説明

浮動式表示装置

【課題】浮動式表示装置を提供すること。
【解決手段】揺動アーム型の浮動式表示装置は、プリンタに搭載したインク貯蔵開口容器(1)を含む。浮動式表示装置は、開口容器(1)内に配置した揺動軸(2)と揺動アーム(3)とをさらに含む。揺動アーム(3)は回転軸孔(4)を含むと共に、浮動部(5)と反射面(6)とをさらに含む。開口容器内の残インク量がなくなると、プリンタがインクを使い切ったことを適時に表示することで、ユーザはインク切れに対応することができる。浮動式表示装置は強い光反射と単純な構造を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリンタで使用するインクカートリッジに関し、より詳細には、カートリッジ本体又はインクカートリッジ内のインク切れを示す浮動式表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
市販のインクジェットプリンタでは、印刷中にインク貯蔵容器内のインクが切れたことをユーザに示すために、通常は、三角形プリズムとして機能する三角形の集光ブロックをインクカートリッジに形成又は搭載し、プリンタのインクカートリッジの集光ブロックを搭載した部分の下に、インク切れ検知センサの検知ヘッドを搭載する。インクカートリッジ内のインクを使い切ると、集光ブロックがインクレベル外に露呈して光で照射される。集光ブロックに照射された光を集光ブロックがインク切れ検知センサの検知ヘッド上でまとめて反射させることで、プリンタのインク切れ検知センサの検知ヘッドに信号が送られる。プリンタがインクを使い切ったことを適時に知らせることで、ユーザはインク切れに対応することができる。しかし、このようなインクカートリッジを光透過性の高い高価な材料で製造する構成では、インクカートリッジの型を製造するプロセスが必然的に複雑となり、また周辺光が弱い場合、実際の集光効果が望ましくないことから、表示エラーが起こり易い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、単純な構造を有し、表示が直接的且つ正確であり、製造が容易な浮動式表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的を達成するべく、以下の技術的解決法により本発明を実施する。本発明の浮動式表示装置は、プリンタに搭載したインク貯蔵容器を含み、該浮動式表示装置は、前記容器内に配置した揺動軸と、回転軸孔を備えた揺動アームをさらに含み、該揺動アームは浮動部と反射面をさらに含むことを特徴とする。
【0005】
好ましくは、揺動アームの一端に回転軸孔を配置し、揺動アームの他端に浮動部を配置し、浮動部に反射面を連結し、反射面の容器底面に面した側に反射層を固定する。
【0006】
好ましくは、揺動アームを湾曲化し、揺動アームの中心に回転軸孔を位置させ、揺動アームの一端に浮動部を配置し、揺動アームの他端に遮光板を配置し、前記容器はその底部に反射層をさらに含む。
【0007】
好ましくは、揺動アームは不透明の材料で製造する。
【0008】
好ましくは、揺動アームはインクより低い比重を有するプラスチックで製造する。
【0009】
好ましくは、容器底面の検知ヘッドに対向した部分を透明又は半透明の材料で製造する。
【0010】
反射層はステンレス鋼板、アルミホイル、又は反射コーティングであることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
上記解決法によって製造した揺動アーム型の浮動式表示装置を使用すれば、インク貯蔵容器にインクが存在する場合には浮動部がインクレベルに浮く。容器内のインクを使い切ると浮動部が下降し、反射面とプリンタのインク切れ検知センサの検知ヘッドとの間を隔てるインクが全く又はほとんど無い状態となる。反射面から反射された光が容器の底面層を透過することで、インク切れ検知センサの検知ヘッドに信号が送られる。このようにプリンタがインクを使い切ったことを適時に表示することで、ユーザはインク切れに対応することができる。三角形の集光ブロックを採用する技術的解決法に比べて、本発明の解決法は光反射が強く、構造が単純であり、性能も信頼性が高く、かつ製造が容易である。
【0012】
添付の図面の参照と共に以下の本発明の詳細な説明から、当業者には本発明の上記及びその他の目的、特徴、並びに利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインク貯蔵開口容器の斜視図である。
【図2】図1に示す揺動アームの斜視図である。
【図3】図2に示す揺動アームを取り付けた、図1に示すインク貯蔵開口容器の構造を示す図である。
【図4】インクをほとんど使い切った状態の、図3に示す揺動アームの位置を示す図である。
【図5】インクがある状態の本発明の第2の実施の形態の正面図である。
【図6】内部のインクをほとんど使い切った状態の、図5に示すインク貯蔵容器の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面と第1の実施の形態の揺動アーム型の浮動式表示装置を参照して、本発明をさらに説明する。
【0015】
図1はインクを貯蔵する開口容器1の概略構造図である。インク貯蔵開口容器1は透明又は半透明のプラスチックで製造し、容器1内に揺動軸2を配置する。図2は揺動アーム3の斜視図である。揺動アーム3は、インクより低い比重を有するプラスチックで製造する。揺動アーム3の一端には揺動軸2と枢動可能に連結する回転軸孔4を設け、アーム3の他端には浮動部5を設ける。反射面6は浮動部5に連結され、反射面6の容器1底面に面した側にステンレス鋼板又はアルミニウムホイルの反射材7が固定される。代替的に、反射面6に反射材7をコーティングしてもよい。
【0016】
