説明

流動油圧流体中の粒子汚染監視装置および方法

粒子をカウントしかつ粒子をサイジングするための手段を含む流動油圧流体中の粒子汚染を監視するための装置。更に、流体流速を決定し、所定固定時間に光バリアを通過する油圧流体内の粒子をカウントし、所定範囲の異なるトリガレベルを使用することにより粒子サイズ分布を得る、各工程を含む流動油圧流体中の粒子汚染を監視するための方法。監視装置は、本発明による方法を使用して通常飛行運転時または接地時に流体量の減少のオンラインモニタを可能にするためにA/C油圧系へ挿入可能である。本発明による解決策は、A/Cメインテナンス費用を低減しかつ必要サービス活動の戦略的計画を可能にするのでA/C利用可能性を高める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の導入部に記載の流動油圧流体中の粒子汚染を監視する装置、および請求項7に記載の粒子汚染監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧流体の質は、フラップ、羽板、着陸車輪等航空機の安全−危険サブシステムの適正作動を確実にするために必須である。油圧流体の汚染は、油圧系の機械構成要素を深刻に損傷する。従って、飛行の安全および最高の油圧系準備を確保するためにメインテナンスの全レベルで厳しい汚染管理が必要とされる。
【0003】
作動中の油圧系に存在する汚染は、通常、幾つかの異なる原因で発生する。メインテナンス不良処理は、大量の外部汚染を導入する。磨耗および化学反応は、同様に、油圧系汚染の要因となる。汚染のタイプは、概ね、有機、金属固体、非金属固体、外部流体、空気および水に分類される。
【0004】
有機固体は、磨耗、酸化、または重合により形成される。Oリング、シール(seal)、ガスケットおよびホースの微粒子は、磨耗および化学反応により形成される。
【0005】
金属汚染は、油圧系に殆ど常時存在する。これらの粒子は、銀およびクロムのようなむき出し金属部品およびメッキ材料の摩損および引っかきの結果である。
【0006】
無機または非金属固体(固形物)は、粉末、染料粒子、汚物および珪酸塩を誘導する。これらの粒子は、しばしば、外部源から油圧系へ引き込まれる。分離したホース、線および構成要素は侵入点である。油圧ピストンシャフトの湿気面は、同様に、ワイパーシールを通過して油圧系へ汚染を侵入させる。
【0007】
溶解され、運搬され、または自由に浮遊する空気汚染は、油圧系に悪影響を与える。空気により運ばれる油圧流体は、ポンプのキャビテーションの深刻な機械的損傷原因となり、システム圧力損失または遅いもしくは不安定な飛行制御運動の原因になる。
【0008】
水は、油圧系の深刻な汚染源である。溶解した水、乳化した水または自由な水は、氷の形成、または金属面の酸化もしくは腐食物質の形成結果に繋がる。
【0009】
外部流体は、概ね、サービス時に油圧系へ不注意により導入された潤滑油、エンジン燃料、または妥当でない油圧流体の結果である。水以外の外部流体の作用は、汚染の性質に依存する。構造材料の適合性、油圧流体および水との反応、ならびに可燃性および粘性の変化は、全て影響を受ける。かかる汚染の作用は、システム内に滞在する汚染物質、数量(量)、および時間の長さに依存して穏やかまたは深刻である。
【0010】
油内の汚染は、粒子をカウント(count)して特定される。二つの基本的方法が使用される。レーザー基準粒子カウント分析装置は、粒子サイズ(μ=μ)および特定サイズ範囲内の図形(figures)に関する情報を直接提供する。他の方法は、非常に微細なメッシュフィルタ紙で油試料を濾過する方法を利用する。その時に、フィルタ紙の表面上の粒子が顕微鏡で監視されかつ標準汚染図と比較して汚染程度が表示される。
【0011】
粒子カウントを特定する代わりに、汚染は、二つの主なシステムISO(International Standard Organization=国際標準機関)とMAS(national Airspace Standard=国家空域標準)に規定されるクラス(class)に分類される。各クラスは、指数スケール内の所定範囲の計数(count)を規定する。残念ながら、二つのシステムは同一でなく単純な算数に変換できない。しかしながら、幾つかの簡単なガイドラインが提案されている。最初に、二つのシステムを見てみる。
【0012】
