説明

流量センサ

【課題】圧力及び温度に可能な限り依存しない流量センサの提供。
【解決手段】気体又は液体の流量を測定する、ハウジングを備えた流量センサであって、前記ハウジング内には、1つの主流路2及び主流路2に平行な測定流路3を備えた流路が導入路15と排出路16の間を伸張し、主流路2には少なくとも1つの絞り部17が備えられ且つ測定流路3には流量を測定する1つのセンサ素子が備えられ、測定流路3の入口側と出口側にはそれぞれ1つの絞り部18が備えられ、主流路の絞り部17は少なくとも1つの通過路19を備え且つ測定流路の絞り部18は少なくとも1つの通過路20を備え、それぞれの通過路は同一形状であり流れ方向に平行に伸張していることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジング内に1つの主流路及び主流路に平行な測定流路を備えた流路が導入路と排出路との間を伸張し、主流路には少なくとも1つの絞り部が備えられ且つ測定流路には流量を測定する1つのセンサ素子が備えられた気体又は液体の流量を測定する流量センサに関する。
【背景技術】
【0002】
このような流量センサは、種々の形態が知られており、体積流れセンサと称されることが多い。流路の導入路と排出路との間に備えられたセンサ素子は、流量センサにより、媒体の流量を測定できる。
【0003】
特許文献1には、主流路の絞り部に備えられた流量センサが開示されている。主流路の絞り部により、主流路を流れる媒体の流速が増し、断面に依存して主流路内の圧力が変化する。
【0004】
特許文献2にも、液体の流量を計測する装置が開示されている。その装置は、主流路及び副流路を備え、2つの流路により流路が形成されている。主流路のバイパスとして形成された副流路は、主流路よりも断面積が小さい。測定流路として、副流路には流量を測定するセンサ素子が配置されている。測定流路及び主流路の断面から、測定流路の流量測定値により主流路の流量が算定される。この結果、流量センサの全流量が得られる。絞り部として機能するシャッターにより、副流路は2つの部分に分割される。媒体の流れは、絞り部の上流側にある第一の部分では層流となり、絞り部の下流側にある第二の部分では乱流となる。正確な測定をする場合には、センサ素子は第一の部分に配置される。
【0005】
絞り部域では流路の断面が狭くなるので、媒体の流れが絞られる。絞り部は他の部分に比し流体に対して高い抵抗を及ぼす。従来技術では、主流路及び副流路(測定流路)の流れ抵抗は流量に依存し、それぞれの流路の流量比は圧力及び温度に依存することが問題であると思われていた。この問題点は、主流路又は副流路に単一の絞り部が備えられていることに起因する。
【0006】
流量センサの特殊な例は、例えば特許文献3〜11に記載されている。開示されたそれぞれの流量計には、一つ又は複数の分岐路を含んだ主流路及び副流路が備えられている。分岐路内の流れが層流となるように主流路及び/又は副流路(測定流路)に絞り部が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第6826966号明細書
【特許文献2】スイス特許第696006号明細書
【特許文献3】米国特許第4800754号明細書
【特許文献4】欧州特許第0552916号明細書
【特許文献5】欧州特許第0829793号明細書
【特許文献6】欧州特許第1091195号明細書
【特許文献7】欧州特許第1256786号明細書
【特許文献8】米国特許第7107834号明細書
【特許文献9】米国特許第3851526号明細書
【特許文献10】米国特許第4450718号明細書
【特許文献11】欧州特許第0558834号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、主流路と副流路への流れの分配が圧力及び温度には大きく依存しない流量センサを提案することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、下記(1)〜(13)に記載の流量センサにより解決される。
【0010】
(1)気体又は液体の流量を測定する、ハウジングを備えた流量センサであって、前記ハウジング内には、1つの主流路及び前記主流路に平行な測定流路を備えた流路が導入路と排出路との間を伸張し、前記主流路には少なくとも1つの絞り部が備えられ且つ前記測定流路には流量を測定する1つのセンサ素子が備えられ、前記主流路の絞り部は、前記導入路及び/又は前記排出路と前記主流路との間に、少なくとも1つの通過路を備えていることを特徴とする流量センサ。
