジ型実施形態の図である。
【図14】板ばねヒンジ型実施形態の別の図である。
【図15】板ばねヒンジ型実施形態の別の図である。
【図16】板ばねヒンジ型実施形態の別の図である。
【図17】板ばねヒンジ型実施形態の分解組立体図である。
【図18】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの図である。
【図19】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの別の図である。
【図20】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの別の図である。
【図21】或る1つの実施形態としての板金ばねヒンジの別の図である。
【図22】板金ばねヒンジ型実施形態の分解組立て図である。
【図23】或る1つの実施形態としての組立て状態の1本の眼鏡を示す多くの図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
特定の形態及び構成を説明するが、これは、例示目的でのみなされていることは理解されるべきである。当業者であれば認識されるように、他の形態及び構成を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく使用することができる。本発明は種々の他の用途でも利用できることは当業者には明らかになろう。
【0013】
注目されるように、本明細書において「一実施形態」、「或る1つの実施形態」、「例示の実施形態」等という記載は、説明する実施形態が特定の特徴、構造又は特性を有する場合があるが、実施形態全てが必ずしも特定の特徴、構造又は特性を有する必要がないことを示している。さらに、かかる字句は、必ずしも、同一の実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造又は特性が実施形態と関連して記載されている場合、明示により記載されているにせよそうでないにせよいずれにせよ、他の実施形態と関連してかかる特徴、構造又は特性を利用することは当業者の通常の知識の範囲内にある。
【0014】
流体レンズは、視力矯正の従来型手段、例えば硬質レンズ及びコンタクトレンズと比較して重要な利点を有している。かくして、近くの物体を見るために追加の正の屈折力補正を必要とする人は、遠視レンズ処方箋に合ったベース屈折力の流体レンズを装着する場合がある。この場合、ユーザは、流体レンズを調節して中間距離又は他の距離に位置する物体を見るために必要に応じて追加の正の屈折力補正を得ることができる。
【0015】
第2に、流体レンズは、装用者によって所望の屈折力範囲にわたり連続して調節可能である。その結果、装用者は、屈折力を調節して特に明るい環境において特定の物体距離について屈折誤差を正確に合わせることができる。かくして、流体レンズは、目の生まれつきの焦点深度の変更を補償するよう屈折力の調節を可能にし、目の焦点深度は、装用者の瞳孔サイズで決まり、瞳孔サイズは、周囲の光レベルに依存する。
【0016】
第3に、角度の1分(1/60°)の像の解像力に対応した20/20視力が視力の許容可能な質を表すものとして一般的に承認されているが、人間の網膜は、より細かい像の解像を行うことができる。健常な人間の網膜は、角度の20秒(1/300°)を解像できるということが知られている。患者がこの優れた視力レベルを達成することができるようにするよう設計された矯正用眼鏡は、約0.10D以上の解像力を有する。この解像力は、連続調整可能な流体レンズ要素で達成できる。
【0017】
1本の眼鏡の流体充填レンズの或る1つの実施形態では、流体充填レンズの光学屈折力は、眼鏡フレームのテンプルアーム内に設けられたリザーバに取り付けられているアクチュエータを動かすことによって調節できる。リザーバは、連結管を介して流体充填レンズに取り付けられている。アクチュエータを第1のやり方で動かすと、リザーバが圧縮され又は押し縮められて流体が流体レンズ中に押し込められる。アクチュエータを第2のやり方で動かすと、リザーバが拡張して流体を流体レンズから引き込むことができる。リザーバの圧縮及び拡張により、流体充填レンズの光学屈折力が変化する。或る1つの実施形態としての流体レンズ組立体では、各々がそれ自体の作動システムを有する1つ又は2つ以上の流体レンズが提供される場合があり、したがって、各目に関するレンズを別個独立に調節することができるようになっている。この特徴により、装用者、例えば不同視患者は、各目の屈折誤差を別々に補正して両目の適当な矯正を達成することができ、その結果、良好な両眼視及び良好な両眼加重を得ることができる。リザーバのそれ以上の説明及び追加の実施形態は、米国特許出願第12/904,736号明細書に記載されている。
【0018】
