説明

海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構

【課題】 従来のタンク内に生海苔が多く残っている間に海水を注入して排出する作業では、排水中の生海苔の量が多く、一回の排水で捨てる生海苔の量は乾海苔で2〜3枚になるため、生海苔の無駄な廃棄となり、経済性の低下を招来する等の弊害と、また生海苔の廃棄量は生産量の略1%にも達するため、捨て海苔の回収及び/又は生海苔の有効利用が図れないこと等の問題がある。
【構成】 海苔混合液用の第一タンクに選別用の第一回転部材を設置し、選別用の第一隙間を形成し、第一隙間で選別した生海苔を第一良品タンクに導き、また異物を第一タンク内に留め置く主海苔異物分離除去機と、主海苔異物分離除去機の第一タンクに並設した捨て海苔混合液用の第二タンクに選別用の第二回転部材を設置し、選別用の第二隙間を形成し、第二隙間で選別した生海苔を第一良品タンク等に送る副海苔異物分離除去機でなる海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の海苔混合液の異物分離装置としては、特開平8−140637号の「生海苔の異物分離除去装置」(文献(1)とする)、特開2004−357640の「海苔混合液の異物分離装置」(本出願人が特許取得済みである。文献(2)とする)、又は特開2000−139424「生海苔の異物分離方法及び異物分離器並びに異物除去装置」(文献(3)とする)が挙げられる。この海苔混合液の異物分離装置における海苔作業では、このタンク内に間欠式及び/又は繰り返して投入される生海苔混合液が、このタンクの底面と回転部材(回転板、回転部等)との隙間を利用して生海苔と異物とに分離される。そして、この生海苔は吸込み口を介して良品タンクに導かれ、またこの異物はタンク内に留め置かれる。この生海苔の良品タンクへの導きと、この異物のタンク内への留め置き等の作業を繰り返す(選別作業と云う)。この選別作業には、通常は略5〜8分程度の時間を設定し、生海苔混合液が間欠式及び/又は繰返して投入されることで、この生海苔混合液中の異物が増える。このように異物が増えることは、生海苔に対して異物が多くなるとともに、前記隙間及び吸込み口からの生海苔の吸込み量が減少し、処理の能力の低下を招来し、効率的な製造が図れず、また製造枚数も低下する。一方、前記の状態では、当然、異物が多量に吸込まれる。この吸込まれた異物が良品タンクに到り、この良品タンクの生海苔で乾海苔(海苔製品)を製造する際、製造された乾海苔に異物が混入される確率が高くなり、品質の低下と価格の低下を招来すること等の極めて由々しき問題が発生することが考えられる。
【0003】
それがために、現場における海苔作業(現場)では、通常、タンク内に生海苔が多く残っている間、即ち、早目に、海水を注入しながら排出することが行われる。しかし、このよう作業(装置及び/又は方法)では、排水(排出する海水、又は水等)中に含まれる生海苔の量が多く、通常、一回の排水において、捨てる生海苔の量は、一回の選別作業(略5〜8分程度)当り、乾海苔で2〜3枚になるという事実がある。従って、生海苔(海苔原藻)の無駄な廃棄となること、経済性の低下を招来すること等の弊害が考えられる。尚、生海苔の廃棄量は、生産量の略1%にも達すると云われており、その改良が望まれている。
【0004】
また前記選別作業後には、このタンク内に留め置かれた異物の排出及び/又はこのタンクの清掃(洗浄)が必要とされる。この異物の排出及び/又はタンクの清掃には、海水及び/又は水をタンク内に注入し、当該異物及び/又は海水・生海苔等を笊、タンク等の容器に導く方法を用いているが、この異物の排出作業には、略30〜60秒必要であることから、この間はタンク内での選別作業の停止が余儀なくされる。従って、時間的なロスが発生すること、また不経済であること等の改良点が挙げられる。
【0005】
前述した文献(1)〜(3)の海苔混合液の異物分離装置の改良及び/又はこの文献(1)〜(3)には開示されていない捨て海苔の回収装置に関連する他の先行発明として文献(4)、(5)を列挙する。
【0006】
文献(4)は特開平9−94079号の「生海苔の異物除去装置」である。この発明は、原藻(生海苔)より大きな異物を第一異物分離手段で、原藻より小さな異物を第二異物分離手段でそれぞれ分離する構成である。しかし、この発明は、海水の注入量を調整し、第一・第二異物分離手段で行うとの記述はあるが、その構成と手段に関する具体的な記述がなく、発明としての内容に疑問がある。
【0007】
また文献(5)は特開2003−250501の「生海苔の異物分離方法及び装置」である。この発明は、大きな異物を分離した生海苔と水とを分離槽に導き、この分離槽で撹拌しつつ、この内側の水圧を高くし、分離槽の微小孔から微小異物と水を排出し、生海苔と微小異物とを分離する方法と装置である。この発明は、微小異物を有効に分離し、生海苔の清浄度の向上を意図する。しかし、生海苔中に残っている大きな異物は、微小隙間を通過できず依然として生海苔の中に残ることから問題である。
【0008】
【特許文献1】特開平8−140637号
【特許文献2】特開2004−357640
【特許文献3】特開2000−139424
【特許文献4】特開平9−94079号
【特許文献5】特開2003−250501
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
