説明

流体採集用デバイス

本開示は、流体採集用のデバイスを対象としている。このデバイスは2つのパネルを有することができ、該2つのパネルは、可撓性の壁を有する採集バッグの対向する側部に接着される、取り付けられる、または接続される、あるいはそのようにすることができる。このパネルを利用することで、採集バッグを簡便に膨張または収縮させ、流体試料を入手することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本特許出願は、35 U.S.C.第119の下、2010年2月16日に提出された米国仮特許出願第61/305,001号に対する優先権を主張しており、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明の実施形態は、流体の採集を対象としており、より詳細には採集バッグと呼ばれる、可撓性の壁を備えた容器を使用した空気の採集に関する。さらにこの採集バッグの実施形態は、採集バッグの外側に取り付けられたパネルを備えることができる。パネルはさらに、手によって採集バッグを膨張および収縮させることができるように構成されたハンドルを備えることができる。
【背景技術】
【0003】
従来の流体用の容器は恐らく、剛性の壁または可撓性の壁を有している。剛性の壁を有する容器は、流体を収容するために規定された不変の容積を有しており、可撓性の壁を有する容器は、可変のまたは変更可能な容積を有する。従来の容器には、これに限定するものではないが、瓶、キャニスタおよびバッグが含まれる。このような容器は様々な目的で使用することができ、この目的には、流体試料を入手し保持すること、および分析用の装備を較正するのに使用され得る標準的な気体混合物を収容することが含まれる。本明細書で使用されるように、「流体」との用語には、気体および/または液体が含まれる。特定の用途のために開発され特化されてきたこのような容器には多くの構成がある。
【0004】
加圧下にある気体混合物は、標準的な流体混合物を、産業用の量で、好ましくはキャリア流体中の比較的高濃度の1つ(または複数)の成分を使用して準備するのに有効である。高圧下の気体混合物は典型的には、剛性の壁を有する容器の中に保管される。研究所で使用する場合、このような気体混合物は、特定の成分が所望される濃度になるまで他のキャリア流体によって希釈され、標準的な混合物を準備することができる。このような標準的な混合物を搬送、保存および利用することを目的とした従来の容器は、自力では動かない、浸透性の低い材料でできた可撓性の壁を有する容器であってよい。中に含まれる構成要素のために壁に使用される吸着性の低い材料は、この混合物の完全性を高めるのに好ましい。可撓性の壁を有する容器は、採集バッグとも呼ばれ、流体の採集、空気の採集および液体の採集に広く使用されている。カフナー(Kynar)やテドラー(Tedlar)などの材料が、このような容器を作製するのに広く使用されている。
【0005】
代表的な試料を得るため、あるいは正確な標準的な混合物を準備する目的で、容器を充填する前に適切に準備を整える必要がある。典型的にはバッグは、中性ガスで洗われ、強力な真空ポンプを使用して高真空を受けることで、実質的に全ての流体を容器から取り出す。バッグを一掃し、洗い流すことで、いかなる残留物も脱離させるべきであり、その容積は、略ゼロまで縮小すべきである。何らかの吸着した残留物または残留ガスが、任意の準備された流体混合物を、あるいは準備が不十分なバッグの中に置かれた流体試料を汚染する恐れがある。
【0006】
剛性の壁を有する容器と可撓性の壁を有する容器には、それぞれ独自の利点と欠点がある。剛性の壁を有する容器の欠点は、それらが極めて高額であり、メンテナンスに費用がかかること、すなわちそれらが大きくて扱いにくいことから容器を保管、搬送および郵送するコストが高くなるため、ガス蒸気または気体混合物を送り届ける必要がある場合、それらを過剰に加圧し、流体採集に使用する前に完全に真空状態にする必要があることである。
【0007】
剛性の壁を有する容器による採集作業の別の欠点は、容器から試料の一部を取り出した後、キャニスタ内の圧力が大気圧を下回るまで下がる可能性があり、別のキャリアガス(例えば希ガス)を追加して、大気圧に戻るまで圧力を上げることがある点である。この工程は、試料や標準的な混合物を希釈し、分析するには、この追加のキャリアガスを補償する必要がある。
【0008】
剛性の壁を有する容器を充填する1つの方法は、容器の中に真空状態を形成することである。流体を容器の中に押しやる力は、この真空状態によって形成される。小さな採集ポンプでは、容器の中に十分な真空状態を形成することができないため、強力な特化された真空ポンプが必要となる。
【0009】
剛性の壁を有する容器の代替形態は、可撓性の壁を有する容器またはバッグである。可撓性の壁を有する容器の場合、2つの充填方法が知られており、広く利用されている。(OSHA技術マニュアル−指示番号:08−05(TED 01),有効期日6/24/2008)。
【0010】
最初の方法は、流体または流体試料、例えば産業用の周囲空気を、外部ポンプによってバッグの中に送るステップを含む。この方法の概略が、図8に表されている。この採集方法には、バッグ40と、バッテリ52によって動力を与えられるポンプ50と、ポンプ50とバッグ40をつなぐ配管44が含まれる。典型的な個人向けの採集ポンプが、この採集方法に適している。
【0011】
標準的な流体混合物の準備または試料採集をするのに、バッグを利用することができる。標準的な流体混合物を準備する場合、バッグは先ず、適切な測定済みの量のキャリア流体によって満たされる。典型的には図8に示されるように、ポンプまたは注射器によって汚染のないキャリアガスが一定量の流体に添加される。試料採集するために使用される場合、特定の環境の試料が、ポンプおよび配管を介してバッグの中に送られる。バッグはその後密閉され、分析するために研究所に送られる。