【0011】
(2)前記主流路の絞り部に備えられた前記通過路が複数の場合には、前記通過路は同一に形成され互いに平行に流れの方向に伸張していることを特徴とする前記(1)に記載の流量センサ。
【0012】
(3)前記主流路は前記測定流路に平行な少なくとも2つの分岐流路に分割され、少なくとも1つの前記分岐流路が絞り部を備えていることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の流量センサ。
【0013】
(4)前記主流路は入口側及び出口側のそれぞれに前記絞り部を備えていることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の流量センサ。
【0014】
(5)前記測定流路は入口側及び/又は出口側に絞り部を備えていることを特徴とする前記(1)ないし(4)のいずれか1項に記載の流量センサ。
【0015】
(6)前記測定流路の絞り部は、前記主流路の絞り部の前記通過路に適合するように形成された1つの通過路を備えていることを特徴とする前記(5)に記載の流量センサ。
【0016】
(7)前記主流路の絞り部は複数の前記通過路を備え、前記ハウジングには前記絞り部の少なくとも1つの前記通過路を開閉操作する装置が備えられていることを特徴とする前記(1)ないし(6)のいずれか1項に記載の流量センサ。
【0017】
(8)前記導入路及び/又は前記排出路は、前記主流路及び前記測定流路が前記ハウジングの同一平面又はそれぞれ別の平面に配置されているか否かに拘らず、前記主流路及び/又は前記測定流路とは別の平面に配置されていることを特徴とする前記(1)ないし(7)のいずれか1項に記載の流量センサ。
【0018】
(9)前記ハウジングは、1つの第一のハウジング部材(1、1′、1″)及び少なくとも1つの第二のハウジング部材を備え、前記第一と第二のハウジング部材との間に、前記主流路及び前記測定流路は前記第一及び/又は第二のハウジング部材に凹部として形成されていることを特徴とする前記(1)ないし(8)のいずれか1項に記載の流量センサ。
【0019】
(10)前記ハウジング部材は、前記主流路及び前記測定流路に交差して伸張する前記主流路の絞り部及び/又は前記測定流路の絞り部を備えていることを特徴とする前記(9)に記載の流量センサ。
【0020】
(11)少なくとも1つの前記主流路の絞り部及び/又は少なくとも1つの前記測定流路の絞り部を有する前記ハウジング部材は、前記主流路及び/又は前記測定流路が形成されたハウジング部材への追加のハウジング部材として備えられていることを特徴とする前記(10)に記載の流量センサ。
【0021】
(12)前記主流路の絞り部及び/又は前記測定流路の絞り部を有する前記ハウジング部材に、前記流路の前記導入路及び前記排出路が備えられていることを特徴とする前記(10)又は(11)に記載の流量センサ。
【0022】
(13)前記主流路及び前記測定流路としての前記凹部、前記流路の前記導入路及び前記排出路、前記主流路の絞り部並びに前記測定流路の絞り部は共通の前記ハウジング部材に備えられ且つ少なくとも第二のハウジング部材が平面状の対抗部材として形成されていることを特徴とする前記(9)ないし(12)のいずれか1項に記載の流量センサ。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、圧力及び温度には大きく依存しないで主流路と測定流路の流量比率を段階的に調整して測定範囲の変更ができる流量センサを安価に製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第一の実施例による流量センサのハウジング部の斜視図
【図2】第二の実施例による流量センサのハウジング部の斜視図
【図3】図1に示すハウジング部の平面図及び側面図
【図4】図3に示すハウジング部の断面図
【図5】図2に示すハウジング部の平面図、底面図及び側面図
【図6】図5に示すハウジング部の断面図
【図7】第三の実施例による流量センサのハウジング部の断面図
