説明

流動化処理土による埋め戻し方法

【課題】攪拌装置を備えていないバキュームによっても移送可能であり、高い一軸圧縮強度を実現する埋め戻し方法の提供を図る。
【解決手段】汚泥に対し固化材を加えることにより流動化処理土を製造する。この製造は、汚泥に対して調整汚泥製造工程と混練処理工程を行なう。調整汚泥製造工程は、汚泥に対する水分調整を行い、比重1.18以上1.28未満に調整した調整汚泥を得る。混練処理工程は、上記調整汚泥1m3に対して上記固化材を150kg以上260kg未満の範囲で加えて混練する。これらによって、材齢28日の一軸圧縮強度が200kN/m2以上の流動化処理土を得る。この流動化処理土mを、例えば、バキュームカー1で搬送すると共に、ポンプによって埋め戻し空間に充填し、材齢28日の一軸圧縮強度が200kN/m2以上の埋め戻し状態を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、流動化処理土による埋め戻し方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1や特許文献2に示す流動化処理土に関する技術が知られている。
【0003】
特許文献1は、建設汚泥を処理して含水率を約55%〜約65%に調整した調整汚泥10リットルに対して水を約2.5〜約3.5リットルの範囲で、また、調整汚泥と水との混合組成物10Ltrに対して、セメント、セメント系固化材、セメント・石灰複合系固化材、及び石灰の中から選択した固化材を、水に溶解した固化材の固形分として約0.6〜約0.8kgの範囲で混合し、流動性を持ち、1.0kg/cm2〜5.0kg/cm2の一軸圧縮強度を有し、かつ、ブリージング率3%以下、フロー値約160〜300mmの流動化処理土を得ることを特徴とする流動化処理土の製造方法を開示するものである。この製造方法は、少ない水分量の調整汚泥に対して、比較的少ない固化材を加えて流動化処理土を製造するものであり、攪拌装置を備えたアジテータ車(コンクリートキミサー車)で移送し、これによって建築現場等の露天の埋め戻し空間の埋め戻しを行なうことに適している。ところが、この特許文献1の流動化処理土は、少ない水分量で少量の固化材を混練するため、混練後、攪拌装置のないバキューム車では、その移送が困難であった。特に、1時間以上の移送には耐えることができないものであった。
【0004】
特許文献2は、残土を使用することにより、配管の管内などの空間を充填するものであって、残土を収容する施設敷地と、残土が充填される空間がある現場とは、夫々異なる場所であり、上記施設敷地に少なくとも収容槽を設置し、収容槽に収容された残土に水を混合し、残土に水を混合した後、施設敷地においてセメントを混入せずに、現場まで残土を移送し、タンクとバキュームポンプとを備えるバキューム車を用い、現場において、少なくとも、ミキサーと、バキューム車と、サンドポンプとを設置しておき、移送されてきた残土をミキサーに移してセメントを加え、練り潰して、フロー300mm〜450mmのスラリーモルタルを形成し、上記にて形成されたモルタルを、バキューム車のタンクに移し、バキューム車のタンクへ、サンドポンプを接続し、サンドポンプに吐出用のホースを接続し、サンドポンプとバキューム車のバキュームポンプとを作動させることにより、外部より上記の空間内に、当該モルタルを圧送するものであり、上記のサンドポンプには、排水量を毎分1000〜1500リットル、揚水量毎分1〜2立方メートルの能力を備えたものを採用し、上記のバキュームポンプには、0.98〜9.8Nの圧力を負荷することができるものを採用することを特徴とする残土充填方法を開示するものである。この残土充填方法では、比重1.15の比較的多い水分量の調整汚泥に対して、比較的多量の固化材(上記調整汚泥1m3に対して上記固化材150kg)を加えることで、流動性が極めて高く、アジテータ車(コンクリートキミサー車)のみならず、バキューム車で移送できる共に、地中埋設管内で500m以上の圧送を可能としたものである。この特許文献2の方法は、上記のように地中埋設管内での圧送距離を長く伸ばすことができたが、高い一軸圧縮強度を実現することはできなかった。特に、露天の埋め戻し現場にあっては、埋め戻した後の地盤の強度が、埋め戻し現場周辺の掘削前地盤と略等しいか、それ以上となることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許3839642号公報
