説明

浴室用床パネル

【課題】排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供する。
【解決手段】樹脂材料で形成された浴室用床パネルであって、前記浴室用床パネル上の水を排水するための排水口と、前記浴室用床パネルの表面に間隔を空けて島状に形成された複数の凸部と、前記複数の凸部のそれぞれの間に、前記凸部を取り囲むように設けられ、前記排水口まで連続するように設けられた導水路と、を備え、前記導水路は、交差部を形成するように2方向以上に渡って形成され、前記交差部において、前記導水路内に水が流れ込んだ時に前記交差部で水が途切れることを防止する交差部捕水手段が設けられたことを特徴とする浴室用床パネルが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、浴室、シャワー室等に使用される浴室用床パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室やシャワー室等の洗い場に用いられる床パネルとして、床パネルの表面に凸部を設け、凸部の間に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水できる状態にする流路(導水路)を排水口または排水流し溝まで連続して形成し、床パネルの上の残水を排水する技術が開示されている(特許文献1)。これによって、翌日には洗い場の上に水滴が残らなくなる。
【特許文献1】特許第3508761号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような導水路が設けられた浴室用床パネルにおいて、浴室用床パネルの清掃性を高めるために、導水路の幅寸法を長くしたり、導水路の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路の配置ピッチを長く設定することがある。このように、導水路を太く、低く(浅く)、長ピッチにすると、導水路の交差部で、水が途切れてしまう。交差部で水が途切れると、結果的に導水路内の水を、排水口または排水流し溝まで、途切れることなく連続的に存在させることができなくなり、このため、排水性が低下し、翌日なっても洗い場床上に水滴が残ることになってしまう。
【0004】
このように、浴室用床パネルの清掃性と排水能力とはトレードオフの関係にある。このトレードオフを改善し、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、樹脂材料で形成された浴室用床パネルであって、前記浴室用床パネル上の水を排水するための排水口と、前記浴室用床パネルの表面に間隔を空けて島状に形成された複数の凸部と、前記複数の凸部のそれぞれの間に、前記凸部を取り囲むように設けられ、前記排水口まで連続するように設けられた導水路と、を備え、前記導水路は、交差部を形成するように2方向以上に渡って形成され、前記交差部において、前記導水路内に水が流れ込んだ時に前記交差部で水が途切れることを防止する交差部捕水手段が設けられたことを特徴とする浴室用床パネルが提供される。
【0007】
本発明の他の一態様によれば、樹脂材料で形成された浴室用床パネルであって、前記浴室用床パネルの上の水を排水するための排水口と、前記排水口への水の排水を補助するための排水流し溝と、前記浴室用床パネルの表面に間隔を空けて島状に形成された複数の凸部と、前記複数の凸部のそれぞれの間に、前記凸部を取り囲むように設けられ、前記排水流し溝まで連続するように設けられた導水路と、を備え、前記導水路は、交差部を形成するように2方向以上に渡って形成され、前記交差部において、前記導水路内に水が流れ込んだ時に前記交差部で水が途切れることを防止する交差部捕水手段が設けられたことを特徴とする浴室用床パネルが提供される。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、樹脂製の浴室用床パネルであって、前記浴室用床パネルの上の水を排水するための排水口と、前記浴室用床パネルの表面に設けられた複数の凸部と、前記複数の凸部の間に設けられ、第1の方向に延在する第1の間隙部と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の間隙部と、前記第1の間隙部と前記第2の間隙部とが交差する交差部に設けられ前記交差部において水が途切れることを防止する交差部捕水手段と、を有し、前記排水口に連続する導水路と、を備え、前記導水路は、前記導水路に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、前記浴室用床パネルの表面で水玉を形成した残水は、前記導水路内に一時捕水されている水と接触することで前記導水路内に引き込まれ、前記導水路から前記排水口に途切れることなく排水されることを特徴とする浴室用床パネルが提供される。
【0009】
本発明の他の一態様によれば、樹脂製の浴室用床パネルであって、前記浴室用床パネルの上の水を排水するための排水口と、前記排水口に連通し、前記排水口への水の排水を補助するための排水流し溝と、前記浴室用床パネルの表面に設けられた複数の凸部と、前記複数の凸部の間に設けられ、第1の方向に延在する第1の間隙部と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の間隙部と、前記第1の間隙部と前記第2の間隙部とが交差する交差部に設けられ前記交差部において水が途切れることを防止する交差部捕水手段と、を有し、前記排水流し溝に連続する導水路と、備え、前記導水路は、前記導水路に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、前記浴室用床パネルの表面で水玉を形成した残水は、前記導水路内に一時捕水されている水と接触することで前記導水路内に引き込まれ、前記導水路から前記排水流し溝に途切れることなく排水されることを特徴とする浴室用床パネルが提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図1(a)は、要部構造を例示する模式的斜視図、図1(b)は、図1(a)のA−A線断面図、図1(c)は、図1(a)のB−B線断面図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの構造を例示する模式図である。
なお、本願明細書と図2以降の各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図2に表したように、本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネル10は、浴室400の主に洗い場に用いられる床パネルである。浴室用床パネル10は、例えば、FRP(Fiber Reinforced Plastic)等の樹脂材料によって形成される。そして、浴室用床パネル10は、浴室用床パネル10の上の水を排水するための排水口300と、浴室用床パネル10の表面に間隔を空けて複数の島状に形成された凸部110を備えている。浴室用床パネル10は、この凸部110の間に、凸部110を取り囲むように形成された導水路120をさらに備えている。この導水路120は、交差部130を複数有するように少なくとも2方向以上に渡って形成されており、排水口300まで連続して設けられている。
【0012】
そして、導水路120の交差部130には、交差部捕水手段200として、前記交差部略中央の底面より突出した突出部201が設けられている。これにより、交差部130の捕水性が高まり、導水路120内に水が流れ込んだ時に、排水口300まで水が途切れることなく連続的に存在させることができる。