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明による流量センサでは、主流路の絞り部は、導入路及び/又は排出路と主流路の間に少なくとも1つの通過路を備えている。主流路の絞り部が単一の通過路を備えている場合には、主流路の流れ抵抗が測定流路の流れ抵抗に相当するように通過路を構成することが好ましい。必要ならば、通過路の断面積を変えることにより、主流路と測定流路の流量比を変えてもよい。主流路の流れ抵抗を低下させるために、通過路の断面を拡大する代わりに、絞り部に少なくとも1つの通過路を追加して流量比を変えることが好ましい。このようにして、測定流路の流量に大きく影響されずに主流路の流量を高めることができる。それにより、流量センサを通過する媒体が高圧力で且つ大流量の場合でも、主流路内の乱流効果は防止できる。乱流効果は、測定流路に干渉してセンサ素子の測定値に多かれ少なかれ影響を与えるか、場合によっては流量センサの測定範囲を越えるので好ましくない。
【0026】
好適な実施例では、主流路の絞り部に、同一形状で媒体の流れ方向に互いに平行に伸張した複数の通過路が備えられている。主流路の絞り部に複数の通過路を付け足すことにより、主流路と測定流路との流量比が任意に調整できる。全ての通過路は同一寸法なので、流れる媒体に対する流れ抵抗、圧力、温度及び流れの状況が同一となり、結果としてこれらの変数は主流路と測定流路の流量比には影響を及ぼさない。絞り部に複数の通過路を備えた主流路では、測定流路に比べて常に流れ抵抗が小さい。
【0027】
実施例によっては、主流路が測定流路に平行な少なくとも2つの分岐流路に分割され、分岐流路の数に応じて主流路の流量が決まる。その場合、少なくとも1つの分岐流路が主流路の絞り部に備えられることが好ましい。測定流路を流れる流体には特に影響を及ぼすことなく、主流路を流れる流体は、分岐流路の数を変えることにより、異なった流体、異なった流速又は異なった供給圧力に簡単に適合できる。
【0028】
本発明による別の実施例では、主流路又は主流路の分岐流路は、入口側及び/又は出口側に絞り部を備えている。これにより、測定流路内の層流に悪影響を及ぼす主流路内の乱流は確実に防止される。媒体内に層流を生成させることにより、主流路内の乱れが確実に減少する。主流路及び測定流路の入口側及び出口側のそれぞれに絞り部を備えることにより、各流路の流れの相互の影響は効果的に排除される。
【0029】
実施例によっては、測定流路の入口及び出口側に絞り部を備えることが好ましい。主流路の絞り部が主流路に作用するのと同様に、測定流路の絞り部は、測定流路に作用する。これにより、主流路へと流れる乱れの無い層流が確実に得られる。特例として、主流路に単に1つの絞り部を備えた場合には、測定流路の入口側及び出口側に絞り部を備えることが好ましい。
【0030】
本発明による流量センサの変形例において、測定流路の絞り部には、主流路の絞り部に形成された通過路に相当する1つの通過路が備えられている。測定流路の少なくとも1つの通過路は、主流路の絞り部の少なくとも1つの通過路と平行に伸張することが好ましい。通過路の寸法を同一とすることにより、主流路及び測定流路内の流体抵抗、圧力、温度及び流れの状態は同一となるので、これらの変数を変えても主流路と測定流路を流れる流量比には影響を及ぼさない。このことにより全ての絞り部は、安価に製造できる。
【0031】
主流路の少なくとも1つの絞り部に通過路を追加又は減少させることにより、流量センサの流域を柔軟に拡大/縮小できるように、主流路の絞り部には、流量センサが装着されていない場合には閉じたままで、流量センサが装着された場合には手動又は自動で開閉できる複数の通過路が備えられている。そのために、センサのハウジングには、主流路の絞り部の少なくとも1つの通過路を開閉する装置が備えられている。この装置により、通過路の閉鎖装置は手動で設定するか又は、電気機械式アクチェータにより自動的に作動させることができる。主流路の絞り部の作動する通過路の数を調整できる可能性により、本発明による個々の流量センサは装着後でも、流体の異なった流速に簡単に適合できる。更に、流量センサを製造する際に、流量の変化に関連する修正を減らすことができる。
【0032】
本発明による流量センサの製造及び機能に対しては、主流路と測定流路がハウジングの同一面に配置されているか又は、対抗する異なった面に配置されているかの2つの実施形態で十分であると思われる。流量センサがモジュール化され且つセンサのハウジングの一体化された中央部に主流路及び計測流路が形成されている場合には、上記2つが実用的な実施形態である。その場合、ハウジングの導入路及び/又は排出路は、主流路及び/又は測定流路の平面上又はハウジングの別な平面上に配置してもよい。主流路及び/又は測定流路が、導入路及び/又は排出路により規定される平面上に無い実施形態が好ましい。このこと並びに流路、導入路及び排出路が単純な形状であることにより、既存の簡単な製造方法を用いて流量センサを安価に製造することができる。
