説明

浴室ユニット

【課題】洗い場床部の表面材の端部の処理が容易で意匠性に優れる浴室ユニットを提供する。
【解決手段】基材11と、前記基材11の浴室表面側に貼り合わされた表面材12と、を有する少なくとも2層以上からなる洗い場床部10と、前記洗い場床部と隣接して設置される浴槽20と、前記洗い場床部と前記浴槽との間に形成される開口を塞ぐバスエプロン30と、を備え、前記表面材における前記バスエプロン側の端部12aは、前記バスエプロンで覆い隠される位置に配置されたことを特徴とする浴室ユニットが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室ユニットにおいては、例えば、洗い場床部と浴槽とが隣接して設けられ、これらの間の開口を塞ぐバスエプロンが設けられる。
【0003】
洗い場床部として、例えば基材と基材の上に設けられる表面材との積層構造を有するものがある。例えば、親水性や撥油性など、基材には無い特性を持たせた表面材を基材の上に設けることで、洗い場床部の表面にこのような特性を付与できる。
【0004】
また、例えば特許文献1(特許第4174740号公報)に記載されているように、基材と表面材(表面層)との間にクッション層を設け、クッション層で不足する基本性能(耐摩耗性、耐薬品性、耐傷性、耐候性、防水性など)を表面材に持たせることができ、基本性能を備えつつクッション性に富む洗い場床を実現できる。
【0005】
また、洗い場床部を積層構造とすることによって、例えば、リサイクルした基材の上に新しい表面材を貼り合わせて新品同様にすることができ、省資源になる。例えば特許文献2(特開2006−63554号公報)には、リフォーム用途のために、洗い場の床面に貼り付けるためのシートが提案されている。
【0006】
このような積層構造の洗い場床部において、従来、表面材のバスエプロンの側の端部は、洗い場床の部分で露出しており、例えば、基材と表面材との貼り合わせの位置がずれた場合に外観を大きく損ねてしまう。このため、表面材の端部は高精度にコーキング処理される必要があり、製造が難しい。また、表面材の端部は、使用者が触れる箇所になるため、耐摩耗性などの耐久性にも優れた高価なコーキング剤が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4174740号公報
【特許文献2】特開2006−63554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の態様は、洗い場床部の表面材の端部の処理が容易で意匠性に優れる浴室ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、基材と、前記基材の浴室表面側に貼り合わされた表面材と、を有する少なくとも2層以上からなる洗い場床部と、前記洗い場床部と隣接して設置される浴槽と、前記洗い場床部と前記浴槽との間に形成される開口を塞ぐバスエプロンと、を備え、前記表面材における前記バスエプロン側の端部は、前記バスエプロンで覆い隠される位置に配置されたことを特徴とする浴室ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の態様によれば、洗い場床部の表面材の端部の処理が容易で意匠性に優れる浴室ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態に係る浴室ユニットの要部を例示する模式的断面図である。
【図2】実施形態に係る浴室ユニットの概要を例示する模式的斜視図である。
【図3】浴室ユニットの洗い場床部及びバスエプロンを例示する模式的斜視図である。
【図4】浴室ユニットの洗い場床部の模式的斜視図である。
【図5】洗い場床部とバスエプロンとが組み合わされた状態の模式的斜視図である。
【図6】(a)は表面材の形状を例示し、(b)は基材の形状を例示し、(c)は基材と表面材との積層状態を例示する模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の発明は、基材と、前記基材の浴室表面側に貼り合わされた表面材と、を有する少なくとも2層以上からなる洗い場床部と、前記洗い場床部と隣接して設置される浴槽と、前記洗い場床部と前記浴槽との間に形成される開口を塞ぐバスエプロンと、を備え、前記表面材における前記バスエプロン側の端部は、前記バスエプロンで覆い隠される位置に配置されたことを特徴とする浴室ユニットである。
この浴室ユニットによれば、表面材のバスエプロン側の端部が露出しないため、端部処理が容易化できる。また、表面材と基材との継ぎ目が露出しないため意匠性に優れる。さらに、表面材の端部が使用者の目や手が届かない箇所になるため、安価なコーキング剤を使用することができる。