かかる流体充填レンズ設計例では、流体は、眼鏡のテンプルアーム内に設けられたリザーバからテンプルアームと眼鏡の前枠に配置されたレンズフレームとの間の接合部のところに設けられているヒンジを通って流れなければならない。ヒンジは、繰り返し曲げを受けるので、連結管は、弱い材料で作られている場合、時期尚早に破損する場合がある。さらに、連結管は、或る特定のレベルを超えて曲げられた場合、レンズ内の流体圧力に悪影響が及ぶ場合がある。したがって、本発明の或る1つの実施形態としての流体充填レンズ組立体は、連結管がねじれなく曲がるようにするためにテンプルとアイピースとの間に十二分な空間を提供する。加うるに、或る1つの実施形態によれば、ヒンジ機構体全体は、テンプルアーム及びフレームの容積部内に配置されるのが良い。
【0019】
図1は、本発明の或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体100の斜視図である。キャリパアクチュエータ組立体100は、テンプル(つる)カバー110を含み、このテンプルカバーは、キャリパアクチュエータ組立体100の追加の部品を包囲するよう一緒に形成された中空外側部分と中空内側部分を有している。テンプルカバー110の遠位端部160は、装用者の耳に掛かるような形になっている。キャリパアクチュエータ組立体100は、テンプルシャーシ120、ホイール130及びスライダ140を更に含む。或る1つの実施形態では、ホイール130及びスライダ140は、テンプルシャーシ120内に長手方向に摺動可能に設けられている。キャリパアクチュエータ組立体100は、リザーバ150を圧縮し、流体をリザーバ150と流体レンズ(図示せず)との間で移送するよう働く。圧縮力を、種々の仕方で、例えばホイール130を回すことにより又はホイールをスロットに沿って並進させることにより加えることができる。圧縮力を加える別の方法についても本明細書において説明する。リザーバ150の圧縮は、以下に詳細に説明するようにリザーバ150を垂直又は水平方向にテンプルシャーシ120の天井又は内壁に押し付けることにより実施されるのが良い。
【0020】
図2は、或る1つの実施形態としてのキャリパアクチュエータ組立体100の分解組立て斜視図である。或る1つの実施形態では、スライダサブアセンブリ295(図3及び図4を参照して以下に説明する)がリザーバ150を圧縮するためにテンプルカバー110及びテンプルシャーシ120のうちの一方又は両方に沿って並進するよう構成されている。動作原理を説明すると、ユーザは、ホイール130を回し、それによりスライダブロック255が動き、それによりリザーバ150の第1の側面265を接触状態にある比較的剛性の金属板、例えば圧縮アーム270が圧縮される。リザーバ150の第2の側面(図示せず)がつりシャーシ120の内壁285、テンプルカバー110の一部分又は任意他の適当な表面に当てて配置されている。スライダ140は、圧縮アーム270に圧接し、圧縮アームは、リザーバ150を制御された仕方で圧縮する。或る1つの実施形態では、ホイール130の側方運動の長さは、圧縮アームの圧縮の大きさに比例すると共にリザーバの圧縮の大きさに比例している。アクチュエータのそれ以上の説明及び追加の実施形態は、米国特許出願第12/904,720号明細書に記載されている。
【0021】
或る1つの実施形態では、ホイール130は、ユーザの指とのしっかりとした接触並びにホイール130の並進に対するより正確な制御を提供するために刻み付き縁部を有している。
【0022】
レンズモジュール200が出口ポート245を介して連結管(図示せず)に連結されており、この連結管は、リザーバ150に連結されている。レンズモジュール200は、例えば、硬質光学レンズのエッジ上に平らに引き伸ばされた軟質メンブレン(図示せず)により提供される柔軟性後面を更に有するのが良い。流体充填モジュール200の光学屈折力を変化させるため、リザーバ150からの流体の追加によってメンブレンをインフレートさせるのが良い。
【0023】
連結管は、流体をレンズモジュール200からリザーバ150に、又リザーバ150からレンズモジュール200に送り出す。連結管は、この中に入っている流体に対して比較的不浸透性であるよう設計されている。或る1つの実施形態では、連結管は、流体充填レンズモジュール200の光学屈折力を変化させることを目的としてユーザが動かすホイール130に対して最短の応答速度を保証するよう常時最小流量の実現を可能にするよう構成されている。連結管は、一端がレンズモジュール200の出口ポート245に連結され、他端がリザーバ150に連結されている。或る1つの実施形態では、レンズモジュール200、連結管及びリザーバ150を含む組立体全体は、2年以上の使用期間全体にわたって流体及び空気を遮断するシールを維持するよう設定されている。或る1つの実施形態では、連結管は、これをヒンジキャビティ内に収容するために薄手でなければならない。或る1つの実施形態では、連結管は、適当な流体の流れを維持するために、外径が2.0mm未満であり、壁厚が0.50mm未満である。或る1つの実施形態では、連結管を60°以上の角度曲げることができる。或る1つの実施形態では、連結管を折り曲げないで45°以上の角度曲げることができる。或る1つの実施形態では、連結管は、ヒンジの屈曲の繰り返しに対して耐久性がある。
【0024】