【0012】
採集バッグによるこの方法を使用するには、利点と欠点がある。欠点には、コスト、不正確性、および外部ポンプを使用して流体混合物を送達し回収することによる汚染の可能性が含まれる。汚染または不正確性は、管の壁、ポンプの内部、フィルタ、配管および接続部にある気体混合物や試料の何らかの化学物質や成分が吸着および脱着することから生じる可能性がある。採集バッグの壁にある化学成分からも同様の問題が起こる。壁を洗浄したとしても、採集バッグをその後取り外し分析してみると、壁の能動的に吸着する箇所により、特定の化学物質の濃度が下がっている場合がある。このような吸着により、特定の化学成分の回収が15%まで低下する場合もある。この方法の回収率は、特に微量成分の試料採集の場合、高額な固定されたポンプと接続管を利用することによって改善させることができる。
【0013】
これらの方法はまた、異なる構成のポンプとこの採集バッグを使用することによって改善させることもできる、図9に示されるこの構成では、可撓性の採集バッグ40は、剛性の壁を有する外側容器60の中に気密式に密閉されている。外側容器からの空気は、ポンプ50によって配管44を介して汲み出される。ポンプには、バッテリ52によって動力を与えることができる。外側容器60の圧力が下がりバッグ40が拡張する際、周辺環境からバッグ40の中に空気が進入する。したがってバッグ40の外側、かつ容器60内の真空状態が、流体を採集するための原動力である。図9に示される実施形態では、採集バッグの入り口は、周囲の流体と直接つながっている。この方法は、図8に示される構成の主だった欠点の1つは受けない。図9の構成において入手した試料は、ポンプ50や配管44と接触していないため、配管44の壁、接続部、フィルタまたは採集ポンプ50の部品に吸着しないし、そこからの相互汚染もない。しかしながら図8の構成の他の欠点は、図9の代替の構成にも依然として残っており、例えばこの構成要素が大きくて扱いにくく、重たいこと、装備が高価であること、ポンプにバッテリが必要であり、頻繁なメンテナンスが必要であること、バッグの壁に対する吸着は、上記に記載されるものと同様であるということである。
【0014】
このような方法の種々の実施形態は、米国特許に記載されている。例えば特許文献1は、試料と不活性ガスが、気密式に密閉された容器の中の採集バッグに吸い込まれるシステムを記載している。特許文献2は、外側容器の構造の改良を記載している。特許文献3は、外側容器の中にある採集バッグを何度も一掃する方法を記載している。より高度になったデバイスが、特許文献4に開示されている。このデバイスは、極めて低い汚染レベルで試料を入手するために、システムの欠点を克服することに努めている。特許文献5は、この手法の汎用性を証明する液体を収集するための装置を記載している。もっと最近では特許文献6は、さらに外部の真空源に接続された1つのデバイスに組み込まれた装置を使用することを記載している。この方法によって提示される清浄度にも関わらず、この装置もまた重たく、大きくて扱いにくい高価な設備を使用するため、較正と、バッテリのメンテナンスの必要がある。
【0015】
特許文献7に、試料採集工程でポンプを使用することを避ける試みが開示されている。この特許は、大気空気試料を収集してその後で分析するための小さな(10ml)封筒状の袋を開示している。この袋は、ガスを通さない可撓性材料でできた第1および第2の対向するパネルで形成されており、これらのパネルは、周囲を密閉されることで収集チャンバを画定している。この袋は、例えば渦巻きバネまたは発泡樹脂製品などの拡張可能手段を中に収めている。この拡張可能手段が、保護板と大きな隔壁を介して壁に力を伝達する。これらの袋には、いくつかの欠点がある。例えば拡張可能手段は、試料採集された流体と接触することで、内部要素、すなわちばね、または特に任意の発泡樹脂製品による吸着の可能性が増す。さらに拡張可能手段は、袋の内容物を完全に排出するのを阻止する。このように吸着する表面積が大きいことにより、容認できる回収率と正確性で、高濃度の化学成分のみを試料採集することができる。さらに袋は再利用することができず、その理由は、袋を清浄するためにその採集容積を数回洗い清める必要があるが、袋の自動密閉式の隔壁によって、このような措置が不可能であるためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第3,866,474号
【特許文献2】米国特許第3,965,946号
【特許文献3】米国特許第5,437,201号
【特許文献4】米国特許第5,714,696号
【特許文献5】米国特許第6,338,282号
【特許文献6】米国特許第6,993,985号
【特許文献7】米国特許第4,546,659号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、外部の手や電気ポンプなしで、ならびに接続管もなしで採集バッグを利用することができるデバイスに対する要望がある。また迅速なグラブ採集や、採集バッグの連続する素早い往復動作/洗い流しが可能であることにより、バッグの壁における吸着の均衡状態を可能にするデバイスに対する要望もある。さらに採集を簡素化することで、最小限の訓練を受けたスタッフが、適切に利用し、産業衛生的な採集を行なうことができるデバイスに対する要望がある。費用が安く、製造しやすく、多様な用途のために設計されたデバイスを、特別に設計された採集バッグと従来の採集バッグの両方と一緒に使用することができ、軽量で、扱いやすく、手によってまたは自動的に作動し、搬送しやすくおよび/または本質的に安全であるデバイスに対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の実施形態は、採集バッグを充填し、かつ空にするためのデバイスを対象としている。デバイスの実施形態は、採集バッグを拡張させる機械的な手段を備えることで、採集されるべき環境に対して低下した採集バッグの内部の圧力を形成する。採集バッグが拡張することで、採集すべき流体がバッグを満たすための原動力を形成する。デバイスの実施形態は、従来の採集バッグ、またはこのデバイスの実施形態のために特別に設計された採集バッグを利用することができる。
