説明

流体導管コネクタ装置

空圧システムで用いるようになされた流体導管コネクタ装置(10)であって、それ自体に配置した弁(76)を有するポート部(16)を含むコネクタ(12)を備える。弁(76)は、流体導管(18)がポート(16)から取り外されるとき、縮小した流体オリフィスを提供するよう移動する。縮小した流体オリフィスは、ポート部(16)に流体導管(18)が接続された装置(10)の空圧特性を提供するよう構成され、それにより、空圧感知能力を有する、タイミング制御された圧力源の中断しない動作が容易になる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
背景
1.技術分野
本開示は、一般に、多流体ラインシステムへ適用する流体導管コネクタの分野に関し、より詳細には、弁付ポートを有する流体ラインコネクタに関する。
【0002】
2.関連技術の説明
深部静脈血栓症(DVT)および末梢浮腫等の血塊を形成する病状は、不動状態の患者にとって重大な問題である。このような患者には、手術中の患者、知覚麻痺患者、長期ベッド療養患者他が含まれる。これらの血塊症状は、概して下肢および/または骨盤の深部静脈に発生する。こうした腸骨、大腿、膝窩および脛骨等の静脈は、酸素が減少した血液を心臓へ環流する。これら静脈の血液循環が疾患、負傷または無活動が原因で抑制されると、血液は蓄積つまり鬱血する性向がある。静的な鬱血は、危険な血塊形成の格好な環境をもたらす。この症状にともなう主要な危険性は心臓血管の循環障害である。最も深刻なのは、血塊断片が剥離して移動することである。肺塞栓は主肺動脈閉塞を形成して生命を脅かす。
【0003】
患者の不動状態にともなう症状およびその結果生じる危険性は、患者の四肢に間歇圧力を加えて血液循環を助けることにより抑制または緩和できる。血液循環を助けるために、ワンピース型パッドおよび圧迫ブーツ等、周知の装置が用いられてきた。例えば、米国特許第6,290,662号および第6,494,852号を参照。
【0004】
例えば、空気チューブ等の一連の流体導管による使い捨て巻き付けパッドに接続した空気ポンプからなる順次圧迫装置がこれまで用いられてきた。この巻き付けパッドは、患者の脚の廻りに配置される。そして、巻き付けパッドの異なる各部に順次、強制的に空気を送って、ふくらはぎ廻りに圧力を生みだし、静脈環流を改善する。
【0005】
これら周知の装置は、嵩張って使用が面倒であることに起因する様々な欠点を持っている。これらの欠点は患者を不快にさせ、順応性を低下させ、術後回復時の患者の移動性を妨げることになる。本開示の原理による流体コネクタ装置を利用する圧迫装置により、このような周知の装置の不利な点を克服することが望ましい。
【0006】
概 要
全内容を引用して本明細書に組み込んだ、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,607号、発明の名称「圧迫装置」は、嵩を減らし、かつ患者への快適性および順応性を向上することによって、従来技術の不利な点および欠点を克服する例示の順次式圧迫装置を開示している。この順次式圧迫装置は、圧迫スリーブ(巻き付けパッド)の取外し可能部分、および加圧流体源からの取外し可能部分との結合を容易にする弁コネクタを含む。
【0007】
順次式圧迫装置では、装置に至る複数チューブのそれぞれに、所定流体圧力が所定タイミングシーケンスに従って供給される。装置の適切な動作を確保するために、流体圧力フィードバック情報を取得する。弁コネクタの弁閉止は、取外し可能部分と対応チューブとの接続を断って取り外したときの流体洩れを防ぐ。従来から知られている弁コネクタは、流体導管の全開または全閉のどちらかを行う。開いた、または閉じた流体導管の空圧特性は、それ以前に接続されていたときのシステム構成要素の空圧特性とは異なる。
【0008】
説明のための装置では、取外し可能部分を外すとき、コントローラは、弁コネクタの閉を示す圧力変化を認識する。そして、コントローラは、第2の所定圧力タイミングシーケンスの実行を開始して、装置の残りの部分に加圧流体を供給する。取外し可能部分を外すとき、弁コネクタが存在しない場合、または誤動作する場合、コントローラは、流体ラインが開いていることを示す圧力変化を認識し、エラーまたは警告のプログラムシーケンスを実行できる(例えば、全内容を引用して本明細書に組み込んだ、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,323号、発明の名称「圧迫処置システム」、に記載のコントローラを参照)。
【0009】
このような弁コネクタの使用は、取得した圧力測定値に応じて複数の圧力/タイミングのシーケンスを実行できなければならない流体供給装置内に、より複雑な制御要素を必要とする点で不利である。説明のための装置では、多数の制御シーケンス間の切り換えがシステム中断を招くので不利であり、2度目の圧力/タイミングシーケンスを開始するために手動入力が必要になることもある。
【0010】
制御下にある圧力システムから取外し可能部分を抜去する場合でも、コントローラが単一圧力タイミングシーケンス動作を中断することなしに継続し得るようなカップリング弁を提供することにより、従来知られている流体ラインコネクタの欠点を克服することが望ましい。更に望ましいのは、制御下にある圧力システムの取外し可能部分の空圧特性を近似するカップリング弁を提供することにより、そのような中断することのない単一コントロールシーケンスの動作に順応することである。望ましいのは、製造に費用がかからずに予防的順次式圧迫装置に用いられるよう構成されたコネクタを提供することである。
【0011】
従って、流体導管を空圧システムから取り外すときに、単一圧力タイミングシーケンスを中断せずに実行が容易な流体導管コネクタ装置が提供される。本流体導管コネクタ装置は、予防的順次式圧迫装置に組み込んだ場合、制御システムの複雑さを低減し、使用法を簡便にし、患者への中断を最小化することにより、従来技術の不利な点と欠陥を克服する。望ましくは、流体導管コネクタ装置は、本開示の利点を達成するために、弁を有するポート部分を含む。最も望ましくは、流体導管コネクタ装置が、流体導管を取り外した空圧システム構成要素の空圧特性を近似する弁を有することである。また、本流体導管コネクタ装置は簡単かつ効率的に製造される。
【0012】
