説明

流動媒体の誘導導電率測定の方法およびデバイス

本発明は、一方が励起コイルを有し他方が誘導コイルを有する少なくとも2つの環状心を含むセンサを液体に浸漬することによって、液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定する方法およびデバイスを開示する。方法は、整流後に、誘導コイルにおいて誘導電流を交流方形波電圧に変換するステップを含む。交流方形波電流変換の遷移時間を回避するため、サンプルホールド回路が用いられる。復調されたDC電圧は測定される液体の導電率に比例する。したがって、測定の精度が大幅に改善され、ケーブル長の影響が最小限に低減される。本発明はまた、センサコイルのDC抵抗および長いケーブルの抵抗の影響によって引き起こされる誤差を補正する方法を含み、それによって測定の精度がさらに増加する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動媒体の、特に液体もしくは溶液の、導電率を電磁的または誘電的に測定するための方法およびデバイスに関する。これは測定機器の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
液体の導電率は電気化学の重要な分析パラメータである。その測定は、化学工業、冶金学、生物学、医学、搗精試験(grain testing)、水の保全、エネルギー資源などの分野における広い用途を有する。導電率の測定方法は、接触式と非接触式の2つの群に分割することができる。
【0003】
非接触式測定は、電磁誘導の原理を適用し、したがって、電磁導電率測定方法または誘電導電率測定方法とも称することができる。測定要素の導電部と測定される液体との間に接触はないため、このタイプのセンサは、固体性が良好であり、耐食性であり、極性がなく、耐用年数が長いという利点を有する。液体の導電性の電磁的測定の基本原理が発明され、実際に適用されて以降、開発の長い歴史がある。
【0004】
例えば、M.J.Relisによる米国特許第2,542,057号は、1951年に基本理論を一般に対して公開した。この参考文献によるセンサは、防食性および絶縁性材料によって覆われた一対の同軸の環状心を用いる。2つの環状心の内孔によって、液体を通る電流経路が可能になる。電磁誘導の原理によれば、交流電流が励起コイルを通して送られると、励起環状心内に交流磁束が発生し、それによって次に、測定される液体中のループを通る誘導電流が発生する。ループ内で発生した誘導電流は、それ自体が、励起環状心およびピックアップ環状心の両方と交差する電流ループとして現れる。この電流ループは環状心内に交流磁束を発生させ、それによって誘導コイル内に誘導電流が発生し、それによって次に、誘導コイルにおいて誘導された電圧が生成される。
【0005】
液体の誘導電流はその導電率に関連するので、誘導コイルの誘導電流および誘導電圧(開路電圧)は液体を通る電流に比例する。したがって、液体の導電率は、誘導電流または誘導電圧の測定から導き出すことができる。液体の導電率Gは、式G=C/Rから計算される。式中、Cはセンサセル定数、Rは液体を通るループの等価抵抗である。従来、励起電圧は通常はAC正弦波であり、誘導コイルの誘導電圧は、電気橋絡平衡法(electric bridge-balancing method)によって測定されたが、その方法には、精度が低く、自動化のレベルが低いという不利な点があった。現在、現代の電子技術の発展により、この方法はほとんど使用されない。
【0006】
誘導電圧を測定する方法は比較的単純であり、依然として使用されている。例えば、「Inductive Conductivity and Concentration Meter」(Chemical Automation and Meters,1997,24(1):56−58)という出版物で紹介された方法によれば、液体の誘導電流はその導電率に関連する。誘導コイルの誘導電流または誘導電圧(開路電圧)は液体を通る電流に比例する。したがって、液体の導電率は、誘導コイルの誘導電流または誘導電圧の測定から導き出すことができる。しかし、この方法では、誘導コイルの誘導電圧は、液体の導電率だけではなく励起コイルのインダクタンスにも関連し、そのことが測定の線形性に悪影響を与える。また、環状心の透磁率は温度および他の要因によって影響され、それによって、励起コイルのインダクタンスの温度に依存したドリフトが引き起こされ、測定の精度に悪影響がある。
【0007】
測定の確度を向上するため、Falmouth Scientificによる1995年の米国特許第5,455,513号は、ゼロ電流方法としても知られる電流補償方法を用いるシステムを提案している。それにより、補償電流が誘導電流から差し引かれて、ゼロ電流およびそれに対応するゼロ電圧を生成するようにして、誘導コイルの誘導電流は付加的な補償によって平衡を保たれる。誘導コイルの測定端子における電圧がゼロのとき、誘導コイルの誘導電流が液体の導電率に比例するので、これは比較的高精度の方法である。しかし、この方法は、前置増幅、同調フィルタ増幅、同相検出、統合、スイッチング乗算(switching multiplication)、および適切な補償電流を発生させるためのさらなる増幅という工程を伴うため、比較的複雑かつ高価である。さらに、測定範囲を変更するために、通常は、関与するすべての構成要素のパラメータを変更する必要がある。また、上述した積分工程のために、高品質の統合コンデンサが必要であり、したがってコストが高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
液体の導電率を電磁的かつ誘電的に測定するための既存のデバイスにおける上述した不利な点を考慮して、本発明は、従来技術の欠点を克服し、特に、単純で高確度の測定方法およびそれに対応する測定デバイスを提供するという目的を有する。さらなる目的は、異なる測定範囲への適応性を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
技術的解決は、独立請求項に記載される特徴を備える測定方法および測定デバイスによって提供される。本発明のさらなる実施形態は追加の従属請求項にて開示される。
【0010】