ヒンジブロック250及びばね230が内側ブロック210と外側ブロック240との間の被覆領域内に収納されている。ヒンジブロック250は、連結管がヒンジブロック250を通過することができるようにする形状の隙間を有する。後で図9〜図22を参照してばねの追加の実施形態について説明する。キャリパアクチュエータ組立体100は、心棒280により定位置に保持されたホイール130、スライダ140、スライダブロック255、スペーサブロック290及び圧縮アーム270を含む。これら部品は、テンプルシャーシサブアセンブリの状態に組み立てられ、ねじ235によって定位置に保持される。ゴムストリップ205が柔軟性の表面を有し、ホイール130は、この柔軟性の表面上を動くことができる。或る1つの実施形態では、ホイール130は、回転するのが良い。別の実施形態では、ホイールは、並進するのが良く、更に別の実施形態では、ホイールは、回転すると共に並進するのが良い。
【0025】
組立て
【0026】
図3及び図4は、或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリを組み立てる1つの組をなすステップを示している。図3で始まって、スペーサブロック290をテンプルシャーシ120上に置く。次に、スペーサブロック290を縁310,320に沿ってテンプルシャーシ120に溶接する。次に、ヒンジブロック250をテンプルシャーシ120上に置く。次に、ヒンジブロック250を縁330,340に沿ってテンプルシャーシ120に溶接する。テンプルシャーシサブアセンブリは、図4に続き、図4は、或る1つの実施形態としてのテンプルシャーシサブアセンブリ400を組み立てる第2の組をなすステップを示している。裏当て(図示せず)をリザーバ150の両側部に被着されているテープ410から取り除くのが良い。リザーバ150をテンプルシャーシ120に当てて配置する。次に、圧縮アーム270をスペーサブロック290上に置く。次に、圧縮アーム270をスペーサブロック290に溶接する。
【0027】
図5は、或る1つの実施形態に従ってテンプルサブアセンブリ500を組み立てる1つの組をなすステップを示している。最初に、テンプルシャーシサブアセンブリ400のタブ520をテンプルカバー110の後側スロット530内に滑り込ませる。次に、テンプルシャーシサブアセンブリ400をこれが定位置にスナップ嵌め状態になるまでテンプルカバー110内で回転させる。スライダサブアセンブリ295をテンプルカバー110内でできるだけ遠位側に位置決めすることが推奨される。さらに、テンプルシャーシサブアセンブリ400をテンプルカバー110内にスナップ嵌めするとき、管540がヒンジブロック250とテンプルカバー110又はテンプルシャーシサブアセンブリ400との間に挟まれた状態になることがないようにすることが推奨される。
【0028】
図6及び図7は、或る1つの実施形態に従ってフレーム組立体を組み立てる1つの組をなすステップを示している。図6で始まって、或る1つの実施形態では、接着剤、例えばグルーをフレーム610の内縁部に塗布する。次に、ばね230をヒンジブロック250に当てて配置する。次に、或る1つの実施形態では、フレーム610をレンズモジュール200上に引っ張り、その結果、フレーム610の上側部分620及び下側部分630がレンズモジュール200に結合されるようにする。接着剤、例えばグルーを用いてレンズモジュール200をフレーム610に結合するのが良い。当業者であれば認識されるように、別の実施形態では、レンズモジュール200をフレーム組立体600の組立てが完了した後にフレーム610に追加しても良い。フレーム組立体は、図7に続き、図7は、或る1つの実施形態としてのフレーム組立体600を組み立てる第2の組をなすステップを示している。或る1つの実施形態では、ねじ235をフレーム610に設けられたそれぞれのねじ穴710内に挿入してヒンジブロック250中に挿入する。図7は、ばね230と組み立てられたフレームを示しており、ヒンジ機構体を封止すると共に連結管540への水又は汚染要因物の接近を阻止するようカバー720が追加された状態を示している。図6及び図7に示されているステップを第2のテンプルサブアセンブリについて繰り返し実施するのが良い。或る1つの実施形態では、フレーム組立体600を組み立てた後、グルー又は接着剤が硬化するのに適した時間が経過するようにする。
【0029】
図8は、テンプルシャーシ120、フレーム610及びレンズモジュール200を含む完成状態のフレーム組立体600を示している。
【0030】
次に、ヒンジばねの追加の実施形態について説明する。図9は、フレーム組立体600に用いることができる或る1つの実施形態としてのばねを示している。或る1つの実施形態では、ばね910は、端部920を有する。端部920の追加の実施形態は、カム作用面を有するのが良い。テンプルアーム900が回ると、端部920は、小さな尖端部930に当たった状態でずり上がる。撓曲に起因して端部920に働く力により、テンプルアーム900が端部920を尖端部930から動かしたときに開放される貯蔵エネルギーが生じる。次に、テンプルアーム900は、加速して折り畳み位置か開き位置かのいずれかまで回転する。テンプルアーム900が遠すぎるところまで撓曲するのを阻止するためにハードストップ960が設けられるのが良い。組立ての際、連結管(図示せず)をヒンジ970の中心を通って隙間950中に引き回す。
【0031】