先述の文献(2)は、海苔異物分離除去機(本発明の主海苔異物分離除去機に相当する)の除去率を向上するために、隙間(本発明の第一隙間に相当する)の設定を限りなく狭くし、例えば、運転前の隙間の設定を略0に設定する。しかし、この隙間は、僅かな製作公差と、運転中における吸込み用のポンプの吸引圧による負圧作用で可変(開く)することがあり得る。そして、海苔原藻の採取時期及び/又はこの海苔原藻の状態においては、この隙間の可変で異物が通過し易くなり、除去率が悪くなることが実際に確かめられている。従って、運転中の隙間をより少なくするには、停止時の隙間を0よりマイナスに設定する必要がある。しかし、このマイナスとした隙間の設定には、弊害があり、例えば、運転開始時にポンプの吸引にエアーが混入し、急に負圧が無くなる現象が発生した場合には、隙間がマイナスに戻るためコスリ音が発生し、回転部材(本発明の第一回転部材に相当する)及び/又はタンク(本発明の第一タンクに相当する)の底面(選別ケーシング)の磨耗が発生する。このように、隙間の設定許容範囲の拡充と、回転部材及び/又はタンクの底面の磨耗回避が要望されている。
【0010】
また文献(1)、(3)は、隙間(本発明の第一隙間に相当する)を、回転部材(本発明の第一回転部材に相当する)とタンク(本発明の第一タンクに相当する)の底面で形成する構成であり、この隙間の微小な調整には限界があり、実機では不可能と考えられる。またこの隙間を微小にするには、製作公差を考えると不可能に近く、実機での実施は困難と考えられる。また回転部材及び/又はタンクの底面の磨耗が発生する蓋然性がある。従って、この文献(1)、(3)においても、隙間の設定許容範囲の拡充と、回転部材及び/又はタンクの底面の磨耗回避が要望されている。
【0011】
さらに文献(4)、(5)は、小さい(微小)異物の分離(濾過)除去と、洗浄水の有効利用を意図する発明に留まっている。従って、従来の問題点の一部が残っている。この従来の問題点を説明すると、タンク内に生海苔が多く残っている間(早目)に、海水を注入しながら排出する作業(装置及び/又は方法)では、排水(排出する海水、又は水等)中に含まれる生海苔の量が多く、通常、一回の排水において、捨てる生海苔の量は、一回の選別作業(略5〜8分程度)当り、乾海苔で2〜3枚になるという事実がある。従って、生海苔(海苔原藻)の無駄な廃棄となること、経済性の低下を招来すること等の弊害と、また生海苔の廃棄量が、生産量の略1%にも達すると云われていること、さらに分離槽からの捨て海苔の回収及び/又は生海苔の有効利用が図れないこと等が考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明は、主海苔異物分離除去機と副海苔異物分離除去機を並設するとともに、この主海苔異物分離除去機の第一タンクと前記副海苔異物分離除去機の第二タンクを、捨て海苔混合液排出管で連通し、この主海苔異物分離除去機からの捨て海苔(捨て海苔混合液)を、この副海苔異物分離除去機で異物分離可能とする構成を採用し、この種の捨て海苔回収及び/又は捨て海苔中の生海苔の有効利用と(早目の海水注入及び/又は排出等による作業では捨て海苔が多くなる)、経済性の向上、又はこの捨て海苔及び/又は海水の廃棄に基づく各種の公害・塩害の回避等を図ることを意図する。また請求項1の発明は、少なくとも第一回転部材及び/又は第一タンクの底面の磨耗を回避すること、また第一隙間の設定許容範囲の拡充を図ること等を意図する。
【0013】
請求項1は、海苔混合液用の第一タンクに選別用の第一回転部材を設置し、この第一回転部材と第一タンクに設けた溝、孔等の第一空間部の間で選別用の第一隙間を形成し、この第一隙間を介して前記第一タンク内に投入された海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第一タンクの第一吸込み口より吸引し第一良品タンクに導き、また前記異物(と捨て海苔)を前記第一タンク内に留め置く構成の主海苔異物分離除去機と、
この主海苔異物分離除去機の第一タンクに並設した捨て海苔混合液用の第二タンクに選別用の第二回転部材を設置し、この第二回転部材と第二タンクに設けた溝、孔等の第二空間部の間で選別用の第二隙間を形成し、この第二隙間を介して前記第二タンク内に投入された海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第二タンクの第二吸込み口より排出し、前記異物を前記第二タンク内に留め置く構成の副海苔異物分離除去機と、
前記第一タンクと前記第二タンクを、捨て海苔混合液排出管で連通し、この主海苔異物分離除去機より排出された捨て海苔混合液を、この副海苔異物分離除去機において異物分離可能とする構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成すること、またこの目的を達成するのに最適な第一・第二タンクを提供すること等を意図する。
【0015】
請求項2は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一タンクに対して、前記副海苔異物分離除去機の第二タンクが小型であって、この第二タンクを前記第一タンクの底部に開口する捨て海苔混合液排出管の下方に設置する構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成すること、またこの目的を達成するのに最適な第一・第二隙間を提供すること等を意図する。
【0017】
請求項3は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一隙間に対して、副海苔異物分離除去機の第二隙間を僅少とし、この第二隙間で小異物を選別可能とする構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1の目的を達成すること、またこの目的を達成し、かつ従来の海苔異物分離除去機を有効利用すること等を意図する。
【0019】
請求項4は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一タンクと、前記副海苔異物分離除去機の第二タンクとを同じ大きさ・構成とし、この第一タンクからポンプを経由してこの第二タンクに捨て海苔混合液を投入する構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0020】
