説明

浴室洗浄ユニット

【課題】本発明は、浴室洗浄装置専用の重量センサーなどを設けることなく、浴室乾燥機の運転状態から、間接的に衣類が干されているか否かを検知して、浴室洗浄装置の運転を制御することが可能な浴室洗浄ユニットを提供する。
【解決手段】 浴室内を洗浄または殺菌するための水を散水する散水部と、浴室内を乾燥させる衣類乾燥モードを有する浴室乾燥機と、を備え、前記制御装置は、前記浴室乾燥機が前記衣類乾燥モードを実行している際には、前記散水部から散水されることを禁止するように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内に洗浄水または殺菌水を散水し、浴室内を洗浄または殺菌水する浴室洗浄ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室内の汚れには、人体の洗浄に使用された石鹸やシャンプーなどのカス、人体から発生した垢(タンパク質系、炭水化物系、油脂系、塩類等)などがあり、使用者は頻繁に掃除を行う必要がある。
【0003】
このような汚れを自動で掃除するために、洗剤を含有した洗浄水や、殺菌成分が添加された殺菌水を浴室内に自動で散水する浴室洗浄装置が提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。しかしながら、特許文献1や特許文献2に開示されている浴室洗浄装置では、浴室内に衣類が干されている状態で、浴室洗浄装置を運転することが可能であったため、運転の度に、浴室内に衣類が干されていないことを確認する必要があった。また、浴室内に衣類が干されている状態で、誤って運転を開始してしまうおそれがあった。そこで、浴室内に物干しパイプに重量センサーを設けることで、浴室内に衣類が干されているか否かを検知して、浴室洗浄装置の運転を制御することが考えられる。しかし、重量センサーなどを専用に設けなければならないため、好ましくなかった。
【特許文献1】特開平9−220273号公報
【特許文献2】特許3339351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、浴室洗浄装置専用の重量センサーなどを設けることなく、浴室乾燥機の運転状態から、間接的に衣類が干されているか否かを検知して、浴室洗浄装置の運転を制御することが可能な浴室洗浄ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、浴室内を洗浄または殺菌するための水を散水する散水部と、浴室内を乾燥させる衣類乾燥モードを有する浴室乾燥機と、前記散水部からの散水および止水を制御する制御装置と、を備えた浴室洗浄ユニットであって、前記制御装置は、前記浴室乾燥機が前記衣類乾燥モードを実行している際には、前記散水部から散水されることを禁止するように制御することを特徴とする浴室洗浄ユニットが提供される。
また、本発明の一態様によれば、浴室内を洗浄または殺菌するための水を散水する散水部と、浴室内を乾燥させる衣類乾燥モードを有する浴室乾燥機と、操作者に報知する報知手段と、前記散水部からの散水および止水を制御する制御装置と、を備えた浴室洗浄ユニットであって、前記制御装置は、前記浴室乾燥機が前記衣類乾燥モードを実行している際に、前記散水部から散水を行う指令があった場合には、前記報知手段により報知することを特徴とする浴室洗浄ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、浴室洗浄装置専用の重量センサーなどを設けることなく、浴室乾燥機の運転状態から、間接的に衣類が干されているか否かのを検知して、浴室洗浄装置の運転を制御することが可能な浴室洗浄ユニットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明に係る浴室殺菌ユニットの一実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る浴室殺菌システムの全体的な概要を示すものである。
