浄水装置
【課題】 浄水装置より生成される透過水の水質の変化を正確に把握できる浄水装置を提供する。
【解決手段】 逆浸透膜型濾過手段11により原水を濾過して透過水と濃縮水とに分離し、注水操作に応じて所定量の透過水を注水口より注水し、更に、前記透過水出口から流出する透過水、濃縮水出口から流出する濃縮水を原水取水口に戻して再度前記逆浸透膜型濾過手段で濾過させるよう循環させる循環経路14を有する浄水装置において、前記逆浸透膜型濾過手段11より上流の原水の水質を検知できる位置と、逆浸透膜型濾過手段より下流の透過水の水質を検知できる位置に、それぞれ水質検知手段24,25を配置し、それら水質検知手段のデータにより前記逆浸透膜型濾過手段を構成する逆浸透膜ユニットの不純物除去率を自動的に判断し、注水口から注水される透過水の水質を確認する。
【解決手段】 逆浸透膜型濾過手段11により原水を濾過して透過水と濃縮水とに分離し、注水操作に応じて所定量の透過水を注水口より注水し、更に、前記透過水出口から流出する透過水、濃縮水出口から流出する濃縮水を原水取水口に戻して再度前記逆浸透膜型濾過手段で濾過させるよう循環させる循環経路14を有する浄水装置において、前記逆浸透膜型濾過手段11より上流の原水の水質を検知できる位置と、逆浸透膜型濾過手段より下流の透過水の水質を検知できる位置に、それぞれ水質検知手段24,25を配置し、それら水質検知手段のデータにより前記逆浸透膜型濾過手段を構成する逆浸透膜ユニットの不純物除去率を自動的に判断し、注水口から注水される透過水の水質を確認する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は所定の容器を装置にセットし、所定の操作後に原水(水道水)を濾過し、生成された透過水(浄水)を前記容器に注水する浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水を取水口から取り入れ、逆浸透膜に透過して透過水(浄水)と非透過水(濃縮水)とに分離する逆浸透膜型浄水装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。そして、これらの浄水装置は、会社の食堂やスーパーマーケット等に設置され、使用されている。
ところで、上記浄水装置、例えば、スーパーマーケット等に設置されている浄水自動販売装置の水質管理は、該マーケットの従業員が例えば毎朝、使用開始前に装置を作動させて透過水を容器に採り、その透過水を水質計測器具(例えば、TDSメーター)を用いてTDS値(ppm)を測定することで、透過水の水質が基準値内か否かの確認を行い、その上で使用を開始している。原水(水道水)は110ppm前後が平均的な数値で、逆浸透膜を通した透過水(浄水)は0ppm〜1ppm位まで改善される。
【0003】
つまり、浄水装置を設置している場所の管理者自ら浄水装置から注水される透過水の水質を維持する為に、原水と透過水のサンプルを採り測定するという煩雑な手間が必要で、又、値の記録ミスなどがあり、正しい水質管理ができない場合があった。
【0004】
又、前記水質を確認した際、所定の式により算出される除去率が基準値以下の場合は逆浸透膜型濾過装置を構成する逆浸透膜の交換や装置の点検等のためにメンテナンス会社へ連絡し、連絡を受けたメンテナンス会社は技術者(サービスエンジニア)を派遣して、逆浸透膜の交換や装置の点検等を行っている。その為に、浄水装置が使用可能な状態に復帰するまでに時間が掛かり、利用者に不便を強いているのが実情である。
【0005】
更に、逆浸透膜を使用する浄水装置では、前記逆浸透膜に対して水圧を加える必要があるためポンプが必要になり、そのポンプの動作(水圧)も前記水質の変化に影響を与える。その為、本来であればポンプの動作も前記水質同様、確認する必要があるが、通常、圧力メータ等は装置内にあり、装置の開閉の手間も伴うため、現実は管理者に確認されずにいる場合が多い。そして、例えば、ポンプに異常があった場合は、注水が正常に行われないので、その時、管理者からメンテナンス会社へ連絡があり、トラブルの処理が行われる。
【0006】
以上のように、従来の浄水装置では、装置の定期点検以外においては、管理者による上記した水質の確認や装置の確認に依存していたので、水質の変化に関係する逆浸透膜の変化や、ポンプの異常(圧力の変化)は、水質の測定値に異常が現れ、管理者からトラブルや点検の依頼の連絡を受けてメンテナンス会社の技術者等が該装置をチェックして初めて装置に異変が起きていることに気付くのが実情である。
従って、安定した水質の確保、及びその為の保守点検等が効率よく行われていないという問題点を有する。
【0007】
【特許文献1】特許第3420202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、浄水装置より生成される透過水の水質の変化を正確に把握できる浄水装置を提供することにある。
又、上記水質の変化に関係する部材の変化を的確に把握して保守点検を効率よく行うことができる浄水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成する為に本発明の浄水装置は、取水口及び透過水出口を少なくとも有する濾過手段を具備する浄水装置において、前記濾過手段に流入する水の水質を検知できる位置と、前記濾過手段を透過した水の水質を検知できる位置とに、それぞれ水質検知手段を配置し、それらの水質検知手段の検知データにより前記濾過手段の不純物除去率を判断することを特徴とする。
そして、前記濾過手段に逆浸透膜型濾過手段を用いた浄水装置の具体例は、原水(水道水)の取水口、透過水出口及び濃縮水(非透過水)出口を有する逆浸透膜ユニットで構成された逆浸透膜型濾過手段により原水を濾過して透過水と濃縮水とに分離し、注水操作に応じて所定量の透過水を注水口より注水し、更に、前記透過水出口から流出する透過水、濃縮水出口から流出する濃縮水を原水取水口に戻して再度前記逆浸透膜型濾過手段で濾過させるよう循環させる循環経路を有する浄水装置において、前記逆浸透膜型濾過手段より上流の原水の水質を検知できる位置と、逆浸透膜型濾過手段より下流の透過水の水質を検知できる位置に、それぞれ水質検知手段を配置し、それら水質検知手段の検知データにより前記逆浸透膜型濾過手段を構成する逆浸透膜ユニットの不純物除去率を判断することを特徴とする。
【0010】
前記水質検知手段は、測定したデータを自動的に記録する電気的な検知手段で、例えば、一対の電極を設け、その電極間を流れる水の電導率にてTDS値(ppm)を検知するTDSメーターが挙げられる。
又、除去率は原水(水道水)のTDS値(ppm)と透過水のTDS値(ppm)を用い、除去率=(原水(水道水)のTDS値(ppm)−透過水のTDS値(ppm)/(原水(水道水)のTDS値(ppm))×100)で算出できる。その算出は、浄水装置或いは検知データを受信する外部管理装置で算出し、判断するようにしてもよい。
【0011】
上記手段によれば、逆浸透膜型濾過手段より上流位置と下流位置にそれぞれ水質検知手段を配置したことにより、逆浸透膜型濾過手段を通る前の原水(水道水)のTDS値と、逆浸透膜型濾過手段を通った後の透過水(浄水)のTDS値を測定することができるため、両測定値より逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率を正確に把握でき、浄水処理状態を的確に把握することができる。
【0012】
又、前記水質検知手段は、前記二箇所に加えて前記逆浸透膜型濾過手段より下流で、濃縮水が流れる位置に配置してもよい(請求項3)。
上記手段によれば、逆浸透膜型濾過手段を経た濃縮水(不純物を含む非透過水)のTDS値を測定することで、逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率をより正確に把握することができる。
【0013】
前記水質検知手段による検知は、例えば一日に5回、予め決めた時間に実行する、或いは一日の給水回数を記憶し、例えば100回の給水が終了するごとに実行する等、任意である。そして、検知のタイミングは、この種逆浸透膜型濾過手段を備えた浄水装置では、「フラッシング」→(「放置」)→「プリ循環」→「循環」→「給水」の順序で各動作が行われるので、逆浸透膜の汚れを除去した後に検知を実行するのが好ましい。
即ち、前記水質検知手段による検知は、逆浸透膜型濾過手段の透過水出口と注水口との間に配置した電磁弁を閉鎖し、前記循環経路に原水を加えて循環させ、前記逆浸透膜型濾過手段で濾過された水を注水口から排水した後又は該経路洗浄終了前に、行われるようにする(請求項4)。
【0014】
上記手段によれば、逆浸透膜の汚れを除去した後、給水が開始されるが、その給水時に出てくる水(捨て水)の時に検知することで、より正確な測定データを得ることができる。又、原水が加わることで、新たな水で経路の汚れや逆浸透膜型濾過手段の目詰まりを解消でき、より安定した水質を検知することができ、逆浸透膜ユニットの正しい交換時期を浄水装置の管理者へ伝えることが可能となる。
【0015】
又、逆浸透膜型濾過手段を備えた浄水装置では、原水及び濃縮水を加圧して逆浸透膜型濾過手段に供給するが、その圧力(水圧)も逆浸透膜による不純物の除去率に関係する。そこで、逆浸透膜型濾過手段に供給する原水、濃縮水の圧力を、前記水質検知手段による検知と同様、定期的に検知するようにする。
具体的には、前記逆浸透膜型濾過手段に原水、又は濃縮水を加圧供給する加圧手段(加圧ポンプ)を挟んで上流位置と下流位置に水圧検知手段を配置する(請求項5)。
前記水圧検知手段としては、例えば圧力センサで、該圧力センサから出力されるデータをデジタル圧力値に変換するA/D変換器を介して水圧データとして出力する。
上流位置に配置する水圧検知手段は、水道圧センサで加圧手段に供給される原水、濃縮水の圧力の下限値を管理し、下流位置に配置する水圧検知手段は加圧手段より吐出される原水、濃縮水の圧力の上限値を管理する。
【0016】
上記手段によれば、水質検知データに加えて、加圧手段への入口側(上流)と出口側(下流)の水圧の状況を検知できる為、水質の管理を適確に行うことができる。例えば、加圧手段から吐出される水圧が高すぎると逆浸透膜を損傷し、不純物の除去率を低下させ、その結果、前記透過水の水質検知データ(TDS値)は大きくなる。
【0017】
又、前記浄水装置に、前記水質検知手段によって検知した水質データを、外部管理装置へ送信する送信手段を備えてもよい(請求項6)。そして、その送信手段は、前記水質検知データと一緒に水圧検知手段によって検知した水圧データを、外部管理装置へ送信するようにしてもよい(請求項7)。
【0018】
前記外部管理装置は、浄水装置を設置する場所から離れた場所に設置される管理装置を意味し、従って、浄水装置を設置する会社の事務所に設置される管理装置、或いは該浄水装置の保守点検を行うメンテナンス会社の管理装置等が挙げられる。