【0019】
デバイスの実施形態により、相対的に迅速なグラブ採集および簡便な流し洗いが可能になることで、採集された空気の汚染物質の壁面での均衡状態を実現する。デバイスの別の実施形態は、採集システムのための採集バッグと共に使用することができ、この採集システムによって、ポンプおよび配管など追加のデバイスが全く必要としない採集が可能になる。デバイスの別の実施形態は、折り畳むことができることにより、採集バッグを保存、出荷および/または搬送するための箱を形成するフラップを備える。デバイスの別の実施形態を使用して自動採集をすることもできる。
【0020】
本発明によると、採集デバイスの一実施形態は、従来の市場で入手可能な採集バッグと同様の用途が意図されている。デバイスの実施形態は、2つの面を有する。デバイスの各々の面は、採集バッグの対向する側部に取り付けることができる。一実施形態において、採集デバイスは、略矩形の蝶番式に留められたパネルを備えており、各々のパネルは、採集バッグの外側の面の一側部に接着する、取り付ける、あるいは接続することが可能な内側の面を有する。いくつかの実施形態において、パネルの内側の面は、採集バッグの壁に取り外し可能に接着されるが、特定の他の実施形態では、採集デバイスは、採集バッグと一体式である、あるいは採集バッグに直接内蔵される場合もある。
【0021】
採集バッグの2つの対向する側壁は、締め付け具のパネル上に設置された係合手段と一時的に係合される。締め付け具が閉鎖される際、バッグは、容積が略ゼロになるまで絞られ、締め付け具が開放される際、壁が離れるように引っ張られて、採集バッグの中に適度な減圧状態または真空状態を形成する。採集バッグが大気に対して開放される場合、採集バッグが拡張することで、採集バッグの内部空間に空気を引き込むことができる。いずれの実施形態でも、パネルがハンドルを有することで便利になる。
【0022】
別の実施形態では、採集バッグは2つのパネルを備えており、パネルの内側の面が蝶番式に留められることで、この内側の面は採集する間略平行に、または平行に近くなる。平行な関係により、典型的な従来の採集バッグを最大限に拡張することができるが、採集デバイスの実施形態は、採集する間平行にならない内側の面を備えるパネルを有する場合もあり、あるいは採集デバイスの実施形態が、デバイスが閉鎖位置にあるときに限って平行になることで、採集バッグの排気を促進するパネルを有する場合もある。
【0023】
採集バッグの壁が、採集デバイスのパネルに十分に接着される、取り付けられる、あるいは接続されることができ、それによって、パネルを互いから離れるように付勢することが、採集工程中に採集バッグを膨張させる。パネルの表面が採集バッグの壁に一時的にまたは取り外し可能に接着される採集デバイスの実施形態において、パネルとバッグの壁の接着力は、採集バッグでの圧力の低下によって形成される対向する力より大きくなくてはならない。圧力の低下は、これに限定するものではないが、例えば、入り口のサイズ、流体の密度、パネルに加えられる力などを含めた様々な力に左右される。手で使用するように設計された採集デバイスの実施形態では、操作者は、締め付けパネルに対する引っ張る力および/または速度を制御することで、採集作業を行ない、採集する間バッグの壁を締め付けパネルに取り付けたまま維持することができる。例えば、パネルとバッグの壁との間の接着力は、以下の手段の1つによって提供されてよい。
− 一時的な接着剤、例えば、それぞれのパネルの少なくとも一部が採集バッグの対向する壁の一部に一時的に接着することができる一時的な接着剤、
− パネルの内側の面に配置される真空吸着カップ、
− 面ファスナ式の連結具、この場合、面ファスナの一部または片方が、パネルの内側の面に取り付けられ、反対の部分がバッグの壁に接着される、
− 一時的または恒久的な接着スプレー、
− 水溶性の接着剤、これに限定するものではないが熱可塑性の水溶性接着剤、
− 機械的な連結具、
− 圧力感知式接着剤および
− 2つの接触面、すなわちパネルとバッグの表面にある磁気材料(例えば磁気フォイル)。磁気フォイルは、例えば両面接着剤によって、恒久的に(特別に設計されたバッグに)あるいは使用する直前に(例えば典型的に利用可能な採集バッグと共に)、パネルの表面および可撓性の採集バッグの壁に恒久的または一時的に接着させることができる。
【0024】
パネルの表面に採集バッグを接着する、取り付けるあるいは接続する何らかの方法は、取り付けられたバッグの壁を十分に保持することで、パネルを互いから離れるように動かしたときに、バッグの中に空気を押しやる適度な原動力を形成すべきである。特定の実施形態において、採集デバイスが実質的に剛性のパネルを備える場合がある。本明細書で使用されるように、「実質的に剛性」とは、パネルを離すように引っ張ることで、採集バッグを十分に収縮させずに膨張させ、一緒に押すことで採集バッグを略空にすることができることを意味する。
【0025】
