説明

流体材料の量を分注しながら流体ディスペンサを連続的に移動させる方法

【課題】流体材料の量を分注しながら、流体ディスペンサを連続的に移動させる方法。
【解決手段】流体ディスペンサを連続的に移動させながら回路基板などの基板上に流体材料を塗布する方法を提供する。幾つかの方法は一般に、基板上の予測及び実際の着地位置の統計的比較、又は分注位置の各々におけるディスペンサの予測及び実際の位置の統計的比較を実行することによって、流体材料の分注される量の各々に対する分注位置を補正するステップを含む。他の方法は一般に、ディスペンサの移動に対するサーボ・サイクルにより指定される補正因子によって、又はタイマによる部分サーボ・サイクルによって指定される補正因子によって補正された分注位置において、流体材料の量の分注を開始するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、流体材料を分注する方法に関し、より具体的には、アンダーフィル(underfill)材料のような流体材料を流体ディスペンサから回路基板又は他の型の基板上に分注する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機械的に作動する“ジェット噴射”ディスペンサは、エレクトロニクス産業において、回路基板上に非接触的に高粘性流体材料の微量又は液滴を選択的に分注するのに普通に用いられる。典型的なジェット噴射システムは、吐出経路を囲むバルブ台座に選択的に係合するように構成されたバルブ要素を一端に有する、空気圧作動型ニードルを備えたアプリケータ又はジェット噴射ディスペンサを含む。バルブ要素とバルブ台座の間の接触は、加圧流体材料を供給されたチャンバからの吐出経路を密封する。流体材料の液滴を分注するために、バルブ要素は、バルブ台座との接触状態から引っ込められる。少量の流体材料がバルブ台座を通り過ぎて吐出経路内へ流れることが可能になる。次いでバルブ要素はバルブ台座に向って迅速に移動して間隔を閉じる。体積の急速な減少は流体材料を吐出経路を通して押し出し、流体中を伝わる衝撃波及び/又は押出プロセスで付与される運動量が、流体材料の液滴を吐出経路の出口から噴出又は“ジェット噴射”させる。流体材料の小さな分離した量を含む液滴は、弾道的軌道を進んで最終的に回路基板の指定位置に着地する。
【0003】
ジェット噴射ディスペンサは、一定の高さで回路基板の上を“飛行する”ことができ、そして材料を目的の塗布領域上に非接触的に“ジェット噴射”することができる。“飛行中”に(即ち、ジェット噴射ディスペンサが移動中に)迅速に材料をジェット噴射することによって、分注される液滴は連結して連続ラインを形成することができる。その結果、ジェット噴射ディスペンサは、流体材料の所望のパターンを分注するように容易にプログラムすることができる。この汎用性は、ジェット噴射ディスペンサを、エレクトロニクス産業における広範囲の塗布に適したものとしている。
【0004】
そのような流体材料を塗布するためのジェット噴射ディスペンサは、典型的には、ロボットによって、構成要素を保持する回路基板の表面全域にわたるパターン内で移動させられる。しかしながら、その移動は連続的ではない。回路基板に対する移動が、ジェット噴射ディスペンサを適切な分注位置に配置するとき、流体材料は、ジェット噴射ディスペンサから回路基板の対応する領域又は構成要素の上に分注される。次いでロボットはジェット噴射ディスペンサを、流体材料を受け取ることになっている次の領域又は構成要素に移動させ、続いて別の量の流体材料を分注する。
【0005】
流体材料が分注されるたびに、ロボットはジェット噴射ディスペンサを加速して、回路基板上の領域又は構成要素の間を移動させる必要がある。同様に、ロボットは、ある量の流体材料を分注する前にジェット噴射ディスペンサの移動を遅くするときには減速する必要がある。例えば、アンダーフィル(underfill)材料は通常、一連の連続的イベントにおいて分注されて短いライン・セグメントを定める。その特定の塗布においては、連続したライン・セグメントの間の停止及び開始は、分注時間を長くし、さらにジェット噴射ディスペンサ内に振動を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、流体材料の量を連続的に移動するジェット噴射ディスペンサから回路基板上により正確に分注することのできる、流体材料を塗布するための改良された方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態において、複数の分注位置に流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動させる方法は、各々の分注位置においてディスペンサの実際の位置を測定しながら、分注位置を結ぶ一定移動軌道を通してディスペンサを連続的に移動させるステップを含む。各々の実際の位置は、分注位置のそれぞれの位置と比較して空間誤差を生成する。この比較に基づいて、少なくとも1つの分注位置を補正して、それぞれの空間誤差を減少させる。
【0008】
別の実施形態において、複数の分注位置に流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動させる方法は、各々の分注位置においてディスペンサをトリガして流体材料の量の1つを分注しながら、分注位置を結ぶ一定移動軌道を通してディスペンサを連続的に移動させるステップを含む。ディスペンサから分注される流体材料の量は基板上に堆積し、基板上の着地位置の空間座標は、流体材料の堆積した量の各々に関して測定される。各着地位置の空間座標は、基板上のそれぞれの予測着地位置の空間座標と比較して空間誤差を生成する。この比較に基づいて、少なくとも1つの分注位置を補正して、空間誤差を減少させる。