又、浄水装置と外部管理装置とで通信を行う送信手段は、例えば、浄水装置からPHS無線通信によりPHS公衆網を介して通信センターへ送信し、通信センターから管理装置へ例えばVPN(Virtual Private Network)にて送信する。VPNを利用することでセキュリティの問題を少なくできる。又、浄水装置から外部管理装置への送信手段は、前記中継を介して行う間接送信に限らず、例えば、LAN等によりインターネットを介して直接送信するようにしてもよい。
又、外部管理装置のハードウェア構成は、通常のコンピュータと同様である。
【0019】
上記手段によれば、浄水装置が設置された場所から離れた遠隔地において、浄水装置の作動状況を的確に把握することができる。それによりトラブルの予兆も知ることができるので、トラブル発生を未然に防止することができる。そして、外部管理装置がメンテナンス会社に設置された管理装置である場合、トラブルに対して迅速に対応することが可能となる。
【0020】
又、前記外部管理装置は、前記水質データ、水圧データが、予め設定された基準値との比較により異常データと送信側の浄水装置又は受信側の該外部管理装置で判断された時、その異常データに関連する対象部のメンテナンス指示を表示及び/又は報知する警報手段を備えてもよい(請求項8)。
尚、水圧データが異常値である場合、実際は浄水装置の作動を停止するので、送信側(浄水装置)で判断し、そのエラーメッセージと共に外部管理装置に送信するようにしてもよい。
【0021】
上記手段によれば、検知データの異常に応じて自動的にメンテナンス指示が表示/報知されるので、浄水装置が設置されている現場の管理者が気付かなくても、浄水装置のメンテナンスが可能になり、トラブル発生から迅速な処理が可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の浄水装置は請求項1によれば濾過手段に流入する水と透過した水の水質を検知できるので、濾過手段の不純物除去率を正確に把握できる。
又、請求項2記載の構成により、逆浸透膜型濾過手段を通る前の原水(水道水)のTDS値と、逆浸透膜型濾過手段を通った後の透過水(浄水)のTDS値を測定することができるため、両測定値より逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率を正確に把握でき、浄水処理状態を的確に把握し、管理することができる。それにより、安定した水質の透過水の生成を維持することができる。
又、請求項3記載の構成により、逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率をより正確に把握することができる。
更に、請求項4記載の構成により、逆浸透膜の汚れを除去した後の状態で除去率を測定することが可能なので、より安定した水質を検知でき、逆浸透膜ユニットの正しい交換時期を伝えることが可能になる。実際に注水される直前の水質を検知することができるので、浄水装置として最も必要な注水される透過水(浄水)が、原水に対してどのくらい濾過(不純物が除去)されたものであるかを適確に知ることができる。そして、除去率が低下している場合は、改善処理に的確に対応することができる。
【0023】
又、請求項5記載の構成により、水質検知データに加えて、加圧手段への入口側(上流)と出口側(下流)の水圧の状況を検知できる為、水質の管理を適確に行うことができる。
更に、請求項6、7記載の構成により、浄水装置が設置された場所から離れた遠隔地において、浄水装置の作動状況を的確に把握することができる。それによりトラブルの予兆も知ることができるので、トラブル発生を未然に防止することができる。そして、外部管理装置がメンテナンス会社に設置された管理装置である場合、トラブルに対して迅速に対応することが可能となる。
また、請求項8記載の構成により、検知データの異常に応じて自動的にメンテナンス指示が表示/報知されるので、浄水装置が設置されている現場の管理者が気付かなくても、浄水装置のメンテナンスが可能になり、トラブル発生から迅速な処理が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る浄水装置の実施の一例を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明はその要旨を変えない限り変更可能であり、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は浄水装置1を示し、一般的な飲料の自動販売機と同様の外観を呈し、正面に容器(ボトル)2を出し入れする載置台3を備え、該載置台3の前面に扉4が開閉可能に設けられており、中央部にはコイン投入口5を備え、その上方に注水を開始する為のスタートスイッチ6と、注水を受けることができない容器であることを報知するエラーランプ7が配設されている。
【0025】
上記浄水装置1に装備される浄水ユニット8は、図2に示すように、一端側を原水である水道水を供給する水道管9に連結し、他端側は浄水装置1の載置台3の直上に位置させて注水口10を設け、前記水道管9と注水口10との間に逆浸透膜型濾過手段11を配設すると共に、水道管9と前記濾過手段11との間の給水用管路12及び前記逆浸透膜型濾過手段11と注水口10との間の注水用管路13、更に前記逆浸透膜型濾過手段11の濃縮水(非透過水)の排水管と前記給水用管路12との間の循環経路14にそれぞれ作動部材を配設して構成される。
【0026】
具体的には、給水用管路12には、原水(水道水)を供給又は停止させる受水ユニット15と、原水(水道水)を前処理する前処理ユニット16と、前処理された原水(水道水)を逆浸透膜型濾過手段11に加圧供給するポンプユニット(加圧手段)17が設置されている。
又、注水用管路13には、逆浸透膜型濾過手段11で濾過生成された透過水を容器2に注水又は停止する給水ユニット18が、循環経路14には循環排水ユニット19が設置されている。
【0027】
前記受水ユニット15は、上流から下流に向かって原水を供給又は停止する手動バルブV1、圧力計PG1、減圧弁RV1、水道メータM1、手動バルブV2、水質検知手段24、電磁弁SV2が順次配置されて構成されている。そして、前記手動バルブV2には給水ユニット18及び循環排水ユニット19のメンテナンス用経路20,21が夫々接続されている。
前記受水ユニット15の下流に配置される前処理ユニット16は、二つの分岐路に配置したセディメントフィルタ(原水に含まれている比較的大きな不純物を除去するフィルタ)F1,F2と、その下流の三つの分岐路に配置したカーボンフィルタF3,F4,F5と、逆止弁CH1と、水抜き用のシャットオフバルブV4とで構成されている。
前記前処理ユニット16で比較的大きな不純物の除去が行われた原水を逆浸透膜型濾過手段11に加圧供給するポンプユニット17は加圧ポンプP1で構成されている。
【0028】
また、給水ユニット18は、電磁弁SV3とシャットオフバルブV5とで構成され、そのユニットの上流及び下流には逆止弁CH3,CH4が、更に前記逆止弁CH4の下流に水質検知手段25が配置されている。更に、前記電磁弁SV3とシャットオフバルブV5の間にメンテナンス用経路20が分岐形成される。
【0029】
循環排水ユニット19は、逆浸透膜型濾過手段11で濾過生成された透過水(RO水)を給水用管路12の前処理ユニット16とポンプユニット17との間に戻す透過水循環経路19aと、逆浸透膜型濾過手段11より流出される濃縮水(非透過水)を給水用管路12の前処理ユニット16とポンプユニット17との間に戻す濃縮水循環経路19b,リサイクル経路19cで構成されている。
そして、逆浸透膜型濾過手段11から流出される濃縮水を前記浄水装置1の載置台3の受け皿に排水する管路23には電磁弁SV4、水質検知手段26、SV5、手動バルブV3、ノズルOF2、逆止弁CH5が配置され、更に前記手動バルブV3にメンテナンス用経路21が分岐形成され、そのメンテナンス用経路21の端部は前記受水ユニット15の手動バルブV2に接続されている。
【0030】
前記透過水循環経路19aは電磁弁SV7と逆止弁CH6で構成され、濃縮水循環経路19bは電磁弁SV6と逆止弁CH7で構成され、リサイクル経路19cはニードルバルブNV1と逆止弁CH8で構成され、各経路は動作(注水動作、フラッシング動作、循環動作、プリ循環動作等)に応じて切り替えられる。各動作については後述する。
【0031】
前記逆浸透膜型濾過手段11は、逆浸透膜を収納して一側に取水口22aを、他側に透過水出口22bを、下面に濃縮水出口22cを備えた逆浸透膜ユニット22の多数を並列及び直列に配列して構成されている。そして、各逆浸透膜ユニット22は、それぞれの透過水出口を集水管路を介して前記注水用管路13に接続されている。
【0032】
そして、前記受水ユニット15の手動バルブV2と電磁弁SV2との間、注水用管路13における注水口の手前位置(逆止弁CH5より下流位置)、更に循環排水ユニット19における管路23に濃縮水循環経路19bが接続される箇所(電磁弁SV4と電磁弁SV6の間)の3箇所に前記のように水質検知手段24,25,26が配置され、当該箇所を流れる水(原水、透過水、濃縮水)の水質(TDS値)を検知し得るように構成されている。
原水と透過水のTDS値に基づき、逆浸透膜型濾過手段の除去率を判断でき、又、通常、濃縮水のTDS値と原水のTDS値とを比較すると、濃縮水の値の方の方が大きいのが通常であるが、原水と濃縮水のTDS値の差がなくなってくると逆浸透膜での濾過がされてなく、目詰まり等を起こしていると判断することができる。
【0033】
又、前記給水用管路12のポンプユニット(加圧手段)17の上流側と下流側には水圧検知手段27,28が配置されている。そして、ポンプユニット(加圧手段)17の上流側の水圧検知手段27は該ポンプユニット17に供給される原水(水道水)の圧力の下限値を監視し、ポンプユニット17の下流側の水圧検知手段28はポンプユニット17より吐出される原水の圧力の上限値を監視する。即ち、逆浸透膜型濾過手段11に加圧供給する原水(水道水)の水圧が所定の水道圧に対して低くないか、又ポンプユニット17で加圧吐出する原水の水圧が所定の水圧に対して高くないかを監視し、最適な水圧で逆浸透膜型濾過手段11に原水を供給し得るように構成してある。
【0034】
前記水質検知手段24,25,26は、TDS測定機で、水中に溶解されている無機物質の総量を測定し、水に流れる電流の伝導度を電解物質(無機塩類)濃度単位であるppmで表す。TDSの数値が「0」に近ければ純水に近く、数値が高ければ電解物質が多く溶けていることを意味する。
そして、上記水質検知手段24,25,26は、予め決められた時間に検知作業を実行するように浄水装置1のCPU(中央処理装置)30によって制御されている。