図10は、フレーム組立体600に用いることができる別の実施形態としてのばねを示している。或る1つの実施形態では、ばね1010は、ばね力をもたらすよう折り畳み板金アーム1020を用いた板金ヒンジである。レンズモジュール200の最も近くに位置する端部1030は、フレーム610(図示せず)内に固定されている。端部1040は、テンプルアーム1050に取り付けられている。ばね1010のたわみは、主として、曲がり部(即ち、折り畳み状態の板金アーム1020)内で起こる。組立ての際、連結管(図示せず)をばね1010の中心を通って隙間1060中に引き回す。ばね1010は、本明細書においては「板金」ヒンジと呼ばれているが、当業者であれば認識されるように、ばね1010は、ばね1010が動作するのに必要な可撓性と剛性のバランスを満足させる材料であればどのような材料、例えば、非金属材料で構成できる。
【0032】
図11は、別の実施形態としてのヒンジ1100を有している。ヒンジ1100は、テンプルアーム(図示せず)に対して回転軸線A‐A′回りに回転するよう構成されている。ヒンジ1100が回転軸線A‐A′回りに回転すると、片持ちタブ1110がテンプルアームに設けられた対応の隆起部(図示せず)に係合する。
【0033】
図12は、別の実施形態としてのヒンジ1200を示している。ヒンジ1200は、テンプルアーム(図示せず)に対して回転軸線B‐B′回りに回転するよう構成されている。ヒンジ1200が回転軸線B‐B′回りに回転すると、片持ちタブ1210がテンプルアームに設けられた対応の隆起部(図示せず)に係合する。
【0034】
図13〜図16は、本発明の或る実施形態としての板ばねヒンジの種々の斜視図である。
【0035】
図17は、本発明の或る1つの実施形態としてのブレッドボードの上方の板ばねヒンジの分解組立て図である。
【0036】
図18〜図21は、本発明の或る実施形態としての板金ばねヒンジの種々の斜視図である。
【0037】
図22は、本発明の或る1つの実施形態としてのブレッドボードの上方の板金ばねヒンジの分解組立て図である。
【0038】
図23は、本発明の或る1つの実施形態に従ってばねを有する1本の眼鏡の組立て状態の実施形態の幾つかの互いに異なる斜視図である。
【0039】
材料
【0040】
本明細書において説明する種々のアクチュエータ組立体の部品、例えばテンプルカバー、テンプルシャーシ、ホイール、スライダ、ばね、ねじ、内側ブロック、外側ブロック、心棒、圧縮アーム、スペーサブロック等(これらには限定されない)を適当な方法、例えば金属射出成形(MIM)、鋳造、機械加工、プラスチック射出成形等により製作するのが良い。材料の選択は、例えば機械的性質、温度感受性、光学的性質、例えば分散、成形性又は当業者には明らかな任意他の要因(これらには限定されない)の要件によって更に検討されるのが良い。
【0041】
流体レンズで用いられる流体は、無色の流体であるのが良いが、他の実施形態は、用途に応じて、例えば、意図した用途がサングラス用であれば、色付けされた流体を用いる。使用することができる流体の一例は、ミシガン州ミッドランド所在のダウ・コーニング(Dow Corning)社によって「拡散ポンプ油」という名称で製造されており、これは、一般に、「シリコーン油」とも呼ばれている。
【0042】
流体レンズは、ガラス、プラスチック又は任意他の適当な材料で作られた硬質光学レンズを含むのが良い。他の適当な材料としては、例えば、ジエチルグリコールビスアリルカーボネート(DEG‐BAC)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及び有標ポリウレア複合体即ち、商標TRIVEX(PPG)が挙げられるが、これらには限定されない。
【0043】
流体レンズは、軟質且つ透明の水不浸透性材料、例えば、透明且つ弾性のポリオレフィン、ポリシクロ脂肪族化合物、ポリエーテル、ポリエステル、ポリイミド及びポリウレタン、例えばポリ塩化ビニリデンフィルム(市販のフィルム、例えばMYLAN又はSARANとして製造されているフィルムを含む)として(これらに限定されない)で作られたメンブレンを含むのが良い。メンブレン材料として用いるのに適した他のポリマーとしては、例えば、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリエチレンテレフタレート、シクロオレフィンのポリマー及び脂肪族又は脂環式ポリエーテルが挙げられるが、これらには限定されない。
【0044】
連結管は、1種類又は2種類以上の材料、例えばTYGON(ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及び天然ゴムで作られるのが良い。例えば、PVDF(例えば、熱収縮軟質PVDF)は、その耐久性、透過性及び耐折り曲げ性に基づいて考慮すると適当であると言える。
【0045】
テンプルカバーは、任意適当な形状のものであって良く、テンプルカバーをプラスチック、金属又は任意他の適当な材料で作ることができる。或る1つの実施形態では、テンプルカバーは、軽量材料、例えば高い耐衝撃性プラスチック材料、アルミニウム、チタン等として(これらには限定されない)で作られる。或る1つの実施形態では、テンプルカバーは、全体が又は一部が透明材料で作られるのが良い。