【0009】
別の実施形態において、一定移動軌道によって結ばれた複数の分注位置において、流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動させる方法が提供される。この方法は、ディスペンサを一定移動軌道を通してサーボ制御下で連続的に移動させるステップ、及びサーボ・サイクルによって与えられる更新速度で、ディスペンサの連続的な移動の方向を変更するステップを含む。ディスペンサがサーボ・サイクルの所定の回数にあるとき、ディスペンサが分注位置のそれぞれに到達する前に、各々の量の分注を開始するように制御信号がディスペンサに伝送される。代替的に、タイマを用いてサーボ・サイクルの本来のタイミングを改良することができる。分注を開始するためのトリガは、ディスペンサが、サーボ・サイクル内で各所望の分注位置の上に配置される時間の情報である。ディスペンサから分注される流体材料の量が基板上に堆積する。
【0010】
本明細書に組み入れられてその部分を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、そして、上記の本発明の実施形態の一般的な説明及び下記の詳細な説明と共に、本発明の実施形態の原理を説明するのに役立つ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1及び図2を参照すると、流体材料ジェット噴射システム10は、部分的にパネルで覆われた、相互連結した水平及び垂直ビームの枠組みから成るキャビネット11を含む。ジェット噴射システム10は、例えば接着剤、エポキシ、はんだなどの流体材料の量48を分注するための、流体材料液滴生成器12を含む。流体材料液滴生成器12は、Z軸駆動機構15の上に搭載され、キャビネット11によって支えられるX−Yポジショナ14から吊下げられる。X−Yポジショナ14は、一対の独立に制御可能な軸駆動部16、17によって作動する。同様に、Z軸駆動機構15は軸駆動部18によって作動する。X−Yポジショナ14及びZ軸駆動機構15は、液滴生成器12に対して3つの実質的に垂直な移動軸を与える。
【0012】
軸駆動部16、17、18は、液滴生成器12をプリント基板などの基板20の表面全域にわたり、コンピュータ24によって組織化された高精度調整位置サーボ制御により、三次元デカルト座標フレーム内の複数の移動軸21、22、23に対して、迅速に移動させることができる。軸駆動部16、17、18は、X−Yポジショナ14及びZ軸駆動機構15の、モータ及び駆動回路のような電気機械的構成要素を含み、それぞれX、Y、Z移動軸21、22、23に対する移動をもたらす。液滴生成器12はZ軸駆動機構15を用いて上げたり下げたりして、基板20の上の他の様々な高さから流体材料を分注する、或いは、基板20上の搭載された構成要素を取り除くことができるが、液滴生成器12は普通、単一の一定の高さから流体材料の液滴を噴出又はジェット噴射する。
【0013】
キャビネット11内に搭載されたコンピュータ24は、移動及び作動を調整するジェット噴射システム10の全体的な制御を与える。コンピュータ24は、当業者により理解されるように、メモリ25にストアされたソフトウェアを実行し、本明細書で説明される機能を実行することができる中央演算処理装置を備えた、プログラム可能な論理コントローラ(PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、又は別のマイクロプロセッサ・ベースのコントローラとすることができる。ヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)デバイス26は、既知の様式でコンピュータ24と動作可能なように接続される。HMIデバイス26は、英数字ディスプレイ、タッチ・スクリーン、及び他のビジュアル・インジケータといった出力デバイス、並びに、オペレータからの命令又は入力を受け入れて、入力された入力をコンピュータ24の中央演算処理装置に伝送することができる、英数字キーボード、ポインティング・デバイス、キーパッド、押しボタン、制御ノブなどの入力デバイス及び制御を含むことができる。コンピュータ24は、基板製造組立てラインにおいて用いられる他の自動化装置と適合する標準通信バス28を備えることができる。制御パネル30は、キャビネット11によって支持することができるが、例えばセットアップ中、較正中、及び流体材料充填中に、特定の機能を手動開始するための押しボタンを含む。
【0014】
移動コントローラ32は、コンピュータ24及び軸駆動部16と電気的に接続され、液滴生成器12並びに付随するビデオカメラ及び照明アセンブリ34の三次元移動を制御する。移動コントローラ32は、軸駆動部16、17、18の各々と電気的に通信し、コンピュータ24の命令の下で、命令信号を、既知の方式で個々の軸駆動部16、17、18の別々の駆動回路に供給する。コンピュータ24は、典型的には移動コントローラ32に指示して、軸駆動部16、17、18を、一連の基板20に対して繰り返される予め用意された様式で移動させる。
【0015】
ビデオカメラ及び照明アセンブリ34は、液滴生成器12と共に移動し、ドット50を調査して基板20上に参照基準点を配置する。ビデオカメラ及び照明アセンブリ34は、その開示が引用により全体が本明細書に組み入れられる米国特許第5,052,338号に説明された型にすることができる。カメラ及び照明アセンブリ34は、視覚回路36と電気的に接続され、基板20の上面37を照明する光源に電力を供給する。視覚回路36はまた、電荷結合デバイス(CCD)とすることができるアセンブリ34内のビデオカメラからの画像を受け取って、ジェット噴射作動中での使用のためにコンピュータ24に転送する。