NASシステムは5レンジ(ranges=範囲)の粒子に分割される。更に、NASシステムは特定クラスを記録するために各粒子レンジ内の異なる計数を特定する。実際に、油試料は、異なる粒子レンジ内で殆ど同一NASクラス評価を得るために露呈される。NASシステムは、実際に多くの小さい粒子と相対的に少量の大きい粒子を有する最も共通して発見される汚染に適合するように設計される。代表的油分析は、例えば、5クラスに分割された計数を有してよい。NAS1638による最終NASクラスは、最も高い(最悪)スコアを持つ粒子計数と規定される。
【0013】
現在、油圧流体の数量は、概ねオフラインで観察される。A/Cサービス時に、流体試料は、油圧系から取り出され、その数量は研究設備のオフラインで評価される。この手順は、時間の無駄であり高価につく。必要サービスアクションが、オンデマンドでなく固定スケジュールにより採られる。
【0014】
US4,323,843は、エンジントランスミッション潤滑油等の流体内鉄汚染を検出する装置を開示する。この装置は、二つの離間電極、二つの電極間に延在する磁束、実質的直線の力線を有し、電極は、磁束に引きつけられた金属粒子により導電性通路が一方の電極から他方の電極へ形成されかつ電極架橋(spanning bridge)に形成されるときに、信号を発生するために回路に接続可能である。好適には、センサは中空プラグであり、使用時に、トランスミッション容器のポートへねじ込まれ、かつトランスミッション容器内の潤滑油と接触するフラット端壁を有する。プラグは、プラグ端壁へ向かって設置された両極を有する磁石を含み、端壁の一部は一電極として機能する。プラグの端壁から外方へ取り付けられかつプラグの端壁から電気絶縁された強磁性ディスクが、両極上に設置される。強磁性ディスクは、第二電極として作用し、かつ磁束を二つの電極間のギャップを直線状に横切るように誘導する役割をする。電極は回路手段に接続可能であり、それにより電極間抵抗の変化が検出される。この検出装置の主な欠点は、鉄汚染のみが検出できることである。従って、実行された努力および経費に対してその高価は非常に限定的である。
【0015】
US5,754,055は、潤滑/油圧流体状況モニタを開示し、同軸マイクロ波共鳴器が流体導管内に設置されて化学特性の変化を決定し、かつ汚物濃度が開示される。共鳴周波数および共鳴器Qを測定するためにマイクロ波が共鳴器に放射される。外方に印加される電界または磁界が、流体内の破片を交互に整列または不整列にするために使用され、他方で共鳴器の属性が測定される。論理ユニットが共鳴周波数およびQ対共鳴器モードおよび外界強度の表を自動的に作成する。このようなセットの表は、流体条件の一つの指紋を構成する。この指紋を、既知条件下で作成された一セットの指紋に対して適合させることにより、流体条件が決定される。酸化または水の存在に起因する流体の誘電率の変化、ベアリング磨耗による粒子の濃度およびサイズの変化、および指紋に影響する粘度の変化が、そのようにして、リアルタイムで観察できる。この発明の一形態において、マイクロ波回路盤上に印刷された集中回路共振器はセンサとして使用される。他の形態において、マイクロ波回路盤上に印刷されたトランスミッションライン共鳴器はセンサとして使用される。更に他の形態において、共鳴器は集中回路波ガイド構造であり、流体はそこを通って流れる。更に、他の形態において、タイムドメイン(時間領域)反射測定が流体に一端が浸けられたトランスミッションラインで使用される。この解決策の主な欠点は、飛行中運転の問題原因となるマイクロ波周波数の使用である。特に、ワイヤシステムによる飛行領域において、この検出装置は航空機の運転時には使用できない。
【0016】
US4,013,953は、油試料に光を通過させかつ流体汚染により90°で散乱する光を集めることにより油中の粒子汚染を測定し、かつ油を通過する実質的直線光の減衰による化学分解を第二光センサにより測定する光学油モニタを開示する。誤りの修正と構成のために試料と基準が複数の光応答センサ間を交互に通過し、各センサが試料信号と基準信号間を切り換える出力信号を有する。試料と基準は、翼を備えたロータ内に収納され、ロータはモータによりポンプとして駆動するかまたはタービンとして流体流により駆動してよい。ロータがタービンとして作動するとき、光応答センサの周波数は、タービン回転数により表わされる流体流速に相関し、適宜周波数応答ゲージが流体流を監視するために回路内に設けられる。粒子計数を表すピーク検出器のピーク信号は、汚染量に対応する出力を提供するために合計される。この装置の主な欠点は、主構造部としてタービン試料ロータを潤滑油流内に含む複雑な機械構造である。このことは、機械的欠陥、そして全体的油圧系の欠陥に通じる。更に、粒子サイズの表示がこの既知解決策では提供されない。最後に、この既知解決策は、高価でありかつ相対的に大きい空間を使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】US4,323,843
