説明

浄水ユニット及び浄水ユニットの洗浄方法

【課題】
本発明によれば、浄水ユニット内に液体を循環させる経路にて洗浄するため、比較的少ない液体を利用し、フィルタのほこり除去を可能とする。
【解決手段】
洗浄液を供給する洗浄液供給部102と濾過手段を有する浄水槽103とを備え、浄水槽103は、濾過手段106を介して導出する第1の導出口107と、濾過手段106を介さずに導出する第2の導出口108とを備えており、第2の導出口108から導出した液体を浄水ユニット内に循環させる循環経路を備えることで、比較的少ない液体を利用し、フィルタのほこり除去が可能という効果を奏する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水ユニットに関するものであり、特に浄水ユニットの洗浄が可能な浄水ユニット及びその洗浄方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な浄水ユニットは、活性炭フィルタや殺菌除去膜等の複数のフィルタにより導入された水を濾過することで、浄水している。このタイプの浄水ユニットを長時間使用すると、浄水ユニット内に細菌の繁殖や異臭が発生することがある。
【0003】
この課題を解決するため、オゾン水や塩素系の洗浄液などを用いて洗浄する技術が知られている。例えば、特許文献1は浄水器に液体を循環させる循環経路を接続し、水酸化銀を含む洗浄液を循環させることで、浄水器内の細菌の殺菌を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−317861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の浄水器は、導入口と導出口が1つずつ設けられた構成であるため、浄水時も洗浄時も同一方向に水あるいは洗浄液が流動することになる。このため、浄水器のフィルタにほこりなどの不純物による目詰まりが発生した場合、フィルタが水を濾過する方向に水圧がかかるため、洗浄時においても、ほこりや細菌の除去をすることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑み、比較的少ない液体を利用し、フィルタのほこり除去を可能とする浄水ユニットを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る浄水ユニットは、洗浄液を供給する洗浄液供給部と濾過手段を有する浄水槽とを有し、前記浄水槽は、前記濾過手段を介して導出する第1の導出口と、前記濾過手段を介さずに導出する第2の導出口とを備え、前記浄水槽に循環させる循環経路を備えている。
【0008】
上述の構成によれば、浄水槽内に液体が流動する2つの異なる経路を形成させることができ、効果的に浄水ユニットの洗浄が可能である。また、浄水槽に接続した循環経路を形成することで、比較的少量の洗浄液にて洗浄が可能となる。
【0009】
また上記の構成において、前記循環経路は気液分離器が設けられ、前記気液分離器の気体の導出口と前記洗浄液供給部が配管を介して接続されていることが好ましい。
【0010】
上述の構成によれば、気液分離器にてオゾン水に含まれるオゾンガスを分離し、分離したオゾンガスを含む気体を洗浄液供給部に供給することで、より高濃度なオゾン水を生成することが可能である。また、オゾンガスと水などの液体からオゾン水を生成するため、洗浄液を貯水しておく貯水槽を必要としないため、比較的小さな設備にて洗浄を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、浄水槽に液体を循環させる経路にて洗浄するため、比較的少ない液体を利用し、フィルタのほこり除去が可能という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る第1の実施例の浄水ユニットの概略図である。
【図2】本発明に係るオゾン水供給器の概略図である。
【図3】第1の浄水ユニットに係る浄水または洗浄動作のタイミングチャートである。
【図4】本発明に係る第2の実施例の浄水ユニットの概略図である。
【図5】本発明に係る気液分離器と洗浄液供給部の接続の一実施形態を示した概略図である。
【図6】第2の浄水ユニットに係る浄水または洗浄動作のタイミングチャートである。
【図7】本発明に係る第3の実施例の浄水ユニットの概略図である。
【図8】第3の浄水ユニットに係る浄水または洗浄動作のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0013】
本発明に係る浄水ユニットの一実施形態について図1に基づいて説明する。図1は本発明に係る浄水ユニット100を示した概略図である。浄水ユニット100は、水などの液体を供給する給水部101と、オゾン水などの洗浄液を供給する洗浄液供給部102と、供給された液体を浄水する浄水槽103と、液体を排液する排液部104とを備え、各構成部は圧送部105を備えた配管系からなる循環経路106と接続されている。ここで、循環経路とは、ゴムホースやパイプなどの配管系から形成され、浄水ユニット内部を循環する経路を示す。
【0014】
給水部101は循環経路106に接続され、浄水ユニットの外部から循環経路106に水などの液体を提供する給水口としての役割を担う。また、給水部101は浄水ユニットの外部から導入された水などの液体を貯水することが可能な貯水槽として構成してもよい。給水部101は、液体の導入量を制御可能な制御部C11を備え、循環経路106に対して供給する液体の導入量を制御することが可能である。
【0015】
洗浄液供給部102は循環経路106に設けられ、水などの液体や洗浄液を配管系を介して浄水槽103に導出する。例えば、洗浄液供給部102を、ON状態にして起動させた時に循環経路106から導入された水などの液体をもとに洗浄液を生成し、配管を介して浄水槽103に洗浄液を導出させ、OFF状態にして停止させた時には循環経路106から導入された液体を、配管を介して浄水槽103に導出することが可能である。ここで、洗浄液供給部102で供給される代表的な洗浄液はオゾン水であるが、塩素系の液体、OHラジカルガスを含んだ液体などの殺菌効果のある液体を供給しても構わない。
【0016】
ここで洗浄液供給部102の一実施形態について図2(a)、(b)を用いて説明する。図2(a)の洗浄液供給部102(a)は気液混合器21とオゾンガス発生器22とが接続され、気液混合器21は配管系を介して導入された水と、オゾンガス発生器22により発生したオゾンガスとを混合し、洗浄液としてオゾン水を供給することができる。また、オゾンガス発生器22と気液混合器21とを接続する配管には制御部23が設けられ、オゾンガスの流量を制御することができる。
【0017】