請求項5の発明は、請求項1の目的を達成すること、またこの目的を達成するのに最適な主・副海苔異物分離除去機を提供すること、又は洗浄効率・分離効率の向上等を意図する。
【0021】
請求項5は、請求項1に記載した主・副海苔異物分離除去機の第一・第二タンクの洗浄水注入管を前記捨て海苔混合液排出管又は副海苔異物分離除去機の異物排出管より遠方に離間した箇所に設ける構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0022】
請求項6の発明は、請求項1の目的を達成すること、またこの目的を達成するのに最適な第二タンクで選別した生海苔の搬送先を選択すること等を意図する。
【0023】
請求項6は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機における前記第一タンクの第一回転部材を可動し、第一隙間で海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第一タンクの第一吸込み口より吸引し第一良品タンクに導き、また前記異物(と捨て海苔)を前記第一タンク内に留め置く選別作業中に、前記副海苔異物分離除去機の第二タンクの第二回転部材を可動し、第二隙間で捨て海苔混合液(残余の海苔混合液)から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第二タンクの第二吸込み口より吸引し、前記主海苔異物分離除去機の第一タンクへの還流、第一良品タンク及び/又は第二良品タンク(選択可能な生海苔の搬送)に導くことを可能とし、また前記異物を前記第二タンク内に留め置く構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0024】
請求項7の発明は、請求項2の目的を達成すること、またこの目的を達成するのに最適な副海苔異物分離除去機の第二タンクの設置位置を確保できる構成を提供すること等を意図する。
【0025】
請求項7は、請求項2に記載した副海苔異物分離除去機の第二タンクを前記主海苔異物分離除去機の第一タンクの底部に開口する捨て海苔混合液排出管の下方に設置した構成であって、この捨て海苔混合液排出管からの落差を介して前記第二タンクに捨て海苔混合液を供給する構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明は、海苔混合液用の第一タンクに選別用の第一回転部材を設置し、第一回転部材と第一タンクに設けた溝、孔等の第一空間部の間で選別用の第一隙間を形成し、第一隙間を介して第一タンク内に投入された海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、選別した生海苔を第一タンクの第一吸込み口より吸引し第一良品タンクに導き、また異物を第一タンク内に留め置く構成の主海苔異物分離除去機と、
主海苔異物分離除去機の第一タンクに並設した捨て海苔混合液用の第二タンクに選別用の第二回転部材を設置し、第二回転部材と第二タンクに設けた溝、孔等の第二空間部の間で選別用の第二隙間を形成し、第二隙間を介して第二タンク内に投入された海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、選別した生海苔を第二タンクの第二吸込み口より排出し、異物を第二タンク内に留め置く構成の副海苔異物分離除去機と、
第一タンクと第二タンクを、捨て海苔混合液排出管で連通し、主海苔異物分離除去機より排出された捨て海苔混合液を、副海苔異物分離除去機において異物分離可能とする海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0027】
従って、請求項1は、主海苔異物分離除去機と副海苔異物分離除去機を並設するとともに、この主海苔異物分離除去機の第一タンクと前記副海苔異物分離除去機の第二タンクを、捨て海苔混合液排出管で連通し、この主海苔異物分離除去機からの捨て海苔を、この副海苔異物分離除去機で異物分離可能とする構成を採用し、この種の捨て海苔回収及び/又は捨て海苔中の生海苔の有効利用と、経済性の向上、又はこの捨て海苔及び/又は海水の廃棄に基づく各種の公害・塩害の回避等が図れる特徴がある。また請求項1は、少なくとも第一回転部材及び/又は第一タンクの底面の磨耗を回避できること、また第一隙間の設定許容範囲の拡充が図れること等の利点がある。また異物の除去率の向上を探求する結果(隙間の極限の微小化)により発生し易い、処理能力の低下というギャップを解消し、もって、除去率の向上と、処理能力の向上の両方を満足する構成を提供できる実益がある。
【0028】
請求項2の発明は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一タンクに対して、副海苔異物分離除去機の第二タンクが小型であって、第二タンクを第一タンクの底部に開口する捨て海苔混合液排出管の下方に設置する海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0029】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できること、またこの目的を達成するのに最適な第一・第二タンクを提供できること等の特徴がある。
【0030】
請求項3の発明は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一隙間に対して、副海苔異物分離除去機の第二隙間を僅少とし、第二隙間で小異物を選別可能とする海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0031】