【0046】
リザーバは、ポリフッ化ビニリデン、例えばデラウェア州ウィルミントン所在のデュポン・パフォーマンス・エラストマーズ・エルエルシー(DuPont Performance Elastomers LLC)により供給されている熱収縮VITON(登録商標)、ドイツ国メッケンハイム所在のデーエスゲー・カヌーザ(DSG-CANUSA)により製造されたDERAY‐KYF190(柔軟性)、ペンシルベニア州ベルウィン所在のタイコ・エレクトロニクス・コーポレイション(Tyco Electronics Corp.)(旧社名は、レイケム・コーポレイション(Raychem Corp.))により製造されているRW‐175(半剛性)又は任意他の適当な材料(これらには限定されない)で作られるのが良い。
【0047】
フレーム組立体に用いられるねじとしては、イタリア国スゼガーナ所在のヴィゾッティカ・インダストリエ・ソシエタ・ペル・アッツィオーニ(Visottica Industrie S.P.A)により製造されたVisottica 07V120037017肩付きねじが挙げられるが、これには限定されない。他の適当な形式のねじ又は他の取り付け手段、例えばリベットを用いることができる。
【0048】
本発明の種々の実施形態を上述したが、これら実施形態は、例示として提供されているに過ぎず、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。本発明の精神及び範囲から逸脱することなくこれら実施形態の形態及び細部の種々の変更を実施できることは当業者には明らかであろう。かくして、本発明の広さ及び範囲は、上述の例示の実施形態のうちの任意のものによって定められるべきではなく、以下の特許請求の範囲の記載及びその均等範囲に基づいてのみ定められるべきである。
【0049】
さらに、要約書の目的は、米国特許商標庁及び一般大衆並びに特許若しくは法上の用語又は言い回しに精通していない当該技術分野における科学者、技術者及び実務者が本願の技術的開示の性質及び本質を大まかな参照から迅速に把握することができるようにすることにある。要約書の記載は、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体充填レンズ組立体用のヒンジであって、前記ヒンジは、
前記レンズ組立体のテンプルアームに連結されるよう構成されている第1の端部及び前記レンズ組立体のフレームに連結されるよう構成されている第2の端部を備えたベースを有し、
前記ベースは、管が前記要素の前記第1の端部から前記第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を有し、
前記ベースの前記第1の端部は、前記テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する、ヒンジ。
【請求項2】
前記ベースの前記第2の端部に取り付けられると共に前記ベースの前記第1の端部まで延びている片持ちタブを更に有する、請求項1記載のヒンジ。
【請求項3】
一点を越える回転を阻止するハードストップを更に有する、請求項1記載のヒンジ。
【請求項4】
流体充填レンズ組立体用のヒンジであって、前記ヒンジは、
前記レンズ組立体のテンプルアームに連結されるよう構成されている第1の端部及び前記レンズ組立体のフレームに連結されるよう構成されている第2の端部を備えたベースを有し、
前記ベースは、管が前記要素の前記第1の端部から前記第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を有し、
前記ベースの前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている、ヒンジ。
【請求項5】
前記ベースは、前記ヒンジの前記回転軸線回りの曲げを容易にするようU字形曲がり部を有する、請求項4記載のヒンジ。
【請求項6】
一点を越える回転を阻止するハードストップを更に有する、請求項4記載のヒンジ。
【請求項7】
流体充填レンズ組立体であって、
テンプルアームと、
ハウジング内に設けられたリザーバと、
フレームと、
前記フレーム内に設けられた流体充填レンズと、
前記リザーバを前記流体充填レンズに連結する管と、
前記テンプルアーム及び前記フレームに取り付けられたヒンジとを含み、
前記ヒンジは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を備えたベースを有する、流体充填レンズ組立体。
【請求項8】
前記ヒンジは、前記ベースの前記第1の端部に取り付けられると共に前記ベースの前記第2の端部まで延びている片持ちタブを更に有する、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項9】
前記ベースは、前記ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項10】
前記ベースは、前記ヒンジの前記回転軸線回りの曲げを容易にするようU字形曲がり部を有する、請求項9記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項11】