図2(b)の洗浄液供給部102(b)は気液混合器21とオゾンガス発生器22とが接続され、導入された液体を浄水槽に導出する液体導出経路と、液体導出経路の途中で分岐され、気液混合器21で生成されたオゾン水を浄水槽に導入するオゾン水供給経路を備えている。また、オゾンガス発生器22と気液混合器21とを接続する配管には制御部26が設けられ、オゾンガスの流量を制御することができる。なお、液体導出経路とオゾン水供給経路は、それぞれ制御部を備えており、各制御部を制御することにより、液体が流動する経路を切り替えることが可能である。
【0018】
なお、供給されるオゾン水は水にオゾンガスが溶け込んだ液体や、水にオゾンガスを含んだ液体、いわゆるオゾンバブル水などを含むものとする。また、洗浄液供給部は図2の実施形態に限られず、洗浄液を供給できる構成であれば、その他の実施形態にて構成されても構わない。
【0019】
浄水槽103は液体を導入する導入口107と液体を濾過する濾過部108と、濾過部108を通過し、濾過された液体が導出する導出口109と濾過部108を通過しない液体を導出する導出口110とを備えている。このため、浄水槽103は導入口107から水などの液体を導入し、濾過部108を介して濾過後に導出口109から導出させる経路と、導入口107から水などの液体を導入し、濾過部108を介さずに導出口110から導出させる、導出させる経路を有している。このため、浄水器内に濾過する経路とは異なる水流を生成することが可能となる。
【0020】
濾過部108は、液体を濾過することが可能なフィルタなどにより構成され、濾過部108を介して浄水槽103は導入口107と導出口110を備えた浄水室111と導出口109を備えた浄水室112の2つの空間に分断される。ここで、浄水槽103は、濾過部108を介して2つの空間に分断するように仕切り板113を設けているが、濾過部のみで分断させてもよいし、導出口109に濾過部108を配置して一続きの空間を持った浄水槽として構成しても構わない。
【0021】
また、濾過部108は長期間使用した場合に、ほこりなどの不純物により目詰まりが発生するものであるが、液体を濾過する濾過方向に洗浄を行っても濾過方向への水圧のため、目詰まりを解消することができず、ほこりや細菌の除去をすることは困難である。しかしながら、浄水器内に液体を濾過する経路とは異なる経路で水流を生成することが可能であるため、効果的に濾過部の洗浄が可能となる。
【0022】
また導出口109は液体の流動量を制御することが可能な制御部C12を備えた配管に接続されている。導出口110は配管系から形成される循環経路106と接続される。このため、浄水ユニット100は、浄水槽の導出口110と洗浄液供給部102の導入口とを接続する配管系などを介した循環経路106により、液体を循環させる経路が形成される。
【0023】
排液部104は循環経路106に接続され、循環経路106を流動する液体を浄水ユニットの外部に導出する排液口としての役割を担う。また、排液部104は浄水ユニットの外部へ導出する水などの液体を貯水することが可能な貯水槽として構成してもよい。排液部104は、液体の排液量を制御する制御部C13を備え、循環経路106から排液する液体の排液量を制御することが可能である。
【0024】
また、循環経路106は排液部104との接続箇所と洗浄液供給部102との間に、液体の流動量を制御可能な制御部C14を備えている。このため、制御部C13と制御部C14を制御することにより、排液部104と循環経路106の接続箇所で、排液部104への液体の導出と循環経路106への液体の循環とを切り替えることが可能である。なお、ここで、制御部C13、C14は、循環経路と排液部104への液体の導入を切り替えることが可能な手段であれば、他の構成を用いてもよく、例えば、三方弁のような切り替え手段を用いてもよい。
【0025】
循環経路106はゴムホースやパイプなどの配管系により形成され、圧送部105を備えている。このため、給水部101の液体を給水させることや、循環経路106の液体を循環させることが可能である。ここで、圧送部105は、液体を加圧して圧送可能なポンプなどからなり、例えば、インペラがモータによって回転する遠心ポンプや、ダイヤフラムが上下することで流体を吸入、吐出するダイヤフラム式ポンプや、ピストンとシリンダーで構成される方式などのものを備えてもよい。
【0026】
また、浄水ユニット100は浄水槽の導出口110と排液部104との間の循環経路106に気液分離器を設けてもよい。気液分離器は導入される気体と液体が混合された気液混合体を気体と液体に分離する機能を有する。このため、一般的に洗浄液には、一部、洗浄ガスも含まれているものであるが、排液部104から排液する洗浄液に含まれる洗浄ガスをあらかじめ取り除くことが可能であり、排液部104を通じた洗浄ガスの放出を防ぐことができる。
【0027】
なお、各制御部の制御動作は手動により制御できる構成としても構わないし、制御部として電子的な制御が可能な電子バルブを形成し、制御部の開閉制御のタイミングをコントロールすることが可能なコントロール部と接続させることで、電子的な制御を可能とした構成としてもよい。
【0028】
≪動作説明≫
第1の実施例に係る浄水ユニットの浄水及び洗浄の動作説明について、図1、図3に基づいて説明する。浄水ユニット100は液体を浄化する浄水モードと、浄水ユニットを洗浄する浄水ユニット洗浄モードと洗浄した液体を排液する排液モードに切り替えることが可能である。
【0029】
浄水モードは液体を浄水し、浄水ユニットから導出させるモードである。浄水ユニット洗浄モードは濾過部または液体が流動する浄水ユニット内部を洗浄するモードであり、濾過部の洗浄に効果的なモードである。排液モードは洗浄した液体を排液するモードである。
【0030】
図3は本発明に係る浄水ユニットの各モードにおけるタイミングチャートを模式的に示したものである。ここで、各制御部の制御状態は、各制御部の開閉状態を示しており、開状態は制御部を流動する液体の流動量が高い状態を示し、閉状態は制御部を流動する液体の流動量を停止した状態を示している。洗浄液供給部の供給状態は、洗浄液供給部が供給する洗浄液の供給状態を示しており、ON状態は洗浄液を供給している状態であり、OFF状態は洗浄液の供給を停止している状態を示している。時間t0〜t1は浄水モード、時間t1〜t2は浄水ユニット洗浄モード、t2〜t3は排液モードの制御部のタイミングチャートを示しているが、各モードの切り替えは図3に示されたモードの順番に限られず、全てのモードを含む必要はない。
【0031】
浄水モードは図3のように制御部C11、制御部C12を開状態、制御部C13を閉状態、制御部C14を閉状態にし、洗浄液供給器をOFF状態として、圧送部105を駆動する。制御部C11が開状態になり、圧送部105が駆動されているため、給水部101から水などの液体が、循環経路106を介して洗浄液供給部102に圧送される。このとき、洗浄液供給部102がOFF状態のため、導入された液体はそのまま浄水槽103に導入される。また、制御部C12が開状態で、制御部C13と制御部C14が閉状態になっているため、浄水槽に導入された水などの液体は濾過部108によって濾過され、浄水として導出口109より導出する。
