説明

消費電力量算出装置

【課題】複数の消費電力量パラメータのそれぞれに対して消費電力量を算出するための処理量を低減することが可能な消費電力量算出装置を提供すること。
【解決手段】消費電力量算出装置500は、負荷情報取得手段501と、第1の消費電力量算出手段502と、第2の消費電力量算出手段503と、を備える。負荷情報取得手段は、電子機器の負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する。第1の消費電力量算出手段は、消費電力量パラメータの基準値(基準パラメータ)と、算出期間内に取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準パラメータに係る消費電力量(基準消費電力量)を算出する。第2の消費電力量算出手段は、算出された基準消費電力量と基準パラメータと受け付けた消費電力量パラメータとに基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータに係る消費電力量を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の消費電力量を算出する消費電力量算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
利用者の置き換え希望に基づいた電子機器(例えば、IT(Information Technology)機器)の置き換え情報を利用者に提示する技術として、特許文献1及び特許文献2が知られている。また、現在使用している(即ち、稼働している)電子機器の消費電力量(電子機器が消費している電力の量)を測定し、その測定結果を集計した集計結果を表示する技術として、特許文献3が知られている。
【0003】
また、電子機器の消費電力量を推定する方法が、非特許文献1に開示されている。また、電子機器以外の装置の消費電力量を推定する技術として、特許文献4及び特許文献5が知られている。
【0004】
特許文献1では、利用者の希望価格と希望形状、置き換え候補の電子機器のハードウェア要件を満たす電子機器を選定し、選定した電子機器を表す情報を利用者へ提示するシステムが開示されている。特許文献2では、利用者の使用目的に基づく必須ソフトウェア要件と必須ハードウェア要件を満たす電子機器を選定し、選定した電子機器を表す情報を利用者へ提示するシステムが開示されている。
【0005】
特許文献3では、測定された消費電力量の変化に基づいて将来の消費電力量を推定し、推定された消費電力量と目標とする消費電力量との差に応じて、警告信号等を発生するシステムが開示されている。
【0006】
特許文献4では、半導体装置の動作周波数を算出することにより消費電力量を推定する方法が開示されている。特許文献5では、製鉄所等の工場の電力制御装置が消費電力量を推定する方法に関し、各工場別にその通常操業時における使用電力実績値を蓄積して使用電力実績推移パターンを作成し、作成したパターンに基づいて消費電力量を推定する方法が開示されている。
【0007】
非特許文献1では、電子機器の最大消費電力量、及び、定常消費電力量等の消費電力量パラメータと、電子機器のCPU負荷率等の負荷情報と、に基づいて、電子機器の消費電力量を推定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−122965号公報
【特許文献2】特開2008−204232号公報
【特許文献3】特開平10−240360号公報
【特許文献4】特開2005−293163号公報
【特許文献5】特開平08−186932号公報
【非特許文献1】マート・ブラックバーン(Mart Blackburn)、「データセンターのサーバ電力消費量を削減する5つの方法」、[online]、The Green Grid、[2009年4月13日検索]、インターネット<URL:http://members.thegreengrid.org/japanese/gg_content/J_White_Paper_7-Five_Ways_Save_Power.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のシステムは、利用者が希望する静的要件(価格、ハードウェア要件、ソフトウェア要件)を満たす電子機器を選定できるが、利用者が希望する動的要件(実際に稼働しているソフトウェア情報、消費電力量)を満たす電子機器を選定できない。
【0010】
特許文献2に記載のシステムは、現在の稼働情報で示される必要なハードウェア要件及びソフトウェア要件を含む電子機器を提示できるが、提示した電子機器を利用した場合の電力消費量を算出することができない。従って、稼働している電子機器を、消費電力がより少ない電子機器に置き換えることが困難である。
【0011】
特許文献3に記載のシステムは、稼働している電子機器の将来の消費電力量を推定することができるが、実際に稼働していない(例えば、置き換え候補となる)電子機器の消費電力量を推定することができない。
【0012】
特許文献4に記載の消費電力量算出装置は、置き換え候補となる電子機器を実際に稼働させることなく、シミュレーションから得られた動作結果を用いて、置き換え候補となる電子機器の消費電力量を推定することができる。しかしながら、この消費電力量算出装置は、消費電力量を算出する対象となる期間(算出期間)において、所定の取得周期(例えば、1秒)毎に取得される負荷情報のすべてに基づいて消費電力量を算出する。
【0013】
従って、消費電力量算出装置が消費電力量を算出するための処理量が過大となる。即ち、消費電力量算出装置が消費電力量を算出するために要する時間が過度に長くなってしまう。即ち、この消費電力量算出装置によれば、置き換え候補となるすべての電子機器の消費電力量を、実用的な時間内に算出することができない。
【0014】
また、特許文献5に記載の消費電力量算出装置は、稼働している電子機器の通常時の使用電力実績値から推移パターンを生成し、生成した推移パターンに基づいて消費電力量を推定することができる。しかしながら、この消費電力量算出装置によれば、稼働している電子機器とは異なる消費電力量パラメータを有する電子機器(置き換え候補となる電子機器)に対して推移パターンを生成することができないため、実際に稼働していない(置き換え候補となる)電子機器の消費電力量を推定することができない。
【0015】
非特許文献1に記載の算出方法は、実際の消費電力量を測定することなく、消費電力量パラメータと負荷情報とから電子機器の消費電力量を算出することができる。しかしながら、この方法は、消費電力量を算出する対象となる期間(算出期間)において、所定の取得周期(例えば、1秒)毎に取得される負荷情報のすべてに基づいて消費電力量を算出するので、置き換え候補となるすべての電子機器の消費電力量を、実用的な時間内に算出することができない。
【0016】
上述した技術に基づく消費電力量算出システムの課題を、図1を用いて具体的に説明する。この消費電力量算出システム900は、2つの電子機器901、902と、ネットワークNWと、機器選定システム903と、管理端末904と、から構成される。なお、消費電力量算出システム900は、3つ以上の電子機器を含んでいてもよい。
【0017】
電子機器901は、電力を消費することにより稼働する装置であり、具体的には、サーバ、パーソナルコンピュータ、ストレージ装置、ネットワーク装置、及び、モニタ(ディスプレイ)等である。電子機器901は、消費電力測定手段911と、稼働性能測定手段912と、機器構成取得手段913と、を備える。なお、他の電子機器902も電子機器901と同様の構成を有する。
【0018】
消費電力測定手段911は、電子機器901の消費電力量を測定する。消費電力測定手段911により取得される消費電力量情報は、消費電力量を測定した日時と、消費電力量の値と、を含む。消費電力量情報の具体例を図2に示す。図2に示した消費電力量情報の1行目は、「2008年12月1日13時01分01秒」の消費電力量が「10.10kW」であることを示している。
【0019】
稼働性能測定手段912は、電子機器901の稼働性能(負荷)を測定する。稼働性能測定手段912により取得される稼働性能情報(負荷情報)は、稼働性能を測定した日時と、電子機器IDと、電子機器タイプと、稼働性能と、を含む。電子機器IDは、電子機器を識別するための識別子である。
【0020】
電子機器タイプは、電子機器の種別を示す情報であり、具体的には、サーバ、パーソナルコンピュータ、ストレージ装置、ネットワーク装置、及び、モニタ等のいずれかを表す情報である。稼働性能は、CPU負荷率、HDD稼働率、及び、低消費電力モードにて稼働していたか否かを示すモード情報等のいずれか、若しくは、組み合わせからなる。
【0021】
稼働性能は、例えば、電子機器タイプがサーバである場合にCPU負荷率であり、電子機器タイプがモニタである場合にモード情報であることが好適である。即ち、稼働性能は、電子機器タイプに応じてその組み合わせを変更することが好適である。
【0022】
稼働性能情報の具体例を図3に示す。図3に示した稼働性能情報の1行目は、電子機器IDが「A001」であり且つ機器タイプが「サーバ」である電子機器901の「2008年12月1日13時01分」に取得した過去1分間の平均CPU負荷率が「80%」であることを示している。
【0023】
機器構成取得手段913は、電子機器のスペック情報(機器性能情報)を取得する。機器構成取得手段913により取得されるスペック情報は、電子機器IDと、最大消費電力量と、定常消費電力量と、型番、CPU情報、メモリ情報、及び、HDD情報等のハードウェアスペック情報と、を含む。また、スペック情報は、インストールソフトウェア情報、及び、稼働中のソフトウェア情報等のソフトウェアスペック情報、並びに、取得日時等を含んでいてもよい。
【0024】
電子機器のスペック情報の具体例を図4に示す。図4に示したスペック情報は、機器IDが「A001」であり且つ機器タイプが「サーバ」であり且つ型番が「Serv2007」である電子機器901の最大使用電力量が「700W/h」であり且つ定常使用電力量が「450W/h」であることを示している。
【0025】
ネットワークNWは、電子機器901、902と機器選定システム903と管理端末904とインターネットとを相互に接続する通信回線である。ネットワークNWは、1つの企業内のLAN(Local Area Network)、複数のLANを接続する(例えば、複数の企業にまたがる)WAN(Wide Area Network)、又は、電力網と接続されていてもよい。
【0026】
機器選定システム903は、置き換え候補となる電子機器を選定(特定)するコンピュータであり、スペック取得用情報記憶手段931と、スペック情報取得手段932と、選定条件記憶手段933と、選定手段934と、を備える。
【0027】
スペック取得用情報記憶手段931は、現在稼働している電子機器901、902の置き換え候補となる電子機器のスペック情報を収集するためのスペック取得用情報を記憶する記憶媒体である。スペック取得用情報記憶手段931は、例えば、ハードディスクにより構成される。
【0028】