突出部201は、導水路120の底面を取り囲むように凸部110とは間隔をあけて独立して形成されている。
【0013】
すなわち、図1(a)〜(c)に表したように、本実施形態の浴室用床パネル10は、表面に設けられた複数の凸部110と、複数の凸部110の間に設けられ、排水口300に連続した導水路120を備えている。凸部110は、この例では、上平面視で矩形の形状をしているが、これには限らず、各種の多角形や、輪郭が曲線の形状など、各種の形状を有することができる。また、その配置も後述するように格子状の他、配置の位相がずれたレンガ積み状の配置、六方稠密の配置など各種の配置を有することができる。
【0014】
そして、導水路120は、第1の間隙部121と第2の間隙部122を有している。第1の間隙部121は、この例では、A−A線方向に平行の第1の方向に延在している。そして、第2の間隙部122は、この例では、B−B線方向に平行の第2の方向に延在している。すなわち、第1の間隙部121と第2の間隙部122とは互いに実質的に直交している。ただし、本発明はこれには制限されず、第1の方向(第1の間隙部121)と第2の方向(第2の間隙部122)とは、交差すれば(非平行であれば)良い。そして、第1の間隙部121と第2の間隙部122とが交差する交差部130に、交差部捕水手段200が設けられている。交差部捕水手段200には、後述するように種々の形態を用いることができるが、図1、図2に示した浴室用床パネル10は、交差部130の底面より突出した突出部201を用いた例である。
【0015】
そして、この突出部201、すなわち、交差部捕水手段200は、導水路120の排水勾配に影響されずに少量の水が交差部130に滞留可能としている。
なお、交差部捕水手段200によって、交差部130に水が滞留したとしても、滞留する水は少量であるため、短時間で乾燥する。
【0016】
凸部110は、上平面視で、例えば、約5mm×約10mmの長方形とすることができ、高さは、例えば、約0.5mmとすることができる。また、導水路120、すなわち、第1の間隙部121及び第2の間隙部122の幅は、例えば2mm、深さは、例えば0.5mmとすることができる。但し、本発明はこれには制限されない。
【0017】
そして、突出部201の高さは、凸部110の高さと実質的に同等以下とすることができる。
また、図1に示した例では、突出部201は、上平面視で、略円形であり、その径は、例えば、0.2〜2mmとすることができる。ただし、後述するように、本発明はこれには制限されない。
【0018】
図3は、本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの製造に用いられる成形型の要部の構造を例示する模式的斜視図である。
図3に表したように、本実施形態に係る浴室用床パネル10の製造に用いられる成形型10aは、凸部110に対応する型凹部分110aと、第1の間隙部121に対応する型凸部分121aと、第2の間隙部122に対応する型凸部分122aを有している。そして、交差部130に対応する型交差部分130aには、突出部201に対応する型凹部201aが設けられている。このような形状の成形型10aを用いて樹脂を成形することにより、本実施形態に係る浴室用床パネル10を得ることができる。
【0019】
なお、導水路120は、凸部110の間に凸部110に接して設けられるが、実質的には凸部110を形成することによって、凸部110の間に複数の間隙部(第1の間隙部121、第2の間隙部122)が設けられ、これにより、導水路120の主要部分が構成される。すなわち、導水路120は、凸部110を設けることによって自動的に設けることができるため、凸部110とは別に設ける必要はない。ただし、凸部110の間に、凸部110を取り囲むように形成されれば、凸部110を形成する工程とは別の工程によって、導水路120を設けても良い。
【0020】
以上説明した構成を有する浴室用床パネル10の作用について説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの排水状態を例示する模式的斜視図である。
図4(a)は最初の状態であり、図4(b)は、図4(a)に続く図、以降、図4(c)〜図4(f)は、それぞれ前の図に続く図である。
図4(a)に表したように、浴室を普通に使用すると、浴室用床パネル10の表面は濡れる。この時、浴室用床パネル10の表面に、二次元の網目状の溝(導水路120)を設けておくと、溝(導水路120)は、浴室用床パネル10の表面にある水160の一部を、溝(導水路120)の中に一時的に捕水する。すなわち、導水路120の第1の間隙部121及び第2の間隙部122の壁面における水の表面張力によって、導水路120内に水160が捕水され、浴室用床パネル10の表面には、排水口300まで連続した網目状(二次元状)の水路が形成される。
【0021】
そして、図4(b)に表したように、この状態で浴室を使用すると、浴室用床パネル10の表面の大部分の水は、浴室用床パネル10に設けられた通常の排水勾配310によって、導水路120及び浴室用床パネル10の表面全体を流れ、排水される。この時、浴室用床パネル10の表面上に、水玉150が形成され、この水玉150が一時的に浴室用床パネル10の表面に留まってしまうものも発生する。
【0022】
しかし、図4(c)に表したように、この水玉150は独立することはなく、導水路120に捕水された水160とこの水玉150は接触しているため、これら各々の水が持つ表面張力によって、水玉150は、徐々に導水路120に引き込まれる。そして導水路120を経て、排水される。
【0023】
図4(d)に表したように、しばらくすると、水玉150は、全て導水路120に導水され、水玉は消滅する。
そして、図4(e)に表したように、水玉150を導水路120内に引き込むことで、導水路120中の水160の量は一時的に増えるが、導水路120の水160は、ゆっくりと途切れることなく排水されているため、時間の経過と共に、導水路120中の水160の量は減少する。
そして、図4(f)に表したように、しばらくすると、導水路120中の水160も殆どが排水される。この時、万一、導水路120の中に水160が残ってしまった場合、この水160は、量が少なく、浴室用床パネル10の表面の広範囲に渡って散らばっているため、自然乾燥し易く、このため、結果として、浴室用床パネル10の表面は、短時間で完全に乾燥することができる。例えば、平均的な浴室環境である温度15.3℃、湿度66%の環境下において、8時間程度の間に自然乾燥が可能となる。
【0024】
このように、表面に溝(導水路120)を設けることで排水する方式の浴室用床パネルにおいては、その溝(導水路120)の形状・寸法・配置・表面シボなどによって、濡れ性と流下抵抗を大きく発現させ、それによって、導水路120中に水160を繋がった状態で途切れなく捕まえて、効率的な排水を行っている。
この時、排水性能を安定させるためには、導水路120を、より細く、より深く、または、より細かいピッチで設け、導水路120中の水160を途切れない状態で捕水する必要がある。
【0025】
このような浴室用床パネルにおいて、清掃性を向上させたい場合、導水路120となる溝を、より太く、より浅く、より疎に設けることがある。しかし、この場合、導水路120の捕水力が低下し、排水性能が低下してしまう。そして、浴室用床パネルの表面が汚れたり、傷付いたりすることによって、表面の状態が、初期の状態から異なった時にさらに顕著に排水性能が低下する傾向があり、すなわち、浴室用床パネルの表面の汚れや傷は、排水性に係わる耐久性を劣化させる。このように、清掃性と排水性(乾燥性)とはトレードオフの関係となる。
【0026】
清掃性を向上させるために、導水路120となる溝を、より太く、より浅く、より疎に設けると、導水路120の捕水力が全体的に低下していくが、その際、捕水力が弱い部分は、縦横の溝が交わる交差部130であり、この部分で最初に水が途切れ易くなる。