前記ヒンジは、一点を越える回転を阻止するハードストップを更に有する、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項12】
前記ベースの前記第1の端部は、前記テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項1】
流体充填レンズ組立体用のヒンジであって、前記ヒンジは、
前記レンズ組立体のテンプルアームに連結されるよう構成されている第1の端部及び前記レンズ組立体のフレームに連結されるよう構成されている第2の端部を備えたベースを有し、
前記ベースは、管が前記要素の前記第1の端部から前記第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を有し、
前記ベースの前記第1の端部は、前記テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する、ヒンジ。
【請求項2】
前記ベースの前記第2の端部に取り付けられると共に前記ベースの前記第1の端部まで延びている片持ちタブを更に有する、請求項1記載のヒンジ。
【請求項3】
一点を越える回転を阻止するハードストップを更に有する、請求項1記載のヒンジ。
【請求項4】
流体充填レンズ組立体用のヒンジであって、前記ヒンジは、
前記レンズ組立体のテンプルアームに連結されるよう構成されている第1の端部及び前記レンズ組立体のフレームに連結されるよう構成されている第2の端部を備えたベースを有し、
前記ベースは、管が前記要素の前記第1の端部から前記第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を有し、
前記ベースの前記第1の端部及び前記第2の端部は、前記ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている、ヒンジ。
【請求項5】
前記ベースは、前記ヒンジの前記回転軸線回りの曲げを容易にするようU字形曲がり部を有する、請求項4記載のヒンジ。
【請求項6】
一点を越える回転を阻止するハードストップを更に有する、請求項4記載のヒンジ。
【請求項7】
流体充填レンズ組立体であって、
テンプルアームと、
ハウジング内に設けられたリザーバと、
フレームと、
前記フレーム内に設けられた流体充填レンズと、
前記リザーバを前記流体充填レンズに連結する管と、
前記テンプルアーム及び前記フレームに取り付けられたヒンジとを含み、
前記ヒンジは、管がベースの第1の端部から第2の端部に通過することができるようにする形状の隙間を備えたベースを有する、流体充填レンズ組立体。
【請求項8】
前記ヒンジは、前記ベースの前記第1の端部に取り付けられると共に前記ベースの前記第2の端部まで延びている片持ちタブを更に有する、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項9】
前記ベースは、前記ヒンジの回転軸線回りに撓曲するよう構成されている、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項10】
前記ベースは、前記ヒンジの前記回転軸線回りの曲げを容易にするようU字形曲がり部を有する、請求項9記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項11】
前記ヒンジは、一点を越える回転を阻止するハードストップを更に有する、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【請求項12】
前記ベースの前記第1の端部は、前記テンプルアームの表面に係合するよう構成されたカム作用面を有する、請求項7記載の流体充填レンズ組立体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2013−508755(P2013−508755A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534408(P2012−534408)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/052910
【国際公開番号】WO2011/047311
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511136256)アドレンズ ビーコン インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/052910
【国際公開番号】WO2011/047311
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(511136256)アドレンズ ビーコン インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】
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