【0035】
前記水圧検知手段27,28は、管路を流れる水の圧力を検知する圧力センサで、該圧力センサから出力されるデータをデジタル圧力値に変換するA/D変換器を介して水圧データとして出力する。
そして、前記水質検知手段と同様、予め決められた時間に検知作業を実行するように浄水装置1のCPU(中央処理装置)30によって制御されている。
【0036】
上記水質検知手段24,25,26の水質(TDS値)データ、及び水圧検知手段27,28の水圧データは、浄水装置1の前面等に設けた表示部(図示省略)に表示してもよいが、該浄水装置1を設置する場所から離れた事務所や、メンテナンス会社の外部管理装置へ送信して表示するようにしてもよい。
【0037】
以下に、上記した浄水装置1の水質管理システムを図3の電気ブロック図及び図4の全経路洗浄工程図に基づいて説明する。
図3は浄水装置1の制御システムの構成を示す電気ブロック図で、CPU30はROM31に記憶された動作プログラムを読み出して実行することにより、浄水装置1全体の制御を行うものである。尚、図3には本発明に関係する部材について示し、関係しない部材(例えば、入金部、計量部等)については記載を省略する。
ROM31には、容器重量と給水量の関係を決めたボトルテーブル等が記憶されている。
RAM32は、CPU30が動作する為に必要なワークエリアが設けてあり、水質データ、水圧データ等を記憶する書換え可能なメモリーである。
送信手段33は、前記浄水装置1に装備した水質検知手段24〜26が検知した「原水」、「透過水」、「濃縮水」の水質(TDS値)データと、ポンプユニット(加圧手段)17の上流側と下流側に配置した水圧検知手段27,28の水圧データ等を外部管理装置36へ送信するものである。その構成としては、図6のシステム構成図に示すように、例えば、浄水装置1に通信モジュール(送信手段)33を装備し、その通信モジュール33からPHS無線通信によりPHS公衆網を介して通信センター37へ送信し、更に通信センター37から外部管理装置36へ例えばVPN(Virtual Private Network)接続にて送信する。
浄水制御部34は、浄水装置に組み込まれている水質検知手段24〜26、水圧検知手段27,28、各電磁弁SV1〜SV、ポンプユニット(加圧手段)17、流量計等、浄水装置を制御するものである。
扉ロック用ソレノイド29は、扉4の閉鎖状態をロック(固定)、或いは解除するものである。
そして、上記した浄水制御部34、扉ロック用ソレノイド29、スタートスイッチ6、水質検知手段24〜26、水圧検知手段27〜28は、インターフェース35を介して前記CPU30、及びROM31、RAM32、通信モジュール(送信手段)33に接続されている。
【0038】
前記RAM32には、例えば図7の検知ファイルにデータが検知される毎に記憶され、同時に、外部管理装置36へ送信される。即ち、浄水装置1を特定する為の装置番号、検知日時(例えば、一日に5回)(図7の日時データの「200705011010」は2007年5月1日10時10分を意味する)、原水(水道水)のTDS値(ppm)、透過水のTDS値(ppm)、濃縮水のTDS値(ppm)、ポンプユニット(加圧手段)17の入口側(IN)に配置した水圧検知手段27の水圧(kPa)、ポンプユニット(加圧手段)17の出口側(OUT)に配置した水圧検知手段28の水圧(kPa)等が記憶され、外部管理装置36へ送信される。
外部管理装置36は、表示部を有する通常のコンピュータと同様のハードウェア構成で、図5に示すようにCPU39、RAM40、ROM41、HDD42、通信手段43、表示部(警報手段)38等から構成されており、RAM40には予め逆浸透膜ユニット(フィルター)の交換時の基準である除去率80%や、使用するポンプ、逆浸透膜の耐圧を満たす基準の水圧データ等が記憶され、HDD42に前記浄水装置1から送信された水質(TDS値)データや水圧データが装置毎に、後述の実績ファイル(図9参照)のように記憶されている。そして、CPU39は受信したTDS値から除去率を算出する。
【0039】
上記水質検知、及び水圧検知は、浄水装置毎に予め設定してある全経路洗浄動作時に行われる。全経路洗浄動作は、一日に数回(例えば5回)、予め決めた時間になると実行され、その全経路洗浄は「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」、「給水」の各動作等からなり、動作の順序、各動作の作動時間は問わない。
しかし、逆浸透膜の汚れを除去した後に水質等を検知する方が、実際に容器2に注水される水質自体の真値に近くなるので、図4の経路洗浄工程図に示すように、「1.フラッシング(60秒)」→「2.放置(40秒)」→「3.プリ循環(60秒)」→「4.循環(60秒)」→「5.給水(40秒)」の全ての工程を経て経路洗浄を行うのが好適である。但し、全ての水質検知手段、水圧検知手段にて検知される為、最後に「5.給水」があることが必要だが、それ以前の順序は問わない。
また、「5.給水」での検知タイミングは、「5.給水」の終了直前、あるいは「5.給水」の直後であってもよい。つまり、終了直前であれば、全ての水質検知手段24,25,26に水が流れるので、そのタイミングで検知可能である。また、終了後であれば、電磁弁SV2、SV3、SV5は閉じられるので、水質検知手段24,26については検知でき、また、水質検知手段25についてはSV3を閉じることで、管路に負圧が生じ、SV3から注水口までの管路に水が残っているので、その水を利用して検知するようにしてもよい。
【0040】
前記全経路洗浄動作の「フラッシング」動作は、水道水を給水しながら、給水ユニット18の電磁弁SV3を閉じることで、逆浸透膜ユニット22の膜に水圧が加わり、膜に付着する不純物を除去することができる。そして、同時に循環排水ユニット19の電磁弁SV4、SV5を開放することで、濃縮水のうち定流量弁OF2を通った一定量は、管路23を通って装置外へ排出され、残りの濃縮水はポンプユニット17の上流で、加えられる水道水と混ざり、再度逆浸透膜で濾過されるよう循環される。
このように、新たな水道水が加わり、一定量は装置外へ排出させることで循環させる水の濃縮度が一定以上になることを抑え、且つ、給水ユニット18の電磁弁SV3が閉じられているので、逆浸透膜に対して圧を加えることができ、膜に付着する不純物を除去し、徐々に装置外へ排出することが可能になる。
「循環」動作は、給水ユニット18の電磁弁SV2,SV3を閉じ、且つ、循環排水ユニット19の電磁弁SV4,SV5を閉じることで、逆浸透膜型濾過手段11の透過水出口から流出される透過水と濃縮水出口から排水される濃縮水と、をポンプユニット(加圧手段)17の作動で、逆浸透膜型濾過手段11と循環排水ユニット19との間で循環させる。
「プリ循環」動作は、上記「循環」動作に原水(水道水)を少し加えて、つまり、電磁弁SV2を開き循環させる。
「放置]は、何も動作しない状態である。
「給水」動作は、電磁弁SV2を開き、原水(水道水)を供給し、給水ユニット18の電磁弁SV3、循環排水ユニット19の電磁弁SV5を開放し、逆浸透膜型濾過手段11に通して濾過し、透過水を生成する動作で、この動作により、水質検知手段24,25,26、水圧検知手段27,28の全ての箇所に水が流れ、前記水質、水圧の検知を行うことができる。
【0041】
そして、浄水装置1から前記送信手段33によって外部管理装置36に送信されるデータは、例えば、図8に示す内容である。
即ち、浄水装置1を特定する装置番号、全経路洗浄時のデータか否かを識別するフラグ、原水(水道水)のTDS値(ppm)、透過水のTDS値(ppm)、濃縮水のTDS値(ppm)、ポンプユニット(加圧手段)17の入口側(IN)に配置した水圧検知手段27の水圧(kPa)、ポンプユニット(加圧手段)17の出口側(OUT)に配置した水圧検知手段28の水圧(kPa)、日時データが送信される。
【0042】
浄水装置1から送信されるデータを受信する外部管理装置36は、受信したデータを、例えば、図9の実績ファイルとしてHDD(記憶装置)40に記憶する。
実績ファイルには、装置番号毎に、データが取得された日時、原水のTDS値、透過水のTDS値、濃縮水のTDS値、以下に説明する除去率、除去率が80%以下であった場合エラーとなるので、エラーが発生した場合は「1」、エラーでない時は「0」が記憶されるエラー項目(1)、ポンプの入力側と出力側の水圧データ、水圧データが基準値を満たさなかったときエラーとなるが、エラーが発生した場合には「1」、エラーでないときは「0」が記憶されるエラー項目(2)、が記憶されている。尚、除去率に関しては、受信した原水、透過水のTDS値により、前記した式に基づき外部管理装置36のCPU39が演算し、該演算されたデータを図9の実績ファイルに記憶させるよう予めプログラムが作られている。そして、演算された除去率が80%を下回った場合、或いは、受信したポンプユニットの入力側、出力側それぞれの圧力データが、使用しているポンプ仕様を満たさなかった場合には、CPU39は異常と判断する。そして、外部管理装置36のCPU39が異常と判断した場合、CPU39は、受信した装置番号から該管理装置36に記憶されている顧客ファイル(図10参照)を参照し、前記装置番号が付与された浄水装置1が設置されている店舗名、住所等を参照し、管理装置36に装備又は接続されている警報手段38によって、エラー発生の店舗名、異常データの内容、改善指示内容等(図11参照)を表示及び/又は音声で報知する。
前記警報手段38としては、表示部、スピーカー等が挙げられる。
又、エラー発生のデータを受信した場合、そのエラー発生店舗を担当しているサービスマンに、エラーが発生している店舗に浄水装置のメンテナンスに行くよう指示してもよい。尚、担当サービスマンへの指示は、管理装置からサービスマンが携帯する携帯端末に自動的に送信、或いは表示部の内容に基づいて事務員がサービスマンに連絡(電話、メール等)を入れる等、何れでもよい。
【0043】
本発明の浄水装置は、上記した構成により、予め決めた時間に全経路洗浄動作が自動的に実行され、その全経路洗浄動作の給水動作時に、原水、透過水、濃縮水の水質(TDS値)を水質検知手段24〜26で、又、原水を逆浸透膜型濾過手段11に供給するポンプユニット(加圧手段)17の入口側(IN)と出口側(OUT)の水圧を水圧検知手段27,28によってそれぞれ自動的に検知し、その検知したデータに基づいて濾過手段11の不純物除去率を算出する。
従って、水質を管理する為の水質検知作業を、手数を掛けずに自動的に行うことができ、しかも逆浸透膜の除去率の変化等を適確に把握できるため、透過水の水質を適確に管理でき、水質の安定した透過水を供給することができる。
【0044】