すなわち、床パネルの表面上に刻まれた溝(導水路120)の中に存在する水160は、溝の側面・底面にへばりつきながら流れ、それらの部分にへばりつく合力が床パネルの材質が本来持つ撥水力に打ち勝った場合、そこに途切れずに存在できる。横溝(第1の間隙部121)の部分や、縦溝(第2の間隙部122)の部分では、溝の側壁部分がその両脇に存在するが、横溝と縦溝とが交差する交差部130では、ミクロ的に見ると溝の側壁が一瞬無くなる部分であり、側壁部分に依存していた水の付着力の減少によって、素材そのものの撥水力が勝ち易くなり、他の部分に比べ導水路120中の水が途切れる現象が発生し易い。
交差部130で水が途切れると、交差部130を基点にして切れ始めた水は、縦横の溝の中に溜め込んでいる水にも影響を与え、溝中の水を広範囲に欠損させてしまう。導水路120中の水が、一連して繋がらずに、欠損してしまう部分が多くなると、排水効果が得られなくなる。
【0027】
すなわち、導水路120の第1の間隙部121と第2の間隙部122とが交差する交差部130においては、上平面視での単位面積当たりの表面積が、導水路120の他の部分に比べて、小さい。すなわち、交差部130の近傍の、第1の間隙部121と第2の間隙部122においては、例えば、隣接する複数の凸部110に接した少なくとも2つの壁面により導水路120は囲まれるが、交差部130においては、例えば、図1(a)に表すように、囲まれる壁面を局部的に有さない。このため、交差部130に交差部捕水手段200を設けない場合は、単位面積当たりの表面積が、交差部130以外の部分に比べ明らかに小さい。
なお、本願明細書においては、単位面積とは、微視的な凹凸の表面を考慮に入れた表面積を指すのではなく、浴室用床パネルを上平面視した時の、凸部110の大きさと同程度の桁の大きさの単位面積を指す。
【0028】
すなわち、交差部捕水手段200を設けない場合は、交差部130では、交差部130を囲む壁面が局部的になく、交差部130における単位面積当たりの表面積が小さいため、結果として、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーが小さい。ここで言う、自由エネルギーとは、表面を形成する材料固有の物理化学的な表面自由エネルギーと、上記の単位面積における表面の凹凸を含めた表面積と、の積である。すなわち、この例では、表面自由エネルギーは、交差部130と交差部130以外の部分で同じであるが、上記の単位面積当たりの凹凸を含めた表面積が、交差部130では小さく、結果として交差部130の単位面積当たりの自由エネルギーが他の部分に比べて小さくなる。
【0029】
浴室用床パネル10は、例えばFRP等の樹脂により形成され、その表面は撥水性となっており、その表面自由エネルギーは、一般的に水の表面自由エネルギーより小さい。そして、単位面積当たりの表面積が小さい、すなわち、単位面積当たりの自由エネルギーが小さい交差部130で、水は最初に弾かれ、このため、導水路120中の水160は交差部130において途切れ易くなる。
【0030】
本実施形態に係る浴室用床パネル10においては、交差部130に交差部捕水手段200を設けることで、交差部130で水が途切れることを防止できる。
すなわち、交差部捕水手段200は、交差部130において、局部的に表面自由エネルギーを他の部分に比べて大きくする、及び、単位面積当たりの表面積を局部的に大きくする、の少なくともいずれかにより、単位面積当たりの自由エネルギーを大きくする。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。本実施形態に係る浴室用床パネル10では、この交差部捕水手段200として、突出部201を用い、単位面積当たりの表面積を局部的に大きくした例である。
【0031】
すなわち、突出部201により、交差部130の水が流れる流路を狭めることができ、交差部130における水のへばりつく力を大きくできる。これによって、交差部130で水が途切れにくくできる。
【0032】
このように、捕水性が最も弱い交差部130の捕水性を補強することによって、清掃性を悪化させる要因となる、狭い溝幅、深い溝や、細かい溝配置等の手段を採用しなくても、排水性(乾燥性)や耐久性を確保でき、性能・安定性と清掃性を両立させる浴室用床パネルを提供できる。
【0033】
このようにして、浴室用床パネル10においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル10の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル10によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0034】
なお、本実施形態に係る浴室用床パネル10は、浴槽410とシャワー420が備えられた浴室400の洗い場床430に用いられる例を示したが、例えば、シャワー420は無くても良い。また、浴槽410を有しない、いわゆるシャワー420のみを備えたシャワー室の床パネルとしても用いることができる。すなわち、本願明細書において、「浴室」とは、浴槽を備えた浴室のみならず、シャワーのみを備えたがシャワー室も含める。
さらに、本実施形態に係る浴室用床パネル10は、浴室の洗い場だけではなく、浴槽410の底部の床パネルとして使用することもできる。この場合も、排水性と清掃性を両立することができる。
【0035】
なお、本実施形態において交差部捕水手段200となる突出部201は、種々の大きさ、数、形状を有することができる。これについて、以下、説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式的部分平面図である。
図5(a)は、図1に例示した浴室用床パネル10の平面図である。既に説明したように、導水路120の交差部130、すなわち、第1の間隙部121と第2の間隙部とが交差する交差部130に、交差部捕水手段200となる突出部201(網点部で示す)が設けられている。そして、突出部201の直径は、第1の間隙部121と第2の間隙部122の幅より小さい例である。
図5(b)〜(f)は、第1の実施形態に係る別の浴室用床パネル11、12、13、14、15の平面図である。
図5(b)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル11においては、突出部201の大きさは、図5(a)に例示した浴室用床パネル10の場合よりも大きく、第1の間隙部121と第2の間隙部122の幅とほぼ同じ直径を有している。このように、突出部201の大きさは任意である。
【0036】
また、図5(c)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル12においては、突出部201は、1つの交差部130につき、複数設けられている。この場合は、突出部201は、5つの突出部からなっている。このように、突出部201の数は任意である。
【0037】
さらに、図5(d)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル13においては、突出部201として、交差部130の形状に沿った、略十字形状の突出部201が設けられている。
【0038】
また、図5(e)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル14では、凸部110は、配置のピッチが約1/2ずれたレンガ積みの配列を有している。そして、この場合、突出部201は、交差部130の形状に合わせた略T字形状を有している。このように、突出部201の形状は、円形だけでなく各種の形状を有することができる。
