説明

浄水カートリッジ

【課題】浄化能力を向上させることのできる浄水カートリッジを得る。
【解決手段】流入口2と流出口3とを有するカートリッジケース4と、当該カートリッジケース4の内部の流入口2と流出口3との間に配置され、側壁53に水の流入部55が形成される浄化材収納部52と、を備える浄水カートリッジ1において、カートリッジケース4の側壁41dと浄化材収納部52の側壁53との間に、流入口2から流入した水を浄化材収納部52に供給する水通路10を設け、カートリッジケース4の側壁41dに、当該側壁41dの内側から浄化材収納部52の側壁53に向けて突出し、水通路10内の水の流れを分散させるリブ11を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水カートリッジとして、濾過槽の下部と、この濾過槽よりも容量が大きい浄活水層の上部と、を同心円状に重ね合わせ、処理しようとする原水を浄活水層の下端部中央から濾過槽の上端部中央へと向かって流すとともに、浄活水層の内部に邪魔板を適宜配置して水の滞留時間を長くしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−300517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の浄水カートリッジでは、浄化水槽の下部中央から流入した原水が浄化水槽の上部中央に配置した濾過槽へと流れる構成となっており、原水が浄化水槽の中央部分の下方から上方へと流れる経路が形成されるため、浄化水槽の下部周囲や上部周囲において浄活水層の利用効率が悪化し、全体的な浄化能力が低下してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、浄化能力を向上させることのできる浄水カートリッジを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明にあっては、流入口と流出口とを有するカートリッジケースと、当該カートリッジケースの内部の前記流入口と前記流出口との間に配置され、側壁に水の流入部が形成される浄化材収納部と、を備える浄水カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの側壁と前記浄化材収納部の側壁との間に、前記流入口から流入した水を前記浄化材収納部に供給する水通路を設け、前記カートリッジケースの側壁に、当該側壁の内側から前記浄化材収納部の側壁に向けて突出し、前記水通路内の水の流れを分散させるリブを設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の浄水カートリッジにおいて、前記リブは、前記水通路内の水通過方向に複数設けられ、それら複数のリブの突出量を、上流側から下流側に向かって段階的に増大させたことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明にあっては、流入口と流出口とを有するカートリッジケースと、当該カートリッジケースの内部の前記流入口と前記流出口との間に配置され、側壁に水の流入部が形成される浄化材収納部と、を備える浄水カートリッジにおいて、前記カートリッジケースの側壁と前記浄化材収納部の側壁との間に、前記流入口から流入した水を前記浄化材収納部に供給する水通路を設け、前記水通路に、当該水通路の幅が上流側から下流側に向かって徐々に狭くなる幅狭通路部を設けたことを特徴とする浄水カートリッジ。
【0009】
請求項4の発明にあっては、請求項3に記載の浄水カートリッジにおいて、前記幅狭通路部は、前記カートリッジケースの側壁および前記浄化材収納部の側壁の少なくともいずれか一方を傾斜させることで形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明にあっては、請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の浄水カートリッジにおいて、前記流入口が前記カートリッジケースの底壁に形成されるとともに、前記浄化材収納部の底壁から側壁に亘って前記水通路に連通する折曲経路が形成されており、前記浄化材収納部の底壁には面取部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、水通路を通過する水は、カートリッジケースの側壁に設けたリブによって流れが分散されるため、浄化材収納部内に収納された浄化材を全般に亘って効率よく使用することが可能となり、浄化材の利用効率を高めて浄化能力を向上させることができる。
【0012】
請求項2の発明によれば、水通路内の水通過方向に複数設けたリブの突出量を上流側から下流側に向かって段階的に増大させているため、水の分散効果がさらに高まり、浄化材の利用効率のさらなる向上を図ることができる。
【0013】
