説明

涙管インプラントの検出

本明細書では、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備える装置について説明する。涙管インプラントは、インプラント・コアとインプラント本体とを備える。インプラント本体は、インプラント・コアを収容できるサイズおよび形状を有するキャビティを備える。インプラント・コアおよびインプラント・キャビティのうちの少なくとも一方は別の検出器デバイスで涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された検出デバイスを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本非仮出願は、米国特許法第119条(e)項に従って2007年9月7日に出願された米国仮特許出願番号第60/970,807号および2008年5月6日に出願された米国仮特許出願番号第61/050,901号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本出願は、一般的には、ヒトおよび/または動物に使用するインプラントに関するものであり、より具体的には、鼻涙ドレナージ系内または鼻涙ドレナージ系の近くにある、ときには涙管インプラントとも称される、インプラントを検出することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
目の治療または処置の分野では、患者も医者も様々な難題に直面する。いくつかの場合において、眼疾患、例えば、ドライアイを軽減するためにインプラントを用いて涙点管の1つまたは複数に栓をすることが望ましいことがある。いくつかの場合において、一定期間にわたって患者に治療処置を実施することができるインプラントに治療薬を含めることも望ましいことがある。
【0004】
涙点プラグなどの涙管インプラントに付随する問題のうちのいくつかは、これらのインプラントが非常に小さく、また透明色または肌色のシリコーン材料で作られているため、目で確認したり、検出したりすることが困難であるという点である。涙管インプラントは、患者が目を擦ることでも簡単に外れ、患者は、挿入物が欠落したことにすら気づかず、インプラントがもたらす処置または治療上の有用性を逸することになりうる。治療用インプラントに付随するもう1つの問題として、患者は、治療薬の送達がいつ完了しているかを知らないことが挙げられる。
【0005】
薬物を有するインプラントは、目以外の治療にも使用できる。例えば、薬物インプラントは、癌、HIV、糖尿病の全身的治療、または関節および腫瘍の特定位置治療に使用されうる。埋設された後、インプラントがインプラント部位から移動したのか、ずれたのかを見分けることは困難であり、特定の治療位置に関する問題となっている。それに加えて、インプラントとともにどのような薬物または療法を使用するかを決定することも困難である。例えば、インプラントを使用する患者は、どのような薬物がインプラント中にあるのかを忘れがちであり、このような薬物は他の薬物と相互作用する可能性があるのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に鑑みて、上述の短所のうちの少なくとも一部を克服するインプラントの改善された検出を実現することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、検出デバイスを備えるインプラントを使用した、一般的には組織、より具体的には目の治療を対象とする。それに加えて、インプラントは、目を治療するための治療薬を放出する治療用インプラントとすることもできる。
1.装置は、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備える。涙管インプラントは、インプラント・コアとインプラント本体とを含む。インプラント本体は、インプラント・コアを収容できるサイズおよび形状のキャビティを備え、インプラント・コアおよびインプラント・キャビティのうちの少なくとも一方は別の検出器デバイスによる涙管インプラントの自動検出を可能にする検出デバイスを備える。
2.態様1による装置であって、検出デバイスは検出信号を検出器デバイスに伝達するように構成されたRFID(電波による個体識別)チップを適宜備える、装置。
3.態様1および2による装置であって、検出デバイスは光を検出器デバイスに反射するように構成されたルミネッセンス材料を適宜含む、装置。
4.態様1〜3による装置であって、ルミネッセンス材料は量子ドットを適宜含む、装置。
5.態様1〜4による装置であって、検出デバイスは超音波エネルギーを検出器デバイスに反射するように構成された超音波反射材料を適宜含む、装置。
6.態様1〜5による装置であって、実施形態1〜6の検出デバイスは検出器デバイスによって検出可能な磁場を保持する磁性材料を適宜含む、装置。磁性材料は、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉のうちの少なくとも1つを含む。
7.態様1〜6による装置であって、実施形態1〜6の検出デバイスは検出器デバイスによって検出可能な磁場を保持する磁性材料を適宜含む、装置。
8.態様1〜7による装置であって、検出デバイスは感知回路への涙管インプラントの近接により検出器デバイスの感知回路の特性インピーダンスの変化を引き起こすように構成された導電性材料を適宜含む、装置。
9.態様1〜8による装置であって、検出デバイスは涙管インプラントを目の一領域から光学的に弁別するように構成されたインプラント・コアおよびインプラント・キャビティのうちの少なくとも1つの中に光学的コントラスト材料および色材のうちの少なくとも1つを適宜含む、装置。
10.態様1〜9による装置であって、検出デバイスは紫外線源による照射を受けたときに見える材料を適宜含む、装置。
11.態様1〜10による装置であって、インプラント・コアは徐放性眼用薬剤を適宜含む、装置。
12.態様1〜11による装置であって、インプラント・コアは薬剤を収納するシースを適宜備える、装置。検出デバイスは、シース内に配置される。
13.態様1〜12による装置であって、インプラント本体の生体適合性材料は眼内に持続放出するための薬剤を適宜含む、装置。
14.態様1〜13による装置であって、涙管インプラントはインプラント本体の外面上にポリマー・コーティングを備え、ポリマー・コーティングは薬剤を適宜含む、装置。
15.方法は、生体適合性材料の涙管インプラントを形成することと、涙管インプラントの本体内にキャビティを形成することと、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成されたインプラント・コアをキャビティ内に備えることと、別の検出器デバイスを使って涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された検出デバイスをインプラント・コアおよびインプラント・キャビティのうちの少なくとも一方の中に備えることとを含む。
16.態様15による方法であって、検出デバイスを備えることは検出器デバイスに検出信号を伝達するように構成されたRFIDチップ、光を検出器デバイスに反射するように構成されているルミネッセンス材料、超音波エネルギーを検出器デバイスに反射するように構成されている超音波反射材料、外部磁場の印加および除去の後に検出器デバイスによって検出可能な強磁性を保持することができる強磁性材料、検出器デバイスの感知回路の特性インピーダンスの変化を引き起こすように構成されている導電性材料、目の一領域から涙点プラグを光学的に弁別するように構成されている光学的コントラスト材料、目の一領域から涙管インプラントを光学的に弁別するための色材、および紫外線源による照射を受けたときに見える材料のうちの少なくとも1つを備えることを適宜含む。
17.態様15および16による方法であって、検出デバイスを備えることはルミネッセンス材料を備えることを適宜含み、ルミネッセンス材料は量子ドットを適宜含む、方法。
18.態様15〜17による方法であって、実施形態15〜17の検出デバイスを備えることは強磁性材料を備えることを適宜含む、方法。強磁性材料は、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉のうちの少なくとも1つを含む。
19.態様15〜18による方法であって、検出デバイスを備えることは光を検出器デバイスに反射するように構成されたルミネッセンス材料を備えることを適宜含む、方法。この方法は、発光源を使用して涙管インプラントを第1の波長帯の入射光に晒すことと、検出デバイスで第2の波長帯の光を検出することと、受けた光が涙管インプラントから反射されることと、涙管インプラントの近接を示すのに十分な反射光が検出されたときに指示情報を出すこととを適宜含む。
20.態様19による方法であって、実施形態19の第1の波長帯は青色スペクトルを適宜含み、第2の波長帯は緑色スペクトルを適宜含む、方法。
21.態様19および20による方法であって、涙管インプラントを入射光に晒すことは涙管インプラントを赤外線スペクトルの第1の波長帯の入射光に晒すことを適宜含み、光を検出することは赤外線スペクトルの第2の波長帯の光を検出することを含む、方法。
22.態様19〜21による方法であって、実施形態19〜21の指示情報を出すことは可聴指示情報を出すことを適宜含む、方法。
23.態様19〜22による方法であって、指示情報を出すことは可視指示情報を出すことを適宜含む、方法。