この浴室殺菌システムは、浴槽2と、浴槽2の長辺側に隣接する洗い場床3と、浴槽2側から洗い場床3を隔てて浴槽2に対向する第1の壁面4へ横設された浴室カウンタ5と、浴室殺菌装置1とから構成される。洗い場床3は、排水ピット7内に向かって排水用の下り勾配が取られている。ここで、浴室カウンタ5は、第2の壁面42に取り付けられており、浴槽2のリム2aより低い位置に配置されている。
また、この浴室には、洗い場床3の浴槽2側端辺から、浴槽2の洗い場床3側端辺までを掩蔽するバスエプロン6と、洗い場床3の浴槽2側端辺に、洗い場床3より一段低く形成され、排水トラップ(図示せず)が取設される排水ピット7が設けられ、排水ピット7上面には、洗い場床上の水が排水ピット7内に流入可能な程度の隙間を空けて排水蓋8が載置される。浴室乾燥機44は、浴室の天井裏に設置され、排気ダクト45と繋がり、操作リモコン47からの信号を通信線46を通して受信する。尚、通信線46は、制御ボックスに対しても信号を送信可能となっている。
【0008】
図1と図2で、浴室乾燥機44の作動について説明する。操作リモコン47には、換気スイッチ49、乾燥スイッチ50、暖房スイッチ51、涼風スイッチ52があり、各運転を停止する止スイッチ48がある。換気スイッチ49を押すと、換気・循環ファン61が作動し、吸気口60から浴室内の空気を吸い込み、換気用風路64を通って排気ダクト45から屋外へ排出される。この時、流路切替ダンパ63は、循環用風路66を塞ぐ位置に移動する。乾燥スイッチ50を押すと、流路切替ダンパ63は、換気用風路64と循環用風路66の中間位置に移動し、換気・循環ファン61と電気ヒータ65により、吸気した浴室内の空気を一部排気ダクトに排出し、残りの空気を、電気ヒータ65で温めて浴室内へ戻す。このようにすることで、衣類が含んでいる水分を短時間内に蒸発させながら、高湿度の空気を屋外に排気することができるため、衣類乾燥に適した運転を行うことができる。尚、図示しない水分を吸着する吸着材を設けて、浴室内の水分を除湿する形態も、本モードの別実施形態として含む。涼風スイッチ52を押す場合は、電気ヒータ65をOFFにし、換気・循環ファン、流路切替ダンパは乾燥運転と同様である。暖房スイッチ51を押すと、流路切替ダンパ63が換気用風路64を塞ぎ、電気ヒータ65を作動させて、浴室内の空気を温めながら循環させる。また、操作リモコン47の数字表示手段57は、時計表示と各運転の運転時間を表示し、時計スイッチ54a、54bで時計の数字を合わせ、予約スイッチ55で各運転の開始時間、停止時間を予約または確認する。本発明の衣類乾燥モードは、乾燥スイッチ50が押された場合に、浴室乾燥機44が作動するモードに相当する。
【0009】
浴室殺菌装置1は、制御ボックス(制御装置)10と、機能ユニット11と、殺菌水吐水部に該当する散水部12と、リモコン13とを備える。
制御ボックス10は、浴室の天井裏に設置され、リモコン13からの指示により、機能ユニット11内の後述する電磁弁及び電解槽を制御する。機能ユニット11は、殺菌水を生成するユニットであり、浴室カウンタ内に内蔵され、その先端には殺菌水を散布する散水部12が接続される。
【0010】
リモコン13は、浴室前の更衣室等の壁面に設置され、スイッチ13aとLED13bとを備える。スイッチ13aをONにすると、浴室殺菌装置1が作動を開始するとともに、LED13bが点灯し、浴室殺菌装置1が作動中であることを表示する。またリモコン13には、報知手段13cが設けられ、スイッチ13aが押されたとき、浴室乾燥機44が、衣類乾燥モードを実行している場合は、使用者に注意を喚起する。
【0011】
浴室カウンタ5内部には、図3に示すように、洗い場水栓(吐水部)に給水/給湯する給水管15及び給湯管16が配管される。このうち給水管15は、分岐されて、機能ユニット11に水を供給する水道水導入管17が接続される。この水道水導入管17の途中には止水栓18が設けられ、この止水栓18を閉めることにより、機能ユニット11を取り外す際にも、浴室の通常の使用に支障を来さないようになっている。
【0012】
水道水導入管17により導入された水は、機能ユニット11内において殺菌水に変成され、殺菌水導出管19を経由して散水部12へと送られる。
【0013】