【0016】
基板20は、流体材料のジェット噴射された量48を受け取る予定のものであるが、コンベヤ38によって液滴生成器12の直下に運ばれる。コンベヤ38は従来型の設計であり、種々異なる寸法の基板20を受け入れるように調整可能な幅を有する。コンベヤ38はまた、空気圧作動型のリフト及びロック機構(図示せず)を含むことができる。コンベヤ38は、一群の基板20の中の各基板20を、図2中の水平の単頭矢印40で示されるように、液滴生成器12の近傍の所望の位置に逐次移動させる。
【0017】
引き続き図1及び図2を参照すると、コンベヤ・コントローラ42は、基板コントローラ38と電気的に接続される。コンベヤ・コントローラ42は、移動コントローラ32とコンベヤ38の間のインターフェースを与え、コンピュータ24の指示の下で、コンベヤ38の幅調整並びにリフト及びロック機構を制御する。代替的に、コンピュータ24は、移動コントローラ32を通じて制御信号をルーティングせずに、コンベヤ・コントローラ42に直接接続することができる。コンベヤ・コントローラ42はまた、流体材料塗布プロセスの前及び後に、ジェット噴射システム10による基板20の移動を制御する。
【0018】
軸駆動部16、17、18の各々は、それぞれ、閉ループ・フィードバック制御に使用されるエンコーダ44、45、46を含む。エンコーダ44、45、46は、軸駆動部16、17、18のそれぞれの1つの動作を反映する信号を生成し、これが次に基板20に対する液滴生成器12の位置の変化を表す。
【0019】
液滴生成器12は、流体材料の液滴又は量48をジェット噴射ディスペンサ60から下方に基板20の上面37に向かってジェット噴射する。上面37に衝突する流体材料の量48は、衝突により基板20上に流体材料ドット50として塗布される。基板20は、表面実装構成要素を所有する型のものとすることができるが、これは微量の流体材料の量48を迅速にかつ正確な位置にジェット噴射して基板20上の目標位置に流体材料ドットを形成することを必要とする。液滴生成器12は、一連のジェット噴射量48が、基板20の上面37に、流体材料のセグメント又はライン52、又はドット50のラインを形成するように作動させることができる。本明細書で用いられる “ジェット噴射”という用語は、流体材料の量48を形成するため、及びドット50(又はライン52)を形成するためのプロセスを表す。ジェット噴射ディスペンサ60は、ノズル98の開口部又は出口オリフィス102から、流体材料の量48を非常に高速で、例えば毎秒100より多くの微小量を、ジェット噴射することができる。
【0020】
ジェット噴射ディスペンサ60は、流体材料の微量48をジェット噴射するように特別に設計された非接触ディスペンサである。ジェット噴射ディスペンサ60は、エアシリンダ66内に配置されたエアピストン64、及びエアピストン64からチャンバ70内へ延びる下部ロッド又はシャフト68を含んだアクチュエータ又はニードル・バルブ62を含む。シャフト68の下端72は、伸縮バネ76によりバルブ台座74と接触するよう付勢される。接触状態にあるとき、下端72はバルブ台座74とのシールをもたらすように幾何学的に成形される。従って、ニードル・バルブ62は、バルブ台座74に接触して圧迫する下端72により閉じられ、またニードル・バルブ62は、下端72をバルブ台座74から引き離すことによって開かれ、それにより下端72とバルブ台座74の間の隙間を通しての流体材料の下流への流れを可能にする。
【0021】
エアピストン64から上方へ延びる上部ロッド78は、マイクロメータ87のスクリュー80の端部に定められた停止面に接して配置された遠位上端を有する。マイクロメータ・スクリュー80を調整することで、エアピストン64のストロークの上限、従ってシャフト68のストローク長が変更される。ストローク長は、下端72がバルブ台座74に突き当たる前のニードル・バルブ62の最終速度を決定する。一般に、ドット50のサイズは、ストローク長が増加すると共に増加する。一般に、より長いストローク長は、流体材料のジェット噴射量48のより速い噴出速度を生ずる。液滴生成器コントローラ84からの命令によって制御されるモータ81は、マイクロメータ・スクリュー80に機械的に連結することができる。それ故に、液滴生成器コントローラ84は、エアピストン64のストロークを自動的に調節することができ、このことが各ジェット噴射量48における流体材料の体積を変更する。上述のものと類似したジェット噴射ディスペンサは、その全体の開示が引用により本明細書に組み入れられる米国特許第6,253,957号及び第5,747,102号により完全に説明される。液滴生成器12は種々異なる設計を用いて実施することができるので、本明細書で説明される特定の実施形態は例示的なものであり、本発明を限定するものではないと考えられたい。
【0022】
液滴生成器コントローラ84は、電圧−圧力変換器85、例えば、加圧流体源(図示せず)に接続された、空気操作型流体レギュレータ、1つ又はそれ以上の空気圧式ソレノイドなどに電気的に連結される。液滴生成器コントローラ84は電圧−圧力変換器85に出力パルスを供給し、この変換器がエアシリンダ66内へ加圧空気のパルスを引きこむことで応答してエアピストン64の迅速な上昇をもたらし、これがシャフト68の下端72をバルブ台座74から持ち上げて引き離し、そして伸縮バネ76をさらに圧縮する。バルブ台座74から下端72を持ち上げるステップは、流体材料をチャンバ70から、バルブ台座74とノズル98の出口オリフィス102との間の空間に引き込む。
【0023】