【特許文献2】特許4098675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の目的は、攪拌装置を備えたアジテータ車のみならず、攪拌装置を備えていないバキュームによっても移送可能であり、且つ、200kN/m2を超える、より望ましくは強固な地盤と言われる240kN/m2を超える高い一軸圧縮強度を実現することが可能な流動化処理土による埋め戻し方法の提供を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明は、汚泥に対して、セメント、セメント系固化材、セメント・石灰複合系固化材、及び石灰の中から選択した固化材を加えることにより、ブリージング率3%以下の流動化処理土を製造すると共に、製造した流動化処理土で埋め戻しを行なう方法において、上記汚泥に対して調整汚泥製造工程と混練処理工程を行なうものであり、上記調整汚泥製造工程は、汚泥に対する水分調整を行なうことで、比重1.18以上1.28未満に調整した調整汚泥を得る工程であり、
上記混練処理工程は、上記調整汚泥1m3に対して上記固化材を150kg以上260kg未満の範囲で加えて混練する工程であり、これらの工程によって、材齢28日の一軸圧縮強度が200kN/m2以上の流動化処理土を製造し、上記流動化処理土を、移送すると共に、ポンプによって埋め戻し空間に充填し、材齢28日の一軸圧縮強度が200kN/m2以上の埋め戻し状態を得ることを特徴とする流動化処理土による埋め戻し方法を提供する。
上記流動化処理土は、特に限定されないが、例えば、攪拌装置を備えないバキューム車によって移送し、この流動化処理土をバキューム車に搭載されたポンプ又はサンドポンプの少なくとも何れか一方によって、埋め戻し空間に充填することができる。
上記混練処理工程は、特に限定されないが、例えば、上記調整汚泥に脱水ケーキを加える脱水ケーキ添加工程を含み、上記脱水ケーキ添加工程は、予め得られていた調整汚泥に対して上記の固化材を加えてから脱水することによって脱水ケーキを製造し、この脱水ケーキを、上記調整汚泥に加えるものであり、上記の混練処理工程の終了時の流動化処理土の比重が1.25以上であることが好ましい。
上記調整汚泥製造工程は、特に限定されないが、例えば、汚泥を分級して74μm以下の細粒を主成分とする汚泥に対して、水分調整を行なうことで、比重1.18以上1.28未満に調整した調整汚泥を得る工程であり、上記の混練処理工程の終了時の流動化処理土の比重が1.25以上であることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本願発明は、攪拌装置を備えたアジテータ車のみならず、攪拌装置を備えていないバキュームによっても移送可能であり、且つ、200kN/m2を超える、より望ましくは強固な地盤と言われる240kN/m2を超える高い一軸圧縮強度を実現することが可能な流動化処理土による埋め戻し方法を提供し得たものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本願発明の実施の形態の説明図である。
【図2】本願発明の他の実施の形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づき本願発明の実施の形態を説明する。
図1に、本願発明の実施の形態を示す。
【0011】
まず、土(又は汚泥)の発生場所(図示せず)と、土を収容する工場などの施設(施設敷地P)と、埋め戻される露天空間がある現場Qとが、夫々異なる場所である場合を説明する。
【0012】
この実施の形態に係る流動化処理土による埋め戻し方法は、調整槽4と、ミキサー3と、サンドポンプ2と、バキュームカー1(バキューム車)を備える。上記施設敷地Pから現場Qの間の距離kは、車両等の通常のモルタルの移送手段によって、1〜2時間以内に移動できる程度とする。
先ず、土(主として建設汚泥)は、建築現場や採掘場所等の土の発生場所から、トラック等の車両や、その他の周知の運搬手段を利用して、上記施設敷地Pに移送される。
【0013】
上記施設敷地Pには、上記調整槽4と、ミキサー3とが設置されている。この調整槽4において土(又は汚泥)は、適切な値に水分調整されて調整汚泥zとされ、この調整汚泥zは、ミキサー3に移され、セメントが加えられる。当該ミキサー3にて調整汚泥zにセメントが練り込まれ、流動化処理土mが製造される。
【0014】
この流動化処理土の製造方法をより詳しく説明する。この流動化処理土の製造工程は、(a)調整汚泥製造工程と、(b)混練処理工程とを備える。