24.眼疾患を治療する方法は、被検体の少なくとも1つの涙点内に涙管インプラントを挿入することと、涙管インプラントの検出デバイスを別の検出器デバイスで検出することとを含む。涙管インプラントは、インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える、生体適合性材料のインプラント本体と、インプラント本体のキャビティ内に担持された、インプラント・コアおよびインプラント・キャビティのうちの少なくとも一方は別の検出器デバイスによる涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された検出デバイスが入れられた、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成されたインプラント・コアと、薬剤の持続放出を行うように構成されている、インプラント・コア内に配置された薬剤の供給源とを備える。
25.態様24による方法であって、薬剤は緑内障疾患を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
26.態様24および25による方法であって、薬剤は高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
27.装置は、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備える。涙管インプラントは、生体適合性材料のインプラント本体を含む。インプラント本体は、涙管インプラントの検出を可能にし、涙管インプラントの少なくとも1つの属性を識別するように構成された検出デバイスを備える。
28.態様27による装置であって、検出デバイスは属性情報を別の検出器デバイスに伝達するためのRFIDチップを適宜備える、装置。
29.態様27および28による装置であって、検出デバイスは涙管インプラント内に色を適宜含む、装置。色は、涙管インプラントの属性を識別する。
30.態様27〜29による装置であって、検出デバイスはルミネッセンス材料を適宜含み、ルミネッセンス材料は色を反射する、装置。
31.態様27〜30による装置であって、実施形態27〜30のルミネッセンス材料は量子ドットを適宜含む、装置。
32.態様27〜31による装置であって、検出デバイスは紫外線源を使って見える材料を適宜含み、検出デバイスは紫外線源による照射を受けたときに属性を識別する、装置。
33.態様27〜32による装置であって、検出デバイスは涙管インプラントおよび生体侵食性表面によって溶出可能な材料を適宜含む、装置。生体侵食性表面は、属性を識別するように材料を溶出する。
34.態様27〜33による装置であって、涙管インプラントは徐放性眼用薬剤を適宜有し、涙管インプラントの属性は眼用薬剤の種類、眼用薬剤の用量、および眼用薬剤の放出が完了したときの指示情報のうちの少なくとも1つを含む、装置。
35.態様27〜34による装置であって、識別可能な属性は涙管インプラント・メーカー、涙管インプラント・メーカーのロット番号、涙管インプラントが埋設されたときの日付、インプラントの有効期限、涙管インプラントが埋設された場所の指示情報、医師を識別するための指示情報、および患者を識別するための指示情報のうちの少なくとも1つを適宜含む、装置。
36.方法は、涙点プラグにインプラント本体が含まれる生体適合性材料の涙管インプラントを形成することと、涙管インプラントの検出を可能にし、涙管インプラントの少なくとも1つの属性を識別するように構成された検出デバイスをインプラント本体内に配置することとを含む。
37.態様36による方法であって、実施形態36の検出デバイスを配置することは属性情報を別の検出器デバイスに伝達するように構成されたRFIDチップ、涙管インプラントの属性を識別する、涙管インプラント内の色、属性を識別する色を反射するルミネッセンス材料、紫外線源による照射を受けたときに属性が検出デバイスによって識別される、紫外線源で見える材料、および属性を識別する、涙管インプラントによって溶出可能な材料のうちの少なくとも1つを適宜含む、方法。
38.態様36および37による方法であって、涙管インプラント内で徐放性眼用薬剤を供給することを適宜含み、検出デバイスは眼用薬剤の種類、眼用薬剤の用量、および眼用薬剤の放出が完了したときの指示情報のうちの少なくとも1つの識別を可能にするように構成されている、方法。
39.態様36〜38による方法であって、使用される検出デバイスは涙管インプラント・メーカー、涙管インプラント・メーカーのロット番号、涙管インプラントが埋設されたときの日付、インプラントの有効期限、涙管インプラントが埋設された場所の指示情報、医師を識別するための指示情報、および患者または被検体を識別するための指示情報のうちの少なくとも1つの識別を適宜可能にする、方法。
40.眼疾患を治療するための方法は、被検体の少なくとも1つの涙点内に涙管インプラントを挿入することと、涙管インプラントに含まれる検出デバイスを検出することと、検出デバイスを介して涙管インプラントの少なくとも1つの属性を識別することとを含む。
41.態様40による方法であって、検出デバイスを検出することは涙管インプラント内に含まれるRFIDチップと通信することを適宜含み、属性を識別することはRFIDチップと別の検出器デバイスとの間で属性情報を伝達することを含む、方法。
42.態様40および41による方法であって、検出デバイスを検出することは涙管インプラント内の色を検出することを適宜含み、属性を識別することは色を使用して属性を識別することを含む、方法。
43.態様40〜42による方法であって、涙管インプラント内の色を検出することは涙管インプラント内に含まれるルミネッセンス材料によって反射された色を検出することを適宜含む、方法。
44.態様40〜43による方法であって、涙管インプラント内の色を検出することは涙管インプラント内に含まれる量子ドットによって反射された色を検出することを適宜含む、方法。
45.態様40〜45による方法であって、検出デバイスを検出することは紫外線源で見える涙管インプラント内の材料を検出することを適宜含み、属性を識別することは材料が紫外線源による照射を受けたときに属性を識別することを含む、方法。
46.態様40〜45による方法であって、検出デバイスを検出することは涙管インプラントによって溶出可能な材料を検出することを適宜含み、涙管インプラントの属性を識別することは溶出可能な材料から属性を識別することを適宜含む、方法。
47.態様40〜46による方法であって、この方法で使用される涙管インプラントは徐放性眼用薬剤を適宜含み、涙管インプラントの属性は眼用薬剤の種類、眼用薬剤の用量、および眼用薬剤の放出が完了したときの指示情報のうちの少なくとも1つを含む、方法。
48.態様40〜47による方法であって、属性を識別することは涙管インプラント・メーカー、涙管インプラント・メーカーのロット番号、涙管インプラントが埋設されたときの日付、インプラントの有効期限、涙管インプラントが埋設された場所の指示情報、医師を識別するための指示情報、および患者を識別するための指示情報のうちの少なくとも1つを識別することを適宜含む、方法。
49.装置は、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備える。涙管インプラントは、検出デバイスを備えるインプラント本体を含む。検出デバイスは、外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料、別の超音波検出器デバイスによる涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成されている超音波反射材料、および涙管インプラント検出器デバイスと通信するように構成されている、インプラント本体に含まれるRFIDのうちの少なくとも1つを備える。
50.態様49による装置であって、実施形態49の検出デバイスは強磁性材料を適宜含み、強磁性材料は、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉のうちの少なくとも1つを含む、装置。
51.態様49および50による装置であって、検出デバイスは超音波反射材料を適宜含む、装置。超音波反射材料は、インプラント本体の生体適合性材料内に配置され、超音波反射材料は、超音波エネルギーを涙管インプラントに印加した後にインプラント本体に形状を変えさせるように構成される。
52.態様49〜51による装置であって、超音波反射材料は圧電材料を適宜含む、装置。
53.態様49〜52による装置であって、眼内に持続放出するための薬剤はインプラント本体内に適宜配置される、装置。
54.眼疾患を治療する方法は、被検体の少なくとも1つの涙点内に涙管インプラントを挿入することと、検出デバイスを別の検出器デバイスで検出することによって涙管インプラントを検出することとを含む。涙管インプラントは、検出デバイスを有するインプラント本体とインプラント・コア内に配置された薬剤の供給源とを備える。コア内の供給源は、薬剤の持続放出を行う。検出デバイスは、外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料、別の超音波検出器デバイスによる涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成されている超音波反射材料、および涙管インプラント検出器デバイスと通信するインプラント本体に含まれるRFIDのうちの少なくとも1つを備える。
55.態様54による方法であって、薬剤は緑内障疾患を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