引き続き図1及び図2を参照すると、液滴生成器コントローラ84はまた、電圧−圧力変換器86、例えば気体操作型流体レギュレータ、1つ又はそれ以上の空気圧式ソレノイドなどに電気的に連結される。電圧−圧力変換器86は加圧流体源(図示せず)に接続され、これが加圧空気を、流体材料の供給を維持する供給容器88に導く。供給容器88は充填型シリンジ・カートリッジの形態をとることができるが、分注動作に必要な流体材料の分量を連続的に受け取るためのチャンバ70に連通する。従って、供給容器88は、量48のジェット噴射に用いるための加圧流体材料をチャンバ70に供給する。
【0024】
図3を参照すると、液滴生成器12を基板20に対して停止せずに連続的に移動させながら、基板20上に流体材料ドット50のパターンを分注するように、ジェット噴射システム10を作動させる手順が示される。基板20上の流体材料のパターンは、X、Y、及びZ移動軸21、22、23によって定められた基準フレームにおける、分注位置のマップから生成される。分注位置の各々は、流体材料の量48を受け取る基板20の平坦面に実質的に平行な平面内に配置することができる。マップに含まれる各々の個々の分注位置において、コンピュータ24が、液滴生成器コントローラ84に命令して液滴生成器12に流体材料の量48の1つをジェット噴射ディスペンサ60から噴出させる。
【0025】
図3の手順の部分としてブロック140において、ジェット噴射システム10は、液滴生成器12を一定移動軌道又は分注位置を含む分注経路を通して、しかし流体材料を分注せずに移動させるように作動する。これを受けてコンピュータ24は移動コントローラ32に命令信号を与えて、コントローラ32に、液滴生成器12を分注位置のマップ内の各分注位置を通して連続的に移動させるよう指示する。これは、ジェット噴射ディスペンサ60が、軸駆動部16、17、18によって、分注位置のマップにより方向を滑らかに変化しながら移動することをもたらす。全ての分注位置に対する分注経路は、液滴生成器12がマップ内の全ての分注位置において流体材料の量48を分注するために移動する、全移動距離を最小にするように最適化することができる。
【0026】
ブロック142において、液滴生成器12が有意な加速又は減速により連続的に移動する際に、液滴生成器12の実際の位置が3つの移動軸21、22、23の各々に沿って時間の関数として記録される。これを受けてコンピュータ24は、液滴生成器12が分注経路を通して連続的に移動する際に、エンコーダ44、45、46の1つ又はそれ以上によって生成され、それから伝達される電気出力信号を監視する。これらの出力信号は、液滴生成器12の三次元位置の時間の関数としての表示である。これらのエンコーダの読み取り値は各分注位置に関連付けられて実際の位置の1つを生成する。各分注位置において、コンピュータ24はエンコーダ信号を記録し、基板20に対する液滴生成器12の実際の位置を表す記録されたエンコーダ信号をその分注位置と関連付ける。
【0027】
ブロック144において、ブロック140、142の手続が統計的に有意な回数(例えば100反復)反復される。これらの反復が終わると、制御はブロック146に移され、そこでコンピュータ24が、マップ内の各分注位置で記録された位置を表すエンコーダ信号を評価する。具体的には、コンピュータ24は、各分注位置において液滴生成器12の実際の空間位置を多数の反復に対して統計的に分析する。ブロック148においては、この統計的分析に基づいて、コンピュータ24は、分注位置の少なくとも1つが補正されて対応する空間誤差を減少させる、補正又は最適化された分注位置の補正マップを作成する。統計的分析は、経路に付随する誤差を最適に補正する。経路に付随する誤差は繰り返される傾向があり、統計的計算の実施が分注精度を向上させることを可能にする。
【0028】
ブロック150において、コンピュータ24は、コンベヤ・コントローラ42に命令を発することによって、コンベヤ38に、基板20の1つをジェット噴射システム10内の定位置に運ばせる。既知の様式で、ビデオカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラは、基板20の1つ又はそれ以上の画像を、視覚回路36を通してコンピュータ24に伝送する。コンピュータ24は、基板20上に可視画像の基準マークを配置し、あらゆる基板位置調整不良を補正する。コンピュータ24は、液滴生成器コントローラ84に液滴生成器12を作動させて、基板20上に流体材料の量48を分注する。流体材料の量48は、液滴生成器12を基板20に対して停止することなく連続的に移動させながら分注される。液滴生成器コントローラ84が、コンピュータ24から伝送された命令信号によって各量48を分注するようトリガされる分注位置は、ブロック148で生成された分注位置の補正マップによって決定される。ジェット噴射ディスペンサ60からの流体材料の量48は、基板20の上面37に衝突して、流体材料ドット50の1つとしての接触により塗布される。
【0029】
図3の手順は、一群の基板20を加工処理する生産工程の一環として、ジェット噴射システム10内に運ばれた追加の基板20上に、分注位置の補正マップを用いて流体材料の量48を分注するために繰り返すことができる。生産工程において各基板20に対して、液滴生成器12を停止せずに(即ち加速も減速もなく)基板20に対して連続的に移動させながら、流体材料の量48が分注される。液滴生成器コントローラ84が流体材料の量48を分注するようにトリガされる分注位置は、ブロック148で生成された分注位置の補正マップによって決定される。
【0030】
図4を参照すると、代替的な実施形態により、基板20上の流体材料ドット50の各々の実際の空間位置が予測空間位置と比較されて、分注位置の補正マップが作成される。
