説明

消火方法および消火器具

【課題】 油の飛散による火災の拡大を最小限に抑えより容易に油火災に対応可能な消火方法および消火器具を提供する
【解決手段】 食用油を過熱した際に家庭用または業務用の調理器具から発生する油火災を消火する消火方法は、前記火災の発生した調理器具に消火剤を1以上の噴射排出孔から連続した液滴状として孔1個当たり、20ml/分から1200ml/分の流量で、前記火災が鎮火するまで前記範囲の流量で、0cm以上かつ300cm未満の高さから適用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油火災の消火方法およびそのための消火器具に関する。より詳しく述べると、天ぷら火災、フライヤー火災等の油に基づく火災に対して迅速で安価に確実に消火することができる消火方法およびそのための消火器具に関する。
【背景技術】
【0002】
いわゆる食用油を過熱した際に発生する油火災は、その発火点まで油が加熱されることにより発生するといわれている(例えば、天ぷら油の場合には360から400℃)。
【0003】
このような天ぷら油に代表される油火災には、一般には(1)覆いをして窒息消火する方法、(2)粉末消火器で消火する方法、(3)強化液消火器で消火する方法および(4)エアゾール式簡易消火用具により消火する方法が挙げられる。
【0004】
覆いをして窒息消火する方法は、濡れたバスタオル、シーツ等をかるく絞ってから鍋全体を覆う(隙間がないように。)ことによって行う。しかし、例えば天ぷら火災の場合にはあわてると鍋をひっくり返す可能性があるので注意する必要があり、また火災が拡大すると対応できない等の欠点を有している。
【0005】
粉末消火器で消火する方法は、市販の粉末消火器により消火する方法であるが、消火した後、消火剤の放射を止めると再着火するので、充填されている全量の消火剤を油の中に入れ冷却する。この際、消火剤で視界をさえぎられ、火元を見失う恐れがあるので注意する必要がある。
【0006】
強化液消火器で消火する方法は、油温を冷却させ、鍋の中の油火災は勿論飛び散った油も消火でき粉末消火器よりも有効である。しかしながら、噴霧ノズル付強化液消火器は、油が飛び散って周囲を汚染する等の欠点を有しており、さらには風圧による炎の拡大・油が飛び散り火災を拡大させる恐れがある。
【0007】
炭酸ガス等の不活性ガスのエアゾール式簡易消火用具は、取り扱いも容易であり、消火力も強いが、エアゾール式消火用具単独で用いると非常に高価となるという欠点を有しており、そのため規模の小さい油火災用にしか使用されていないのが現状である。
【0008】
特許文献1および特許文献2には、二酸化炭素のガスと水系消火剤とを同時に噴霧する方法が記載されている。
【特許文献1】特開平7−24080号公報(全文)
【特許文献2】特開2004−321272号公報(全文)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらの消火方法では、水系消火剤と炭酸ガスを同時に噴霧して消火を行うため、油の飛散による火災の拡大に対する課題がある。
【0010】
従って、本発明の課題は、油の飛散による火災の拡大を最小限に抑えより容易に油火災に対応可能な消火方法を提供することである。
【0011】
本発明の別の課題は、油の飛散による火災の拡大を最小限に抑えより容易に油火災に対応可能な消火器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明は、食用油を過熱した際に家庭用または業務用の調理器具から発生する油火災を消火する消火方法であって、前記火災の発生した調理器具に消火剤を1以上の噴射排出孔から連続した液滴状として孔1個当たり、20ml/分から1200ml/分の流量で、前記火災が鎮火するまで前記範囲の流量で、0cm以上かつ300cm未満の高さから適用することを特徴とする、油火災の消火方法に関する。
【0013】
本発明でいう消火剤の連続的滴下とは、消火剤を油火災を起こした調理具(内の高温の油の表面に)、連続した液滴状で消火剤を適用することを意味する。すなわち、ミスト状とは異なり、1以上の比較的大排出孔径からの排出孔から所定の流量の連続した液滴として適用することを意味する。このような状態で、油火災を起こした調理具(に注がれている高温の油)に対して、満遍なく所定流量で消火剤を適用することによって、油(発火した油を含む)を飛散させることなしに、油火災を容易に消火することが可能である。また、風圧等により炎が舞い上がることも少ない。