本開示の原理による流体導管コネクタ装置は、圧迫装置との使用に適している。流体コネクタ装置はコネクタを含み、コネクタはそれ自体に形成された複数の流体ポートを有する。本流体コネクタ装置により、圧迫装置の複数の流体導管と加圧流体源との間での流体の連通が容易になされる。複数の流体ポートはそれぞれ、流体の流れのために構成した流体オリフィスを画成する。弁は流体ポートの一つに配置される。流体ポートに対応する圧迫装置の流体導管をコネクタから抜去すると、流体ポートの流体オリフィスが縮小するように、弁が流体ポートと係合して動作する。
【0013】
流体コネクタ装置は第1コネクタを含むことができ、第1コネクタはそれ自体に形成された第1の複数の流体ポートを有し、第1の複数の流体ポートは、第1の複数の流体導管に流体連通する。説明のための実施の形態では、第1の複数の流体導管は3本の空気チューブセットである。弁は第1コネクタに支持されており、第1の複数の流体導管の一つを第1コネクタから抜去すると、縮小流体オリフィスを内部に創成する構成の対応流体ポートと弁とが係合するように、弁は移動可能である。第1コネクタから接続された装置を抜去するときに、弁は接続された装置の空圧特性を近似するように適合される。
【0014】
別の実施の形態では、流体ポートの一つがカップリングポートを含み、第1の複数の流体導管の一つは、カップリングポートとの間の取外し可能な噛合い適合した迅速(クイック)抜去式接続具を含む。弁は、カップリングポート内に配置され、例えば、バネ負荷プランジャを含むことができる。説明のためのカップリング接続具は、そこから延びる係合部を含む。カップリング接続具をカップリングポートに係合させるとき、係合部がバネ負荷プランジャを変位させる。
【0015】
一実施の形態では、カップリングポートは、その中に配置したキャップ部を含む。カップリングポートからカップリング接続具を抜去するとき、バネ負荷プランジャはキャップ部に係合し、第1の複数の流体導管の一つを近似する空圧動作を提供するオリフィスを創成する。
【0016】
説明のための装置において、本開示による流体コネクタ装置は、第2の複数の流体導管と流体連通する第2コネクタも含む。例示の実施の形態では、第2の複数の流体導管は3本の空気チューブのセットである。複数のカップリングは空気チューブと流体連通している。第1コネクタは、複数のカップリングに係合するように適合したキャビティを画成するスリーブを含む。キャビティはメス型係合レセプタクルを画成する。複数のカップリングは、メス型係合レセプタクルと噛合うようになされたオス型係合プラグを画成する。
【0017】
特定の実施の形態では、第1および/または第2コネクタは、患者の衣類および寝具類上でコネクタが邪魔にならないように改良された流線形状の外表面を含む。一実施の形態では、第1コネクタが旧コネクタ構成要素と組み合わせられないよう第1コネクタはキャビティ内の干渉キーを含む。第2コネクタは干渉キーのための間隙を含む。
【0018】
更に別の実施の形態では、第1の複数の流体導管は、少なくとも一対の隣接する導管の間に厚い水かき様ブロックを有する水かき付きチューブのセットである。少なくとも一つの干渉リブが、第1の複数の流体ポートの少なくとも一対の隣接する流体ポート間に形成される。厚い水かき様ブロックは、複数の流体導管の前記第1コネクタとの向き合いが不適合である場合に、干渉リブと並ぶ。それによって、干渉リブは、向きが不適合である流体導管が第1コネクタへ取り付けられるのを防ぐ。同様に、第2の複数の流体導管も、第2コネクタ内の隣接するポート間の干渉リブと干渉するよう構成した厚い水かき様ブロックを含み、向きが不適切な流体導管の第2コネクタへの取り付けを防ぐことができる。
【0019】
本開示の一実施の形態では、流体導管コネクタ装置は、キャビティ内に配置したガスケットを更に含む。ガスケットは、第1と第2コネクタが互いに噛合っているときに第1と第2コネクタ間の流体シールを提供するようになされている。
【0020】
少なくとも一つの実施の形態では、スリーブは、それ自体を通って少なくとも部分的に延びる窓を含む。第2コネクタは、そこから延びるロッキングアームを含む。ロッキングアームは窓と係合して第1コネクタを第2コネクタにより開放可能に保持するようになされる。スリーブは、スリーブを部分的に二股に分けて、ロッキングアームに係合するための対向するスナップアームを画成する、窓へ延びるスロットを含むことができる。第1または第2コネクタの一方は整列スロットを含むことができ、第1または第2コネクタの他方は、整列スロットを係合させるよう構成した整列リブを含むことができる。
【0021】
特定の説明のための実施の形態では、ロッキングアームは、第1角度で傾斜するリーディング面(先導面)を含んで、ロッキングアームとスナップアームとの間の所定の係合力を提供するとともに、第2角度で傾斜するトレーリング面(後続面)を含んで、ロッキングアームとスナップアームとの間の所定の脱係合力を提供する。例えば、所定の係合力は、所定の脱係合力未満となるように設計できる。
【0022】
本開示の別の実施の形態では、流体コネクタ装置は、第1の複数の流体導管に接続するようになされた複数の流体ポートを画成するチューブ状壁を有する第1コネクタを含む。流体ポートの少なくとも一つはカップリングポートを備える。第1の複数の流体導管の少なくとも一つは、カップリングポートとの係合を解けるようになされたカップリング接続具を含む。弁はカップリングポート内に配置される。弁はカップリングポートに係合して、前記カップリングポートからカップリング接続具を抜去した場合、第1の複数の導管の一つの導管の空圧動作を近似するオリフィスを創出する。第2コネクタは、第2の複数の流体導管に接続するとともに、第1コネクタに係合するようになされている。
【0023】
例示の実施の形態において、弁はカップリングポート内に配置したバネ負荷プランジャを含む。一実施の形態では、カップリング接続具は、そこから延びる係合部を含む。カップリング接続具を前記カップリングポートに係合する場合、係合部がバネ負荷プランジャを移動させる。カップリングポートは、その内部に配置されたキャップ部を含む。カップリングポートからカップリング接続具を抜去した場合、バネ負荷プランジャはキャップ部に係合し、前記第1の複数の流体導管の一つを近似する空圧動作を提供するオリフィスを創出する。
【0024】
流体コネクタ装置の別の実施の形態において、第2コネクタは、第2の複数の流体導管に流体連通する複数のカップリングを備える。第1コネクタはスリーブを含む。スリーブはキャビティを画成しており、このキャビティで複数のカップリングに係合するようになされている。スリーブは、それ自体を通って少なくとも部分的に延びる窓が含まれる。第2コネクタには、窓に係合して第1コネクタを第2コネクタにより開放可能に保持するようになされて、そこから延びるロッキングアームが含まれる。スリーブには、窓へ延び、スリーブを部分的に二股に分けて、ロッキングアームを係合するための対向するスナップアームを画成するスロットが含まれる。