又、その検知データは、検知動作が実行されるたびに送信手段(通信モジュール)33によって外部管理装置36に自動的に送信される。
従って、その検知したデータが管理装置の表示部(警報手段)に表示されるので、データの記録等を手数を掛けずに行うことができる。そして、その管理装置がメンテナンス会社の管理装置である場合は、浄水装置のトラブル発生に対して迅速に対応することができる。それにより、浄水装置がトラブル発生によって休止する時間を短くすることができる。
【0045】
尚、上記実施例では、外部管理装置36にて浄水装置から送信されたTDS値を基に、除去率を算出するようにし、その除去率が80%以上かどうか、或いは水圧データが使用しているポンプの仕様を満たしているかどうかを判断するようにしているが、これに限らず、浄水装置1にてその判断をするようにしてもよい。
つまり、図7に示す検知ファイルに検知データがRAM32に記憶されているので、浄水装置のCPU30にて除去率を算出し、ROM31に除去率、水圧データの基準値を予め記憶させ、該基準値に基づき、その基準を満たしているかどうかを判断するようにしてもよい。そして、この場合、浄水装置1から外部管理装置36へ送信するデータは図8に示すデータに、除去率やエラーが発生していれば、除去率が低下しているのか、或いは水圧が異常なのかを識別するフラグと共に送信するようにする。そして、外部管理装置36へ送信すると共に、除去率が低下している旨、或いは水圧データが異常である旨を、浄水装置の表示部やランプ等で報知するようにしてもよい。
又、外部管理装置36に検知データを通常は送信せず、RAM32に記憶される水質、水圧等の検知データを管理者が、例えば取り外しが可能な記録媒体(メモリ)等に書き込む作業を一日のうちの決められた時間に行い、そのデータを事務所の管理PCへ移し替え、該管理PCで管理するようにしてもよい。そして、RAM32に記憶される検知データに異常がある場合のみ、浄水装置1の表示部やランプ等で報知すると共に、外部管理装置36へ前記異常なデータと共にその旨を送信するようにしてもよい。
【0046】
前記浄水装置が検知する項目は水質、水圧以外に、電磁弁のON/OFFを検知するセンサを設けるようにしてもよい。例えば、全経路洗浄の給水動作時のSV3と、ブラッシング動作時の電磁弁SV3とでは、その状態が異なる。即ち、給水動作時は「開」、フラッシング動作時は「閉」なので、全経路洗浄の一定時間ON(「開」)或いはOFF(「閉」)状態を維持する場合は、その旨を管理装置に送信するようにしてもよい。
【0047】
又、図示の実施例は注水口が1個の浄水装置を示したが、注水口の個数は1個に限定されず、2個並列配置した浄水装置でもよい。
更に、本発明に係る浄水装置は、実施例で示した入金部を備えた浄水自動販売機に限らず、入金部を取り除いた浄水装置、例えばメンバーカードの読み取りによって注水を受ける浄水装置にも適用できるものである。
【0048】
また、前記実施例で、経路洗浄工程は、「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」、「給水」の順であったが、全ての水質検知手段24,25,26、水圧検知手段27,28が配置されている経路全てに水が流れるのは、給水動作であるので、給水動作の際に水質、水圧データの検知をするが、それ以前の「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」の動作の順は問わない。
又、「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」の全てがなくても、例えば、「フラッシング」のみにして、フラッシングの動作時間を長くするようにしてもよい。
また、「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」、「給水」の各動作の時間は問わない。
又、水圧データの検知は、経路洗浄工程の給水動作で水質データと同じタイミング測る説明をしたがこれに限らず、水圧データは装置に電源が入っている間は、短い時間間隔(例えば、5分間)で検知し続け、異常値と浄水装置1のCPU30が判断した場合、外部管理装置36へ送信するようにしてもよい。
又、全経路洗浄の給水動作が実行される際に、全ての水質検知手段、水圧検知手段にて検知される説明をしたが、これに限らず、全経路洗浄後に別途、水質検知手段、水圧検知手段にて検知させる為に、給水動作をさせるようにしてもよい。
また、経路洗浄後に水質、水圧データの検知をする方がより好ましいが、それに限定することなく、例えば、経路洗浄動作中の給水ではなく、お客が使用する通常の給水動作をカウントして、一日のうちの所定回数毎に、水質、水圧データを検知するようにしてもよい。これにより、特別な操作をせずに水質、水圧データの検知が可能になる。
また、経路洗浄を一日のうちで例えば5回実施すると説明したが、その経路洗浄中に、スタートスイッチ6が押されることで、通常の給水動作をスタートさせる信号を浄水装置のCPU30が認識した場合、経路洗浄を止めて、お客への通常の給水動作を優先させるよう制御させてもよい。これにより、お客を待たせることがなく、スムーズなサービスの提供ができる。そして、その給水動作終了後、所定時間(例えば1分間)、スタートスイッチの入力信号がCPU30にて認識されない場合は、再度経路洗浄を開始するよう制御してもよい。
又、外部管理装置36や浄水装置1で除去率を算出し判断する際に、原水のTDS値と濃縮水のTDS値とを比較し、両値の差が一定以上かどうかも併せて判断するようにしてもよい。
又、検知した水質、水圧データは検知する毎に管理装置に送信するようにしたが、これに限らず、例えば、前記検知を一日のうちの8:00AM、10:00AM、6:00PM、8:00PM、10:00PMの5回にして、10:00PM以降の深夜に1日分のデータを一つのファイルとして外部管理装置36へ送信するようにしてもよい。
また、水圧データ等の装置の運転そのものに影響を与えるようなデータは、検知毎にデータを送信するようにしてもよい。
また、除去率80%は1つの例で、85%、或いは90%等、設定可能である。
又、逆浸透膜ユニット(フィルター)交換の基準値となる除去率を80%、警報除去率を例えば83%と設定し場合、該警報除去率である83%が検知された場合、外部管理装置36はその旨を警報し、お客に対して交換時期が近いことを伝えるようにしてもよい。
又、前記実施例では、逆浸透膜を利用した浄水装置の除去率での説明をしたが、これに限らず、例えば、麦飯石とフィルターを利用した麦飯石自然濾過方式の浄水装置で、該浄水装置で利用される例えば原水(水道水)と、フィルターを透過した透過水との、例えばTDS値である水質データ夫々を検知し、該データを外部管理装置へ送信し、該除去率を判断するようにしてもよい。そして、前記逆浸透膜を利用した場合と同様、検知された除去率が、フィルターの交換時期の基準となる除去率以下になった場合には、外部管理装置の警報を表示部に表示するようにしてもよい。また、フィルターに流入する水は原水のみに限らない。つまり、フィルターより上流の水質と、フィルターより下流の水質を検知することで、フィルターの除去率を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る浄水装置の一実施例を示す外観図。
【図2】浄水装置の概略を示すシステム図。
【図3】浄水装置の制御システムの構成を示す電気ブロック図。
【図4】浄水装置の全経路洗浄動作を示す工程図。
【図5】外部管理装置の構成を示す電気ブロック図。
【図6】浄水装置が検知したデータを外部管理装置に送信するシステム構成の一例を示すブロック図。
【図7】浄水装置が検知し記憶する検知ファイル。
【図8】浄水装置から外部管理装置に送信する送信データ。
【図9】外部管理装置に記憶される実績ファイル。
【図10】外部管理装置に記憶される顧客ファイルデータ。
【図11】外部管理装置の表示部に表示される表示内容の一例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1…浄水装置 2…容器
11…逆浸透膜型濾過手段 14…循環経路
17…加圧手段 24〜26…水質検知手段
27,28…水圧検知手段 33…送信手段(通信モジュール)
36…外部管理装置 38…警報手段
SV3…電磁弁
【技術分野】
【0001】
本発明は所定の容器を装置にセットし、所定の操作後に原水(水道水)を濾過し、生成された透過水(浄水)を前記容器に注水する浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水を取水口から取り入れ、逆浸透膜に透過して透過水(浄水)と非透過水(濃縮水)とに分離する逆浸透膜型浄水装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。そして、これらの浄水装置は、会社の食堂やスーパーマーケット等に設置され、使用されている。
ところで、上記浄水装置、例えば、スーパーマーケット等に設置されている浄水自動販売装置の水質管理は、該マーケットの従業員が例えば毎朝、使用開始前に装置を作動させて透過水を容器に採り、その透過水を水質計測器具(例えば、TDSメーター)を用いてTDS値(ppm)を測定することで、透過水の水質が基準値内か否かの確認を行い、その上で使用を開始している。原水(水道水)は110ppm前後が平均的な数値で、逆浸透膜を通した透過水(浄水)は0ppm〜1ppm位まで改善される。
【0003】
つまり、浄水装置を設置している場所の管理者自ら浄水装置から注水される透過水の水質を維持する為に、原水と透過水のサンプルを採り測定するという煩雑な手間が必要で、又、値の記録ミスなどがあり、正しい水質管理ができない場合があった。
【0004】
又、前記水質を確認した際、所定の式により算出される除去率が基準値以下の場合は逆浸透膜型濾過装置を構成する逆浸透膜の交換や装置の点検等のためにメンテナンス会社へ連絡し、連絡を受けたメンテナンス会社は技術者(サービスエンジニア)を派遣して、逆浸透膜の交換や装置の点検等を行っている。その為に、浄水装置が使用可能な状態に復帰するまでに時間が掛かり、利用者に不便を強いているのが実情である。
【0005】
更に、逆浸透膜を使用する浄水装置では、前記逆浸透膜に対して水圧を加える必要があるためポンプが必要になり、そのポンプの動作(水圧)も前記水質の変化に影響を与える。その為、本来であればポンプの動作も前記水質同様、確認する必要があるが、通常、圧力メータ等は装置内にあり、装置の開閉の手間も伴うため、現実は管理者に確認されずにいる場合が多い。そして、例えば、ポンプに異常があった場合は、注水が正常に行われないので、その時、管理者からメンテナンス会社へ連絡があり、トラブルの処理が行われる。
【0006】