【0014】
本発明の油火災の消火方法において、炭酸カリウム20から50質量%の水溶液を主成分とする消火剤を好適に使用することができる。
【0015】
上記課題を解決する本発明は、本発明の油火災の消火方法を実施するための消火器具であって、1以上の噴射排出孔を有する噴霧用のノズルと、薬液流路を介して前記噴霧用のノズルと接続される薬液タンクと、前記薬液タンクの薬液を所定流量で排出するための薬液排出手段と、から主として構成され、前記薬液排出手段は、前記消火剤をノズルから孔1個当たり、20ml/分ら1200ml/分の範囲の一定の流量で連続した液滴として適用可能に調整されていることを特徴とする、消火器具に関する。
【0016】
本発明の消火器具において、薬液排出手段は、電池により駆動するモータと前記モータにより薬液を排出するためのポンプと、から主として構成されていることが可搬性の点で好ましい。
【0017】
本発明の消火器具においてノズルは、有効面積0.1mmから50mmの排出孔が2から50個有していることが好ましい。
また、本発明の消火器具において、ノズルは、長さ5cmから200cmを有していることが好ましい。
さらに、本発明の消火器具において、ノズルを、前記調理器具の一端あるいは前記調理器具の架台に配置するための支持部と、前記支持部から延長されて前記調理器具から所定の高さを有する滴下部とから構成することができる。
さらにまた、本発明の消火器具は、前記調理器具の油充填能に応じた容量の薬液タンクを有する構成にすることができる。
【0018】
本発明の油火災の消火方法に使用可能な消火剤は、食用油に適用可能な消火剤であれば特に限定されるものではないが、例えば炭酸カリウム20から50質量%の水溶液を主成分とする消火剤が好適に使用可能である。
【0019】
なお、本発明でいう消火剤の滴下とは、消火剤を液滴として油火災を起こした調理具に適用することを意味し、霧状、シャワー状、強い液流での適用と区別される。このように所定流量の液滴として油火災を起こした調理具(に注がれている高温の油)に対して、満遍なく所定流量で滴下することによって、発火した油を含む高温の油を飛散させることなしに、油火災を容易に消火することが可能である。
【0020】
本発明の消火器具は、所定流量で消火剤を滴下可能なモータであれば特に、制限されるものではないが、本発明の好ましい態様において、電池により駆動するモータを用いる。電池駆動(充電池を含む)を用いることにより、本発明の消火器具の可動性が高まる。
【0021】
前記ノズルは、液滴として消火剤を所定量噴霧できる形状であれば特に限定されないが、好ましくは2箇所以上のノズル排出孔から液滴を滴下できる形状を有している。また、排出孔の形状も特に限定されず、円形や楕円形、多角形などであることができる。本発明の好ましい実施形態において、ノズルの滴下部分は、有効面積1mmから1.5cmの排出孔が2から20個を有している。
【0022】
本発明において、前記ノズルの長さについても特に限定されるものではないが、火元から使用者が充分に距離を取れる長さが好ましい。具体的には、本発明の消火器具において、ノズルは、長さ5cmから150cmを有していることが好ましい。
【0023】
また、本発明の消火器具において前記ノズルを、前記調理器具の一端あるいは前記調理器具の架台に配置するための支持部と、前記支持部から延長されて前記調理きぐから所定の高さを有する適用部とから構成することもできる。
【0024】
さらに本発明の消火器具は、用途に応じた使いきりの消火器具として提供できるように適用する調理器具の油充填能に応じた容量の薬液タンクを有していることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の油火災の消火方法によると、所定流量の液滴として油火災を起こした調理具(に注がれている高温の油)に対して、満遍なく所定流量で滴下することによって、発火した油を含む高温の油を飛散させることなしに、油火災を容易に消火することが可能である。更に、本発明の油火災の消火方法は、気体を噴射させないので、気体の風圧により炎が舞い上がることなしに消火可能である。
【0026】
