説明

浮遊植物種栽培基保持用の支持体

本発明は、浮遊植物種栽培基保持用の支持体に係り、該支持体は少なくとも二つの独立支持要素(10)により保持されるよう構成される。この支持体は、少なくとも一つの種子と植物と植物の一部及び/又はそれらの組み合わせを収容する少なくとも一つのハウジング(2,3)を含む平坦な格子構造体(1)と、構造体(1)により画定される平面と植物の水面から突出する部分との交点に対し植物の部分が生成するモーメントと力を、植物がその根及び/又はその根茎の増殖時に独力で生存し再生できる生育段階まで補償し、前記モーメントと力を独立支持要素(10)へ伝達する独立支持要素(10)に繋留するための少なくとも二つの繋留要素(5,6)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は浮遊植物種の栽培分野に含まれる。本発明は、より詳しくは例えば湖や河川等の水媒体の表面に、挿し木や根茎や球根等の種子や植物またはその一部を種蒔きし栽培する支持体に関するものであり、種子や植物またはその一部が前記支持体を支持手段として備える水媒体上で生育させることができ、この支持体は水媒体の水面に配置された独立支持要素に接続される。
【背景技術】
【0002】
水中で植物を生育させるための従来の方法は水耕栽培として公知であり、これは土壌を必要とせず、水中で植栽し栽培することからなる。それでもなお、これらの植物は水没させた基板または容器内に常時支持されるものであり、あるいは固い地面または地面に固定した構造体で支持される。
【0003】
この種の栽培は、浮遊水生大型植物フィルタによる廃水や汚染流出物の浄化に使用されている。例えば特許文献1には、水面上での水生大型植物の植栽に基づいたこの種の浄化システムが記載されている。
【0004】
大型水生植物を所定の場所に固定するために使用されるプロセスは、浮遊支持体上に苗や根茎を配置することに基づいており、各植物は組み込まれた固定システムにより対応する河川または水媒体に届かなければならない。特許文献1に記載されているように、小径(1mm未満)のワイヤを植物固定システムとして使用することができ、ここでワイヤは植物の根系や葉の周りに巻回される一端と、クリップまたは同様のシステムにて終端する他端とを有しており、浮遊要素に対して迅速に取着が行えるよう素早く自由に固定可能となっている。
【0005】
これまでに組み込まれた浄化器では、複数のポリエチレン管が独立支持要素として使用される。これらの管はその中へ水が流入しないようにその端部が閉じられ、管の浮力を保証する。ワイヤの自由端を結び付けた植物をこの管に固定し、この管をこの種の植物の根鉢を介して植物に接合させてある。このように固定されて生育する場合、植物は管上で成長するにつれ回転し、反転して根が空中に、葉が水中に位置するように自然な位置とは逆転してしまう。大半の植物は、根が上向きになりすなわち水から出て、葉が下向きになり水中に没して死んでしまい、死んでしまった植物または管から放出された植物は再植栽や交換の必要があるため、水生大型植物フィルタの形成が遅れる。
【0006】
浮遊大型水生植物を含む他の浄化装置においては、これらの苗を水中に植栽するとき、植物を支持するために以下に述べるような様々な方法を試す必要があった。
【0007】
最初の方法は植物を2本の管の間に保持するものである。管の一方は浮遊式のポリエチレン管、他方はゴム管であり、これらの管を50cmの距離ごとに金属クランプにより直線的に接合する。植栽を実行するためには、管を分離し、クランプによる管の接合部に近い領域に植物を組み込んで2本の管の間に配置し、別のクランプにより再接合する。これにより植物は「剛性」ポリエチレン管と「弾性」ゴム管の両管の間に保持される。すなわち植物は2本の管及び二つのクランプ間の圧力により保持されるものであるが、植物は2本の管の間で圧力に連続的にさらされて締め付けられるために死をもたらすこととなり、再び別の態様(3経路)にて再植栽することが必要となる。
【0008】
他の選択肢は、鶏小屋のような様式の金属構造を配置するように浮遊管を配置するものである。各植物の根系は網目の隙間を挿通することになり、この植物の葉の基部は網目の隙間よりも大きな長さを有する木製または針金製のロッドにより前以て径方向に横切られることになる。このようにして、この植物は横切るロッドにより鶏小屋の網目に固定される。しかしこのシステムを用いると、植物は相当の成長の遅れやその死さえをも伴う物理的損傷にさらされることとなり、システムが正しく作動するのに必要なだけ植物が根をはるためには、数回にわたる再植栽が必要となる。