スペック取得用情報は、管理端末904、及び、スペック情報取得手段932からアクセス可能である。例えば、スペック取得用情報は、インターネット上で公開されている電子機器メーカーのホームページのURL、及び、電子機器のハードウェアメーカーのホームページのURL等である。
【0029】
スペック情報取得手段932は、スペック取得用情報を参照して、置き換え候補となる電子機器のスペック情報を、ネットワークから取得する。ところで、4半期に1度(3ヶ月に1度)程度の頻度で、電子機器メーカーから新たな電子機器が発表される。従って、スペック情報取得手段932は、4半期に1度(3ヶ月に1度)程度の頻度で、置き換え候補となる電子機器のスペック情報を取得するように構成されることが好適である。また、スペック情報取得手段932は、利用者(ユーザ)が管理端末904から入力したスペック情報を取得してもよい。
【0030】
スペック情報取得手段932により取得されるスペック情報は、電子機器IDと、置き換え対象の電子機器のIDと、最大消費電力量と、定常消費電力量と、型番、CPU情報、メモリ情報、及び、HDD情報等のハードウェアスペック情報と、を含む。また、スペック情報は、インストールソフトウェア情報等のソフトウェアスペック情報、及び、取得日時等を含んでいてもよい。
【0031】
置き換え候補となる電子機器のスペック情報の具体例を図5に示す。図5は、機器IDが「A101」であり且つ機器タイプが「サーバ」であり且つ型番が「Serv2008」である電子機器の最大使用電力量が「675W/h」であり且つ定常使用電力量が「450W/h」であり且つ置き換え対象の電子機器のIDが「A001」であることを示している。
【0032】
選定条件記憶手段933は、置き換え候補となる電子機器が満たすべき選定条件情報を記憶する記憶媒体であり、例えば、ハードディスクにより構成される。選定条件情報は、管理端末904、及び、選定手段934からアクセス可能である。選定条件情報は、条件IDと、電子機器タイプと、選定条件内容と、を含む。
【0033】
条件IDは、選定条件を識別するための識別子である。電子機器タイプは、電子機器の種別を示す情報であり、具体的には、サーバ、パーソナルコンピュータ、ストレージ装置、ネットワーク装置、及び、モニタ等のいずれかを示す情報である。選定条件内容は、ハードウェア要件又はソフトウェア要件、消費電力量、及び、価格の条件等を含む。
【0034】
選定条件情報の具体例を図6に示す。図6に示した選定条件情報のうち、条件IDが「Z001」であり且つ電子機器タイプが「サーバ」である選定条件内容は、CPUスペックが「3.0GHz」以上であり且つメモリスペックが2GB以上であり且つハードディスク容量が1TB以上であるという条件を示している。条件IDが「Z002」であり且つ電子機器タイプが「PC」である選定条件内容は、消費電力が「180kWh」以内であるという条件を示している。
【0035】
選定手段934は、スペック情報取得手段932により取得された置き換え候補の電子機器のスペック情報に基づいて、選定条件記憶手段933により記憶されている選定条件情報を満たす電子機器を選定し、選定した電子機器のスペック情報を管理端末904へ送信する。
【0036】
管理端末904は、キーボード及びマウス等の入力装置と、モニタ等の出力装置と、を備える端末(コンソール)である。管理端末904は、機器選定システム903と、ネットワークNWを介して各電子機器901、902と接続されている。管理端末904は、利用者によって入力された各種の指示(コマンド)及びデータを各電子機器901、902及び機器選定システム903に送信する機能と、各電子機器901、902及び機器選定システム903により送信されたデータを受信し、受信したデータを出力装置に出力する機能と、を有する。
【0037】
管理端末904により出力される画像の一例を図7に示す。図7に示した画像は、置き換え候補となる電子機器の一覧(リスト)と、一覧の選択欄にて選択された電子機器の合計価格と、合計価格を再計算する再見積りボタンと、合計価格を確定する確定ボタンと、キャンセルボタンと、を含む。電子機器の一覧は、電子機器の選択欄と、電子機器タイプと、型番情報と、価格と、選定条件の一致内容と、を示す。
【0038】
このように、図1に示した消費電力量算出システム900は、インターネット上で公開されている電子機器のスペック情報等から、選定条件を満たす電子機器を置き換え候補として選定し、選定した電子機器を管理端末904により表示させる。これにより、利用者は、希望するハードウェア要件、ソフトウェア要件、及び、価格を満たす電子機器を選定することができる。
【0039】
しかしながら、図1に示した消費電力量算出システム900は、置き換え候補となる電子機器の消費電力量を提示しない。このため、利用者が希望する消費電力量を満たす電子機器を利用者が選定することは困難である。また、図1に示した消費電力量算出システム900は、置き換え候補となる電子機器の消費電力量を推定することができない。従って、稼働している電子機器を、消費電力量がより少ない電子機器へと置き換えることが困難である。
【0040】
そこで、置き換え候補となる電子機器の消費電力量パラメータと、稼働している電子機器の負荷情報と、に基づいて、置き換え候補となる電子機器の消費電力量を推定する上記技術(特許文献4記載の技術および非特許文献1記載の技術)を上記消費電力量算出システム900に適用することが好適であると考えられる。
【0041】
しかしながら、この場合であっても、消費電力量算出システムは、消費電力量を算出する対象となる期間(算出期間)において、所定の取得周期(例えば、1秒)毎に取得される負荷情報のすべてに基づいて消費電力量を算出するので、置き換え候補となる電子機器の消費電力量を算出するための処理量が過大となってしまう。
【0042】
即ち、消費電力量算出システムが消費電力量を算出するために要する時間が過度に長くなってしまう。従って、この消費電力量算出システムによっても、置き換え候補となるすべての電子機器の消費電力量を、実用的な時間内に算出することができない。さらに、ネットワークNWに接続される電子機器は大量にあり、これらネットワークNWに接続される電子機器の置き換え候補となる電子機器はさらに膨大な数なため、これらすべての置き換え候補となる電子機器の消費電力量を、実用的な時間内にすべて算出することはできない。
【0043】
例えば、稼働している電子機器の負荷情報の取得周期を1秒と仮定すると、過去1週間の負荷情報は、604,800(=60x60x24x7)となる。1つの稼働している電子機器に対してそれぞれ2、3種類の置き換え候補となる電子機器があると仮定すると、1,209,600(=604,800x2)から1,814,400(=604,800x3)の負荷情報を用いて、置き換え候補となる電子機器の消費電力量を算出することになる。
【0044】
更に、1人が1つの電子機器を保有する100人規模の企業と仮定すると、置き換え候補となる電子機器は200から300程度で、すべての置き換え候補となる電子機器の消費電力量を算出するには、約1億程度の負荷情報を用いることになる。
【0045】
現在、多くの企業が1人1台以上のパーソナルコンピュータとモニタを保有し、サーバやストレージ装置、ネットワーク装置を部門単位などで共有していることから、実際には、上記の仮定よりも多くの電子機器が存在することになる。また、パーソナルコンピュータやモニタ、サーバ、ストレージ装置、ネットワーク装置などは多数の電子機器メーカーがあることから、置き換え候補となる電子機器は、少なくとも2、3種類以上であり、実際には、上記仮定よりも多くの置き換え候補となる電子機器が存在することになる。
【0046】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「置き換え候補となる電子機器のそれぞれに対して消費電力量を算出するための処理量が過大となること」を解決することが可能な消費電力量算出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0047】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である消費電力量算出装置は、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を備える。
【0048】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
消費電力量算出装置に、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0049】
また、本発明の他の形態である消費電力量算出システムは、電子機器と、当該電子機器と通信可能に接続された消費電力量算出装置と、を含むシステムである。
【0050】
更に、上記電子機器は、
当該電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に上記消費電力量算出装置へ送信する負荷情報送信手段を備える。
加えて、上記消費電力量算出装置は、
上記電子機器から上記負荷情報を受信することにより取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を備える。
【0051】
また、本発明の他の形態である消費電力量算出方法は、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得工程と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出工程と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0052】
本発明は、以上のように構成されることにより、置き換え候補となる電子機器のそれぞれに対して消費電力量を算出するための処理量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】先行技術文献に記載の消費電力量算出システムの構成を示したブロック図である。
【図2】図1に示した消費電力量算出システムの消費電力測定手段により測定される消費電力量情報の一例を示した図である。
【図3】図1に示した消費電力量算出システムの稼働性能測定手段により測定される負荷情報の一例を示した図である。
【図4】図1に示した消費電力量算出システムの機器構成取得手段により測定されるスペック情報の一例を示した図である。
【図5】図1に示した消費電力量算出システムの置換機器取得手段により取得される置き換え候補となる電子機器のスペック情報の一例を示した図である。
【図6】図1に示した消費電力量算出システムの選定条件記憶手段に記憶されている選定条件情報の一例を示した図である。
【図7】図1に示した消費電力量算出システムの管理端末により表示される画像の一例を示した図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る消費電力量算出システムの構成を示したブロック図である。
【図9】図8に示した消費電力量算出システムの消費電力量推定手段の構成を示したブロック図である。
【図10】図8に示した消費電力量算出システムの基準消費電力パラメータ記憶手段に記憶されている基準スペック情報の一例を示した図である。