本発明は、励起電流を流動媒体に印加するための励起コイルと、前記流動媒体を介して前記励起電流によって発生した誘導電流(inducted current)を受け取るための誘導コイルとを備えるセンサを用いて、前記流動媒体の導電率を誘導的に測定する方法であって、
励起コイルに交流励起電流を印加するステップと、
前記誘導電流に対応する測定信号を供給するため、前記誘導電流を測定するステップと、
出力信号を生成するため、前記交流励起電流に対して同期されたホールド期間(H)の間、ほぼ一定の値で前記測定信号を保持するサンプルホールドプロセスに前記測定信号を供給するステップと、
前記流動媒体の導電性を計算するため、前記出力信号を供給するステップとを含む、方法を開示する。
【0011】
この方法を用いて、導電率測定の測定値または線形性に悪影響を与えるかく乱効果を抑制することによって、高確度の測定が実現される。さらに、サンプルホールドプロセスを使用することによって、入力回路、増幅器、およびサンプルホールド回路などの少数の電気部品を備えた、単純で非常にコスト効率の良いフォワード回路を構築することが可能になる。特に、高価で高品質の統合コンデンサを回避することができる。それに加えて、少数の構成要素を変更することによって、特に単一の増幅器の利得を変更することによって、測定回路を容易に異なる測定範囲に適合させることができる。
【0012】
本発明による方法およびデバイスを用いて、測定または測定の線形性に悪影響を与える多数の悪影響、特に励起コイルのインダクタンスの影響、増幅回路もしくは整流回路の影響、および特にケーブルの長さの影響を低減または排除することができる。また、環状心の透磁率は温度および他の要因によって影響され、それによって、励起コイルのインダクタンスの温度に依存したドリフトが引き起こされ、測定の精度に悪影響がある。それにも関わらず、サンプルホールドプロセスを用いて、これらの影響およびかく乱の要因を有効に抑制することができる。したがって、本発明は、液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定するための方法およびデバイスを開示し、その方法およびデバイスは、それらの単純性および高確度によって区別される。
【0013】
さらに、サンプルホールドプロセスは、遷移を橋絡するという利点を有し、その間に信号の行き過ぎまたは過剰減衰が起こり、それは、測定の精度に対して不利な影響を有する。本発明によれば、これらの遷移の影響が回避されて、測定の精度が最適化される。
【0014】
本発明の第1の実施形態では、励起電流および/または測定信号は、相当の期間の間ほぼ一定であり、特にそれはほぼ方形波信号である。このことは、これらの信号を他の信号形態よりも、特に正弦波信号よりも正確に測定できるという利点を有する。
【0015】
本発明のさらなる一実施形態では、ホールド期間の開始は交流励起電流の方向変更の時点にほぼ一致し、特にわずかに先行する。
【0016】
さらなる好ましい一実施形態では、ホールド期間の持続時間は、ほぼ安定した信号、および/または交流電流の方向変更もしくは測定信号の時間に依存した遷移によって導入される効果によってほぼ影響されない信号を得るのに十分な長さであるように、かつ/あるいはホールド期間の持続時間が交流電流の期間のほぼ4分の1よりも長いように構成される。
【0017】
このホールド期間は、それらの遷移をやはり橋絡するという利点を有し、その間に、交流励起電流および/またはそれに対応する測定信号の極性が変わる。これらの遷移は、励起回路の影響、ケーブルの容量、測定回路、増幅回路、または整流回路のクロストーク妨害もしくは動的特性など、多くの影響を及ぼす要因により、非常に複雑である。遷移は行き過ぎおよび/または過剰減衰をもたらし、それらは測定の精度に対して不利な影響を有する。本発明によれば、これらの遷移の影響が回避されて、測定の精度が最適化される。
【0018】
さらなる好ましい一実施形態では、ホールド期間は交流電流の期間のほぼ4分の1よりも長い。さらに、交流方形波信号の極性変化の遷移時間を回避するため、サンプルホールド回路を使用することは非常にコスト効率が良い。
【0019】
本発明のさらなる一実施形態では、測定信号は、サンプルホールドプロセスに供給する前に、特に、デジタル化した測定信号の加減算を繰り返すことによって、もしくはデジタル化した測定信号の符号を逆にすることによって、電圧および/またはデジタル信号および/または整流信号に変換される。
【0020】
さらなる好ましい一実施形態の測定ステップにおいて、整流信号は、励起電流と関連して同期して整流されて、サンプルホールドプロセスに同期の整流測定信号が供給される。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態では、流動媒体の導電率を判断するため、出力信号に対するA/D変換が行われ、かつ/または、流動媒体の導電率を測定するため、センサが流動媒体に浸漬される。
【0022】
本発明のさらなる好ましい一実施形態では、ホールド期間は、交流励起電流の供給源によって、または交流励起電流の供給源を制御する制御装置によって供給されるタイミング信号によって同期される。
【0023】
本発明のさらなる好ましい一実施形態は、センサを液体に浸漬することによって行われ、センサが、一方が励起コイルを有し他方が誘導コイルを有する少なくとも2つの環状心を用いる、液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定する方法を開示する。方法は、
交流方形波電圧を発生させて励起コイルに供給するステップと、
誘導コイルの電流をピックアップするステップと、
電流を電圧に変換するステップと、
電圧波形を同期して復調するステップと、
復調された波形の遷移時間を回避するため、サンプルホールド回路を用いるステップと、
サンプルホールドの出力に対してA/D変換を適用するステップと、
A/D変換の結果に基づいて液体の導電率を計算するステップとを含む。
【0024】
液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定する上述の方法のさらなる一実施形態では、誘導コイルの出力の端子電圧はほぼゼロである。
【0025】
液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定する上述の方法のさらなる一実施形態では、液体の導電率Gを計算する方法は、次式にしたがって計算される。
【0026】
【数1】