従って、請求項3は、請求項1の目的を達成できること、またこの目的を達成するのに最適な第一・第二隙間を提供できること等の特徴がある。
【0032】
請求項4の発明は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一タンクと、副海苔異物分離除去機の第二タンクとを同じ大きさ・構成とし、第一タンクからポンプを経由して第二タンクに捨て海苔混合液を投入する海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0033】
従って、請求項4は、請求項1の目的を達成できること、またこの目的を達成し、かつ従来の海苔異物分離除去機を有効利用できること等の特徴がある。
【0034】
請求項5の発明は、請求項1に記載した主・副海苔異物分離除去機の第一・第二タンクの洗浄水注入管を捨て海苔混合液排出管又は副海苔異物分離除去機の異物排出管より遠方に離間した箇所に設ける構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0035】
従って、請求項5は、請求項1の目的を達成できること、またこの目的を達成するのに最適な主・副海苔異物分離除去機を提供できること、又は洗浄効率・分離効率の向上等が図れる特徴がある。
【0036】
請求項6の発明は、請求項1に記載した主海苔異物分離除去機における第一タンクの第一回転部材を可動し、第一隙間で海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、選別した生海苔を第一タンクの第一吸込み口より吸引し第一良品タンクに導き、また異物を第一タンク内に留め置く選別作業中に、副海苔異物分離除去機の第二タンクの第二回転部材を可動し、第二隙間で捨て海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、選別した生海苔を第二タンクの第二吸込み口より吸引し、主海苔異物分離除去機の第一タンクへの還流、第一良品タンク及び/又は第二良品タンクに導くことを可能とし、また異物を第二タンク内に留め置く海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0037】
従って、請求項6は、請求項1の目的を達成できること、またこの目的を達成するのに最適な第二タンクで選別した生海苔の搬送先を選択できること等の特徴がある。
【0038】
請求項7の発明は、請求項2に記載した副海苔異物分離除去機の第二タンクを主海苔異物分離除去機の第一タンクの底部に開口する捨て海苔混合液排出管の下方に設置した構成であって、捨て海苔混合液排出管からの落差を介して第二タンクに捨て海苔混合液を供給する海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構である。
【0039】
従って、請求項7は、請求項2の目的を達成できること、またこの目的を達成するのに最適な副海苔異物分離除去機の第二タンクの設置位置を確保できる構成を提供できること等の特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の一例を説明する。
先ず図面の説明をする。図1は第一の実施例を示した全体の断面図、図2は図1の主海苔異物分離除去機の要部の拡大断面図、図3は図1の主海苔異物分離除去機の第一隙間を説明する拡大断面図、また図4は第二の実施例を示した全体の断面図、図5は図4の主海苔異物分離除去機の要部の拡大断面図、図6は図4の主海苔異物分離除去機の第一隙間を説明する拡大断面図、更に図7は第三の実施例を示した全体の断面図、図8は第三の実施例の主海苔異物分離除去機の要部の拡大断面図、図9は第三の実施例の主海苔異物分離除去機の第一隙間を説明する拡大断面図である。
【0041】
図1〜図3に示した第一の実施例を説明すると、1Aは主海苔異物分離除去機Aの海苔混合液用の第一タンクで、この第一タンク1Aには海苔混合液投入管2Aと洗浄水注入管3A(海苔混合液の希釈用を兼ねることもあり得る)がそれぞれ設けられている。またこの第一タンク1Aの第一空間部4Aには第一隙間5Aを介して略深皿型の第一回転板6A(第一回転部材)が設けられており、この第一回転板6Aは第一回転軸60Aに軸支されており第一モータ61Aを介して回転する。またこの第一タンク1Aには選別した生海苔を第一良品タンク7Aに導く第一ホース70Aが接続される第一吸込み口8Aが設けられている。さらに当該第一タンク1Aには捨て海苔混合液排出管9Aを連通するための捨て海苔混合液排出口90Aが開設されている。尚、図中91Aは捨て海苔混合液排出管9Aに設けた第一バルブ、また71Aは第一ホース70Aに設けた第一ポンプを示す。また1Bは副海苔異物分離除去機Bの海苔混合液用の第二タンクで、この第二タンク1Bには洗浄水注入管3B(海苔混合液の希釈用を兼ねることもあり得る)が設けられている。またこの第二タンク1Bの第二空間部4Bには第二隙間5Bを介して略椀型の第二回転板6B(第二回転部材)が設けられており、この第二回転板6Bは第二回転軸60Bに軸支されており第二モータ61Bを介して回転する。またこの第二タンク1Bには第二吸込み口8Bが設けられており、この第二吸込み口8Bには、選別した生海苔を、例えば、第二良品タンク7B、第一タンク1A、又は第一良品タンク7Aに導くための第二ホース70Bが接続されている。さらに当該第二タンク1Bに異物を排出する異物排出管10Bが接続される異物排出口11Bが設けられている。尚、図中100Bは異物排出管10Bに設けた第二バルブ、また71Bは第二ホース70Bに設けた第二ポンプを示す。そして、この例では、副海苔異物分離除去機Bの第二タンク1Bを前記主海苔異物分離除去機Aの第一タンク1Aの底部に開口する捨て海苔混合液排出管9Aの下方に設置した構成であって、捨て海苔混合液排出管9Aからの落差を介して第二タンク1Bに捨て海苔混合液を供給する。図中12Bは第二タンク1Bに設けた液面用の第二センサーを示す。尚、第一タンク1Aには液面用の第一センサーを設ける(番号を付さず)。