【0013】
また、第2の発明は、第1の発明において、洗い場側からの水が浴槽の裏側に入り込まないように、前記バスエプロンは前記洗い場床部に対して止水ラインが形成されるように取り付けられており、前記止水ラインによって前記浴槽の裏側と前記洗い場床部側とが水密的に仕切られ、前記表面材の前記端部は、前記水密的に仕切られた前記浴槽の裏側に配置されていることを特徴とする浴室ユニットである。
この浴室ユニットによれば、バスエプロンの止水ラインにより、表面材の端部と基材との継ぎ目に水が来ないため、表面材の端部と基材との間からの浸水が起きにくくなる。また、表面材の端部処理を簡素化もしくは不要とすることも可能となる。
【0014】
また、第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、前記表面材における前記止水ラインと重なる部分の表面は、平面状に形成されていることを特徴とする浴室ユニットである。
この浴室ユニットによれば、表面材の止水ラインと重なる部分に凹凸が無いので、凹凸があった場合に発生する止水の不完全を抑制することができる。
【0015】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記基材には、洗い場側と浴槽側とを区切るために上方に突出した土手部が形成されており、前記表面材の前記端部は、前記土手部の側面に配置されていることを特徴とする浴室ユニットである。
この浴室ユニットによれば、土手部の上面に表面材が設けられないので、土手部の上面の高さを一定にすることができ、バスエプロン及びその固定方法を共通化できる。さらに、基材の土手部の位置と、表面材の立ち上がり部の位置と、を対応させて形成することにより、基材と表面材とを積層する工程の位置決めが容易化できる。
【0016】
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記バスエプロンは、前記表面材を前記基材側に押し当てるように取り付けられることを特徴とする浴室ユニットである。
この浴室ユニットによれば、表面材の端部が剥がれ難くなる。また、表面材が経時的に変形することを抑制できる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1〜図6は、本発明の実施形態に係る浴室ユニットを例示する模式図である。
すなわち、図1は、浴室ユニットの要部を例示する模式的断面図である。図2は、浴室ユニットの概要を例示する模式的斜視図である。図3は、浴室ユニットの洗い場床部及びバスエプロンを例示する模式的斜視図である。図4は、洗い場床部の模式的斜視図であり、図5は、洗い場床部とバスエプロンとが組み合わされた状態の模式的斜視図である。図6(a)は表面材の形状を例示し、図6(b)は基材の形状を例示し、図6(c)は、基材と表面材との積層状態を例示する模式的断面図である。
【0018】
まず、図2及び図3によって、実施形態の浴室ユニットの概要を説明する。
図2に表したように、浴室ユニット110は、洗い場床部10と浴槽20とバスエプロン30とを備える。なお、洗い場床部10には排水口15が設けられている。
【0019】
洗い場床部10は、基材11と、基材11の浴室表面側に貼り合わされた表面材12と、を有し、基材11及び表面材12の少なくとも2層以上の積層構造を有する。例えば、洗い場床部10は、基材11と表面材12との間に設けられたクッション層をさらに有しても良く、2層以上の構成を有していれば良い。
【0020】
浴槽20は、洗い場床部10と隣接するように設置される。
バスエプロン30は、洗い場床部10と浴槽20との間に形成される開口を塞ぐように設置される。
【0021】
洗い場床部10の基材11は、浴室外に湯水を漏出させない防水性、及び浴室壁パネル、天井パネル、風呂椅子、洗面器などの静荷重、使用者の動荷重を受けても撓んだり破損しない強度を有する硬質材料から形成される。基材11は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastic)等の熱硬化性樹脂、あるいはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂に補強を施したものから形成される。
【0022】