【0031】
ブロック160において、コンピュータ24はコンベヤ・コントローラ42に命令して、コンベヤ38を作動させて基板20の1つをジェット噴射システム10内の定位置に運ばせる。既知の様式では、ビデオカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラは、基板20の1つ又はそれ以上の画像を、視覚回路36を通してコンピュータ24に伝送する。コンピュータ24は、基板20上に可視画像の基準マークを配置し、あらゆる基板位置調整不良を補正する。その後コンピュータ24は、液滴生成器コントローラ84に液滴生成器を作動させて、基板20上に流体材料ドット50として着地する量48の各々を分注させる。
【0032】
ブロック162において、コンピュータ24はカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラ及び視覚回路36により取得した画像を分析することによって、基板20上の各流体材料ドット50の着地位置の空間座標を測定する。コンピュータ24は、画像内の各流体材料ドット50に関して測定された着地位置を、予めプログラムされたパターン内で決められた基準又は予測着地位置と比較する。この比較に基づいてコンピュータ24は、基板20上の流体材料ドット50のパターンを生成したマップ内の各分注位置に対して、X、Y移動軸21、22を含むX−Y平面内の空間誤差を生成する。
【0033】
ブロック164において、ブロック160、162の手続きが統計的に有意な回数(例えば100反復)反復される。各反復は、別の基板20をジェット噴射システム内の定位置に運び、ビデオカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラを用いて基板20上の基準マークを識別し、あらゆる基板位置調整不良を補正し、流体材料の量48をジェット噴射ディスペンサ60から基板20上に分注し、ビデオカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラにより取得した画像内の基板20上の流体材料ドット50の着地位置を測定し、そしてパターン内の測定された着地位置と予測着地位置を比較して各着地位置に関する空間誤差を生成することを伴う。画像の分析は、当業者によって理解される標準的な画像分析技法を用いて実施される。これらの反復が終わると、制御はブロック166に移される。
【0034】
ブロック166において、コンピュータ24は、パターン内の各流体材料ドット50に関して、且つ反復手続きにおける基板20の数に関して、空間誤差を統計的に分析する。各分注位置に関連する空間誤差は、サーボ位置に付随する誤差、及びアッベ誤差(即ちサーボ・ループ以外の誤差)を含む。サーボ・ループ誤差及びアッベ誤差は両方とも、極めて反復し易い。サーボ・ループ誤差及びアベ誤差の反復性は、ジェット噴射システム10が統計的技法を用いてパターン内の最終分注位置の精度を補正することを可能にする。空間誤差は、マップ内の分注位置を補正して各着地位置の空間誤差を小さくするように用いられる。
【0035】
ブロック168において、コンピュータ24は、コンベヤ38に別の基板20をジェット噴射システム10内の定位置に運ばせ、ビデオカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラを用いて基板20上の基準マークを識別し、あらゆる基板位置調整不良を補正し、そして液滴生成器コントローラ84に液滴生成器12を作動させて、流体材料の量48を連続的に移動するジェット噴射ディスペンサ60から基板20上へ分注させる。分注位置のマップは、ブロック166で算出された空間誤差に対して補正される。ブロック170において、コンピュータ24は、ビデオカメラ及び照明アセンブリ34を有するビデオカメラによって撮られた画像内で、基板20上の各流体材料ドット50の着地位置を測定し、パターン内の実際の測定着地位置と予測着地位置を比較して空間誤差を生成する。
【0036】
ブロック172において、コンピュータ24は、空間誤差を最大許容誤差を表し得る基準と比較する。空間誤差が処理許容範囲内にない場合、制御は再較正のためにブロック160に戻り、空間誤差を処理許容範囲内に減少させる分注位置の補正マップを生成する。空間誤差が処理許容範囲内である場合には、制御はブロック174に移り、生産工程内の一連の基板20に、補正マップにより予めプログラムされたパターンの量48を塗布する。
【0037】
図5を参照すると、一実施形態による、基板20に対して液滴生成器12を連続的に移動させる方法は、スプライン技法又は類似の数学的方法を用いて、一連の別々の分注位置を接続又はひと続きにして1つの連続経路にすることを含む。各分注位置は、液滴生成器12から量48の1つを最終的に噴出する分注イベントを待ち行列に入れるか又はトリガする位置を表す。トリガ位置は、流体材料の量48の各々が分注されるときに液滴生成器12が静止していないので、液滴生成器12の連続的移動を補償する。
【0038】
ブロック180において、X、Y及びZ移動軸21、22、23内の分注位置の予めプログラムされたパターンが、コンピュータ24上で実行される軌道ジェネレータに入力される。分注位置の各々は、X、Y及びZ移動軸21、22、23に対する1組の空間座標によって定められる。ブロック182において、コンピュータ24上で実行される軌道ジェネレータが、液滴生成器12が各分注位置を通して移動することを保証する分注経路又は一定移動軌道を決定する。種々様々な数学的アルゴリズムを用いて一定移動軌道を作成し最適化することができる。典型的には、最適化は、基板20上の流体材料ドット50の配置精度を最適化すると同時に液滴生成器12の総移動を減らすことを目標とする。一実施形態において、アルゴリズムは、X、Y及びZ移動軸21、22、23に沿った液滴生成器12の方向変化に関して滑らかな移行を定める曲線により一定移動軌道を定める三次スプライン技法を含む。当業者により理解されるように、スプラインは区分的多項式(パラメトリック)曲線であり、特に三次スプラインは、流体材料の量48の分注位置のような、1組の制御ポイントを通過する区分的三次多項式から組み立てられる。