【0027】
式中、Cはセンサセル定数、Vは励起電圧、Nはコイル巻線の巻数、Rは液体を通るループの等価抵抗である。
【0028】
上述の方法のさらなる一実施形態では、センサコイルおよび接続ケーブルのDC抵抗が、完全に無視できるほど小さくない場合、液体を通るループの等価抵抗は次式のように修正される。
【0029】
【数2】

【0030】
式中、RL1は励起コイルおよび接続ケーブルのDC抵抗、RL2は誘導コイルおよび接続ケーブルのDC抵抗、kは1〜1.4の値の包括的な係数である。実施形態の1つでは、包括的な係数kは約1.2として得られる。
【0031】
本発明の別の実施形態は、センサを液体に浸漬することによって行われ、センサが、一方が励起コイルを有し他方が誘導コイルを有する少なくとも2つの環状心を含む、液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定する別の方法を開示する。方法は、
励起コイルを励起するため、交流方形波電圧を供給するステップと、
誘導コイルの電流をピックアップするステップと、
電流を電圧に変換するステップと、
電圧に対してA/D変換を行うステップと、
同期復調の機能を実現するため、加減算を繰り返すステップと、
加減算を繰り返す間、A/Dの結果の遷移時間を回避するステップと、
加減算を実行した結果に基づいて液体の導電率を計算するステップとを含む。
【0032】
さらに、本発明は、交流励起電流を流動媒体に印加するための励起コイルと、流動媒体を介して励起電流によって発生した誘導電流を受け取るための誘導コイルとを備えるセンサに接続可能な、流動媒体の導電率を誘電的に測定する測定デバイスであって、誘導コイルに接続可能であるとともに誘導電流に対応する測定信号を供給する入力回路を備える測定デバイスを含む。それにより、前記測定デバイスは、測定信号を受け取るために入力回路に接続された第1の入力と、励起電流に対応するタイミング信号を受け取る第2の入力とを有するサンプルホールド回路を備え、サンプルホールド回路は、タイミング信号に同期されたホールド期間の間ほぼ一定の値で測定信号を保持するように動作可能である。
【0033】
測定デバイスの好ましい一実施形態では、入力回路は、アナログ・デジタル変換器および/または整流器を、特に、電圧信号および/またはデジタル化信号および/または整流信号および/または同期整流信号として、サンプルホールド回路に測定信号を供給する同期整流器を介して、サンプルホールド回路に接続される。
【0034】
さらなる一実施形態では、測定デバイスは、交流励起電流を印加するために励起コイルに接続された、かつタイミング信号を伝達するために、特に送受信するためにサンプルホールド回路に接続された電流源を備える。
【0035】
さらに、本発明は、上述の測定デバイスを備え、さらに、入力回路に動作可能に接続された誘電導電率センサを備える測定システムを含み、センサは流動媒体に、特に液体もしくは溶液に浸漬され、かつ/またはセンサの各コイルは環状心によって、特にフェライトリングもしくは磁気リングによって支持される。
【0036】
それに加えて、本発明は、一方が励起コイルを有し他方が誘導コイルを有する少なくとも2つの環状心を含むセンサを溶液に浸漬することによって、液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定するデバイスを開示する。デバイスは、
交流方形波電圧を発生させて励起コイルに供給する励起回路と、
誘導コイルの電流を電圧に変換する電流電圧変換回路と、
電流電圧変換回路に接続されて、電圧波形を同期して復調する同期復調器と、
同期復調器に接続されて、復調された波形の遷移時間を回避するサンプルホールド回路と、
サンプルホールド回路に接続されて、サンプルホールドの出力に対してA/D変換を行うA/D変換器と、
A/D変換の結果にしたがって液体の導電率を計算するコントローラとを含む。
【0037】
本発明は、一方が励起コイルを有し他方が誘導コイルを有する少なくとも2つの環状心を用いるセンサを溶液に浸漬することによって測定が行われる、液体の導電率を電磁的(誘電的)に測定する別のデバイスを開示する。デバイスは、
交流方形波電圧を励起コイルに供給する励起回路と、
誘導コイルの電流を電圧に変換する電流電圧変換回路と、
電流電圧変換回路の出力に対してA/D変換を行うA/D変換器と、
同期復調の機能を実現するため、一連の加減算の繰り返しを適用し、前記加減算の繰り返しの間、A/D出力の遷移時間を回避し、加減算の繰り返しの結果に基づいて液体の導電率を計算するコントローラとを含む。
【0038】
既存の最新技術の測定回路に比べて、本発明は以下の利点を有する方法を紹介する。より単純でより低コストの回路を使用して、センサと測定デバイスとの間のケーブルが非常に長い場合であっても、液体の導電率を正確に測定する。
【0039】
上述したような本発明の目的、特徴、および利点は、添付図面に示される実施形態の詳細な説明によってより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるデバイスおよびそれに対応する測定デバイスの一実施形態を示す概略図である。
【図2】図1の実施形態の主な電圧波形を示す図である。
【図3】電流電圧変換回路の一実施形態を示す図である。
【図4】同期復調回路およびサンプルホールド回路の一実施形態を示す図である。
【図5】図5Aは、サンプルホールドタイマーの一実施形態を示す図、図5Bは、図5Aによるサンプルホールドタイマーの主なシーケンス図である。
【図6】本発明によるデバイスの別の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、液体の導電率を誘電的に測定するための本発明による方法、およびそれに対応する測定デバイスの実装例の概略図を示す。以下、図2の主な電圧波形と併せて図1を参照する。
【0042】
特定の振幅の交流方形波電圧1は、DC結合コンデンサC1と直列の駆動部2(V)によって、センサの第1の環状心T1の励起コイルL1に励起電圧として供給される。したがって、交流方形波電流は、第2の環状心T2の誘導コイルL2に結合された、測定される液体中のループ6に誘導され、交流方形波電流はコイルL2に誘導され、電流電圧(I−V)変換回路8として具体化される入力回路8によって交流方形波電圧に変換される。電流電圧(I−V)変換回路8は、誘導コイルL2の端子電圧が0であることを確保する。同期復調器10(整流など)として具体化される同期整流器10による、適切な増幅9(利得がAであると仮定する)および復調によって、信号はDC電圧になる。整流の間、交流方形波電流の遷移時間を回避するため、サンプルホールド回路11および12が作動されることに留意すべきである。整流後のこのDC電圧は液体の導電率に比例する。
【0043】
線形性が改善され、誘導コイルL2の端子電圧がゼロであることを確保することによって、環状心およびケーブルの特性の影響が低減されることが指摘されるべきである。
【0044】
電磁気の原理に基づく以下の分析によれば、励起電圧が方形波である場合、誘導コイルL2の端子電圧はゼロであり、その結果、液体6における電流は方形波であり、誘導コイルL2の電流は方形波であるが、さらに、これらの電流はすべて液体6の導電率に比例し、または液体を通るループの等価抵抗Rに反比例する。C1は、励起コイルのDC成分を抑制する役割を果たす大きな値のコンデンサ(例えば、33μF)であるが、励起電圧の交流成分に対しては(例えば、5kHzの周波数において)、短絡されると見なすことができる。電磁気の原理によれば、
励起コイルの場合、
【0045】
【数3】

