説明

流動体投与装置及び方法

【課題】 流動性が高い栄養物の逆流によって気管その他の器官が炎症を起こすことなど不都合を防止することができる流動体投与装置を提供すること。
【解決手段】 圧力ゲージ40によって注入容器本体20中の圧力を監視しながら、スクイーズバルブ31を操作することによって、加圧空気を注入容器本体20内に供給する。注入容器本体20内の圧力は、栄養物NSを供給チューブ60を介してカテーテル64先端から所望の供給速度以上で吐出させることができるものとする。次に、クリップ65を外して供給チューブ60内を流通させる。これにより、てカテーテル64先端から胃や腸内に栄養物NSを投与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栄養物等の流動体をカテーテル等を介して消化管等に供給するための流動体投与装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトに対して栄養物の投与を行うため、胃ろうや腸ろうを造設するなどしてカテーテルを消化管に挿入し、このカテーテルを介して流動性の高い栄養物を消化管内に供給する場合がある。
【0003】
この場合、医師や看護婦等は、パック中の栄養物を一旦投与器具に移し替えた後に、この投与器具から患者に栄養物を投与している。すなわち、パック中の栄養物を投与器具のバッグに移し替え、このバッグを適当な高さに吊し、バッグ下部から延びるチューブの先端を患者に造設した胃ろうや腸ろうなどに挿入したカテーテルに接続して、胃や腸内に栄養物を適宜供給している。
なお、テトラパック中の栄養物を投与器具のバッグに移し替えることなく直接投与する飲料供給器具も存在する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−164532号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、以上の手法で供給する栄養物は、流動性が高いため、一旦胃内に投与した栄養物が、細心の注意を払わなければ胃から食道などに逆流することがある。このとき、逆流する栄養物のpHは、胃酸などによって酸性になっている。このため、逆流してきた酸性の栄養物によって食道、気管、肺などの器官が炎症を起こし、特に逆流してきた栄養物が気管などに侵入した場合、肺炎等の感染症を招くこともある。
【0005】
そこで、本発明は、流動性が高い栄養物の逆流によって気管その他の器官が炎症を起こすことなど不都合を防止することができる流動体投与装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、上記のような流動体投与装置を制御するための制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る流動体投与装置は、(a)流動性を有する投与物質を収納する気密性の注入容器本体と、(b)注入容器本体内を所定以上に加圧する加圧手段と、(c)注入容器本体の一部に加圧手段との干渉を避けるように設けられ、当該注入容器本体内の投与物質を外部に吐出する経路となる吐出部とを備える。
【0008】
上記流動体投与装置よれば、加圧手段が注入容器本体内を所定以上に加圧するので、投与物質が一定以上の粘性を有する場合であっても、吐出部から所望の流量で投与物質を吐出させることができる。つまり、投与物質の粘度の大小に拘わらず、投与物質を自在な流量で胃その他の消化管に供給することができる。特に、投与物質が上記のように一定以上の粘性を有する場合、吐出部からカテーテル等を介して胃その他の消化管に導入された投与物質は、その粘性によって流動性が低く抑えられるので、胃その他の消化管から食道などに逆流することが防止される。
【0009】
本発明の具体的観点又は態様によれば、上記流動体投与装置において、注入容器本体が、円筒その他の筒状であり、上部に気密に固定可能な蓋部材を有し、加圧手段が、注入容器本体の上部に加圧ガスを供給し、吐出部が、注入容器本体内の底部に連通する。この場合、加圧ガスのガス圧調節という簡易な手段によって、注入容器本体底部に連通する吐出部から投与物質を適宜吐出させることができる。
【0010】
また、本発明の具体的観点又は態様によれば、上記流動体投与装置において、注入容器本体内の加圧ガスを開放するリーク装置をさらに備える。この場合、吐出部からの投与物質の吐出を必要なタイミングで迅速に抑えることができる。
【0011】
また、本発明の具体的観点又は態様によれば、注入容器本体内の圧力を監視するための圧力センサをさらに備える。この場合、投与物質の粘度等の各種特性に応じて吐出部から吐出させる投与物質の流量を適宜調整することができる。
【0012】