以上のように、従来の浄水装置では、装置の定期点検以外においては、管理者による上記した水質の確認や装置の確認に依存していたので、水質の変化に関係する逆浸透膜の変化や、ポンプの異常(圧力の変化)は、水質の測定値に異常が現れ、管理者からトラブルや点検の依頼の連絡を受けてメンテナンス会社の技術者等が該装置をチェックして初めて装置に異変が起きていることに気付くのが実情である。
従って、安定した水質の確保、及びその為の保守点検等が効率よく行われていないという問題点を有する。
【0007】
【特許文献1】特許第3420202号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記した従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、浄水装置より生成される透過水の水質の変化を正確に把握できる浄水装置を提供することにある。
又、上記水質の変化に関係する部材の変化を的確に把握して保守点検を効率よく行うことができる浄水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成する為に本発明の浄水装置は、取水口及び透過水出口を少なくとも有する濾過手段を具備する浄水装置において、前記濾過手段に流入する水の水質を検知できる位置と、前記濾過手段を透過した水の水質を検知できる位置とに、それぞれ水質検知手段を配置し、それらの水質検知手段の検知データにより前記濾過手段の不純物除去率を判断することを特徴とする。
そして、前記濾過手段に逆浸透膜型濾過手段を用いた浄水装置の具体例は、原水(水道水)の取水口、透過水出口及び濃縮水(非透過水)出口を有する逆浸透膜ユニットで構成された逆浸透膜型濾過手段により原水を濾過して透過水と濃縮水とに分離し、注水操作に応じて所定量の透過水を注水口より注水し、更に、前記透過水出口から流出する透過水、濃縮水出口から流出する濃縮水を原水取水口に戻して再度前記逆浸透膜型濾過手段で濾過させるよう循環させる循環経路を有する浄水装置において、前記逆浸透膜型濾過手段より上流の原水の水質を検知できる位置と、逆浸透膜型濾過手段より下流の透過水の水質を検知できる位置に、それぞれ水質検知手段を配置し、それら水質検知手段の検知データにより前記逆浸透膜型濾過手段を構成する逆浸透膜ユニットの不純物除去率を判断することを特徴とする。
【0010】
前記水質検知手段は、測定したデータを自動的に記録する電気的な検知手段で、例えば、一対の電極を設け、その電極間を流れる水の電導率にてTDS値(ppm)を検知するTDSメーターが挙げられる。
又、除去率は原水(水道水)のTDS値(ppm)と透過水のTDS値(ppm)を用い、除去率=(原水(水道水)のTDS値(ppm)−透過水のTDS値(ppm)/(原水(水道水)のTDS値(ppm))×100)で算出できる。その算出は、浄水装置或いは検知データを受信する外部管理装置で算出し、判断するようにしてもよい。
【0011】
上記手段によれば、逆浸透膜型濾過手段より上流位置と下流位置にそれぞれ水質検知手段を配置したことにより、逆浸透膜型濾過手段を通る前の原水(水道水)のTDS値と、逆浸透膜型濾過手段を通った後の透過水(浄水)のTDS値を測定することができるため、両測定値より逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率を正確に把握でき、浄水処理状態を的確に把握することができる。
【0012】
又、前記水質検知手段は、前記二箇所に加えて前記逆浸透膜型濾過手段より下流で、濃縮水が流れる位置に配置してもよい(請求項3)。
上記手段によれば、逆浸透膜型濾過手段を経た濃縮水(不純物を含む非透過水)のTDS値を測定することで、逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率をより正確に把握することができる。
【0013】
前記水質検知手段による検知は、例えば一日に5回、予め決めた時間に実行する、或いは一日の給水回数を記憶し、例えば100回の給水が終了するごとに実行する等、任意である。そして、検知のタイミングは、この種逆浸透膜型濾過手段を備えた浄水装置では、「フラッシング」→(「放置」)→「プリ循環」→「循環」→「給水」の順序で各動作が行われるので、逆浸透膜の汚れを除去した後に検知を実行するのが好ましい。
即ち、前記水質検知手段による検知は、逆浸透膜型濾過手段の透過水出口と注水口との間に配置した電磁弁を閉鎖し、前記循環経路に原水を加えて循環させ、前記逆浸透膜型濾過手段で濾過された水を注水口から排水した後又は該経路洗浄終了前に、行われるようにする(請求項4)。
【0014】
上記手段によれば、逆浸透膜の汚れを除去した後、給水が開始されるが、その給水時に出てくる水(捨て水)の時に検知することで、より正確な測定データを得ることができる。又、原水が加わることで、新たな水で経路の汚れや逆浸透膜型濾過手段の目詰まりを解消でき、より安定した水質を検知することができ、逆浸透膜ユニットの正しい交換時期を浄水装置の管理者へ伝えることが可能となる。
【0015】
又、逆浸透膜型濾過手段を備えた浄水装置では、原水及び濃縮水を加圧して逆浸透膜型濾過手段に供給するが、その圧力(水圧)も逆浸透膜による不純物の除去率に関係する。そこで、逆浸透膜型濾過手段に供給する原水、濃縮水の圧力を、前記水質検知手段による検知と同様、定期的に検知するようにする。
具体的には、前記逆浸透膜型濾過手段に原水、又は濃縮水を加圧供給する加圧手段(加圧ポンプ)を挟んで上流位置と下流位置に水圧検知手段を配置する(請求項5)。
前記水圧検知手段としては、例えば圧力センサで、該圧力センサから出力されるデータをデジタル圧力値に変換するA/D変換器を介して水圧データとして出力する。
上流位置に配置する水圧検知手段は、水道圧センサで加圧手段に供給される原水、濃縮水の圧力の下限値を管理し、下流位置に配置する水圧検知手段は加圧手段より吐出される原水、濃縮水の圧力の上限値を管理する。
【0016】
上記手段によれば、水質検知データに加えて、加圧手段への入口側(上流)と出口側(下流)の水圧の状況を検知できる為、水質の管理を適確に行うことができる。例えば、加圧手段から吐出される水圧が高すぎると逆浸透膜を損傷し、不純物の除去率を低下させ、その結果、前記透過水の水質検知データ(TDS値)は大きくなる。
【0017】
又、前記浄水装置に、前記水質検知手段によって検知した水質データを、外部管理装置へ送信する送信手段を備えてもよい(請求項6)。そして、その送信手段は、前記水質検知データと一緒に水圧検知手段によって検知した水圧データを、外部管理装置へ送信するようにしてもよい(請求項7)。
【0018】
前記外部管理装置は、浄水装置を設置する場所から離れた場所に設置される管理装置を意味し、従って、浄水装置を設置する会社の事務所に設置される管理装置、或いは該浄水装置の保守点検を行うメンテナンス会社の管理装置等が挙げられる。
又、浄水装置と外部管理装置とで通信を行う送信手段は、例えば、浄水装置からPHS無線通信によりPHS公衆網を介して通信センターへ送信し、通信センターから管理装置へ例えばVPN(Virtual Private Network)にて送信する。VPNを利用することでセキュリティの問題を少なくできる。又、浄水装置から外部管理装置への送信手段は、前記中継を介して行う間接送信に限らず、例えば、LAN等によりインターネットを介して直接送信するようにしてもよい。
又、外部管理装置のハードウェア構成は、通常のコンピュータと同様である。
【0019】
上記手段によれば、浄水装置が設置された場所から離れた遠隔地において、浄水装置の作動状況を的確に把握することができる。それによりトラブルの予兆も知ることができるので、トラブル発生を未然に防止することができる。そして、外部管理装置がメンテナンス会社に設置された管理装置である場合、トラブルに対して迅速に対応することが可能となる。
【0020】
又、前記外部管理装置は、前記水質データ、水圧データが、予め設定された基準値との比較により異常データと送信側の浄水装置又は受信側の該外部管理装置で判断された時、その異常データに関連する対象部のメンテナンス指示を表示及び/又は報知する警報手段を備えてもよい(請求項8)。
尚、水圧データが異常値である場合、実際は浄水装置の作動を停止するので、送信側(浄水装置)で判断し、そのエラーメッセージと共に外部管理装置に送信するようにしてもよい。
【0021】
上記手段によれば、検知データの異常に応じて自動的にメンテナンス指示が表示/報知されるので、浄水装置が設置されている現場の管理者が気付かなくても、浄水装置のメンテナンスが可能になり、トラブル発生から迅速な処理が可能になる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の浄水装置は請求項1によれば濾過手段に流入する水と透過した水の水質を検知できるので、濾過手段の不純物除去率を正確に把握できる。
又、請求項2記載の構成により、逆浸透膜型濾過手段を通る前の原水(水道水)のTDS値と、逆浸透膜型濾過手段を通った後の透過水(浄水)のTDS値を測定することができるため、両測定値より逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率を正確に把握でき、浄水処理状態を的確に把握し、管理することができる。それにより、安定した水質の透過水の生成を維持することができる。
又、請求項3記載の構成により、逆浸透膜型濾過手段の不純物除去率をより正確に把握することができる。
更に、請求項4記載の構成により、逆浸透膜の汚れを除去した後の状態で除去率を測定することが可能なので、より安定した水質を検知でき、逆浸透膜ユニットの正しい交換時期を伝えることが可能になる。実際に注水される直前の水質を検知することができるので、浄水装置として最も必要な注水される透過水(浄水)が、原水に対してどのくらい濾過(不純物が除去)されたものであるかを適確に知ることができる。そして、除去率が低下している場合は、改善処理に的確に対応することができる。
【0023】
又、請求項5記載の構成により、水質検知データに加えて、加圧手段への入口側(上流)と出口側(下流)の水圧の状況を検知できる為、水質の管理を適確に行うことができる。
更に、請求項6、7記載の構成により、浄水装置が設置された場所から離れた遠隔地において、浄水装置の作動状況を的確に把握することができる。それによりトラブルの予兆も知ることができるので、トラブル発生を未然に防止することができる。そして、外部管理装置がメンテナンス会社に設置された管理装置である場合、トラブルに対して迅速に対応することが可能となる。