洗い場床部10の表面材12は、耐水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐衝撃性など、洗い場床表面に要求される基本性能(耐久性)を満足する材料から形成されている。表面材12には、例えば、FRP、PVC(塩化ビニル)、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン・ポリエステル・オレフィン・アクリル系の各種エラストマー、EVA、EPDM、シリコンゴムなどのゴム(硬質)系、あるいはこれらを十分な耐久性が期待できる程度の硬さに調整したもの、あるいはこれらをベースに充填材や強化材を加えた複合材料などが用いられる。但し、これらの材料は一例であって、その他、表面材12の材料としては、浴室の一般的な使用に際し十分な耐久性を有するべく強靱な材料であれば良く、前述したものに限られない。なお、表面材12には、例えば親水性や撥油性など、基材11には無い特性を持たせることができる。
【0023】
なお、基材11と表面材12との間にクッション層が設けられる場合には、クッション層には、弾性変形可能であり、例えばウレタン等の発泡体等を用いることができる。
【0024】
以下では、洗い場床部10が基材11と表面材12との2層構造である場合として説明する。
【0025】
洗い場床部10の表面材12は、例えば接着剤などによって基材11に貼り合わせられている。
【0026】
表面材12は、バスエプロン30の側の端部12aを有する。
【0027】
図3に表したように、バスエプロン30は、洗い場床部10の表面材12の端部12aの側に設けられている。
【0028】
図3のA−A’線断面を拡大したのが、図1である。
図1に表したように、表面材12におけるバスエプロン30の側の端部12aは、バスエプロン30で覆い隠される位置に配置されている。
【0029】
これにより、表面材12のバスエプロン30の側の端部12aがバスエプロン30に覆われ、端部12aが露出しない。このため、表面材12の端部12aの端部処理が容易化できる。例えば、端部12aの処理が粗くても良く、場合によっては処理をしなくても良い。
【0030】
そして、表面材12と基材11との継ぎ目がバスエプロン30に覆われ、露出しない。このため、意匠性に優れる。
【0031】
さらに、表面材12の端部12aが、使用者の目や手が届かない箇所になるため、安価なコーキング剤で処理しても意匠性や特性が損なわれることがなく、コストを低減することができる。
【0032】
また、この構成を採用することにより、基材11が表面材12で覆われるため、基材11をコストダウンすることもできる。
例えば、表面材12のバスエプロン30の側の端部12aが露出している場合には、その部分において、表面材12の下の基材11が使用者に見える。このため、目的とする色や光沢などの外観特性を基材11に持たせて意匠性を高めるために、基材11となる材料に顔料が混合され、また、基材11に各種の表面処理等が施されることがある。このとき、本実施形態に係る構成を採用することによって、例えば上記の顔料の混合や各種の表面処理が省略でき、基材11をコストダウンすることもできる。
【0033】
本具体例においては、バスエプロン30は、表面材12を基材11の側に押し当てるように取り付けられる。これにより、表面材12の端部12aが剥がれ難くなる。また、表面材12が経時的に変形することを抑制できる。
【0034】
さらに、図1に表したように、本具体例では、バスエプロン30は、洗い場床部10に対して止水ライン14が形成されるように取り付けられている。この止水ライン14は、例えば、洗い場床部10のバスエプロン30に対向する部分と、バスエプロン30と、の間に発泡性の樹脂等の止水パッキンを挿入し、その止水パッキンを押しつぶすように洗い場床部10とバスエプロン30とを圧接した状態で固定することによって形成される。この止水ライン14によって、洗い場床部10の水が、洗い場床部10の側から、バスエプロン30で覆われた浴槽裏側21(浴槽20の裏側)に入り込まないようにされる。
【0035】
そして、表面材12のバスエプロン30の側の端部12aは、止水ライン14よりも上方に配置されている。
【0036】
この配置によって、止水ライン14により、表面材12の端部12aと基材11との継ぎ目に水が入り込むことを抑制できる。これにより、端部12aの継ぎ目の表面材12と基材11との間へ水が入り込み難くできる。また、表面材12の端部12aと基材11との継ぎ目に水が入り込むことがないので、表面材12の端部12aの端部処理を簡素化または省略することが可能となる。
【0037】
上記において、表面材12の止水ライン14と重なる部分の表面は、平面状に形成されることが望ましい。例えば、表面材12の止水ライン14と重なる部分に凹凸があると、凹部において止水が不十分となりバスエプロン30の止水が不十分となることがある。これに対し、表面材12の止水ライン14と重なる部分の表面が、凹凸の無い平面状に形成されていることによって、止水ライン14での止水が十分に実施できる。
