説明

流体昇温装置及び加熱調理器

【課題】小型化及び電力消費を低減できる加熱調理器を提供する。
【解決手段】被加熱物Wを収納する加熱室2と、被加熱物Wを加熱する蒸気を発生する蒸気発生装置3と、蒸気発生装置3で発生した蒸気を発熱体12との熱交換により昇温する流体昇温装置10とを備え、流体昇温装置10により昇温された蒸気を加熱室2内に供給して被加熱物Wを加熱調理する加熱調理器1において、加熱室2内の蒸気を流体昇温装置10に導いて蒸気を循環させる送風機6を設けるとともに、流体昇温装置10は蒸気発生装置3で発生した蒸気が流通する第1流体通路15と加熱室2から流出した蒸気が流通する第2流体通路16とを有し、第2流体通路16の圧力損失を第1流体通路15の圧力損失よりも小さくした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気により被加熱物を加熱調理する加熱調理器に関する。また本発明は、電磁誘導加熱によって蒸気等の流体を昇温する流体昇温装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器は特許文献1に開示されている。図5はこの加熱調理器を示す側面断面図である。加熱室2を有する加熱調理器1は蒸気を発生する蒸気発生装置3及び蒸気を昇温する流体昇温装置10を備えている。蒸気発生装置3は筒状の外筒11内に吸水性を有する吸着材7が充填される。吸着材7には鉄粉が混合され、外筒11の外側に巻回されるコイル8の通電により鉄粉が電磁誘導により発熱する。これにより、吸着材7に含まれた水を蒸発させて蒸気を発生する。
【0003】
流体昇温装置10は蒸気発生装置3と共通の外筒11内にハニカム状の発熱体12を有し、外筒11の外側に巻回されるコイル13の電磁誘導によって発熱体12が発熱する。蒸気発生装置3で発生した蒸気は流体昇温装置10で発熱体12と熱交換して昇温され、過熱蒸気となって加熱室2に送出される。これにより、加熱室2内の被加熱物Wが加熱調理される。
【0004】
加熱室2と蒸気発生装置3とはダクト5により連通し、ダクト5を介して加熱室2内の蒸気を蒸気発生装置3に導く送風機6が設けられる。送風機6の駆動によって加熱室2内の蒸気は蒸気発生装置3を通り、蒸気発生装置3で発生した蒸気とともに流体昇温装置10を流通して昇温される。これにより、加熱室2内の蒸気を循環して昇温し、調理の加熱効率を向上することができる。
【0005】
【特許文献1】特許第2792432号公報(第4頁−第7頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の加熱調理器によると、流体昇温装置10は蒸気発生装置3で発生した蒸気を充分昇温させるために発熱体12をハニカム状に形成して熱交換面積を広く確保している。このため、発熱体12内に細長い通路が形成され、流体昇温装置10の圧力損失が大きくなる。加熱室2から流出して循環する蒸気も圧力損失の大きい流体昇温装置10を通過するため、大型の送風機6を必要とする。従って、加熱調理器2の大型化や消費電力が大きくなる問題があった。
【0007】
本発明は、小型化及び電力消費を低減できる流体昇温装置及び加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、被加熱物を収納する加熱室と、被加熱物を加熱する蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気を発熱体との熱交換により昇温する流体昇温装置とを備え、前記流体昇温装置により昇温された蒸気を前記加熱室内に供給して被加熱物を加熱調理する加熱調理器において、前記加熱室内の蒸気を前記流体昇温装置に導いて蒸気を循環させる送風機を設けるとともに、前記流体昇温装置は前記蒸気発生装置で発生した蒸気が流通する第1流体通路と前記加熱室から流出した蒸気が流通する第2流体通路とを有し、第2流体通路の圧力損失が第1流体通路の圧力損失よりも小さいことを特徴としている。
【0009】
この構成によると、蒸気発生装置で発生した蒸気は流体昇温装置の第1流体通路を流通する。第1流体通路は圧力損失が大きく、蒸気が第1流体通路を蒸気圧によって低速で通過する間に発熱体と熱交換して過熱蒸気が生成される。第1流体通路を通過した過熱蒸気は加熱室に流入し、被加熱物を加熱調理する。加熱室内の蒸気は送風機の駆動によって流体昇温装置の第2流体通路を流通する。第2流体通路は圧力損失が第1流体通路よりも小さく、蒸気が第2流体通路を高速で通過する。第2流体通路を流通する蒸気は発熱体と熱交換によって所望温度まで昇温され、加熱室に送出される。発熱体を第1流体通路内に設けて第2流体通路を第1流体通路に隣接してもよく、発熱体を第1、第2流体通路内に設けてもよい。