また、請求項8記載の構成により、検知データの異常に応じて自動的にメンテナンス指示が表示/報知されるので、浄水装置が設置されている現場の管理者が気付かなくても、浄水装置のメンテナンスが可能になり、トラブル発生から迅速な処理が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る浄水装置の実施の一例を図面に基づいて説明する。尚、以下の実施例は、本発明を具体化した一例であって、本発明はその要旨を変えない限り変更可能であり、この実施の形態に限定されるものではない。
図1は浄水装置1を示し、一般的な飲料の自動販売機と同様の外観を呈し、正面に容器(ボトル)2を出し入れする載置台3を備え、該載置台3の前面に扉4が開閉可能に設けられており、中央部にはコイン投入口5を備え、その上方に注水を開始する為のスタートスイッチ6と、注水を受けることができない容器であることを報知するエラーランプ7が配設されている。
【0025】
上記浄水装置1に装備される浄水ユニット8は、図2に示すように、一端側を原水である水道水を供給する水道管9に連結し、他端側は浄水装置1の載置台3の直上に位置させて注水口10を設け、前記水道管9と注水口10との間に逆浸透膜型濾過手段11を配設すると共に、水道管9と前記濾過手段11との間の給水用管路12及び前記逆浸透膜型濾過手段11と注水口10との間の注水用管路13、更に前記逆浸透膜型濾過手段11の濃縮水(非透過水)の排水管と前記給水用管路12との間の循環経路14にそれぞれ作動部材を配設して構成される。
【0026】
具体的には、給水用管路12には、原水(水道水)を供給又は停止させる受水ユニット15と、原水(水道水)を前処理する前処理ユニット16と、前処理された原水(水道水)を逆浸透膜型濾過手段11に加圧供給するポンプユニット(加圧手段)17が設置されている。
又、注水用管路13には、逆浸透膜型濾過手段11で濾過生成された透過水を容器2に注水又は停止する給水ユニット18が、循環経路14には循環排水ユニット19が設置されている。
【0027】
前記受水ユニット15は、上流から下流に向かって原水を供給又は停止する手動バルブV1、圧力計PG1、減圧弁RV1、水道メータM1、手動バルブV2、水質検知手段24、電磁弁SV2が順次配置されて構成されている。そして、前記手動バルブV2には給水ユニット18及び循環排水ユニット19のメンテナンス用経路20,21が夫々接続されている。
前記受水ユニット15の下流に配置される前処理ユニット16は、二つの分岐路に配置したセディメントフィルタ(原水に含まれている比較的大きな不純物を除去するフィルタ)F1,F2と、その下流の三つの分岐路に配置したカーボンフィルタF3,F4,F5と、逆止弁CH1と、水抜き用のシャットオフバルブV4とで構成されている。
前記前処理ユニット16で比較的大きな不純物の除去が行われた原水を逆浸透膜型濾過手段11に加圧供給するポンプユニット17は加圧ポンプP1で構成されている。
【0028】
また、給水ユニット18は、電磁弁SV3とシャットオフバルブV5とで構成され、そのユニットの上流及び下流には逆止弁CH3,CH4が、更に前記逆止弁CH4の下流に水質検知手段25が配置されている。更に、前記電磁弁SV3とシャットオフバルブV5の間にメンテナンス用経路20が分岐形成される。
【0029】
循環排水ユニット19は、逆浸透膜型濾過手段11で濾過生成された透過水(RO水)を給水用管路12の前処理ユニット16とポンプユニット17との間に戻す透過水循環経路19aと、逆浸透膜型濾過手段11より流出される濃縮水(非透過水)を給水用管路12の前処理ユニット16とポンプユニット17との間に戻す濃縮水循環経路19b,リサイクル経路19cで構成されている。
そして、逆浸透膜型濾過手段11から流出される濃縮水を前記浄水装置1の載置台3の受け皿に排水する管路23には電磁弁SV4、水質検知手段26、SV5、手動バルブV3、ノズルOF2、逆止弁CH5が配置され、更に前記手動バルブV3にメンテナンス用経路21が分岐形成され、そのメンテナンス用経路21の端部は前記受水ユニット15の手動バルブV2に接続されている。
【0030】
前記透過水循環経路19aは電磁弁SV7と逆止弁CH6で構成され、濃縮水循環経路19bは電磁弁SV6と逆止弁CH7で構成され、リサイクル経路19cはニードルバルブNV1と逆止弁CH8で構成され、各経路は動作(注水動作、フラッシング動作、循環動作、プリ循環動作等)に応じて切り替えられる。各動作については後述する。
【0031】
前記逆浸透膜型濾過手段11は、逆浸透膜を収納して一側に取水口22aを、他側に透過水出口22bを、下面に濃縮水出口22cを備えた逆浸透膜ユニット22の多数を並列及び直列に配列して構成されている。そして、各逆浸透膜ユニット22は、それぞれの透過水出口を集水管路を介して前記注水用管路13に接続されている。
【0032】
そして、前記受水ユニット15の手動バルブV2と電磁弁SV2との間、注水用管路13における注水口の手前位置(逆止弁CH5より下流位置)、更に循環排水ユニット19における管路23に濃縮水循環経路19bが接続される箇所(電磁弁SV4と電磁弁SV6の間)の3箇所に前記のように水質検知手段24,25,26が配置され、当該箇所を流れる水(原水、透過水、濃縮水)の水質(TDS値)を検知し得るように構成されている。
原水と透過水のTDS値に基づき、逆浸透膜型濾過手段の除去率を判断でき、又、通常、濃縮水のTDS値と原水のTDS値とを比較すると、濃縮水の値の方の方が大きいのが通常であるが、原水と濃縮水のTDS値の差がなくなってくると逆浸透膜での濾過がされてなく、目詰まり等を起こしていると判断することができる。
【0033】
又、前記給水用管路12のポンプユニット(加圧手段)17の上流側と下流側には水圧検知手段27,28が配置されている。そして、ポンプユニット(加圧手段)17の上流側の水圧検知手段27は該ポンプユニット17に供給される原水(水道水)の圧力の下限値を監視し、ポンプユニット17の下流側の水圧検知手段28はポンプユニット17より吐出される原水の圧力の上限値を監視する。即ち、逆浸透膜型濾過手段11に加圧供給する原水(水道水)の水圧が所定の水道圧に対して低くないか、又ポンプユニット17で加圧吐出する原水の水圧が所定の水圧に対して高くないかを監視し、最適な水圧で逆浸透膜型濾過手段11に原水を供給し得るように構成してある。
【0034】
前記水質検知手段24,25,26は、TDS測定機で、水中に溶解されている無機物質の総量を測定し、水に流れる電流の伝導度を電解物質(無機塩類)濃度単位であるppmで表す。TDSの数値が「0」に近ければ純水に近く、数値が高ければ電解物質が多く溶けていることを意味する。
そして、上記水質検知手段24,25,26は、予め決められた時間に検知作業を実行するように浄水装置1のCPU(中央処理装置)30によって制御されている。
【0035】
前記水圧検知手段27,28は、管路を流れる水の圧力を検知する圧力センサで、該圧力センサから出力されるデータをデジタル圧力値に変換するA/D変換器を介して水圧データとして出力する。
そして、前記水質検知手段と同様、予め決められた時間に検知作業を実行するように浄水装置1のCPU(中央処理装置)30によって制御されている。
【0036】
上記水質検知手段24,25,26の水質(TDS値)データ、及び水圧検知手段27,28の水圧データは、浄水装置1の前面等に設けた表示部(図示省略)に表示してもよいが、該浄水装置1を設置する場所から離れた事務所や、メンテナンス会社の外部管理装置へ送信して表示するようにしてもよい。
【0037】
以下に、上記した浄水装置1の水質管理システムを図3の電気ブロック図及び図4の全経路洗浄工程図に基づいて説明する。
図3は浄水装置1の制御システムの構成を示す電気ブロック図で、CPU30はROM31に記憶された動作プログラムを読み出して実行することにより、浄水装置1全体の制御を行うものである。尚、図3には本発明に関係する部材について示し、関係しない部材(例えば、入金部、計量部等)については記載を省略する。
ROM31には、容器重量と給水量の関係を決めたボトルテーブル等が記憶されている。
RAM32は、CPU30が動作する為に必要なワークエリアが設けてあり、水質データ、水圧データ等を記憶する書換え可能なメモリーである。
送信手段33は、前記浄水装置1に装備した水質検知手段24〜26が検知した「原水」、「透過水」、「濃縮水」の水質(TDS値)データと、ポンプユニット(加圧手段)17の上流側と下流側に配置した水圧検知手段27,28の水圧データ等を外部管理装置36へ送信するものである。その構成としては、図6のシステム構成図に示すように、例えば、浄水装置1に通信モジュール(送信手段)33を装備し、その通信モジュール33からPHS無線通信によりPHS公衆網を介して通信センター37へ送信し、更に通信センター37から外部管理装置36へ例えばVPN(Virtual Private Network)接続にて送信する。
浄水制御部34は、浄水装置に組み込まれている水質検知手段24〜26、水圧検知手段27,28、各電磁弁SV1〜SV、ポンプユニット(加圧手段)17、流量計等、浄水装置を制御するものである。
扉ロック用ソレノイド29は、扉4の閉鎖状態をロック(固定)、或いは解除するものである。
そして、上記した浄水制御部34、扉ロック用ソレノイド29、スタートスイッチ6、水質検知手段24〜26、水圧検知手段27〜28は、インターフェース35を介して前記CPU30、及びROM31、RAM32、通信モジュール(送信手段)33に接続されている。
【0038】
前記RAM32には、例えば図7の検知ファイルにデータが検知される毎に記憶され、同時に、外部管理装置36へ送信される。即ち、浄水装置1を特定する為の装置番号、検知日時(例えば、一日に5回)(図7の日時データの「200705011010」は2007年5月1日10時10分を意味する)、原水(水道水)のTDS値(ppm)、透過水のTDS値(ppm)、濃縮水のTDS値(ppm)、ポンプユニット(加圧手段)17の入口側(IN)に配置した水圧検知手段27の水圧(kPa)、ポンプユニット(加圧手段)17の出口側(OUT)に配置した水圧検知手段28の水圧(kPa)等が記憶され、外部管理装置36へ送信される。
外部管理装置36は、表示部を有する通常のコンピュータと同様のハードウェア構成で、図5に示すようにCPU39、RAM40、ROM41、HDD42、通信手段43、表示部(警報手段)38等から構成されており、RAM40には予め逆浸透膜ユニット(フィルター)の交換時の基準である除去率80%や、使用するポンプ、逆浸透膜の耐圧を満たす基準の水圧データ等が記憶され、HDD42に前記浄水装置1から送信された水質(TDS値)データや水圧データが装置毎に、後述の実績ファイル(図9参照)のように記憶されている。そして、CPU39は受信したTDS値から除去率を算出する。
【0039】