【0025】
本開示の特定の実施の形態では、流体コネクタ装置には、足首チューブ、ふくらはぎチューブ、および大腿部チューブ、を含む第1のチューブセットに接続するようになされた複数の流体ポートを画成するチューブ状壁を有するスリーブコネクタが含まれる。ポートの一つはカップリングポートを含む。大腿部チューブは、カップリングポートと取外し可能にされたカップリング接続具を有する。
【0026】
特定の実施の形態では、弁はカップリングポート内に配置される。弁には、カップリングポートに係合して、接続具をカップリングポートから外す場合に大腿部チューブの空圧動作を近似するオリフィスを創成するバネ負荷プランジャが含まれる。カップリング接続具は、そこから延びる係合部を含む。カップリング接続具がカップリングポートに結合されるときに、係合部によりバネ負荷プランジャが変位する。カップリングポートは、その中に配置したキャップ部を含む。カップリングポートからカップリング接続具を抜去した場合、バネ負荷プランジャはキャップ部と係合して、大腿部チューブを近似する空圧動作を提供するオリフィスを創成する。
【0027】
チューブセットコネクタは、第2チューブセットに接続し、スリーブコネクタと結合するようにできる。チューブセットコネクタは第2チューブセットと流体連通する複数のカップリングを含む。スリーブコネクタには、複数のカップリングと結合するようになされたキャビティを画成する、それ自体に形成したスリーブが含まれ、キャビティ内に配置したガスケットを有する。ガスケットは、スリーブコネクタとチューブセットコネクタとの間の流体シールを提供するようになされる。少なくとも一つの実施の形態では、ガスケットは、そこから延びる保持部分を含む。スリーブは、保持部分を受け入れるようになされたガスケット保持溝を含むので、ガスケットをスリーブに保持できる。
【0028】
特定の実施の形態では、スリーブが、それ自体を通って少なくとも部分的に延びる窓を含む。チューブセットコネクタは、そこから延びるロッキングアームを含む。ロッキングアームは、スリーブコネクタをチューブセットコネクタに開放可能に保持するために窓と係合するようになされている。スリーブは窓に延びるスロットを含む。このスロットは、ロッキングアームを係合するための対向するスナップアームを画成するために、スリーブを部分的に二股に分けている。スリーブコネクタまたはチューブセットコネクタの一方は整列スロットを含み、スリーブコネクタまたはチューブセットコネクタの他方は、整列スロットを係合するよう構成された整列リブを含む。
【0029】
別の実施の形態では、本願は、流体導管の第1端部へ恒久的に取り付けたカップリング接続具を含むカップリング装置を開示する。流体導管の第2端部は、膨張装置に接続される。カップリングポートは、カップリング接続具と噛合うようになされ、カップリングポートにより支持される弁を含む。弁は、カップリングポートからカップリング接続具を抜去したとき、膨張装置および流体導管の空圧特性を近似する。
【0030】
別の特定の実施の形態では、カップリング接続具は、そこから延びる近位シリンダおよび遠位シリンダを含むことができる。中心長手軸は、近位シリンダおよび遠位シリンダを通って延びる。近位シリンダは前記流体導管の外径にほぼ等しい内径を有するので、両者間の締まり嵌めが容易になる。遠位シリンダは前記カップリングポートの外径にほぼ等しい内径を有するので、両者間のスリップ嵌めが容易であり、また遠位シリンダはその外面から半径方向に延びるロッキングタブを含む。
【0031】
カップリングポートは流体連通するチャンネルを含み、ロッキングタブを係合するための爪を有するスリーブと協調して、カップリングポートにカップリング接続具を取外し可能に固定する。代替として、スリーブまたは第1コネクタの内面には、内面に少なくとも部分的に延びて入り込む、ロッキングタブを受け入れるようになされた爪キャビティを含めることができる。例示の爪キャビティには、係合させたり、係合を外したりしている間、ロッキングタブをガイドするようになされた長手方向トラック部分、およびカップリング接続具が長手軸廻りに回転する場合にロッキングタブを保持するようになされた環状部分が含まれる。長さに沿って、爪キャビティは、内面に向かって変化する深さまたは幅を有することができる。爪キャビティの変化する深さは、ロッキングタブと爪キャビティとの間の所定の係合/脱係合の力/変位のプロファイルを提供する。一実施の形態において、ロッキングタブは、手動係合面が拡大した外側部分を有し、ロッキングタブの操作を助ける。
【0032】
説明のための実施の形態では、弁はバネ負荷プランジャを含む。バネは、カップリング接続具とプランジャとの間の係合により圧縮されてカップリング接続具をカップリングポートに接続するとき、流体連通可能にカップリングポートを開く。バネは伸張してプランジャをチャンネルに押し込む。カップリングポートからカップリング接続具を抜去したときに、チャンネルを通る所定の流体抵抗を提供するために、プランジャは穿孔されている。
【0033】
別の実施の形態では、本開示は、第1の複数の流体導管と流体連通する、それ自体に形成された第1の複数の流体ポートを有する第1コネクタを含む流体コネクタ装置を提供する。第2コネクタは、第2の複数の流体導管と流体連通しており、また、それ自体が流体連通する複数のカップリングが含まれる。第1コネクタから流体導管を抜去したときに流体導管の一つの空気圧特性を近似するために、第1コネクタ内の制限手段が提供される。
【0034】
更に別の実施の形態では、本開示は、圧力源を空圧装置に結合する方法を提供する。本開示の方法によれば、空圧装置からの第1の複数の流体導管が、多数ポートのチューブコネクタを用いて、圧力源からの第2の複数の導管に接続される。第1の複数の導管の一つが多数ポートのチューブコネクタから抜去される。それにより、第1の複数の導管の一つの空圧特性を近似する弁がコネクタ内で開放される。
【0035】