また、本発明の消火器具によると、所定の流量で対応する消火剤を火災が発生した家庭用または業務用の調理器具に対して1以上の排出孔から連続した液滴として適用することによって、油を飛散させることなしに消火を行うことが可能である。同様に、本発明の消火器具は、気体を噴射させないので、気体の風圧により炎が舞い上がることなしに消火可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を適宜添付図面を参照しながら説明する。
なお、本発明において使用する用語「食用油を過熱した際に家庭用または業務用の調理器具から発生する油火災」とは、一般には天ぷら火災、フライヤーからの火災を含む油による加熱調理の際に、過熱により発火した火災を意味する。本発明は、このような火災の消火を対象にする(以下、単に油火災という)。
【0028】
本発明において、このような油火災の消火に当該技術分野に公知の油火災用の消火剤により(一般的には水系の消火剤として)消火を行うが、本発明の油火災の消火方法において、適用可能な消火剤は、本発明の目的を達成できるものであれば特に限定されないが、一例を挙げると保存安定性、価格などの点から炭酸カリウムを主成分とする水溶液、特に20から50W/W%水溶液を用いることが好ましい。
【0029】
また、対象とする油は、食用油であれば特に限定されるものではない。このような油は、その種類に応じて通常300から400℃程度の温度で発火する。
【0030】
本発明者等は、油火災が発生した高温の油が入った調理器具に対して所定の条件で油火災用の消火剤を適用することによって、発火した油を含む高温の油を飛散させることなくなおかつ風圧により炎を高く舞い上がらせることなしに容易に消火可能であることを見出して本発明を創作するに至ったものである。
【0031】
すなわち、油火災が発生した際に油火災消火剤を適用して消火するに当たって、(1)1以上の排出孔(好ましくは2以上の排出孔)から放出される連続した液滴として消火剤を適用すること、(2)適用する際の流量を所定範囲にすること、および(3)油火災を発生した調理器具における油の液面からの距離を設定することによって、油が飛散することなくなおかつ炎を多大に舞い上がらせることなしに安全に消火可能であることを見出した。
【0032】
まず、本発明の油火災の消火方法における第1の消火条件は、例えば液体噴霧ノズル等の1以上の排出孔から連続した液滴状で消火剤を油火災が発生した調理器具(内の油の液面)に適用することである。そして、本発明の油火災の消火方法における第2の消火条件は、適用する際の流量である。
【0033】
すなわち、ミスト状や細かいシャワー状で消火剤を噴霧した場合、炎の力で十分に消火ができない場合がある。すなわち、油火災の際に発生する炎により液面に到達する前に消火剤が蒸発して充分に消火剤の消火能力を発生できない。
【0034】
また、例えば1つの排出孔から消火剤を適用すると、2以上の排出孔の場合に比して高い流量で火災が発生した油の液面に当たることとなる。そのため、炎が高く舞い上がる場合ある。また、後者の場合、油よりも高い比重の消火剤が油の下にもぐりこんで充分な消火能力を発生できない場合がある。従って、複数の排出孔を有することが好ましい。
【0035】
また、本発明の油火災の消火方法の第2の条件として、消火剤流量範囲を孔1個当たり、20ml/分から1200ml/分の間に設定した。第1の条件と同様に、本発明の油火災の消火方法において、適用する消火剤の流量が孔1個当たり、20ml/分未満である場合には、炎の力で十分に消火ができない場合がある。すなわち、油火災の際に発生する炎により液面に到達する前に消火剤が蒸発して充分に消火剤の消火能力を発生できない。
【0036】
同様に、適用する消火剤の流量が1200ml/分を超える場合には、炎が高く舞い上がったり、消火剤が油の下にもぐり込んでしまったりして充分な消火能力を発揮できない。
【0037】
なお、本発明の好ましい流量範囲は、孔1個当たり、50ml/分から1000ml/分、より好ましくは60ml/分から900ml/分である。このような流量範囲は、本発明者等の繰り返しの消火実験の結果より定めたものである。すなわち、適用する消火剤の適用状態(1以上の連続した液滴状での適用)と流量を設定することによって、初めて油を飛散させることなく油火災を消火することができる。
【0038】
そして、最後の条件として、油火災が発生した油の液面とノズルとの距離である。本発明の油火災の消火方法においては、0cmを超えかつ300cm未満に設定した。