【0009】
他の選択肢は、3cmを超す肉厚を有する植物繊維(ココナッツ繊維)の浮遊式カーペット上に種を蒔くというものである。植物の根系は繊維間に配置され、それによってその根が水浴し、繊維カーペット上方の空中に葉を出す。繊維は時間経過とともに吸水し、カーペットが水中に沈み始めてその植物を取り込んでしまうため、この植物は水没時に死んでしまう。
【0010】
さらに、先の事例では、水路に存在する菌類が引き起こす病気にかかるために植物が死んでいく。このような場合には、多価殺菌剤を用いて処置するが、植物の死を止めることができないこともある。この殺菌剤は、ココナッツ繊維カーペットにも取り込まれる。このシステムは、バクテリア、ウイルス、菌類による細菌性の汚染に加えて、昆虫や小動物のある場所から別の場所への望ましくない移送と拡散とを伴うものであった。別の深刻な欠点は、繊維が腐敗すると自分自身により水を汚染して水の生化学的酸素必要量を増大させることにより、自分自身の材料組成をもって水の富栄養化を招来してしまうことである。
【0011】
他のシステムは常時起立スタンドの使用に基づくものであり、直径約3cmで高さ約5cmの周縁壁を有する非閉塞シリンダ状管内で植物を成長させるよう構成される。シリンダは数十倍の肉厚を有する金属シートから、このシートを筒状に曲げて軸方向に端部を重複させることにより製造される。植物の根系がシリンダ内部を満たすほど成長すると、根系がシリンダの壁を押圧する。シリンダと植物によるアッセンブリは、厚肉の壁(3cmの肉厚)を有しかつ密度が極めて低い材料を用いて構成した別のシリンダを用いて後に包囲され、根鉢と植物とシリンダによるアセンブリの重量が、シリンダとその根系を含む根鉢が排除する水の重量未満であり(シリンダは断熱管、すなわち「その環境から加熱されたまたは高温の水を円筒状に封入するのに使用される加熱用ジャケット」を用いて製造される)、これにより常時起立スタンドを達成し、約25cmの長さの針金をシリンダの軸に固定し、その針金に相当の重量(17グラム)を固定する。
【0012】
植物付の常時起立スタンド装置はロープに固定され、それによって適当な距離だけ互いに分離された植物の連なりが形成される。このシステムは植物が成長し始めると重心が移動し、常時起立スタンドでなくなってしまうという深刻な欠点を有している。これは、植物がシリンダ内に組み込まれているために、根茎が側方に出て来ることも、水を介して植物周りに伸びることもできず、この植物が一定の高さを持ち始めるとこのアッセンブリのバランスが失われ、植物は水中に水平方向になり、植物がバランスを失う前に根茎の一部がシリンダ端部を介して何とか逃れるという事実のため一部の植物だけが生存できるためである。このシステムは、植物の生育時に発生する反転モーメントにより植物が水中に水平方向に配置されるような、最初に説明した植物を針金手段により管に固定する場合と、同じくまたは物理的に同様に機能する。反転モーメントは風が常時起立スタンドアッセンブリから出る空中部分に対し衝突するときに、風によりさらに極めて顕著に増大し、植物は重心の移動によりアンバランスになる前に水中で水平方向になってしまうこともある。
【0013】
使用中の他のシステムは、枕の形をしたココナッツ繊維ブラケットを巻回すことで得られる数メートルの長さと約40cmの直径とを有するシリンダ状支持体を用いる水耕栽培により構成されるが、現在までのところ浮遊式の安定した水中での長期継続栽培を達成できていない。
【0014】
特許文献2には、多孔質板と、該多孔質板の周縁部分に固定態様で保持される浮遊ラックとを有する、土を使用せずに植物を栽培する装置が記載されている。アッセンブリの浮力は、多孔質層が水面に直接触れることにするものである。ラックは、接合時に円形管状本体を形成する半円部分を有する二つのリング形状要素により形成されている。
【0015】
この装置の欠点は、植物が一定程度生育したときに、茎と葉の重量により植物が反転してしまうことによって根が水との接触を失い、葉が水没して植物が死んでしまう点である。
【0016】
特許文献3には、複数の中空浮遊本体を有する植物栽培用の浮遊装置が記載されており、前記浮遊本体の中心領域に配置された第1の通路または凹部に収めた植物を収容する容器をそれぞれ有する。浮遊本体は、この浮遊本体の異なる部分に画成された第2の通路上に配置された異なる係合端部を含む接続手段を介し、互いに直接接合されている。