【特許文献2】US5,754,055
【特許文献3】US4,013,953
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、本発明の課題は、従来技術の欠点を解消する油圧流体中の0.1μmから100μmのサイズ範囲の小さい固体粒子を監視する(monitoring)ための装置を提供することにある。監視装置は、通常飛行運転時または着陸時に流体量の勾配のオンライン監視を可能にするために、A/C油圧系へ挿入可能でなければならない。更に、本発明解決策は、A/Cメインテナンスのコスト低下およびA/C利用可能性の向上を助けるものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題は、請求項1の特徴を有する装置、および請求項7の特徴を有する方法により解決される。有利実施形態は従属請求項に記載されている。
【0020】
本発明による流動油圧流体中の粒子汚染を監視するための装置は、粒子をカウントし(counting)かつ粒子をサイジングする(sizing)ための手段を含むことを特徴とする。本発明による装置は、油圧流体中の0.1μmから100μmの範囲のサイズを有する鉄または非鉄の小さい固体粒子のオンラインモニタ即ち監視を可能にし、かつ従来技術の欠点を解消する。本発明による監視装置は、通常飛行運転時または着陸接地時に流体量の減少のオンラインモニタを可能にするためにA/C油圧系へ挿入可能である。更に、本発明による解決策は、A/Cメインテナンス費用を低減しかつ必要サービス活動が戦略的に計画できるのでA/C利用可能性を高める。測定情報の評価のために、データプロセッシングユニットが採用されてよい。データプロセッシングユニットは、アナログ/デジタル変換器、データ記憶装置、およびテスト評価ソフトウエアを実行するためのCPUを含んでよい。かかるソフトウエアは、データ照合用のNAS1638データを記憶するデータベースを含んでよい。本発明による装置は、航空機のA/C油圧系内の粒状物汚染のレベルを許容レベルで維持するのに役立ち、かつ油圧系を構成する機械構成要素の減少を確実にする。
【0021】
本発明の好適形態において、装置は光学センサおよび流れセンサを含む。前記光学センサは、100μmの光線直径を有する光電子スロット(slot)センサであってよい。粒子サイズおよび数量を決定するために、光バリア技術が使用され、粒子数および粒子サイズを算出するために粒子移動時の影効果(shadowing effect)を利用する。
【0022】
本発明の好適形態において、光線直径の異なる二つまたはそれ以上の光学センサが設けられている。光線直径は、10μmまたは20μmから100μmまたは150μmの範囲まで含まれてよい。
【0023】
更に、本発明の好適形態において、前記流れセンサは超音波トランスデューサである。飛行運転中に測定される流体流は、航空機の油圧ポンプ系により作られ、かつ特定飛行状況により相違する。しばしば高いG力が加わる不安定飛行状況には特に異なる。更に、超音波トランスデューサを使用できるようにするために、流体温度が測定され、流体中の音速が計算される。粒子汚染を地面上で観察する場合、流体速度は、付加的流速検出を不必要とする既知値に調整されてよい。
【0024】
本発明による流動油圧流体中の粒子汚染を監視するための方法は、
−流体流速を決定する工程、
−所定固定時間に光バリアを通過する油圧流体内の粒子をカウントする工程、
−所定範囲の異なるトリガレベルを使用することにより粒子サイズ分布を得る工程、を含む方法。
【0025】
この方法は、粒子をカウントしかつ粒子をサイジングするための手段を含む流動油圧流体中の粒子汚染を監視する装置により有利に実行できる。更に、データの記憶および評価のためにデータプロセッシングユニットが装備され、それぞれの評価ソフトウエアが使用される。
【0026】
本発明の好適形態によれば、粒子汚染の反復的測定が実行されて、臨界的汚染レベルに達する時間の推定が可能になる。かかる情報により、必要なメインテナンス活動が戦略的に計画できる、即ち、他のメインテナンス活動と共に計画できる。
【0027】
本発明の好適形態によれば、信号サイズおよび信号期間が粒子サイズに起因する。信号出力電圧は、光学センサを通過する粒子によりトリガされ、形状(信号幅)および信号振幅により視認かつ評価できる。
【0028】
本発明の他の好適形態によれば、累積サイズスペクトルおよび微分サイズスペクトルが粒子サイズを算出するために使用される、この算出は、NAS1638による統計データを使用することにより検証できる。