56.態様55および56による方法であって、薬剤は高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
57.検出システムは、入射光を涙管インプラントに送るための発光源と、涙管インプラントのルミネッセンス材料から反射された指定波長帯の光を通すように構成されている光学フィルターと、この光学フィルターに通された光を受け取り、涙管インプラントの近接を示す十分な光を受け取ったときに反応電気信号を発生するように構成されている光検出デバイスと、光検出デバイスに通信可能なように結合され、電気信号を受け取った後にプラグ検出のユーザ指示情報を出すためのインジケータとを備える。
58.態様57によるシステムであって、発光源は第1の波長帯を有する入射光を適宜供給し、ルミネッセンス材料は第2の波長帯の入射光を反射する、システム。
59.態様57および58によるシステムであって、発光源は青色スペクトルの入射光を適宜供給し、ルミネッセンス材料は緑色スペクトルの入射光を反射する、システム。
60.態様57〜59によるシステムであって、発光源は赤外線スペクトルの第1の波長帯の入射光を適宜供給し、ルミネッセンス材料は赤外線スペクトルの異なる第2の波長帯の入射光を反射する、システム。
61.態様57〜60によるシステムであって、インジケータはプラグ検出の可視指示情報を適宜出す、システム。
62.態様57〜61によるシステムであって、インジケータはプラグ検出の可聴指示情報を適宜出す、システム。
63.検出システムは、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントと涙管インプラント検出器デバイスとを備える。涙管インプラントは生体適合性材料のインプラント本体を含む。インプラント本体は、外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料を含む。涙管インプラント検出器デバイスは、磁場検出器回路、および磁場検出器回路に通信可能なように結合され、涙管インプラントの磁場を検出した後に指示情報を出すように構成されているインジケータ・デバイスを備える。
64.態様63によるシステムであって、磁場検出回路はホール効果センサを適宜備える、システム。
65.態様63および64によるシステムであって、磁場検出回路は磁場検出回路に通信可能なように結合されている、ホール効果センサの出力の電圧が第1の閾値を超えたときにインジケータ・デバイスに電気信号を供給する比較回路を適宜備える、システム。
66.態様63〜65によるシステムであって、比較回路はホール効果センサの出力の電圧が第1の閾値を超えても第2の閾値より小さいときにインジケータ・デバイスに電気信号を適宜供給する、システム。
67.態様63〜66によるシステムであって、インジケータ・デバイスは可聴指示情報を適宜出す、システム。
68.態様63〜67によるシステムであって、実施形態63〜67のインジケータ・デバイスは可視指示情報を適宜出す、システム。
69.態様63〜68によるシステムであって、涙管インプラント検出器デバイスは近位端部と遠位端部を備える細長いハウジングを適宜備え、磁場検出回路は近位端部に、または近位端部の近くに配列されている磁場センサを備える、システム。
70.態様69によるシステムであって、インジケータ・デバイスは可視指示情報を適宜出し、磁場センサから遠位の地点にある、システム。
71.態様63〜70によるシステムであって、涙管インプラント検出デバイスは被検体の目にフィットする形状のハウジングを適宜備える、システム。
72.方法は、生体適合性材料の涙管インプラントを形成することと、涙管インプラント内に強磁性材料を備えることと、磁場に晒されなくなったときに涙管インプラントが強磁性を示すように磁場に涙管インプラントを晒すこととを含む。
73.態様72による方法であって、涙管インプラントを形成することは生体適合性材料のインプラント本体を形成することを適宜含み、涙管インプラント内に強磁性材料を備えることはインプラント本体の生体適合性材料内に強磁性材料を配置することを含む、方法。
74.態様72および73による方法であって、涙管インプラントを形成することは涙管インプラントの本体内にキャビティを形成することと、目に持続放出するのに十分な量だけ薬剤を供給できるサイズおよび形状のインプラント・コアをキャビティ内に備えることとを含み、涙管インプラント内に強磁性材料を備えることは涙管インプラントのインプラント・コア内に強磁性材料を備えることを含む、方法。
75.態様72〜74による方法であって、薬剤を収納するためのシースを備えるインプラント・コアを形成することを適宜含み、インプラント・コア内に強磁性材料を備えることはシース内に強磁性材料を配置することを含む、方法。
76.態様72〜75による方法であって、涙管インプラント内に強磁性材料を備えることは涙管インプラント内にマグネタイトを備えることを適宜含む、方法。
77.眼疾患を治療する方法は、被検体の少なくとも1つの涙点内に涙管インプラントを挿入することと、涙管インプラント検出器デバイスで涙管インプラントの強磁性を検出することとを含む。涙管インプラントは、生体適合性材料のインプラント本体とインプラント・コア内に配置された薬剤の供給源とを備える。供給源は、薬剤の持続放出を行う。インプラント本体は、外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料と、インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在するインプラント本体内のキャビティと、目に持続放出するのに十分な量だけ薬剤を供給できるサイズおよび形状の、キャビティ内のインプラント・コアとを備える。
78.態様77による方法であって、薬剤は緑内障疾患を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
79.態様77および78による方法であって、薬剤は高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
80.検出システムは、涙点内に挿入可能な涙管インプラントと涙管インプラント検出器デバイスとを備える。涙管インプラントは、生体適合性材料のインプラント本体とインプラント本体内の導電性材料とを備える。涙管インプラント検出器デバイスは、特性インピーダンスを有する感知回路と、感知回路への涙管インプラントの近接により生じる特性インピーダンスの変化を検出するように構成されている検出器回路と、検出器回路に通信可能なように結合され、特性インピーダンスの変化の検出後に指示情報を出すインジケータ・デバイスとを備える。
81.態様80によるシステムであって、実施形態80の導電性材料はインプラント本体の生体適合性材料内に配置されている導電性粒子を適宜含む、システム。
82.態様80および81によるシステムであって、実施形態80および81の涙管インプラントは徐放性眼用薬剤を入れたインプラント・コアを適宜備える。インプラント本体は、インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える。このキャビティはインプラント・コアを収容できるサイズおよび形状を有し、導電性材料がインプラント・コア内に配置される。
83.態様80〜82によるシステムであって、インプラント・コアは薬剤を収納するシースを適宜備え、導電性材料はシース内に配置される、システム。
84.態様80〜83によるシステムであって、導電性材料は鋼鉄、銀、金、およびアルミニウムのうちの少なくとも1つを適宜含む、システム。
85.態様80〜84によるシステムであって、感知回路は特性インピーダンスに基づく固有応答周波数を有し、検出器回路は固有応答周波数のシフトから特性インピーダンスの変化を検出する、システム。
86.態様80〜85によるシステムであって、特性インピーダンスは特性インダクタンスを適宜含み、検出器回路は感知回路への涙管インプラントの近接により生じる特性インダクタンスの変化を検出するように構成されている、システム。
87.態様80〜86によるシステムであって、特性インピーダンスは特性キャパシタンスを適宜含み、検出器回路は感知回路への涙管インプラントの近接により生じる特性キャパシタンスの変化を検出するように構成されている、システム。
88.態様80〜87によるシステムであって、眼内に持続放出するための薬剤はインプラント本体内に適宜配置される、システム。
89.方法は、涙管インプラントを備えることと、涙管インプラントの近接により生じる感知回路の特性インピーダンスの変化を検出することによって、涙管インプラントと接触することなく、涙管インプラントを検出することと、涙管インプラントがユーザまたは自動化プロセスに検出されたかどうかに関する情報を供給することとを含む。
90.態様89による方法であって、特性インピーダンスの変化を検出することは感知回路の固有応答周波数のシフトを検出することを適宜含む、方法。
91.態様89および90による方法であって、涙管インプラントを備えることは生体適合性材料と生体適合性材料内に配置された導電性材料とを入れた涙管インプラントを備えることを適宜含む、方法。
92.態様89〜91による方法であって、涙管インプラントを備えることは、インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在する、涙管インプラントの本体内のキャビティと、薬剤の持続放出を行えるサイズを有し、薬剤の持続放出を行うように構成された、キャビティ内のインプラント・コアと、導電性材料を含むインプラント・コアとを備える涙管インプラントを備えることを適宜含む、方法。