また、本発明の具体的観点又は態様によれば、圧力センサの出力に基づいて加圧手段の動作を制御する制御装置をさらに備える。この場合、吐出部から吐出させる投与物質の流量や総流量を自動的に制御することができる。
【0013】
また、本発明の具体的観点又は態様によれば、投与物質が、半流動体の栄養物であり、吐出部が、チューブを介してカテーテルに連結されている。この場合、胃その他の消化管にカテーテルを介して所望量の半流動体の栄養物を供給することができ、このような消化管から食道などに栄養物が逆流することを栄養物の高い粘性を利用して防止できるので、食道、気管、肺などの器官が炎症を起こすことを防止できる。
【0014】
また、本発明の本発明に係る流動体投与装置の制御方法は、(a)流動性の投与物質を収納する気密性の注入容器本体内を加圧する工程と、(b)注入容器本体内の圧力を監視する工程と、(c)注入容器本体内の圧力の監視結果に基づいて、注入容器本体内を所定以上に加圧する工程と、(d)注入容器本体の一部に設けられた吐出部から、当該吐出部に連結されたチューブを介して、容器内の投与物質を外部に導く工程とを備える。
【0015】
上記流動体投与装置の制御方法よれば、気密性の注入容器本体内を所定以上に加圧するので、投与物質が一定以上の粘性を有する場合であっても、吐出部から所望の流量で投与物質を吐出させることができる。つまり、投与物質の粘度の大小に拘わらず、投与物質を自在な流量で胃その他の消化管に供給することができる。特に、投与物質が上記のように一定以上の粘性を有する場合、吐出部からカテーテル等を介して胃その他の消化管に導入された投与物質は、その粘性によって流動性が低く抑えられるので、胃その他の消化管から食道などに逆流することが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る流動体投与装置について説明する。
【0017】
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態の流動体投与装置の構造を説明する概略図である。この流動体投与装置10は、注入容器本体20と、加圧装置30と、圧力ゲージ40と、吐出部50と、供給チューブ60とを備える。
【0018】
ここで、注入容器本体20は、円筒容器であるガラス壜部21と、気密封止用のスチール蓋部23とを備える。前者のガラス壜部21は、ビーカに似た透明なガラス製容器であり、側面に計量用のメモリ21aが形成されている。ガラス壜部21の底部21cは、平坦に形成されており、注入容器本体20を安定した状態で台上に載置できるようになっている。なお、ガラス壜部21は、内容物の光分解を避けるため、着色したものとすることもできる。一方、後者のスチール蓋部23は、中央上部に立設された開口部材23aを有し、この開口部材23aによって注入容器本体20内に加圧空気を送り込むことができるようになっている。また、スチール蓋部23は着脱可能な蓋部材であり、このスチール蓋部23を外すことによって、ガラス壜部21内に治療や介護に必要な成分及び量の栄養物NSを充填することができる。なお、スチール蓋部23は、図2に示すように、ガラス壜部21の上部外周に形成された雄ねじ部21sに螺合する雌ねじ部21tを内側に有しており、スチール蓋部23をガラス壜部21にねじ付けた際には、シール部材23uが介在して、ガラス壜部21及びスチール蓋部23によって形成される内部空間を気密かつ加圧状態に保つことができるようになっている。
【0019】
なお、注入容器本体20に投入される栄養物NSは、適当な粘度に固めた流動体であり、これを一旦患者の胃等に投与した場合、胃から食道などに逆流することが防止される。これにより、胃から食道などに逆流してきた酸性の栄養物NSによって食道、気管、肺などの器官が炎症を起こしたり、これに原因して肺炎等の感染症を招くことを防止できる。栄養物NSの粘度は、粘性が高い状態の液体から固体に近い半流動体までの広い範囲で目的に応じて設定することができ、例えば50〜6500(mPA・s)程度の粘度範囲とするが、対象とする患者の消化管の状態等を監視しながら個別に決定する。
【0020】