【0033】
流量センサのハウジングは複数の部分から形成されることが好ましい。センサのハウジングは、1つの第一のハウジング部材及び少なくとも1つの第二のハウジング部材を備え、ハウジング部材に主流路及び測定流路が形成されている。この場合、主流路又は測定流路は、第一及び/又は第二又はそれ以外のハウジング部材に凹部として形成されている。ハウジング部材の主流路及び/又は測定流路が、主流路及び測定流路に交差するように伸張する絞り部を備えることが好ましい。この場合、主流路及び/又は測定流路にそれぞれ少なくとも1つの絞り部を有するハウジング部材は、主流路及び/又は測定流路が形成されたハウジング部材に対する追加のハウジング部材として備えてもよい。特例として、主流路及び/又は測定流路にそれぞれ少なくとも1つの絞り部を有するハウジング部材に導入路及び/又は排出路を備えることも実用的であると思われる。
【0034】
ハウジング部材をモジュール化して、そのモジュールを組合わせることにより、迅速且つ簡単に種々の流量センサを得ることができる。ハウジング部材は、専門家には周知の従来の方法により、互いに固定され密閉される。センサ素子に接続された導線は、従来の方法によりセンサのハウジングから液密に取出される。
【0035】
主流路及び測定流路としての凹部、導入路及び排出路、並びに主流路及び測定流路の絞り部は、第一のハウジング部材に一括して備えられることが好ましい。この場合、平面状の対抗部材としての第二のハウジング部材には凹部を備えても、備えなくてもよい。平面状の対抗部材としては例えば、耐曲げ性を有するセンサ素子が担持された回路板でもよい。この場合、回路板上に配線が形成される。少なくとも第一のハウジング部材の大きさを有する配線板は、第一のハウジング部材にネジ止めされて、専門家の信頼する従来の封止方法を用いて、第一のハウジング部材を密閉する。第一のハウジング部材は、モジュール化されたハウジング部材の中央のハウジング部材を形成する。第一のハウジング部材では、絞り部が、少なくとも1つの主流路の凹部及び測定流路の凹部をハウジング部材の導入路又は排出路と連結させている。ハウジング部材の凹部において、導入路又は排出路と主流路並びに測定流路の間に絞り部の通過路を付加するか、又は閉鎖して通過路の数を簡単に変更することができる。同様に、必要ならば、通過路の断面積を問題なく変更できる。このため、主流路と測定流路との流量比率を段階的に調整して、流量センサの測定範囲を変更することができる。
【0036】
以下、図面を用いて本発明の特徴及び長所を説明するが、図面に示された実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
図1及び図2a、2bは、本発明による気体又は液体の流量を測定する流量センサのハウジングのハウジング部材1、1′の2つの実施例を示す。ハウジング部材1、1′のそれぞれは、主流路2及び主流路2に平行に配置された測定流路3を備えている。図1に示すハウジング部材1では、主流路2と測定流路3はハウジング部材1の共通の平面に形成され、図2a、2bに示すハウジング部材1′では、それぞれが異なった平面に形成されている。
【0038】
図1のハウジング部材1では、主流路2は2つの分枝流路4、4′に分割されているが、図2a、2bのハウジング部材1′では、主流路2は分割されていない。ハウジング部材1の分枝流路4、4′は、測定流路3に対して対称に配置されている。分枝流路4、4′はハウジング部材1の第一の平面7の凹部5、5′として、測定流路3は凹部6として形成されている。それに対して、図2に示すハウジング部材1′では、第一の平面7には測定流路3のみが凹部6として形成されている(図2a参照)。主流路2は第一の平面7に向かい合った第二の平面8に凹部9として形成されている(図2b参照)。
【0039】
周りを閉じられた測定流路3及び分岐流路4、4′又は主流路2を形成している図1及び図2に示す流量センサは、平面7、8に別のハウジング部材を備えているが、これらの流路を明示するため図示していない。このハウジング部材は、ハウジング部材1又は1′の平面7、8を完全に覆っている。不図示のハウジング部材は、対抗保持部を形成する板状の平面として形成され、ハウジング部材1、1′の4つの孔10に対応した孔を備えている。ハウジング部材1、1′及び不図示のハウジング部材とは、簡単な方法により互いに気密に固定され、2つのハウジング部材の間には、主流路2又は測定流路3が形成されている。
【0040】