93.態様89〜92による方法であって、インプラント・コアに、薬剤を収納するためのシースを備えることと、導電性材料をシースに入れることとを適宜含む、方法。
94.眼疾患を治療する方法は、涙管インプラントを被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入することと、感知回路への涙管インプラントの近接により生じる感知回路の特性インピーダンスの変化を検出することによって涙管インプラントを検出することとを含む。涙管インプラントは、インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える、生体適合性材料のインプラント本体と、眼内への薬剤の持続放出を行えるサイズを有し、眼内への薬剤の持続放出を行うように構成された、インプラント本体のキャビティ内に担持されるインプラント・コアと、薬剤の持続放出を行うように構成されている、インプラント・コア内に配置された薬剤の供給源と、インプラント本体内の導電性材料とを備える。
95.態様94による方法であって、薬剤は緑内障疾患を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
96.態様94および95による方法であって、薬剤は高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
97.検出システムは、画像センサと画像分析器回路とを備える。画像分析器回路は、画像コントラスト閾値によって画像の他の領域内の画像コントラストを超える画像コントラストを有する画像部分の配置を検出し、その画像内に涙管インプラントの一部の画像が含まれるかどうかの指示情報を出す。
98.態様97によるシステムであって、画像センサはカメラに備えられているデジタル画像センサを適宜含む、システム。
99.態様97および98によるシステムであって、検出システムは赤外線発光体を備え、画像センサは、赤外線画像センサを備える、システム。
100.眼疾患を治療する方法は、涙管インプラントを被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入することと、被検体の涙点領域の画像を得ることと、画像の他の領域内の画像コントラストを超える画像コントラストを有する画像部分の配置を検出することによって涙管インプラントを検出することとを含む。涙管インプラントは、インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える、生体適合性材料のインプラント本体と、インプラント本体キャビティがインプラント・コアを収容できるサイズおよび形状を有している、目の一領域から涙管インプラントを光学的に弁別するための光学的コントラスト材料を備える、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成されたインプラント・コアと、薬剤の持続放出を行う、インプラント・コア内に配置された薬剤の供給源とを備える。
101.態様100による方法であって、薬剤は緑内障疾患を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
102.態様100および101による方法であって、薬剤は高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を治療するための薬剤を適宜含む、方法。
【0008】
この節は、本特許出願の発明対象の概要を述べることを意図している。本発明の排他的または網羅的な説明を行うことは意図されていない。「発明を実施するための形態」は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】本発明のいくつかの実施形態による、様々なインプラントとともに使用するのに適している目の解剖学的組織構造を示す図である
【図1B】本発明のいくつかの実施形態による、様々なインプラントとともに使用するのに適している目の解剖学的組織構造を示す図である。
【図2A】本発明の一実施形態による、検出剤および目を治療するための治療薬を入れたコアを有するインプラントの断面図である。
【図2B】図2Aのインプラントの側断面図である。
【図3A】目の中に使用するための涙点プラグの形状のインプラントの概略を示す図である。
【図3B】図3Aのインプラントの側断面図である。
【図4】涙点プラグおよび涙点プラグの中にある検出デバイスを有するインプラントの側断面図である。
【図5】涙点プラグおよび涙点プラグの中にある検出剤を有するインプラントの側断面図である。
【図6】デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法の一実施形態を示す流れ図である。
【図7A】本発明のいくつかの実施形態による、シリコーン本体、コア、および保持構造を備えるインプラントを示す図である。
【図7B】本発明のいくつかの実施形態による、シリコーン本体、コア、および保持構造を備えるインプラントを示す図である。
【図8A】検出デバイスが中に入っている涙点プラグを取り囲む目を治療するためのインプラントの異なる実施形態を示す図である。
【図8B】検出デバイスが中に入っている涙点プラグを取り囲む目を治療するためのインプラントの異なる実施形態を示す図である。
【図9】デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法の他の実施形態を示す流れ図である。
【図10】目に施されたときの検出デバイスを収納したインプラントを示す図である。
【図11A】強磁性粒子内で磁区を整列させることを説明する図である。
【図11B】強磁性粒子内で磁区を整列させることを説明する図である。
【図12】磁化に晒されたときの強磁性材料の挙動を説明するために使用されるB−H曲線の図である。
【図13】インプラント検出器デバイスのブロック図である。
【図14】増幅後にホール効果センサから出力される信号の一実施形態を表す図である。
【図15】インプラント検出器デバイスのハウジングの一実施形態を示す図である。
【図16】インプラント検出器デバイスのハウジングの他の実施形態を示す図である。
【図17】デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法の他の実施形態を示す流れ図である。
【図18】インプラントを検出するためのデバイスの他の実施形態のブロック図である。
【図19】検出器デバイスでインプラントを検出する方法の流れ図である。
【図20】涙管インプラントの他の実施形態を示す図である。
【図21】涙管インプラント・コアのシースを示す図である。
【図22】デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法の他の実施形態を示す流れ図である。
【図23】インプラント検出器デバイスの他の実施形態のブロック図である。
【図24】涙管インプラントを検出する方法の他の実施形態を示す流れ図である。
【図25】涙管インプラントの他の実施形態を示す図である。
【図26】インプラント検出器デバイスの他の実施形態のブロック図である。
【図27】検出可能インプラントを製作する方法の他の実施形態を示す流れ図である。
【図28】電波による個体識別(「RFID」)または他の検出構造物を使用してインプラント・データの相関関係を求め、インプラント使用を追跡するためのインプラント・システムの概略を示す図である。
【図28A】電波による個体識別(「RFID」)または他の検出構造物を使用してインプラント・データの相関関係を求め、インプラント使用を追跡するためのインプラント・システムの概略を示す図である。
【図29】本発明のいくつかの実施形態による、フルオレセインの溶出およびフルオレセイン溶出に対する界面活性剤の効果を示す図である。
【図30】本発明の一実施形態による、治療薬および検出デバイスを入れたコアを有するインプラントの断面図である。
【図31】身体状態を治療するための、検出デバイスを有する治療用インプラントの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1Aおよび1Bは、本発明の一実施形態による、インプラントで治療するのに適している目2の解剖学的組織構造を示す。目2は、角膜4および虹彩6を備える。強膜8は、角膜4および虹彩6を囲み、白く見える。結膜層9は、実質的に透明であり、強膜8上に配置される。水晶体5は、この目の中に配置されている。網膜7は、目2の後ろの近くに配置され、一般的には、光を感じる。網膜7は、高い視力および色覚をもたらす中心窩7Fを備える。角膜4および水晶体5は、光を屈折させて中心窩7Fおよび網膜7上に像を結ぶ。角膜4および水晶体5の屈折力は、中心窩7Fおよび網膜7上に像を結ぶことに寄与する。角膜4、水晶体5、および中心窩7Fの相対的配置も、像のクオリティにとって重要である。例えば、角膜4から網膜7Fまでの目2の軸長が大きければ、目2は近視であるものとしてよい。また、調節時に水晶体5は角膜4の方へ移動して、目の近くにある物体の近見視力をよくする。
【0011】
図1Aに示されている解剖学的組織構造は、上部涙小管10および下部涙小管12、まとめて涙小管と、鼻涙管または嚢14とを含む涙器系も備える。上部および下部涙小管は、涙点開口部とも称される上部涙点11と下部涙点13とで終端する。涙点開口部は、内眼角17の近くのまつげ部分と涙器部分との接合点15における眼瞼縁の内側端に小隆起して位置する。涙点開口部は、組織の結合リングによって囲まれている円形の、またはわずかに卵形の開口部である。各涙点開口部11、13は、各涙小管の垂直部分10a、12a内に至り、その後、水平方向に回転して涙嚢14の入口部で他方の涙小管と接合する。涙小管は、チューブ状であり、涙小管を拡張させることができる弾性組織で囲まれた層状扁平上皮で裏打ちされている。