【0015】
(a)調整汚泥製造工程は、
(a1)汚泥の受け入れ
(a2)加水・解泥
(a3)分級
(a4)備蓄
(a5)水分調整
の各ステップを含むものであり、以下、これらのステップについて説明する。
【0016】
(a1)汚泥の受け入れ
建設現場等で発生した汚泥を受け入れる。この受け入れは、建設現場に充填材製造プラントを設けた場合には、当該現場で行うこともできるが、充填材製造プラントが遠隔地にある場合には、バキューム車等の移送手段で移送して、蓄積場に受け入れて蓄積する。
【0017】
(a2)加水・解泥
受け入れ、必要に応じて蓄積した建設汚泥は、固塊状であったり、水分の量が次のステップの(a3)分級に適さない状態であったりするため、必要に応じて水を加えたり、固塊をつぶして細かくする。
【0018】
(a3)分級
建設汚泥を、粗骨材(粒径75μm以上)と、細粒の汚泥(粒径74μm以下)とに分離する。本発明では、この細粒の汚泥(粒径74μm以下)を主成分とするもので、細粒の汚泥を50重量%以上、好ましくは75重量%以上、最も望ましくは全量配合する。分級の方法としては、篩による篩分離やサイクロン分離機によるサイクロン分離を挙げることができ、必要に応じて、これらを組み合わせて複数回の分級を行って、分級の精度を高めることが望ましい。
【0019】
(a4)備蓄
分級によって得られた汚泥は、すぐに用いることもできるが、必要に応じてタンク等に備蓄することもできる。
(a5)水分調整
調整槽4にて、水を加えるなどして汚泥の水分量を調整し、目標の水分量にした調整汚泥zを製造する。本発明の水分量は、下記の通りである。
比重 1.18〜1.27
含水率 75.4〜65.7%(比重からの換算値)
【0020】
(b)混練処理工程
混練処理工程は、上記の調整汚泥zをミキサーに投入して、固化材投入してミキシングして流動化処理土を製造する工程である。固化材としては、セメント、セメント系固化材、セメント・石灰複合系固化材、石灰等を例示できる。固化材の量は、調整汚泥1m3に対して固化材を150kg以上260kg未満の範囲とするものであり、ミキサーで十分に混練する。これにより得られた流動化処理土は、比重が1.25〜1.40、フロー値は140〜400mm、材齢28日の一軸圧縮強度200kN/m2以上、ブリージング率3%以下のものが得られるものであり、後述の移送方法を採ることができると共に、周辺地盤と遜色ない固化強度を備えた埋め戻しが実現するものである。
【0021】
なお、上記(a)調整汚泥製造工程又は(b)混練処理工程において、脱水ケーキを添加することもできる。
この脱水ケーキは、予め得られていた調整汚泥に対して、凝集剤などの薬剤を使用せず、固化材を加えてから脱水することによって製造されるものであり、この脱水ケーキを、上記調整汚泥に加えるものである。この工程を次に説明する。
【0022】
(c1)固化材投入・ミキシング
上記の同様の(a)調整汚泥製造工程によって得られた調整汚泥に対して、上記と同様の固化材を投入し、上記と同様の(b)混練処理工程を行なう。但し、この固化材の量は、30〜100kg/m3、好ましくは40〜70kg/m3である。
【0023】
(c2)脱水ケーキの作成
得られたケーキ材料を、フィルタープレスで脱水して、ケーキを作成し、必要に応じて養生する。
(c3)篩・破砕
得られたケーキを破砕し、篩分離やサイクロン分離機によって細粒状に整える。
(c4)混合
この細粒状になったものを、前述の(a)調整汚泥製造工程の調整槽4や、(b)混練処理工程のミキサー3に添加投入する。
【0024】
得られた流動化処理土mは、攪拌装置を備えたアジテータ車でも移送できるが、攪拌装置を備えていないバキュームカー1でも移送され得る。このバキュームカー1は、タンク10と、バキュームポンプ11とを備え、流動化処理土mは、バキュームカー1の当該タンク10に移される。図1において、h1は、ミキサー3とバキュームカー1のタンク10とを接続するホース(第1ホース)を示している。
流動化処理土mを収容したバキュームカー1は、(第1ホースh1が外され)現場Qまで、走行する。
【0025】
現場Qには、上記サンドポンプ2を設置しておく。そして、施設敷地Pより移動してきたバキュームカー1のタンク10に当該サンドポンプ2を接続する。図1のh2は、バキュームカー1のタンク10とサンドポンプ2とを接続するホース(第2ホース)を示している。また、h3は、サンドポンプ2に接続された吐出用のホース(第3ホース)を示している。サンドポンプ2に接続された当該第3ホースh3を、埋め戻す露天の埋め戻し穴Tへ配置する。