【0042】
次に、第一の実施例の選別作業を説明すると、海苔混合液投入管2Aより海苔混合液(生海苔混合液)を第一タンク1Aに投入(供給)しながら、この第一タンク1Aの第一回転板6Aを回転させる。この第一回転板6Aの回転によって、投入された海苔混合液中の生海苔は、第一隙間5Aより吸込まれて、第一吸込み口8Aから第一ホース70Aを経由して第一良品タンク7Aに送られる。またこの第一隙間5Aより吸込まれない(第一隙間5Aを通過できない)異物及び/又は生海苔はこの第一タンク1Aの底面に留め置く(残る)。この一連の動きを第一の選別作業と云う。そして、この第一の選別作業が略5〜8分程度行われた後、第一タンク1Aの底面に留め置かれた捨て海苔混合液を、第一タンク1Aに設けた捨て海苔混合液排出管9Aを経由させ、第二タンク1Bに投入する(供給する)。この第二タンク1Bに投入(供給)しながら、この第二タンク1Bの第二回転板6Bを回転させる。この第二回転板6Bの回転によって、投入された捨て海苔混合液中の生海苔は、第二隙間5Bより吸込まれ、第二吸込み口8Bから第二ホース70Bを経由して第二良品タンク7B、第一タンク1A、又は第一良品タンク7Aに送られる。またこの第二隙間5Bより吸込まれない(第二隙間5Bを通過できない)異物及び/又は生海苔はこの第二タンク1Bの底面に留め置く(残る)。この一連の動きを第二の選別作業と云う。そして、この第二の選別作業が略5〜8分程度行われた後、第二タンク1Bの底面に留め置かれた異物は、第二タンク1Bに設けた異物排出管10Bを経由し、第二タンク1B外に送られ、貯留される。そして、この例では、第二回転板6Bを小型化したので、この第二回転板6Bが第二ポンプ71Bの吸引によって撓むことは皆無である。従って、第二隙間5Bが可変することは極めて少ないことから、微小の異物も確実に選別分離し、かつ除去できる(除去精度を高く設定できる)。そして、図示の如く、第二回転板6Bを略椀型とすることで、異物を、その裾部の環状部62Bに集積できるので、洗浄の容易化、短縮化又は排出時間の短縮化等に寄与できる。またこの第二タンク1Bにおける選別作業は、原則として、前記第一タンク1Aの捨て海苔混合液の排出中に行うことから、この第一タンク1Aの動きを拘束することがなく有益であり、また能率的な選別作業・清掃作業・異物排出作業が図れる利点がある。尚、第二回転板6Bを略椀型とした例を説明したが、この第二回転板6Bを第一回転板6Aに代替することも可能であり、その効果は第二回転板6Bと遜色がない(他の例も同じ)。また同じように前記第一回転板6Aを略深皿型とした例を説明したが、この第一回転板6Aを第二回転板6Bに代替することも可能であり、その効果は前述の例に準ずる(他の例も同じ)。
【0043】
図4〜図6に示した第二の実施例を説明すると、21Aは主海苔異物分離除去機Aの海苔混合液用の第一タンクで、この第一タンク21Aには海苔混合液投入管22Aと洗浄水注入管23A(海苔混合液の希釈用を兼ねることもあり得る)がそれぞれ設けられている。またこの第一タンク21Aの第一空間部24Aには第一隙間25Aを介して略板形状の第一回転板26A(第一回転部材)が設けられており、この第一回転板26Aは第一回転軸260Aに軸支されており第一モータ261Aを介して回転する。またこの第一タンク21Aの下方に設けた選別ケーシング210Aには、第一吸込み口28Aが設けられており、この第一吸込み口28Aには選別した生海苔を第一良品タンク27Aに導く第一ホース270Aが接続されている。さらに当該第一タンク21Aには捨て海苔混合液排出管29Aを連通するための捨て海苔混合液排出口290Aが開設されている。尚、図中291Aは捨て海苔混合液排出管29Aに設けた第一バルブ、また271Aは第一ホース270Aに設けた第一ポンプを示す。また31Bは副海苔異物分離除去機Bの海苔混合液用の第二タンクで、この第二タンク31Bには洗浄水注入管33B(海苔混合液の希釈用を兼ねることもあり得る)が設けられている。またこの第二タンク31Bの第二空間部34Bには第二隙間35Bを介して略板形状の第二回転板36B(第二回転部材)が設けられており、この第二回転板36Bは第二回転軸360Bに軸支されており第二モータ361Bを介して回転する。またこの第二タンク31Bには第二吸込み口38Bが設けられており、この第二吸込み口38Bには、選別した生海苔を、例えば、第二良品タンク37B、第一タンク21A、又は第一良品タンク27Aに導く第二ホース370Bが接続されている。さらに当該第二タンク31Bに異物を排出する異物排出管40Bが接続される異物排出口41Bが設けられている。尚、図中400Bは異物排出管40Bに設けた第二バルブ、また371Bは第二ホース370Bに設けた第二ポンプを示す。そして、この例では、副海苔異物分離除去機Bの第二タンク31Bを前記主海苔異物分離除去機Aの第一タンク21Aの底部に開口する捨て海苔混合液排出管29Aの下方に設置した構成であって、捨て海苔混合液排出管29Aからの落差を介して第二タンク31Bに捨て海苔混合液を供給する。図中42Bは第二タンク31Bに設けた液面用の第二センサーを示す。尚、第一タンク21Aには液面用の第一センサーを設ける(番号を付さず)。
【0044】