【0012】
本明細書で説明されている実施形態では、インプラントは、検出デバイス、または検出可能デバイスを有するか、もしくは含むものとして説明されている。検出デバイスは、物理的デバイス、信号伝送表面または材料、インプラントに付加されたコンポーネント、検出剤であるか、または特定の検出可能な特性を付与する、製造時にインプラントに加えられる物質または化学薬品とすることができる。例えば、検出デバイスは、インプラントの表面から溶出する検出剤とすることができる。他の実施例では、検出デバイスは、検出信号伝送表面または材料を備えることができる。いくつかの実施形態では、伝送表面または材料は、光を反射できる鏡面仕上げ部分を含むこともできる。いくつかの実施形態では、インプラントの形状は検出を補助するものとしてよく、例えば、インプラントは、キャビティの形状を変えることができ、超音波を使用して形状変化を調べ、インプラントの配置を決定することができる。
【0013】
検出デバイスは、インプラントの存在の検出だけに限られるわけでなく、検出デバイスはインプラントの特性、特徴、または属性の検出もしくは識別を行うことができる識別デバイスとすることもできることは理解されるであろう。インプラントの識別は、インプラントの種類、または治療薬を伴っている場合には、治療薬の種類などに関する情報も含みうる。いくつかの実施形態では、インプラントは、検出および/または識別読み出し装置によって読み出し可能および/または書き込み可能な情報を書き込むことができるメモリ・デバイスまたはチップを備えることができる。情報は、インプラントを挿入するために使用される工具のデータ書き込み構造体を適宜使用して、インプラント製造時に、または埋設時に、書き込むことができる。このような情報としては、インプラント・メーカー、インプラント・メーカーのロット番号、インプラント中の薬物もしくは眼用薬剤の種類または薬物量もしくは用量、有効期限、インプラントの日付、薬物の放出が完了した時間の指示情報、埋設を行う医者、インプラントが埋設された場所の指示情報、患者の名前または患者を識別するための他の指示情報、あるいはインプラントの検出または識別に役立つ他の情報が挙げられる。例示的なシステムは、少なくともインプラント・ロット番号、インプラントに含まれる1つまたは複数の活性薬物の識別、およびインプラントの1つまたは複数の薬物量合計の決定を容易にする。インプラントは、識別用の材料を溶出する生体侵食性表面も備えるか、または色を変え、および/または色を失うことでインプラントに関する情報を提供することができる。他の実施形態では、伝送表面または材料は、取り除くか、または変更すべき場合などに、インプラントに関する情報を提供するため、ポップアップ部分を有するなど、形状を変えることもできる。
【0014】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、検出デバイスを有する、目を治療するためのインプラント200の上断面図である。インプラント200は、検出剤が中に入っている近位端部212および遠位端部214を有するコア210を備える。示されている実施形態では、コア210に、1つまたは複数の治療薬も入る。コア210は、検出剤の第1の包含物260および治療薬の第2の包含物265を収納するマトリクス270を備える。第1の包含物260および第2の包含物265は、薬剤の濃縮形態、例えば、薬剤の液体もしくは固体の形態を含み、薬剤は、時間の経過とともにコア210のマトリクス270内に溶解しうる。マトリクス270は、シリコーン・マトリクスまたは同様の物質を含み、マトリクス270内の検出剤と治療薬の混合物は、不均一であってもよい。多くの実施形態において、不均一混合物は、検出剤および治療薬で飽和したシリコーン・マトリクス部分および検出剤および治療薬の包含物を含む包含物部分を含み、不均一混合物は多相不均一混合物を含む。いくつかの実施形態では、マトリクス270は、包含物260、265をカプセル化し、包含物260、265は、約1μmから約100μmまでの範囲の寸法を有するナノ粒子を含むことができる。カプセル化された包含物は、検出剤および治療薬がコアから放出されている間、マトリクス270が検出剤および治療薬で実質的に飽和するように微粒子をカプセル化する周囲の固体マトリクス、例えば、シリコーン内に溶解する。
【0015】
コア210は、外径および遠位端部214上でシース本体220のチャネル内にはまる。シース本体220は、検出剤および治療薬に対し実質的に不浸透性であり、したがって、検出剤および治療薬は、シース本体220で覆われていないコア210の近位端部212上の露出表面から放出される。
【0016】
インプラント200は、埋設のため他の要素または構造物とともに組み込むことができる(インプラントが涙点プラグと組み合わされる図5を参照のこと)。図2Aに示されている実施形態では、上述のように、保持要素230をコア210とシース本体220に接続して、インプラント200を中空組織構造、例えば、涙小管の涙点内に保持することができる。
【0017】
閉塞要素240は、保持要素230上に、また保持要素230の周りに配置することができる。閉塞要素240は、涙液流に対し不浸透性であり、中空組織構造物を閉塞し、またより良性の組織係合表面を設けることによって保持要素230から組織構造物の組織を保護するためにも使用されうる。シース本体220は、シース本体220およびコア210を保持するために保持要素230に接続するシース本体部分250を備える。シース本体部分250は、シース本体220およびコア210の移動を制限するストッパーを備えることができる。シース本体部分250は、挿入しやすくする形状250Bを有することもできる。
【0018】
図2Bは、図2Aのインプラント200の側断面図である。インプラント200は、円筒状であり、コア210が中心に置かれている円形断面で示されている。シース本体220は、コア210上に配置されている円環部分を備える。図に示されている実施形態では、保持要素230は、保持要素の端部の近くで一緒に接続されている複数の長手方向ストラットを備える。長手方向ストラットが図に示されているけれども、円周ストラットも使用できる。閉塞要素240は、保持要素230の長手方向ストラットによって支持され、保持要素230の長手方向ストラット上に配置され、半径方向に膨張可能な膜または同様のものを備えることができる。これらのストラットは、インプラント用の検出デバイスとして使用することもできる。
【0019】
保持要素230は、インプラントを所望の組織位置、例えば、涙点もしくは涙小管において容易に位置決めできるようなサイズおよび形状を有する適切な材料を備える。保持要素は、機械的に配置可能であり、所望の断面形状に合わせて典型的には膨張し、例えば、保持要素はNitinol(商標)などの超弾性形状記憶合金を含む。Nitinol(商標)に加えて、他の材料、例えば、弾性金属もしくはポリマー、可塑的変形可能金属もしくはポリマー、形状記憶ポリマー、および所望の膨張を示す同様の物質、例えばバネ・ステンレス鋼、Eligloy(登録商標)、タンタル、チタン、コバルト・クロムを使用できる。保持要素は、所望の治療時間および患者が医師のフォローアップを必要とするかどうかに応じて生体分解性または非生体分解性とすることができる。この膨張能力のおかげで、インプラントは様々なサイズの中空組織構造物、例えば、0.3mmから1.2mmまでの範囲の涙小管内に嵌合することができる(つまり、1サイズですべてにフィットする)。単一の保持要素を0.3から1.2mmにわたる涙小管に嵌合させることができるけれども、複数の代替え選択可能な保持要素を使用して、必要に応じてこの範囲に合わせることができ、例えば、0.3から0.9mmまでの範囲の涙小管には第1の保持要素を、0.9から1.2mmまでの範囲の涙小管には第2の保持要素を使用できる。保持要素は、保持要素がつながる解剖学的構造に適した長さ、例えば、涙小管の涙点の近くに位置する保持要素に対して約3mm以下の長さを有する。
【0020】
シース本体220およびコア210は上述のように保持要素230の一方の端部に取り付けられているけれども、多くの実施形態では、保持要素の他方の端部はコアおよびシース本体に取り付けられておらず、保持要素は、保持要素が膨張しているときに、シース本体およびコア上をスライドすることができる。一方の端部でスライドできることが望ましいのは、保持要素が所望の断面幅を取るように幅方向に膨張するときに保持要素が典型的には長さ方向に縮むからである。それに加えて、デバイスのコアは、適所に残っているシース本体と交換可能であるものとしてよい。その代わりに、シース本体は、保持要素内で交換可能であるものとしてよく、これにより、コアを交換して補給用治療薬をデバイスに補充することができる。
【0021】
閉塞要素240は、インプラントが中空組織構造物を通る流体、例えば、涙小管内を通る涙液の流れを少なくとも部分的に阻害し、さらにはブロックするようなサイズおよび形状を有する適切な材料を備える。図に示されている閉塞材料は、膨張し、保持要素と接触することができる生体適合性材料、例えば、シリコーンの薄壁膜である。閉塞要素は、上述のように、保持要素の端部上でスライドし、保持要素の一方の端部に固着される材料でできている独立した細いチューブとして形成される。その代わりに、閉塞要素は、生体適合性ポリマー、例えば、シリコーン・ポリマーに保持要素を浸漬被覆することによって形成されうる。閉塞要素の厚さは、約0.03mmから約0.15mmまでの範囲内とすることができ、約0.05mmから0.1mmまでの範囲内であることが多い。