請求項3の発明によれば、水通路に、上流側から下流側に向かって徐々に幅が狭くなる幅狭通路部を設けたため、浄化材収納部の側面から流入する水は上流側から下流側に亘って略均等に分散される。したがって、浄化材収納部内に収納された浄化材を全般に亘って効率よく使用することが可能となり、浄化材の利用効率を高めて浄化能力を向上させることができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、カートリッジケースの側壁や浄化材収納部の側壁を傾斜させることで幅狭通路構成部を形成したため、カートリッジケースや浄化材収納部の既存の構成部品の傾きを変化させればよく、構成の簡素化を図るとともにコストの低減を図ることができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、前記浄化材収納部の底壁に面取部を設けることで、流入口から流入した水が折曲経路から水通路に流れ込み易くなり、浄水カートリッジ内全体に水をよりスムーズに流すことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態にかかる浄水カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0018】
(第1実施形態)図1は、本発明の第1実施形態を示しており、図1は、浄水カートリッジの断面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ1は、一端部(図1中下端部)に原水の流入口2と他端部(図1中上端部)に浄水の流出口3とを有するカートリッジケース4と、このカートリッジケース4の内部の流入口2と流出口3との間に配置される浄化材収納容器(浄化材収納部)52と、この浄化材収納容器52の内部に収納される浄化材5と、を備えており、流入口2からカートリッジケース4内に流入した原水が浄化材収納容器52内の浄化材5を通過して濾過され、濾過された浄水が流出口3から流出されるようになっている。
【0020】
カートリッジケース4は、上述した浄化材収納容器52が収納されるロワーケース41と、中空糸膜6が接着剤16によって隙間を埋められつつ上端部に固定されたアッパーケース42とを備えており、ロワーケース41とアッパーケース42とを結合することで形成されている。
【0021】
ロワーケース41は、下端が底壁(カートリッジケースの底壁)41aによって閉塞された有底円筒状に形成されており、その底壁41aの中央部に上述の流入口2が形成されている。また、アッパーケース42は、上端が蓋体42aによって閉塞される円筒状に形成されており、その蓋体42aの中央部に上述の流出口3が形成されている。そして、ロワーケース41の上端部内周にアッパーケース42の下端部外周を超音波溶着等により接合することで、ロワーケース41とアッパーケース42とを液密構造をもって固定している。
【0022】
また、ロワーケース41の上端部内側に形成した段部41bとアッパーケース42の下端との間には、浄化材5の収容部と中空糸膜6の収容部とを仕切る中間板7が挟持されている。このとき、段部41bの上面にはロワーケース41の内周に沿った環状溝41cが形成され、この環状溝41cに嵌合したシールリング8に中間板7が圧接されることにより、中間板7の周縁部での液密性が確保される。
【0023】
さらに、本実施形態では、中間板7と中空糸膜6との間に不織布17が配設されており、浄化材5を通過して連通口72から吐出される水がこの不織布17によって整流されるようにしている。
【0024】
また、本実施形態では、浄化材5として活性炭やセラミックを用いており、この浄化材5は下端がエンドプレート(浄化材収納部の底壁)51によって閉塞された円筒状の浄化材収納容器52内に収納されている。
【0025】
浄化材収納容器52は、エンドプレート51と、エンドプレート51の周縁部から立ち上がる筒状側壁(浄化材収納部の側壁)53と、によって構成されており、筒状側壁53の内方には、間隔を設けて中心軸上に配置されるセンターパイプ54が配置されている。そして、筒状側壁53とセンターパイプ54との間の空間に浄化材5が充填されている。
【0026】
本実施形態では、ロワーケース41と浄化材収納容器52とセンターパイプ54とが同心円状に配設されている。
【0027】
筒状側壁53は、上端部53aと下端部53bを除く側面が大きく開口しており、その開口部53cに、水は通すが浄化材5の通過を阻止するメッシュ(水の流入部)55が取り付けられている。そして、メッシュ55を通して原水が浄化材5内に取り込まれるようにしている。また、センターパイプ54も、筒状側壁53と同様に上端部54dと下端部54bを除く側面が大きく開口しており、その開口部54eに、水は通すが浄化材5の通過を阻止するメッシュ56が取り付けられている。浄化材5を通過した水はセンターパイプ54のメッシュ56を通過して、中心空洞部54a内に流入される。なお、筒状側壁53やセンターパイプ54の側壁に格子状のリブを設け、当該リブによってメッシュを保持するようにしてもよい。
【0028】
センターパイプ54の下端部54bは、エンドプレート51の中央部に上方に向けて突設された嵌合部51aに密接嵌合しているとともに、センターパイプ54の上端54cは、筒状側壁53の上端53dよりも若干アッパーケース42方向(図1中上方)に突出しており、その上端54cが中間板7の中心部に同心円状に形成された環状支持溝71に密接嵌合している。また、環状支持溝71の中央部には、センターパイプ54の中心空洞部54aをアッパーケース42の内方に連通する連通口72が形成されている。
【0029】