本開示の別の説明のための実施の形態は流体導管カップリングを提供する。流体導管カップリングは、中心の長手軸に沿う一体形成した近位シリンダおよび遠位シリンダを伴うカップリング接続具を有する。近位シリンダは、流体導管を受容するのに適合した内径を有する。また、流体導管カップリングは、そこから近位方向に延びるオス型の円筒部分を有する流体ポート、およびオス型の円筒部分からポートを通って遠位開口部まで延びる流体チャンネルも含まれる。カップリング接続具の遠位シリンダは、カップリングポートのオス型の円筒部分と噛合うようになされたメス型のオリフィスを含む。ポート内に配置した弁は、カップリング接続具をカップリングポートから取り去ったときに、接続を外した装置の空圧特性を近似して動作するよう構成される。
【0036】
説明のための実施の形態による流体導管カップリングのカップリング接続具は、カップリングポート内の弁を変位させるようになされた係合部を有する。弁は、バネ力により近位方向にバイアスを加えたプランジャを含む。接続具をポートに取り付けたときに前記バネ力に抗してプランジャが遠位方向に移動するように、係合部が整列されている。プランジャは、遠位方向に移動したときに、増加した流体通路を提供し、近位方向にバイアスを加えたときに、減少した流体通路を提供する。
【0037】
例示の実施の形態の詳細な説明
開示の流体導管コネクタ装置および操作方法の例示の実施の形態を、身体の四肢に適用するための予防的圧迫装置および予防的圧迫装置を含む血管治療の点から説明し、取外し可能部分を有する圧迫装置の点から更に詳細に説明する。しかしながら、本開示は、例えば、複数の空気チューブ内の圧縮空気の時間シーケンスを必要とする医療および産業上の応用等、取外し可能な流体導管を有する広範な空圧システムを伴う応用を考えている。
【0038】
以下の説明において、用語「近位」は対象者の胴体部に近い方の構造部分を指し、用語「遠位」は胴体部から遠い方の構造部分を指す。本明細書で用いるときには、用語「対象者」は、予防的順次式圧迫装置を用いて血管治療を受ける患者を指す。本開示によれば、用語「治療士」は、予防的順次式圧迫装置を扱う個人を指し、支援要員を含めてもよい。
【0039】
以下の説明には、流体導管コネクタ装置の説明、続いて本開示の原理による流体導管コネクタ装置を操作する例示の方法の説明が含まれる。付帯の図で説明する例示の実施の形態および開示への参照を詳細に行う。
【0040】
図では、幾つかの図の全体に亘って、同じ要素は同じ符号で指定する。最初に、本開示の原理にしたがって構成された流体導管コネクタ装置10を示す図1および図2を参照する。流体導管コネクタ装置10は、第1コネクタ12および第2コネクタ14を有するコネクタを含む。第1コネクタ12は、第2コネクタ14と取外し可能に係合するように構成されている。
【0041】
第1コネクタ12には、そこから近位方向に延び、第1の複数の流体導管18を受容するのに適合した第1の複数の流体ポート16が含まれる。流体導管18は、例えば、患者(不図示)の四肢廻りに配置されて処置するようになされた圧迫スリーブ(不図示)を含む圧迫装置に接続される。第2コネクタ14は、そこから遠位方向に延び、第2の複数の流体導管22を受容するのに適合した第2の複数の流体ポート20を含む。流体導管22は、本開示の原理により説明した利点を有する流体導管コネクタ装置10を介して、圧迫スリーブを膨張するようになされた加圧流体源(不図示)と流体連通する。流体導管18、22は、例えば、水かきが付いていないチューブ等の各種チューブを含むことができる。
【0042】
コネクタ12、14の流体ポート16、20はそれぞれ、コネクタ12、14の間を容易に流体連通させる内部流体オリフィスまたは通路を画成する。同様に、コネクタ12、14は、加圧流体源と圧迫スリーブとの間の流体連通を容易にする。流体導管コネクタ装置10は、3本の流体導管のセットを接続するための3個の流体ポートのセットを各コネクタ内に有するとして説明するが、意図するところは、各コネクタが本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数の流体ポートを有することができる点である。
【0043】
コネクタ12は、遠位開口部を有するキャビティ26を画成するスリーブ24を含む。キャビティ26は、キャビティ26内で遠位方向に延びる第1の複数の流体ポート16の遠位部分を収納する。第2コネクタ14は、そこから近位方向に延びる複数の流体カップリング28を含む。複数の流体カップリング28は、第2の複数の流体ポート20の近位部分により形成され、第1の複数の流体ポート16の遠位部分と整列している。ロッキングアーム30は、第2コネクタ14の本体部分32から近位方向に延びる。第1コネクタ12のスリーブ24のスロット34には、ロッキングアーム30を取外し可能に受け入れて、第1コネクタ12を第2コネクタ14に保持するようになされた窓36が含まれる。
【0044】
第1の複数のポートの少なくとも一つは、カップリング接続具40を受容するのに適したカップリングポート38である。対応する第1の複数の流体導管18の一つの流体導管の遠位端部には、カップリング接続具40が恒久的に取り付けられる。カップリング接続具40から半径方向に延びるロッキングタブは、第1コネクタ12の、例えば図1に示すようなスリーブ24にある爪キャビティ44と係合するよう構成されている。流線型の外表面25は、コネクタが患者の衣類および寝具類の邪魔になることを防止する。
【0045】
図3〜図7を参照し、流体導管コネクタ装置の各種の構成要素を更に詳細に説明する。
【0046】
ガスケット46は、第1コネクタ12を第2コネクタ14と係合するとき、キャビティ26内で複数のカップリング28と第1の複数の流体ポート16の遠位部分との間の空間を一致させる。ガスケット46は、第1の複数の流体ポート16および第2の複数の流体ポート20を含むシールした流体チャンネルを形成することにより、対応する流体導管間の加圧流体の連通にシーリングを提供する。ガスケット46は、例えば、エラストマ材料の射出成形、またはコルクもしくは紙ベースガスケット材料のダイカットにより、各種の普通の材料または製造方法を用いて、効率的かつ廉価に製造できることが想定される。ガスケット46は、第1コネクタ12および第2コネクタ14の一方または他方に保持するよう構成できる。本実施の形態では、ガスケットには、第1コネクタ12と第2コネクタ14との間の流体シールを提供するために、第1の複数の流体ポートのそれぞれの遠位部分と係合するよう構成した近位リップ48が含まれる。ガスケットは、そこから延びる保持部分を含む。スリーブ24は、この保持部分を受け入れるのに適したガスケット保持溝を含み、それにより第2コネクタ14をそこから取り外す場合、ガスケットがスリーブ24に保持される。
【0047】