機能ユニット11は、図4(a)に示すように、ケース20内に、水道水導入管17に接続する流入口21を介して順に、電磁弁22、定流量弁23、大気開放弁24、逆止弁25、及び電解槽26が連通され、電解槽26は、流出口27を介して殺菌水導出管に接続される。ここで、流入口および流出口は浴室カウンターの前端部側に配置されるように取設されており、流入口と流出口の軸はそれぞれ対角位置に配置されている。電解槽を介して流入口と流出口を連通するための管路部は、流入口から浴室カウンターの後端部側に直進する往路部と、流出口から浴室カウンターの後端部側に直進する復路部と、往路部および復路部の浴室カウンター後端部側の端部を連通するためにU字状に屈曲すると共に、復路部が往路部に比べて高い位置に配置されるように取り付けられる屈曲部と、を有している。
【0014】
機能ユニット11は、ケース20内にウレタン樹脂28が充填されて、防水構造とされている。これにより、電気部品の端子部の防水と、通水部からの漏水が防止される。
また、図4(b)に示すように、機能ユニット11の大きさを最小とすべく、流入ロ21と流出口27の軸が、ケース20の対角に位置するように配設される。
【0015】
リモコン13のスイッチ13aが押されると、制御ボックス10からの指示により電磁弁22が開閉する。そして、電磁弁22が開くことにより通水され、定流量弁23により流量が一定に保たれる。これにより、生成される殺菌水の濃度が一定に保たれると同時に、散水部12から散布される殺菌水の水圧も一定に保たれ、所望の範囲に殺菌水を散布することが可能となる。
【0016】
通水状態になると、電解槽26の電極29に通電が開始され、電極29の電気分解が行われて銀イオンが発生する。銀イオンを含有する水は殺菌水として散水部12へ送られる。こうして生成された殺菌水は、逆止弁25により給水管15へと逆流することが防止される。
【0017】
大気開放弁24は、通電時(電磁弁開)においては閉止状態になって、水が外部に漏出することが防止され、待機時(電磁弁閉)には開放状態になって、逆止弁25より下流側は空気と置換される。これにより、電解槽26内に残存水が残ることが防止される。
【0018】
電解槽26の電極29は、銀、銀合金または銀メッキ金属により形成され、電極29の電気分解が行われると銀イオンが発生する。この電極29は、図5(a)に示すように、電極29同士が水平になるような位置関係で設置されている。これにより、図5(b)に示すように、待機時に残存水の表面張力による電極の導通状態が回避される。このようにすることで、電解槽をコンパクト(厚みを薄く)にしても、待機時に残存水の表面張力によって電極が導通状態になることを回避できる。
【0019】
散水部12は、図6に示すように、大別して、殺菌水導出管19に接続されるボディ30と、その先端に軸支される回転体31とから構成される。回転体31はまた、上側部材32と下側部材33とに分割され、ワッシャ34を介して、固定ビス35により、ボディ31の先端に回転自在に取設される(図8参照。)。回転体31はこのように取り外し可能かつ分解可能に形成されているので、その内部及びボディ30の先端を清掃することができる。
【0020】
回転体31(の下側部材33)には、図7(a)に示すように、4対8個の液体噴出孔33a,33b,33c,33dが設けられる。これらの液体噴出孔33a,33b,33c,33dは、回転体31の回転中心から同一方向へ同一距離偏心して設けられるので、通水状態になると、水流により回転し、洗い場床3ヘ殺菌水を万遍なく散布することができる。
【0021】
これらのうち、液体噴出孔33aは、図7(b)に示すように、水平に開口するものの、液体噴出孔33bは、図7(c)に示すように、仰角4°に開口する。また、液体噴出孔33cは、図7(d)に示すように、仰角8°に、液体噴出孔33dは、図7(d)に示すように、仰角12°にそれぞれ開口する。
【0022】
これにより、洗い場床3の散水部近傍から遠方まで、万遍なく散布することができる。なお、各液体噴出孔の仰角は、散布する洗い場床の広さに応じて適宜決定される。
ところで、ボディ30の先端は、図8に示すように、直径D1に形成された軸先端30aのさらに先に直径D2の最先端30bが段落ちして形成される。これに対応して、上側部材32には、軸先端30aが挿通可能な直径D1’の挿通孔32aが形成され、下側部材33には、最先端30bが挿通可能なものの軸先端30aは挿通不能な直径D2’’の挿通孔33eが形成される。