ここで、本実施形態では、ロワーケース41の側壁(カートリッジケースの側壁)41dの内面と筒状側壁53の外面との間に、流入口2から流入した原水が下方から上方に向けて流れ、当該原水をメッシュ55を介して筒状側壁53に供給する原水通路(水通路)10が設けられている。そして、原水通路10の原水通過方向(水通過方向:図1中上下方向)の途中に、ロワーケース41の側壁41dの内面から筒状側壁53に向けて所定量突出し、原水の流れを分散させて積極的に浄化材収納容器52の筒状側壁53方向に原水を案内するガイド突起(リブ)11が設けられている。
【0030】
本実施形態では、原水通路10がメッシュ55の外周に同心円状に設けられるとともに、ガイド突起11がロワーケース41の内周に沿って連続した環状リブとして突設されている。このとき、ガイド突起11の内周とメッシュ55との間には、原水通路10を流れる原水がガイド突起11の上流側で浄化材収納容器52に流入する量と下流側で浄化材収納容器52に流入する量とに略等しく振り分けられるように隙間δが設けられている。
【0031】
流入口2には、当該流入口2の下流側近傍を覆う断面台形状の覆い部21が設けられており、その覆い部21の傾斜した周囲に複数の開口部22が形成されている。そして、流入口2から流入した原水は開口部22を通過して浄化材収納容器52のエンドプレート51に沿った方向に振り分けられて原水通路に流入する。したがって、流入口2から原水通路10に至る原水の流通経路は、浄化材収納容器52のエンドプレート51から原水を取り込む浄化材収納容器52の筒状側壁53に亘って折曲する折曲経路12として形成され、原水通路10に連通している。また、流入口2の覆い部21の上面には座部23が突設されており、当該座部23によってエンドプレート51の中央部が支持されている。
【0032】
かかる構成とすることで、浄水カートリッジ1の流入口2からロワーケース41内に流入した原水は、原水通路10を流通して筒状側壁53のメッシュ55から浄化材収納容器52内に取り込まれ、浄化材5を通過する間に残留塩素等が除去される。そして、残留塩素等が除去された水がセンターパイプ54を通過して中心空洞部54aに供給され、中心空洞部54a内の濾過された水は中間板7の連通口72から不織布を介してアッパーケース42内に流入し、アッパーケース42に収納された中空糸膜6で細かい汚れや濁りが除去された後、浄水として流出口3から流出される。
【0033】
以上の本実施形態によれば、ロワーケース41の側壁41dの内面における原水通路10の途中に、ロワーケース41の内側から所定量突出して原水を積極的に浄化材収納容器52の筒状側壁53方向に案内して原水の流れを分散させるガイド突起11を設けることで、原水通路10を通過する原水がガイド突起11によって積極的に浄化材収納容器52の筒状側壁53方向に案内されるため、浄化材収納容器52への原水の流れをガイド突起11の上流側と下流側とに分散させることができる。したがって、浄化材収納容器52内に収納された浄化材5を全般に亘って効率よく使用することが可能となり浄化材5の利用効率が高まるため、全体的な浄化能力を向上させることができるようになる。
【0034】
また、浄化材5の利用効率を高めることにより、浄水カートリッジ1のコンパクト化やコストダウンを達成できるとともに、浄水カートリッジ1の長寿命化を図ることができるようになる。
【0035】
(第2実施形態)図2は、本発明の第2実施形態を示しており、図2は、浄水カートリッジの断面図である。
【0036】
図2に示すように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ1Aは、基本的に上記第1実施形態の浄水カートリッジ1と同様の構成をしており、ロワーケース41の側壁41dと筒状側壁53との間に、流入口2から流入した原水を浄化材収納容器52に供給する原水通路10が設けられている。
【0037】
また、ロワーケース41の側壁41dの内面における原水通路10の途中に、所定量突出して原水を積極的に浄化材収納容器52方向に案内して、原水の流れを分散させるガイド突起11が設けられている。
【0038】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、ガイド突起(リブ)11を、原水通過方向に所定間隔をもって複数(11a、11b…)設け、それら複数のガイド突起11a、11b…の突出量L1、L2…を、上流側から下流側に向かって段階的に増大(…<L2<L1)させたことにある。
【0039】
本実施形態にあっても、それぞれのガイド突起11a、11b…は、ロワーケース41の内周に沿って連続した環状リブとして突設されている。
【0040】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、ガイド突起(リブ)11を複数設け、それら複数設けたガイド突起11a、11b…の突出量L1、L2…を、上流側から下流側に向かって段階的に増大させたため、原水通路10を通過する原水は、それぞれのガイド突起11a、11b…によって分散されて浄化材収納容器52に段階的に案内されるようになる。したがって、浄化材収納容器52に流入される原水の分散効果をさらに高めることができ、浄化材5の利用効率のさらなる向上を図ることができる。