更に、測定流路3である凹部6はほぼその中心に、流量を測定するセンサ素子(不図示)を配置する拡張部12を備えている。ハウジング部1、1′には、センサ素子に連結された配線を外部に取出ためのケーブル口13が備えられているが、気密に保つ構成となっている。センサ素子に連結された配線は、ケーブル又は平面状の導体として形成されている。ハウジング部材は、アルミニウム製で単純な形状であることが好ましい。ハウジング部材は、既存の簡単な方法を用いて製造、加工できる。
【0041】
図3a、図5a、5bは、測定流路3及び主流路2又は分岐流路4、4′を備えたハウジング部材1又は1′の平面7又は平面8を示す平面図である。図3b及び図5cは、ハウジング部材1又は1′の側面図であり、ケーブル口13の両側に中心面14に沿って、導入路15及び排出路16が示されている。主流路2及びそれに平行な測定流路3により成る流路が、導入路15と排出路16の間を伸張している。図にはそれぞれが7つの通過路19を備えた4つの主流路の絞り部17並びにそれぞれが1つの通過路20を備えた2つの測定流路の絞り部18が示され、測定流路3及び主流路2の分岐流路4、4′の入口側及び出口側に形成されたこれらの通過路は、導入路15及び排出路16を有する中心面14と平面7又は平面8との間を伸長している。
【0042】
図4a、4b及び図6a、6bのセンサのハウジング部材1又は1′の断面図には、導入路15及び排出路16の伸張する状態が示されている。導入路15及び排出路16は、主流路2又は分岐流路4、4′及び測定流路3の方向と交差して伸張している。導入路15及び排出路16は、完全に流路2、3の下方を伸張している。主流路2の導入側及び排出側に備えられた絞り部17はそれぞれが、導入路15又は排出路16と主流路2の凹部5又は凹部9との間を伸張している。更に、測定流路3の導入側及び排出側に備えられた絞り部18はそれぞれが、導入路15又は排出路16と測定流路3の凹部6との間を伸張している。主流路のそれぞれの絞り部17は、長さと径が同一の7個の通過路19を備えている。図4a、4b、図6a、6bに示すように、通過路19は、流体の流れ方向に平行に配置されて導入路15、排出路16及び主流路2又は測定流路3の凹部5、6、9に交差するように伸張している。一方、測定流路のそれぞれの絞り部18は、通過路19に平行に伸張している唯一の通過路20を備えている。通過路20は、主絞り部17の通過路19に対応する長さと径を有している。
【0043】
図7は、図6のハウジング部材1′をハウジング部材1″に変形した例である。ハウジング部材1″は、側面24から垂直に伸張し互いに平行な2つの追加された通路22、23並びに排出路16と同様にハウジング部材1″の下面21′から伸張している流入路25によりハウジング部材1′と区別できる。流入路25は、下流に配置されてハウジング部材1″の側面24に出口26を備えた第一の通路22に合流している。側面24に入口27を備えた第二の通路23は、ハウジング部材1″の下面21側が閉鎖された導入路15に合流している。不図示ではあるが、側面24に、通路22の出口26、通路23の入口27に弁を連結してもよい。第一の通路22の下流に伸張する第二の通路23は、図には示されていない測定流路の通過路20の入口側に直接に連結され、導入路15を介して図には示されていない主流路の通過路19の入口側に連結されている。
【符号の説明】
【0044】
1、1′、1″ ハウジング部材
2 主流路
3 測定流路
4、4′ 分岐流路
5、5′ 凹部
6 凹部
7 (第一の)平面
8 (第二の)平面
9 凹部
10 孔
12 (測定流路3の)拡張部
13 ケーブル口
14 中心面
15 導入路
16 排出路
17 主流路絞り部
18 測定流路絞り部
19 (主流路絞り部17の)通過路
20 (測定流路絞り部18の)通過路
21 ハウジング部材1″の上面
21′ ハウジング部材1″の下面
22 通路
23 通路
24 (ハウジング1″の)側面
25 流入路
26 (通路22の)出口
27 (通路23の)入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体又は液体の流量を測定する、ハウジングを備えた流量センサであって、
前記ハウジング内には、1つの主流路(2)及び主流路(2)に平行な測定流路(3)を備えた流路が導入路(15)と排出路(16)との間を伸張し、
主流路(2)には少なくとも1つの絞り部(17)が備えられ且つ測定流路(3)には流量を測定する1つのセンサ素子が備えられ、