【0032】
浄水ユニット洗浄モードは、制御部C11を閉状態、制御部C12を閉状態、制御部C13を閉状態、制御部C14を開状態、洗浄液供給部をON状態として、圧送部105を駆動する。
【0033】
制御部を切り替えると、浄水槽に貯水された水などの液体は導出口110から導出し、循環経路106を介して、洗浄液供給部102に導入される。洗浄液供給部102はON状態になっているため、導入された水などの液体をもとに洗浄液を生成し、浄水槽103に導出する。ここで、生成される洗浄液は、例えばオゾン水である。
【0034】
浄水槽103に導入された洗浄液は、制御部C12が閉状態のため、濾過部108を通過することができず、濾過部108の表面を流動後、再び導出口110から導出する。このため、洗浄液が浄水ユニットを循環する循環経路106が形成される。
【0035】
また、浄水ユニット内部や浄水槽103の濾過部108に対して、生成したオゾン水を排液することなく、循環して殺菌洗浄を行うことができるので給水部101から供給される水などの液体を有効に利用することができる。また、洗浄液を循環させて洗浄を行うため、洗浄液の殺菌効率を高める。このことは、例えばオゾン水を供給する場合、殺菌で使用されなかったオゾン水を材料にオゾンガスを混合することができるため、オゾン水濃度の向上を図ることが可能なことに起因している。
【0036】
また、一般的な濾過部は長時間使用した場合、ほこりなどの不純物による目詰まりが発生することがある。このとき、浄水時と同じ濾過方向に洗浄液を流動させ洗浄する場合、濾過部の流動方向に水圧がかかるため、ほこりや細菌の除去をすることができなかった。しかしながら、上述の洗浄の動作説明によれば、浄水槽内の液体が流動する経路は浄水モードによる液体の流動経路と洗浄モードによる液体の流動経路と異なっているため、浄水ユニット及びフィルタの洗浄効果が向上する。この循環経路に一定期間、オゾン水またはオゾンバブル水などの洗浄液を循環させることで、濾過部または浄水ユニット内部を殺菌洗浄する。
【0037】
排液モードは、図3のように制御部C11を開状態、制御部C12閉状態、制御部C13開状態、制御部C14閉状態にし、洗浄液供給部をOFF状態にし、圧送部105を駆動する。制御部を切り替えると、圧送部105が駆動されているため、給水部101から水などの液体は循環経路106を介して、洗浄液供給部102に圧送される。このとき、洗浄液供給部102がOFF状態のため、導入された液体はそのまま浄水槽103に導入される。ここで、浄水ユニット内を循環していた洗浄液も同時に浄水槽に圧送されることとなる。また、制御部C12が閉状態であるため、浄水槽103に導入された水などの液体は濾過部108を通過することなく、浄水ユニット内部の洗浄液とともに浄水槽の導出口110から導出される。その後、導出された水などの液体は、制御部C13が開状態で、第4の制御部が閉状態であるため、循環経路106を介して排液部104へ排液される。このため、浄水ユニット内部に残留していた洗浄液を排液することが可能となる。
【0038】
なお、排液モードは、上述の実施例では洗浄液供給部を常にOFF状態として動作させているが、排液モードの開始時に洗浄液供給部をON状態として、一定期間動作させ、その後、洗浄液供給部をOFF状態として動作させても構わない。
【実施例2】
【0039】
本発明に係る浄水ユニットの一実施形態について図4に基づいて説明する。図4は本発明に係る浄水ユニット200を示した概略図である。浄水ユニット200は、水などの液体を供給する給水部101と、オゾン水などの洗浄液を供給する洗浄液供給部201と、供給された液体を浄水する浄水槽103と、気体と液体を分離することが可能な気液分離器202と液体を排液する排液部104と、各構成部は圧送部105を備えた配管系からなる循環経路106と接続されている。ここで、循環経路とは、ゴムホースやパイプなどの配管系から形成され、浄水ユニット内部を循環する配管経路を示す。
【0040】
給水部101は循環経路106に接続され、浄水ユニットの外部から循環経路106に水などの液体を提供する給水口としての役割を担う。また、浄水ユニットの外部から導入された水などの液体を貯水することが可能な貯水槽として構成してもよい。給水部101は、液体の導入量を制御可能な制御部C21を備え、循環経路106に対して供給する液体の導入量を制御することが可能である。
【0041】
洗浄液供給部201は循環経路106に設けられ、水などの液体や洗浄液を配管系を介して浄水槽103に導出する。また、洗浄液供給部は気液分離器202と配管系を介して接続され、気体などが導入される。
【0042】
例えば、洗浄液供給部201を、ON状態にして起動させた時に循環経路106から導入された水などの液体をもとに洗浄液を生成し、配管系を介して浄水槽103に洗浄液を導出させ、OFF状態にして停止させた時には循環経路106から導入された液体を、配管系を介して浄水槽103に導出することが可能である。ここで、洗浄液供給部201で生成される代表的な洗浄液はオゾン水であるが、塩素系の液体、OHラジカルガスを含んだ液体などの殺菌効果のある液体を生成しても構わない。
【0043】
浄水槽103は、液体を導入する導入口107と液体を濾過する濾過部108と、濾過部を通過し、濾過された液体が導出する導出口109と濾過部を通過しない液体を導出する導出口110とを備えている。
【0044】
このため、浄水槽103は導入口107から水などの液体を導入し、濾過部108を介して濾過後に導出口109から導出させる経路と、導入口107から水などの液体を導入し、濾過部108を介さずに導出口110から導出させる、導出させる経路を有している。このため、浄水器内に濾過する経路とは異なる水流を生成することが可能となる。
【0045】
濾過部108は液体を濾過することが可能なフィルタなどにより構成され、濾過部108を介して浄水槽103は導入口107と導出口110を備えた浄水室111と導出口109を備えた浄水室112の2つの空間に分断される。ここで、浄水槽103は、濾過部108を介して2つの空間に分断するように仕切り板113を設けているが、濾過部のみで分断させてもよいし、導出口109に濾過部108を配置して一続きの空間を持った浄水槽として構成しても構わない。
【0046】
また、濾過部108は長期間使用した場合に、ほこりなどの不純物により目詰まりが発生するものであるが、液体を濾過する濾過方向に洗浄を行っても濾過方向への水圧のため、目詰まりを解消することができず、ほこりや細菌の除去をすることは困難である。しかしながら、浄水器内に液体を濾過する経路とは異なる経路で水流を生成することが可能であるため、効果的に濾過部の洗浄が可能となる。
【0047】