【0023】
これにより、回転体31を分解した後、誤って上側部材32と下側部材33とを上下逆に取り付けることが防止されるので、液体噴出孔33b,33c,33dは仰角を確保でき、常に上方を指向して開口する。
【0024】
本実施の形態に係る浴室殺菌システムは上記のように構成されており、以下その殺菌水散布状態について説明する。図9は、殺菌水の散布状態を示す平面図であり、図10は同立面図である。
【0025】
図9に示すGのエリアは、主に仰角0°の液体噴出孔33aからの殺菌水が散布されるエリアであり、同Hのエリアは、主に仰角4°の液体噴出孔33bからの殺菌水が散布されるエリア、同じく、I及びJのエリアは、それぞれ主に仰角8°及び12°の液体噴出孔33c及び33dからの殺菌水が散布されるエリアである。このように、液体噴出口33a,33b,33c,33dの仰角を異ならせることにより広範囲に亘って殺菌水を散布することが可能となる。
【0026】
これに対し、図9に示すFのエリアには、殺菌水は直接散布されない。このエリアには、図10に示すように、散水部12より奥側で浴室カウンタが取設される第2の壁面42、第2の壁面近傍側の第1の壁面4、または第2の壁面近傍側のバスエプロン6に当たり跳ね返った水、及び跳ね返った後そこから洗い場床3の勾配に沿って流れ下る殺菌水により洗浄される。このように、散水部12が回転して吐水する形態であるため、散水部から離れたエリアG,H,I,Jエリア用の液体噴出孔を設けておけば、必然的に散水部12近傍の洗い場床上は、大量の殺菌水が流れることになる。これにより、洗い場床上全面に殺菌水を行き渡らせることが可能となる。特に、水道圧力のみで、散水部12遠方側まで殺菌水を散布するためには、液体噴出孔の総孔面積に限界があるが、本実施形態では、散水部から離れたエリアG,H,I,Jエリア用の液体噴出孔のみで足りるため、水道水圧のみで洗い場床の全面に殺菌水を行き渡らせることができる。
【0027】
この点、散水部12は、浴槽2と洗い場床3を隔てて対向する壁面4近傍、すなわち、排水ピット7と対角位置となるに水上に取設されるので、散水部近傍においても殺菌水が廻らないエリアはない。
【0028】
また、散水部12は、浴室カウンタ5下部に取設されるので、浴室カウンタ5下部が陰になって、殺菌水が廻らないということもない。
【0029】
他方、液体噴出口33dの仰角は一定以下に抑えられるので、無闇に広いエリアに散布することはなく、経済的であるばかりでなく、図10に示すように、殺菌水は最高位置でも浴槽2のリム2aの高さを超えないので、風呂蓋に殺菌水がかかることもない。
【0030】
さらに、殺菌水は、バスエプロン6に向かっても散布されるので、図11に示すように、排水ピット7上の排水蓋8とバスエプロン6との間にできる隙間には、バスエプロン6に当たって流れ落ちる殺菌水によって洗浄される。このように、洗い場床3を流れ落ちる殺菌水だけでは網羅できないエリア(排水ピットにおけるバスエプロン6側の端辺であって、特にその中央付近は洗い場床上を流れた殺菌水が流れにくい。)も洗浄することができる。
【0031】
図12〜図14は、浴室乾燥機の衣類乾燥モードが実行されている際には、散水部からの殺菌水吐水を禁止するフローチャートである。
【0032】
図12は、洗い場殺菌SWがONされると、浴室乾燥機が衣類乾燥モードを実行していない場合のみ、電磁弁を開き、殺菌水の吐水を開始する。電磁弁を開、殺菌水生成装置の運転をONにしたと同時に、タイマーを作動させ、タイマーが所定時間をカウントしたら、電磁弁を閉じ、殺菌水生成装置を停止し、運転を終了する。殺菌水を吐水する所定時間は、洗い場全面を万遍なく洗浄し、排水トラップ内の水をほぼ完全に置換する時間T0に設定する。一方、洗い場殺菌SWをONにした際に衣類乾燥モードが作動している場合には、殺菌水生成装置の運転を行わない。
【0033】