【0046】
液体中の電流ループの場合、
【0047】
【数4】

【0048】
誘導コイルの場合(端子電圧がゼロであると仮定)、
【0049】
【数5】

【0050】
式(3)を式(2)から減算し、Nを乗算することによって次式が与えられる。
【0051】
【数6】

【0052】
式(1)を代用して、次式が得られる。
【0053】
【数7】

【0054】
これらの式中、下付添字5またはL1は励起コイルを指し、下付添字6は液体を通る電流ループを表し、下付添字7またはL2は誘導コイルを指し、Nは励起コイルまたは誘導コイルのコイル巻線の巻数である。ここでは、それらは同じ巻数を有するものと仮定する。そうではない場合、式はわずかに異なるが、原則として式は類似する。Vは励起電圧であり、または、理想的ではない要因を考慮した場合、Vは等価な励起電圧を表し、Aは環状心に関連し、単巻きコイルのインダクタンスを表し、RL1は励起側(励起コイルL1および接続ケーブル)のDC抵抗であり、RL2は測定側(誘導コイルL2および接続ケーブル)のDC抵抗である。RL1/NおよびRL2/Nが非常に小さく、電圧Vに比べてIL1およびIL1を無視できることを考慮すると、以下の式は非常に正確である。
式(5)から、
【0055】
【数8】

【0056】
式(3)から、
【0057】
【数9】

【0058】
または、
【0059】
【数10】

【0060】
したがって、Vad=I×R×A (10)
adからIを導き出すことができ、式中、Rは電流電圧(I−V)変換回路9の係数、Aは電圧増幅器9の利得である。電流電圧(I−V)変換回路8の一実施形態については図3を参照のこと。
【0061】
式(8)によれば、遷移時間が無視される場合、Vが方形波である場合はIは方形波であり、Iも方形波、Vadも方形波である。方形波は、一般に、正弦波よりも正確に測定することができる。
【0062】
しかし、上述の説明では、方形波の極性変化の間の遷移に対して十分な注意が払われていない。実際に、遷移の間、励起回路、ケーブルの容量、およびクロストーク妨害、電流電圧変換回路8、増幅回路9、および整流回路10の動的特性の小さな影響はすべて、遷移挙動に対する影響を有し、Iの測定の精度に対する悪影響をどちらも有する行き過ぎまたは過剰減衰をもたらすので、状況は非常に複雑である。本発明によれば、交流方形波電圧の極性変化の遷移時間を橋絡するため、サンプルホールド回路11および12が整流の後に配置され、それによって測定精度が最適化される。
【0063】
図2は、サンプルホールド回路11および12の一実施形態の主な電圧波形を示す。整流の下流に配置することで、交流方形波電圧の極性変化の遷移時間を回避するためにサンプルホールド回路を使用することは非常にコスト効率が良い。
【0064】
上述のスキームでは、RL1およびRL2が両方とも非常に小さいと仮定すると、式(8)、(9)、および(10)を単純化することができる。基準状態下では、精度は十分に高いが、センサコイルL1、L2のDC抵抗および接続ケーブルの抵抗が無視できるほど十分に小さくないとき、測定の線形性にある程度まで影響する。
【0065】
L1およびRL2が既知の場合、より正確な修正式は次の通りである。
【0066】
【数11】