次に、第二の実施例の選別作業を説明すると、海苔混合液投入管22Aより海苔混合液(生海苔混合液)を第一タンク21Aに投入(供給)しながら、この第一タンク21Aの第一回転板26Aを回転させる。この第一回転板26Aの回転によって、投入された海苔混合液中の生海苔は、第一隙間25Aより吸込まれて、第一吸込み口28Aから第一ホース270Aを経由して第一良品タンク27Aに送られる。またこの第一隙間25Aより吸込まれない(第一隙間25Aを通過できない)異物及び/又は生海苔はこの第一タンク21Aの底面に留め置く(残る)。この一連の動きを第一の選別作業と云う。そして、この第一の選別作業が略5〜8分程度行われた後、第一タンク21Aの底面に留め置かれた捨て海苔混合液を、第一タンク21Aに設けた捨て海苔混合液排出管29Aを経由させ、第二タンク31Bに投入する(供給する)。この第二タンク31Bに投入(供給)しながら、この第二タンク31Bの第二回転板36Bを回転させる。この第二回転板36Bの回転によって、投入された捨て海苔混合液中の生海苔は、第二隙間35Bより吸込まれ、第二吸込み口38Bから第二ホース370Bを経由して第二良品タンク37B、第一タンク21A、又は第一良品タンク27Aに送られる。またこの第二隙間35Bより吸込まれない(第二隙間35Bを通過できない)異物及び/又は生海苔はこの第二タンク31Bの底面に留め置く(残る)。この一連の動きを第二の選別作業と云う。そして、この第二の選別作業が略5〜8分程度行われた後、第二タンク31Bの底面に留め置かれた異物は、第二タンク31Bに設けた異物排出管40Bを経由し、第二タンク31B外に送られ、貯留される。そして、この例では、第二回転板36Bを小型化したので、この第二回転板36Bは第二ポンプ371Bの吸引によって撓むことは略皆無である。従って、第二隙間35Bが可変することはなく、微小の異物も確実に選別分離し、かつ除去できる(除去精度を高く設定できる)。そして、図示の如く、第二回転板36Bを略板形状とすることで、異物を、前記第二タンク31Bの環状隅部310Bに集積できるので、洗浄の容易化、短縮化又は排出時間の短縮化等に寄与できる。またこの第二タンク31Bにおける選別作業は、原則として、前記第一タンク21Aの捨て海苔混合液の排出中に行うことから、この第一タンク21Aの動きを拘束することがなく有益であり、また能率的な選別作業・清掃作業・異物排出作業が図れる利点がある。
【0045】
図7〜図9に示した第三の実施例を説明すると、81Aは主海苔異物分離除去機Aの海苔混合液用の第一タンクで、この第一タンク81Aには海苔混合液投入管82Aと洗浄水注入管83A(海苔混合液の希釈用を兼ねることもあり得る)がそれぞれ設けられている。またこの第一タンク81Aの多数条の第一空間部84Aには多数条の第一隙間85Aを介して略板形状の第一回転板86A(第一回転部材)が設けられており、この第一回転板86Aは第一回転軸860Aに軸支されており第一モータ861Aを介して回転する。またこの第一タンク81Aの下方に設けた選別ケーシング810Aには、第一吸込み口88Aが設けられており、この第一吸込み口88Aには選別した生海苔を第一良品タンク87Aに導く第一ホース870Aが接続されている。さらに当該第一タンク81Aには捨て海苔混合液排出管89Aを連通するための捨て海苔混合液排出口890Aが開設されている。尚、図中891Aは捨て海苔混合液排出管89Aに設けた第一バルブ、また871Aは第一ホース870Aに設けた第一ポンプを示す。またこの第三の実施例では、図示の如く、第一タンク81Aの底部に多数条の第一空間部84Aを形成し、この多数条の第一空間部84Aには略板形状の第一回転板86Aの多数条の環状突起862Aを挿入し、この第一空間部84Aと環状突起862Aで多数条の環状でなる第一隙間85Aを形成する。また91Bは副海苔異物分離除去機Bの海苔混合液用の第二タンクで、この第二タンク91Bには洗浄水注入管93B(海苔混合液の希釈用を兼ねることもあり得る)が設けられている。またこの第二タンク91Bの第二空間部94Bには第二隙間95Bを介して略板形状の第二回転板96B(第二回転部材)が設けられており、この第二回転板96Bは第二回転軸960Bに軸支されており第二モータ961Bを介して回転する。またこの第二タンク91Bには第二吸込み口98Bが設けられており、この第二吸込み口98Bには、選別した生海苔を、例えば、第二良品タンク97B、第一タンク81A、又は第一良品タンク87Aに導く第二ホース970Bが接続されている。さらに当該第二タンク91Bに異物を排出する異物排出管130Bが接続される異物排出口131Bが設けられている。尚、図中1300Bは異物排出管130Bに設けた第二バルブ、また971Bは第二ホース970Bに設けた第二ポンプを示す。そして、この例では、副海苔異物分離除去機Bの第二タンク91Bを前記主海苔異物分離除去機Aの第一タンク81Aの底部に開口する捨て海苔混合液排出管89Aの下方に設置した構成であって、捨て海苔混合液排出管89Aからの落差を介して第二タンク91Bに捨て海苔混合液を供給する。図中132Bは第二タンク91Bに設けた液面用の第二センサーを示す。尚、第一タンク81Aには液面用の第一センサーを設ける(番号を付さず)。
【0046】
次に、第三の実施例の選別作業を説明すると、海苔混合液投入管82Aより海苔混合液(生海苔混合液)を第一タンク81Aに投入(供給)しながら、この第一タンク81Aの第一回転板86Aを回転させる。この第一回転板86Aの回転によって、投入された海苔混合液中の生海苔は、第一隙間85Aより吸込まれて、第一吸込み口88Aから第一ホース870Aを経由して第一良品タンク87Aに送られる。またこの第一隙間85Aより吸込まれない(第一隙間85Aを通過できない)異物及び/又は生海苔はこの第一タンク81Aの底面に留め置かれる(残る)。この一連の動きを第一の選別作業と云う。そして、この第一の選別作業が略5〜8分程度行われた後、第一タンク81Aの底面に留め置かれた捨て海苔混合液は、第一タンク81Aに設けた捨て海苔混合液排出管89Aを経由させ、第二タンク91Bに投入する(供給する)。