また、濾過部は長期間使用した場合に、ほこりなどの不純物により目詰まりが発生するものであるが、濾過部により濾過する濾過方向に洗浄を行っても濾過方向への水圧のため、目詰まりを解消することができず、ほこりや細菌の除去をすることは困難である。しかしながら、浄水器内に濾過する経路とは異なる水流を生成することが可能であるため、効果的に濾過部の洗浄が可能となる。
【0048】
また導出口109は液体の流動量を制御することが可能な制御部C22を備えた配管系に接続されている。導出口110は液体の流動量を制御することが可能な制御部C23を備えた配管系を介して気液分離器202と接続されている。
【0049】
気液分離器202は導入される気体と液体が混合された気液混合体を気体と液体に分離する機能を有し、液体の導入口203と、気体を導出する導出口204と、液体を導出する導出口205を備えている。このため、一般的に洗浄液には、一部、洗浄ガスも含まれているものであるが、洗浄液と洗浄ガスに分離することが可能である。
【0050】
液体の導入口203は、液体の流動量を制御可能な制御部C23を備えた配管系を介して浄水槽の導出口110と接続され、洗浄液などの液体が導入される。気体の導出口204は気体の流動量を制御可能な制御部C24が設けられた配管系を介して、洗浄液供給器201と接続されている。
【0051】
液体の導出口205は配管系から形成される循環経路106に接続される。このため、浄水ユニット200は、浄水槽103の導出口110と気液分離器202の導入口203を接続した配管系や気液分離器202の導出口205と洗浄液発生器201を接続した配管系などを介した循環経路106により、液体を循環させる経路が形成される。
【0052】
ここで気液分離器と洗浄液供給部の接続の一実施形態について説明する。図5は、気液分離器と洗浄液供給部の接続の一実施形態を示した概略図である。図5の気液分離器202は液体の導入部203と気体の導出部204と液体の導出部205を備え、気液分離器202の下部に液体を貯水し、上部に気体が収集されることで気体と液体が分離する。
【0053】
液体の導出口205は気液分離器の下部に設けられ、貯水された液体を導出する。このため、気液分離器202がバッファタンクの役割を担い、流動する液体の流量が変化をしても、気液分離器の液体の貯水量が許容範囲内であれば、途切れることなく安定した液体の導入が可能となる。
【0054】
気体の導出口204は制御部が設けられた配管を介して、洗浄液供給部201のオゾンガス発生器51に接続され、気液分離器202により分離された気体が導入される。例えばオゾン水が気液分離器に導入される場合、オゾンガスを含む気体とオゾン水に分離され、オゾンガスを含む気体がオゾンガス発生器51に導入されることになる。
【0055】
図5のオゾン液供給部201は空気や酸素などの気体からオゾンガスを発生するオゾンガス発生器51と気体と液体を混合する気液混合器21を備え、生成したオゾンガスと導入された水などの液体からオゾン水を生成する。オゾンガス発生器51は気液分離器202の導出口204に接続され、導入される気体に基づきオゾンガスを生成する。オゾンガス発生器51は配管を介して気液混合器21に接続され、気液混合器の導入口52から導入される水などの液体と、導入口53から導入されるオゾンガスとを混合し、導出口54からオゾン水を導出する。
【0056】
図5の構成によれば、気液分離器202の導入部203から導入されたオゾン水などの液体は、オゾン水とオゾンガスなどを含む気体に分離され、オゾン水を導出部21から導出し、オゾンガスなどを含む気体を配管を介して、洗浄液供給部201のオゾンガス発生器51に導出する。
【0057】
また、オゾンガス発生器51は導入された気体をもとにオゾンガスを発生させ、気液混合器21の導入口52に導出する。気液混合器21は導入口52から導入されたオゾンガスと、導入口53から導入された水などの液体とを混合し、導出口21からオゾン水を導出する。このため、オゾンガスを含む気体から、オゾンガスを生成するため、より高濃度のオゾンガスを発生することが可能である。
【0058】
また、気液分離器から導出されたオゾン水などの液体は、循環経路を介して、排液部から排液される。このため、排液部から排液するオゾン水に含まれるオゾンガスをあらかじめ取り除くことが可能であり、排液部を通じたオゾンガスの放出を防ぐことができる。
【0059】
なお、オゾンガス発生器は導入される気体に基づきオゾンガスを発生するオゾンガス発生器を備えた構成となっていればよく、オゾンガス発生器に対して導入される空気や酸素などの気体は、気液分離器からだけでなく、外部から導入できる構成にしても構わない。
【0060】
また、気液混合器は気体を自然に吸引することが可能なベンチュリー型の気液混合器を設けることが好ましい。ベンチュリー型の気液混合器は、液体を導入する導入口53に連通した導入経路と、導入経路に連通し導入経路に比べて小さな径を有する連通経路と、連通経路と連通し連通経路に比べて大きな径を有する導出経路を有し、導出経路の導出口54から液体を導出する。また、連通経路は気体を導入する導入口52が設けられ、オゾンガスなどのオゾンガスを導入される。
【0061】
導入口53から導入され、導入経路を通り、径の小さな連通経路に到達した液体は、ベルヌーイの定理からしられるように、流速が増加し静圧が減少する。この結果、流動する液体の静圧は負圧になり、オゾンガス発生器51から導入部52へ向かい気体が自然吸引されることとなる。このため、ポンプなどにより形成された圧送部を用いることなく、気液分離器から洗浄液生成器への気体の循環が可能になる。
【0062】
なお、自然吸引が不可能な気液混合器を設ける場合には、気液分離器202とオゾンガス発生器51との間、またはオゾンガス発生器51と気液混合器21との間にポンプなどの圧送部を設けることがよい。ポンプなどの圧送部を設けることで、気液分離器202で分離されたオゾンガスを含む気体をオゾンガス発生器51及び気液混合部21に送ることが可能となり、より効果的に高濃度なオゾン水を生成することが可能である。
【0063】
なお、本実施例ではオゾン水の生成について説明を行ったが、同様に洗浄ガスと液体を混合して生成する洗浄液であれば、オゾン水生成以外の構成を備えてもよい。
【0064】
なお、本発明に係る浄水ユニットに利用される気液分離器は図5の構成に限定されるものではなく、気体と液体を分離する機能を有する気液分離器であれば、他の構成をした気液分離器を適用させても構わない。例えば、円筒の周方向から気体を含む液体を導入し、遠心力を用い、気体を円筒の中央部に、液体を円筒の周辺部に分離する遠心分離を利用した気液分離器などを用いてもよい。
【0065】
排液部104は循環経路106に接続され、循環経路106を流動する液体を浄水ユニットの外部に導出する排液口としての役割を担う。また、浄水ユニットの外部へ導出する水などの液体を貯水することが可能な貯水槽として構成してもよい。排液部104は、液体の排液量を制御する制御部C25を備え、循環経路106から排液する液体の排液量を制御することが可能である。
【0066】