【0067】
式中、
【0068】
【数12】

【0069】
は測定される液体を通るループの修正されていない等価抵抗、Rはループの修正された等価抵抗、kは包括的な係数であり、その理論値は1であるが、実際には1〜1.4が好ましい。例えば、k=1.2の場合、修正項の影響は次のように概算することができる。RL1+RL2=5Ω、N=120、液体を通るループの等価抵抗R≧1Ωの場合、修正項の影響は0.05%未満である。RL1+RL2=10Ωの場合、修正項の影響は0.1%未満である。
【0070】
抵抗の逆数が導電率なので、IはVadに比例する。修正項が非常に小さい場合、Vadは導電率に比例する。修正項があまり小さくなく、ただし不適当であってもいずれにせよ無視される場合、Vadおよび導電率の線形性は悪影響を受ける。しかし、修正項を適用することによって、測定デバイスの線形性および精度を大幅に回復することができる。実際に、測定システムのほとんどすべてにおいて、RL1+RL2の合計は10Ω未満、さらには5Ω未満である。元のシステム誤差が大きくないので、システムは修正項を適用することによって容易に改善される。元の誤差が大きくないので、RL1+RL2の合計を近似的に概算し、概算値の包括的な係数kに対して概数を使用すれば十分である。
【0071】
図3に示される8aは、図1に示されるような電流電圧(I−V)変換回路の実装例の1つであり、U8は演算増幅器である。C8は大きな値のコンデンサ(例えば、22μF)であり、DCに関しては開回路、可聴周波数に関しては短絡回路と見なすことができる。これは、U8の入力の電圧オフセットによって引き起こされるU8の出力の飽和を防ぐことができる。Rはフィードバック抵抗器であり、U8の出力はI×Rである。U8の負入力が仮想の接地にあるとき、その電位(ACまたはDC)は常にゼロであり、それによって誘導コイルL2の端子電圧がゼロであることが確保される。
【0072】
図2の電圧波形を参照すると、電圧は演算増幅器(V9)によって適切な振幅に増幅され、利得Aは測定範囲にしたがってCPU14によって制御される。同期整流器10および励起電圧1は位相同期される。励起電圧の負の半サイクルの間、出力は入力に対して逆になり、そうでなければ出力と入力は等しい。サンプルホールドタイマー11は励起電圧1と同期されるので、励起電圧1が逆になると、または逆になる直前に、信号が保持のために送られる。この信号は一定時間の間続き、それによって同期整流器10の出力波形V10の遷移時間が、次の測定時点まで経過したことが確保される。サンプリング信号は、励起電圧の半波が経過するまで続くホールド信号に引き続いて送られる。その後、励起電圧1は逆になり、サンプルホールドタイマー11は再びホールド信号を送る。一実施形態では、サンプルホールドタイマー11の機能はCPUによって直接実現することができ、別の実施形態では、サンプルホールドタイマー11の機能は回路によって実現することもできる。サンプルホールドタイマー11からサンプルホールド回路12への信号がサンプリングを要求するとき、サンプルホールド回路12の出力および入力は等しく、サンプルホールドタイマー11からサンプルホールド回路12への信号がホールドを要求するとき、以前のと、サンプルホールド回路12の出力は以前と同じままである。サンプルホールド回路12の出力VadはA/D変換器13に接続される。A/D変換器13の結果は、誘導コイルにおいて測定された電流を表し、それは引き続いてCPUによって計算される。最後に、液体の導電率に関する最終結果が表示装置15上に示され、4〜20mAの出力で、または警報装置もしくは他のデバイスに利用可能になる。
【0073】
上述の実施形態では、有効信号はすべて方形波形態であり、サンプルホールド回路によって半波ごとの開始時の遷移を回避しているので、励起回路の動的特性、ケーブル容量、電流電圧変換回路、増幅回路、および整流回路の動的特性は測定結果にほとんど影響せず、特にケーブルの長さは測定にほとんど影響しない。
【0074】
図4は、同期復調回路およびサンプルホールド回路の一実施形態を示す。
【0075】