【図11】図8に示した消費電力量算出システムの基準消費電力量記憶手段に記憶される瞬時消費電力量を含む情報の一例を示した図である。
【図12】図8に示した消費電力量算出システムの基準消費電力量記憶手段に記憶される基準消費電力量を含む情報の一例を示した図である。
【図13】図8に示した消費電力量算出システムの管理端末により表示される画像の一例を示した図である。
【図14】図8に示した消費電力量算出システムの基準消費電力量算出手段の作動を示したフローチャートである。
【図15】図8に示した消費電力量算出システムの置換候補機器消費電力量算出手段の作動を示したフローチャートである。
【図16】本発明の第2実施形態に係る消費電力量推定手段の構成を示したブロック図である。
【図17】本発明の第2実施形態に係る負荷変換情報記憶手段に記憶される負荷変換情報の一例を示した図である。
【図18】図16に示した負荷変換情報生成手段の作動を示したフローチャートである。
【図19】本発明の第2実施形態に係る基準消費電力量算出手段の作動を示したフローチャートである。
【図20】本発明の実施形態の変形例に係る消費電力量算出システムの構成を示したブロック図である。
【図21】本発明の実施形態の変形例に係る消費電力量算出装置の構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
本発明の一形態である消費電力量算出装置は、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を備える。
【0055】
本実施の形態によれば、稼働していなかった電子機器が稼働していたと仮定した場合におけるその電子機器(即ち、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器)の消費電力量を高い精度にて算出して、利用者に提示することができる。従って、利用者は、利用者が希望する消費電力量を満たす電子機器を高い精度で置換することが容易になる。例えば、利用者は、現在稼働している電子機器のうち、最も消費電力量を消費している電子機器を特定し、より消費電力量の少ない電子機器へと置換することができる。
【0056】
さらに、稼働していなかった電子機器が稼働していたと仮定した場合におけるその電子機器の消費電力量の算出期間が、1週間よりも2週間、1ヵ月と長くなるほど、より実際の状況に即した消費電力量となる。また、消費電力量の算出に用いる負荷情報の取得周期が、1分よりも10秒、1秒と短くなるほど、より実際の状況に即した消費電力量を算出できる。このため、算出期間が取得周期よりも相当長くなり、算出期間内に取得された負荷情報の数は相当多くなる。この場合、第1の消費電力量算出手段により基準消費電力量を算出する際の処理量(演算量)は、第2の消費電力量算出手段により消費電力量を算出する際の処理量よりも相当多くなる。
【0057】
従って、上記消費電力量算出装置によれば、複数の置き換え候補となる電子機器の消費電力量パラメータのそれぞれに対して消費電力量を算出する場合における消費電力量算出装置の処理量を、第1の消費電力量算出手段のみを用いて消費電力量を算出する消費電力量算出装置と比較して、低減することができる。また、上記消費電力量算出装置によれば、予め基準消費電力量を算出するとともに、算出した基準消費電力量を記憶しておくことにより、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を迅速に算出することができる。
【0058】
この場合、上記第1の消費電力量算出手段は、複数の基準消費電力量パラメータのそれぞれに対して上記基準消費電力量を算出するように構成され、
上記第2の消費電力量算出手段は、上記受け付けた消費電力量パラメータと最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量に基づいて、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出するように構成されることが好適である。
【0059】
これによれば、算出された基準消費電力量に基づいて、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を高い精度にて算出することができる。
【0060】
この場合、上記第2の消費電力量算出手段は、上記受け付けた消費電力量パラメータと同一の基準消費電力量パラメータに基づいて上記基準消費電力量が算出されている場合、その基準消費電力量を当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量として算出するように構成されることが好適である。
【0061】
これによれば、処理量をより一層低減することができるとともに、消費電力量を高い精度にて算出することができる。
【0062】
この場合、上記第2の消費電力量算出手段は、上記受け付けた消費電力量パラメータと同一の基準消費電力量パラメータに基づいて上記基準消費電力量が算出されていない場合、当該受け付けた消費電力量パラメータよりも大きく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された上記基準消費電力量と、当該消費電力量パラメータよりも小さく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された上記基準消費電力量と、を補間した値を、当該消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量として算出するように構成されることが好適である。
【0063】
これによれば、算出された基準消費電力量に基づいて、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量をより一層高い精度にて算出することができる。
【0064】
この場合、上記消費電力量算出装置は、
上記稼働している電子機器である稼働電子機器、及び、稼働していない電子機器である非稼働電子機器を含む複数の電子機器のそれぞれに対して、当該電子機器の性能を表す機器性能情報を取得する機器性能情報取得手段と、
上記稼働電子機器に対して取得された機器性能情報が表す性能と対応する性能を表す機器性能情報が取得された非稼働電子機器を、当該稼働電子機器と置換する候補である置換候補機器として特定する置換候補機器特定手段と、
上記第2の消費電力量算出手段は、上記特定された置換候補機器が有する消費電力量パラメータを受け付けるように構成されることが好適である。
【0065】
これによれば、置換前と同様の処理を行える電子機器を適切に特定することができる。
【0066】
この場合、上記消費電力量算出装置は、
上記特定された置換候補機器を識別するための情報と、上記第2の消費電力量算出手段によって算出された当該置換候補機器の消費電力量と、を対応付けて出力する出力手段を備えることが好適である。
【0067】
これによれば、ユーザは、電子機器と、その電子機器の消費電力量と、を対応付けて認識することができる。これにより、消費電力量を減少させるために電子機器を置換する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【0068】
また、上記消費電力量算出装置の他の態様において、
上記消費電力量算出装置は、上記稼働電子機器の消費電力量と、上記置換候補機器の消費電力量と、の差を出力する出力手段を備えることが好適である。
【0069】
これによれば、ユーザは、稼働電子機器の消費電力量と、置換候補機器の消費電力量と、の差を認識することができる。これにより、消費電力量を減少させるために電子機器を置換する際のユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0070】
この場合、上記第1の消費電力量算出手段は、上記算出期間内の上記負荷情報が取得された時点のそれぞれに対して、上記基準消費電力量パラメータと、当該時点にて上記取得された負荷情報と、に基づいて消費電力量の瞬時値である瞬時消費電力量を算出するとともに、当該算出した瞬時消費電力量を当該算出期間にわたって積分した値を上記基準消費電力量として算出するように構成されることが好適である。
【0071】
この場合、上記消費電力量算出装置は、
上記負荷情報を取得する対象となった電子機器の性能と、上記基準消費電力量パラメータを有する電子機器の性能と、に基づいて、上記取得された負荷情報を補正する負荷情報補正手段を備えることが好適である。
【0072】
これによれば、負荷情報を取得する対象となった電子機器の性能と、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の性能と、が相違している場合であっても、適切に補正された負荷情報を用いて、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を高い精度にて算出することができる。
【0073】
この場合、上記消費電力量パラメータは、上記電子機器が消費する電力の量の最大値である最大消費電力量、及び、当該電子機器が定常時に消費する電力の量である定常消費電力量のうちの少なくとも1つを含むことが好適である。
【0074】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
消費電力量算出装置に、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を実現させるためのプログラムである。
【0075】
この場合、上記第1の消費電力量算出手段は、複数の基準消費電力量パラメータのそれぞれに対して上記基準消費電力量を算出するように構成され、
上記第2の消費電力量算出手段は、上記受け付けた消費電力量パラメータと最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量に基づいて、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出するように構成されることが好適である。
【0076】
この場合、上記プログラムは、
上記消費電力量算出装置に、更に、
上記稼働している電子機器である稼働電子機器、及び、稼働していない電子機器である非稼働電子機器を含む複数の電子機器のそれぞれに対して、当該電子機器の性能を表す機器性能情報を取得する機器性能情報取得手段と、
上記稼働電子機器に対して取得された機器性能情報が表す性能と対応する性能を表す機器性能情報が取得された非稼働電子機器を、当該稼働電子機器と置換する候補である置換候補機器として特定する置換候補機器特定手段と、
を実現させるとともに、
上記第2の消費電力量算出手段は、上記特定された置換候補機器が有する消費電力量パラメータを受け付けるように構成されることが好適である。
【0077】
また、本発明の他の形態である消費電力量算出システムは、電子機器と、当該電子機器と通信可能に接続された消費電力量算出装置と、を含むシステムである。
【0078】
更に、上記電子機器は、
当該電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に上記消費電力量算出装置へ送信する負荷情報送信手段を備える。
