説明

浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ

【課題】浮力を回転動力に利用するエネルギー節減型回転式ポンプを提供する。
【解決手段】回転浮動体12を回転可能に設置し、浮力体として、水平方向に配置されるシリンダー19を有するとともに、シリンダー内に摺動可能に組み込まれる少なくとも一個のピストン21,22を有し、ピストンの一方向への摺動によりシリンダー内部に液体を導入する一方、それと逆方向への摺動によりシリンダー内部に気体を満たす構成を具備し、ピストンの摺動のために、シリンダー外部に突き出すロッド25、26を設け、かつシリンダーの回転円周方向に沿って設けたガイドレール31、32とロッドを結合することにより、回転浮動体の回転に伴いピストンを誘導可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮力を回転動力に利用する、新規なエネルギー節減型の回転式ポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポンプは、例えば、圧力の働きによって流体を移送する装置である、ということができる。これまでのポンプは、如何にして効率を上げるかが技術開発の中心課題にあり、その場合の効率とは、圧縮率を高めることや、シール性を向上させること、或いは摩擦抵抗を減らし、回転部分の重量を軽くすることなどであった、と言って良い。
【0003】
これに対して、例えば特開平7-119612号は重力、浮力利用加圧ポンプを開示しており、それは、底部にシリンダーチューブを有するタンクと、同タンク内にて上下動可能なピストンを有し、かつ上部に注排水タンクを有する浮揚体よりなり、注排水タンクに注水して浮揚体を下降させ、シリンダーチューブ内の水をピストンで加圧し押し出したのち注排水タンクから排水し、浮揚体を上昇させてシリンダーチューブ内に水を流入させるという構成を有する。しかし、この装置は往復式であり、シリンダーチューブ内の水をピストンで加圧し押し出すために、浮揚体側の重量を利用し、また、浮力に対抗するために重りを必要とし、動きが緩慢である。また、注排水タンクへの注水と排水を交互に行うには、注排水を制御する必要がある。
【0004】
【特許文献1】特開平7-119612号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に着目して成されたもので、その課題は、浮力を回転動力に利用することによりエネルギー効率の顕著な向上を期待し得る、新規なエネルギー節減型の回転式ポンプを提供することである。また、本発明の他の課題は、僅かな原動力で非常に大容量の液体を排出することができる、浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記の課題を解決するため、本発明は、
A.液槽内に液を満たし、その液中に、気体と液体を分離して流通可能な中空構造を有し、かつ水平方向に設定される回転軸と、回転軸から所定半径の円周上に設けられた複数個の浮力体と、浮力体の気室部又は液室部と回転軸を通じる通路とを備えた、回転浮動体を回転可能に設置し、
B.浮力体として、水平方向に配置されるシリンダーを有するとともに、シリンダー内に摺動可能に組み込まれる少なくとも一個のピストンを有し、
C.ピストンの一方向への摺動によりシリンダー内部に気体を導入して気室を形成する一方、それと逆方向への摺動によりシリンダー内部に液体を導入して液室を形成する構成を具備し、
D.ピストンの摺動のために、シリンダー外部に突き出すロッドをピストンに設け、かつシリンダーの回転円周方向に沿ってガイドレールを設けて、上記のロッドと結合することにより、回転浮動体の回転に伴いピストンを誘導可能とし、
E.ガイドレールは、ピストンをシリンダー内にて一方に位置付け、気室容積を増して浮力を高めるために回転浮動体の上昇側にてシリンダーに接近するか又は離れ、下降側では、ピストンをシリンダー内にて他方に位置付け気室容積を減じて浮力をなくすためにシリンダーから離れるか又は接近する形態を取り、
F.シリンダーの気室部に通じる中空の回転軸部の一方を気体吸入口とし、シリンダーの液室部に通じる中空の回転軸部の他方を液体排出口とし、シリンダーの液室部には、気体容積の減少により液タンク内から液を導入し、気体容積の増大時に液の導入を停止する逆止弁を設ける、
という手段を講じたものである。
なお、気室部又は液室部とは、ピストンの移動によってシリンダー内に生じる、気体で満たされた部分、又は液体で満たされた部分、を意味しており、気室容積、液室容積とは、夫々気室部又は液室部の容積を示す。