【0017】
前記した装置は他の同一の装置には接続可能であるが、独立浮遊本体には接合できないため、浮遊本体のアッセンブリの位置は一旦接合した後にはいかなるときも固定されることがなく、アッセンブリが反転する危険があるかもしれない。
【特許文献1】国際公開第98/45213号パンフレット
【特許文献2】スペイン国実用新案第269842号明細書
【特許文献3】米国特許第6843021号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
以上述べたことのために、前記の課題を可能な限り防止し、その設計が非常に簡単であるような、浮遊植物の植栽と栽培のための支持体を提供する必要性が認められる。すなわち、種子と植物又はその一部とを受容する複数のハウジングを有し、さらに問題の水媒体内に配置する支持要素に繋留し、前記水媒体が画成する輪郭の外側領域に配置された固定点に対し独立し適切に固定されるような繋留要素を有する平坦な格子構造が設計された。構造体と繋留要素の両方は、植物の水面から突出する部分が構造体が画成する平面と該部分との交点に対し生成するモーメントや力が植物の所定の生育段階まで補償されるように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的は、請求項1に規定された本発明により達成される。本発明の好適な実施形態は、従属請求項に規定される。
【0020】
本発明は、浮遊植物種栽培基を保持する支持体に関する。該支持体はその支持体が有する少なくとも二つの独立支持要素により支持されるよう構成される。
【0021】
支持体は、一つの種子と植物と植物の一部及び/又はそれらの組み合わせを保持するよう構成した少なくとも一つのハウジングを有する平坦な格子構造体と、植物の水面から突出する部分が構造体により画定される平面と該部分との交点に対し生成するモーメントと力を、植物がその根及び/又はその根茎の増殖時に独力で生存し再生する生育段階まで補償し、前記モーメントと力を独立支持要素へ伝達する、独立支持要素に繋留するための繋留要素と、を備える。
【0022】
こうして支持体の構造のため、この構造体が平坦で、独立支持要素が水媒体の自由面に対し平行な平面に常時配置されるので、前記構造体にこの構造体を前記平面に保持する繋留手段を配設することで、特に植物の水没していない部分が引き起こす前記平面内に含まれる軸に対する反転モーメントが補償される。
【0023】
この構造体は、植物のしかるべき生育まで、具体的には植物が所定量の根の成長時に独力で生存するまで、モーメントを補償し、たとえ植物が反転したとしても、植物には水没しない十分な部分が存在することによりこの種の植物が生存して成長を持続できるよう設計される。さらに、平坦な構造体の格子の働きにより、植物はその根茎や根を構造体の異なるハウジング上に繋留することで次の段階にて成長させることができ、独立支持要素上に直接支持することさえできる。
【0024】
ハウジングは、培養基や化学肥料や栄養素や微量元素やそれらの組み合わせ及び/又は植物保護製品から選択された成分を収容できるよう構成される。
【0025】
上記の成分は、植物によるこの種の成分の吸収を促すために植物を囲繞する領域内に配置することができる。
【0026】
ハウジングは、苗をその初期生育段階において起立保持するよう構成した複数の機械的保持要素を有する。機械的保持要素は具体的にはハウジングの内部輪郭に沿って不連続に配置し、支持構造体と共面にて配置したフランジを構成し、植物の茎を支持する領域内で仕上げる。機械的保持要素を支持する領域は、角を取った端部や先の尖った端部や平坦な端部で出来ており、その肉厚はその端部が屈曲時にバンドとして機能してその形状復元に貢献するようになっている。
【0027】
これらの端部が格子内に保持する植物等の要素を若干押圧し同時に保持するものとすると、フランジは不連続に配置され、この種フランジ間に存在する空間内での茎の生育を可能にするため、機械的保持要素の端部のために茎を損傷することなくその初期の成長段階中に植物の正しく安全な支持が可能となり、同時に前記支持が前記茎の狭窄やその生育に際しての植物の早発性の死とを引き起こさないことが達成される。
【0028】
ハウジングの一つは通常平坦な格子構造体に対し中心に配置され、残りのハウジングは前記ハウジングと平坦な格子構造体の輪郭を規定する端部との間で保護される。
【0029】