スロット34は、第1コネクタ12を第2コネクタ14に結合させる際、ロッキングアーム30が遠位端部にてスロット34内に押し込まれるときの応力によってスリーブ24が拡張することができるように、少なくとも部分的にスリーブ24を二股にしている。ロッキングアーム30の係合部48がスロット34の窓部分36に達した場合、スリーブは応力が加わっていない形状に戻って、第2コネクタ14をロッキングアーム30により開放可能に保持する。ロッキングアーム48は、ある角度(すなわち、第1角度)で傾斜するリーディング面(先導面)39、および第2角度で傾斜するトレーリング面(後続面)41を有して形成される。本実施の形態では、リーディング面39は、トレーリング面41より浅い角度で傾斜しているので、第1コネクタ12を第2コネクタ14に接続する力は、第1コネクタ12を第2コネクタ14から取り去る力より軽い。それにより、所定の接続力/抜去力は、第1および第2角度の適切な選択により達成できる。
【0048】
ここに詳述される本実施の形態は、特定のロッキングアームおよびスロット構成について言及するが、本開示の範囲を逸脱することなく実質的に任意の種類の取外し可能な保持方法を利用して、第1コネクタを第2コネクタに取外し可能に保持できる。例えば、締り嵌めを、第1コネクタ12と第2コネクタ14との間に提供でき、または適切に構成した変形可能なガスケット46により提供できる。代替として、当該技術で周知のスナップまたは爪の配列を、第1コネクタ12を第2コネクタ14に保持するために用いることができる。例えば、図8A、図8Bおよび図8Cに示すように、第1コネクタ12は、第2コネクタ14内に形成された対応するスロット230に噛合わせ結合可能に構成したロッキングアーム234を含み、上記同様のアームおよびスロット構造とすることができる。
【0049】
整列リブ59(図1)は長手軸に沿って、複数のカップリング28の少なくとも一つから半径方向に延びる。対応する整列スロット(不図示)は、整列リブ59を受け入れるために、遠位端部へ延びるスリーブ24の内面に設けられる。コネクタを結合するための当該技術で普通に用いられる実質的に任意の種類の整列リブ/スロット構成を、本開示の範囲から逸脱することなく用いることができることが意図される。
【0050】
カップリング接続具40は、長手軸56に沿って並んだ近位シリンダ52および遠位シリンダ54を含む。近位シリンダ52は、第1の複数の流体導管18の対応する一つの外径に圧入可能に構成された近位開口部58、および内面62を画成する内径60を含む。本実施の形態では、対応する流体導管は、近位開口部58を通って近位シリンダ52に圧入される空気チューブである。本実施の形態では、流体導管は、摩擦力によりほぼ恒久的に近位シリンダ52に取り付けられる。他の実施の形態として、適切な各種接着剤を、近位シリンダ52の内面62に塗布して、流体導管を恒久的に取り付け、両者間の流体密なシールを提供してもよい。例えば、シリコン接着剤、ゴム系セメント、材料特定接着化合物、Oリング、ガスケット等を、流体導管をカップリング接続具に取り付けるための当該技術で周知の方法により用いることが想定される。
【0051】
遠位シリンダ54は、長手軸56廻りを回る内側輪郭64により画成される内面、および外径により画成される外面66を備える。本実施の形態では、内側輪郭64は、シール部68、フレキシブル部70、および環状リップ部72を含む。シール部68は、カップリングポート38の外面に対して、締り嵌めに適した内径を有し、両者間の少なくとも部分的な流体シールを提供する。環状リップ部72は、カップリングポート38の外面に圧力を加える環状リングを画成し、両者間の流体シールを提供する。フレキシブル部70は、遠位シリンダ54が内側に撓んでロッキングタブ42を爪キャビティ44へ容易に係合させることができるように、厚さが薄い壁により画成されている。
【0052】
本実施の形態では、カップリング接続具40とカップリングポート38との間の特定の保持およびシール構成について説明したが、当該技術で周知の実質的に任意の種類のカップリング接続具保持およびシール方法を、本開示の範囲から逸脱することなく、カップリング接続具40とカップリングポート38の外面との間に用いることができる。例えば、カップリング接続具40をカップリングポート38または第1コネクタ12に取り付けるために、ネジ付カラー、片持レバースナップアーム等を用いることができる。
【0053】
図9および図10を参照する別の実施例では、スリーブ24または第1コネクタ12の内面には、少なくとも部分的に内面に向かって延び、カップリング接続具40のロッキングタブ42を受け入れるようになされた爪キャビティ44を含めることができる。タブ42の爪57は、キャビティ44に配置することになるようにスリーブ24に挿入される。爪57は、接続具40の操作を通じてキャビティ44を通って回転し、キャビティ44の壁に形成した突起によって位置が固定される。他の実施の形態では、図10に示す爪キャビティには、係合させたり、係合を外したりしている間、ロッキングタブ42(図9)をガイドするようになされた長手方向のトラック部55(破線で示す)、およびカップリング接続具40がその長手軸56廻りに回転したときにロッキングタブ42(図9)を保持するのに適した環状部57が含まれる。爪キャビティ44は、その長さに沿って、内面に向かう深さまたは幅を変えることができる。爪キャビティ44の変化する深さは、ロッキングタブ42と爪キャビティとの間の、係合/脱係合の力/変位のプロファイルを提供する。一実施の形態では、ロッキングタブは、ロッキングタブ42の操作を助けるために、手動係合面43が拡大した外側部分を有する。
【0054】
本発明の実施の形態では、カップリング接続具は、カップリングポート38内に配置した弁76を開口させるのに適した係合部74を含む。係合部74は、弁76内のプランジャ80を変位させるために、カップリング接続具40内の横断壁78から遠位方向に延びて形成されている。本実施の形態では、横断壁78は、カップリング接続具40内の、近位シリンダ52と遠位シリンダ54との間付近に配置され、長手軸に直交している。少なくとも一つの流体通路が横断壁を通って延びている。
【0055】
本実施の形態では係合部が遠位方向に延びるという点から説明したが、本開示の範囲内で、プランジャ80を変位させるために実質的に任意の種類の弁係合構造を用いることができる。例えば、カップリング接続具40がカップリングポート38と係合するときに弁プランジャ80を変位させるため、横断壁78の平坦面または遠位シリンダ54の内面から延びるリブを、弁76内で相補的に整列する構造とすることができる。