採集デバイスの別の実施形態は、採集バッグの可撓性の壁に少なくとも1つのスロットがある、あるいはチャネルがこの壁に内蔵されている採集バッグを有しており、それによって、採集デバイスを採集バッグに機械的に取り付ける。採集デバイスが、採集バッグのスロットまたはチャネルに挿入する少なくとも1つのタブまたは鋭く尖った先を備える場合もある。他の実施形態では、採集デバイスが、少なくとも1つのスロットまたはチャネルを備える接着パッチまたはラベルを備える場合もある。この接着パッチまたはラベルはその後、採集バッグに取り付けられることで、採集バッグにある少なくとも1つのスロットまたはチャネルを採集デバイスに接続することができる。例えばパッチまたはラベルが、波形の部分を備えることもあり、その後パッチまたはラベルを採集バッグの各々の側に接着させることができる。この実施形態では、この波形の部分がチャネルを画定しており、採集デバイスは、この波形に一致する同様のピッチまたは空間を歯の間に有する一連の鋭く尖った先を備えることができる。採集バッグを使用する前に、フォークの歯が、波形のパッチまたはラベルに係合し、パネルが離れるように付勢される際、バッグの壁に引っ張る力または膨張させる力を伝達する。
【0026】
採集デバイスの実施形態はまた、自動採集デバイスとして構成することもできる。自動採集デバイスの実施形態は、採集バッグの壁を付勢するための手段を備える。例えば自動採集デバイスの一実施形態は、弓形の2つの矩形のパネルを備える場合がある。この実施形態では、パネルは、互いに対して隣接するように配置される際、実質的に円筒形の壁に似ている。2つのパネルは、略平行な位置になるように一緒に押すことができ、その後、付勢手段が採集バッグを開放させ膨張させることができるいかなる形状でもよい。特定の実施形態において、自動採集デバイスのパネルは、採集バッグの壁を離れるように付勢する形状記憶性を有する材料を有する。他の実施形態では、自動採集デバイスは、平坦なパネルと特定のばね、すなわちコイルばね、板ばね、空気圧シリンダ、またはばね力を及ぼすことでパネルを互いから離れるように付勢する他の付勢手段を備えることができる。
【0027】
形状記憶性を持つ材料を有するパネルの実施形態では、採集デバイスは、一端が蝶番式に接続された2つのパネルを備えることができる。パネルの他端は、蝶番式に留められる場合、蝶番式に留められない場合、接続される場合、あるいは接続されない場合もある。このような実施形態の断面は、略円形または楕円形あるいは半円または半楕円形に似ている場合がある。いくつかの実施形態において、パネルの少なくとも中心部は、バッグの側壁と一時的に係合するための手段を有する。一定の力が加えられると、2つのパネルが互いに近づくように押されて、ほとんど平らな形状になる。この力が解放されると、パネルの付勢手段、弾性力または形状記憶性により、パネルはその元の断面形状に戻される。パネルに対する付勢力によって採集バッグの壁が一緒に押されると、パネルはその後、バッグの壁を離れるように付勢し、適度な減圧状態を形成することで、流体がバッグに進入するための十分な原動力を形成する。
【0028】
自動採集デバイスの特定の実施形態において、一緒に押される際のパネルの表面積は、採集バッグの外側の表面積より十分に大きい。さらにパネルの一端が、他のパネルに取り外し可能に蝶番式に留められ得ることで、採集した流体によって装填した後、バッグを取り外すことができる。
【0029】
自動採集デバイスの別の実施形態は、ばね付勢式のパネルを備えることができ、このばね付勢式のパネルは、一側部をヒンジによって接続され、もう一方の側部は、例えば記載したような付勢手段によって、あるいは手による付勢力によって隔てることができる。そういうものとして、デバイスは、2つのパネルを備えることができ、該2つのパネルは、ヒンジ、一側部がヒンジを備え、且つもう一方の側部がばねを備える組み合わせ、あるいは、両側部がばねを備える組み合わせ、によって接続された2つの対向する側部を備えることができる。
【0030】
蝶番式に留められたパネルと、入り口ポートと、自動採集のための付勢手段とを備える採集デバイスの一実施形態はさらに、長期の採集システムとして想定される場合もある。長期間の採集の場合、入り口ポートが、制御可能な空気力学的抵抗管または制限装置として設計される、あるいは入り口ポートをそれらに接続することができる。このような設計の場合、バッグ内に引き込まれる最大流量を調節することができ、確実に実質的に繰り返し可能な量を採集期間にわたって引き込むことで、採集作業を再現可能なものにすることができる。
【0031】
採集デバイスの別の実施形態は、両側部に半剛性の材料でできた恒久的に設置されたパネルを有する採集バッグを備えている。典型的な一実施形態において、パネルの形状は略矩形(但しパネルはいかなる形状であってもよい)であり、そのサイズは、平らになったバッグのサイズよりわずかに大きくてよい(但しパネルは、採集バッグを膨張させ、略収縮させることができるいかなるサイズであってもよい)。
【0032】
特定の一実施形態において、各々のパネルの少なくとも中心部は、適切な接着剤によって可撓性の採集バッグの側部に恒久的に接着される。接着箇所のサイズは、1つのバッグの表面積のおよそ1/3であり得るが、所望により変えることもできる。パネルは、パネルを互いから離れるように付勢する手段、すなわち柔らかな材料でできたハンドルを備える場合があり、および/または折り畳み可能で収縮可能な事前に切り取られたハンドルを有する場合もある。パネルはさらに、箱構造を形成することができる折り畳み可能な延長部を備える場合もある。この延長部を折り畳むことで、箱を形成し、バッグを簡便に保存、搬送および/または出荷することができる。延長部は、帯状の接着材料構造を有することで、この箱を安定させることができる。
【0033】