加圧装置30は、手動ポンプであるスクイーズバルブ31を備え、このスクイーズバルブ31の後端には、図示を省略しているが、空気取り入れ専用の弁が形成されている。つまり、医師、看護婦等であるユーザがスクイーズバルブ31を握ったり放したりする動作を繰り返すことにより、スクイーズバルブ31の先端側に加圧空気を送り出すことができる。スクイーズバルブ31の先端には、リーク装置として、エア抜き用のリークバルブ32が接続されており、このリークバルブ32の管状金具32aの側面には、ノブ36が設けられている。このノブ36を回転させることにより、リークバルブ32内やスクイーズバルブ31等の内部を外気に開放することができる。また、リークバルブ32の管状金具32aの先端部32cは、耐圧性を有する樹脂パイプである圧力チューブ33の一端を気密に連結可能となっている。なお、管状金具32aの先端部32cは、その外周に断面鋸歯状の環状突起を軸方向の複数位置に有しており、圧力チューブ33が脱落等することを防止している。圧力チューブ33の先端側は、スチール蓋部23の上部中央に設けた開口部材23aに連結された金属製のL字管34に気密に連結されており、注入容器本体20内部に加圧装置30からの加圧空気を供給することができるようになっている。なお、L字管34の先端部34cは、その外周に断面鋸歯状の環状突起を軸方向の複数位置に有しており、圧力チューブ33が脱落等することを防止している。以上説明したスクイーズバルブ31、圧力チューブ33、L字管34等は、注入容器本体20内を所定以上に加圧する加圧手段として機能する。
【0021】
圧力ゲージ40は、圧力センサとして、加圧装置30のL字管34に連結されて固定されており、圧力チューブ33やL字管34内の圧力、すなわち注入容器本体20中の圧力を検出することができる。上述のように、ユーザがスクイーズバルブ31を操作することによって、加圧空気が圧力チューブ33及びL字管34を介して注入容器本体20内に導かれる。この際、ユーザは、圧力ゲージ4によって注入容器本体20中の圧力を監視することができるので、加圧装置30による加圧空気の送り込み量を視覚的に判断しながら調節することができる。
【0022】
吐出部50は、比較的細い環状の部材であり、ガラス壜部21の底部21cの側面に形成された開口21fから外部に延びるように立設されている。吐出部50の先端部51は、供給チューブ60の根元側をガラス壜部21に対して液密に連結するためのものである。この先端部51は、その外周に断面鋸歯状の環状突起を軸方向の複数位置に有しており、供給チューブ60が脱落することを防止している。
【0023】
供給チューブ60は、可撓性の樹脂パイプであり、栄養物NSの供給量や粘度を考慮して適当な内径を有する。供給チューブ60の先端は、ジョイント63を介してカテーテル64に対して液密に接続されている。このカテーテル64は、例えば患者の鼻孔から挿入され、胃や腸まで延びる。なお、カテーテル64の形状やサイズを変更することにより、経鼻ルートではなく、経胃ろうルート若しくは経腸ろうルートで患者に栄養物NSを投与することもできる。なお、供給チューブ60の適当な箇所には、ピンチ用のクリップ65が取り付けられている。このクリップ65の着脱によって、供給チューブ60中における栄養物NSの通過をON・OFFすることができ、患者の消化管に適当なタイミングで栄養物NSの投与を開始することができる。
【0024】
以下、図1の流動体投与装置10を用いた栄養物NSの投与について説明する。まず、クリップ65を止めて供給チューブ60内の流通経路を閉じる。次に、注入容器本体20のスチール蓋部23を外して、ガラス壜部21に栄養物NSを注ぐ。この際、計量用のメモリ21aを利用して、栄養物NSの充填量を調節することができる。その後、スチール蓋部23を再度固定して注入容器本体20の内部を気密に保持する。次に、圧力ゲージ40によって注入容器本体20中の圧力を監視しながら、スクイーズバルブ31を操作することによって、加圧空気を注入容器本体20内に供給する。注入容器本体20内の圧力は、栄養物NSを供給チューブ60を介してカテーテル64先端から所望の供給速度以上で吐出させることができるものとする。また、注入容器本体20内の圧力は、栄養物NSの吐出流量が過剰にならない程度のものとする。次に、クリップ65を外して供給チューブ60内を流通させる。これにより、カテーテル64先端から胃や腸内に栄養物NSを投与することができる。注入容器本体20中の圧力が低下した場合、スクイーズバルブ31をさらに操作することによって注入容器本体20内を昇圧し、栄養物NSの供給速度を調節する。必要量の栄養物NSの投与が完了した場合、クリップ65によって供給チューブ60を挟んで栄養物NSの吐出を停止させる。なお、患者等の様子から栄養物NSの吐出流量が過剰であると判断される場合には、例えばリークバルブ32を開状態にして、注入容器本体20内のエア抜きを行う。これにより、栄養物NSの吐出を直ちに中断することができる。
【0025】
〔第2実施形態〕
図3は、第2実施形態の流動体投与装置の構造を説明する概略図である。本実施形態の流動体投与装置は、図1に示す第1実施形態の流動体投与装置10を変形したものであり、同一部分には同一符号を付す。また、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
【0026】