加えて、上記消費電力量算出装置は、
上記電子機器から上記負荷情報を受信することにより取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を備える。
【0079】
また、本発明の他の形態である消費電力量算出方法は、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得工程と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に上記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出工程と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、上記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出工程と、
を含む。
【0080】
上述した構成を有する、プログラム、消費電力量算出システム、又は、消費電力量算出方法、の発明であっても、上記消費電力量算出装置と同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【0081】
以下、本発明に係る、消費電力量算出装置、プログラム、消費電力量算出システム、及び、消費電力量算出方法、の各実施形態について図1〜図21を参照しながら説明する。
【0082】
<第1実施形態>
図8に示したように、第1実施形態に係る消費電力量算出システム100は、複数(本例では、2つ)の電子機器101、102と、機器選定システム(消費電力量算出装置)103と、管理端末104と、を含む。電子機器101、102、機器選定システム103、及び、管理端末104は、ネットワーク(本例では、インターネット)NWを介して互いに通信可能に接続されている。なお、消費電力量算出システム100は、3つ以上の電子機器を含んでいてもよい。
【0083】
各電子機器101、102は、電力を消費することにより稼働する装置である。各電子機器101、102は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータ、ストレージ装置、ネットワーク装置、又は、モニタ(ディスプレイ)等である。
【0084】
電子機器101は、消費電力測定手段111と、稼働性能測定手段(負荷情報送信手段)112と、機器構成取得手段113と、を備える。電子機器101が備える各手段111〜113は、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムを図示しない中央処理装置(CPU;Central Processing Unit)が実行することにより実現される。なお、他の電子機器102も電子機器101と同様の構成を有する。
【0085】
消費電力測定手段111は、電子機器101の消費電力量を測定する。消費電力測定手段111により取得される消費電力量情報は、図2に示したように、消費電力量を測定した日時と、消費電力量の値と、を含む。
【0086】
稼働性能測定手段112は、電子機器101の稼働性能(負荷)を、予め設定された取得周期(本例では、1分である。1秒であってもよい。)が経過する毎に測定する。稼働性能測定手段112により取得される稼働性能情報(負荷情報)は、図3に示したように、稼働性能を測定した日時と、電子機器IDと、電子機器タイプと、稼働性能と、を含む。電子機器IDは、電子機器を識別するための識別子である。
【0087】
電子機器タイプは、電子機器の種別を示す情報であり、具体的には、サーバ、パーソナルコンピュータ、ストレージ装置、ネットワーク装置、及び、モニタ等のいずれかを表す情報である。稼働性能は、CPU負荷率、HDD稼働率、及び、低消費電力モードにて稼働していたか否かを示すモード情報等のいずれか、若しくは、組み合わせからなる。
【0088】
稼働性能は、例えば、電子機器タイプがサーバである場合にCPU負荷率であり、電子機器タイプがモニタである場合にモード情報であることが好適である。即ち、稼働性能は、電子機器タイプに応じてその組み合わせを変更することが好適である。
【0089】
稼働性能測定手段112は、負荷が測定される毎に、測定された負荷を表す負荷情報を機器選定システム103へ送信する。
【0090】
機器構成取得手段113は、電子機器101のスペック情報を取得する。スペック情報は、電子機器101の性能を表す機器性能情報と、電子機器101が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータと、を含む。
【0091】
機器構成取得手段113により取得されるスペック情報は、図4に示したように、電子機器IDと、最大消費電力量と、定常消費電力量と、型番、CPU情報、メモリ情報、及び、HDD情報等のハードウェアスペック情報と、を含む。
【0092】
最大消費電力量は、電子機器101が消費する電力の量の最大値である。定常消費電力量は、電子機器101が定常時に消費する電力の量である。最大消費電力量及び定常消費電力量は、消費電力量パラメータを構成する。
【0093】
また、スペック情報は、インストールソフトウェア情報、及び、稼働中のソフトウェア情報等のソフトウェアスペック情報、並びに、取得日時等を含んでいてもよい。
機器構成取得手段113は、取得したスペック情報を機器選定システム103へ送信する。
【0094】
機器選定システム103は、置き換え候補となる電子機器を選定(特定)するコンピュータである。機器選定システム103は、スペック取得用情報記憶手段131と、スペック情報取得手段(機器性能情報取得手段、置換候補機器特定手段)132と、消費電力量推定手段133と、選定条件記憶手段134と、選定手段(出力手段)135と、を備える。機器選定システム103が備える各手段131〜135は、図示しない記憶装置に記憶されているプログラムを図示しない中央処理装置が実行することにより実現される。
【0095】
スペック取得用情報記憶手段131は、現在稼働している電子機器101、102の置き換え候補となる電子機器のスペック情報を収集するためのスペック取得用情報を記憶する記憶媒体である。スペック取得用情報記憶手段131は、例えば、ハードディスクにより構成される。
【0096】
スペック取得用情報は、管理端末104、及び、スペック情報取得手段132からアクセス可能である。例えば、スペック取得用情報は、インターネット上で公開されている電子機器メーカーのホームページのURL、及び、電子機器のハードウェアメーカーのホームページのURL等である。
【0097】
スペック情報取得手段132は、スペック取得用情報を参照して、置き換え候補となる電子機器(稼働していない電子機器(非稼働電子機器))のスペック情報を、ネットワークNWを介して接続されたサーバ装置等から取得する。また、スペック情報取得手段132は、利用者(ユーザ)が管理端末104から入力したスペック情報を取得してもよい。
【0098】
スペック情報取得手段132は、電子機器101、102により送信されたスペック情報を受信することにより取得する。
【0099】
スペック情報取得手段132は、稼働している電子機器(稼働電子機器)101、102のそれぞれに対して、当該稼働電子機器と置換する候補(置き換え候補)としての非稼働電子機器(置換候補機器)を特定する。具体的には、スペック情報取得手段132は、稼働電子機器に対して取得されたスペック情報が表す性能よりも高い性能を表すスペック情報が取得された非稼働電子機器を、当該稼働電子機器と置換する候補である置換候補機器として特定する。これによれば、置換前と同様の処理を行える電子機器を適切に特定することができる。
【0100】
スペック情報取得手段132により取得されるスペック情報は、図5に示したように、電子機器IDと、置き換え対象の電子機器のIDと、最大消費電力量と、定常消費電力量と、型番、CPU情報、メモリ情報、及び、HDD情報等のハードウェアスペック情報と、を含む。また、スペック情報は、インストールソフトウェア情報等のソフトウェアスペック情報、及び、取得日時等を含んでいてもよい。
【0101】
消費電力量推定手段133は、スペック情報取得手段132により置換候補機器として特定された電子機器に対して取得されたスペック情報と、電子機器101、102から受信した負荷情報と、に基づいて、置換候補機器の消費電力量を推定(算出)する。なお、消費電力量推定手段133の詳細については後述する。
【0102】
選定条件記憶手段134は、置き換え候補となる電子機器(置換候補機器)が満たすべき選定条件情報を記憶する記憶媒体である。選定条件記憶手段134は、例えば、ハードディスクにより構成される。選定条件情報は、管理端末104、及び、選定手段135からアクセス可能である。選定条件情報は、図6に示したように、条件IDと、電子機器タイプと、選定条件内容と、を含む。
【0103】
条件IDは、選定条件を識別するための識別子である。電子機器タイプは、電子機器の種別を示す情報であり、具体的には、サーバ、パーソナルコンピュータ、ストレージ装置、ネットワーク装置、及び、モニタ等のいずれかを示す情報である。選定条件内容は、ハードウェア要件又はソフトウェア要件、消費電力量、及び、価格の条件等を含む。
【0104】
選定手段135は、スペック情報取得手段132により取得された置き換え候補となる電子機器のスペック情報と、消費電力量推定手段133により算出された当該電子機器の消費電力量と、に基づいて、選定条件記憶手段134により記憶されている選定条件情報を満たす電子機器を選定する。
【0105】
そして、選定手段135は、選定した電子機器のスペック情報(即ち、置換候補機器を識別するための情報)と、当該電子機器の消費電力量と、を対応付けて管理端末104へ送信(出力)する。これによれば、管理端末104のユーザは、電子機器と、その電子機器の消費電力量と、を対応付けて認識することができる。これにより、消費電力量を減少させるために電子機器を置換する際のユーザの利便性を向上させることができる。
【0106】
管理端末104は、キーボード及びマウス等の入力装置と、モニタ等の出力装置と、を備える端末(コンソール)である。管理端末104は、機器選定システム103と、ネットワークNWを介して電子機器101、102とに接続されている。管理端末104は、利用者によって入力された各種の指示(コマンド)及びデータを各電子機器101、102及び機器選定システム103に送信する機能と、各電子機器101、102及び機器選定システム103により送信されたデータを受信し、受信したデータを出力装置に出力する機能と、を有する。
【0107】
管理端末104は、選定手段135により送信されたスペック情報及び消費電力量を受信する。管理端末104は、受信したスペック情報及び消費電力量を表す画像を、図13に示したように、出力する。
【0108】
図13に示した画像は、置き換え候補となる電子機器の一覧と、一覧の選択欄にて選択された電子機器の価格の合計(合計価格)と、一覧の選択欄にて選択された電子機器の消費電力量の合計(合計消費電力量)と、稼働電子機器の消費電力量と置換候補機器の消費電力量との差と、合計価格及び合計消費電力量を再計算する再見積りボタンと、合計価格及び合計消費電力量を確定する確定ボタンと、キャンセルボタンと、を含む。