流体処理用デバイスの実施形態の他の態様および特徴は、本発明の特定の例示の実施形態の以下の記載を図面と併せて再検討すれば、当業者に明らかになるであろう。特定の実施形態および図面に関連して特徴を考察することができるが、全ての実施形態は、本明細書で考察される特徴の1つまたは複数を含むことができる。1つまたは複数の特定の実施形態が特定の有利な特徴を有するように本明細書で考察される場合もあるが、このような特徴はそれぞれ、(このように統合することが、その他の特徴と適合しない場合は除いて)本発明の種々の他の実施形態に組み込むこともできる。同様にして、例示の実施形態は、以下で考察され得るが、このような例示の実施形態を多様なシステムおよび方法で実施することができることを理解されたい。さらに「CONTAINERS FOR FLUIDS WITH COMPOSITE AGILE WALLS」というタイトルの米国特許出願が、同一の発明者等の名前で2011年2月16に提出されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1A】内側面にくっつく手段を備えた簡素な2つの部品の締め付け具の、バッグが平らな位置にある図である。
【図1B】内側面にくっつく手段を備えた簡素な2つの部品の締め付け具の、バッグの一部が充填された位置にある図である。
【図1C】内側面にくっつく手段を備えた簡素な2つの部品の締め付け具の、バッグが完全に充填された位置にある図である。
【図2】補助プレートを備えた締め付け具の、採集バッグの対向する壁を互いに対して平行に保つことで一部が充填された図である。
【図3A】採集バッグに取り付けられた自動開放式の円筒形の締め付け具の側面図である。
【図3B】採集バッグに取り付けられた自動開放式の円筒形の締め付け具の斜視図である。
【図4A】略同一の内部の採集容積を有する空気採集バッグの、ポンプを介する圧力によって満たされた図である。
【図4B】側部プレートを有する空気採集バッグが、そこに取り付けられた手段、すなわちハンドルまたは延伸締め付け具によって側壁を延伸させ、波形の部材に係合することによって装填される図である。
【図5A】側部が組み立てられたパネルを有する発明によるデバイスであり、両側部に剛性および/または可撓性の面と、折り畳み可能なハンドルを備えた採集バッグに対する発明によるデバイスの図である。
【図5B】デバイスと、手によってそれぞれの側から両方のハンドルを係合させる方法の図である。
【図6A】側部面を離れるように移動させることによって採集する工程であり、入り口を開放させ、空気を吸い込むことで貯留を開始する図である。
【図6B】バッグが完全に装填され、入り口を閉鎖すべき図である。
【図7A】ハンドルを閉鎖した状態で採集バッグを装填する方法であり、ハンドルが中に引っ込められ、入り口が閉鎖された図である。
【図7B】出荷または保存のために、可撓性バッグの側部の2つの対向する縁部が、押しつけられてテープが貼られる図である。
【図8】グラブ採集の工程であり、最終的な採集のための往復動作の前に、採集バッグの装填作業と空にする作業を複数回往復動作させることより、採集バッグを完全に一掃する図である。
【図9】採集後、出荷するための箱を形成することができる、2つの延長式であり折り畳み可能な面を備える採集バッグの図である。
【図10A】最先端の採集作業の図式であり、採集ポンプが採集バッグを充填する図である。
【図10B】採集バッグを収容する気密式の箱から空気を引き出す採集ポンプの図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
採集デバイスの実施形態は、採集または他のバッグの膨張および収縮を助けることができる2つのパネルを備えている。採集デバイスの一実施形態が、図1に示されており、この採集デバイス10は、頂部パネル11と底部パネル13とを備えている。この実施形態では、頂部パネル11及び底部パネル13は、略矩形の形状を有しており、採集バッグ40の表面のほとんどの部分を覆うのに十分な面積を有する。頂部パネル11及び底部パネル13はそれぞれ、蝶番式接続部16に回転可能に取り付けられたそれら端部のうち一端を有する。頂部パネル11及び底部パネル13の他端は、ハンドル19として成形されることで、手で操作しやすくなっている。採集デバイスの他の実施形態は、他のハンドル設計を有するパネルを備える場合もある。回転可能に接続された頂部パネル11及び底部パネル13の内側の面は少なくとも部分的に接着手段30を備え、該接着手段30は、採集バッグ40の1つの面に対して少なくとも一時的に接着することができる。接着手段30の材料は、これに限定するものではないが、恒久的な接着剤、一時的な接着剤、例えば採集バッグ40の壁面などの滑らかな面を有する材料に接着し、パネルに取り付けることができる多数の小型の真空吸着カップ、頂部パネル11および底部パネル13と、採集バッグ40の両側の壁に設置された平坦な磁気材、ならびに他の接着剤または連結器、あるいはこのような接着剤と連結器を組み合わせたものを含めた群の1つから選択することができる。採集デバイスの実施形態のパネルの形状およびサイズは、採集バッグの形状およびサイズに一致するまたは適合するのに望ましい任意の形状および/またはサイズでもよい。例えば、パネル11及びパネル13の表面積は、採集バッグの表面積よりわずかに大きくてよい。パネルは、採集付勢バッグの外形と一致しても、一致しなくてもよく、それでも採集バッグより小さな面のパネルが使用される場合もあり、例えば採集バッグを真空にするあるいは折り畳むことによってバッグが予め平らになっている場合、あるいは採集バッグが十分に堅いまたは剛性の壁を有する場合、パネルはこれより小さくてよい。本明細書で使用されるように完全にまたは略収縮された採集バッグの容積は、完全に膨張させた容積の5%未満である。この残りの容積は、バッグが洗浄される、十分に一掃される、あるいは使用する前に事前に洗浄(採集バッグを再利用するための標準的な採集処置として)されれば、ほとんど無視することができる。
【0036】