【0029】
本発明の他の好適形態によれば、検出可能粒子直径の範囲が10μmから100μmに予備設定される。これはノイズ信号の粒子計数としての誤解を解消する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明による装置の好適実施形態の略図を示す。
【図2】(a)−(c)は、本発明による装置の機能原理の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示されたように、監視装置1は、粒子をカウント、即ち勘定するための一つまたはそれ以上の光バリア(barriers)6を含む金属ケース2、および粒子のサイズの数値測定を可能にするための内蔵式温度センサ(図示せず)を備えた超音波流れセンサA,Bで構成される。
【0032】
金属ケース2は、一般的に円形断面を有しかつ主油圧管をバイパスする導管として構成される。金属ケース2は、従って、図1から理解できるように、U形断面を有する。バイパス流体Fは、左の垂直U形脚上から金属ケース2へ侵入し、かつ金属ケース2の水平部へ案内され、水平部の中央には光バリア6の光センサが設けられている。更に、U形金属ケース2の水平部の外左端上には超音波トランスデューサAが設置され、かつ金属ケース22の水平部の外右端には超音波トランスデューサBが設置されている。流動する油圧流体Fは、右の垂直U形脚から監視装置を出て油圧主回路へ再度侵入する。
【0033】
二つの光バリア6は、光通路(pass)4が流体Fの流れの方向に対して垂直になるように位置決めされる。光学窓8が流体Fから光エミッタ3と光検出器5とを分離する。光バリア6は、この試作品において、赤色光LEDである光エミッタ3、およびこの実施形態ではシリコーンフォトダイオードである光検出器5で構成される。このフォトダイオードの感知領域は開口の領域によって決定される。
【0034】
開口のサイズは、単一粒子の影効果を最適にするために粒子の最大サイズまで調節される。図1による好適実施形態において、左手光バリア6は、右手光バリア6よりも大きい光線直径を有する。この実施形態において、相対的に大きい光線の直径は、100μmであり小さい直径は50μmである。
【0035】
光バリア6は光学窓8により流体から分離される。本発明の実施形態において、光学窓は、流体運搬パイプ9の対向側に位置決めされた二つの平面窓である。二つの光学窓はOリングにより封止されかつホイールフランジにより固定される。LEDエミッタ3およびフォトダイオードレシーバは対向ホイールフランジ内側に位置決めされる。
【0036】
超音波トランスデューサA,Bは、流体Fの流れと同軸に位置決めされる。温度センサ(図示せず)は、流体と直接接触して流体温度の測定を可能にする。超音波流れセンサは、超音波の音波の発生器Gまたは受波器Rとして作用する二つのピエゾ電子トランスデューサで構成される。両トランスデューサは、流体Fの流れの方向に沿って同軸に位置決めされる。両トランスデューサは、流体と直接接触し、Oリングにより封止され、かつホイールフランジ内に固定される。
【0037】
次に、作動時の監視装置1の機能について説明する。流体Fと共に漂流する粒子は、一定電流7により励起される光バリア6によって検出される。LEDエミッタは、光源として使用され、かつフォトダイオードはLEDエミッタと反対側に位置決めされる。フォトダイオードの感知領域は、機械的開口のサイズによって決定される。粒子が光バリア6を通過する場合に、光電流の変化が検出される。光検出器信号のピーク高および幅は、影粒子の直径、および流体F内の漂流粒子の速度、即ち、流体Fそれ自体の流速に依存する。
【0038】
光検出器上の開口のサイズに対する粒子のサイズは、影効果の大きさを決定する。大きな開口サイズは、小さい粒子が余りにも小さくて検出できない影効果を生成する費用で大きい粒子の検出を可能にする。相対的に小さい開口を有する第二光バリア6は、相対的に小さい粒子の影効果を増大し、かつその検出を可能にする。小さい開口直径よりも大きい粒子は、小さい直径の開口のサイズを有する粒子と誤解されかつ更にカウント数を間違える。粒子サイズスペクトルは、通常、粒子サイズの拡大に伴い急激に減少するので、第二光バリア6による誤カウント数は許容され得る。
【0039】