図13は、機器が予め決められた時刻になると、洗い場殺菌指令を発信するフローチャートである。人の浴室使用が通常行われていない深夜にタイマを設定し、その時刻が来て、浴室乾燥機の衣類乾燥モードの実行がない場合、電磁弁を開き、殺菌水の吐水を開始する。所定時間殺菌水を洗い場に散水し、所定時間後に殺菌水生成と電磁弁を止めて運転を終了する。殺菌水を吐水する所定時間は、洗い場全面を万遍なく洗浄し、排水トラップ内の水をほぼ完全に置換する時間T0に設定する。一方、洗い場殺菌指令があった時、衣類乾燥モードが作動している場合には、殺菌水生成装置の運転を行わない。
【0034】
この場合、機器が自動で洗い場殺菌の信号を出すので、毎日確実に殺菌水を吐水できるメリットがある。手動で使用者が浴室使用後に殺菌水吐水SWをONさせるものと組み合わせても良い。浴室の使用直後と、菌の活動が活発化する夜間の2回殺菌水を流すことで、浴室の防汚効果が更に高まる。信号を発信する時刻は、使用者が任意に入力しても良いし、浴室乾燥機の作動データから、使用者の浴室使用時刻を学習し、夜間の使用がない時刻に設定しても良い。ただし、衣類乾燥モードが作動している場合には、殺菌水生成装置の運転は行わない。
【0035】
図14は、洗い場殺菌SWがONされると、浴室乾燥機の衣類乾燥モードの実行がない場合に、電磁弁を開いて、殺菌水の吐水を開始する。衣類乾燥モードが作動している場合、報知手段がONし、浴室内で衣類乾燥があるかどうか注意を喚起する。その後、再度殺菌水吐水を行うかどうか機器が使用者に問い合わせ、殺菌水吐水OKの入力が行われると、殺菌水吐水を行う。この場合も同様に、洗い場殺菌SWがONには、制御装置が決められた時間に自動で殺菌水吐水の信号を発する場合も含まれる。
【0036】
尚、報知手段の例としては、リモコンに設けられた液晶表示装置に表示させる、またはリモコンから音声、音、光などを発生させることにより、操作者に警告や告知を行うものが挙げられる。
【0037】
本実施例における殺菌水としては、殺菌性物質又はイオンを含有する水を例示することができる。具体的には、遊離塩素、抗菌性金属(例えば、銀、銅、亜鉛等)又はそのイオン、オゾン、オゾン含有水、結合塩素、有機塩素系消毒液、有機リン酸系消毒液、ベルオクソ炭酸イオン又はその塩、アルコール系消毒液などを挙げることができる。
【0038】
また、本発明は、浴室洗浄装置に関わることで、上の実施例に示した洗い場殺菌水吐水に限定されるものではない。洗い場に洗剤を散布する形態、浴槽内に洗剤を散布する形態、浴槽内を殺菌水で殺菌する形態、浴室全体に洗剤が含有した洗浄水や、殺菌水を散布する形態等も本発明の実施形態に含まれる。いずれの場合であっても、殺菌成分を水に混入させる殺菌水生成部または洗剤を混入する洗浄水生成部を設け、それら生成部の運転および停止と、吐水および止水を制御する制御装置と、給湯器の運転状態を制御する制御部が、ケーブルなどを介して接続するか、無線で通信可能とされていれば良い。
【0039】
また、本発明の示す吐水部には、洗い場側に面して取り付けられる形態の他に、浴槽側に面して取り付けられる形態も含まれる。
【0040】
尚、上述した本実施形態による浴室殺菌ユニットによれば、以下の効果が得られる。浴室乾燥機の運転状態から、間接的に衣類が干されているか否かを検知して、浴室洗浄装置の運転を制御することが可能となる。このようにすることで、誤って、衣類に殺菌水または洗浄水がかかることを防止できる。
【0041】
以上に説明した実施態様は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものによって置換した実施態様を採用することが可能であるが、これらの実施態様も本発明の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る浴室殺菌システムの一実施形態の全体概要を示す図。
【図2】浴室乾燥機の構成を示す図。
【図3】浴室カウンタ裏面に取設された機能部を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図4】機能部の詳細を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図図。
【図5】銀電極の配置を模式的に説明する図。
【図6】散布ノズルの構成を示す図。