また、循環経路106は排液部104との接続箇所と洗浄液供給部201との間に、液体の流動量を制御可能な制御部C26を備えている。このため、制御部C25と制御部C26を制御することにより、排液部104と循環経路106の接続箇所で、排液部104への液体の導出と循環経路106への液体の循環とを切り替えることが可能である。なお、ここで、制御部C25、C26は、循環経路と排液部104への液体の導入を切り替えることが可能な手段であれば、他の構成を用いてもよく、例えば、三方弁のような切り替え手段を用いてもよい。
【0067】
循環経路106はゴムホースやパイプなどの配管系により形成され、圧送部105を備えている。このため、給水部101の液体を給水させることや、循環経路106の液体を循環させることが可能である。ここで、圧送部105は、液体を加圧して圧送可能なポンプなどからなり、例えば、インペラがモータによって回転する遠心ポンプや、ダイヤフラムが上下することで流体を吸入、吐出するダイヤフラム式ポンプや、ピストンとシリンダーで構成される方式などのものを備えてもよい。
【0068】
また、圧送部105は、給水部101の接続部とオゾン水供給器201の間の循環経路106に設けられ、循環経路の液体を流動させることが可能であるが、浄水ユニット内部の循環経路に設けられればよく、図4に示された配置に限定されない。
【0069】
なお、各制御部の制御動作は手動により制御できる構成としても構わないし、制御部として電子的な制御が可能な電子バルブを形成し、制御部の開閉制御のタイミングをコントロールすることが可能なコントロール部と接続させることで、電子的な制御を可能とした構成としてもよい。
【0070】
≪動作説明≫
第2の実施例に係る浄水ユニットの浄水及び洗浄の動作説明について、図4、図6に基づいて説明する。浄水ユニット200は液体を浄化する浄水モードと、浄水ユニットを洗浄する浄水ユニット洗浄モードと洗浄した液体を排液する排液モードに切り替えることが可能である。
【0071】
浄水モードは液体を浄水し、浄水ユニットから導出させるモードである。浄水ユニット洗浄モードは濾過部または液体が流動する浄水ユニット内部を洗浄するモードであり、濾過部の洗浄に効果的なモードである。排液モードは洗浄した液体を排液するモードである。
【0072】
図6は本発明に係る浄水ユニットの各モードにおける制御部のタイミングチャートを模式的に示したものである。ここで、各制御部の制御状態は、各制御部の開閉状態を示しており、開状態は制御部を流動する液体の流動量が高い状態を示し、閉状態は制御部を流動する液体の流動量を停止した状態を示している。洗浄液供給部の供給状態は、洗浄液供給部が供給する洗浄液の供給状態を示しており、ON状態は洗浄液を供給している状態であり、OFF状態は洗浄液の供給を停止している状態を示している。時間t0〜t1は浄水モード、時間t1〜t2は浄水ユニット洗浄モード、t2〜t3は排液モードの制御部のタイミングチャートを示しているが、各モードの切り替えは図6に示されたモードの順番に限られない。
【0073】
浄水モードは図6のように制御部C21を開状態、制御部C22を開状態、洗浄液供給部をOFF状態として、その他の制御部を閉状態にして、圧送部105を駆動する。制御部C21が開状態で、圧送部105が駆動されているため、給水部101から水などの液体が循環経路106を介して洗浄液供給部201に圧送される。このとき、洗浄液供給部201はOFF状態のため、導入された液体はそのまま浄水槽103に導入される。また、制御部C22が開状態で、制御部C23と制御部C24が閉状態になっているため、浄水槽に導入された水などの液体は濾過部108によって浄化され、浄水として導出口109より導出される。
【0074】
浄水ユニット洗浄モードは図6のように制御部C23を開状態、制御部C24を開状態、制御部C26を開状態、洗浄液供給部をON状態として、その他の制御部を閉状態として圧送部105を駆動する。
【0075】
制御部を切り替えると、圧送部105が駆動されているため、浄水槽103に貯水された水などの液体は導出口110より、配管系を介して、気液分離器202に導入される。導入された液体は気体と液体に分離され、気体は導出口204から導出され、洗浄液供給部201に導入される。ここで、例えばオゾンガスと水を混合して生成したオゾン水が導入される場合、一般的にオゾン水にはオゾンガスも含まれるため、気液分離器にて、オゾン水とオゾンガスを含む気体に分離され、オゾンガスを含む気体が、洗浄液供給部201に導入されることとなる。
【0076】
一方、液体は循環経路106を介して、洗浄液供給部201に導入される。洗浄液供給部はON状態になっているため、導入された水などの液体をもとに洗浄液を生成し、浄水槽103に導出する。ここで、生成される洗浄液は、例えばオゾン水である。
【0077】
浄水槽103に導入された洗浄液は制御部C22が閉状態のため、濾過部108を通過することができず、濾過部108の表面を流動後、再び導出口110から導出する。このため、液体が浄水ユニットを循環する循環経路が形成される。
【0078】
また、濾過部108に対して、生成したオゾン水を排液することなく、循環して殺菌洗浄することができるので給水部101から供給される水などの液体を有効に利用することができる。また、殺菌で使用されなかった循環する洗浄液に対して、洗浄ガスを混合することが可能なため、洗浄液の洗浄効果を向上させることも可能となる。
【0079】
また、気液分離器202にて気体と液体に分離し、洗浄ガスを含む気体を洗浄液供給部201に導入し、洗浄ガスを含む気体をもとに洗浄ガスを発生させるため、より高濃度な洗浄液を生成することが可能である。
【0080】
また、一般的な濾過部は長時間使用した場合、ほこりなどの不純物による目詰まりが発生することがある。このとき、浄水時と同じ濾過方向に洗浄液を流動させ洗浄する場合、濾過部の流動方向に水圧がかかるため、ほこりや細菌の除去をすることができなかった。しかしながら、上述の洗浄の動作説明によれば、浄水槽内の液体が流動する経路は浄水モードによる液体の流動経路と洗浄モードによる液体の流動経路と異なっているため、浄水ユニット及びフィルタの洗浄効果が向上する。この循環経路に一定期間、オゾン水またはオゾンバブル水などの洗浄液を循環させることで、濾過部または浄水ユニット内部を殺菌洗浄する。
【0081】
排液モードは、図6のように制御部C21を開状態、制御部C23を開状態、制御部C24を開状態、制御部C25を開状態、洗浄液供給部をOFF状態にし、その他の制御部を閉状態にして、圧送部105を駆動する。
【0082】
制御部を切り替えると、圧送部105が駆動されているため、給水部101から循環経路106を介して液体が洗浄液供給部201に圧送される。このとき、洗浄液供給部201がOFF状態のため、導入された液体はそのまま浄水槽103に導入される。ここで、浄水ユニット内を循環していた洗浄液も、同時に圧送されることとなる。また、制御部C22が閉状態であるため、浄水槽103に導入された水などの液体は、濾過部108を通過することなく、浄水ユニット内部の洗浄液とともに浄水槽103の導出口110から導出される。導出された液体は循環経路を介して気液分離器202に導入され、気体と液体に分離される。