【0039】
また、図5(f)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル15では、突出部201は、4つの細長い突出部からなり、この4つの細長い突出部は、それぞれ、第1の間隙部121または第2の間隙部122にまで延在している。
なお、突出部201が形成された状態の交差部130の底面は、底面のそれぞれが繋がった状態であり、突出部201によって、水が途切れ易くなるものではない。
【0040】
ここで、本図に例示したように、凸部110の上平面視での外形が実質的に直線部を有し、そして、第1の間隙部121の幅が実質的に一定となる部分を有し、及び、第2の間隙部122の幅が実質的に一定となる部分を有する場合、これら間隙部の幅が一定となる部分を除く部分を交差部130と定義することができる。すなわち、本図における点線部を交差部130と定義することができる。
このように交差部130を定義した場合、図5(a)〜(e)に例示した浴室用床パネル10〜14においては、突出部201は、交差部130の内部に設けられている。一方、図5(f)に例示した浴室用床パネル15においては、突出部201は、交差部130を超えて設けられている。すなわち、本実施形態において、突出部201は、交差部130の内部の底面に設けるだけではなく、交差部130の領域を超えて設けることができる。
【0041】
以下、上に説明した第1の実施形態に係る浴室用床パネルの変形例を説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図6(a)は、要部構造を例示する模式的斜視図、図6(b)は、図6(a)のA−A線断面図、図6(c)は、図6(a)のB−B線断面図である。
図6に表したように、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネル16は、既に説明した浴室用床パネル10に対して、凸部110の表面形状が異なり、他の部分に関しては、浴室用床パネル10と同様とすることができるので、凸部110の表面形状についてのみ説明し、他の部分についての説明は省略する。
図6に表したように、浴室用床パネル16は、凸部110の表面に浅い凹凸111を有している。この凹凸111は、各凸部110の上面に独立して設けられ、凹凸111の高さ(深さ)が低いので、導水路120とは異なり、排水口300まで水を導水する機能はないが、浴室用床パネル16の表面の滑り止めの機能があり、また、適度な柔らかさの質感を持たせることができ、さらには、意匠性を高めることができる。
【0042】
このように、凸部110の表面(上面)に凹凸111を設けた場合も、交差部130の交差部捕水手段200である突出部201によって、導水路120の側壁面喪失によって低下した導水路120への水の付着力を補うことができ、交差部130を基点にして導水路120中の水が途切れる現象を防止し、導水路120内に水が繋がった状態で、水を溜め込むことができる。
これにより、本発明の実施形態に係る浴室用床パネル16によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0043】
図7は、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図7(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ、模式的斜視図及び平面図である。
図7に表したように、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネル17は、既に説明した浴室用床パネル10に対して、凸部110の形状が異なり、他の部分に関しては、浴室用床パネル10と同様である。
図7(b)に表したように、浴室用床パネル17において、凸部110は、上平面視で、長辺と短辺がほぼ2:1の長さを有する長方形の形状を有しており、長方形2つが並列してほぼ正方形となっている。そして、2つ並列した長方形の配置の向きが、2つの長方形の組ごとに、縦と横に、互い違いに配置されている。
このような配置の凸部110の場合も、凸部110の間に導水路120が形成され、導水路120は、第1の間隙部121と第2の間隙部122を有し、第1の間隙部121と第2の間隙部122とが交差する交差部130に、交差部捕水手段200として、突出部201が設けられている。この場合も、突出部201は、図5に例示したように、各種の大きさ、数、形状を有することができる。
これにより、本発明の実施形態に係る浴室用床パネル17によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0044】
図8は、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図8(a)は、要部構造を例示する模式的斜視図、図8(b)は、図8(a)のA−A線断面図、図8(c)は、図8(a)のB−B線断面図である。
図8に表したように、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネル18は、既に説明した浴室用床パネル10に対して、凸部110の配置形態が異なり、他の部分に関しては、浴室用床パネル10と同様である。
図8に表したように、浴室用床パネル18において、凸部110は、上平面視で実質的に正方形をしており、その配置は、隣接する列に対して、配列の位相が略1/2ピッチずれた、レンガ積み状の配置を有している。このような配置の凸部110の場合も、凸部110の間に導水路120が形成され、導水路120は、第1の間隙部121と第2の間隙部122を有し、第1の間隙部121と第2の間隙部122とが交差する交差部130に、交差部捕水手段200として、突出部201が設けられている。この場合も、突出部201は、図5に例示したように、各種の大きさ、数、形状を有することができる。
これにより、本発明の実施形態に係る浴室用床パネル18によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0045】
図9は、本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図9(a)は、要部構造を例示する模式的斜視図、図9(b)は、図9(a)のA−A線断面図、図9(c)は、図9(a)のB−B線断面図である。
図9に表したように、本発明の実施形態に係る別の浴室用床パネル19は、既に説明した浴室用床パネル10に対して、凸部110の形状が異なり、他の部分に関しては、浴室用床パネル10と同様である。
図9に表したように、浴室用床パネル19において、凸部110は、上平面視で実質的に正六角形を有しており、その配置は、実質的に六方稠密配列である。
このような形状の場合、凸部110の間に導水路120が形成され、導水路120は、第1の間隙部121と、第2の間隙部122と、第3の間隙部123を有している。そして、この場合、交差部130は、第1の間隙部121と、第2の間隙部122と、第3の間隙部123と、が交差する部分となる。すなわち、交差部130は、3つ以上の間隙部が交差して形成される場合があり、この場合も、交差部130に交差部捕水手段200として、突出部201が設けられている。
この場合も、突出部201は、図5に例示したように、各種の大きさ、数、形状を有することができる。
これにより、本発明の実施形態に係る浴室用床パネル19によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
上記説明した浴室用床パネル10〜15では、交差部捕水手段200として、交差部130の底面132より突出した突出部201を設けた例であるが、以下に説明する第2の実施形態では、交差部捕水手段200として、突出部201に代えて、交差部130に設けられた段差部202を用いた例である。