すなわち、液面からの高さをマイナスにした場合(油にノズルをもぐらせた場合)、消火剤による炎を消火する能力が発揮できず、一方300cmを超える高さから消火剤を適用しても安定して火元に消火剤を適用できないので充分な消火能力を発揮することは困難である。
【0039】
以上説明した通り、本発明の油火災の消火方法によると、油火災用の消火剤の適用条件を所定範囲にすることによって、油を飛散することなしに充分に油火災を消火することが可能となる。しかも、特許文献1や特許文献2に記載の炭酸ガスと水系消火剤を使用する技術とは異なり火元である高温の油に気体を噴霧しないので、油の飛散の可能性が極めて低くなる。
【0040】
次に、本発明の油火災の消火方法を具現化する本発明の消火器具について、図1および図2に基づいて説明する。
【0041】
図1は、本発明の消火器具の一例を示す図面であり、そして図2(a)および(b)は、各々本発明の消火器具のノズルの形状の一例を示す図面である。
【0042】
図1に示す通り、本発明の消火器具は、消火剤を入れるための薬液タンク1と、先端部分に所定の有効面積を有する1以上の排出孔2aを備えたノズル2とノズル2に薬液を送るためのジョイントホース3と、消火の際に持つための把持部4と、薬液タンク1内の消火剤を設定した流量で排出するための薬液排出手段として、モータ5、モータ5により駆動するポンプ6、ポンプ6内に薬液を引き込むための薬液引き込み流路7および所定流量を越えて消火剤が引き込まれた際に消火剤を戻すための戻し流路8、安全弁9などから主として構成されている。なお、図1に示す実施の形態ではモータは常に所定の回転数で回転して所定の流量を達成する構成としたが、周知の通り流量を可変とするためにモータ5の回転速度を調整するためのコントロールボックスや流量調整つまみなどを備えることも可能である。
【0043】
本発明の消火器具は、薬液である消化剤を油火災の火元に適用するためのノズル2に設けられた排出孔2aの形状(有効面積)および個数と、薬液排出手段により常に所定の流量で消火剤を連続した液滴状で適用することにある。
【0044】
そのため、排出孔2aの有効面積は、有効面積0.1mmから50mm、好ましくは0.3mmから30mm、より好ましくは0.5mmから20mmの範囲に設定し、そして、排出孔の個数を排出孔2aの有効面積に応じて2から50個、好ましくは3から20個に設定する。
【0045】
このように設定することによって、薬液排出手段により所定流量で送られてきた消火剤は、ノズル2の排出孔から連続した液滴状で排出される。すなわち、ノズル2の排出孔2aから排出された消火剤は、油火災の炎により油面に到達する前に蒸発せずなおかつ油の下側にもぐることなく排出される。
【0046】
また、薬液タンク内に充填する量を、消火する調理器具の油の充填容量を想定して製作してもよい。すなわち、一般家庭における天ぷら火災に代表される油火災に対しては、調理器具からの火災1回消火分の容量に応じた容量の消火器具とすることによって、コンパクトかつ安価に消火器具を提供できる。このようにコンパクトにした場合には、本発明の消火器具は、片手でも持てる質量となるので薬液タンクからノズルを直結する方式とすることもできる。
【0047】
なお、この際のノズルの長さは、火元である調理偽具(の油)と使用者との間で充分に距離が取れるように5cm(家庭用)から200cm(業務用フライヤー)とすることが好ましい。
【0048】
さらに、図2(a)、(b)に示す通り、コンロや調理台等の平坦部やフライヤーの端の平坦部にノズルの一部を支持する支持部2bを設け、支持部2bから所定の高さまでノズルを延長する構成とすることができる。このように構成することにより、ノズルを火元近くで支持部2bにより固定して支持部2bを軸として水平方向に稼動することにより、一定の高さで消火活動を行うことができる。
【実施例】
【0049】
(実施例1: ノズルによる油火災の消火効果)
天ぷら油1L、10Lを各々市販の天ぷらなべ、業務用フライヤーに入れ400℃程度に加熱して実験的油火災を生じさせた。
炭酸カルシウム30w/w水溶液を消火剤として、流量6500cc/分で表1に示すノズルを用いて消火を行った。消火状態、完全に消火(○)、若干の炎の残りあり(△)、消火できず(×)の3点評価を行った。結果を表1に示す。