この第二タンク91Bに投入(供給)しながら、この第二タンク91Bの第二回転板96Bを回転させる。この第二回転板96Bの回転によって、投入された捨て海苔混合液中の生海苔は、第二隙間95Bより吸込まれ、第二吸込み口98Bから第二ホース970Bを経由して第二良品タンク97B、第一タンク81A、又は第一良品タンク87Aに送られる。またこの第二隙間95Bより吸込まれない(第二隙間95Bを通過できない)異物及び/又は生海苔はこの第二タンク91Bの底面に留め置かれる(残る)。この一連の動きを第二の選別作業と云う。そして、この第二の選別作業が略5〜8分程度行われた後、第二タンク91Bの底面に留め置かれた異物は、第二タンク91Bに設けた異物排出管130Bを経由し、第二タンク91B外に送られ、貯留される。そして、この例では、第二回転板96Bを小型化したので、この第二回転板96Bは第二ポンプ971Bの吸引による撓みが略0である。従って、第二隙間95Bが可変することはなく、微小の異物も確実に選別分離し、かつ除去できる(除去精度を高く設定できる)。そして、図示の如く、第二回転板96Bを略板形状とすることで、異物を前記第二タンク91Bの環状隅部910Bに集積できるので、洗浄の容易化、短縮化又は排出時間の短縮化等に寄与できる。またこの第二タンク91Bにおける選別作業は、原則として、前記第一タンク81Aの捨て海苔混合液の排出中に行うことから、この第一タンク81Aの動きを拘束することがなく有益であり、また能率的な選別作業・清掃作業・異物排出作業が図れる利点がある。
【0047】
以上の説明で、主海苔異物分離除去機Aと副海苔異物分離除去機Bをそれぞれ相似形で組合せた構成の装置を説明したが、この組合せは一例であり、第一の実施例の主海苔異物分離除去機Aと第二・第三の実施例の副海苔異物分離除去機Bを組合せた構成、また第二の実施例の主海苔異物分離除去機Aと第一・第三の実施例の副海苔異物分離除去機Bを組合せた構成、さらに第三の実施例の主海苔異物分離除去機Aと第一・第二の実施例の副海苔異物分離除去機Bを組合せた構成等であっても同じ効果を発揮できるので、本発明の範疇である。また主海苔異物分離除去機Aと副海苔異物分離除去機Bを一体構造として、小型化、設置の容易化、又は構成の簡略化及び低コスト化、さらに搬送の容易化及び低コスト化等に役立てる。また還流は各第一良品タンク7A、27A、87A等、各第二良品タンク7B、37B、97B等の他第一タンク1A、21A、81A等を選択することで、作業・段取り・処理等の簡便化、スピード化、作業の容易化、作業時間の短縮化等に寄与できる実益がある。さらには他の装置との連繋の容易化、設置作業の簡便化、容易化等に寄与できる。尚、前記主海苔異物分離除去機Aの各第一タンク1A、21A、81A等(原則として全体構造)と、前記副海苔異物分離除去機Bの各第二タンク1B、31B、91B等(原則として全体構造)とを同じ大きさ・構成とし、この各第一タンク1A、21A、81A等からポンプ(図示せず)を経由してこの各第二タンク1B、31B、91B等、又は容器(図示しない。他の例も同じ)等に捨て海苔混合液を投入する構成も可能である。さらに主海苔異物分離除去機Aと副海苔異物分離除去機Bを設置する位置関係、間隔等は現場の状態で変更する。
【0048】
尚、前記主海苔異物分離除去機Aと副海苔異物分離除去機Bの区別、又は各部材(構成)を第一・第二との言葉を用いて説明したが、理解を容易にするものであり、この言葉には限定されない。また、例えば、主・副海苔異物分離除去機A・Bの第一・第二タンク1A・1Bの洗浄水注入管3A・3Bを捨て海苔混合液排出管9A(捨て海苔混合液排出口90A)、又は副海苔異物分離除去機Bの異物排出管10B(異物排出口11B)より遠方に離間した箇所に設ける構成とし、洗浄効率・分離効率・排出効果の向上等が図れる特徴もある(他の例も同じ)。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は第一の実施例を示した全体の断面図
【図2】図2は図1の主海苔異物分離除去機の要部の拡大断面図
【図3】図3は図1の主海苔異物分離除去機の第一隙間を説明する拡大断面図
【図4】図4は第二の実施例を示した全体の断面図
【図5】図5は図4の主海苔異物分離除去機の要部の拡大断面図
【図6】図6は図4の主海苔異物分離除去機の第一隙間を説明する拡大断面図
【図7】図7は第三の実施例を示した全体の断面図
【図8】図8は第三の実施例の主海苔異物分離除去機の要部の拡大断面図
【図9】図9は第三の実施例の主海苔異物分離除去機の第一隙間を説明する拡大断面図
【符号の説明】
【0050】
A 主海苔異物分離除去機
1A 第一タンク
2A 海苔混合液投入管
3A 洗浄水注入管
4A 第一空間部
5A 第一隙間
6A 第一回転板
60A 第一回転軸
61A 第一モータ
7A 第一良品タンク
70A 第一ホース
71A 第一ポンプ
8A 第一吸込み口
9A 捨て海苔混合液排出管
90A 捨て海苔混合液排出口
91A 第一バルブ
B 副海苔異物分離除去機
1B 第二タンク
3B 洗浄水注入管
4B 第二空間部
5B 第二隙間
6B 第二回転板
60B 第二回転軸
61B 第二モータ
62B 環状部
7B 第二良品タンク
70B 第二ホース
71B 第二ポンプ
8B 第二吸込み口
10B 異物排出管
100B 第二バルブ
11B 異物排出口
12B 第二センサー
21A 第一タンク
210A 選別ケーシング
22A 海苔混合液投入管
23A 洗浄水注入管
24A 第一空間部
25A 第一隙間
26A 第一回転板
260A 第一回転軸
261A 第一モータ
27A 第一良品タンク
270A 第一ホース
271A 第一ポンプ
28A 第一吸込み口
29A 捨て海苔混合液排出管
290A 捨て海苔混合液排出口
291A 第一バルブ
31B 第二タンク
310B 環状隅部