【0007】
本発明は、上記の構成から明らかなように、液体中における気体の浮力を利用するもので、最も一般的には、液体は水、温水又は海水、気体は空気が適する。本発明の場合、液槽の中に回転浮動体を設置し、液中でそれを回転させることにより浮力が回転力に寄与するようにしたものである。液槽としては、タンクのほか、プール、或いは池沼、湖水、海を含む。
【0008】
回転浮動体は、気体と液体を分離して流通可能な中空構造であり、かつ水平方向に設定される回転軸を有し、また、回転軸から所定半径の円周上に設けられた複数個の浮力体を有していて、浮力体の気室部又は液室部と回転軸とは通路によって通じている。従って、本発明における回転浮動体として、回転軸を中心に持ち、そこから半径方向へ延びる部分を介して所定半径の円周上に浮力体が複数個並んでおり、ちょうど遊園地の観覧車のような形態を取ることは、望ましい態様である。浮力体となるシリンダーは、観覧車のゴンドラに相当する位置にあるが、しかし、ゴンドラのように吊り下げられる必要はない。
【0009】
浮力体は、水平方向に配置されるシリンダーを有する、言い換えれば、シリンダーは横置きした円筒の形態を浮力体は取り得る。浮力体は、シリンダー内に摺動可能に組み込まれる少なくとも一個のピストンを有しており、シリンダーの内部には、少なくとも1個、また、要すれば2個のピストンが組み込まれる。シリンダー内部は、ピストンがシリンダー内の一方に位置付けられたときに例えば気室部が無になるか或いは無に近くなり、ピストンが移動してシリンダー内の他方に位置付けられたときに例えば液室部が無になるか或いは無に近くなるような形態を取る。従って、シリンダー内に気室が形成され、浮力を生じる状態のものを浮力体と称するものである。
【0010】
上記の構成により、ピストンが一方向へ摺動することで、シリンダー内部に液体を導入する一方、それと逆方向へピストンが摺動することで、シリンダー内部に気体を満たすことができるものである。1個のシリンダー内に1個のピストンを備えている場合には、シリンダーの一端部が例えば気室部となり、シリンダーの他端部が例えば液室部となる。これに対して、回転浮動体が、シリンダー1個に対して2個のピストンを備えた構成を取る場合には、2個のピストンが接触したときにシリンダー内部における例えば気室容積が無となり、2個のピストンが外方へ移動して最も離れたときにシリンダー内部における例えば液室容積が無となる構成となる。2個のピストンは、上記のように摺動するように、後述するガイドレールにより、誘導される。
【0011】
ピストンの摺動のために、シリンダー外部に突き出すロッドをピストンに設け、それとともに、浮力体の回転円周方向に沿って前述のガイドレールを設けて、上記のロッドと結合する。ガイドレールは、回転浮動体の上昇側では、ピストンをシリンダー内にて一方に位置付け、気室容積を増して浮力を高めるために中間部ないし上部にて浮力体に接近するか又は離れ、回転浮動体の下降側では、ピストンをシリンダー内にて他方に位置付け気室容積を減じて浮力をなくすために浮力体から離れるか又は接近する形態を取る。
【0012】
ガイドレールは、1個のシリンダー内に1個のピストンを備えている場合には、回転浮動体の片側にのみ設ければ良いが、シリンダー1個に対して2個のピストンを備えている場合には、2個のピストンに設けられたロッドと結合してピストンを誘導するガイドレールを回転浮動体の両側に設けるものとする。これにより、回転浮動体の回転に伴いピストンを上昇側で気室を拡大し、また、下降側で液室を拡大するように誘導することができるものとなる。
【0013】
そして、浮力体の気室部に通じる中空の回転軸部の一方を気体吸入口とし、浮力体の液室部に通じる中空の回転軸部の他方を液体排出口とし、浮力体のシリンダーには、気体容積の減少により液槽内の液を導入し、気体容積の増大時に液の導入を停止する逆止弁を設けるものとする。逆止弁の形態、構造は任意であり、公知のあらゆる種類のものを使用することができる。
【0014】
さらに、前記の液槽に、回転浮動体から排出される液体の排出口に通じて、排出液体を受け入れる補助タンクを併設することができる。補助タンクは、本発明のポンプによって排出された液体を一端貯留する部分であり、液槽に接して設けても良いし、離れて設けても良い。
【0015】
このように構成されている、本発明の、浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプには、回転浮動体の始動のために、電動機を含む動力装置を使用することができる。電動機以外の動力装置としては、例えば、手回しクランクによるチェーンリングとチェーンを用いる手動式の回転駆動装置、内燃機関による原動機などを使用することができる。この動力装置は、回転浮動体の始動のためのみならず、回転速度を変化させる場合にも使用される。また、回転浮動体の回転速度の変更や停止のために、特に変速機や制動装置を備えることも当然可能である。