【0039】
ブロック184において、一定移動軌道は、時間依存方式でジェット噴射ディスペンサ60を発射させる命令をトリガするステップを組み入れることにより、修正される。一定移動軌道は、軸駆動部16、17、18のサイクル毎の時間間隔と位置情報を含む。ジェット噴射ディスペンサ60の待ち時間(即ち、ジェット噴射ディスペンサ60が量48の1つを分注するようにトリガするステップと、流体材料の量48を実際に噴出するステップの間の時間)は時間で分かるので、ジェット噴射の発射又はトリガ命令は、各所望の分注位置から時間間隔(軸駆動部16、17、18の周期に比例する)を差し引くことにより、パターン内の分注位置の間の移動に関する一定移動軌道内に挿入される。
【0040】
軸駆動部16、17、18はサーボ又はステッパ・モータの構造物を有することができるので、軸駆動部16、17、18は、コンピュータ24と、位置及び速度の閉ループ制御であるサーボ・ループ内のサーボ制御下にある移動コントローラ32とによって制御される。サーボ・サイクル時間は、軸位置の測定及び新しい方向命令を発行するのに必要な時間量を表す。コンピュータ24及び/又は移動コントローラ32は、エンコーダ44、45、46によって与えられる軸駆動部16、17、18の時間依存位置を含むフィードバック情報のストリームをサンプリングする。コンピュータ24及び/又は移動コントローラ32は、方向命令を制御信号の形で軸駆動部16、17、18に供給する。軸駆動部16、17、18は制御信号を受け取り、制御信号に含まれる指示に従って、次の更新まで連続的に移動する。
【0041】
数学的な実施例として、サーボ制御のサーボ・サイクル時間が1ミリ秒である場合、X、Y、Z移動軸21、22、23に対する軸駆動部16、17、18の軸位置が測定され、そして新しい方向が、コンピュータ24により移動コントローラ32を通して、毎秒1000回の速度(即ち1kHz)で命令される。より短いサーボ・サイクル時間は、軸駆動部16、17、18の軸位置に関してより緊密な制御を与える。
【0042】
サーボ・サイクル時間に基づいた補正は、液滴生成器12がトリガされた後、ジェット噴射ディスペンサ60から量48の1つを噴出する際の固有の遅延を補償する。補正は、液滴生成器12を前発射させて量48が基板20上の流体材料ドット50の1つとして適切な分注位置に着地するのに要する既知の時間、及び各サーボ・サイクルの既知の所定時間から決定される。サーボ・サイクルの数は、既知の前発射時間を既知の所定のサーボ・サイクル時間で割った商から決定される。
【0043】
例えば、量48の1つは、軸駆動部16、17、18の各々のサーボ・サイクルの絶対数によって指定される、移動軸21、22、23に対する(x、y、z)座標を有する分注位置において噴出される。ジェット噴射ディスペンサ60の前発射時間は2.5ミリ秒に等しいと仮定し、単位時間当りのサーボ・サイクルの数(即ちサーボ・サイクル速度)は10サーボ・サイクル毎ミリ秒に等しいと仮定する。これらの仮定に基づいて、ジェット噴射ディスペンサ60を前発射するための、サーボ・サイクル内のトリガ又は前発射命令は、コンピュータ24により計画されて液滴生成器12に伝送される。トリガ命令は、前発射時間と単位時間当りのサーボ・サイクルの数との積に等しく、これがサーボ・サイクルの絶対数から差し引かれて分注位置を決定する。今の場合、トリガ命令は、数値的には2.5ミリ秒と10サーボ・サイクル毎ミリ秒の積に等しく、これは25サーボ・サイクルに等しいが、これが分注位置の各座標から差し引かれる。
【0044】
代替的に、タイマをサーボ・サイクルに関連して用いて、部分サーボ・サイクルにより補正因子を指定することによってタイミングの解像度を改善することができる。数学的な実施例として、前発射時間が3.5msに等しく、サーボ・サイクル速度が1.0msに等しい場合、アルゴリズムは、ジェット噴射ディスペンサ60の軌道が分注位置に到達する4.0ms前に、0.5msタイマを開始することになる。タイマが用いられるとき、時間はサーボ・サイクルの一部分とすることができる。
【0045】
ブロック186において、コンピュータ24は、液滴生成器コントローラ84に液滴生成器12を作動させて、パターン内の各分注位置において基板20上に流体材料の量48を分注させる。トリガ命令に対応する補正が各分注位置に適用されて液滴生成器12を前発射させる。その各々が軸駆動部16、17、18に対するサーボ・サイクルの数で測られるトリガ命令は、コンピュータ24が量48の1つの噴出を開始する指示を含む命令信号を液滴生成器12に伝送する瞬間と、量48がジェット噴射ディスペンサ60から実際に噴出される瞬間との間の時間差又は遅延を補償する。
【0046】
連続的な移動は、液滴生成器12がパターン内の分注位置の間を移動する際に、液滴生成器12を加速及び減速する従来の移動機構に見られる振動を除去する。スプライン又は類似の技法を用いることにより、液滴生成器12が各分注位置を通して移動することが数学的に保証される。液滴生成器12を前トリガする方法は、液滴生成器12を前発射する又はトリガする位置を決定するのに通常必要な複雑な数学を除去する。
【0047】