【0047】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図10(a)は、要部構造を例示する模式的斜視図、図10(b)は、図10(a)のA−A線断面図、図10(c)は、図10(a)のB−B線断面図である。
図10に表したように、本発明の第2の実施形態に係る浴室用床パネル20においては、交差部捕水手段200として、突出部201に代えて、段差部202が設けられている。段差部202は、導水路120の底面及び壁面のいずれかに対して凹部または凸部を形成する。本図に示した例では、段差部202は、導水路120の底面に凹部を設けている。そして、浴室用床パネル20は、上記の段差部202以外は、浴室用床パネル10と同様とすることができる。
このように、本実施形態に係る浴室用床パネル20では、交差部捕水手段200として、交差部130に段差部202を設けることにより、単位面積当たりの表面積を局部的に大きくできる。これにより、段差部202(交差部捕水手段200)は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0048】
このようにして、浴室用床パネル20においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル20によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0049】
なお、このように、交差部捕水手段200として、段差部202を設ける場合、段差部202の高低差hは、例えば、1mm以下とすることができる。すなわち、段差部202の底面と、導水路120内における段差部202と隣接する底面132との高低差は1mm以下、望ましくは、0.5mm以下とすることができる。また、段差部202は、上平面視で、例えば、略円形とすることができ、その場合の直径は、例えば、0.2〜2mmとすることができる。ただし、後述するように、本発明はこれには制限されない。
【0050】
すなわち、以上説明した浴室用床パネル20における段差部202も、以下のように、各種の変形が可能である。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式的部分平面図である。
図11(a)は、図10に例示した浴室用床パネル20の平面図である。交差部捕水手段200となる段差部202(網点で示す)が円形であり、その直径が、第1の間隙部121と第2の間隙部122の幅より小さい例である。
図11(b)〜(f)は、第2の実施形態に係る別の浴室用床パネル21、22、23、24、25の平面図である。
図11(b)、(c)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル21、22においては、段差部202は円形であり、その直径は、第1の間隙部121と第2の間隙部122の幅とほぼ同じ、または、それより大きくできる。このように、段差部202の大きさは任意である。
また、図11(d)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル23においては、段差部202は、1つの交差部130につき、複数設けられている。このように、段差部202の数は任意である。
【0051】
さらに、図11(e)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル24においては、段差部202として、交差部130の形状に沿った、略十字形状の段差部202が設けられている。
【0052】
また、図11(f)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル25では、凸部110は、配置のピッチが約1/2ずれたレンガ積みの配列を有しており、段差部202は、交差部130の形状に合わせた略T字形状を有している。このように、段差部202の形状は、円形だけでなく各種の形状を有することができる。
【0053】
なお、本図に例示した浴室用床パネル20〜25は、段差部202が交差部130の内部に設けられている例である。
【0054】
図12は、本発明の第2の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図12(a)は、要部構造を例示する模式的斜視図、図12(b)は、図12(a)のA−A線断面図、図12(c)は、図12(a)のB−B線断面図、図12(d)は、平面図である。
図12(a)〜(d)に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル26においては、交差部捕水手段200として、4つの段差202i、202j、202k、202lの組を有する段差部202が交差部130に設けられている。
すなわち、4つの段差202i〜202lは、交差部130の近傍に設けられており、これら4つの段差202i〜202lの組からなる段差部202が、交差部130に設けられる例である。このように、段差部202は、交差部130の近傍に設けられた複数の段差の組を有することができる。すなわち、段差部202は、交差部130の内側だけでなく、交差部130の内側及び交差部130の近傍に設けられる段差を含むことができる。なお、この例では、段差部202は、上平面視の形状が略十字の形状を有している。
【0055】
このように、段差部202は、交差部130の内側のみに小さく設けられる必要はなく、交差部130に段差部202が形成されれば良い。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル20によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0056】
また、この段差部202は、導水路120の底面だけではなく、壁面にも設けることができる。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図13(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ模式的斜視図及び拡大模式的平面図である。
図13に表したように、本実施形態に係る別の浴室用床パネル27は、交差部捕水手段200として、交差部130と隣接する導水路120の壁面、すなわち、凸部110の壁面に設けられた、段差部202を用いている。そして、浴室用床パネル27は、上記の段差部202以外は、浴室用床パネル10と同様とすることができる。
このように、本実施形態に係る浴室用床パネル27では、交差部捕水手段200として、交差部130に段差部202を設けることにより、交差部130における単位面積当たりの表面積を局部的に大きくできる。これにより、段差部部202(交差部捕水手段200)は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0057】
このようにして、浴室用床パネル27においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル27によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0058】
このように、本実施形態において、段差部202は、導水路120の底面だけではなく、壁面にも設けることができる。また、同様に、既に説明した突出部201も、導水路120の底面だけでなく、壁面にも設けることができる。
【0059】
(第3の実施の形態)