【0042】
(第3実施形態)図3は、本発明の第3実施形態を示しており、図3は、浄水カートリッジの断面図である。
【0043】
図3に示すように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ1Bは、基本的に上記第1実施形態の浄水カートリッジ1と同様の構成をしており、ロワーケース41の側壁と筒状側壁53との間に、流入口2から流入した原水を浄化材収納容器52に供給する原水通路10が設けられている。
【0044】
したがって、本実施形態にあっても、流入口2からカートリッジケース4内に流入した原水は、ロワーケース41の内側に設けた原水通路10を通過して筒状側壁53のメッシュ55の外側から浄化材収納容器52内に取り込まれ、浄化材5で濾過された浄水がアッパーケース42内の中空糸膜6を通過した後に流出口3から流出される。
【0045】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、ガイド突起11が設けられることなく、原水通路10に、当該原水通路10の幅Wが上流側から下流側(図3中下方から上方)に向かって徐々に狭くなる幅狭通路部13を設けたことにある。
【0046】
具体的には、幅狭通路部13は、原水通路10に面したロワーケース41の側壁41dの厚さを、底壁41aから上端部の段部41bに向かって徐々に厚肉化することにより形成されている。
【0047】
以上の本実施形態によれば、流入口2からカートリッジケース4内に流入した原水を浄化材収納容器52に供給する原水通路10に幅狭通路部13を設け、原水通路10の幅Wが上流側から下流側に向かって徐々に狭くなるようにしたため、浄化材収納容器52の外面、すなわち、筒状側壁53のメッシュ55から流入する原水の流れが幅狭通路部13によって上流側から下流側に亘って略均等に分散されるようになる。したがって、浄化材収納容器52内に収納された浄化材5を全般に亘って効率よく使用することが可能となり浄化材5の利用効率が高まるため、全体的な浄化能力を向上させることができるようになる。
【0048】
また、本実施形態にあっても上記第1実施形態と同様に、浄水カートリッジ1のコンパクト化やコストダウンを達成できるとともに、浄水カートリッジ1の長寿命化を図ることができる。
【0049】
(第4実施形態)図4は、本発明の第4実施形態を示しており、図4は、浄水カートリッジの断面図である。
【0050】
図4に示すように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ1Cは、基本的に上記第3実施形態の浄水カートリッジ1Bと同様の構成をしており、原水通路10に、原水通路10の幅Wが上流側から下流側に向かって徐々に狭くなる幅狭通路部13Aが設けられている。
【0051】
ここで、本実施形態が上記第3実施形態と主に異なる点は、ロワーケース41の側壁41dを原水通路10の幅Wが上流側から下流側に向かって徐々に狭くなるように傾斜させることで幅狭通路部13Aを構成したことにある。すなわち、本実施形態ではロワーケース41の側壁41dを厚さを変化させることなく上方に行くに従って徐々に縮径させることで、幅狭通路部13Aを形成している。
【0052】
以上の本実施形態によっても、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0053】
また、本実施形態によれば、ロワーケース41の側壁41dの傾斜により幅狭通路部13Aを構成しているので、既存の構成部品であるロワーケース41の傾きを変化させればよく、構成の簡素化を図ることができ、さらなるコストダウンを達成できるようになる。
【0054】
(第5実施形態)図5は、本発明の第5実施形態を示しており、図5は、浄水カートリッジの断面図である。
【0055】
図5に示すように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ1Dは、基本的に上記第3実施形態の浄水カートリッジ1Bと同様の構成をしており、原水通路10に、原水通路10の幅Wが上流側から下流側に向かって徐々に狭くなる幅狭通路部13Bが設けられている。
【0056】
ここで、本実施形態が上記第3実施形態と主に異なる点は、浄化材収納容器52の筒状側壁53を原水通路10の幅Wが上流側から下流側に向かって徐々に狭くなるように傾斜させることで幅狭通路部13Bを構成したことにある。すなわち、本実施形態では筒状側壁53の径を上方に行くに従って徐々に拡径させることで、幅狭通路部13Bを形成している。
【0057】
以上の本実施形態によっても、上記第3実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
また、本実施形態によれば、筒状側壁53を傾斜させることで幅狭通路部13Bを構成しているので、既存の構成部品である筒状側壁53の傾きを変化させればよく、構成の簡素化を図ることができ、さらなるコストダウンを達成できるようになる。
【0059】
ところで、上記第4実施形態ではロワーケース41の側壁41dを傾斜させたものを例示し、上記第5実施形態では筒状側壁53を傾斜させたものを例示したが、ロワーケース41の側壁41dおよび筒状側壁53の両者を共に傾斜させて、原水通路10の幅Wを上流側から下流側に向かって徐々に狭くなるように傾斜させることも可能である。