図1の実施形態における接着手段の位置は、接触ラインである。この実施形態の接着手段は、全体のパネルの面および採集バッグの面と比べてかなり小さなパネルの面積を占めるが、その理由は、膨張した/装填された位置では、バッグ40と頂部パネル11および底部パネル13の接触領域は、平らになった位置よりも小さくなるためである。一般的なケースにおいて、この面積は、例えば、平らになった採集バッグ40の側壁の総面積のおよそ1/3の範囲であってよい。
【0037】
図2には、採集デバイスの別の実施形態が示されている。図2の採集デバイス10は、底部パネル13に対して幾分平行して留まるように、頂部パネル11に対する蝶番式接続部17を備える補助の接続プレート18を備えている。特定の成形されたバッグの場合、採集デバイスが蝶番式接続部17を備えることで、採集バッグ40をより完璧に装填するおよび/またはそこから流体を取り出すことができる。頂部の補助プレート18ならびに底部パネル13の接触面は、接着手段を備えている。図1および図2に示される採集デバイスの実施形態は、従来のまたは標準的な採集バッグ、あるいは特別に設計された採集バッグと共に使用することができる。
【0038】
採集デバイスの実施形態は、取り外し可能および/または交換可能なパネル、あるいは1セットの取り外し可能および/または交換可能なパネルを備えることができる。セットになったパネルは、異なるサイズ、異なる形状であってよく、あるいは異なる接着剤を含むことができる。例えば、ある実施形態は、多種多様なサイズのパネルのキットを含むことができ、それによって、パネルを交換することができ、所望される採集バッグのサイズにさらに適合させることができる。例えば、小さめのパネルを取り外し、採集バッグの可撓性の壁の表面積より表面積が大きいパネルで置き換えることができる。図1および図2に示される採集デバイスの実施形態は、操作者の手によってだけではなく、これに限定するものではないが、おもり、ばね、電気モータ、または記載される他の付勢機構などの他の付勢手段によって互いから離れるように移動させることができる。
【0039】
図3には、採集デバイスの別の実施形態が示されている。図3の採集デバイス10は、2つのパネル、すなわち頂部パネル12及び底部パネル14を備えており、これらは、形状記憶性を有する可撓性の材料から作製されている。本発明の実施形態は、円筒形、楕円形、円の一部または楕円形の一部などの一般的な形状の断面形状を有することができる。このようなパネルの可撓性の材料は、これに限定するものではないが、プラスチック、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエステル、多層構造の複合プラスチック、金属、アルミニウム、ステンレス鋼合金、スチール合金、真鍮合金、及び青銅の合金を含む群から選択することができる。頂部パネル12及び底部パネル14は、枢動式に接続された1つまたは2つの側部を有することができる。採集デバイスの特定の実施形態は、パネルに枢動式に接続された一端を有するパネルを備え、該パネルの他端が、解放可能な蝶番式接続部を備えている。例えば、解放可能な蝶番式接続部はピンを備えることができ、このピンを挿入することで蝶番式接続部を形成し、このピンを取り外すことで蝶番式接続部を解放することができる。他の実施形態では、頂部パネル12及び底部パネル14の両端が接続されない場合、あるいは解放可能な蝶番式接続部を備える場合もある。図1および図2に示される実施形態で既に考察されているように、頂部パネル12及び底部パネル14がそれぞれ、採集バッグに接続される場合もある。
【0040】
図3の採集バッグ40は、パネルが手によって、または他の付勢力によって強制的に略平らにされる際、頂部パネル12と底部パネル14との間に形成された空隙において平らにすることができる。いくつかの実施形態において、この力を利用して、採集バッグを頂部パネル12および/または底部パネル14ならびに接着手段30に同時に接続し、採集バッグを圧縮する、収縮する、または平らにすることができる。採集作業を行なうために、入り口キャップまたは採集弁60(図3−B)が、開放され、外部からの力が解放される。この時点で、パネルに対する弾性力、または形状記憶力、または他の付勢力が、採集バッグの壁を膨張した、すなわち開放位置へと引っ張る。このような付勢力によって、減圧状態を利用して小さな空間が最初に形成される。環境に対するこのような減圧状態は、流体が入り口または弁60を通って流れ、バッグを膨張させ始めるための原動力である。頂部パネルと底部パネルは、離れるように移動し続け、その後バッグが充填されたときに停止する。採集バッグの容積は、プラスチックの帯または同様の止め具などの機械的な止め具、形状記憶パネル12と14の完全に離れた位置、付勢手段の形状の長さまたは形状、あるいは採集バッグまたは採集デバイスの他の機械的な制限によって制限することができる。したがって、このデバイスは自動採集デバイスを形成し、この自動採集デバイスは、長期間または長いサイクルにわたって充填することができ、このサイクルの採集時間は、付勢力、空気力学抵抗ならびに/あるいは入り口ポートまたは弁60を通る流体の流れによって主に制限される。弁が、異なる空気力学抵抗の間で切り替えられるので、採集時間は、短い採集期間から長い採集期間まで変えることができる。採集時間は、パネルの付勢手段ならびに/あるいは採集入り口または弁の設計によって制御可能であるため、極めて短い時間(グラブ採集)から、15分、30分、1時間、8時間または数日間、あるいは他の所望される採集時間まで変えることができる。
【0041】
短時間の採集のために、あるいは図10に示される長期間の採集のためにバッグを充填するのに使用される従来技術のシステムと比べて、本発明によるデバイスは、かなり軽量であり、簡素で費用も安い。
【0042】