【0109】
このように、この実施形態に係る消費電力量算出システム100によれば、図1に示した消費電力量算出システム900では算出できなかった消費電力量を、図13に示したように表示することができる。
【0110】
ここで、消費電力量推定手段133について詳細に説明する。
消費電力量推定手段133は、図9に示したように、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aと、基準消費電力量算出手段(負荷情報取得手段、第1の消費電力量算出手段)133bと、基準消費電力量記憶手段133cと、置換候補機器消費電力量算出手段(第2の消費電力量算出手段)133dと、を含む。
【0111】
基準消費電力量パラメータ記憶手段133aは、電子機器の典型的なスペック情報(スペック情報の基準値)である基準スペック情報を複数記憶する記憶媒体である。基準スペック情報は、電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータを含む。基準消費電力量パラメータ記憶手段133aは、例えば、ハードディスクにより構成される。
【0112】
基準スペック情報は、基準機器IDと、電子機器タイプと、最大消費電力量と、定常消費電力量と、を含む。なお、基準スペック情報は、CPU情報、メモリ情報、及び、HDD情報等のハードウェアスペック情報を含んでいてもよい。基準スペック情報の具体例を図10に示す。
【0113】
図10に示したように、基準機器IDが「S001」であり且つ電子機器タイプが「サーバ」である基準スペック情報は、最大消費電力量が「650W/h」であり且つ定常消費電力量が「450W/h」であることを示している。また、基準機器IDが「S002」であり且つ電子機器タイプが「サーバ」である基準スペック情報は、最大消費電力量が「700W/h」であり且つ定常消費電力量が「450W/h」であることを示している。
【0114】
基準消費電力量算出手段133bは、電子機器101、102により送信された負荷情報を受信することにより取得する。基準消費電力量算出手段133bは、予め設定された算出期間(本例では、1分、又は、1日)内に取得された負荷情報と、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに記憶されている基準スペック情報と、に基づいて、上記算出期間における、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する。
【0115】
基準消費電力量算出手段133bは、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに記憶されている複数の基準スペック情報のそれぞれに対して基準消費電力量を算出する。
【0116】
具体的に述べると、基準消費電力量算出手段133bは、上記算出期間内の負荷情報が取得された時点のそれぞれに対して、基準消費電力量パラメータと、当該時点にて取得された負荷情報と、に基づいて消費電力量の瞬時値である瞬時消費電力量を算出する。更に、基準消費電力量算出手段133bは、算出した瞬時消費電力量を上記算出期間にわたって積分した値を基準消費電力量として算出する。
【0117】
基準消費電力量記憶手段133cは、基準消費電力量算出手段133bにより算出された基準消費電力量を含む情報(レコード)を記憶する。この情報は、基準消費電力量と、負荷情報が取得された日時と、基準機器IDと、電子機器タイプと、を含む。
【0118】
基準消費電力量記憶手段133cが記憶している情報(レコード)の具体例を図11及び図12に示す。図11は、算出期間を1分とした場合における基準消費電力量(本例では、瞬時消費電力量と等しい値である)を含む情報である。図12は、算出期間を1日とした場合における基準消費電力量を含む情報である。
【0119】
置換候補機器消費電力量算出手段133dは、基準消費電力量記憶手段133cに記憶されている基準消費電力量と、スペック情報取得手段132により取得された置換候補機器のスペック情報と、に基づいて、置換候補機器の消費電力量を算出する。
【0120】
具体的に述べると、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、スペック情報取得手段132から置換候補機器のスペック情報(消費電力量パラメータ)を受け付ける。そして、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、基準消費電力量記憶手段133cに記憶されている基準消費電力量と、その基準消費電力量を算出する基となった基準スペック情報(基準消費電力量パラメータ)と、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記置換候補機器の消費電力量を算出する。
【0121】
このとき、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、上記受け付けた消費電力量パラメータと最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量に基づいて、上記置換候補機器の消費電力量を算出する。
【0122】
具体的には、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、受け付けた消費電力量パラメータと同一の基準消費電力量パラメータに基づいて基準消費電力量が算出されている場合、その基準消費電力量を上記置換候補機器の消費電力量として算出する。これによれば、処理量をより一層低減することができるとともに、消費電力量を高い精度にて算出することができる。
【0123】
一方、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、受け付けた消費電力量パラメータと同一の基準消費電力量パラメータに基づいて前記基準消費電力量が算出されていない場合、下記のようにして上記置換候補機器の消費電力量として算出する。
【0124】
即ち、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、受け付けた消費電力量パラメータよりも大きく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量(第1の基準消費電力量)を取得する。更に、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、受け付けた消費電力量パラメータよりも小さく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量(第2の基準消費電力量)を取得する。
【0125】
次いで、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、取得した第1の基準消費電力量と、取得した第2の基準消費電力量と、を補間(本例では、一次補間)した値を上記置換候補機器の消費電力量として算出する。
これによれば、算出された基準消費電力量に基づいて、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量をより一層高い精度にて算出することができる。
【0126】
次に、基準消費電力量算出手段133bの作動について、図14に示したフローチャートを参照しながら説明する。
いま、基準消費電力量算出手段133bが図3に示した負荷情報を取得するとともに、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aが図10に示した基準スペック情報を記憶している場合を想定して説明を続ける。
【0127】
基準消費電力量算出手段133bは、電子機器101、102の稼働性能測定手段から負荷情報(例えば、図3の1行目に示した情報)を受信する(負荷情報取得工程)と、図14に示した処理を開始する。
【0128】
基準消費電力量算出手段133bは、受信(取得)された負荷情報の電子機器タイプと電子機器タイプが一致する基準スペック情報(例えば、電子機器タイプが「サーバ」である図10の1行目及び2行目に示した情報)を取得し、取得した基準スペック情報を集合Uに格納する(ステップS101)。
【0129】
そして、基準消費電力量算出手段133bは、集合Uから1つの基準スペック情報を取り出す(ステップS102)。
次いで、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS103にて、集合Uから基準スペック情報を取り出すことができた(基準スペック情報の取り出しが成功した)場合、ステップS104へ進み、失敗した場合、処理を終了する。
【0130】
上記仮定に従えば、先ず、基準消費電力量算出手段133bは、集合Uから、電子機器タイプが「サーバ」である図10の1行目の基準スペック情報を取り出す。従って、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS104に進み、取り出した基準スペック情報(図10の1行目に示した情報(最大消費電力量が「10.83W/min」であり且つ定常消費電力量が「7.5W/min」である情報))と、取得した負荷情報(図3の1行目に示した情報(CPU使用率が「80%」である情報))と、式「電力消費量=(最大消費電力量−定常消費電力量)・(CPU負荷率/100)+定常消費電力量」と、に基づいて、瞬時消費電力量を算出する。
【0131】
即ち、基準消費電力量算出手段133bは、瞬時消費電力量として、「瞬時消費電力量=(10.83W/min−7.5W/min)・(80%/100)+7.5W/min=10.164」を算出する。
【0132】
加えて、基準消費電力量算出手段133bは、算出した瞬時消費電力量と、負荷情報が取得された日時と、基準機器IDと、電子機器タイプと、を含むレコードを基準消費電力量記憶手段133cに記憶させる。
【0133】
そして、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS105にて、上記算出された瞬時消費電力量を上記算出期間にわたって積分した値を基準消費電力量として算出する(第1の消費電力量算出工程)。更に、基準消費電力量算出手段133bは、算出した基準消費電力量と、負荷情報が取得された日時と、基準機器IDと、電子機器タイプと、を含むレコードを基準消費電力量記憶手段133cに記憶させる。
その後、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS102へ戻る。
【0134】
次に、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS102にて、電子機器タイプが「サーバ」である図10の2行目に示した基準スペック情報を取り出す。そして、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS104にて瞬時消費電力量を算出するとともに、ステップS105にて基準消費電力量を算出する。