そして、サンドポンプ2とバキュームカー1のバキュームポンプ11とを作動させ、埋め戻し穴T内に、バキュームカー1のタンク10内の流動化処理土mを圧送して、埋め戻しを行なう。
【0026】
上記のサンドポンプ2には、出力15〜22kw、排水量を毎分1000〜1500リットル、揚水量毎分1〜2立方メートルのものを採用するのが好ましい。特に、出力22kw、排水量毎分1400リットル、揚水量毎分1.5立方メートルとするサンドポンプを採用するのが好ましい。
【0027】
バキュームカー1には、4t・大型バキューム車を用いることができる。
バキュームポンプ11にて、0.98〜9.8N(0.1〜1kgf/cm2 )の圧力を負荷することによって、上記の圧送が円滑に行えた(車の限度が9.8N)。 圧送に用いる第3ホースh3には、直径が75mm,100mm,125mmの太さのものを使用することが可能である。
【0028】
図1に示す実施の形態は、施設敷地Pから現場Qまで、1〜2時間で移動できる場合に適用することができるが、それ以上の時間を移動に必要とする場合は、流動化処理土mの硬化が生ずるため、この実施の形態の採用は適当ではない。
そこで、このような場合に適した実施の形態について、図2を用いて説明する。この例では、調整槽4(図2では図示せず。)で製造された調整汚泥zを車両等の周知の手段によって、現場Qまで移送する。
【0029】
現場Qにおいて、ミキサー3、タンク5、バキュームカー1及びサンドポンプ2を設置しておき、移送されてきた調整汚泥zをミキサー3内へ収容する。このミキサー3内において、セメントを調整汚泥zに混ぜ合わされ流動化処理土mが形成される。ミキサー3は、第4ホースh4にてタンク5に接続されている。タンク5は、第5ホースh5にて、バキュームカー1のタンク10に接続される。タンク5に収容された流動化処理土mは、この第5ホースh5を通じて、バキュームカー1のタンク11に移動することができる。
図1に示す実施の形態と同様、バキュームカー1のバキュームポンプ11と上記サンドポンプ2とが接続され、露天の埋め戻し穴T内に、流動化処理土mが圧送される。なお、ミキサー3は、第4ホースh4にてタンク5に接続されるものとしたが、タンク5を用いずに、直接バキュームカー1のタンク10に接続するものとしてもよい。また施設敷地Pを経由せずに(このような施設を設けずに)、土の発生場所から埋め戻し現場Qまで、土を移送するものとしてもよい。その場合、残土の発生場所にて、土へ水を加えるのとしても現場Qで水を加えるものとしても何れでも実施可能である。また、セメントについても、土の発生場所から現場Qまでの移動時間が1〜2時間であれば、土の発生場所と、現場Qのいずれにおいて、調整汚泥に加えてもよい。更に、上記と異なり、土の発生(採取)した場所と、現場Qとは、同じ場所であってもよい。
上記の各実施の形態において、バキューム車として、モービル車を用いて実施することも可能である。一般的なバキューム車は、そのタンク内を真空にすることにより被移送物をを吸うものであるが、モービル車は、そのタンク内を真空にするのではなく、送風(ブロー)により被移送物を吸うものである。
【0030】
次に、本願発明の実施例を、比較例と共に説明するが、本願発明はこれらの実施例に限定して理解されるべきではない。
表1〜5の実施例1〜17と表5の比較例1及び2に示すように、上記(a)調整汚泥製造工程(b)混練処理工程を実施するに際して、各表に示すセメント添加量と比重(含水比及び含水率)によって混合攪拌し、各表の混練後比重を備えたブリージング率3%以下の流動化処理材を得た。これを4t・大型バキューム車で約1時間運搬し、このバキューム車のバキュームポンプ(圧力0.98〜9.8N)と、出力22kw、排水量毎分1400リットル、揚水量毎分1.5立方メートルのサンドポンプを用いて露天の埋め戻し現場を埋め戻した。現場への埋め戻し作業後の28日経過後の一軸圧縮強度を測定し、各表に示した。また、混練終了時のフロー値と、4t・大型バキューム車で約1時間運搬後のフロー値(運搬後フロー値)とを、各表に示した。圧送距離ポンプ無しは、優、良、可の3段階で評価した。これは上記バキューム車のバキュームポンプのみ(サンドポンプは使用せず)での圧送可能な距離を、混練後比重、フロー値及び性状観察結果を勘案して評価して示したもので、優は40m以上、良は30m以上40m未満、可は20m以上30m未満である。