この流動体投与装置110は、注入容器本体20と、加圧装置130と、圧力センサ140と、吐出部50と、チューブ装置160と、制御装置170とを備える。
【0027】
加圧装置130は、電動式のコンプレッサ131と、圧力チューブ33と、L字管34とを備える。ここで、コンプレッサ131は、制御装置170の指示に基づいて動作し、圧力チューブ33等を介して注入容器本体20内部を所望の気圧に保持することができる。なお、コンプレッサ131は、安全装置を有しており、圧力チューブ33や注入容器本体20内部の圧縮空気を緊急的にリークさせて注入容器本体20内を大気圧に戻すことができる。
【0028】
圧力センサ140は、加圧装置130のL字管34に取り付けられている。この圧力センサ140は、制御装置170に検出結果を出力し、注入容器本体20内を目標とする気圧状態に保持するためのフィードバック制御を可能にする。
【0029】
チューブ装置160は、供給チューブ60の根元側に開閉バルブ167を設けたものである。この開閉バルブ167は、制御装置170の指示に基づいて動作し、供給チューブ60内の流通状態を調節する。これにより、注入容器本体20内の圧力にかかわらず、カテーテル64先端から所望の供給速度で栄養物NSを吐出させることができる。
【0030】
制御装置170は、注入容器本体20に投入する栄養物NSの種類、粘度、患者の病状、特質等のデータを入力・保持することができ、圧力センサ140を用いたフィードバック制御によって、加圧装置130及び開閉バルブ167を介して、カテーテル64先端から吐出させる栄養物NSの供給速度等を所期の状態に設定・保持することができる。
【0031】
〔第3実施形態〕
図4は、第3実施形態の流動体投与装置の一部を説明する概略図である。本実施形態の流動体投与装置は、図3に示す第2実施形態の流動体投与装置110を、注入容器本体20と加圧装置130とに関して変更したものである。なお、特に説明しない部分については、第2実施形態と同様であるものとする。
【0032】
図示した流動体投与装置の部分は、注入容器本体220と加圧装置230とを一体化した加圧注入装置290となっている。
【0033】
注入容器本体220は、ガラス壜部21と、スチール蓋部223と、ピストン板225とを備える。スチール蓋部223は、開口223aを有しており、ピストン板225の上面から延びるロッド237を通している。一方、ピストン板225は、ロッド237に支持されてガラス壜部21の内面を滑らかに上下に摺動するようになっている。この際、ピストン板225の外周とガラス壜部21の内面とは気密に保たれ、ガラス壜部21及びピストン板225によって形成される内部空間を気密かつ加圧状態に保つことができるようになっている。
【0034】
加圧装置230は、シリンダタイプのアクチュエータ238と、このアクチュエータ238から延びるロッド237とを備える。アクチュエータ238は、図3に示す制御装置170の指示に基づいて動作し、ロッド237の押出量の制御によって、図3に示すカテーテル64の先端から所望の供給速度で栄養物NSを吐出させることができる。これに伴って、図3に示す圧力センサ140や開閉バルブ167を用いない構造となっている。つまり、ピストン板225の降下によって、ガラス壜部21内の栄養物NSが吐出部50に押出され、供給チューブ60に排出される。
【0035】
なお、ピストン板225には、逆止弁(不図示)を設けることもできる。この場合、ピストン板225をガラス壜部21内で下方に移動させると、逆止弁が閉状態となって注入容器本体220内の気圧が保たれる。一方、ピストン板225をガラス壜部21内で上方に移動させると、逆止弁が開状態となって外部の空気をガラス壜部21及びピストン板225によって形成される内部空間に導くことができる。また、ピストン板225には、リークバルブ等の通気手段を形成することもできる。スチール蓋部223をアクチュエータ238とともにガラス壜部21に取り付ける際に、このようなリークバルブを動作させれば、スチール蓋部223等の取付け作業が容易になる。
【0036】
〔第4実施形態〕
図5は、第4実施形態の流動体投与装置の一部を説明する概略図である。本実施形態の流動体投与装置は、図4に示す第3実施形態の流動体投与装置を、注入容器本体220、加圧装置230等に関して変更したものである。なお、特に説明しない部分については、第3実施形態と同様であるものとする。
【0037】
図示した流動体投与装置の部分は、加圧注入装置390であり、収納パック320と加圧装置330とを備える。
【0038】