図14は、本発明の第3の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図14(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ模式的斜視図及び拡大模式的平面図である。
図14に表したように、本発明の第3の実施形態に係る浴室用床パネル30は、交差部捕水手段200として、交差部130を取り囲むように、交差部130の第1の間隙部121と第2の間隙部122とに形成された凸状の壁部203を用いている。なお、壁部203は、導水路120を水が流れることができるように、凸部110と間隙を空けて設けることができる。そして、浴室用床パネル30は、上記の壁部203以外は、浴室用床パネル10と同様とすることができる。
【0060】
この壁部203により、交差部130にごく少量の水が溜まることができるようにすることで、交差部130で水が途切れ難くすることができる。
すなわち、本実施形態に係る浴室用床パネル30では、交差部捕水手段200として、交差部130に壁部203を設けることにより、交差部130における単位面積当たりの表面積を局部的に大きくできる。これにより、壁部203(交差部捕水手段200)は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0061】
このようにして、浴室用床パネル30においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル30によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0062】
なお、本実施形態に係る浴室用床パネル30において、壁部203を交差部130に設ける際、交差部130で水が捕水できるように設けられれば、交差部130の内部のみに設けても良く、交差部130の内部、及び、交差部130の領域を超えて、設けても良い。
【0063】
(第4の実施の形態)
図15は、本発明の第4の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図15(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ模式的斜視図及び拡大模式的平面図である。
図15に表したように、本発明の第4の実施形態に係る浴室用床パネル40は、交差部捕水手段200として、交差部130の間の幅を局所的に狭くする、凸部110に連続した延在凸部204を用いている。すなわち、交差部130から離れた場所における、第1の方向の第1の間隙部121の幅W、及び、第2の方向の第2の間隙部122の幅Wに対して、交差部130の近傍における、凸部110の間の第1の方向の幅Wと第2の方向の幅Wとが、局部的に狭くなっている。すなわち、交差部130において凸部110の間隙を狭くする、凸部110に連続した延在凸部204を設けることにより、交差部130における導水路120の幅が局所的に狭くなる。そして、浴室用床パネル40は、上記の延在凸部204以外は、浴室用床パネル10と同様とすることができる。
【0064】
この延在凸部204によって、交差部130における凸部110どうしの幅を局所的に狭め、交差部130における水のへばりつく力を大きくしている。これによって、交差部130で水が途切れ難くすることができる。
すなわち、本実施形態に係る浴室用床パネル40では、交差部捕水手段200として、延在凸部204を設けることにより、交差部130において、凸部110の間の幅を局部的に狭くしている。これにより、交差部130における単位面積当たりの表面積を局部的に大きくできる。これにより、延在凸部204(交差部捕水手段200)は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0065】
このようにして、浴室用床パネル40においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル40によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0066】
(第5の実施の形態)
図16は、本発明の第5の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図16(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ模式的斜視図及び拡大模式的平面図である。
図16に表したように、本発明の第5の実施形態に係る浴室用床パネル50は、交差部捕水手段200として、交差部130に設けられた高表面粗さ部205を用いている。この高表面粗さ部205は、交差部130以外の表面の表面粗さより、表面粗さが粗い。すなわち、浴室用床パネル50に用いられる樹脂の表面に、例えば、適当なマスクを介したブラスト等の処理により表面シボを設ける際、交差部130の表面シボの粗さが、交差部130以外の部分より粗くなるように処理することによって、この高表面粗さ部205を設けることができる。なお、この高表面粗さ部205は、浴室用床パネル50を所定形状に成形した後に設けることもでき、また、交差部130に対応する部分に所定の高表面粗さ部を設けた成形型を用いて成形することによっても得られる。
そして、浴室用床パネル50は、上記の高表面粗さ部205以外は、浴室用床パネル10と同様とすることができる。
【0067】
この高表面粗さ部205によって、交差部130の表面シボを粗くすることで、交差部130における水の濡れ性が向上し、交差部130で水が途切れ難くなる。なお、交差部130のみに高表面粗さ部205を設けるので、表面シボを粗くしたことによる耐汚染性低下の影響を、ごく一部のみに抑えることができる。
すなわち、本実施形態に係る浴室用床パネル50では、交差部捕水手段200として、交差部130に高表面粗さ部205を設けることにより、交差部130における単位面積当たりの表面積、または、表面自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、高表面粗さ部205(交差部捕水手段200)は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0068】
このようにして、浴室用床パネル50においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル50によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0069】
(第6の実施の形態)
図17は、本発明の第6の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図17(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ模式的斜視図及び拡大模式的平面図である。
図17に表したように、本発明の第6の実施形態に係る浴室用床パネル60は、交差部捕水手段200として、交差部130に設けられた高濡れ性部206を用いている。この高濡れ性部206では、交差部130以外の部分の濡れ性より、濡れ性が高い。なお、濡れ性とは、水に対する濡れ性である。この高濡れ性部206は、交差部130の部分の樹脂の表面に、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、フォーミング処理、サンドブラスト処理、紫外線照射処理、コロイダルシリカ処理、及び、各種のカップリング材処理等の表面処理を施すことによって得られる。また、交差部130に他の部分より親水性の高い材料を用いたり、交差部130の表面に他の部分より親水性の高い材料を塗布等の方法によって設けることで得られる。
そして、浴室用床パネル60は、上記の高濡れ性部206以外は、浴室用床パネル10と同様とすることができる。