【0022】
検出剤とともに治療薬を使用する上記の実施形態が説明されたが、インプラント200は、治療薬なしで使用されるか、または2つまたはそれ以上の検出剤を併用できると考えられる。
【0023】
上で開示されているインプラント・コアは、検出剤と治療薬、および検出剤と治療薬の持続放出を行うための材料を含む。検出剤と治療薬は、コアからターゲットの組織、例えば、目の組織に移動する。いくつかの実施形態では、治療薬は、目の組織を貫通できる疎水性化合物、例えば、ラタノプロストを含み、また検出剤は、眼組織の限られた貫通で検出するためにコアから目の前面に溶出できる水溶性化合物、例えば、フルオレセインを含むことができる。検出剤および治療薬は、マトリクス中に溶解されたときに検出剤および治療薬の放出の持続時間に対し放出速度が「ゼロ・オーダー」のままであるように適宜マトリクス中にごくわずかに溶解可能であり、コアの露出表面からの放出に利用できるものとしてよい。検出剤および治療薬がコアの露出表面から涙または涙液膜に拡散するときに、コアから涙または涙液膜への移動速度は、マトリクス中に溶解されている検出剤および治療薬の濃度に関係する。いくつかの実施形態では、コア中に溶解されている検出剤および治療薬の濃度は、検出剤および治療薬の放出の速度が所望の速度となるように制御されうる。いくつかの実施形態では、検出剤の放出の所望の速度は、治療薬の放出の所望の速度と同じであるものとしてよい。いくつかの実施形態では、検出剤の放出の所望の速度は、治療薬の放出の所望の速度と異なるものとしてよい。コアに含まれる検出剤および治療薬は、液体、固体、固体ゲル、結晶質固体、非晶質固体、固体粒子、および/または検出剤および治療薬の溶解形態を含みうる。いくつかの実施形態では、コアは、検出剤および治療薬を収納するシリコーン・マトリクスを含む。
【0024】
コアは、検出剤および治療薬の持続放出を行うことができる生体適合性材料から作ることができる。コアは、溶解する薬剤の粒子が中に配置されている実質的に非生体分解性のシリコーン・マトリクスを伴うマトリクスを含む実施形態に関して説明されているけれども、コアは、検出剤および治療薬、例えば生体分解性マトリクス、多孔質コア、液体コア、および固体コアを持続放出する構造物を備えることができる。これらの構造物は、構造物を目の中に挿入してから約1カ月から12カ月までの期間にわたって検出剤および治療薬を治療量だけ放出するように適合されうる。いくつかの実施形態では、検出薬および治療薬の放出速度は、同じか、または同様の速度とすることができる。他の実施形態では、検出剤および治療薬の放出速度は異なっていてもよく、治療薬は検出剤より高速または低速で放出される。いくつかの実施形態では、検出剤は、治療薬が終了しときにのみ放出される。
【0025】
いくつかの実施形態では、検出剤および治療薬は別々のコアを有することができ、第1のコアは治療薬を使い切るまで放出することができ、次いで第2のコアは検出剤を放出して患者にインプラントの交換が必要であることを知らせる。特定の実施形態では、第2のコアは、色素上の生体侵食性材料を含むことができ、第1のコアの交換が必要になったときに生体侵食性材料が腐食して色素を露出し放出する。放出された色素は、埋設後所望の間隔で患者から見えるようになる。特定の一実施形態では、患者は、例えば色素上の生体侵食性材料の意図された侵食時間によって決定されるインプラントが留置されてから約3カ月後に、青色の目で目覚め、コアの交換が必要であることを知り、自分の治療担当医師に連絡することができる。
【0026】
図3Aおよび3Bは、涙点プラグ300に付随する検出デバイスを備えるインプラントとともに使用するための涙点プラグ300の形状の涙管挿入物の一実施形態の概略を示している。検出デバイスは、プラグ300の属性を識別するために使用されるデバイスを備える。いくつかの実施形態では、属性は、プラグのサイズ、形状、または組成などの、プラグの物理的特性を含みうる。他の実施形態では、属性は、埋設されたときの種類またはスタイルなどのプラグに関係する情報、シリアル番号を追跡する情報、またはプラグに関連する他の情報を含むことができる。
【0027】
涙点プラグのいくつかの実施形態では、プラグを弁別するために異なる色を使用する。涙点プラグは、色材で形成されるか、または涙点プラグに施されるカラー・コーティングなどの色を加えることができる。他の実施形態では、着色コアをプラグのチャネル内に挿入することができ、着色コアは涙点プラグと異なる色を有するか、または着色コアは涙点プラグ300の物理的特性、特徴、または属性を識別する異なる色を有する。後述のように、涙点プラグが薬物送達インプラントに使用されるときに、涙点プラグに付随する異なる治療薬を識別するために、涙点プラグおよび/またはコアの異なる色も使用できる。これらの色は、治療薬の異なる化合物、用量、または放出速度も識別できる。特定の実施形態において、赤色プラグは緑内障治療に対応し、緑色プラグは抗生物質治療に対応し、青色プラグはアレルギー治療に対応する。所望の色を出すために多くの色素が使用されうるけれども、いくつかの実施形態では、量子ドットによるスペクトル符号化を使用することができ、これにより、単一励起波長を使用して多くの発光波長をシミュレートすることができ、例えば赤色、オレンジ色、黄色、および緑色の発光をシミュレートするために使用される青色光を使用できる。いくつかの実施態様では、検出デバイスは溶出可能材料である。涙点プラグの属性は、材料が目の中に溶出したときに識別される。
【0028】
いくつかの実施形態では、検出デバイスは、バンドまたはリングなどの涙点プラグに取り付けられている金属片、または涙点プラグの中に入っている金属またはカーボン粉を備えることができる。また、検出デバイスは、涙点プラグのチャネル内に挿入されるか、または涙点プラグ内に形成されうる。
【0029】
涙点プラグ300は、涙点11、13の外側に配置されている近位端部のところのカラーレット310(図1Aを参照)、テーパー付き部分325が涙小管10、12内にブロックする形で突き出る遠位端部のところの先端部335で終端するバルブ320(図1Aを参照)、およびカラーレット310およびバルブ320を接続する本体部分330を備える。涙点プラグ300は、長さが約2.0mmである。バルブ320は、涙点プラグ300が涙小管10、12から簡単に外れないように設計されており、涙点11、13内に簡単に挿入できるようにテーパーを付けることができる。カラーレット310は、涙点プラグ300が涙小管10、12内に完全に入ることのない直径を有するように設計され、好ましくは目2の炎症を最小限度に抑えるため滑らかである。涙点プラグ300のプラグ本体部分330は、カラーレット310とバルブ320部分との間の本質的に非機能性の接続である。カラーレット310は、検出デバイスが中に留置される本体部分330内に延在するキャビティ340またはチャネルを備える。キャビティ340のサイズおよび形状は、デバイスを適所に保持するように選択される。他の実施形態では、デバイスは、涙点プラグ内の典型的にキャビティ内に嵌合するサイズを有する。いくつかの実施態様では、検出デバイスは本体内に成形される。例示的な検出デバイスは、電波による個体識別(RFID)デバイス、磁性体もしくは強磁性体デバイス、超音波デバイス、紫外線デバイス、赤外線デバイス、検出剤、ルミネッセンス材料、導電性材料、および識別剤を備える。いくつかの実施態様では、検出デバイスは、可視である。いくつかの実施形態では、検出デバイスは、別の検出器デバイスで検出されうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、涙点プラグ300の先端部335は閉じており、他の実施形態では、遠位端部の先端部335の開口部から、キャビティ340にアクセスすることができ、これにより、涙点プラグ300を通って流体が流れることができる(例えば、図7Bを参照)。本体310は、成形されるか、または生体適合性のある、シリコーンなどの柔軟な材料から形成されうる。選択された材料は、キャビティ340内に留置される検出剤に対し浸透性または不浸透性であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、キャビティ340を囲むためにカラーレット310の上にオプションのヘッド構造物315(図5を参照)が設けられる。いくつかの実施態様では、ヘッド構造物315は、本体と同じ材料で作られる。いくつかの実施形態では、ヘッド構造物は、キャビティ340内に留置されうる検出剤に対し浸透性を有する生体適合性材料、好ましくは柔らかく柔軟な材料で作られる。いくつかの実施形態では、涙点プラグ300が適所に置かれたときに、薬剤と涙とが混合し、検出剤をキャビティ340からヘッド構造物を通して薬剤の検出を可能にする涙湖の涙液内に配置されうる。
【0032】