これにより、ハウジングの一つが中心に配置されているため、この構造体内の力の初期平衡の存在が可能とされる。
【0030】
少なくとも一つの容器を随意選択的にハウジングの少なくとも一つに配置でき、該容器は種子や植物や植物の一部の実体が水媒体を交換できるよう構成される。この容器は、ハウジング内に導入する種子や植物や成分の大きさが定まると、機械的保持要素が前記要素を収容するに十分でない場合に使用されることになる。
【0031】
平坦な構造体は台形をなし、繋留要素をその隅部内に位置し、二つの繋留要素を独立支持要素に接続し、他方の二つの繋留要素を先の繋留要素に直接連なる独立支持要素に接続し、突起を有する前記要素をその中に独立支持要素が適合できるよう構成し、かくして前記繋留要素のうち二つは独立支持要素を分離しやすくし、他の二つの繋留要素は前記支持要素を互いに近接しやすくする。
【0032】
こうして、平坦な構造体と繋留要素の両方からなる前記構成体を用い、独立支持要素に対し平坦な構造体の相対的な動きを固定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
一連の図面を以下にごく簡潔に説明する。これらは本発明のより良き理解を助け、例示的かつ非限定的な例として記載する本発明の幾つかの実施形態に、特に関連するものである。
【0034】
図1から見てとれるように、本発明の浮遊植物種栽培対象を保持する支持体は、異なる大きさと形状を有する複数の格子により形成された平坦な構造体(1)を備える。前述の構造体は、少なくとも一つの種子や植物やその一部、または例えば挿し木や根茎等を保持するよう構成されたハウジング(2,3)を複数有している。この構造はまた、構造体(1)を独立の支持要素(10)に接続するための繋留要素(5,6)を複数有する。前記繋留要素(5,6)は、植物の水面から突出する部分が、構造体(1)により画成される平面と該部分との交点に対して生成するモーメントや力を補償するように構成されている。植物が反転して葉と茎が水媒体内に一部水没した場合でも、生存と再生に十分な根茎が生成されるような植物の所定の成長段階まで、このモーメントは補償される。
【0035】
本発明の第1実施形態では、繋留要素(5,6)は数が4個である。繋留要素の数は特定の事例ごとに平坦な構造体の幾何構造によって様々なものであってよいが、必然的にはその数は少なくとも2個である。繋留要素(5,6)は本実施形態ではほぼ台形の平坦な構造体の隅に配置される。二つの繋留要素は独立支持要素に接続され、他の二つの繋留要素が先の繋留要素に直接連なる支持要素に接続される。この場合、独立支持要素(10)はそれぞれの端部で閉じた管状体により構成されており、これによって所定量の空気が中に含まれ、本体が浮遊するようになる。浮遊要素は平行となる傾向があるので、そこに接合される支持体アセンブリと、所定の成長段階までその中で生育する植物の重量とを支えることがさらに可能である。そうでなければ独立支持要素は、本発明の支持対象などの支持体を少なくとも一つその空隙内に組み込むことができるような、メッシュの網目または構造であってもよい。
【0036】
繋留要素の形状と位置は構造体(1)に対し様々なものであってよく、それらの特徴は一方で平坦な構造体(1)の形状によって決められ、他方で独立支持要素(10)の配置によって決められる。
【0037】
繋留要素(5,6)はその中に独立支持要素を接合し適合させることができるよう構成された突起を有し、これにより前記繋留要素のうち二つは独立支持要素を分離しやすくし、他の二つの繋留要素は前記支持要素の互いにより近づくように動きやすくする。
【0038】
図2〜図5から見てとることができるように、第1の実施形態では、繋留要素(5,6)は具体的には半円形クランプの形を有しており、独立支持要素(10)を導入する開口または口部(11,11’)を有する。前記開口は、繋留要素が独立支持要素を接合しやすくするか又は分離しやすくするかに応じて、異なる場所に配置される。平坦な構造体(1)を形成する台形の短辺の端部に配置された独立支持要素(10)を繋留要素(6)により接合しやすくする場合、開口(11’)はクランプの下部に配置され、フックとして機能し、独立支持要素(10)を互いに近づくように移動しやすくする。他方、台形の長辺に関連付けられた繋留要素(5)にあっては、クランプの開口(11)はその中央部分に配置されて独立支持要素(10)上での組立を容易にするとともに、独立支持要素(10)を同時に分離接合しやすくなる。
【0039】