ブロック10aは、同期復調の実装例を表し、Wは、励起回路に送られる方形波信号と同一である、CPU14からの方形波を表す。Wが高いとき、Wによって制御されるアナログスイッチは「+」に接続される。このとき、U3はフォロワーとして使用され、つまり、U3の出力は電圧増幅器9の出力に等しい。Wが低いとき、同じアナログスイッチは「−」に接続される。このとき、U3はインバータとして使用される。R2=R3の場合(R2およびR3は高精度抵抗器である)、U3の出力は電圧増幅器9の出力を−1で乗算したものに等しい。ブロック12aは、サンプルホールド(S−H)回路の実装例を表す。サンプルホールド回路(S−H)の信号がサンプリングされると、Wによって制御されるアナログスイッチはSに接続される。U3の出力は、限流抵抗器R4を通してコンデンサC4を荷電および放電し、つまり、コンデンサC4の電圧はU3の出力電圧に追随する。U4は電圧フォロワーとして使用され、その入力電流はほぼゼロである。その出力電圧は、コンデンサC4の電圧に等しい。サンプルホールド回路(S−H)に対する信号がホールドを要求するとき、個々のアナログスイッチはHに接続されるので、荷電および限流抵抗器R4が開かれ、コンデンサC4の電圧は変わらないままである。U4の出力電圧はコンデンサC4の出力電圧に等しい。実装の一例では、R1=30k、R2=R3=30kであり、R1、R2、R3は高精度抵抗器であり、R4=4.7k、C4=10nFである。
【0076】
図5Aおよび5Bはそれぞれ、サンプルホールド(S−H)タイマーの実装例およびそのキーシーケンス図を示す。
【0077】
WはCPUからの方形波信号であり、励起回路に送られる信号と同一である。R5およびC5は、立上りエッジおよび立下りエッジに等しく影響する時間遅延回路を構築する。WdはR5×C5の期間だけ常にWよりも遅い。ブロック74HC86は2入力の排他的ORゲートである。2つの入力が等しい場合、出力は0であり、2つの入力が等しくない場合、出力は1である。上述したS−H信号では、1はホールドを表す。したがって、励起信号Wの各半波の開始時、「サンプル」信号が後に続くホールド期間が常にある。実装の一例では、R5=24k、C5=1nFである。
【0078】
一実施形態の例では、方形波信号WおよびS−H信号は両方ともCPU14から直接得られる。別の実施形態では、CPU14は、方形波信号Wを発生させるため、周波数を半分に分割するタイプ74HC74のフリップフロップを使用してS−H信号を送る。
【0079】
一実施形態では、同期復調の上述の機能、遷移時間を回避するために使用されるサンプルホールド回路、およびA/D変換回路は、以下の解決策によって実現することもできる。図6を参照すると、増幅器9の出力電圧は高速のA/D変換器13aによってサンプリングされる。サンプリング後、CPUは、加減法を適用して同期復調の機能を実現し、つまり、正の半サイクルの間に加算し、負の半サイクルの間に減算し、それによって平均値を得る。動作中、CPUは、全プロセスの間ではなく遷移時間後にのみA/Dをサンプリングして、遷移時間を回避し、式(9)または(11)を使用して、加減算動作の結果に基づいて液体の導電率を計算する。
【0080】
それに加えて、二重環状心センサ(double-toroidal sensor)および測定デバイスを、上述したようなケーブルを用いて接続することができる。液体の導電率は通常、その温度に関連するので、温度センサ(PT100、PT1000、またはNTC)が液体導電率センサに通常含まれる。したがって、センサおよび測定デバイスを接続するケーブルの内部に追加のワイヤがある場合がある。また、測定デバイスの内部に配置された温度測定用の回路がある場合があり、温度補正はCPUによって計算することができる。センサの内部に配置された、磁束漏れおよび静電荷の蓄積に対抗するデバイスがある場合がある。特定のパラメータは全システムに対して校正することができる。これらの方法およびデバイスの一般的原理は、本発明の方法およびデバイスにも適用可能である。
【0081】
上述の説明に使用される用語、記号、表現、および例は、いかなる意味でも本発明の範囲を限定しようとするものではなく、単に本発明の特定の態様を例証する役割を果たす。
【0082】
上述の実施形態は、単に本発明の好ましい実施形態を表す。当業者であれば、上述の説明に基づいて様々に等価の置換えおよび修正を行うことができる。しかしながら、これらの置換えおよび修正はすべて、本発明の趣旨、および添付の請求項にて規定される範囲内にある。
【符号の説明】
【0083】
2 励起駆動回路
3 基準電圧
4 出力ノード
5 測定端子
6 液体を通るループ
8 入力回路、電流電圧変換回路
10 整流回路
11、12 サンプルホールド回路、サンプルホールドタイマー
C センサセル定数