【0016】
本発明の装置では、回転浮動体の片側のほぼ半分のシリンダー列が上昇のための気室部(上昇側)となり、他の片側のほぼ半分のシリンダー列が液室部(下降側)になる。気室部において浮力が全体的に発生するのに対して、液室部では、内部の液体が外部の液体と同じであるから、自重による下降を期待しない代わりに、非常に小さい力で移動させることが可能であり、片側ほぼ半分のシリンダー列の気室部による浮力で、十分に他の片側の液室部を下降させるトルクを得ることができる。故に、始動時においても回転浮動体全体の回転をさせるために必要な外力は、ごく僅かで良い。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、浮力を回転動力に利用することによりエネルギー効率の顕著な向上を期待し得る、新規なエネルギー節減型の回転式ポンプを提供することができる。また、本発明によれば、僅かな原動力で非常に大容量の液体を排出することができる、浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図示の実施形態を参照して、本発明に係る、浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ10について、より詳細に説明する。図において、11は水を満たした液槽としてのタンク、12はその水中に設置した回転浮動体を示す。回転浮動体12は、気体流通路13と液体流通路14に分離された中空構造の回転軸15を有し、気体流通路13と液体流通路14とは、回転軸15から半径方向外方へ放射状に伸び一定半径の円周に達する複数個の通路部分16、17を有しており、それらの外方の端部が接続される浮力体18となるシリンダー19が円周上に等間隔で設けられている。例示の場合、シリンダー19は円周上に等間隔に配列されている。20は蓋、30は水の導入管を示す。
【0019】
浮力体18となるシリンダー19は、円筒形のシリンダー19を水平に配置したものであり、その内部には2個のピストン21、22を備えている。2個のピストン21、22は、両者が接触したときにシリンダー内部における気室容積が無となり、2個のピストン21、22が外方へ移動して最も離れたときにシリンダー内部における液室容積が無となる構成を有する。シリンダー19の材質としては、軽量な樹脂製が良い。
【0020】
このようなシリンダー19は、中央部側が気室部23となり、両端部側がともに液室部24となるので、前記の複数個の通路部分16、17は、気体流通路13に通じる通路部分16が気室部23に接続され、液体流通路14に通じる通路部分17が液室部24に接続されている。シリンダー19の中央部側に設定されている気室部23と、気体流通路13に通じる通路部分16の末端とは、気室容積が無となる状態でも、空気を導入して、気室部23を拡大できるようになっている。この意味で、気室容積が無となる状態とは、完全に空間がなくなってしまうのではなく、空気導入の可能な導入部分を有している状態である。
【0021】
ピストン21、22の摺動のために、シリンダー外部に突き出すロッド25、26を全てのピストン21、22に設け、かつシリンダー19の回転円周方向に沿ってガイドレール31、32を設けて、上記のロッド25、26と結合することにより、回転浮動体12の回転に伴いピストン21、22を誘導可能としている。例示の場合には、2個のピストン21、22を有しているので、それらに設けられたロッド25、26と結合してピストン21、22を誘導するガイドレール31、32を回転浮動体の両側に設けている。ロッド25、26と、ガイドレール31、32との結合は、例えばガイドレール31、32と外れないように係合して移動可能な、例えば回転輪からなる移動部材27、28と、ロッド25、26の向きに拘らず抵抗となることの少ない継ぎ手29を用いて行えば良い。図4参照。
【0022】
ガイドレール31、32は、例示の場合、中間部ないし上部にてシリンダー19に接近し、ピストン21、22をシリンダー内にてともに外方に位置付け、気室容積を増して浮力を高める構成を取っている。これに対して、下部では、ピストン21、22をシリンダー内にて中央方向に位置付け、気室容積を減じて浮力をなくすためにシリンダー19から離れる構成を取っている。図1では、ガイドレール31、32が上部において幅狭く、最下部付近のみ幅を広げて示されているが、このことは上記のガイド構成を、図上で表したものである。