この構造体の構成、すなわち、異なる辺を有する台形構造及び配置される台形の辺によって決まる繋留要素(5,6)の異なる構成により、組み立てられた前記繋留要素(5,6)と前記独立支持要素(10)との間に反力が生まれるようにし、構造体(1)が前記独立支持要素(10)に対して相対運動しないようにできる。平坦な構造体の形状は限定されるものではなく、任意の公知の幾何形状を採用することができる。
【0040】
本発明の第2実施形態、すなわち図6と図7では、繋留要素の構造を変化させてあり、2種類の突起、すなわち端部で屈曲する第1の短尺突起(12,12’)と第2の長尺突起(13,13’)とが存在しており、全ての突起は構造体(1)の下面から延びる。
【0041】
独立支持要素(10)を互いに近接移動しやすくする突起(6)の場合、第1の突起(12’)は第2の突起(13’)よりもさらに内側の位置に配置され、第2の突起の屈曲を内側に向かせて、独立支持要素(10)を互いに近接させるフックとして機能させる。独立支持要素(10)を分離しやすくする突起(5)の場合、第1の突起(12)を第2の突起(13)よりもさらに外側の位置に配置し、第2の突起の屈曲を独立支持要素(10)を安全に保持することができるように外側に向ける。
【0042】
本発明の両方の実施形態でも、一例としてはこの場合円形とする、中央のハウジング(2)を備えることができ、残るハウジング(3)を中央ハウジングの外郭により画成して、一連の対角支柱と端部内面とが平坦な構造体(1)の台形輪郭を画成するようにする。
【0043】
種子や植物に加え、化学肥料や別種の栄養素や微量元素だけでなく、例えば培養基等の植物の成長を増進させる他の一連の生産物または要素をハウジング(2,3)内に蓄積させてもよい。植物保護製品は、植物がかかり得る病害の処置用に蓄積させてもよい。同様に、アッセンブリの浮力を増大させるブイまたは同様の要素や、植物の成長を識別し研究するのに役立つ説明文を配置する標識を、前記ハウジング内に配置してもよい。
【0044】
種子や植物を保持する一連の機械的保持要素(7)が、平坦な構造体(1)の異なるハウジング(2,3)内に配置される。この要素の主要な役割は、主に生育する植物の茎に対する支持体として、前記機械的保持要素(7)やそれらを収容するハウジングの端部によってまたは平坦な構造体(1)の格子によって保持するように使用することである。
【0045】
本発明の支持対象が植物と種子と植物の一部の両方を水平方向に支持できるようにしている場合、ハウジングの内部輪郭上に配置されている全事例において、一連の機械的保持要素(7)を各ハウジング(2,3)内に配置し、不連続に位置づけ、茎の直径が異なる、異なる生育段階における植物を支持するためにハウジングごとに数と形状がばらつかせてもよい複数のタブ又はフランジ内に形成する。前記した不連続性は、狭窄し植物の死を招くことなく、植物の後の生育のために有益である。
【0046】
機械的保持要素(7)は、角を取った端部、鋭い端部、または平坦な端部を有し、ハウジング(2,3)の輪郭に対し異なる角度を形成することができる。機械的保持要素(7)の肉厚は、植物、根茎、茎、種子及び/又は容器または入れ物を保持する形状及び位置復元記憶を有するバンドとして機能できるようなものとする。
【0047】
例えば種子や化学肥料や植物保護製品等の小さな要素をハウジング(2,3)内に貯蔵する場合には、容器との連携(図示せず)が必要となるだろう。
【0048】
容器は、ハウジング(2,3)内部に結合可能なように任意の形状と寸法を有していてよい。前記容器はさらに、種と植物と植物の一部を含む個体を水媒体と交換できるような形状であってもよい。この目的のため、容器は前記交換用に一連の開口を備えていてもよく、または場合に応じて網目であっても、多孔質であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の浮遊植物種栽培対象を保持する支持体を示す平面図である。
【図2】I−I断面による図1の支持体を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に関する、II−II断面による図1の支持体を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に関する、III−III断面による図1の支持体を示す断面図である。