【0050】
【表1】

【0051】
表1から、同じ流量であっても排出孔の有効面積および個数に依存して消火結果が異なることが判った。
【0052】
(実施例2: 流量による消火実験)
実施例1の実験番号1−7、1−8、1−10のノズルを用いて、表2に示す通りの流量で実施例1と同様の実験を行った。結果を表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
表2において、流量の単位はcc/分である。表2から明らかの通り、消火剤の流量が本発明の範囲内にある場合には有効に油火災を消火可能である。一方、全体の流量が400cc/分の場合には消火能力が不十分であり、完全に油火災を消火することができなかった。一方1300cc/分の流量で噴霧した場合には炎が高く舞い上がり充分な消火ができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の消火器具の一例を示す図面である。
【図2】(a)および(b)は、各々本発明の消火器具のノズルの形状の一例を示す図面である。
【符号の説明】
【0056】
1 薬液タンク
2 ノズル
2a 排出孔
2b 支持部
3 ホース
4 把持部
5 モータ
6 ポンプ
7 薬液引き込み流路
8 薬液戻し流路
9 安全弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油を過熱した際に家庭用または業務用の調理器具から発生する油火災を消火する消火方法であって、
前記火災の発生した調理器具に消火剤を1以上の噴射排出孔から連続した液滴状として孔1個当たり、20ml/分から1200ml/分の流量で、前記火災が鎮火するまで前記範囲の流量で、0cm以上かつ300cm未満の高さから適用することを特徴とする、油火災の消火方法。
【請求項2】
前記消火剤が炭酸カリウム20から50質量%の水溶液を主成分とすることを特徴とする、請求項1に記載の油火災の消火方法。
【請求項3】
食用油を過熱した際に家庭用または業務用の調理器具から発生する油火災を消火する消火器具であって、
1以上の噴射排出孔を有する噴霧用のノズルと、薬液流路を介して前記噴霧用のノズルと接続される薬液タンクと、前記薬液タンクの薬液を所定流量で排出するための薬液排出手段と、から主として構成され、前記薬液排出手段は、前記消火剤をノズルから孔1個当たり、20ml/分から1200ml/分の範囲の一定の流量で連続した液滴として適用可能に調整されていることを特徴とする、消火器具。
【請求項4】
前記薬液排出手段は、電池により駆動するモータと前記モータにより薬液を排出するためのポンプと、から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の消火器具。
【請求項5】
前記ノズルは、有効面積0.1mmから50mmの排出孔が2から50個を有していることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の消火器具。
【請求項6】
前記ノズルは、長さ5cmから200cmを有していることを特徴とする、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の消火器具。
【請求項7】
前記ノズルは、前記調理器具の一端あるいは前記調理器具の架台に配置するための支持部と、前記支持部から延長されて前記調理器具から所定の高さを有する滴下部とから構成されていることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の消火器具
【請求項8】
前記消火器具は、前記調理器具の油充填能に応じた容量の薬液タンクを有していることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の消火器具。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−273692(P2009−273692A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−128247(P2008−128247)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(504036372)株式会社ボネックス (5)
【Fターム(参考)】