【0010】
また本発明は、上記構成の加熱調理器において、前記発熱体は第1流体通路の壁面を形成するとともに第1流体通路内に複数の通路または曲折した通路を形成し、第2流体通路が前記壁面を介して第1流体通路に隣接することを特徴としている。
【0011】
この構成によると、発熱体は第1流体通路内にハニカム状や格子状等の複数の通路またはS字状や螺旋状等の曲折した通路を形成して蒸気との熱交換面積が広く確保される。第1流体通路を流通する蒸気はこれらの通路を通って発熱体と熱交換する。第1流体通路に隣接した第2流体通路を流通する蒸気は発熱体から成る第1流体通路の壁面と熱交換する。
【0012】
また本発明は、上記構成の加熱調理器において、前記流体昇温装置は、第1流体通路を形成する内筒と、前記内筒を囲んで前記内筒の周囲に第2流体通路を形成する外筒と、前記外筒の外側に巻回されるコイルとを備え、前記発熱体が前記コイルに対する高周波電圧の印加により電磁誘導加熱されることを特徴としている。
【0013】
この構成によると、コイルに通電すると電磁誘導によって発熱体が加熱され、蒸気発生装置で発生した蒸気が内筒内の第1流体通路を流通して発熱体と熱交換する。また、加熱室から流入する蒸気は内筒と外筒との間の第2流体通路を流通して発熱体と熱交換する。発熱体を内筒内及び外筒と内筒との間に設けてもよく、内筒を発熱体により形成して第2流体通路を流通する蒸気を内筒との熱交換により昇温してもよい。
【0014】
また本発明は、上記構成の加熱調理器において、前記内筒が前記発熱体から成り、第2流体通路内に突出する熱交換用フィンを前記内筒の周面に設けたことを特徴としている。この構成によると、外筒と内筒との間を流通する蒸気は内筒の壁面及び熱交換用フィンと熱交換して昇温される。
【0015】
また本発明は、上記構成の加熱調理器において、前記外筒と前記コイルとの間に断熱手段を設けたことを特徴としている。この構成によると、断熱手段によってコイルの昇温が防止されるとともに、外筒と内筒との間を高速で流通する蒸気によってコイルの昇温が防止される。
【0016】
また本発明は、流体が流通する外筒と、前記外筒の外側に巻回されるコイルと、前記外筒内に配されるとともに前記コイルに高周波電圧を印加して電磁誘導加熱される内筒とを備え、前記外筒内及び前記内筒内を流通する流体を昇温する流体昇温装置において、前記内筒と前記外筒との間の圧力損失が前記内筒内の圧力損失よりも小さいことを特徴としている。
【0017】
この構成によると、コイルに通電すると電磁誘導によって内筒が加熱される。内筒内は圧力損失が大きく、流体が低速で通過して昇温される。内筒と外筒との間は圧力損失が内筒内よりも小さく、流体が高速で通過して内筒の壁面と熱交換して昇温される。
【0018】
また本発明は、上記構成の流体昇温装置において、前記内筒は内部に複数の通路または曲折した通路を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0019】
本発明によると、加熱室から流出した蒸気が流通する第2流体通路の圧力損失は蒸気発生装置で発生した蒸気が流通する第1流体通路の圧力損失よりも小さいので、蒸気発生装置で発生した蒸気が低速で発熱体と熱交換して第1流体通路を通過する間に所定の温度まで加熱することができる。また、加熱室から流出した高温の蒸気が圧力損失の小さい第2流体通路を通過して昇温されるため、第2流体通路に蒸気を導く送風機を小型化することができる。従って、加熱調理器の小型化を図るとともに電力消費を低減することができる。
【0020】
また本発明によると、発熱体が第1流体通路の壁面を形成して第1流体通路内に複数の通路または曲折した通路を形成し、第2流体通路が第1流体通路に隣接するので、第1流体通路の熱交換面積を増加して蒸気発生装置で発生した蒸気を所定温度まで容易に加熱することができる。また、第2流体通路を流通する蒸気を第1流体通路の壁面によって昇温し、第2流体通路の圧力損失を容易に小さくすることができる。
【0021】