本明細書において“垂直”、“水平”などの用語に関する言及は、絶対基準フレームを確立するための一例としてなされたものであり、限定のためではない。特に、ここで定義されるX、Y、Z移動軸21、22、23によって確立されるデカルト座標フレームは、例示的なものであり説明の便利のために用いられる。種々の他のフレームを本発明を説明するために同等に使用できることが当業者により理解される。
【0048】
本発明はその1つ又はそれ以上の実施形態の説明によって例証され、また実施形態は相当詳細に説明されたが、それらは添付の特許請求の範囲をその細部に制限するか又は多少なりとも限定することを意図したものではない。付加的な利点及び修正は当業者には直ちに明白となるであろう。従って本発明はその広範な態様において、示され説明された特定の細部、代表的な装置及び方法並びに例証的な実施例に限定されない。従って、出願者らの一般的な発明の構想の範囲又は精神から逸脱せずに、そのような細部からの発展を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態による、流体材料ジェット噴射システムの略図である。
【図2】図1の流体材料ジェット噴射システムの略ブロック図である。
【図3】図1及び図2の流体材料ジェット噴射システムの動作を制御するための手続きの一実施形態を一般的に示すフローチャートである。
【図4】図1及び図2の流体材料ジェット噴射システムの動作を制御するための手続きの別の実施形態を一般的に示すフローチャートである。
【図5】図1及び図2の流体材料ジェット噴射システムの動作を制御するための手続きのさらに別の実施形態を一般的に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0050】
10:ジェット噴射システム
11:キャビネット
12:流体材料液滴生成器
14:X−Yポジショナ
15:Z軸駆動機構
16、17,18:軸駆動部
20:基板
21:X移動軸
22:Y移動軸
23:Z移動軸
24:コンピュータ
25:メモリ
26:ヒューマン・マシン・インターフェース・デバイス
28:通信バス
30:制御パネル
32:移動コントローラ
34:ビデオカメラ及び照明アセンブリ
36:映像回路
37:基板の上面
38:コンベヤ
40:単頭矢印
42:コンベヤ・コントローラ
44、45、46:エンコーダ
48:流体材料の量
50:流体材料ドット
52:流体材料のライン
60:ジェット噴射ディスペンサ
62:ニードル・バルブ
64:エアピストン
66:エアシリンダ
68:シャフト
70:チャンバ
72:シャフトの下端
74:バルブ台座
76:伸縮バネ
78:上部ロッド
80:スクリュー
81:モータ
84:液滴生成器コントローラ
85、86:電圧−圧力変換器
87:マイクロメータ
88:供給容器
98:ノズル
102:出口オリフィス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の分注位置において流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動する方法であって、
(a)前記複数の分注位置を接続する一定移動軌道を通して前記ディスペンサを連続的に移動させ、
(b)前記ディスペンサを前記一定移動軌道を通して連続的に移動させながら、前記複数の分注位置の各々において、該ディスペンサの複数の実際の位置の1つを測定し、
(c)前記複数の実際の位置の各々を前記複数の分注位置の1つと比較して、複数の空間誤差の1つを生成し、
(d)前記比較に基づいて少なくとも1つの前記複数の分注位置を補正して、前記複数の空間誤差のそれぞれの1つを減少させる、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ディスペンサを連続的に移動させるステップは、前記複数の分注位置において前記ディスペンサから前記流体材料を分注せずに、前記一定移動軌道を通して該ディスペンサを連続的に移動させるステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ(a)及び(b)を所望の回数繰り返すステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の実際の位置の各々を前記複数の分注位置の1つと比較するステップは、前記複数の実際の位置を統計的に分析して前記複数の空間誤差を生成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の分注位置の各々は、前記流体材料の前記量を受け取る基板の平坦面に実質的に平行な平面内に配置し、
前記複数の実際の位置の1つを測定するステップは、前記複数の分注位置の各々において、前記平面内での前記ディスペンサの前記複数の実際の位置の1つを決定するステップを含む、
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ディスペンサの前記複数の実際の位置の1つを決定するステップは、前記平面内で前記ディスペンサを移動させる複数の軸駆動部からのエンコーダ読み取り値を前記複数の分注位置の各々に関連付けて前記複数の実際の位置の1つを生成するステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の分注位置の少なくとも1つが補正された後、前記ディスペンサを基板に対して前記一定移動軌道内を移動させながら、前記流体材料の前記量の1つを分注するように前記複数の分注位置の各々において、該ディスペンサをトリガするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記流体材料の前記量を前記基板上に堆積させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の分注位置において流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動する方法であって、