C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7 コンデンサ
G 導電率
H ホールド期間
L1 励起コイル
L2 誘導コイル
R 液体の抵抗
R1、R2、R3、R4、R5、R6 抵抗器
R7、R8、R9 抵抗器
L1、RL2 抵抗
S サンプル期間
T1、T2 環状心、フェライトリング
U1 演算増幅器
U3、U2 電圧レベル検出器
Vc 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起電流を流動媒体に印加するための励起コイル(L1)と、前記流動媒体を介して前記励起電流によって発生した誘導電流を受け取るための誘導コイル(L2)とを備えるセンサを用いて、前記流動媒体の導電率を誘導的に測定する方法であって、
前記励起コイル(L1)に交流励起電流を印加するステップと、
前記前記誘導電流に対応する測定信号を供給するため、前記誘導電流を測定するステップと、
出力信号を生成するため、前記交流励起電流に対して同期されたホールド期間(H)の間、ほぼ一定の値で前記測定信号を保持するサンプルホールドプロセスに前記測定信号を供給するステップと、
前記流動媒体の導電性を計算するため、前記出力信号を供給するステップとを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記励起電流および/または前記測定信号が相当な期間の間ほぼ一定であり、特に実質的に方形波信号であることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、前記ホールド期間(H)の開始が前記交流励起電流の方向変更の時点にほぼ一致し、特にわずかに先行することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法において、前記ホールド期間(H)の持続時間が、ほぼ安定した信号、および/または前記交流電流の方向変更もしくは前記測定信号の時間に依存した遷移によって導入される効果によってほぼ影響されない信号を得るのに十分な長さであるように、かつ/あるいは前記ホールド期間(H)の持続時間が前記交流電流の期間のほぼ4分の1よりも長いように構成されることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法において、前記測定信号が、前記サンプルホールドプロセスに供給する前に、特に、デジタル化した前記測定信号の加減算を繰り返すことによって、もしくはデジタル化した前記測定信号の符号を逆にすることによって、電圧および/またはデジタル信号および/または整流信号に変換されることを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記整流信号が、前記励起電流と関連して同期して整流されて、前記サンプルホールドプロセスに同期の整流測定信号が供給されることを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法において、前記ホールド期間(H)が、前記交流励起電流の供給源によって、または前記交流励起電流の供給源を制御する制御装置によって供給されるタイミング信号によって同期されることを特徴とする方法。
【請求項8】
センサを液体に浸漬することによって行われ、前記センサが、一方が励起コイルを有し他方が誘導コイルを有する少なくとも2つの環状心を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法であって、
交流方形波電圧を発生させて前記励起コイルに供給するステップと、
前記誘導コイルの電流をピックアップするステップと、
前記電流を電圧に変換するステップと、
電圧波形を同期して復調するステップと、
復調された前記波形の遷移時間を回避するため、サンプルホールド回路を用いるステップと、
前記サンプルホールド回路の出力に対してA/D変換を適用するステップと、
前記A/D変換の結果にしたがって前記液体の導電率を計算するステップとを含む、方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の方法において、前記誘導コイルの出力の端子電圧がほぼゼロであることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の方法において、前記液体の前記導電率Gを計算する前記ステップがG=C/Rで、
【数1】