【0023】
前記シリンダー19の気室部23に通じる、中空の回転軸15部の一方は、気体吸入口33となり、浮力体の18の液室部24に通じる、中空の回転軸15部の他方は、液体排出口34となる。さらに、シリンダー19には、気体容積の減少により液タンク内の水を導入し、気体容積の増大時に水の導入を停止する逆止弁35、36を設けている。図5は逆止弁35、36の例示であり、弁口37と、それを開閉するため弁軸に摺動可能に取り付けられた弁体38と、閉弁方向に弁体38を付勢する弾性体39をもって形成されている。
【0024】
液タンク11には、回転浮動体12の液体流通路14から排出される水の排出口34に通じて、排出水を受け入れる補助タンク40を併設している。補助タンク40は、液タンク11とほぼ同じ高さを有し、受け入れた排出水を、排水パイプ41によって外部へ排出することができる。
【0025】
回転軸15には、回転浮動体12の始動のために、電動機を含む動力装置を使用している。例示の動力装置は、電動機42と、回転軸15の各軸に固定した大小のスプロケットギヤ43、44、及びそれらに掛け回したチェーン45とを有している。図中、46、47は軸受け、を示す。
【0026】
例示のポンプ10の場合、液タンク11と補助タンク40とを共に密閉式構造としている。密閉式とすることにより、タンク内に水が充満した状態から、排出により空気部分が増していくにつれて、気圧が低下するので、この低圧を水のタンク内導入に利用することができる。液タンク11については開放水面をそのまま利用する場合もあるので、密閉式構造でなくても良いが、補助タンク40については密閉式が望ましい。
【0027】
このように構成された本発明の浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ10は、次のように作動する。すなわち回転浮動体12を構成するシリンダー19は、回転浮動体12の上昇側の領域では、図3の左に示すように、ガイドレール31、32が、その両側から離れているため、ピストン21、22も離間してシリンダー内にて外方に位置付けられ、気室容積を増して浮力を高める。これに対して回転浮動体12の下降側の領域では、図3の右に示すように、ガイドレール31、32が、その両側に接近するため、ピストン21、22も接触してシリンダー内方に位置付けられ、気室容積を減じて浮力をなくすことになる。よって回転浮動体12は図1において右回転する。図3中、Aは空気、Wは水を示す。
【0028】
回転浮動体12が回転すると、全てのシリンダー19が、あらかじめ設定されているガイドレール31、32の曲線によって上記のように案内されるので、ピストン21、22は、このように接近と離間とを繰り返しながら、回転浮動体12の上昇側の領域では強力な浮力を生じ、回転浮動体12の下降側の領域では浮力も下降力も生じないので、全体として回転力が発生し、回転浮動体12が回転を行う。この回転は、ピストン21、22の接近と離間を伴い、例えば気室部23が拡大する際には、空気が気体吸入口33から気体流通路13に導入され、それと逆比例するようにして、液室部24が減少し、水を排出するので、水は液体排出口34から補助タンク40へと、排出される。
【0029】
このような空気と水の吸入と排出について、作動開始、作動終了の位置は、継続する回転運動を維持する見地からタイミングを調整している。すなわち、各シリンダー19の最上点までは浮力が作用し、最下点までは浮力は作用する必要がないが、図示の例では、最上点の1ステップ前から水の吸入を開始し、また、最下点の1ステップ前から空気の吸入を開始する。水又は空気の吸入を開始するのは、16個のシリンダー19を有する図示の例では、最上点、最下点マイナス22.5度の回転位置においてである。この位置は、回転速度が速まればさらにマイナス方向へずらすこともある。例示の場合、以下のタイミングとした。
337.5度 シリンダー19内の空気の排除を開始し、水の吸入を開始する。
22.5度 シリンダー19内の空気の排除を完了し、水の吸入を完了する。
157.5度 シリンダー19内の水の排除を開始し、空気の吸入を開始する。
202.5度 シリンダー19内の水の排除を完了し、空気の吸入を完了する。
【0030】
上記において、シリンダー19の個数や角度などの数値は何れも例示であり、如何様にも変更し得る。この発明の装置はシリンダー19内に発生する強力な浮力を回転エネルギーとして利用することを特徴とするものであり、これによってポンプの運転に必要な動力を、ごく消費電力の少ない小型のモーターなどによって、相対的に大容量のポンプ出力を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