粒子サイズの数値測定を可能にするために、流体の流速は二つの超音波トランスデューサA,Bにより測定され、第一トランスデューサAは流体流と同一方向へ平行に発射し、かつ第二トランスデューサBは流体流と反平行方向に発射する。両トランスデューサA,Bは流体と直接接触する。流体速度はタイムオブフライト(time-of-flight)測定原理を使用して決定される。この原理は、流体の流速を決定するために流体流の方向に対して平行かつ反平行方向に発射される音のために発射トランスデューサから受領トランスデューサへの音伝搬時間の相違を使用する。飛行時間の相違の測定は、図1の左手と下に略図で示されている。超音波トランスデューサA,BのトランスミッタGまたはレシーバRとしての機能は、方向スイッチSにより転換される。上流伝搬時間と下流伝搬時間との間の測定時間の違いは、流体流速の測定として理解される。流体F内の音の速度は温度に依存し、流体温度は補償目的から流体Fと直接接触する分離温度センサにより決定される必要がある。
【0040】
図2の(a)から(c)は、本発明による装置の機能的原理を説明する図である。
【0041】
図2(a)は、流体の流速である速度Vf1により光バリアセンサを通過する単一流体Pの影効果を示す。この例において、流体サイズはdpであり、かつ光検出器上の開口のサイズはDwである。矢印として略図で示されたLEDエミッタは光源として使用され、かつフォトダイオードはLEDエミッタと反対側に位置決めされる。図2(a)のスケッチ下のダイアグラムは、時間に対する電流を示し、Δt=dp/Vf1である。
【0042】
図2(b)は、電子回路の概略スケッチにより光学センサ装置の出力信号の発生を示す。
【0043】
図2(c)は光学センサ装置の出力信号を示し、小粒子の出力信号が小矩形関数として示され、かつ大きいサイズ粒子の出力信号は大きい矩形関数として示されている。
【0044】
小さい光線/小さい窓の直径は、影効果および出力信号を最適にする。
【0045】
幾つかの実施形態、改良、変更が基本原理を解説するために示されたが、本発明の基本原理および特徴は、本発明の主旨および範囲により更に広範囲の異なる用途に使用できることが意図されている。
【符号の説明】
【0046】
1 監視装置
2 金属ケース
3 光学エミッタ
4 光通路
5 光学検出器
6 光バリア
7 一定電流
8 光学窓
9 流体運搬パイプ
A 超音波トランスデューサ
B 超音波トランスデューサ
F 流体
G トランスミッタ
P 粒子
R レシーバー
S 方向スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子をカウントし(counting)かつ粒子をサイジングする(sizing)のための手段を含むことを特徴とする流動油圧流体中の粒子汚染を監視するための装置。
【請求項2】
光学センサ(6)および流れセンサ(A,B)を含む、請求項1の粒子汚染を監視するための装置。
【請求項3】
前記光学センサ(6)は光電子スロット(slot)センサである、請求項1または2の粒子汚染を監視するための装置。
【請求項4】
前記光学センサ(6)は100μm光線直径を有する、請求項3の粒子汚染を監視するための装置。
【請求項5】
前記流れセンサ(A,B)は超音波トランスデューサである、請求項1から4のいずれか一の粒子汚染を監視するための装置。
【請求項6】
光線直径の異なる二つまたはそれ以上の光学センサ(6)が設けられている、請求項1から5のいずれか一の粒子汚染を監視するための装置。
【請求項7】
流動油圧流体中の粒子汚染を監視するための方法であって、
−流体流速を決定する工程、
−所定固定時間に光バリアを通過する油圧流体内の粒子をカウントする工程、
−所定範囲の異なるトリガレベルを使用することにより粒子サイズ分布を得る工程、
を含む方法。
【請求項8】
粒子汚染の測定を繰り返して臨界的汚染レベルに達する時の推定を可能にする、請求項7の方法。
【請求項9】
信号サイズおよび信号期間が粒子サイズに起因する、請求項7または8の方法。
【請求項10】
累積サイズスペクトルおよび微分サイズスペクトルが粒子サイズを算出するために使用される、請求項7から9のいずれか一の方法。
【請求項11】
検出可能粒子直径の範囲は10μmから100μmに予備設定される、請求項7から10のいずれか一の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−513903(P2010−513903A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542244(P2009−542244)
【出願日】平成18年12月18日(2006.12.18)
【国際出願番号】PCT/IB2006/004089
【国際公開番号】WO2008/075128
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(506355257)エアバス フランス (117)
【Fターム(参考)】