なお、ここで、「平面状」とは、必ずしも厳密な平面である必要はなく、凹凸がなく、止水性を低下させないように実質的に平面であれば良い。
【0038】
図1に例示したように、基材11のバスエプロン30の側の端のバスエプロン30で覆われる部分には、上方に突出した土手部13が設けられる。なお、土手部13の上方のバスエプロン30の上には、浴槽フランジ23が配置される。
【0039】
土手部13は、洗い場側と浴槽側とを区切る。そして、表面材12の端部12aは、土手部13の洗い場側の側面に配置されることが望ましい。すなわち、表面材12は、土手部13の上面には配置されないことが望ましい。
【0040】
もし、表面材12が、土手部13の側面を経て土手部13の上面にまで延在していると、例えば、表面材12の厚み分だけ、浴槽フランジ下端22と土手部13の上面との間の距離が変化する。浴槽フランジ下端22と土手部13の上面との間の距離に依存して、バスエプロン30の固定位置が変化する場合は、バスエプロン30の取付構造の取り合いが変わってしまう。
【0041】
この時、本具体例のように、表面材12の端部12aが、土手部13の洗い場側の側面に配置される場合には、浴槽フランジ下端22と土手部13の上面との距離が表面材12の有無によって変わらない。これにより、表面材12の有無によらず、バスエプロン30及びその固定方法を共通化できる利点がある。すなわち、本実施形態に係る浴室ユニット110によれば、表面材を有さない単層の洗い場床部と、バスエプロン30及びその固定方法を共通化できる。
【0042】
また、本具体例では、土手部13の上面には上方に突出した凸部13aが設けられ、バスエプロン30の取付治具31には下に突出した凸部31aが設けられ、これら2つの凸部13aと凸部31aとの位置が、互いに噛合するように配置されている。これにより、土手部13の上面の所定の位置に位置決めされた状態で、バスエプロン30が固定される。この時、表面材12の端部12aが、土手部13の洗い場側の側面に配置されることによって、表面材12が上記の凸部13aと凸部31aとの間の噛合を妨げることがない。これにより、バスエプロン30の所定の位置への固定を容易化できる。
【0043】
なお、本具体例は、表面材12の端部12aが、土手部13の洗い場床部10の側の側面に設けられる例であるが、実施形態は上記に限らない。すなわち、表面材12の端部12aは、土手部13の浴槽裏側21の側に延在して設けられていても良い。この場合、止水ライン14によって、浴槽裏側21と洗い場床部10の側とが水密的に仕切られているので、表面材12の端部12aの上下方向の位置は、止水ライン14よりも下側にあっても良い。
【0044】
すなわち、止水ライン14によって浴槽20の裏側と洗い場床部10の側とが水密的に仕切られ、表面材12の端部12aは、水密的に仕切られた浴槽裏側21の側に配置される。この構成により、止水ライン14によって、表面材12の端部12aと基材11との継ぎ目に水が入り込むことを抑制できる。
【0045】
既に説明したように、洗い場床部10には排水口15が設けられている。そして、排水口15の部分において、基材11には下方に開口する排水口部11dが設けられる。
【0046】
図1に例示したように、表面材12には、基材11の排水口部11dの全周に沿うように下方に突出形成された垂下部12dが形成されている。
【0047】
これにより、洗い場床部10の製造の際の基材11と表面材12とを積層する工程において、基材11の排水口部11dの内側に表面材12の垂下部12dを挿入して位置合わせをすることで、基材11と表面材12との高精度の位置合わせが容易となる。
【0048】
また、表面材12には、平面部12fと立ち上がり部12sとを設けることができる。平面部12fは、例えば、基材11の土手部13を除く上面に積層される部分である。立ち上がり部12sは、基材11の土手部13に沿うように、平面部12fから上方に突出形成された部分である。そして、立ち上がり部12sにおいて、表面材12の端部12aが、基材11の土手部13の側面に配置される。
【0049】
表面材12の立ち上がり部12sの位置は、基材11の土手部13の位置に対応させて形成される。これにより、洗い場床部10の製造の際の基材11と表面材12とを積層する工程において、基材11の土手部13と、表面材12の立ち上がり部12sと、を位置合わせすることで、基材11と表面材12との位置合わせが容易になる。
【0050】