採集デバイスのさらに別の実施形態が、図4−Bに示されている。この採集デバイス40の実施形態は、採集バッグの壁の表面積より小さな表面積の頂部パネル34を備える。いくつかの実施形態において、採集デバイスは、ただハンドル19を採集バッグ40に取り付けるのに十分なパネル34を備えることができる。他の実施形態では、ハンドル19を採集バッグに直接取り付ける場合もある。このような設計では、バッグは、例えば入り口60を真空源に接続することによって収縮させることができる。その後バッグは、必要になるまで、収縮状態で簡便に保管することができる。次いでこの採集デバイスを使用して、単に入り口60を開放し、1つのハンドル19、または適用可能であれば複数のハンドル19を引っ張ることによって、試料を獲得することができる。このような一実施形態により、小さな空間に保管されるといった独自の特性が採集バッグに与えられ、採集目的に必要とされる場合、他の装置や、配管を備えた複雑なシステムなどがなくても容易に使用することができる。
【0043】
採集デバイスの特定の実施形態では、パネル34は、図1および図2に関して考察したフォーク状の手段によって係合することができる内側チャネルを有する波形の材料から作製される場合がある。採集デバイスのさらに別の実施形態が、図5Aおよび図5Bに示されている。採集バッグは、図5Aに示されるように、2つのパネル36の間で平らにすることができる。パネル36の中に折り畳み可能なハンドルが事前に切り取られており、このハンドルは図5−Aに示されるように容易に持ち上げることができ、その後図5−Bに示されるように手によって係合させることができる。グラブ採集の場合、入り口60は、完全に開放することができ、図6の6−Aおよび6−Bに示されるように標的とする流体によって適切に満たされるまで、ハンドル19を引っ張ることによって採集バッグ40を充填することができる。その後ハンドル19は、図7−Aに示されるように、折り畳んで平らにされ、図7−Bに示されるように、その両側部を互いに向けて押され、テープ、クリップまたは他の手段によって縁部が固定されることで、保管または出荷するために、特定の袋に挿入しやすくすることができる。採集バッグの実施形態は、採集バッグの壁に直接内蔵されるこのようなパネルを含むことができる。
【0044】
グラブ採集の場合、先に述べたように、バッグの内部容積が一掃され、内側の壁が、採取した流体中の標的とする物質と略均衡状態になるまで、図8に示されるように、採集バッグを膨張および収縮させることによって複数回洗い流すことができる。これにより、従来技術のデバイスによる一回のみの採集吸引による85−90%の回収率と比べて略100%の回収率を達成するという独自の機能が採集デバイスに与えられる。
【0045】
別の実施形態が図9に描かれており、この実施形態は、採集後に側部パネル36の延長部を使用することで、試料の長期間の保管または出荷に便利な剛性の壁の箱を形成することができるという概念の汎用性を実証する。
【0046】
本発明によるデバイスの実施形態は、従来の採集バッグおよび採集方法と比べて多くの独自の機能を有しており、この採集バッグの実施形態は、以下の特徴の一部または全てを有する。
− 採集バッグから流体を追い出す、または採集バッグに流体を充填するのにいかなるタイプのポンプも必要ない。
− バッテリのチャージやメンテナンスが必要ない。
− ポンプの較正が必要ない。
− 操作が極めて簡単であり、特別の指示や資格が必要ない。
− 採集工程の費用が安い。
− 製造コストが安い
− 採集する際の回収率が高く、100%に近い。
− 実質的に壁の外側のラインやポンプの内側への吸着がない。
− 実質的に相互汚染がない。
− 実質的に採取した量の全てを利用することができる。
− 採集が簡便である。
− 長期の採集時間にわたる自動採集が可能である。
− 採集システムを簡単に持ち運びできる。
− 装填された採集デバイスでも、持ち運び可能であり、容易に出荷できる。
− デバイスが本質的に安全であり、本質的に安全な採集を実現する。
【0047】
記載した方法、および流体採集用デバイスの実施形態は、特定の実施形態に限定されるべきではなく、方法ステップ、配合などの本明細書に開示される材料、工程ステップは、ある程度変えることができる。さらに、本明細書で採用される専門用語は、例示の実施形態を記述する目的に限って使用されており、この専門用語は、本発明の多様な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ制限されるため、限定することは意図されていない。
【0048】
したがって本発明の実施形態が、例示の実施形態を参照して記載される限り、当業者は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内で、変形および修正を実施することができることを理解するであろう。よって本発明の様々な実施形態に範囲は、上記に考察した実施形態に限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲および全ての均等物によってのみ定義されるべきである。
【符号の説明】
【0049】
10、40 採集バッグ
11、12、34 頂部パネル
13、14 底部パネル
16、17 蝶番式接続部
18 補助の接続プレート
19 ハンドル
30 接着手段
36 パネル
44 配管
50 ポンプ
52 バッテリ
60 外側容器、入り口または弁
【図1−A】

【図1−B】

【図1−C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
採集バッグの可撓性の壁に接続された少なくとも1つの略剛性のパネルを備える、採集デバイス。
【請求項2】
2つの略剛性のパネルを備えており、この剛性のパネルが一端において蝶番式の構成で接続される、請求項1に記載の採集デバイス。