(a)前記複数の分注位置を接続する一定移動軌道を通して前記ディスペンサを連続的に移動させ、
(b)前記ディスペンサを前記一定移動軌道内で連続的に移動させながら、前記流体材料の前記量の1つを分注するように前記複数の分注位置の各々において該ディスペンサをトリガし、
(c)前記ディスペンサから分注される前記流体材料の前記量を基板上の複数の着地位置に堆積させ、
(d)前記基板上の前記複数の着地位置の各々に対する複数の空間座標を測定し、
(e)前記複数の着地位置の各々に対する前記複数の空間座標を、複数の予測着地位置の1つに対する複数の空間座標と比較して複数の空間誤差の1つを生成し、
(f)前記比較に基づいて、前記複数の分注位置の少なくとも1つを補正して前記複数の空間誤差のそれぞれの1つを減少させる、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記基板上の前記複数の空間座標を測定するステップは、
前記基板と該基板上に堆積した前記流体材料の前記量との画像を取得し、
前記画像を分析して前記基板上に堆積した前記流体材料の前記量の各々の前記複数の空間座標を測定する、
ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ステップ(a)乃至(d)を複数の基板に対して繰り返すステップさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の着地位置の前記複数の空間座標を、前記基板上の前記複数の予測着地位置の1つに対する前記複数の空間座標と比較するステップは、前記複数の着地位置の各々に対する前記複数の空間座標を、前記複数の予測着地位置と比較して統計的に分析して前記複数の空間誤差を生成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
一定移動軌道により接続された複数の分注位置において、流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動する方法であって、
前記ディスペンサをサーボ制御下で、前記一定移動軌道を通して連続的に移動させ、
前記ディスペンサを連続的に移動させながら、該ディスペンサの方向をサーボ・サイクルにより与えられる更新速度で変更し、
前記ディスペンサが所定回数のサーボ・サイクルにあるとき、前記複数の分注位置の1つに到達する前に、前記量の各々の前記分注を開始するように該ディスペンサに制御信号を伝送し、
前記ディスペンサから分注される前記流体材料の前記量を基板上に堆積させる、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記複数の分注位置の各々に対する複数の空間座標を定め、
前記複数の分注位置の各々に対する前記複数の空間座標から、前記複数の分注位置を接続する前記一定移動軌道を算定する、
ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記一定移動軌道を算定するステップは、三次スプライン技法を含むアルゴリズムを用いて前記一定移動軌道を算定するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
一定移動軌道によって接続された複数の分注位置において流体材料の量を分注するようにディスペンサを作動する方法であって、
前記ディスペンサをサーボ制御下で、前記一定移動軌道を通して連続的に移動させ、
前記ディスペンサを連続的に移動させながら、該ディスペンサの方向をサーボ・サイクルにより与えられる更新速度で変更し、
前記ディスペンサが前記複数の分注位置の1つに到達する前の時間から導かれる所定の位置にあるとき、前記量の各々の前記分注を開始するように該ディスペンサに制御信号を伝送し、
前記ディスペンサから分注される前記流体材料の前記量を基板上に堆積させる、
ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記複数の分注位置の各々に対する空間座標を定め、
前記複数の分注位置の各々に対する前記複数の空間座標から、前記複数の分注位置を接続する前記一定移動軌道を算定する、
ステップをさらに含むことを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記一定移動軌道を算定するステップは、三次スプライン技法を含むアルゴリズムを用いて前記一定移動軌道を算定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記時間はサーボ・サイクルの一部分である、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−72776(P2009−72776A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242419(P2008−242419)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(399018677)ノードソン コーポレイション (15)
【氏名又は名称原語表記】Nordson Corporation
【住所又は居所原語表記】28601 Clemens Road Westlake Ohio 44145−1119 USA
【Fターム(参考)】