図4は、涙点プラグ300を有する涙管インプラント400の一実施形態の概略を示している。涙点プラグ300は、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能である。涙点プラグは、プラグ・コアを収容できるサイズおよび形状を有するキャビティ340を有するプラグ本体を備える。いくつかの実施形態では、プラグ・コアは、検出デバイス410を備える。いくつかの実施形態では、プラグ・コアには、検出デバイス410と徐放性治療薬の療法が入る。図に示されている実施形態では、検出デバイス410は、涙点プラグ300のキャビティ340内に配置される。デバイス410は、涙点開口部内に位置したときに別の検出器デバイスによってインプラント400の自動検出および/または識別を補助する任意のデバイスとすることができる。いくつかの実施形態では、検出デバイス410は、検出信号伝送表面または材料とすることができ、伝送表面または材料が涙点内で遮られたときに伝送表面または材料から出る信号によって埋設可能な本体を検出することができる。いくつかの実施形態では、検出デバイス410は、インプラントの複数の代替え属性のうちからインプラントの属性を識別する。一実施形態では、伝送表面または材料は、RFID検出器で検出することができるRFIDチップの無線信号伝送表面を備え、信号は無線信号識別信号を含む。他の実施形態では、信号伝送表面または材料は、磁気検出器で検出することができる磁気信号伝送表面または材料あるいは超音波検出器で検出することができる超音波反射材料の超音波検査表面を備える。
【0033】
RFIDは、非常に小さなサイズにできる。例えば、日立は、0.4mm×0.4mmのサイズの「μチップ」を開発済みであり、現在は0.05mm×0.05mm程度の小さいRFIDチップの開発を進めている。図4に示されている実施形態では、RFIDは、涙点プラグのチャネル内に挿入されうる。チャネルのサイズおよび形状は、例えば、接着剤または摩擦嵌めによって、選択されたRFIDチップを適所に保持できるサイズでなければならない。チャネルのサイズおよび形状は、例えば、接着剤または摩擦嵌めによって、選択されたRFIDチップを適所に保持できるサイズでなければならない。他の実施形態では、RFIDは、プラグ製造時に涙点内に組み込むことができ、例えば、RFIDチップをプラグ内に成形することができる(例えば、図7Aを参照)。RFID涙点プラグの存在を判定するために、可聴信号を送信することができるRFID検出システムを使用するか、または例えばRFID涙点が適所にある場合に、光を点滅させてRFID涙点を示すことができる。他の実施形態では、RFIDデバイスは、インプラントの他の特性を伝送することもできる。患者が検出システムを使用している場合、患者は携帯電話またはインターネット接続を介して信号を医師に伝送することができる。
【0034】
強磁性材料は、涙管インプラント内で検出デバイス410としても使用されうる。強磁性材料は、磁気検出システムで検出することができる材料を含む。いくつかの実施形態では、強磁性材料は、検出器デバイスで検出可能な強磁性(例えば、磁場)を保持する。検出器デバイスは、特性が検出されたときに光フラッシュまたは音声を発生することができる。強磁性材料の例として、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉を含む。
【0035】
超音波材料は、涙管インプラント内で検出デバイス410としても使用されうる。超音波材料は、超音波検出システムで検出することができる超音波反射材料を含む。超音波材料は、検出器デバイスに結合された(例えば、結合媒体を使用してプラグ上に留置された)ときに信号(視覚的または聴覚的)をユーザに送るプラグ内に埋め込まれた圧電物質とすることができる。いくつかの実施形態では、超音波材料は、検出器デバイスによる検出のため入射超音波エネルギーを反射することができる。いくつかの実施形態では、超音波反射材料により、超音波エネルギーを涙管インプラントに印加したときにプラグ本体が形状を変える。
【0036】
ルミネッセンス材料を、検出デバイス410として使用することができる。涙点プラグ300のルミネッセンス材(例えば、量子ドット)が光源による刺激を受ける。ルミネッセンス発光は、高い出力/低い波長の形態の光を吸収して、入射光を低い出力/高い波長の形態の光に変換して放射または反射する。涙管インプラント300は、予期される高い波長の形態の光が検出器デバイスによって検出されたときに検出される。
【0037】
導電性材料を、検出デバイス410として使用することができる。いくつかの実施形態では、検出器デバイスは、感知回路を備える。涙管インプラント300を検出するために、検出器は涙点の近くに配置される。検出デバイス410の導電性材料は、感知回路への涙点プラグの近接による感知回路の特性インピーダンスの変化を引き起こす。
【0038】
図5は、検出剤を入れたコアなど、涙点プラグ500および検出デバイス510を有する涙管インプラントの一実施形態の概略を示している。図に示されている実施形態では、検出デバイス510は、涙点プラグ500のチャネル340内に配置される。検出デバイス510は、涙点開口部内に位置したときにインプラント500の検出および/または識別を補助する任意のデバイスまたは材料とすることができる。好適な検出デバイスの実施例としては、紫外線(UV)源で見える材料、赤外線源で見える材料、可視光源で見える材料、または他の光源で見える他の材料などの検出信号伝送表面または材料が挙げられる。一実施形態では、検出信号伝送表面または材料は、インプラントからフルオレセインを溶出するか、または治療薬で共溶出する。他の実施形態では、検出信号伝送表面または材料は、赤外線または紫外線源を使用して視覚化できるマイクロドットまたは量子ドットを含む。
【0039】
図5に示されている涙管インプラント500の実施形態は、さらに、検出剤に対し浸透性を有するオプションのヘッド315を備える。一実施形態では、検出デバイスは、検出剤および治療薬を有するコア510である。インプラント500が適所に置かれると、薬剤がコア510の近位端部212から浸透性を有するヘッド315を通して涙湖の涙液中に配置され、そこで、薬剤が目薬のように、涙と混合し、目に移動して、そこで検出できる。
【0040】
開示されている検出剤および/または治療薬は、「Drug Delivery Methods,Structures,and Compositions for Nasolacrimal Systems」という表題の米国特許出願番号第11/695,537号、「Nasolacrimal Drainage System Implants for Drug Therapy」という表題の米国特許出願番号第11/695,545号、「Drug Delivery Implants for Inhibition of Optical Defects」という表題の米国特許出願番号第60/871,867号、「Nasolacrimal Drainage System with Implants for Drug Delivery」という表題の米国特許出願番号第60/970,709号、「Multiple Drug Delivery Systems and Combinations of Drugs with Punctal Implants」という表題の米国特許出願番号第60/970,820号文献で開示されているような治療薬の送達と組み合わせることもできる。
【0041】
図6は、デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法600の一実施形態を示す流れ図である。ブロック605で、涙点プラグの形状の涙管インプラントを生体適合性材料から形成する。ブロック610で、涙点プラグの本体内にキャビティを形成する。ブロック615で、キャビティ内にプラグ・コアを設ける。いくつかの実施形態では、プラグ・コアは、患者または被検体の眼内への薬剤の持続放出を行えるサイズを有し、患者または被検体の眼内への薬剤の持続放出を行うように構成されている。ブロック620で、プラグ・キャビティおよびプラグ・コアの少なくとも一方に検出デバイスを備える。検出デバイスにより、別の検出器デバイスによる涙点プラグの自動検出が可能になる。
【0042】
デバイス検出可能な涙管インプラントは、眼疾患を治療するための方法で使用されうる。涙点プラグなどの涙管インプラントは、被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入される。涙点プラグ本体は、プラグ本体の端部からプラグ本体内へ内向きに延在するキャビティを備える。プラグ・コアは、プラグ本体内に担持される。プラグ・コアには薬剤の供給源が置かれ、コアは眼内に薬剤を持続放出する。検出デバイスにより、別の検出器デバイスによる涙管インプラントの自動検出が可能になる。別の検出器デバイスで検出デバイスを検出することにより、涙管インプラントが検出される。いくつかの実施形態では、薬剤は、緑内障疾患を治療する。緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも1つとすることができる。
【0043】
次に図7Aおよび7Bを参照すると、本発明の実施形態によるシリコーン本体710、検出デバイス720、および保持構造物730を備える涙管インプラント、例えば、涙点プラグ700が示されている。本体710は、検出デバイス720を収容できるサイズの近位チャネル714を備える。本体710は、遠位チャネル718を備える。遠位チャネル718は、ヒドロゲル・ロッド732を収容できるサイズのものとすることができる。仕切り719は、近位チャネルを遠位チャネルから隔てることができる。フィラメント734を本体710内に埋め込み、ヒドロゲル・ロッド732の周りに巻き付けて、ヒドロゲル・ロッド732を本体710に貼り付けることができる。いくつかの実施形態では、RFID「μチップ」または集積回路は、シリコーン本体710内に配置され、例えば、仕切り719内に成形されうる。いくつかの実施形態では、「μチップ」は、適宜、薬物コアまたはヒドロゲル・ロッドの挿入前にインプラントの製造中にチャネルの1つの中に留置することができる。
【0044】