圧送距離ポンプ有りは、優、良、可の3段階で評価した。これは上記バキューム車のバキュームポンプとサンドポンプとを併用しての圧送可能な想定距離を、混練後比重、フロー値及び性状観察結果を勘案して評価して示したもので、優は400m以上、良は250m以上400m未満、可は50m以上250m未満である。ワーカビリティーは、バキューム車で運送した場合に固化せずに運送できる時間を評価して示したもので、優は1時間30分以上、良は45分以上1時間30分未満、可は15分以上45分未満である。対アジテータ車経済性判定は、アジテータ車で運送し埋め戻しをする場合とのコストを試算し比較したものであり、優はバキュームで運送し埋め戻しする方が有利な場合、劣はアジテータ車で運送し埋め戻しする方が有利な場合を場合を示す。
以上、これらの評価を勘案すると、比較例では、一軸圧縮強度が十分でなく露天の埋め戻しには不安が残ったのに比して、各実施例においては、強固な地盤と言われる240kN/m2を超える高い一軸圧縮強度を実現することが可能であり、且つ、アジテータ車のみならず、バキューム車での搬送も可能とした流動化処理土による埋め戻し方法を実現し得ることが確認された。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

【0033】
【表3】

【0034】
【表4】

【0035】
【表5】

【符号の説明】
【0036】
1 バキュームカー
2 サンドポンプ
11 バキュームポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚泥に対して、セメント、セメント系固化材、セメント・石灰複合系固化材、及び石灰の中から選択した固化材を加えることにより、ブリージング率3%以下の流動化処理土を製造すると共に、製造した流動化処理土で埋め戻しを行なう方法において、
上記汚泥に対して調整汚泥製造工程と混練処理工程を行なうものであり、
上記調整汚泥製造工程は、汚泥に対する水分調整を行なうことで、比重1.18以上1.28未満に調整した調整汚泥を得る工程であり、
上記混練処理工程は、上記調整汚泥1m3に対して上記固化材を150kg以上260kg未満の範囲で加えて混練する工程であり、
これらの工程によって、材齢28日の一軸圧縮強度が200kN/m2以上の流動化処理土を製造し、
上記流動化処理土を、移送すると共に、ポンプによって埋め戻し空間に充填し、材齢28日の一軸圧縮強度が200kN/m2以上の埋め戻し状態を得ることを特徴とする流動化処理土による埋め戻し方法。
【請求項2】
上記流動化処理土を攪拌装置を備えないバキューム車によって移送し、
この流動化処理土をバキューム車に搭載されたポンプ又はサンドポンプの少なくとも何れか一方によって、埋め戻し空間に充填することを特徴とする請求項1記載の流動化処理土による埋め戻し方法。
【請求項3】
上記混練処理工程は上記調整汚泥に脱水ケーキを加える脱水ケーキ添加工程を含み、上記脱水ケーキ添加工程は、予め得られていた調整汚泥に対して上記の固化材を加えてから脱水することによって脱水ケーキを製造し、この脱水ケーキを、上記調整汚泥に加えるものであり、上記の混練処理工程の終了時の流動化処理土の比重が1.25以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の流動化処理土による埋め戻し方法。
【請求項4】
上記調整汚泥製造工程は、汚泥を分級して74μm以下の細粒を主成分とする汚泥に対して、水分調整を行なうことで、比重1.18以上1.28未満に調整した調整汚泥を得る工程であり、
上記の混練処理工程の終了時の流動化処理土の比重が1.25以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の流動化処理土による埋め戻し方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−64314(P2013−64314A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−234504(P2012−234504)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2009−282599(P2009−282599)の分割
【原出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(509343895)株式会社三和 (2)
【Fターム(参考)】