また本発明によると、内筒及び外筒によって容易に第1、第2流体通路を形成することができ、外筒の外側に巻回されるコイルの電磁誘導によって容易に発熱体を発熱させることができる。また、内筒と外筒との間を蒸気が高速で流通するため外筒が冷却され、コイルの過熱による被覆の損傷を防止することができる。加えて、発熱体により内筒を形成すると、内筒と外筒との間を流通する蒸気を内筒によって昇温して第2流体通路の圧力損失を容易に小さくすることができる。
【0022】
また本発明によると、第2流体通路内に突出する熱交換用フィンを発熱体から成る内筒の周面に設けたので、第2流体通路の熱交換面積を増加して加熱室から流出した蒸気を所定の温度まで容易に昇温することができる。
【0023】
また本発明によると、外筒とコイルとの間に断熱手段が設けられるので、内筒と外筒との間を蒸気が高速で流通して外筒が冷却されることにより、断熱手段の厚みを薄くして流体昇温装置の小型化を図ることができる。
【0024】
また本発明の流体昇温装置によると、外筒と発熱体から成る内筒との間の圧力損失が内筒内の圧力損失よりも小さいので、内筒内を流通する流体が低速で内筒と熱交換して流体を所定温度まで加熱することができる。また、圧力損失の小さい内筒と外筒を流通する流体を内筒の壁面によって昇温し、内筒と外筒との間の圧力損失を容易に小さくすることができる。これにより、内筒と外筒との間に流体を導く送風機の小型化を図ることができる。加えて、内筒と外筒との間を流体が高速で流通するため外筒が冷却され、コイルの過熱による被覆の損傷を防止することができる。
【0025】
また本発明の流体昇温装置によると、内筒は内部に複数の通路または曲折した通路を有するので、内筒内の熱交換面積を増加して内筒を流通する流体を所定温度まで容易に加熱することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。説明の便宜上、前述の図5に示す従来例と同様の部分には同一の符号を付している。図1は一実施形態の加熱調理器を示す側面断面図である。加熱調理器1は過熱蒸気から成る加熱媒体によって被加熱物を調理する。加熱調理器1は被加熱物Wを収納する加熱室2を有し、蒸気を発生する蒸気発生装置3及び蒸気を昇温する流体昇温装置10を備えている。
【0027】
蒸気発生装置3は水タンク(不図示)から供給される水に浸漬されるヒータ9を有し、ヒータ9の通電によって蒸気を発生する。流体昇温装置10は絶縁体から成る外筒11の外側に断熱材19(図2参照)を介してコイル13が巻回される。コイル13の外側にはフェライト等の強磁性体17が設けられる。
【0028】
図2は外筒11内の平面図を示している。外筒11内には磁性導体から成る発熱体12が配される。発熱体12は所定の間隔を空けて並設される複数の平板状の熱交換板12aと、熱交換板12aの外側を覆う筒状の内筒14とを有している。これにより、流体昇温装置10は内筒14から成る第1流体通路15と、内筒14と外筒11との間から成る第2流体通路16が形成される。第1流体通路15内には熱交換板12aによって複数の通路が更に形成される。また、内筒14の周面には第2流体通路16内に突出する熱交換用フィン18が設けられる。
【0029】
コイル13に高周波電圧が印加されると磁界が発生する。コイル13の外側を通る磁束は強磁性体17を通り、磁界の漏れが防止される。コイル13の内側を通る磁束は磁性体から成る発熱体12を通る。これにより、発熱体12は誘導電流が流れて内部に渦電流が発生し、ジュール熱によって発熱する。また、発熱体12は磁性体から成るためヒステリシス損によっても加熱される。
【0030】
図1において、蒸気発生装置3はダクト21によって流体昇温装置10の第1流体通路15の一端に接続される。加熱室2の下部には送風機6が配され、ダクト22が導出される。ダクト22によって加熱室2と第2流体通路16の一端とが接続され、送風機6の駆動によって加熱室2内の蒸気が第2流体通路16に導かれる。また、第1、第2流体通路15、16の他端はダクト23によって一体に加熱室2の天面に接続される。
【0031】
上記構成の加熱調理器1において、水タンク(不図示)が満水状態にして装着され、被加熱物Wが加熱室2内に配される。調理メニューの選択により調理を開始すると水タンクから蒸気発生装置3に水が供給される。ヒータ9に通電されると蒸気発生装置3の水が蒸発して蒸気が生成される。
【0032】