主流路の絞り部(17)は、導入路(15)及び/又は排出路(16)と主流路(2)との間に、少なくとも1つの通過路(19)を備えていることを特徴とする流量センサ。
【請求項2】
主流路の絞り部(17)に備えられた通過路(19)が複数の場合には、通過路(19)は同一に形成され互いに平行に流れの方向に伸張していることを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
【請求項3】
主流路(2)は測定流路(3)に平行な少なくとも2つの分岐流路(4、4′)に分割され、少なくとも1つの分岐流路(4、4′)が絞り部(17)を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流量センサ。
【請求項4】
主流路(2)は入口側及び出口側のそれぞれに絞り部(17)を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の流量センサ。
【請求項5】
測定流路(3)は入口側及び/又は出口側に絞り部(18)を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の流量センサ。
【請求項6】
測定流路(3)の絞り部(18)は、主流路(2)の絞り部(17)の通過路(19)に適合するように形成された1つの通過路(20)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の流量センサ。
【請求項7】
主流路(2)の絞り部(17)は複数の通過路(19)を備え、前記ハウジングには絞り部(17)の少なくとも1つの通過路(19)を開閉操作する装置が備えられていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の流量センサ。
【請求項8】
導入路(15)及び/又は排出路(16)は、主流路(2)及び測定流路(3)が前記ハウジングの同一平面又はそれぞれ別の平面に配置されているか否かに拘らず、主流路(2)及び/又は測定流路(3)とは別の平面に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の流量センサ。
【請求項9】
前記ハウジングは、1つの第一のハウジング部材(1、1′、1″)及び少なくとも1つの第二のハウジング部材を備え、前記第一と第二のハウジング部材との間に、主流路(2)及び測定流路(3)は前記第一及び/又は第二のハウジング部材に凹部(5、6、9)として形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の流量センサ。
【請求項10】
ハウジング部材(1、1′、1″)は、主流路(2)及び測定流路(3)に交差して伸張する主流路の絞り部(17)及び/又は測定流路の絞り部(18)を備えていることを特徴とする請求項9に記載の流量センサ。
【請求項11】
少なくとも1つの主流路の絞り部(17)及び/又は少なくとも1つの測定流路の絞り部(18)を有するハウジング部材(1、1′、1″)は、主流路(2)及び/又は測定流路(3)が形成されたハウジング部材への追加のハウジング部材として備えられていることを特徴とする請求項10に記載の流量センサ。
【請求項12】
主流路の絞り部(17)及び/又は測定流路の絞り部(18)を有するハウジング部材(1、1′、1″)に、前記流路の導入路(15)及び排出路(16)が備えられていることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の流量センサ。
【請求項13】
主流路(2)及び測定流路(3)としての凹部(5、6、9)、前記流路の導入路(15)及び排出路(16)、主流路の絞り部(17)並びに測定流路の絞り部(18)は共通のハウジング部材(1、1′、1″)に備えられ且つ少なくとも第二のハウジング部材が平面状の対抗部材として形成されていることを特徴とする請求項9ないし請求項12のいずれか1項に記載の流量センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−108124(P2012−108124A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242111(P2011−242111)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(512058548)アクセトリス アーゲー (1)
【Fターム(参考)】