【図5】図1の支持体を示すVI−VI断面による断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に関する、II−II断面による図1の支持体を示す断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態に関する、III−III断面による図1の支持体を示す断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浮遊植物種栽培基保持用の支持体であって、
少なくとも二つの独立支持要素(10)により保持され、
平坦な格子構造体(1)を備え、
前記平坦な格子構造体(1)が、少なくとも一つの種子、植物、植物の一部、及び/又はそれらの組み合わせを収容する少なくとも一つのハウジング(2,3)と、
前記構造体(1)により画定される平面と前記植物の水面から突出する部分との交点に対し、前記植物の水面から突出する部分が生成するモーメントと力を、前記植物がその根及び/又はその根茎の増殖時に独力で生存し再生する生育段階まで補償し、前記モーメントと力を前記独立支持要素(10)へ伝達する、前記独立支持要素(10)に繋留するための少なくとも二つの繋留要素(5,6)と、を有する、支持体。
【請求項2】
前記ハウジング(2,3)が、培養基、化学肥料、栄養素、微量元素又はこれらの組み合わせから選択される成分を収容する、請求項1記載の支持体。
【請求項3】
前記ハウジング(2,3)が、植物保護製品を収容する、請求項1記載の支持体。
【請求項4】
前記ハウジング(2,3)が、保持状態を維持して初期生育段階において起立生育するのを補助する複数の機械的保持要素(7)を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の支持体。
【請求項5】
前記機械的保持要素(7)が、前記ハウジング(2,3)の内部輪郭に沿って不連続に配置される、請求項4記載の支持体。
【請求項6】
前記機械的保持要素(7)が、前記植物の茎を支持する領域において終わり前記支持体に対し同一平面上に配置されたフランジ又はタブを備える、請求項5記載の支持体。
【請求項7】
前記機械的保持要素(7)を支持する領域が、角張った端部、角を取った端部、先の尖った端部、又は平坦な端部を備え、前記端部が屈曲時にバンドのように機能して形状の復元を補助するような肉厚を有する、請求項6記載の支持体。
【請求項8】
前記ハウジング(2)の一つが、前記平坦な構造体(1)に対し中心に配置され、残りのハウジング(3)が前記ハウジング(2)と前記平坦な格子構造体(1)の輪郭を画成する端部との間に配置される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の支持体。
【請求項9】
前記ハウジング(2,3)の少なくとも一方に少なくとも一つの容器が配置されており、前記容器が種子、植物又は植物の一部の個体を水媒体と交換可能である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の支持体。
【請求項10】
前記平坦な格子構造体(1)が台形であり、その隅に前記繋留要素(5,6)が配置され、二つの前記繋留要素(5,6)が前記独立支持要素(10)に接続され、他の二つの前記繋留要素(5,6)が前記繋留要素に直接連なる前記独立支持要素(10)に接続され、前記繋留要素が前記独立支持要素をその中に取り付け可能な突起を有し、これにより二つの前記繋留要素(5)は前記独立支持要素(10)を分離しやすくし、他の二つの前記繋留要素(6)は前記支持要素(10)を互いに近接しやすくする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の支持体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−511035(P2009−511035A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535048(P2008−535048)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【国際出願番号】PCT/ES2006/000570
【国際公開番号】WO2007/042589
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(508109999)マクロフィタス,エス.エル. (1)
【Fターム(参考)】