にしたがって計算され、式中、Cはセンサセル定数、Vは励起電圧、Nはコイル巻線の巻数、Rは液体を通るループの等価抵抗であることを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法において、前記液体(6)を通る前記ループの前記等価抵抗Rが次式のように修正され、
【数2】

式中、RL1は前記励起コイル(L1)および前記接続ケーブルのDC抵抗、RL2は前記誘導コイル(L2)および前記接続ケーブルのDC抵抗、kは、特に1から1.4である、好ましくは約1.2である包括的な係数であることを特徴とする方法。
【請求項12】
交流励起電流を流動媒体に印加するための励起コイル(L1)と、前記流動媒体を介して前記励起電流によって発生した誘導電流を受け取るための誘導コイル(L2)とを備えるセンサに接続可能であって、前記誘導コイル(L2)に接続可能であるとともに前記誘導電流に対応する測定信号を供給する入力回路(8)を備える、前記流動媒体の導電率を誘電的に測定する測定デバイスであって、
前記測定デバイスが、前記測定信号を受け取るために前記入力回路(8)に接続された第1の入力と、前記励起電流に対応するタイミング信号を受け取る第2の入力とを有するサンプルホールド回路(11、12)を備え、前記サンプルホールド回路(11、12)が、前記タイミング信号に同期されたホールド期間(H)の間ほぼ一定の値で前記測定信号を保持するように動作可能であることを特徴とする、測定デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の測定デバイスにおいて、前記入力回路(8)が、アナログ・デジタル変換器(13a)および/または整流器(10)を、特に、電圧信号および/またはデジタル化信号および/または整流信号および/または同期整流信号として、前記サンプルホールド回路(11、12)に前記測定信号を供給する同期整流器(10)を介して、前記サンプルホールド回路(11、12)に接続されることを特徴とする測定デバイス。
【請求項14】
請求項12または13に記載の測定デバイスにおいて、前記測定デバイスが、前記交流励起電流を印加するために前記励起コイル(L1)に接続された、かつ前記タイミング信号を伝達するために、特に送受信するために前記サンプルホールド回路(11、12)に接続された電流源を備えることを特徴とする測定デバイス。
【請求項15】
請求項12から14のいずれか一項に記載の測定デバイスを備え、さらに、前記入力回路(8)に動作可能に接続された誘電導電率センサを備え、前記センサが前記流動媒体に、特に液体もしくは溶液に浸漬され、かつ/または前記センサの各コイル(L1、L2)が環状心によって、特にフェライトリングもしくは磁気リングによって支持される、測定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−528110(P2011−528110A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−517794(P2011−517794)
【出願日】平成21年7月13日(2009.7.13)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005077
【国際公開番号】WO2010/006752
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland
【Fターム(参考)】