【0135】
その後、集合Uに格納された基準スペック情報のすべてが取り出されると、基準消費電力量算出手段133bは、図14に示した処理を終了する。処理終了時において、基準消費電力量記憶手段133cに記憶されているレコードは、図11及び図12に示したようになる。
【0136】
次に、置換候補機器消費電力量算出手段133dの作動について、図15に示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0137】
いま、スペック情報取得手段132が図5に示したスペック情報を置換候補機器のスペック情報として取得するとともに、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aが図10に示した基準スペック情報を記憶し、且つ、基準消費電力量記憶手段133cが図12に示した基準消費電力量を記憶している場合を想定して説明を続ける。
【0138】
置換候補機器消費電力量算出手段133dは、スペック情報取得手段132から置換候補機器のスペック情報を受け付けると、図15に示した処理を開始する。
【0139】
置換候補機器消費電力量算出手段133dは、ステップS201にて、置換候補機器のスペック情報と一致する(同一の)基準スペック情報を探索する。そして、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、ステップS202へ進む。
【0140】
置換候補機器消費電力量算出手段133dは、置換候補機器のスペック情報と同一の基準スペック情報が基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに記憶されている場合、ステップS203へ進み、一方、記憶されていない場合、ステップS204へ進む。
【0141】
そして、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、ステップS203にて、基準消費電力量記憶手段133cから、置換候補機器のスペック情報と同一の基準スペック情報に基づいて算出された基準消費電力量を置換候補機器の消費電力量として取得する(第2の消費電力量算出工程)。その後、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、図15に示した処理を終了する。
【0142】
いま、機器IDが「A101」である図5の1行目のスペック情報を置換候補機器消費電力量算出手段133dが受け付けた場合を想定して説明を続ける。この場合、このスペック情報と同一の基準スペック情報は、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに記憶されていない。
【0143】
従って、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、ステップS204へ進む。
そして、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、基準消費電力量記憶手段133cから、置換候補機器のスペック情報と類似する基準スペック情報を取得する。類似しているか否かを判断する基準として、電子機器タイプが同じであること、及び/又は、置換候補機器のスペック情報と最も近い基準スペック情報であること、等を用いることが好適である。
【0144】
例えば、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、図5に示した機器IDが「A101」である置換候補機器のスペック情報に類似する基準スペック情報として、図10の基準機器IDが「S001」である基準スペック情報と、基準機器IDが「S002」である基準スペック情報と、を取得する。
【0145】
即ち、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、置換候補機器のスペック情報に類似する基準スペック情報として、電子機器タイプが同じであり且つ置換候補機器の消費電力量パラメータよりも大きく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータを含む基準スペック情報と、電子機器タイプが同じであり且つ置換候補機器の消費電力量パラメータよりも小さく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータを含む基準スペック情報と、を取得する。
【0146】
そして、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、ステップS205にて、上記取得した基準スペック情報と、その基準スペック情報に基づいて算出された基準消費電力量と、置換候補機器のスペック情報と、に基づいて、置換候補機器の消費電力量を算出する。即ち、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、2つの基準消費電力量を補間(本例では、一次補間)した値を置換候補機器の消費電力量として算出する(第2の消費電力量算出工程)。
【0147】
具体的には、機器IDが「A101」である置換候補機器のスペック情報は、最大消費電力量が「675W/h」であり且つ定常消費電力量が「450W/h」である。また、基準機器IDが「S001」である電子機器のスペック情報は、最大消費電力量が「650W/h」であり且つ定常消費電力量が「450W/h」である。また、基準機器IDが「S002」である電子機器のスペック情報は、最大消費電力量が「700W/h」であり且つ定常消費電力量が「450W/h」である。
【0148】
機器IDが「A101」である置換候補機器の最大消費電力量と基準機器IDが「S001」である電子機器の最大消費電力量との差(=675−650)と、基準機器IDが「S002」である電子機器の最大消費電力量と基準機器IDが「S001」である電子機器の最大消費電力量との差(=700−650)の比は、1:2(=(675−650):(700−650))となる。
【0149】
いま、置換候補機器消費電力量算出手段133dが、図12に示した日付「2008/12/1」の消費電力量を算出する場合について説明する。この場合、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、機器IDが「A101」である置換候補機器の消費電力量を、基準機器IDが「S002」である電子機器の消費電力量(=16589)と基準機器IDが「S001」である電子機器の消費電力量(=16257)との差(332=16589−16257)に、上記比(=1/2)を乗じた値と、基準機器IDが「S001」である電子機器の定常消費電力量と、の和(=16483=(332・1/2)+16257)として算出する。
その後、置換候補機器消費電力量算出手段133dは、図15に示した処理を終了する。
【0150】
以上、説明したように、本発明による消費電力量算出システムの第1実施形態によれば、稼働していなかった電子機器が稼働していたと仮定した場合におけるその電子機器(即ち、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器)の消費電力量を高い精度にて算出することができる。従って、稼働している電子機器と置換することにより、消費電力量を低減することが可能な電子機器を高い精度にて特定することができる。
【0151】
更に、上記第1実施形態によれば、複数の消費電力量パラメータのそれぞれに対して消費電力量を算出する場合における機器選定システム(消費電力量算出装置)103の処理量を低減することができる。また、上記第1実施形態によれば、任意の消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を迅速に算出することができる。
【0152】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る消費電力量算出システムについて説明する。第2実施形態に係る消費電力量算出システムは、上記第1実施形態に係る消費電力量算出システムに対して、負荷情報を取得する対象となった電子機器の性能と、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の性能と、に基づいて、取得された負荷情報を補正する点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0153】
第2実施形態に係る消費電力量推定手段133は、図16に示したように、第1実施形態に係る消費電力量推定手段133が有する構成に加えて、負荷変換情報生成手段133eと、負荷変換情報記憶手段133fと、を含む。
【0154】
負荷変換情報生成手段133eは、電子機器101、102から受信したスペック情報と、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに記憶されている基準スペック情報と、に基づいて、負荷変換情報を生成する。
【0155】
負荷変換情報は、図17に示したように、負荷変換情報を識別するための識別子(変換ID)と、負荷情報を取得する対象となった電子機器の機器IDと、基準機器IDと、変換条件と、を含む。変換条件は、取得された負荷情報を変換する式等を表す情報である。
【0156】
負荷変換情報記憶手段133fは、負荷変換情報生成手段133eにより生成された負荷変換情報を記憶する記憶媒体である。負荷変換情報記憶手段133fは、例えば、ハードディスクにより構成される。負荷変換情報記憶手段133fは、負荷変換情報生成手段133eと、基準消費電力量算出手段133bと、管理端末104と、からアクセス可能である。
【0157】
また、第2実施形態に係る基準消費電力量算出手段133bは、電子機器101、102により送信された負荷情報を受信することにより取得する。基準消費電力量算出手段133bは、取得した負荷情報を、負荷変換情報記憶手段133fに記憶されている負荷変換情報に基づいて補正する。そして、基準消費電力量算出手段133bは、補正した負荷情報に基づいて基準消費電力量を算出する。なお、基準消費電力量算出手段133bは、負荷情報補正手段を構成している。
【0158】
これによれば、負荷情報を取得する対象となった電子機器の性能と、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の性能と、が相違している場合であっても、適切に補正された負荷情報を用いて、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を高い精度にて算出することができる。
【0159】
次に、負荷変換情報生成手段133eの作動について、図18に示したフローチャートを参照しながら説明する。
いま、負荷変換情報生成手段133eが図4に示したスペック情報を受信するとともに、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aが図10に示した基準スペック情報を記憶している場合を想定して説明を続ける。
【0160】