【0083】
液体は気液分離器202の導出口205から導出され、制御部C25が開状態で、制御部C26が閉状態であるため、循環経路を介して、排液部104へ排液される。このため、浄水ユニット内部に残留していた洗浄液を排液することが可能である。また、気液分離器202により洗浄液に含まれる洗浄ガスを分離することが可能なため、排液部104を通じた洗浄ガスの放出を防ぐことができる。
【0084】
なお、上述の排液モードではC24を開状態として動作をさせているが、C24を閉状態として動作させることも可能である。気液分離器が気体を貯蔵する許容範囲まで、気体を貯蔵することが可能であり、排液部から洗浄ガスが放出されることを防止する。
【0085】
なお、排液モードは、上述の実施例では洗浄液供給部を常にOFF状態として動作させているが、排液モードの開始時に洗浄液供給部をON状態として、一定期間動作させ、その後、洗浄液供給部をOFF状態として動作させても構わない。
【実施例3】
【0086】
本発明の一実施形態について図7に基づいて説明する。図7は本発明に係る浄水ユニット300の概略図である。浄水ユニット300は、浄水ユニットに水などの液体を供給する給水部101と、オゾン水などの洗浄液を供給する洗浄液供給部201と、供給された液体を浄水する2つの導出口を備えた浄水槽103と、気体と液体を分離することが可能な気液分離器202と、液体を排液する排液部114と、各構成部は圧送部105を備えた配管系からなる循環経路106と、浄水槽103により濾過された液体の導出口と排液部114とを接続した排液経路115とを備えている。
【0087】
ここで、循環経路とは、ゴムホースやパイプなどの配管系から形成され、浄水ユニット内部を循環する配管経路を示し、排液経路とは、ゴムホースやパイプなどの配管系から形成され、浄水槽103により濾過された液体の導出口から排液部114へ液体を排液する配管経路を示す。
【0088】
給水部101は循環経路106に接続され、浄水ユニットの外部から循環経路106に水などの液体を提供する給水口としての役割を担う。また、浄水ユニットの外部から導入された水などの液体を貯水することが可能な貯水槽として構成してもよい。また、給水部101は液体の導入量を制御可能な制御部C31を備え、循環経路106に対して、供給する液体の導入量を制御することが可能である。
【0089】
洗浄液供給部201は循環経路106に設けられ、水などの液体や洗浄液を配管系を介して浄水槽103に導出する。また、洗浄液供給部は気液分離器202と配管系を介して接続され、気体などが導入される。
【0090】
例えば、洗浄液供給部201を、ON状態にして起動させた時に循環経路106から導入された水などの液体をもとに洗浄液を生成し、配管系を介して浄水槽103に洗浄液を導出させ、OFF状態にして停止させた時には循環経路106から導入された液体を、配管系を介して浄水槽103に導出することが可能である。ここで、洗浄液供給部201で供給される代表的な洗浄液はオゾン水であるが、塩素系の液体、OHラジカルガスを含んだ液体などの殺菌効果のある液体を供給しても構わない。
【0091】
浄水槽103は、液体を導入する導入口107と液体を濾過する濾過部108と、濾過部108を通過し濾過された液体が導出する導出口109と濾過部108を通過しない液体を導出する導出口110とを備えている。このため、浄水槽103は導入口107から水などの液体を導入し、濾過部108を介して濾過後に導出口109から導出させる経路と、導入口107から水などの液体を導入し、濾過部108を介さずに導出口110から導出させる、導出させる経路を有している。このため、浄水器内に濾過する経路とは異なる水流を生成することが可能となる。
【0092】
濾過部108は液体を濾過することが可能なフィルタなどにより構成され、濾過部108を介して浄水槽103は導入口107と導出口110を備えた浄水室111と導出口109を備えた浄水室112の2つの空間に分断される。ここで浄水槽103は、濾過部108を介して2つの空間に分断するように仕切り板113を設けているが、濾過部のみで分断させてもよいし、導出口109に濾過部108を配置して一続きの空間を持った浄水槽として構成しても構わない。
【0093】
また、濾過部108は長期間使用した場合に、ほこりなどの不純物により目詰まりが発生するものであるが、液体を濾過する濾過方向に洗浄を行っても濾過方向への水圧のため、目詰まりを解消することができず、ほこりや細菌の除去をすることは困難である。しかしながら、浄水器内に液体を濾過する経路とは異なる経路で水流を生成することが可能であるため、効果的に濾過部の洗浄が可能となる。
【0094】
濾過部108は長期間使用した場合に、ほこりなどの不純物により目詰まりが発生するものであるが、濾過部108により濾過する濾過方向に洗浄を行っても濾過方向への水圧のため、目詰まりを解消することができず、ほこりや細菌の除去をすることは困難である。しかしながら、浄水器内に濾過する経路とは異なる水流を生成することが可能であるため、効果的に濾過部の洗浄が可能となる。
【0095】
導出口109は液体の流動量を制御することが可能な制御部C32を備えた配管系と、配管系の経路の途中で分岐され、排液部114と接続された液体の流動量を制御可能な制御部C33を備えた排液経路115とを備えている。このため、排液経路は、浄水槽103に導入され、濾過部を通過した液体を排液する経路を示す。
【0096】
なお、排液経路は図7では導出口109に接続された配管系を分岐して形成しているが、浄水槽103に導入され、濾過部を通過した液体を排液する経路を形成できれば、他の構成にしても構わない。例えば、浄水槽103の浄水室112に導出口109とは異なる新たな導出口を設け、制御部C33を備えた配管経路115を、導出口109に接続された配管系のかわりに、新たな導出口に接続させてもよい。このとき、浄水槽103は、導入口107から液体を導入し、濾過部108を通過した後に、導出口109から導出させる経路と、導入口107から液体を導入し、濾過部108を通過した後に、新たな導出口から排液する排液経路を備えることとなる。
【0097】
導出口110は液体の流動量を制御可能な制御部C34を備えた配管系を介して気液分離器202と接続されている。気液分離器202は導入される気体と液体が混合された気液混合体を気体と液体に分離する機能を有し、液体の導入口203と、気体を導出する導出口204と、液体を導出する導出口205を備えている。このため、一般的に洗浄液には、一部、洗浄ガスも含まれているものであるが、洗浄液と洗浄ガスに分離することが可能である。
【0098】