【0056】
本実施の形態は、カップリングポート38内に配置した弁76を含む。弁76には、カップリングポート38の長手軸に沿って移動可能であってバネ82により近位方向にバイアスを加えられたプランジャ80が含まれる。バネ82は、ガスケット46上の突起51により、キャビティ26内に位置を保持されるガスケット46により支持される。ガスケットをその位置に維持するために接着剤で代替してもよい。ガスケット46には、任意のガスケット通路の長手軸に沿って、カップリングポートに整列するように形成したバネ座が含まれる(図4〜図5)。説明のための実施の形態のバネ座は、ガスケット開口部内の半径方向桁86により支持された中心スタブ84を含む。
【0057】
弁は、バネ82をプランジャ80の遠位端部の上に組み付けて、プランジャとバネのサブアセンブリを形成することにより、容易に組み立てることができる。プランジャ80は、バネ82の近位端部を係合する段差88を含む。プランジャとバネのサブアセンブリは、カップリングポート38内に、その近位端部から組み付けることができる。そして、ガスケット46がキャビティ26に組み付けられる。その他、バネ82をバネ座に嵌めてから、ガスケット46、バネ82、およびプランジャ80を一緒に第1コネクタ12に組み付けることにより、プランジャとバネのサブアセンブリをガスケット46に組み付けることができる。図7、および図8は、本開示による説明のためのプランジャ80の2つの実施の形態を提供する。
【0058】
本開示において、プランジャ80へバイアスをかけるためにコイルバネ82を使用する例を図示しているが、本開示の目的の範囲内で、当該技術で周知の実質的に任意の種類のプランジャおよびバネの組み合わせを用いて、プランジャ80へバイアスをかけることができる。例えば、第1コネクタ12内に形成可能なプラスチック製片持レバーバネアームを形成することにより、バネ力をプランジャ80にかけることができる。他に、バネ座と類似の構造を、ガスケット46の一部としてエラストマ材料で形成することにより、本開示の範囲から逸脱することなくプランジャ80へバイアス力をかけることができる。
【0059】
カップリング接続具40をカップリングポート38と係合するとき、カップリング接続具の係合部74は、プランジャ80をバネ82の力に抗して遠位方向へ強制的に移動させ、その結果バネは圧縮される。それにより、カップリング接続具40に接続される流体導管からカップリングポート38を通り、対応する第2の複数の流体導管22の一つ、すなわち対応する空気チューブまで、の開いた流体接続が提供される。
【0060】
例えば、カップリングポート38を介して加圧流体源と流体連通している圧迫スリーブの一部は、他の残りの圧迫スリーブから取り外すことができる。圧迫スリーブの残りの部分は、対象者の四肢に継続して処置を施す。選択した部分の取り外しによって、カップリング接続具40は接続を解かれ、カップリングポート38と係合しない。バネ82はプランジャ80を、プランジャ80が近位停止部に係合して弁76が閉位置をとるような近位限界点まで、押圧する。
【0061】
プランジャ80は、プランジャ80が近位限界点まで変位したときに、カップリングポート38内の内部構造と協調して縮小した流体オリフィスを形成するように構成されている。縮小した流体オリフィスは、取り去った装置の空圧特性に近似する空圧特性を提供するよう設計される。
【0062】
本実施の形態では(図6〜図7)、それ自体を通る流体通路92を有するキャップ部90が、カップリングポート38の近位開口部内に配置される。キャップ部90は、プランジャの動作行程の近位限界点を定義する停止部を提供し、弁76がカップリングポート38の流体オリフィスの寸法を縮小するように弁76のプランジャ80と協調する。
【0063】
例えば、図6Aおよび図6Bに示すように、カップリング接続具40は、膨張圧迫スリーブ(不図示)の取外し可能部分を膨張させるために、カップリング接続具40をカップリングポート38に接続して、上記のように、プランジャ80を遠位方向に押しやり、流体接続を開く(図6A)。そのような開いた接続を提供するために、プランジャ80の弁シート282は、キャップ部90の円錐形シート284と係合しないようにバネ82(図6Aおよび図6Bには明瞭に図示していない)を介して配置する。この構成により、空気は、矢印Aで示すように、円錐形シート284の周囲を流れ、導管22(不図示)を通って、圧迫スリーブの取外し可能な膨張部分に出て行く。
【0064】
圧迫スリーブの取外し可能部分を取り外す際には、カップリング接続具40をカップリングポート38から取り外す。バネ82は、弁シート282が円錐形シート284の座ぐり穴の縁と係合するように、弁シート282を押圧する。この結果、カップリングポート38の流体オリフィスの寸法が有効に減少し、弁シート282の半円形スロット286および円錐形シート284の穴の縁により画成されたキャビティを通る空気だけが流れる。スロット286は弁シート282側に形成される。スロット286および円錐形シート284により画成されるキャビティは、流体接続が開いている状態において、カップリング接続具40がカップリングポート38に接続されている場合の圧迫スリーブの取外し可能部分の空圧動作を近似する流体の流れを容易にする。スロット286および円錐形シート284が画成するキャビティは、例えば、楕円、多角形等の幾何形状を含む各種の構成および寸法としてもよい。
【0065】
本構成は、取り去った装置の空圧特性を近似するという利点がある。意図することは、カップリングポート38の流体オリフィスは、プランジャ80との対応する係合がオリフィス寸法を縮小するような構成、さもなければ開位置における弁76により生じるカップリングポート38を通る流体の流れを近似するような構成等、各種構成が可能である。更に、プランジャ80は、流体の流れを近似する開口部を含むことができる。弁76は、カップリングポート38の流体オリフィスの寸法を、部分的な流体の流れ、漏洩等を含む閉位置の範囲全体に亘って縮小して、ポート内の流体を近似するよう動作可能であり、または代替として、オリフィスは、対応ポートを通る流体の流れを防ぐように全閉であってもよい。全閉の構成では、ポンプ回転数または他の設定を調整してもよい。
【0066】