液槽に回転浮動体12を沈めて、回転させ、揚水を行う、という条件のもとで、著しい効率の向上を図ることができるので、液タンク又は水槽、プール、或いは湖水など、自然の静水面への設置に有効であり、単なる揚水のほか、発電用水の確保などに利用できる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係る、浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプの一例を示す正面説明図。
【図2】図1のものの縦断面説明図。
【図3】ピストンとガイドレールとの関係により、浮力の作用を説明するための模式的説明図。
【図4】ピストンの要部を示す断面説明図。
【図5】本発明に用いる逆止弁の1例を示す正面図。
【符号の説明】
【0033】
10 浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ
11 液タンク
12 回転浮動体
13 気体流通路
14 液体流通路
15 回転軸
16 通路部分
17 通路部分
18 浮力体
19 シリンダー
20 蓋
21、22 ピストン
23 気室部
24 液室部
25、26 ロッド
27、28 移動部材
29 継手
30 水の導入管
31、32 ガイドレール
33 気体吸入口
34 液体排出口
35、36 逆止弁
40 補助タンク
41 排水ポンプ
42 電動機
F フィルター
L 液面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A 液槽内に液を満たし、その液中に、気体と液体を分離して流通可能な中空構造を有し、かつ水平方向に設定される回転軸と、回転軸から所定半径の円周上に設けられた複数個の浮力体と、浮力体の気室部又は液室部と回転軸を通じる通路とを備えた、回転浮動体を回転可能に設置し、
B 浮力体として、水平方向に配置されるシリンダーを有するとともに、シリンダー内に摺動可能に組み込まれる少なくとも一個のピストンを有し、
C ピストンの一方向への摺動によりシリンダー内部に気体を導入して気室を形成する一方、それと逆方向への摺動によりシリンダー内部に液体を導入して液室を形成する構成を具備し、
D ピストンの摺動のために、シリンダー外部に突き出すロッドをピストンに設け、かつシリンダーの回転円周方向に沿ってガイドレールを設けて、上記のロッドと結合することにより、回転浮動体の回転に伴いピストンを誘導可能とし、
E ガイドレールは、ピストンをシリンダー内にて一方に位置付け、気室容積を増して浮力を高めるために、回転浮動体の上昇側にてシリンダーに接近するか又は離れ、下降側では、ピストンをシリンダー内にて他方に位置付け気室容積を減じて浮力をなくすためにシリンダーから離れるか又は接近する形態を取り、
F シリンダーの気室部に通じる中空の回転軸部の一方を気体吸入口とし、シリンダーの液室部に通じる中空の回転軸部の他方を液体排出口とし、シリンダーの液室部には、気体容積の減少により液タンク内から液を導入し、気体容積の増大時に液の導入を停止する逆止弁を設けた、
G 上記AないしFによって構成された浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポン
プ。
【請求項2】
回転浮動体は、シリンダー1個に対して2個のピストンを備えており、2個のピストンが接触したときにシリンダー内部における気室容積が無となり、2個のピストンが外方へ移動して最も離れたときにシリンダー内部における液室容積が無となる構成を有するとともに、2個のピストンに設けられた軸と結合してピストンを誘導するガイドレールを回転浮動体の両側に設けた請求項1記載の浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ。
【請求項3】
液槽に、回転浮動体から排出される液体の排出口に通じて、排出液体を受け入れる補助タンクを併設した構成を有する請求項1記載の浮力を利用するエネルギー節減型回転式ポンプ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−132214(P2007−132214A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323897(P2005−323897)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(391028764)
【出願人】(397072569)
【Fターム(参考)】