図3及び図4は、上記構造を有する揺動アーム型の浮動式表示装置の動作を概略的に示す図である。組み立てる際には、揺動アーム3が揺動軸2の周りを回転し得るように、揺動アーム3の回転軸孔4に揺動軸2を挿入する。容器1の開口部はプラスチックフィルム8でシールして、インク貯蔵容器1を密閉する。容器1にインク9を充填すると、容器1内のインク9の量によって浮動部5が上下する。印刷中、インク9をほとんど使い切ると、プリンタ内のインク切れ検知センサの検知ヘッド10の位置に反射面6が直接対向する(図4に示す)。反射面6から反射された光により検知ヘッド10に信号が送られ、インク9をすでに使い切った状態であることが示される。
【0017】
インク貯蔵容器1全体を透明若しくは半透明のプラスチックで製造しないのであれば、少なくとも容器1底面の検知ヘッド10に対向する部分は透明若しくは半透明の材料で製造される。この場合ももちろん、反射面6については容器1の内底面に対向するよう浮動部5に直接配置することができる。インク貯蔵容器1のカートリッジ又はインクカートリッジの構造は多様であるため、ここでは本発明の揺動アーム型の浮動式表示装置の実施の形態のみを記載する。
【0018】
次に、本発明の第2の実施の形態の構造を説明する。
【0019】
図5は、インクがある状態の本発明のインク貯蔵容器の正面図である。本発明は透明若しくは半透明のプラスチックで製造したインク貯蔵開口容器10を含み、この容器10内に揺動軸20を配置する。湾曲した揺動アーム30が揺動軸20に取り付けられ、揺動軸20の周りで揺動する。揺動アーム30の一端には、インクの量によって上下する浮動部40が設けられ、アーム30の他端には遮光板50が設けられる。揺動アーム30全体はインクより低い比重を有する不透明又は略不透明のプラスチックで製造される。インク貯蔵容器10の底面付近に、容器の内側底面に対向した反射面60が配置される。プリンタのインク切れ検知センサの検知ヘッド70に反射面60が直接対向させられて、ステンレス鋼板又はアルミホイルの反射材80が反射面60に固定される。代替的に、反射面60を反射材80でコーティングしてもよい。容器10の開口部がプラスチックフィルム90でシールされて、インク貯蔵容器10は密閉される。容器10内にインクがあるうちは、反射面60は遮光板5で遮られている。よって検知ヘッド70は信号を受信することができず、容器10内にまだインクが存在することが示される。
【0020】
図6は内部のインクをほとんど使い切った状態のインク貯蔵容器の正面図である。インクをほとんど使い切ると、浮動部40が下がることで遮光板50が移動するため、反射面60を遮るものがなくなる。よって反射光によって検知ヘッド70に信号が送られ、インクをほとんど使い切ったことが示される。
【0021】
インク貯蔵容器10全体が透明若しくは半透明のプラスチックで製造されない場合は、少なくとも容器10底面の検知ヘッド70に対向する部分は透明若しくは半透明の材料で製造される。
【0022】
本発明の浮動式表示装置を使用すれば、容器内のインクを使い切ると、反射面とプリンタのインク切れ検知センサの検知ヘッドとの間を隔てるインクが全く又はほとんど無い状態となり、光が反射してインク切れ検知センサの検知ヘッドに信号が送られる。よって、インクを使い切ったことをプリンタが適時に示すことで、ユーザはインク切れに対応することができる。本発明の浮動式表示装置は強い光反射、単純な構造、そして信頼性の高い性能を有すると共に、製造が容易である。
【0023】
上記の実施の形態は本発明を例証するためのものにすぎず、本発明を制限するものではない。当業者は本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、実施の形態を多様に変更又は変形することができよう。従って、全ての同等の技術的解決法は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0024】
1、10 開口容器
2、20 揺動軸
3、30 揺動アーム
4 回転軸孔
5、40 浮動部
6、60 反射面
7、80 反射材
8、90 プラスチックフィルム
9 インク
10、70 検知ヘッド
50 遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタに搭載するインク貯蔵容器を含む浮動式表示装置であって、
前記容器内に配置した揺動軸と、
回転軸孔を有する揺動アームとをさらに備え、前記揺動アームが浮動部と反射面とをさらに含むこと、
を特徴とする浮動式表示装置。
【請求項2】
前記揺動アームの一端に前記回転軸孔を配置し、前記揺動アームの他端に前記浮動部を配置し、前記浮動部に反射面を連結し、前記反射面の前記容器底面に面した側に反射層を固定すること、を特徴とする請求項1に記載の浮動式表示装置。
【請求項3】
前記揺動アームを湾曲化し、前記揺動アームの中心に前記回転軸孔が位置し、前記揺動アームの一端に前記浮動部を配置し、前記揺動アームの他端に遮光板を配置し、
前記容器がその底部に反射層をさらに含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の浮動式表示装置。
【請求項4】
前記揺動アームを不透明の材料で製造すること、を特徴とする請求項3に記載の浮動式表示装置。
【請求項5】
インクより低い比重を有するプラスチックで前記揺動アームを製造すること、を特徴とする請求項2に記載の浮動式表示装置。
【請求項6】
前記容器底面の検知ヘッドに対向した部分を透明又は半透明の材料で製造すること、を特徴とする請求項4又は5に記載の浮動式表示装置。
【請求項7】
前記反射層がステンレス鋼板、アルミニウムホイル、又は反射コーティングであること、を特徴とする請求項6に記載の浮動式表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−515595(P2010−515595A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544353(P2009−544353)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/CN2007/070449
【国際公開番号】WO2008/083564
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(509187945)
【Fターム(参考)】