33B 洗浄水注入管
34B 第二空間部
35B 第二隙間
36B 第二回転板
360B 第二回転軸
361B 第二モータ
37B 第二良品タンク
370B 第二ホース
371B 第二ポンプ
38B 第二吸込み口
40B 異物排出管
400B 第二バルブ
41B 異物排出口
42B 第二センサー
81A 第一タンク
810A 選別ケーシング
82A 海苔混合液投入管
83A 洗浄水注入管
84A 第一空間部
85A 第一隙間
86A 第一回転板
860A 第一回転軸
861A 第一モータ
862A 環状突起
87A 第一良品タンク
870A 第一ホース
871A 第一ポンプ
88A 第一吸込み口
89A 捨て海苔混合液排出管
890A 捨て海苔混合液排出口
891A 第一バルブ
91B 第二タンク
910B 環状隅部
93B 洗浄水注入管
94B 第二空間部
95B 第二隙間
96B 第二回転板
960B 第二回転軸
961B 第二モータ
97B 第二良品タンク
970B 第二ホース
971B 第二ポンプ
98B 第二吸込み口
130B 異物排出管
1300B 第二バルブ
131B 異物排出口
132B 第二センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海苔混合液用の第一タンクに選別用の第一回転部材を設置し、この第一回転部材と第一タンクに設けた溝、孔等の第一空間部の間で選別用の第一隙間を形成し、この第一隙間を介して前記第一タンク内に投入された海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第一タンクの第一吸込み口より吸引し第一良品タンクに導き、また前記異物を前記第一タンク内に留め置く構成の主海苔異物分離除去機と、
この主海苔異物分離除去機の第一タンクに並設した捨て海苔混合液用の第二タンクに選別用の第二回転部材を設置し、この第二回転部材と第二タンクに設けた溝、孔等の第二空間部の間で選別用の第二隙間を形成し、この第二隙間を介して前記第二タンク内に投入された海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第二タンクの第二吸込み口より排出し、前記異物を前記第二タンク内に留め置く構成の副海苔異物分離除去機と、
前記第一タンクと前記第二タンクを、捨て海苔混合液排出管で連通し、この主海苔異物分離除去機より排出された捨て海苔混合液を、この副海苔異物分離除去機において異物分離可能とする構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。
【請求項2】
請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一タンクに対して、前記副海苔異物分離除去機の第二タンクが小型であって、この第二タンクを前記第一タンクの底部に開口する捨て海苔混合液排出管の下方に設置する構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。
【請求項3】
請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一隙間に対して、副海苔異物分離除去機の第二隙間を僅少とし、この第二隙間で小異物を選別可能とする構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。
【請求項4】
請求項1に記載した主海苔異物分離除去機の第一タンクと、前記副海苔異物分離除去機の第二タンクとを同じ大きさ・構成とし、この第一タンクからポンプを経由してこの第二タンクに捨て海苔混合液を投入する構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。
【請求項5】
請求項1に記載した主・副海苔異物分離除去機の第一・第二タンクの洗浄水注入管を前記捨て海苔混合液排出管又は副海苔異物分離除去機の異物排出管より遠方に離間した箇所に設ける構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。
【請求項6】
請求項1に記載した主海苔異物分離除去機における前記第一タンクの第一回転部材を可動し、第一隙間で海苔混合液から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第一タンクの第一吸込み口より吸引し第一良品タンクに導き、また前記異物を前記第一タンク内に留め置く選別作業中に、前記副海苔異物分離除去機の第二タンクの第二回転部材を可動し、第二隙間で捨て海苔混合液(残余の海苔混合液)から異物と生海苔とを選別し、この選別した生海苔を前記第二タンクの第二吸込み口より吸引し、前記主海苔異物分離除去機の第一タンクへの還流、第一良品タンク及び/又は第二良品タンクに導くことを可能とし、また前記異物を前記第二タンク内に留め置く構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。
【請求項7】
請求項2に記載した副海苔異物分離除去機の第二タンクを前記主海苔異物分離除去機の第一タンクの底部に開口する捨て海苔混合液排出管の下方に設置した構成であって、この捨て海苔混合液排出管からの落差を介して前記第二タンクに捨て海苔混合液を供給する構成とした海苔混合液の異物分離装置における捨て海苔回収機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−223156(P2006−223156A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39574(P2005−39574)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】