【0070】
交差部130を高濡れ性化、すなわち、親水化することで、交差部130で水膜が形成され易くなり、交差部130で水が途切れ難くすることができる。
すなわち、本実施形態に係る浴室用床パネル60では、交差部捕水手段200として、交差部130に高濡れ性部206を設けることにより、交差部130における表面自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、高濡れ性部206(交差部捕水手段200)は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくできる。これにより、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0071】
このようにして、浴室用床パネル60においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル60によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
【0072】
なお、交差部捕水手段200として、上記の突出部201、段差部202、壁部203、延在凸部204、高表面粗さ部205及び高濡れ性部206のうちから選ばれた2つ以上を同時に設けても良い。
【0073】
また、以上説明した浴室用床パネル10〜27、30、40、50、60において、凸部110は、それぞれ完全に独立した島状の場合の例を示したが、本発明は、これには限定されず、導水路120の捕水と排水の動作機構に実質的な悪影響がない範囲で、隣接する凸部同士が、一部の狭い領域で繋がっていても良い。
【0074】
(第7の実施の形態)
本実施形態に係る浴室用床パネルは、隣接する凸部110が一部の狭い領域で繋がっている例である。
図18は、本発明の第7の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。図18(a)、(b)は、要部構造を例示する、それぞれ模式的斜視図及び拡大模式的平面図である。
図18に表したように、本発明の第7の実施形態に係る浴室用床パネル70は、図1に例示した浴室用床パネル10において、隣接する凸部110同士が、凸部110の間に設けられた間隙凸部115によって、一部の狭い領域で繋がっている例である。間隙凸部115は、例えば、凸部110の高さの半分程度以下の高さを有し、これにより、凸部110の間に形成される導水路120の中の水の移動速度を制御する機能を有する。また、場合によっては、間隙凸部115によって意匠性を高めることもできる。この間隙凸部115は、交差部130から遠い部位に設けることもでき、また、交差部130に近い部位にも設けることができ、その数も任意である。さらには、全ての凸部110の間に設けることもできるし、任意の凸部110の間だけに設けることもできる。
【0075】
そして、浴室用床パネル70は、交差部捕水手段200として、交差部130に突出部201を有している。これにより、交差部捕水手段200は、交差部130において、単位面積当たりの自由エネルギーを局部的に大きくでき、交差部130において水を弾き難くなり、結果として、交差部130で水が途切れることを防止できる。
【0076】
このようにして、浴室用床パネル70においては、清掃性を向上させるために、導水路120の幅寸法を長くしたり、導水路120の高さ(深さ)寸法を短くしたり、導水路120の配置ピッチを長くしても、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル20の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで、導水路120から、排水口300に途切れることなく排水される。そして、翌日には、洗い場上に水滴が残らなくなる。
これにより、本実施形態に係る浴室用床パネル70によって、排水性と清掃性とを両立させた浴室用床パネルを提供することができる。
同様に、交差部捕水手段200として、段差部202、壁部203、延在凸部204、高表面粗さ部205及び高濡れ性部206を用いた場合も、隣接する凸部110が一部の狭い領域で繋がっていても良い。すなわち、凸部110は島状に形成されるが、完全に独立していなくても良い。
【0077】
(第8の実施の形態)
図19は、本発明の第8の実施形態に係る浴室用床パネルの構造を例示する模式図である。
図19に表したように、本発明の第8の実施形態に係る浴室用床パネル80は、図2に例示した浴室用床パネル10に対して、さらに、排水口300に連結し、排水口300への水の排水を補助するための排水流し溝320を備えている。そして、導水路120は、導水路120に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、浴室用床パネル30の表面で水玉150を形成した残水は、導水路120内に一時捕水されている水160と接触することで導水路120から排水流し溝320に途切れることなく排水される。
そして、浴室用床パネル10と同様に、導水路120は、交差部を複数有するように少なくとも2方向以上に渡って形成されており、導水路120内の交差部130に交差部捕水手段200が設けられている。すなわち、導水路120は、複数の凸部110の間に設けられ、第1の方向に延在する第1の間隙部121と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の間隙部122と、第1の間隙部121と第2の間隙部122とが交差する交差部130に設けられた交差部捕水手段200と、を有している。
【0078】
図19に示した浴室用床パネル80は、交差部捕水手段200として、突出部201を用いた例である。
【0079】
本実施形態の場合も、交差部捕水手段200として、図1及び図5〜9に例示した各種の突出部201、図10〜13に例示した各種の段差部202、図14に例示した壁部203、図15に例示した延在凸部204、図16に例示した高表面粗さ部205、図17に例示した高濡れ性部206、及び、それらのうちから選ばれた2つ以上を使用することができる。
【0080】
このように、交差部130に交差部捕水手段200を設けることで、導水路120の側壁面喪失によって低下した導水路120への水の付着力を補うことができ、交差部130を基点にして導水路120中の水が途切れる現象を防止し、導水路120内に水が繋がった状態で、水を溜め込むことができる。
これにより、本発明の実施形態に係る浴室用床パネル80によって、排水性と清掃性とを両立させた床パネルを提供することができる。
【0081】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、浴室用床パネルを構成する各要素の具体的な構成に関しては、当業者が公知の範囲から適宜選択することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができる限り、本発明の範囲に包含される。
また、各具体例のいずれか2つ以上の要素を技術的に可能な範囲で組み合わせたものも、本発明の要旨を包含する限り本発明の範囲に含まれる。
その他、本発明の実施の形態として上述した浴室用床パネルを基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての浴室用床パネルも、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの構造を例示する模式図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの製造に用いられる成形型の要部の構造を例示する模式的斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの排水状態を例示する模式的斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式的部分平面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式的部分平面図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である