【請求項3】
前記パネルが、採集バッグの可撓性の壁に解放可能に接続される、請求項1または2に記載の採集デバイス。
【請求項4】
前記パネルが、採集バッグの前記可撓性の壁に恒久的に接続される、請求項1または2に記載の採集デバイス。
【請求項5】
前記パネルが、前記採集バッグの壁に内蔵される、請求項4に記載の採集デバイス。
【請求項6】
蝶番式の構成を有し、該蝶番式の構成は、前記パネルが離れるように移動する際、このパネルを略平行な関係で維持することができる、請求項1から5のいずれか一項に記載の採集デバイス。
【請求項7】
略剛性の1つのパネルと、形状記憶性を有する1つのパネルと、を備える、請求項1に記載の採集デバイス。
【請求項8】
前記略剛性のパネルと前記形状記憶性を有するパネルが、2つの対向する端部において蝶番式の構成で接続される、請求項7に記載の採集デバイス。
【請求項9】
形状記憶性を有する第1パネルであって、採集バッグの壁を前記第1パネルに接着するための手段を備える、第1パネルと、
形状記憶性を有する第2パネルであって、採集バッグの壁を前記第2パネルに接着するための手段を備える、第2パネルと、
を備えており、
前記第1パネル及び前記第2パネルが、蝶番式に接続される、採集デバイス。
【請求項10】
2つの略剛性のパネルと、
採集バッグの壁を前記パネルに接着するための手段と、
を備える採集デバイス。
【請求項11】
前記剛性のパネルが、一端において蝶番式の構成で互いに接続される、請求項10に記載の採集デバイス。
【請求項12】
前記接着手段が、解放可能に接着するための手段である、請求項10または11に記載の採集デバイス。
【請求項13】
前記解放可能に接着するための手段は、前記採集バッグを十分に前記パネルの面に接着させて、前記バッグの壁を接着されたまま維持することで、前記パネルが離れるように移動する際、前記バッグの中に空気を押しやるための十分な原動力を形成するための任意の手段である、請求項12に記載の採集デバイス。
【請求項14】
前記解放可能に接着するための手段が、前記採集バッグの対向する壁の一部にくっつく一時的な接着箇所、前記パネルの内側の面に配置された小型の真空吸着カップ、前記パネルの内側の面に恒久的に取り付けられ、前記バッグの壁に一時的または恒久的に接着する面ファスナ式ステッカー、接着スプレー、これに限定するものではないが、熱可塑性水溶性接着剤などの水溶性接着剤、圧力感知式接着剤、これに限定するものではないが磁気フォイルなどの磁気による平坦な物質、両面接着テープ、他の解放可能な化学的または機械的接着剤、あるいはこれらを組み合わせたものを備える群から選択される、請求項12に記載の採集デバイス。
【請求項15】
少なくとも1つのパネルがハンドルを備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の採集デバイス。
【請求項16】
各々のパネルがハンドルを備える、請求項1から15のいずれか一項に記載の採集デバイス。

【図2】
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【図3−A】
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【図3−B】
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【図4−A】
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【図4−B】
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【図5−A】
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【図5−B】
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【図6−A】
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【図6−B】
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【図7−A】
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【図7−B】
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【図8】
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【図9】
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【図10−A】
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【図10−B】
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【公表番号】特表2013−519903(P2013−519903A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553995(P2012−553995)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国際出願番号】PCT/US2011/025071
【国際公開番号】WO2011/103181
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(307041919)ネクストテック エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】