この場合、負荷変換情報生成手段133eは、受信した電子機器のスペック情報に変更があった場合、若しくは、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aが記憶している基準スペック情報に変更があった場合に、図18に示した処理を開始する。
【0161】
いま、図10に示した基準機器IDが「S002」である基準スペック情報が、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに新たに記憶された場合を想定して説明を続ける。
【0162】
この場合、負荷変換情報生成手段133eは、ステップS301にて、変更があったスペック情報の電子機器タイプと同一の電子機器タイプを含むスペック情報を、機器構成取得手段、又は、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aから取得し、集合Wに格納する。
【0163】
なお、負荷変換情報生成手段133eは、機器構成取得手段により取得されたスペック情報に変更があった場合、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aから、変更があったスペック情報の電子機器タイプと同一の電子機器タイプを含むすべての基準スペック情報を取得する。
【0164】
また、負荷変換情報生成手段133eは、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aに記憶されている基準スペック情報に変更があった場合、機器構成取得手段から、変更があったスペック情報の電子機器タイプと同一の電子機器タイプを含むすべてのスペック情報を取得する。
【0165】
上記仮定に従えば、図10に示した基準機器IDが「S002」である基準スペック情報が、変更されたスペック情報である。従って、負荷変換情報生成手段133eは、機器構成取得手段から、基準機器IDが「S002」である基準スペック情報の電子機器タイプである「サーバ」と同一の電子機器タイプを含むスペック情報を取得する。即ち、負荷変換情報生成手段133eは、図4に示した電子機器IDが「A001」であるスペック情報を取得し、集合Wに格納する。
【0166】
そして、負荷変換情報生成手段133eは、ステップS302にて、集合Wから1つのスペック情報を取り出す。そして、負荷変換情報生成手段133eは、ステップS303にて、集合Wからスペック情報を取り出せた(取り出しが成功した)場合、ステップS304へ進み、失敗した場合、図18に示した処理を終了する。
【0167】
いま、負荷変換情報生成手段133eが、図4に示した電子機器IDが「A001」であるスペック情報を取り出した場合を想定して説明を続ける。
この場合、負荷変換情報生成手段133eは、ステップS304にて、上記取り出したスペック情報と、変更があったスペック情報と、の違いに基づいて、負荷変換情報を生成する。
【0168】
例えば、機器IDが「A001」であるスペック情報のハードウェア情報と、基準機器IDが「S002」である基準スペック情報のハードウェア情報と、を比較すると、「A001」のCPUコア数は「S002」のCPUコア数の1/2であることがわかる。従って、負荷変換情報生成手段133eは、「S002」の負荷を、「A001」の負荷の1/2倍に等しいとする変換条件(「S002」のCPU負荷率=0.5・「A001」のCPU負荷率)を生成する。
【0169】
また、ステップS304では、負荷変換情報生成手段133eは、生成した変換条件(「S002」のCPU負荷率=0.5・「A001」のCPU負荷率)と、負荷変換情報の識別子(例えば、「C001」)と、補正の対象となる負荷情報を取得する電子機器のIDと、基準機器IDと、を含む情報を負荷変換情報として生成し、生成した負荷変換情報を負荷変換情報記憶手段133fに記憶させる。その後、負荷変換情報生成手段133eは、ステップS302へ戻る。
【0170】
その後、負荷変換情報生成手段133eは、ステップS302にて、スペック情報を取り出すことができなくなると、図18に示した処理を終了する。
【0171】
処理が終了した時点にて負荷変換情報記憶手段133fに記憶されている負荷変換情報は、例えば、図17に示したように、識別子が「C001」であり且つ補正の対象となる負荷情報を取得する電子機器のIDが「A001」であり且つ基準機器IDが「S001」であり且つ変換条件が「「S002」のCPU負荷率=0.5・「A001」のCPU負荷率」である情報である。
【0172】
次に、基準消費電力量算出手段133bの作動について、図19に示したフローチャートを参照しながら説明する。
いま、基準消費電力量算出手段133bが図3に示した負荷情報を取得するとともに、基準消費電力量パラメータ記憶手段133aが図10に示した基準スペック情報を記憶している場合を想定して説明を続ける。
【0173】
基準消費電力量算出手段133bは、電子機器101、102の稼働性能測定手段から負荷情報(例えば、図3の1行目に示した情報)を受信すると、図19に示した処理を開始する。
【0174】
ステップS101にて、基準消費電力量算出手段133bは、負荷情報を送信してきた電子機器101、102の電子機器タイプと同一の電子機器タイプを含む基準スペック情報(例えば、電子機器タイプが「サーバ」である図10の2行目に示した情報)を取得し、集合Uに格納する。
【0175】
ステップS102にて、基準消費電力量算出手段133bは、集合Uから1つの基準スペック情報を取り出す。
そして、ステップS103にて、基準消費電力量算出手段133bは、集合Uから基準スペック情報を取り出すことができた(取り出しが成功した)場合、ステップS401へ進み、失敗した場合、図19に示した処理を終了する。
【0176】
いま、電子機器タイプが「サーバ」である図10の2行目に示した情報を基準消費電力量算出手段133bが取り出した場合を想定して説明を続ける。
【0177】
この場合、ステップS401にて、基準消費電力量算出手段133bは、上記取り出した基準スペック情報の基準機器IDと、負荷情報を送信してきた電子機器101、102のIDと、を含む負荷変換情報を負荷変換情報記憶手段133fから取得し、ステップS402へ進む。
【0178】
いま、図17に示した識別子(変換ID)が「C001」である負荷変換情報を、基準消費電力量算出手段133bが取得した場合を想定して説明を続ける。
【0179】
この場合、ステップS402にて、基準消費電力量算出手段133bは、電子機器101、102から受信した負荷情報(例えば、図3の1行目に示した情報(CPU使用率が「80%」である情報))を、取得した負荷変換情報に含まれる変換条件を用いて変換(補正)し、ステップS403へ進む。
【0180】
変換IDが「C001」である負荷変換情報の変換条件「「S002」のCPU負荷率=0.5・「A001」のCPU負荷率」の場合、基準消費電力量算出手段133bは、「S002」のCPU負荷率(=0.5・80%=40%)と変換する。なお、基準消費電力量算出手段133bは、負荷変換情報が取得されなかった場合(負荷変換情報の取得に失敗した場合)、電子機器101、102から受信した負荷情報を補正することなく、ステップS403へ進む。
【0181】
そして、ステップS403にて、基準消費電力量算出手段133bは、ステップS103にて取り出した基準スペック情報(図10の1行目に示した情報(最大消費電力量が「10.83W/min」であり且つ定常消費電力量が「7.5W/min」である情報))と、ステップS402にて補正した負荷情報(例えば、40%)と、式「消費電力量=(最大消費電力量−定常消費電力量)・(CPU負荷率/100)+定常消費電力量」と、に基づいて、基準消費電力量を算出する。具体的には、「基準消費電力量=(10.83W/min−7.5W/min)・(40%/100)+7.5W/min=8.832」となる。
【0182】
更に、基準消費電力量算出手段133bは、ステップ403にて、算出した消費電力量と、負荷情報が取得された日時と、基準機器IDと、電子機器タイプと、を含む情報(レコード)を、基準消費電力量記憶手段133cに記憶させ、ステップS102へ戻る。
【0183】
以上、説明したように、本発明による消費電力量算出システムの第2実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、上記第2実施形態によれば、負荷情報を取得する対象となった電子機器の性能と、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の性能と、が相違している場合であっても、適切に補正された負荷情報を用いて、基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を高い精度にて算出することができる。
【0184】
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記各実施形態において、機器選定システム103と管理端末104とは、互いに独立した装置であったが、機器選定システム103の機能及び管理端末104の機能の両方を有する1つの装置であってもよい。
【0185】
なお、上記各実施形態において消費電力量算出システム100の各機能は、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現されていたが、回路等のハードウェアにより実現されていてもよい。
【0186】
また、上記各実施形態に係る消費電力量算出システム100は、図20に示したように、電子機器を使用するユーザ企業に配置されることが好適である。また、電子機器を製造及び/又は販売するメーカー企業には、スペック情報を予め記憶するスペック情報記憶手段211を備えるサーバ201が配置されることが好適である。サーバ201は、消費電力量算出システム100からの要求に応じて、スペック情報記憶手段211に記憶されているスペック情報を消費電力量算出システム100へ送信するように構成される。
【0187】
これにより、ユーザ企業が置き換え候補となる電子機器を選定する場合に、メーカー企業の電子機器を置き換え候補の電子機器に加えることができる。従って、メーカー企業は、メーカー企業の電子機器の販売を促進することができる。
【0188】
また、図21に示したように、上記各実施形態の変形例に係る消費電力量算出装置500は、負荷情報取得手段501と、第1の消費電力量算出手段502と、第2の消費電力量算出手段503と、を備える。
【0189】
負荷情報取得手段501は、稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する。
第1の消費電力量算出手段502は、電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に負荷情報取得手段501により取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する。
【0190】
第2の消費電力量算出手段503は、消費電力量パラメータを受け付けるとともに、第1の消費電力量算出手段502により算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、上記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する。