上記水質検知、及び水圧検知は、浄水装置毎に予め設定してある全経路洗浄動作時に行われる。全経路洗浄動作は、一日に数回(例えば5回)、予め決めた時間になると実行され、その全経路洗浄は「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」、「給水」の各動作等からなり、動作の順序、各動作の作動時間は問わない。
しかし、逆浸透膜の汚れを除去した後に水質等を検知する方が、実際に容器2に注水される水質自体の真値に近くなるので、図4の経路洗浄工程図に示すように、「1.フラッシング(60秒)」→「2.放置(40秒)」→「3.プリ循環(60秒)」→「4.循環(60秒)」→「5.給水(40秒)」の全ての工程を経て経路洗浄を行うのが好適である。但し、全ての水質検知手段、水圧検知手段にて検知される為、最後に「5.給水」があることが必要だが、それ以前の順序は問わない。
また、「5.給水」での検知タイミングは、「5.給水」の終了直前、あるいは「5.給水」の直後であってもよい。つまり、終了直前であれば、全ての水質検知手段24,25,26に水が流れるので、そのタイミングで検知可能である。また、終了後であれば、電磁弁SV2、SV3、SV5は閉じられるので、水質検知手段24,26については検知でき、また、水質検知手段25についてはSV3を閉じることで、管路に負圧が生じ、SV3から注水口までの管路に水が残っているので、その水を利用して検知するようにしてもよい。
【0040】
前記全経路洗浄動作の「フラッシング」動作は、水道水を給水しながら、給水ユニット18の電磁弁SV3を閉じることで、逆浸透膜ユニット22の膜に水圧が加わり、膜に付着する不純物を除去することができる。そして、同時に循環排水ユニット19の電磁弁SV4、SV5を開放することで、濃縮水のうち定流量弁OF2を通った一定量は、管路23を通って装置外へ排出され、残りの濃縮水はポンプユニット17の上流で、加えられる水道水と混ざり、再度逆浸透膜で濾過されるよう循環される。
このように、新たな水道水が加わり、一定量は装置外へ排出させることで循環させる水の濃縮度が一定以上になることを抑え、且つ、給水ユニット18の電磁弁SV3が閉じられているので、逆浸透膜に対して圧を加えることができ、膜に付着する不純物を除去し、徐々に装置外へ排出することが可能になる。
「循環」動作は、給水ユニット18の電磁弁SV2,SV3を閉じ、且つ、循環排水ユニット19の電磁弁SV4,SV5を閉じることで、逆浸透膜型濾過手段11の透過水出口から流出される透過水と濃縮水出口から排水される濃縮水と、をポンプユニット(加圧手段)17の作動で、逆浸透膜型濾過手段11と循環排水ユニット19との間で循環させる。
「プリ循環」動作は、上記「循環」動作に原水(水道水)を少し加えて、つまり、電磁弁SV2を開き循環させる。
「放置]は、何も動作しない状態である。
「給水」動作は、電磁弁SV2を開き、原水(水道水)を供給し、給水ユニット18の電磁弁SV3、循環排水ユニット19の電磁弁SV5を開放し、逆浸透膜型濾過手段11に通して濾過し、透過水を生成する動作で、この動作により、水質検知手段24,25,26、水圧検知手段27,28の全ての箇所に水が流れ、前記水質、水圧の検知を行うことができる。
【0041】
そして、浄水装置1から前記送信手段33によって外部管理装置36に送信されるデータは、例えば、図8に示す内容である。
即ち、浄水装置1を特定する装置番号、全経路洗浄時のデータか否かを識別するフラグ、原水(水道水)のTDS値(ppm)、透過水のTDS値(ppm)、濃縮水のTDS値(ppm)、ポンプユニット(加圧手段)17の入口側(IN)に配置した水圧検知手段27の水圧(kPa)、ポンプユニット(加圧手段)17の出口側(OUT)に配置した水圧検知手段28の水圧(kPa)、日時データが送信される。
【0042】
浄水装置1から送信されるデータを受信する外部管理装置36は、受信したデータを、例えば、図9の実績ファイルとしてHDD(記憶装置)40に記憶する。
実績ファイルには、装置番号毎に、データが取得された日時、原水のTDS値、透過水のTDS値、濃縮水のTDS値、以下に説明する除去率、除去率が80%以下であった場合エラーとなるので、エラーが発生した場合は「1」、エラーでない時は「0」が記憶されるエラー項目(1)、ポンプの入力側と出力側の水圧データ、水圧データが基準値を満たさなかったときエラーとなるが、エラーが発生した場合には「1」、エラーでないときは「0」が記憶されるエラー項目(2)、が記憶されている。尚、除去率に関しては、受信した原水、透過水のTDS値により、前記した式に基づき外部管理装置36のCPU39が演算し、該演算されたデータを図9の実績ファイルに記憶させるよう予めプログラムが作られている。そして、演算された除去率が80%を下回った場合、或いは、受信したポンプユニットの入力側、出力側それぞれの圧力データが、使用しているポンプ仕様を満たさなかった場合には、CPU39は異常と判断する。そして、外部管理装置36のCPU39が異常と判断した場合、CPU39は、受信した装置番号から該管理装置36に記憶されている顧客ファイル(図10参照)を参照し、前記装置番号が付与された浄水装置1が設置されている店舗名、住所等を参照し、管理装置36に装備又は接続されている警報手段38によって、エラー発生の店舗名、異常データの内容、改善指示内容等(図11参照)を表示及び/又は音声で報知する。
前記警報手段38としては、表示部、スピーカー等が挙げられる。
又、エラー発生のデータを受信した場合、そのエラー発生店舗を担当しているサービスマンに、エラーが発生している店舗に浄水装置のメンテナンスに行くよう指示してもよい。尚、担当サービスマンへの指示は、管理装置からサービスマンが携帯する携帯端末に自動的に送信、或いは表示部の内容に基づいて事務員がサービスマンに連絡(電話、メール等)を入れる等、何れでもよい。
【0043】
本発明の浄水装置は、上記した構成により、予め決めた時間に全経路洗浄動作が自動的に実行され、その全経路洗浄動作の給水動作時に、原水、透過水、濃縮水の水質(TDS値)を水質検知手段24〜26で、又、原水を逆浸透膜型濾過手段11に供給するポンプユニット(加圧手段)17の入口側(IN)と出口側(OUT)の水圧を水圧検知手段27,28によってそれぞれ自動的に検知し、その検知したデータに基づいて濾過手段11の不純物除去率を算出する。
従って、水質を管理する為の水質検知作業を、手数を掛けずに自動的に行うことができ、しかも逆浸透膜の除去率の変化等を適確に把握できるため、透過水の水質を適確に管理でき、水質の安定した透過水を供給することができる。
【0044】
又、その検知データは、検知動作が実行されるたびに送信手段(通信モジュール)33によって外部管理装置36に自動的に送信される。
従って、その検知したデータが管理装置の表示部(警報手段)に表示されるので、データの記録等を手数を掛けずに行うことができる。そして、その管理装置がメンテナンス会社の管理装置である場合は、浄水装置のトラブル発生に対して迅速に対応することができる。それにより、浄水装置がトラブル発生によって休止する時間を短くすることができる。
【0045】
尚、上記実施例では、外部管理装置36にて浄水装置から送信されたTDS値を基に、除去率を算出するようにし、その除去率が80%以上かどうか、或いは水圧データが使用しているポンプの仕様を満たしているかどうかを判断するようにしているが、これに限らず、浄水装置1にてその判断をするようにしてもよい。
つまり、図7に示す検知ファイルに検知データがRAM32に記憶されているので、浄水装置のCPU30にて除去率を算出し、ROM31に除去率、水圧データの基準値を予め記憶させ、該基準値に基づき、その基準を満たしているかどうかを判断するようにしてもよい。そして、この場合、浄水装置1から外部管理装置36へ送信するデータは図8に示すデータに、除去率やエラーが発生していれば、除去率が低下しているのか、或いは水圧が異常なのかを識別するフラグと共に送信するようにする。そして、外部管理装置36へ送信すると共に、除去率が低下している旨、或いは水圧データが異常である旨を、浄水装置の表示部やランプ等で報知するようにしてもよい。
又、外部管理装置36に検知データを通常は送信せず、RAM32に記憶される水質、水圧等の検知データを管理者が、例えば取り外しが可能な記録媒体(メモリ)等に書き込む作業を一日のうちの決められた時間に行い、そのデータを事務所の管理PCへ移し替え、該管理PCで管理するようにしてもよい。そして、RAM32に記憶される検知データに異常がある場合のみ、浄水装置1の表示部やランプ等で報知すると共に、外部管理装置36へ前記異常なデータと共にその旨を送信するようにしてもよい。
【0046】
前記浄水装置が検知する項目は水質、水圧以外に、電磁弁のON/OFFを検知するセンサを設けるようにしてもよい。例えば、全経路洗浄の給水動作時のSV3と、ブラッシング動作時の電磁弁SV3とでは、その状態が異なる。即ち、給水動作時は「開」、フラッシング動作時は「閉」なので、全経路洗浄の一定時間ON(「開」)或いはOFF(「閉」)状態を維持する場合は、その旨を管理装置に送信するようにしてもよい。
【0047】
又、図示の実施例は注水口が1個の浄水装置を示したが、注水口の個数は1個に限定されず、2個並列配置した浄水装置でもよい。
更に、本発明に係る浄水装置は、実施例で示した入金部を備えた浄水自動販売機に限らず、入金部を取り除いた浄水装置、例えばメンバーカードの読み取りによって注水を受ける浄水装置にも適用できるものである。
【0048】
また、前記実施例で、経路洗浄工程は、「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」、「給水」の順であったが、全ての水質検知手段24,25,26、水圧検知手段27,28が配置されている経路全てに水が流れるのは、給水動作であるので、給水動作の際に水質、水圧データの検知をするが、それ以前の「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」の動作の順は問わない。
又、「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」の全てがなくても、例えば、「フラッシング」のみにして、フラッシングの動作時間を長くするようにしてもよい。
また、「フラッシング」、「放置」、「プリ循環」、「循環」、「給水」の各動作の時間は問わない。
又、水圧データの検知は、経路洗浄工程の給水動作で水質データと同じタイミング測る説明をしたがこれに限らず、水圧データは装置に電源が入っている間は、短い時間間隔(例えば、5分間)で検知し続け、異常値と浄水装置1のCPU30が判断した場合、外部管理装置36へ送信するようにしてもよい。
又、全経路洗浄の給水動作が実行される際に、全ての水質検知手段、水圧検知手段にて検知される説明をしたが、これに限らず、全経路洗浄後に別途、水質検知手段、水圧検知手段にて検知させる為に、給水動作をさせるようにしてもよい。