蒸気発生装置3で生成された蒸気はダクト22を介して蒸気圧によって流体昇温装置10の内筒14内の第1流体通路15を流通し、発熱体12と熱交換する。内筒14内は隙間を介して並設された熱交換板12aにより複数の通路が形成され、熱交換面積が広く確保される。
【0033】
このため、第1流体通路15は圧力損失が大きく、蒸気が第1流体通路15を蒸気圧によって低速で通過する間に発熱体12と熱交換して所定温度(150℃〜300℃)の過熱蒸気が生成される。第1流体通路15を通って昇温された蒸気はダクト23を介して加熱室2に流入する。
【0034】
内筒14内の発熱体12は平板状の熱交換板12aを並設して成るが、波板状の熱交換板を並設してもよく、熱交換板を放射状に設けてもよい。また、発熱体12を格子状やハニカム状に形成して内筒14内に複数の通路を形成し、発熱体11の熱交換面積を広くしてもよい。
【0035】
また、発熱体12により内筒14内に曲折した通路を形成して熱交換面積を広くしてもよい。曲折した通路は例えば図3に示すように、内筒14の軸を横切る複数の仕切り板30を設けて形成される。各仕切り板30の軸方向から見て異なる位置に貫通孔30aを設けてS字状に曲折した通路を形成することができる。各仕切板30に多数の貫通孔30aを設けてもよい。
【0036】
また図4に示すように、内筒14内に螺旋状の仕切り板31を設け、螺旋状に曲折した通路を形成してもよい。また、内筒14内に金属ウールや金属粒を充填して複数の通路や曲折した通路を形成してもよい。
【0037】
送風機6を駆動することにより、加熱室2内の蒸気はダクト22を介して流体昇温装置10の第2流体通路16を流通する。そして、ダクト23を介して加熱室2内に送出され、加熱室2内の蒸気が循環する。第2流体通路16を流通する蒸気は内筒14の壁面及び熱交換用フィン18と熱交換して昇温される。
【0038】
第2流体通路16は広い間隔で熱交換用フィン18が配されるため第1流体通路15よりも熱交換面積が狭く、圧力損失が小さい。このため、蒸気が第2流体通路16を高速で通過する。第2流体通路16を流通する蒸気は加熱室2から流出するため温度が高い。このため、第2流体通路16の圧力損失が小さく蒸気が高速で通過しても所定温度まで蒸気を昇温することができる。
【0039】
また、熱交換用フィン18により第2流体通路16の熱交換面積が増加されるため、加熱室2から流出した蒸気を所定温度まで容易に昇温することができる。第2流体通路16を通って昇温された蒸気は第1流体通路15を通った蒸気とともにダクト23を介して加熱室2に流入する。これにより、被加熱物Wが加熱調理される。
【0040】
本実施形態によると、加熱室2から流出した蒸気が流通する第2流体通路16の圧力損失が蒸気発生装置3で発生した蒸気が流通する第1流体通路15の圧力損失よりも小さいので、蒸気発生装置3で発生した蒸気が低速で発熱体12と熱交換して第1流体通路15を通過する間に所定温度まで充分加熱することができる。また、加熱室2から流出した高温の蒸気が圧力損失の小さい第2流体通路16を通過して昇温されるため、第2流体通路16に蒸気を導く送風機6を小型化することができる。従って、加熱調理器1の小型化を図るとともに電力消費を低減することができる。
【0041】
また、発熱体12が内筒14により第1流体通路15の壁面を形成して第1流体通路15内に複数の通路または曲折した通路を形成し、第2流体通路16が第1流体通路15に隣接するので、第1流体通路15の熱交換面積を増加して蒸気発生装置3で発生した蒸気を所定温度まで容易に加熱することができる。また、第2流体通路16を流通する蒸気を第1流体通路15の壁面によって昇温するため、第2流体通路16の圧力損失を容易に小さくすることができる。
【0042】
また、内筒14と外筒11との間を蒸気が高速で流通するため外筒11が冷却され、コイル13の過熱による被覆の損傷を防止することができる。加えて、外筒11とコイル13との間の断熱材19の厚みを薄くすることができ、流体昇温装置10を小型化することができる。断熱材19から成る断熱手段を空気層による断熱手段にしてもよい。尚、断熱手段による断熱性が高い場合は外筒11をコイル13の電磁誘導により発熱する発熱体により形成してもよい。
【0043】
本実施形態において、第1、第2流体通路15、16を外筒11及び内筒14により形成しているが、他の構成によって形成してもよい。即ち、蒸気発生装置3からの蒸気が流通する第1流体通路15と、加熱室2からの蒸気が流通する第2流体通路16を有していればよい。この時、第1、第2流体通路15、16にそれぞれ設けた発熱体により蒸気が昇温される。