【図13】本発明の第2の実施形態に係る別の浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である
【図14】本発明の第3の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である
【図15】本発明の第4の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図16】本発明の第5の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図17】本発明の第6の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である。
【図18】本発明の第7の実施形態に係る浴室用床パネルの要部構造を例示する模式図である
【図19】本発明の第8の実施形態に係る浴室用床パネルの構造を例示する模式図である。
【符号の説明】
【0083】
10〜27、30、40、50、60、70、80…浴室用床パネル、 10a…成形型、 110…凸部、 110a…型凹部分、 111…凹凸、 115…間隙凸部、 120…導水路、 121…第1の間隙部、 121a、122a…型凸部分、 122…第2の間隙部、 123…第3の間隙部、 130…交差部、 130a…型交差部分、 132…底面、 150…水玉、 160…水、 200…交差部捕水手段、 201…突出部、 201a…型凹部、 202…段差部、202i〜202l…段差、 203…壁部、 204…延在凸部、 205…高表面粗さ部、 206…高濡れ性部、 300…排水口、310…排水勾配、 320…排水流し溝、 400…浴室、 410…浴槽、 420…シャワー、 430…洗い場床

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料で形成された浴室用床パネルであって、
前記浴室用床パネル上の水を排水するための排水口と、
前記浴室用床パネルの表面に間隔を空けて島状に形成された複数の凸部と、
前記複数の凸部のそれぞれの間に、前記凸部を取り囲むように設けられ、前記排水口まで連続するように設けられた導水路と、
を備え、
前記導水路は、交差部を形成するように2方向以上に渡って形成され、
前記交差部において、前記導水路内に水が流れ込んだ時に前記交差部で水が途切れることを防止する交差部捕水手段が設けられたことを特徴とする浴室用床パネル。
【請求項2】
樹脂材料で形成された浴室用床パネルであって、
前記浴室用床パネルの上の水を排水するための排水口と、
前記排水口への水の排水を補助するための排水流し溝と、
前記浴室用床パネルの表面に間隔を空けて島状に形成された複数の凸部と、
前記複数の凸部のそれぞれの間に、前記凸部を取り囲むように設けられ、前記排水流し溝まで連続するように設けられた導水路と、
を備え、
前記導水路は、交差部を形成するように2方向以上に渡って形成され、
前記交差部において、前記導水路内に水が流れ込んだ時に前記交差部で水が途切れることを防止する交差部捕水手段が設けられたことを特徴とする浴室用床パネル。
【請求項3】
樹脂製の浴室用床パネルであって、
前記浴室用床パネルの上の水を排水するための排水口と、
前記浴室用床パネルの表面に設けられた複数の凸部と、
前記複数の凸部の間に設けられ、第1の方向に延在する第1の間隙部と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の間隙部と、前記第1の間隙部と前記第2の間隙部とが交差する交差部に設けられ前記交差部において水が途切れることを防止する交差部捕水手段と、を有し、前記排水口に連続する導水路と、
を備え、
前記導水路は、前記導水路に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、前記浴室用床パネルの表面で水玉を形成した残水は、前記導水路内に一時捕水されている水と接触することで前記導水路内に引き込まれ、前記導水路から前記排水口に途切れることなく排水されることを特徴とする浴室用床パネル。
【請求項4】
樹脂製の浴室用床パネルであって、
前記浴室用床パネルの上の水を排水するための排水口と、
前記排水口に連通し、前記排水口への水の排水を補助するための排水流し溝と、
前記浴室用床パネルの表面に設けられた複数の凸部と、
前記複数の凸部の間に設けられ、第1の方向に延在する第1の間隙部と、第1の方向とは異なる第2の方向に延在する第2の間隙部と、前記第1の間隙部と前記第2の間隙部とが交差する交差部に設けられ前記交差部において水が途切れることを防止する交差部捕水手段と、を有し、前記排水流し溝に連続する導水路と、
を備え、
前記導水路は、前記導水路に流れ込んだ水を途切れさせずに一時捕水可能とし、前記浴室用床パネルの表面で水玉を形成した残水は、前記導水路内に一時捕水されている水と接触することで前記導水路内に引き込まれ、前記導水路から前記排水流し溝に途切れることなく排水されることを特徴とする浴室用床パネル。
【請求項5】
前記交差部捕水手段は、前記導水路内の排水勾配に影響されずに水が前記交差部に滞留可能とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。
【請求項6】
前記交差部捕水手段は、前記交差部の底面から突出した突出部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。
【請求項7】
前記交差部捕水手段は、前記交差部を取り囲むように形成された凸状の壁部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。
【請求項8】
前記交差部捕水手段は、前記凸部の間の幅を前記交差部において局部的に狭くする、前記凸部に連続して設けられた延在凸部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。
【請求項9】
前記交差部捕水手段は、前記交差部に設けられた、前記交差部以外における表面粗さより粗い表面粗さを有する高表面粗さ部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。
【請求項10】
前記交差部捕水手段は、前記交差部に設けられた、前記交差部以外における水に対する濡れ性より水に対する濡れ性が高い高濡れ性部を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。
【請求項11】
前記交差部捕水手段は、前記交差部における表面自由エネルギー及び表面積の少なくともいずれかを局所的に大きくしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室用床パネル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−179938(P2009−179938A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17194(P2008−17194)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】