【0060】
(第6実施形態)図6は、本発明の第6実施形態を示しており、図6は、浄水カートリッジの断面図である。
【0061】
図6に示すように、本実施形態にかかる浄水カートリッジ1Eは、基本的には上記各実施形態と同様の構成をしており、ロワーケース41の内側に、流入口2から流入した原水を筒状側壁53のメッシュ55を介して浄化材収納容器52内に供給する原水通路10が設けられている。
【0062】
なお、本実施形態では、上記第4実施形態と同様に、ロワーケース41の側壁41dを原水通路10の幅Wが上流側から下流側に向かって徐々に狭くなるように傾斜させている。
【0063】
また、上記各実施形態と同様に、流入口2から原水通路10に至る原水の流通経路が、浄化材収納容器52のエンドプレート51から原水を取り込む浄化材収納容器52のメッシュ55に亘って折曲する折曲経路12として形成されている。
【0064】
ここで、本実施形態では、浄化材収納容器52のエンドプレート(底壁)51の周縁部に面取部14が設けられている。
【0065】
以上の本実施形態によれば、浄化材収納容器52のエンドプレート51の周縁部に面取部14を設けたため、流入口2から流入した原水が折曲経路12から原水通路10に流れ込み易くなり、浄水カートリッジ1E内全体に水をよりスムーズに流すことができるようになる。
【0066】
なお、本実施形態にかかる面取部14は、上記第4実施形態に限ることなくその他の実施形態(第1〜第3実施形態および第5実施形態)にあっても適用することができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0068】
例えば、上記各実施形態では浄化材以外に中空糸膜を設けたものを例示したが、中空糸膜が無くてもよく、また、中空糸膜以外の浄化材が設けられていてもよい。すなわち、流入口と流出口を設けたカートリッジケースの内部に、水を濾過または浄化する浄化材が収納されている浄水カートリッジであれば本発明を適用することができる。また、浄化材は活性炭やセラミック以外にも、水を濾過または浄化できる材料を用いてあればよい。
【符号の説明】
【0069】
1、1A、1B、1C、1D、1E 浄水カートリッジ
2 流入口
3 流出口
4 カートリッジケース
10 原水通路(水通路)
11(11a、11b…) ガイド突起(リブ)
12 折曲経路
13、13A、13B 幅狭通路部
14 面取部
41 ロワーケース(カートリッジケース)
41a 底壁(カートリッジケースの底壁)
41d 側壁(カートリッジケースの側壁)
51 エンドプレート(浄化材収納部の底壁)
52 浄化材収納容器(浄化材収納部)
53 筒状側壁(浄化材収納部の側壁)
55 メッシュ(水の流入部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口と流出口とを有するカートリッジケースと、当該カートリッジケースの内部の前記流入口と前記流出口との間に配置され、側壁に水の流入部が形成される浄化材収納部と、を備える浄水カートリッジにおいて、
前記カートリッジケースの側壁と前記浄化材収納部の側壁との間に、前記流入口から流入した水を前記浄化材収納部に供給する水通路を設け、
前記カートリッジケースの側壁に、当該側壁の内側から前記浄化材収納部の側壁に向けて突出し、前記水通路内の水の流れを分散させるリブを設けたことを特徴とする浄水カートリッジ。
【請求項2】
前記リブは、前記水通路内の水通過方向に複数設けられ、それら複数のリブの突出量を、上流側から下流側に向かって段階的に増大させたことを特徴とする請求項1に記載の浄水カートリッジ。
【請求項3】
流入口と流出口とを有するカートリッジケースと、当該カートリッジケースの内部の前記流入口と前記流出口との間に配置され、側壁に水の流入部が形成される浄化材収納部と、を備える浄水カートリッジにおいて、
前記カートリッジケースの側壁と前記浄化材収納部の側壁との間に、前記流入口から流入した水を前記浄化材収納部に供給する水通路を設け、
前記水通路に、当該水通路の幅が上流側から下流側に向かって徐々に狭くなる幅狭通路部を設けたことを特徴とする浄水カートリッジ。
【請求項4】
前記幅狭通路部は、前記カートリッジケースの側壁および前記浄化材収納部の側壁の少なくともいずれか一方を傾斜させることで形成されていることを特徴とする請求項3に記載の浄水カートリッジ。
【請求項5】
前記流入口が前記カートリッジケースの底壁に形成されるとともに、前記浄化材収納部の底壁から側壁に亘って前記水通路に連通する折曲経路が形成されており、前記浄化材収納部の底壁には面取部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の浄水カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−162497(P2010−162497A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7716(P2009−7716)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】