【0044】
しかしながら、外筒11及び内筒14により隣接した第1、第2流体通路15、16を容易に形成することができる。このため、内筒14を発熱体12により形成すると、圧力損失の小さい第2流体通路16を容易に形成することができる。
【0045】
また、蒸気発生装置3がコイルの電磁誘導によって蒸気を発生する構成にしてもよい。この時、蒸気発生装置3を流体昇温装置10と一体に構成し、内筒14内に水を供給してコイル13の電磁誘導によって蒸気を発生させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、蒸気により被加熱物を加熱調理する加熱調理器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態の加熱調理器を示す側面断面図
【図2】本発明の実施形態の加熱調理器の流体昇温装置を示す平面図
【図3】本発明の実施形態の加熱調理器の他の発熱体を示す側面図
【図4】本発明の実施形態の加熱調理器の他の発熱体を示す側面図
【図5】従来の実施形態の加熱調理器を示す側面断面図
【符号の説明】
【0048】
1 加熱調理器
2 加熱室
3 蒸気発生装置
6 送風機
9 ヒータ
10 流体昇温装置
11 外筒
12 発熱体
12a 熱交換板
13 コイル
14 内筒
15 第1流体通路
16 第2流体通路
17 強磁性体
18 熱交換用フィン
19 断熱材
21〜24 ダクト
W 被加熱物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を収納する加熱室と、被加熱物を加熱する蒸気を発生する蒸気発生装置と、前記蒸気発生装置で発生した蒸気を発熱体との熱交換により昇温する流体昇温装置とを備え、前記流体昇温装置により昇温された蒸気を前記加熱室内に供給して被加熱物を加熱調理する加熱調理器において、前記加熱室内の蒸気を前記流体昇温装置に導いて蒸気を循環させる送風機を設けるとともに、前記流体昇温装置は前記蒸気発生装置で発生した蒸気が流通する第1流体通路と前記加熱室から流出した蒸気が流通する第2流体通路とを有し、第2流体通路の圧力損失が第1流体通路の圧力損失よりも小さいことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記発熱体は第1流体通路の壁面を形成するとともに第1流体通路内に複数の通路または曲折した通路を形成し、第2流体通路が前記壁面を介して第1流体通路に隣接することを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記流体昇温装置は、第1流体通路を形成する内筒と、前記内筒を囲んで前記内筒の周囲に第2流体通路を形成する外筒と、前記外筒の外側に巻回されるコイルとを備え、前記発熱体が前記コイルに対する高周波電圧の印加により電磁誘導加熱されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記内筒が前記発熱体から成り、第2流体通路内に突出する熱交換用フィンを前記内筒の周面に設けたことを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記外筒と前記コイルとの間に断熱手段を設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
流体が流通する外筒と、前記外筒の外側に巻回されるコイルと、前記外筒内に配されるとともに前記コイルに高周波電圧を印加して電磁誘導加熱される内筒とを備え、前記外筒内及び前記内筒内を流通する流体を昇温する流体昇温装置において、前記内筒と前記外筒との間の圧力損失が前記内筒内の圧力損失よりも小さいことを特徴とする流体昇温装置。
【請求項7】
前記内筒は内部に複数の通路または曲折した通路を有することを特徴とする請求項6に記載の流体昇温装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−292010(P2008−292010A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−135185(P2007−135185)
【出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】