液体の導入口203は、液体の流動量を制御可能な制御部C34を備えた配管系を介して浄水槽の導出口110と接続され、洗浄液などの液体が導入される。気体の導出口204は気体の流動量を制御可能な制御部C34が設けられた配管系を介して、洗浄液供給器201と接続されている。
【0099】
液体の導出口205は配管系から形成される循環経路106に接続される。このため、浄水ユニット300は、浄水槽103の導出口110と気液分離器202の導入口203を接続した配管系や気液分離器202の導出口205と洗浄液発生器201を接続した配管系などを介した循環経路106により、液体を循環させる経路が形成される。
【0100】
なお、本発明に係る浄水ユニットに利用される気液分離器は図7の構成に限定されるものではなく、気体と液体を分離する機能を有する気液分離器であれば、他の構成をした気液分離器を適用させても構わない。例えば、円筒の周方向から気体を含む液体を導入し、遠心力を用い、気体を円筒の中央部に、液体を円筒の周辺部に分離する遠心分離を利用した気液分離器などを用いてもよい。
【0101】
排液部114は浄水ユニットの外部に液体を排液する排液口としての役割を担い、排液部114の導入口116は、循環経路106と接続され、排液部114の導入口117は排液経路115と接続されている。また、排液部114は浄水ユニットの外部へ導出する水などの液体を貯水することが可能な貯水槽として構成してもよい。循環経路106に接続された排液部114の導入口113は、液体の排液量を制御する制御部C36を備え、循環経路106から排液する液体の排液量を制御することが可能である。
【0102】
また、循環経路106は排液部114との接続箇所と洗浄液供給部201との間に、液体の流動量を制御可能な制御部C37を備えている。このため、制御部C36と制御部C37を制御することにより、排液部114と循環経路106との接続箇所で、排液部114への液体の導出と循環経路106への液体の循環とを切り替えることが可能である。なお、ここで、制御部C36、C37は、循環経路と排液部114への液体の導入を切り替えることが可能な手段であれば、他の構成を用いてもよく、例えば、三方弁のような切り替え手段を用いてもよい。
【0103】
循環経路106はゴムホースやパイプなどの配管系により形成され、圧送部105を備えている。このため、給水部101から液体を給水させることや、循環経路106の液体を循環させることが可能である。ここで、圧送部105は、液体を加圧して圧送可能なポンプなどからなり、例えば、インペラがモータによって回転する遠心ポンプや、ダイヤフラムが上下することで流体を吸入、吐出するダイヤフラム式ポンプや、ピストンとシリンダーで構成される方式などのものを備えてもよい。
【0104】
また、圧送部105は給水部101の接続部とオゾン水供給器201の間の循環経路106に設けられ、循環経路の液体を流動させることが可能であるが、浄水ユニット内部の循環経路に設けられればよく、図7に示された配置に限定されない。
【0105】
なお、気液分離器202と洗浄液供給部201との接続は、実施例2に記載した気液分離器202と洗浄液供給部201との接続と同一であるため、同一の構成要素に同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0106】
なお、各制御部の制御動作は手動により制御できる構成としても構わないし、制御部として電子的な制御が可能な電子バルブを形成し、制御部の開閉制御のタイミングをコントロールすることが可能なコントロール部と接続させることで、電子的な制御を可能とした構成としてもよい。
【0107】
≪動作原理≫
第3の実施例に係る浄水ユニットの浄水及び洗浄の動作説明について、図7、図8に基づいて説明する。浄水ユニット300は液体を浄化する浄水モードと、浄水ユニットを洗浄する浄水ユニット洗浄モードと洗浄した液体を排液する排液モードに切り替えることが可能である。
【0108】
浄水モードは液体を浄水し、浄水ユニットから導出させるモードである。浄水ユニット洗浄モードは濾過部または液体が流動する浄水ユニット内部を洗浄するモードであり、濾過部の洗浄に効果的なモードである。排液モードは洗浄した液体を排液するモードである。
【0109】
図8は本発明に係る浄水ユニットの各モードにおける制御部のタイミングチャートを模式的に示したものである。ここで、各制御部の制御状態は、各制御部の開閉状態を示しており、開状態は制御部を流動する液体の流動量が高い状態を示し、閉状態は制御部を流動する液体の流動量を停止した状態を示している。洗浄液供給部の供給状態は、洗浄液供給部が供給する洗浄液の供給状態を示しており、ON状態は洗浄液を供給している状態であり、OFF状態は洗浄液の供を停止している状態を示している。時間t0〜t1は浄水モード、時間t1〜t2は浄水ユニット洗浄モード、t2〜t3は排液モードの制御部のタイミングチャートを示しているが、各モードの切り替えは図8に示されたモードの順番に限られない。
【0110】
浄水モードは図8のように制御部C31を開状態、制御部C32を開状態、洗浄液供給部をOFF状態として、その他の制御部を閉状態にして、圧送部105を駆動する。制御部C31が開状態で、圧送部105が駆動されているため、給水部101から水などの液体が循環経路106を介して洗浄液供給部201に圧送される。このとき、洗浄液供給部201はOFF状態のため、導入された液体はそのまま浄水槽103に導入される。
【0111】
また、制御部C32が開状態で、制御部C33と制御部C34が閉状態になっているため、浄水槽に導入された水などの液体は濾過部108によって浄化され、浄水として導出口109より導出される。
【0112】
浄水ユニット洗浄モードは図8のように制御部C34を開状態、制御部C35を開状態、制御部C37を開状態、洗浄液供給部をON状態として、その他の制御部を閉状態として圧送部105を駆動する。制御部を切り替えると、圧送部105が駆動されているため、浄水槽103に貯水された水などの液体は導出口109より、配管系を介して、気液分離器202に導入される。導入された液体は気体と液体に分離され、気体は導出口204から導出され、洗浄液供給部201に導入される。ここで、例えばオゾンガスと水を混合して生成したオゾン水が導入される場合、一般的にオゾン水にはオゾンガスも含まれるため、気液分離器にて、オゾン水とオゾンガスを含む気体に分離され、オゾンガスを含む気体が、洗浄液供給部201に導入されることとなる。
【0113】
一方、液体は循環経路106を介して、洗浄液供給部201に導入される。洗浄液供給部はON状態になっているため、導入された気体や水などの液体をもとに洗浄液を生成し、浄水槽103に導出する。ここで、生成される洗浄液は、例えばオゾン水である。
【0114】
浄水槽103に導入された洗浄液は制御部C32と制御部C33が閉状態のため、濾過部108を通過することができず、濾過部108の表面を流動後、再び導出口110から導出する。このため、液体が浄水ユニットを循環する循環経路が形成される。
【0115】