図6(a)及び(b)に表したように、基材11と表面材12とを貼り合わせる前の状態の表面材12において、基材11の土手部13の立ち上がり角度θ11よりも、表面材12の立ち上がり部12sの立ち上がり角度θ12を小さく設定する。ここで、立ち上がり角度は、水平面からの角度であり、立ち上がり角度が小さいと水平に近く、立ち上がり角度が大きいと垂直に近くなる。すなわち、基材11と表面材12とを貼り合わせる前の状態の表面材12においては、立ち上がり部12sの立ち上がり角度を、基材11の土手部13よりも浅くする。
【0051】
このようにすることで、図6(a)に表したように、表面材12を基材11に積層したときに、表面材12の立ち上がり部12sには土手部13に沿うように応力Faが加わる。
【0052】
このような表面材12を、適度な剛性と可撓性を有するように設計することができる。
【0053】
これにより、図6(c)に表したように、基材11と表面材12とを積層したときに表面材12と基材11とに、互いに押しつけ合う力Fが発生する。
【0054】
この構成によって、表面材12の位置が拘束される。そして、表面材12の立ち上がり部12sと、基材11の土手部13と、の角度の違いによって、表面材12の立ち上がり部12sには、基材11の土手部13に向かった力Fが印加される。これにより、立ち上がり部12sと土手部13とが、互いに圧接した状態となる。このような構成により、バスエプロン30の側の表面材12の端部12aが剥がれ難くなる。
【0055】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、浴室ユニットを構成する洗い場床部、浴槽、バスエプロン、基材、表面材などの各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
【0056】
その他、本発明の実施の形態として上述した浴室ユニットを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての浴室ユニットも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
【0057】
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0058】
10…洗い場床部、 11…基材、 11d…排水口部、 12…表面材、 12a…端部、 12d…垂下部、 12f…平面部、 12s…立ち上がり部、 13…土手部、 13a…凸部、 14…止水ライン、 15…排水口、 20…浴槽、 21…浴槽裏側、 22…浴槽フランジ下端、23…浴槽フランジ、 30…バスエプロン、 31…取付治具、 31a…凸部、 110…浴室ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、前記基材の浴室表面側に貼り合わされた表面材と、を有する少なくとも2層以上からなる洗い場床部と、
前記洗い場床部と隣接して設置される浴槽と、
前記洗い場床部と前記浴槽との間に形成される開口を塞ぐバスエプロンと、
を備え、
前記表面材における前記バスエプロン側の端部は、前記バスエプロンで覆い隠される位置に配置されたことを特徴とする浴室ユニット。
【請求項2】
前記洗い場床部の側から前記浴槽の裏側に水が入り込まないように、前記バスエプロンは前記洗い場床部に対して止水ラインが形成されるように取り付けられており、
前記止水ラインによって前記浴槽の裏側と前記洗い場床部側とが水密的に仕切られ、前記表面材の前記端部は、前記水密的に仕切られた前記浴槽の裏側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項3】
前記表面材における前記止水ラインと重なる部分の表面は、平面状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の浴室ユニット。
【請求項4】
前記基材には、洗い場側と浴槽側とを区切るために上方に突出した土手部が形成されており、
前記表面材の前記端部は、前記土手部の側面に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の浴室ユニット。
【請求項5】
前記バスエプロンは、前記表面材を前記基材側に押し当てるように取り付けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浴室ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−227501(P2010−227501A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81447(P2009−81447)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】