この変形例によっても上記各実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0191】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0192】
本発明は、電子機器の消費電力量を算出する消費電力量算出システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0193】
100 消費電力量算出システム
101、102 電子機器
103 機器選定システム(消費電力量算出装置)
104 管理端末
111 消費電力測定手段
112 稼働性能測定手段
113 機器構成取得手段
131 スペック取得用情報記憶手段
132 スペック情報取得手段
133 消費電力量推定手段
133a 基準消費電力量パラメータ記憶手段
133b 基準消費電力量算出手段
133c 基準消費電力量記憶手段
133d 置換候補機器消費電力量算出手段
133e 負荷変換情報生成手段
133f 負荷変換情報記憶手段
134 選定条件記憶手段
135 選定手段
201 サーバ
211 スペック情報記憶手段
900 消費電力量算出システム
901、902 電子機器
903 機器選定システム
904 管理端末
911 消費電力測定手段
912 稼働性能測定手段
913 機器構成取得手段
931 スペック取得用情報記憶手段
932 スペック情報取得手段
933 選定条件記憶手段
934 選定手段
NW ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に前記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、前記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、前記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を備える消費電力量算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の消費電力量算出装置であって、
前記第1の消費電力量算出手段は、複数の基準消費電力量パラメータのそれぞれに対して前記基準消費電力量を算出するように構成され、
前記第2の消費電力量算出手段は、前記受け付けた消費電力量パラメータと最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量に基づいて、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出するように構成された消費電力量算出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の消費電力量算出装置であって、
前記第2の消費電力量算出手段は、前記受け付けた消費電力量パラメータと同一の基準消費電力量パラメータに基づいて前記基準消費電力量が算出されている場合、その基準消費電力量を当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量として算出するように構成された消費電力量算出装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の消費電力量算出装置であって、
前記第2の消費電力量算出手段は、前記受け付けた消費電力量パラメータと同一の基準消費電力量パラメータに基づいて前記基準消費電力量が算出されていない場合、当該受け付けた消費電力量パラメータよりも大きく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された前記基準消費電力量と、当該消費電力量パラメータよりも小さく且つ当該消費電力量パラメータに最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された前記基準消費電力量と、を補間した値を当該消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量として算出するように構成された消費電力量算出装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の消費電力量算出装置であって、
前記稼働している電子機器である稼働電子機器、及び、稼働していない電子機器である非稼働電子機器を含む複数の電子機器のそれぞれに対して、当該電子機器の性能を表す機器性能情報を取得する機器性能情報取得手段と、
前記稼働電子機器に対して取得された機器性能情報が表す性能と対応する性能を表す機器性能情報が取得された非稼働電子機器を、当該稼働電子機器と置換する候補である置換候補機器として特定する置換候補機器特定手段と、
前記第2の消費電力量算出手段は、前記特定された置換候補機器が有する消費電力量パラメータを受け付けるように構成された消費電力量算出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の消費電力量算出装置であって、
前記特定された置換候補機器を識別するための情報と、前記第2の消費電力量算出手段によって算出された当該置換候補機器の消費電力量と、を対応付けて出力する出力手段を備える消費電力量算出装置。
【請求項7】
請求項5に記載の消費電力量算出装置であって、
前記稼働電子機器の消費電力量と、前記置換候補機器の消費電力量と、の差を出力する出力手段を備える消費電力量算出装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の消費電力量算出装置であって、
前記第1の消費電力量算出手段は、前記算出期間内の前記負荷情報が取得された時点のそれぞれに対して、前記基準消費電力量パラメータと、当該時点にて前記取得された負荷情報と、に基づいて消費電力量の瞬時値である瞬時消費電力量を算出するとともに、当該算出した瞬時消費電力量を当該算出期間にわたって積分した値を前記基準消費電力量として算出するように構成された消費電力量算出装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の消費電力量算出装置であって、
前記負荷情報を取得する対象となった電子機器の性能と、前記基準消費電力量パラメータを有する電子機器の性能と、に基づいて、前記取得された負荷情報を補正する負荷情報補正手段を備える消費電力量算出装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の消費電力量算出装置であって、
前記消費電力量パラメータは、前記電子機器が消費する電力の量の最大値である最大消費電力量、及び、当該電子機器が定常時に消費する電力の量である定常消費電力量のうちの少なくとも1つを含む消費電力量算出装置。
【請求項11】
消費電力量算出装置に、
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に前記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、前記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、前記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムであって、
前記第1の消費電力量算出手段は、複数の基準消費電力量パラメータのそれぞれに対して前記基準消費電力量を算出するように構成され、
前記第2の消費電力量算出手段は、前記受け付けた消費電力量パラメータと最も近い基準消費電力量パラメータに基づいて算出された基準消費電力量に基づいて、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出するように構成されたプログラム。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載のプログラムであって、
前記消費電力量算出装置に、更に、
前記稼働している電子機器である稼働電子機器、及び、稼働していない電子機器である非稼働電子機器を含む複数の電子機器のそれぞれに対して、当該電子機器の性能を表す機器性能情報を取得する機器性能情報取得手段と、
前記稼働電子機器に対して取得された機器性能情報が表す性能と対応する性能を表す機器性能情報が取得された非稼働電子機器を、当該稼働電子機器と置換する候補である置換候補機器として特定する置換候補機器特定手段と、
を実現させるとともに、
前記第2の消費電力量算出手段は、前記特定された置換候補機器が有する消費電力量パラメータを受け付けるように構成されたプログラム。
【請求項14】
電子機器と、当該電子機器と通信可能に接続された消費電力量算出装置と、を含む消費電力量算出システムであって、
前記電子機器は、
当該電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に前記消費電力量算出装置へ送信する負荷情報送信手段を備え、
前記消費電力量算出装置は、
前記電子機器から前記負荷情報を受信することにより取得する負荷情報取得手段と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に前記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出手段と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、前記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、前記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出手段と、
を備える消費電力量算出システム。
【請求項15】
稼働している電子機器の負荷を表す負荷情報を、所定の取得周期が経過する毎に取得する負荷情報取得工程と、
電子機器が消費する電力の量である消費電力量に影響を及ぼす消費電力量パラメータの基準値である基準消費電力量パラメータと、所定の算出期間内に前記取得された負荷情報と、に基づいて、当該算出期間における、当該基準消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量である基準消費電力量を算出する第1の消費電力量算出工程と、
消費電力量パラメータを受け付けるとともに、前記算出された基準消費電力量と、当該基準消費電力量を算出する基となった基準消費電力量パラメータと、当該受け付けた消費電力量パラメータと、に基づいて、前記算出期間における、当該受け付けた消費電力量パラメータを有する電子機器の消費電力量を算出する第2の消費電力量算出工程と、
を含む消費電力量算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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