【図7】散布ノズルの回転体を示す図で、(a)は平面図、(b)はB−B断面図、(c)はC−C断面図、(d)はD−D断面図、(e)はE−E断面図。
【図8】散布ノズルの分解断面図。
【図9】殺菌水の散布状態を示す平面図。
【図10】殺菌水の散布状態を示す立面図。
【図11】排水ピット廻りにおける殺菌水の散布状態を示す斜視図。
【図12】衣類乾燥モードが作動している時は殺菌水吐水を禁止するフローチャート。
【図13】機器が自動で殺菌水吐水の指令を発信する場合のフローチャート。
【図14】殺菌水吐水を開始する時、衣類乾燥モードが作動している時は、使用者に報知するフローチャート。
【符号の説明】
【0043】
1 浴槽殺菌装置
2 浴槽
2a リム
3 洗い場床
4 第1の壁面
5 浴室カウンタ
6 バスエプロン
7 排水ピット
8 排水蓋
10 制御ボックス
11 機能ユニット
12 散布部
13 リモコン
13a スイッチ
13b LED
13c 報知手段
15 給水管
16 給湯管
17 水道水導入管
18 止水栓
19 殺菌水導出管
20 ケース
21 流入口
22 電磁弁
23 定流量弁
24 大気開放弁
25 逆止弁
26 電解槽
27 流出口
28 ウレタン樹脂
29 電極
30 ボディ
30a 軸先端
30b 最先端
31 回転体
32 上側部材
32a 33e 挿通孔
33a,33b,33c,33d 液体噴出孔33 下側部材
34 ワッシャ
35 固定ビス
42 第二の壁面
44 浴室乾燥機
45 排気ダクト
46 通信線
47 操作リモコン
48 止スイッチ
49 換気スイッチ
50 乾燥スイッチ
51 暖房スイッチ
52 涼風スイッチ
54a、54b 時計スイッチ
55 予約スイッチ
57 数字表示手段
60 吸気口
61 換気・循環ファン
63 流路切替ダンパ
64 換気用風路
65 電気ヒータ
66 循環用風路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内を洗浄または殺菌するための水を散水する散水部と、
浴室内を乾燥させる衣類乾燥モードを有する浴室乾燥機と、
前記散水部からの散水および止水を制御する制御装置と、
を備えた浴室洗浄ユニットであって、
前記制御装置は、前記浴室乾燥機が前記衣類乾燥モードを実行している際には、前記散水部から散水されることを禁止するように制御することを特徴とする浴室洗浄ユニット。
【請求項2】
前記制御部は、前記浴室乾燥機が前記衣類乾燥モードを実行している状態で、散水部からの散水を指示する指令があった場合には、指令を消去することを特徴とする請求項1記載の浴室洗浄ユニット。
【請求項3】
浴室内を洗浄または殺菌するための水を散水する散水部と、
浴室内を乾燥させる衣類乾燥モードを有する浴室乾燥機と、
操作者に報知する報知手段と、
前記散水部からの散水および止水を制御する制御装置と、
を備えた浴室洗浄ユニットであって、
前記制御装置は、前記浴室乾燥機が前記衣類乾燥モードを実行している際に、前記散水部から散水を行う指令があった場合には、前記報知手段により報知することを特徴とする浴室洗浄ユニット。
【請求項4】
前記制御装置は、殺菌水吐水の指令を、機器が自動で発信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浴室洗浄ユニット。
【請求項5】
前記制御装置は、殺菌水吐水の指令を、使用者の入力した時刻に、機器が自動で発信することを特徴とする請求項4に記載の浴室洗浄ユニット。
【請求項6】
前記報知手段は、リモコンに設けられた液晶表示装置に表示させる、またはリモコンから音声、音、光などを発生させることにより、操作者に警告や告知を行うことを特徴とする請求項4記載の浴室洗浄ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−195619(P2009−195619A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43239(P2008−43239)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】