特定の実施の形態では、本開示は、取外し可能部分を有する圧迫装置とともに用いる空気チューブコネクタを提供する。この圧迫装置については、例えば、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,607号、発明の名称「圧迫装置」、に記載された圧迫スリーブを参照のこと。3本の別々の空気チューブが、装置の足首部分、ふくらはぎ部分、および膝部分に接続される。各部分には、それぞれの空気チューブを通る時間順次式の圧縮空気が供給される。3本の各空気チューブの近位端部は、本開示に基づく第1コネクタ12内の第1の複数の流体ポート16に接続される。3本の空気チューブを組み合わせたセットは、時間制御された圧力源から延び、本開示に基づく第2コネクタ14内の第2の複数の流体ポート18に接続される。
【0067】
本実施の形態では、ふくらはぎチューブの遠位端部は、先に説明したように、カップリング接続具40およびポート38を介して第1コネクタ12に接続される。患者が、予防的圧迫装置のふくらはぎ部分をもはや必要としなくなった場合、ふくらはぎ部分は取り外すことができ、そこに取り付けたチューブは、カップリングポート38の部分で第1コネクタから抜去できる。カップリングポート38内の弁76の動作により、その弁を通る空気の流れを制限する減少した流体オリフィスを構成し、ふくらはぎ部分および対応する空気チューブの空圧特性を近似する。従って、ふくらはぎ部分が取り外された場合でも、時間制御された圧力源内のセンサは、流体圧力、または流量の変化を検出しない。これにより、時間制御された圧力源は、中断しない時間制御された空気圧力を、予防的圧迫装置の足首部分および膝部分に供給し続けることができる。
【0068】
図11および図12を参照して特定の実施の形態を説明すると、第1の複数の流体導管18は、少なくとも一対の隣接する導管の間に厚い水かき様ブロック100を有している水かき付きチューブ98のセットである。少なくとも一つの干渉リブ94が、第1の複数の流体ポートの少なくとも一対の隣接する流体ポート間に形成されている。厚い水かき様ブロック100は、水かき付チューブ98のセットが第1コネクタ12に対して不適切な向きの場合、干渉リブ94と整列する。従って、干渉リブ94は、不適切な向きの流体導管の第1コネクタ12への取り付けを防ぐ。同様に、第2の複数の流体導管22にも、不適切な向きの流体導管の第2コネクタ14への取り付けを防ぐために、第2コネクタ14内の隣接ポート間の干渉リブに干渉するよう構成した厚い水かき様ブロックを含めることができる。
【0069】
図13を参照する。一実施の形態は、第1コネクタ12が旧いコネクタ部品と結合されるのを防ぐためのキャビティ26内の干渉キー96を有する第1コネクタ12を含む。第2コネクタ14は、干渉キー96のための間隙を含む。図14は、特定の実施の形態の第1コネクタ12が、特定の実施の形態の第2コネクタ13と接続されるのを防ぐための干渉キー96の機能を略図で示す。例えば、第2コネクタ13B内のキースロット98には、第1コネクタ12B内の干渉キー96のための間隙が設けられており、一方を他方に容易に噛合わせることができる。第2コネクタ13Bは、干渉キーを含まない12A等の特定の第1コネクタに噛合うこともできる。第2コネクタ13Aはキースロットを含まないので、第1コネクタ12Bと噛合うことはできない。少なくとも一つの実施の形態では、第2コネクタ13Aは旧のコネクタである。本実施の形態では、第1コネクタ12B等の互換性がないコネクタ内の干渉キー96を用いて、互換性のないコネクタが旧いコネクタに接続されるのを防ぐ。
【0070】
言うまでもなく、本明細書で開示した実施の形態に多様な改変を行うことができる。例えば、本開示のコネクタを、各種の単一または複数のブラダー圧迫スリーブ装置で用いることができ、例えば、出願の全内容を引用して本明細書に組み込まれた2004年2月23日出願の米国特許出願第10/784,604号、発明の名称「圧迫装置」、に記載の圧迫スリーブを含む。従って、上記説明は制限のためと解釈すべきではなく、単に多様な実施の形態の例示にすぎない。当該技術に精通する者は、本明細書に付帯する特許請求の範囲および精神の範囲内で他の改変を想定できよう。
【図面の簡単な説明】
【0071】
新規性があると確信する本開示の目的および特徴を、付帯の請求項で詳細に説明する。更なる目的および利点と併せた操作の体系および手法の両方に関する本開示は、以下に説明する付帯の図面と関連させた以下の説明を参照することにより、最良の理解を得ることができる。
【図1】図1は、本開示の原理による流体導管コネクタ装置の説明のための実施の形態の透視図である。
【図2】図2は、本開示の流体導管コネクタ装置の説明のための実施の形態による第1および第2のコネクタの透視図である。
【図3】図3は、図1に示す説明のための流体導管コネクタ装置の側面部分断面図である。
【図4】図4は、図1に示す説明のための流体導管コネクタ装置の上面断面図である。
【図5】図5は、本開示による説明のための流体導管コネクタ装置内のカップリングポートの前面断面図である。
【図6】図6は、本開示の説明のための実施の形態による流体導管コネクタ装置の側面透視断面図である。
【図6A】図6Aは、図6に示す流体導管コネクタ装置の切断透視図である。
【図6B】図6Bは、図6に示す流体導管コネクタ装置の切断透視図である。
【図7】図7は、本開示による説明のための流体導管コネクタ装置の各種構成要素の組立図である。
【図8】図8は、本開示による流体導管コネクタ装置内の説明のための第1コネクタの各種構成要素の組立図である。
【図8A】図8Aは、図8に示す第1コネクタの代替の実施の形態の透視図である。
【図8B】図8Bは、図8Aに示す第1コネクタの透視図、および図2に示す第2コネクタの代替の実施の形態の透視図である。
【図8C】図8Cは、図8Bに示す第1コネクタ、および第2コネクタの平面断面図である。
【図9】図9は、本開示による説明のためのカップリング接続具の側面図である。
【図10】図10は、本開示の説明のための実施の形態による爪キャビティを含む第1または第2コネクタの上面図である。
【図11】図11は、本開示の説明のための実施の形態による干渉リブを含む第1または第2コネクタの前面図である。
【図12】図12は、本開示の説明のための実施の形態による厚い水かき様ブロックを有する水かき付きチューブの前面図である。
【図13】図13は、本開示の説明のための実施の形態による干渉キーを含む第1または第2コネクタの端面図である。
【図14】図14は、第1コネクタの二つの実施の形態、および第2コネクタの二つの実施の形態の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫装置とともに用いるようになされた流体コネクタ装置であって、前記流体コネクタ装置は:
前記圧迫装置の複数の流体導管と加圧流体源との間の流体連通を容易にする複数の流体ポートが形成されたコネクタであって、前記複数の流体ポートはそれぞれ、流体の流れのために構成した流体オリフィスを画成する、コネクタ;および、
前記流体ポートの一つに配置される弁であって、前記弁は、前記流体ポートと係合するよう動作可能であり、それにより、前記コネクタからの、前記流体ポートに対応する前記圧迫装置の流体導管の抜去が、前記流体ポートの前記流体オリフィスの寸法を縮小する、弁;を備える流体コネクタ装置。
【請求項2】
前記コネクタが、第1の複数の流体ポートを有する第1コネクタおよび第2の複数の流体ポートを有する第2コネクタを含む、
請求項1の流体コネクタ装置。
【請求項3】
前記流体導管を抜去したときに、前記弁は、開位置にある前記弁を有する前記流体ポートの空圧特性を近似するようになされた、
請求項1の流体コネクタ装置。
【請求項4】
前記弁が、前記流体ポートを全閉する、
請求項1の流体コネクタ装置。
【請求項5】
前記第1コネクタが、前記第2コネクタと取外し可能に結合する、
請求項2の流体コネクタ装置。
【請求項6】
前記弁が、バネ負荷プランジャを含む、
請求項4の流体コネクタ装置。
【請求項7】
前記流体ポートが、その中に配置したキャップ部を含み、前記バネ負荷プランジャが前記キャップ部と係合して、前記開位置にあるときの空圧特性に近似した空圧動作を提供するオリフィスを創成する、
請求項6の流体コネクタ装置。
【請求項8】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間の流体シールを容易にするよう配置されたガスケットを更に備える、
請求項2の流体コネクタ装置。
【請求項9】
前記第2コネクタが、それ自体から延びるロッキングアームを含み、それにより、前記ロッキングアームが、前記第1コネクタを前記第2コネクタとともに開放可能に保持するようになされた、
請求項2の流体コネクタ装置。
【請求項10】
前記第2コネクタが、前記ロッキングアームを係合するためのスロットを含む、
請求項9の流体コネクタ装置。
【請求項11】
圧迫装置とともに用いるようになされた流体コネクタ装置であって、前記流体コネクタ装置は:
第1の複数の流体導管に接続するようになされた複数の流体ポートを画成するチューブ状壁を有する第1コネクタであって、前記複数の流体ポートはそれぞれ、流体の流れのために構成した流体オリフィスを画成する、第1コネクタ;
前記ポートの一つはカップリングポートを備え、
前記第1の複数の流体導管の一つは、前記カップリングポートと取外し可能に結合するようになされたカップリング接続具を備え;
前記カップリングポート内に配置した弁であって、前記弁は、前記カップリングポートと係合するよう動作可能であり、それにより、前記カップリングポートからの、前記カップリング接続具の抜去が、前記カップリングポートの前記流体オリフィスの寸法を縮小する、弁;および、
第2の複数の流体導管に接続するとともに、前記第1コネクタと結合するようになされた第2コネクタ;を備える流体コネクタ装置。
【請求項12】
前記弁がバネ負荷プランジャを含み、前記カップリング接続具は、それ自体から延びる係合部を含み、前記カップリング接続具が前記カップリングポートに結合するとき、前記係合部により前記バネ負荷プランジャが変位される、
請求項11の流体コネクタ装置。
【請求項13】
前記カップリングポートが、その中に配置したキャップ部を含み、前記バネ負荷プランジャが前記キャップ部と係合して、前記カップリングポートの前記流体オリフィスの寸法を縮小する、
請求項12の流体コネクタ装置。
【請求項14】
前記カップリング接続具を抜去すると、前記弁が、開位置にある前記弁を有する前記カップリングポートの空圧特性を近似するようになされた、
請求項11の流体コネクタ装置。
【請求項15】
前記弁が、前記カップリングポートを全閉する、
請求項11の流体コネクタ装置。
【請求項16】
前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間の流体シールを容易にするよう配置したガスケットを更に備える、
請求項11の流体コネクタ装置。
【請求項17】
前記第1コネクタが、それ自体から延びるロッキングアームを含み、それにより、前記ロッキングアームが、前記第1コネクタを前記第2コネクタとともに開放可能に保持するようになされた、
請求項11の流体コネクタ装置。
【請求項18】
前記第2コネクタが、前記ロッキングアームを係合するためのスロットを含む、
請求項17の流体コネクタ装置。
【請求項19】
圧迫装置とともに用いるようになされた流体コネクタ装置であって、前記流体コネクタ装置は:
第1の複数の流体導管と流体連通する、それ自体に形成した第1の複数の流体ポートを含む第1コネクタであって、前記複数の流体ポートはそれぞれ、流体の流れのために構成した流体オリフィスを画成する、第1コネクタ;
第2の複数の流体導管と流体連通し、それ自体に流体連通する複数のカップリングを備える第2コネクタ;および、
前記第1コネクタの前記流体ポートの一つに係合するための前記第1コネクタ内の制限手段であって、前記第1コネクタからの対応する流体導管の抜去が、前記対応する流体ポートの前記流体オリフィスの寸法を縮小することで、前記流体ポートの所望の空圧特性に近似する、制限手段;を備える流体コネクタ装置。
【請求項20】
前記弁が、前記流体ポートを全閉する、
請求項19の流体コネクタ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−522890(P2007−522890A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554297(P2006−554297)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【国際出願番号】PCT/US2005/005599
【国際公開番号】WO2005/083313
【国際公開日】平成17年9月9日(2005.9.9)
【出願人】(501100342)タイコ・ヘルスケアー・グループ・エルピー (20)
【氏名又は名称原語表記】Tyco Healthcare Group LP
【住所又は居所原語表記】15 Hampshire Street,Mansfield,Massachusetts 02048,United States of America
【Fターム(参考)】