また、経路洗浄後に水質、水圧データの検知をする方がより好ましいが、それに限定することなく、例えば、経路洗浄動作中の給水ではなく、お客が使用する通常の給水動作をカウントして、一日のうちの所定回数毎に、水質、水圧データを検知するようにしてもよい。これにより、特別な操作をせずに水質、水圧データの検知が可能になる。
また、経路洗浄を一日のうちで例えば5回実施すると説明したが、その経路洗浄中に、スタートスイッチ6が押されることで、通常の給水動作をスタートさせる信号を浄水装置のCPU30が認識した場合、経路洗浄を止めて、お客への通常の給水動作を優先させるよう制御させてもよい。これにより、お客を待たせることがなく、スムーズなサービスの提供ができる。そして、その給水動作終了後、所定時間(例えば1分間)、スタートスイッチの入力信号がCPU30にて認識されない場合は、再度経路洗浄を開始するよう制御してもよい。
又、外部管理装置36や浄水装置1で除去率を算出し判断する際に、原水のTDS値と濃縮水のTDS値とを比較し、両値の差が一定以上かどうかも併せて判断するようにしてもよい。
又、検知した水質、水圧データは検知する毎に管理装置に送信するようにしたが、これに限らず、例えば、前記検知を一日のうちの8:00AM、10:00AM、6:00PM、8:00PM、10:00PMの5回にして、10:00PM以降の深夜に1日分のデータを一つのファイルとして外部管理装置36へ送信するようにしてもよい。
また、水圧データ等の装置の運転そのものに影響を与えるようなデータは、検知毎にデータを送信するようにしてもよい。
また、除去率80%は1つの例で、85%、或いは90%等、設定可能である。
又、逆浸透膜ユニット(フィルター)交換の基準値となる除去率を80%、警報除去率を例えば83%と設定し場合、該警報除去率である83%が検知された場合、外部管理装置36はその旨を警報し、お客に対して交換時期が近いことを伝えるようにしてもよい。
又、前記実施例では、逆浸透膜を利用した浄水装置の除去率での説明をしたが、これに限らず、例えば、麦飯石とフィルターを利用した麦飯石自然濾過方式の浄水装置で、該浄水装置で利用される例えば原水(水道水)と、フィルターを透過した透過水との、例えばTDS値である水質データ夫々を検知し、該データを外部管理装置へ送信し、該除去率を判断するようにしてもよい。そして、前記逆浸透膜を利用した場合と同様、検知された除去率が、フィルターの交換時期の基準となる除去率以下になった場合には、外部管理装置の警報を表示部に表示するようにしてもよい。また、フィルターに流入する水は原水のみに限らない。つまり、フィルターより上流の水質と、フィルターより下流の水質を検知することで、フィルターの除去率を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る浄水装置の一実施例を示す外観図。
【図2】浄水装置の概略を示すシステム図。
【図3】浄水装置の制御システムの構成を示す電気ブロック図。
【図4】浄水装置の全経路洗浄動作を示す工程図。
【図5】外部管理装置の構成を示す電気ブロック図。
【図6】浄水装置が検知したデータを外部管理装置に送信するシステム構成の一例を示すブロック図。
【図7】浄水装置が検知し記憶する検知ファイル。
【図8】浄水装置から外部管理装置に送信する送信データ。
【図9】外部管理装置に記憶される実績ファイル。
【図10】外部管理装置に記憶される顧客ファイルデータ。
【図11】外部管理装置の表示部に表示される表示内容の一例を示す図。
【符号の説明】
【0050】
1…浄水装置 2…容器
11…逆浸透膜型濾過手段 14…循環経路
17…加圧手段 24〜26…水質検知手段
27,28…水圧検知手段 33…送信手段(通信モジュール)
36…外部管理装置 38…警報手段
SV3…電磁弁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取水口及び透過水出口を少なくとも有する濾過手段を具備する浄水装置において、
前記濾過手段に流入する水の水質を検知できる位置と、前記濾過手段を透過した水の水質を検知できる位置とに、それぞれ水質検知手段を配置し、それらの水質検知手段の検知データにより前記濾過手段の不純物除去率を判断することを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
原水の取水口、透過水出口及び濃縮水出口を有する逆浸透膜ユニットで構成された逆浸透膜型濾過手段により原水を濾過して透過水と濃縮水とに分離し、注水操作に応じて所定量の透過水を注水口より注水し、更に、前記透過水出口から流出する透過水、濃縮水出口から流出する濃縮水を原水取水口に戻して再度前記逆浸透膜型濾過手段で濾過させるよう循環させる循環経路を有する浄水装置において、
前記逆浸透膜型濾過手段より上流の原水の水質を検知できる位置と、逆浸透膜型濾過手段より下流の透過水の水質を検知できる位置に、それぞれ水質検知手段を配置し、それら水質検知手段の検知データにより前記逆浸透膜型濾過手段を構成する逆浸透膜ユニットの不純物除去率を判断することを特徴とする浄水装置。
【請求項3】
前記逆浸透膜型濾過手段より下流で、濃縮水が流れる位置に、水質検知手段が配置されていることを特徴とする請求項2記載の浄水装置。
【請求項4】
前記水質検知手段による検知は、逆浸透膜型濾過手段の透過水出口と注水口との間に配置した電磁弁を閉鎖し、前記循環経路に原水を加えて循環させ、前記逆浸透膜型濾過手段で濾過された水を注水口から排水する経路洗浄後又は該経路洗浄終了前に、行われることを特徴とする請求項2又は3記載の浄水装置。
【請求項5】
前記逆浸透膜型濾過手段に原水、又は濃縮水を加圧供給する加圧手段を挟んで上流位置と下流位置に水圧検知手段が配置されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の浄水装置。
【請求項6】
前記水質検知手段によって検知した水質データを、外部管理装置へ送信する送信手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の浄水装置。
【請求項7】
前記送信手段は、水圧検知手段によって検知した水圧データを、外部管理装置へ送信することを特徴とする請求項5又は6記載の浄水装置。
【請求項8】
前記外部管理装置は、前記水質データ、水圧データが、予め設定された基準値との比較により異常データと送信側の浄水装置又は受信側の該外部管理装置で判断された時、その異常データに関連する対象部のメンテナンス指示を表示及び/又は報知する警報手段を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の浄水装置。
【請求項1】
取水口及び透過水出口を少なくとも有する濾過手段を具備する浄水装置において、
前記濾過手段に流入する水の水質を検知できる位置と、前記濾過手段を透過した水の水質を検知できる位置とに、それぞれ水質検知手段を配置し、それらの水質検知手段の検知データにより前記濾過手段の不純物除去率を判断することを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
原水の取水口、透過水出口及び濃縮水出口を有する逆浸透膜ユニットで構成された逆浸透膜型濾過手段により原水を濾過して透過水と濃縮水とに分離し、注水操作に応じて所定量の透過水を注水口より注水し、更に、前記透過水出口から流出する透過水、濃縮水出口から流出する濃縮水を原水取水口に戻して再度前記逆浸透膜型濾過手段で濾過させるよう循環させる循環経路を有する浄水装置において、
前記逆浸透膜型濾過手段より上流の原水の水質を検知できる位置と、逆浸透膜型濾過手段より下流の透過水の水質を検知できる位置に、それぞれ水質検知手段を配置し、それら水質検知手段の検知データにより前記逆浸透膜型濾過手段を構成する逆浸透膜ユニットの不純物除去率を判断することを特徴とする浄水装置。
【請求項3】
前記逆浸透膜型濾過手段より下流で、濃縮水が流れる位置に、水質検知手段が配置されていることを特徴とする請求項2記載の浄水装置。
【請求項4】
前記水質検知手段による検知は、逆浸透膜型濾過手段の透過水出口と注水口との間に配置した電磁弁を閉鎖し、前記循環経路に原水を加えて循環させ、前記逆浸透膜型濾過手段で濾過された水を注水口から排水する経路洗浄後又は該経路洗浄終了前に、行われることを特徴とする請求項2又は3記載の浄水装置。
【請求項5】
前記逆浸透膜型濾過手段に原水、又は濃縮水を加圧供給する加圧手段を挟んで上流位置と下流位置に水圧検知手段が配置されていることを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の浄水装置。
【請求項6】
前記水質検知手段によって検知した水質データを、外部管理装置へ送信する送信手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の浄水装置。
【請求項7】
前記送信手段は、水圧検知手段によって検知した水圧データを、外部管理装置へ送信することを特徴とする請求項5又は6記載の浄水装置。
【請求項8】
前記外部管理装置は、前記水質データ、水圧データが、予め設定された基準値との比較により異常データと送信側の浄水装置又は受信側の該外部管理装置で判断された時、その異常データに関連する対象部のメンテナンス指示を表示及び/又は報知する警報手段を備えることを特徴とする請求項6又は7記載の浄水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−259949(P2008−259949A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103935(P2007−103935)
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成19年2月28日〜3月2日 社団法人 日本セルフ・サービス協会主催の「2007スーパーマーケット・トレードショー」に出品
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月11日(2007.4.11)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成19年2月28日〜3月2日 社団法人 日本セルフ・サービス協会主催の「2007スーパーマーケット・トレードショー」に出品
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】
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