また、濾過部108に対して、供給した洗浄液を排液することなく、循環して殺菌洗浄することができるので、給水部101から供給される水などの液体を有効に利用することができる。また、殺菌で使用されなかった循環する洗浄液に対して、洗浄ガスを混合することが可能なため、洗浄液の洗浄効果を向上させることも可能となる。
【0116】
また、気液分離器202にて気体と液体に分離し、洗浄ガスを含む気体を洗浄液供給部201に導入し、洗浄ガスを含む気体をもとに洗浄ガスを発生させるため、より高濃度な洗浄液を生成することが可能である。
【0117】
また、一般的な濾過部は長時間使用した場合、ほこりなどの不純物による目詰まりが発生することがある。このとき、浄水時と同じ濾過方向に洗浄液を流動させ洗浄する場合、濾過部の流動方向に水圧がかかるため、ほこりや細菌の除去をすることができなかった。しかしながら、上述の洗浄の動作説明によれば、浄水槽内の液体が流動する経路は浄水モードによる液体の流動経路と洗浄モードによる液体の流動経路と異なっているため、浄水ユニット及びフィルタの洗浄効果が向上する。この循環経路に一定期間、オゾン水またはオゾンバブル水などの洗浄液を循環させることで、濾過部または浄水ユニット内部を殺菌洗浄する。
【0118】
排液モードは、図8のように制御部C31を開状態、制御部C33を開状態、制御部C34を開状態、制御部35を開状態、制御部36を開状態にし、オゾン水供給器をOFF状態にし、その他の制御部を閉状態にして、圧送部105を駆動する。制御部を切り替えると、圧送部105が駆動されているため、給水部101から循環経路106を介して液体が洗浄液供給部201に圧送される。このとき、洗浄液供給部201がOFF状態のため、導入された液体はそのまま浄水槽103に導入される。ここで、浄水ユニット内を循環していた洗浄液も、同時に圧送されることとなる。その後、浄水槽103の液体は、洗浄液とともに浄水槽103の導出口109と導出口110から導出されることとなる。
【0119】
導出口109から導出された液体は、制御部C32が閉状態で、制御部C33が開状態であるため、排液経路115を通り、排液部114に排液される。導出口110から導出された液体は循環経路106を介して気液分離器202に導入され、気体と液体に分離される。液体は気液分離器202の導出口113から導出され、制御部C36が開状態で、制御部C37が閉状態であるため、循環経路106を介して、排液部114へ排液される。このため、浄水ユニット内部の洗浄液を排液することが可能である。また、気液分離器202により洗浄液に含まれる洗浄ガスを分離することが可能なため、気液分離器を介した経路にて排液される洗浄液から洗浄ガスの放出を防ぐことができる。
【0120】
なお、上述の排液モードではC35を開状態として動作をさせているが、C35を閉状態として動作させることも可能である。気液分離器が気体を貯蔵する許容範囲まで、気体を貯蔵することが可能であり、気液分離器を介した経路にて排液される洗浄液から洗浄ガスの放出を防止する。
【0121】
なお、排液モードは、上述の実施例では洗浄液供給部を常にOFF状態として動作させているが、排液モードの開始時に洗浄液供給部をON状態として、一定期間動作させ、その後、洗浄液供給部をOFF状態として動作させても構わない。
【0122】
本発明は上述した各実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0123】
101 給水部
102、201 洗浄液供給部
103 浄水槽
104、114 排液部
105 圧送部
106 循環経路
115 排液経路
202 気液分離器
21 気液混合器
22、51 オゾンガス発生器
C11〜C14、C21〜C26、C31〜C37 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄液を供給する洗浄液供給部と濾過手段を有する浄水槽とを備えた浄水ユニットにおいて、
前記浄水槽は、前記濾過手段を介して液体を導出する第1の導出口と、
前記濾過手段を介さずに液体を導出する第2の導出口とを備えており、
前記第2の導出口から導出した液体を前記浄水槽に循環する循環経路を備えていることを特徴する浄水ユニット。
【請求項2】
前記循環経路は気液分離器が設けられ、前記気液分離器の気体の導出口と前記洗浄液供給部が配管を介して接続されていることを特徴とする請求項1に記載の浄水ユニット。
【請求項3】
前記洗浄液供給部は導入される気体からオゾンガスを発生するオゾンガス発生器と、
オゾンガスと液体を混合する気液混合器により構成され、
前記気液分離器の気体の導出口と前記オゾンガス発生器とが接続されていることを特徴とする請求項2に記載の浄水ユニット。
【請求項4】
前記気液混合器は、液体を導入する導入経路と、前記導入経路に連通し前記導入経路に比べて小さな径を有する連通経路と、前記連通経路と連通し前記連通経路に比べて大きな径を有する導出経路を有し、前記連通経路は気体を導入する導入口が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の浄水ユニット。
【請求項5】
前記循環経路は洗浄液を排液する排液部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の浄水ユニット。
【請求項6】
前記第1の導出口は配管系を介して外部へ導出する導出経路と、
前記導出経路の途中で分岐され、液体を排液する排液経路とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の浄水ユニット。
【請求項7】
洗浄液を供給する洗浄液供給部と濾過手段を有する浄水槽とを備えた浄水ユニットにおいて、
前記浄水槽は、濾過手段を介して液体を導出する第1の経路と、
前記濾過手段を介さずに液体を排液する第2の経路と、
前記濾過手段を介して液体を排液する第3の経路とを切り替えることが可能であり、
前記浄水槽の前記第2の経路に接続され、液体を浄水ユニット内に循環させる循環経路を備えていることを特徴する浄水ユニット。
【請求項8】
濾過手段を介して液体を導出する第1の経路と、
前記濾過手段を介さずに導出させる第2の経路と切り替えることが可能な浄水槽と、
前記浄水槽に洗浄液を導入する洗浄液供給部と、
前記浄水槽の前記第2の経路に接続され、洗浄液を浄水槽に循環する循環経路とを備えた浄水ユニットの洗浄方法において、
前記浄水槽へ洗浄液を導入させているときに、第2の経路にて洗浄液を循環させる浄水ユニットの洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−148255(P2012−148255A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10465(P2011−10465)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】