収納パック320は、栄養物を収納する輸液パックその他の変形可能な液密パックであり、このような液密パックも、注入容器本体の概念に該当するものとする。収納パック320の一部には、収納パック320内の栄養物を吐出するための吐出部350が取り付けられている。この吐出部350から吐出された栄養物は、供給チューブ60を介して不図示のカテーテル先端から排出される。
【0039】
加圧装置330は、シリンダタイプのアクチュエータ238と、このアクチュエータ238から延びるロッド237と、このロッド237の先端に固定された加圧板335と、アクチュエータ238を支持するとともに収納パック320をセットする断面コ字状の保持部材336とを備える。アクチュエータ238は、図3の制御装置170の指示に基づいて動作し、ロッド237の押出量の制御によって、加圧板335の下面と保持部材336の底部上面との間隔を調節する。これにより、図3のカテーテル64先端から所望の供給速度で栄養物NSを吐出させることができる。なお、図示を省略しているが、供給チューブ60には、図3に示すと同様の開閉バルブ167を設けることもできる。この開閉バルブにより、供給チューブ60内の流通状態を調節することができ、カテーテル先端から所望の供給速度で栄養物を吐出させることができる。
【0040】
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、流動体投与装置10,110によって栄養物NSを投与する場合について説明したが、流動体投与装置10,110によって投与される流動体は、栄養剤等に限らず、嗜好食品、医薬等を含むものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態に係る流動体投与装置の構造を説明する概略図である。
【図2】図1の流動体投与装置の一部を拡大した断面図である。
【図3】第2実施形態に係る流動体投与装置の構造を説明する概略図である。
【図4】第3実施形態に係る流動体投与装置の一部を説明する断面図である。
【図5】第4実施形態に係る流動体投与装置の一部を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10…流動体投与装置、 20…注入容器本体、 21…ガラス壜部、 21a…メモリ、 21f…開口、 23…スチール蓋部、 23a…開口部材、 30…加圧装置、 31…スクイーズバルブ、 32…リークバルブ、 33…圧力チューブ、 40…圧力ゲージ、 50…吐出部、 60…供給チューブ、 63…ジョイント、 64…カテーテル、 65…クリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性を有する投与物質を収納する気密性の注入容器本体と、
前記注入容器本体内を所定以上に加圧する加圧手段と、
前記注入容器本体の一部に前記加圧手段との干渉を避けるように設けられ、当該注入容器本体内の前記投与物質を外部に吐出する経路となる吐出部と
を備える流動体投与装置。
【請求項2】
前記注入容器本体は、円筒状であり、上部に気密に固定可能な蓋部材を有し、前記加圧手段は、前記注入容器本体の上部に加圧ガスを供給し、前記吐出部は、前記注入容器本体内の底部に連通することを特徴とする請求項1記載の流動体投与装置。
【請求項3】
前記注入容器本体内の加圧ガスを開放するリーク装置をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の流動体投与装置。
【請求項4】
前記注入容器本体内の圧力を監視するための圧力センサをさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の流動体投与装置。
【請求項5】
前記圧力センサの出力に基づいて前記加圧手段の動作を制御する制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項4記載の流動体投与装置。
【請求項6】
前記投与物質は、半流動体の栄養物であり、前記吐出部は、チューブを介してカテーテルに連結されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載の流動体投与装置。
【請求項7】
流動性の投与物質を収納する気密性の注入容器本体内を加圧する工程と、
前記注入容器本体内の圧力を監視する工程と、
前記注入容器本体内の圧力の監視結果に基づいて、前記注入容器本体内を所定以上に加圧する工程と、
前記注入容器本体の一部に設けられた吐出部から、当該吐出部に連結されたチューブを介して、容器内の前記投与物質を外部に導く工程と
を備える流動体投与装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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