一実施形態では、検出デバイス720は、コア、例えば上述のコア210を備える。コア挿入物およびコア挿入物の製造の説明は、米国特許出願番号第11/695,537号および第11/695,545号に載っている。コア挿入物が示されているけれども、いくつかの実施形態は、薬物貯蔵容器、半透膜、薬物コーティング、または同様のものを備えることができ、これらは、例えば、Cohanの米国特許第6,196,993号、およびPrescottの米国特許出願番号第10,899,416号、Prescottの米国特許出願番号第10/899,417号、Ashtonの米国特許出願番号第10/762,421号、Ashtonの米国特許出願番号第10/762,439号、Lazarの米国特許出願番号第11/571,147号、およびOdrichの米国特許出願番号第10/825,047号を参照されたい。
【0045】
保持構造物730は、ヒドロゲル・ロッド732、ヒドロゲル・コーティング736、突起部712、および突起部716を備えることができる。ヒドロゲル・ロッド732は、涙点を通して狭いプロファイル形状内の涙小管内腔内に挿入できる。内腔に挿入した後、ヒドロゲル・ロッド732およびヒドロゲル・コーティング736は、幅広のプロファイル形状に水和膨張しうる。突起部712および突起部716は、例えば、ヒドロゲル・コーティングおよびロッドが膨張している間にインプラント700を内腔内に保持できる。
【0046】
図8Aおよび8Bは、本発明の一実施形態による、検出デバイスを組み込んだ涙点プラグを囲む涙管インプラント800および800’を示している。目からの涙液および/または薬剤の排出を防止または低減することが望ましい眼部疾患の治療の際に、上部眼瞼または下部眼瞼の一方または両方の涙点開口部は、インプラントによってブロックされ、これらの2つの各実施形態は図8Aおよび8Bに示されている。最初に図8Aの実施形態を参照すると、インプラント800は、遠位端部の丸められた先端部またはバーブ部分820、先端部よりいくぶん小さい直径の真ん中のネックまたはウエスト部分830、および比較的直径が大きい近位端部の滑らかな円盤状ヘッド部分810を有する。ヘッド部分810は、以下で説明されるように、挿入のため操作されるときに治療用インプラント上に解放可能グリップを形成する挿入器工具の突出先端部を収容するように適合された中心ボア開口部840を備える。プラグ本体内には、検出デバイス850が入っており、これは、上述の検出デバイスのどれでもよい。検出デバイス850により、涙点プラグの検出が可能になり、また涙点プラグの属性が識別される。
【0047】
図8Bは、丸められた先端部またはバーブ部分820’、先端部よりいくぶん小さい直径の真ん中のネックまたはウエスト部分830’、比較的直径が大きい滑らかな円盤状ヘッド部分810’、プラグを貫通する中心ボア840’、および検出デバイス850’を有する第1の説明されている実施形態に一般的に類似している寸法を持つ中空涙管インプラント800’を示しており、これらは上で説明されている検出デバイスのうちのどれかとすることができる。中心ボア840’により、インプラント800’の近位端部から遠位端部への流体流が可能になる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書で説明されているような検出デバイスは、米国特許出願公開第2005/0197614号で説明されているような涙点プラグに組み込まれる。ゲルを使用することで、治療用インプラント800、800’を形成することができ、ゲルは第1の直径から第2の直径へと膨らみうるが、その際に第2の直径は第1の直径より約50%大きい。検出デバイスを組み込むことともに、治療薬を例えば微孔構造内に取り込むためにゲルを使用することができ、その構造物内では、薬剤は均一に分散し、ゲルは患者体内に治療薬をゆっくりと溶出することができる。様々な治療薬が、「Punctum Plugs,Materials,And Devices」という表題の米国仮出願番号第60/550,132号において説明されており、本明細書で説明されているゲルおよびデバイスと組み合わせることができる。
【0049】
図9は、デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法900の他の実施形態を示す流れ図である。ブロック905で、プラグ本体を有する涙点プラグの形状の涙管インプラントを生体適合性材料から形成する。ブロック910で、プラグ本体内に検出デバイスを配置する。検出デバイスにより、涙点プラグの検出が可能になり、また涙点プラグの1つまたは複数の属性が識別される。検出デバイスは、本明細書で説明されている検出のうちのどれでもよい。
【0050】
デバイス検出可能な涙管インプラントは、眼疾患を治療する方法で使用されうる。このような方法では、涙点プラグは、被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入される。涙点プラグ内に含まれる検出デバイスが検出され、検出デバイスを介して涙点プラグの少なくとも1つの属性を識別するためにこのデバイスが使用される。
【0051】
図10は、目に施されているときの検出デバイスを有する涙管インプラントを示している。図に示されている実施形態では、インプラント1000は、目の下部涙点開口部13内に、開口部と連通する涙小管12に沿って挿入されるように設計されている。インプラント1000は、近位端部のところのカラーレット1010、遠位端部のところの張り出し部1020、ネック部分1030、および検出デバイス1040を有する涙点プラグを備える。カラーレット1010は、開口部13に当たって載るように設計されている。検出デバイス1040は、上述のように、インプラントが所望の位置にあるか、および/またはインプラントが治療薬を回避し続けるかどうかを決定することができる。RFIDチップ、磁性材料、超音波材料、マイクロドット、フルオレセインなどの溶出検出剤、および当技術分野で知られている他の物質などの多くの異なる検出デバイスが考えられる。インプラント1000は、要求条件に応じて、流体流をブロックするために使用されうるか、または流体を流せる中空部分(例えば、図8Bを参照)を有することができる。
【0052】
図10は、さらに、涙小管10への涙液の流れをブロックするために、上部涙点開口部11内に挿入されている実質的に円筒状の形状である本明細書で開示されているインプラント200などの、検出デバイスを収納する涙管インプラント1000’が治療薬も有することができることを示している。インプラント1000’は、本明細書で開示されているインプラント800など、中に検出デバイスを有する何らかの不活性生体適合性材料の閉塞プラグとすることもできる。
【0053】
インプラント1000および治療用インプラント1000’は、個別または組合せのいずれかの、所望の組合せで使用できる(図10に示されている)。例えば、インプラント1000’は、下部涙小管内に配置され、インプラント1000は、上部涙小管内に配置されうる。その代わりに、同じインプラント1000または1000’のうちの2つが、両方の涙小管内に位置してもよい。
【0054】
検出デバイスは、異なる多くの方法で検出できる。例えば、いくつかの実施形態では、これらのデバイスは、目1055によって検出されるか、または見ること(1050)ができる。他の実施形態では、これらのデバイスは、埋設されたデバイスに応じて、異なる検出システム1065と通信(1060)することができる。例えば、検出システム1065は、RFIDチップを検出するためのRFID検出システム、磁性材料を検出するための磁気検出器システム、超音波反射材料を検出するための超音波検出器システムを備えることができる。さらに他の実施形態では、検出デバイスは、紫外線源または赤外線源などの、代替え光源1075で検出(1070)されうる材料を含むことができる。
【0055】
検出デバイスを収納する涙管インプラントは、眼疾患を治療するための方法で使用されうる。このような方法では、涙点プラグなどの涙管インプラントは、被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入される。涙点プラグの本体は、本明細書で説明されている検出デバイスのどれかを備える。眼用薬剤の供給源は涙点プラグのコア内に配置される。この供給源は、薬剤の持続放出を行う。涙管インプラントは、別の検出器デバイスで検出デバイスを検出することによって検出される。いくつかの実施形態では、薬剤は、緑内障疾患を治療するように構成される。例えば、緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0056】
磁性材料を検出するために、いくつかの実施形態では、検出デバイスは、涙管インプラントの本体内に配置されている強磁性材料を備える。強磁性材料は、外部印加された磁場が除去された後も強磁性を保持する。いくつかの実施形態では、強磁性材料は、マグネタイト(Fe)を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、強磁性材料は、インプラント本体の生体適合性材料内に配置される。磁区は、強磁性材料に共通の物理的特性である。インプラントの生体適合性材料内に成形されたときに強磁性材料の磁区を整列させることによって、プラグの磁場は誘導磁場に近づく。次いで、涙管インプラントは、磁場センサで検出されうる。
【0058】
図11A、11Bは、強磁性粒子内で磁区を整列させることの説明である。図は、Ulaby、Fawwaz T.、Electromagnetics for Engineers、146(2004)を参照のこと。図11Aは、磁化前の強磁性粒子1105を表している。磁区は、無秩序化される。図11Bは、外部磁場に晒すことで磁化した後の粒子の整列された磁区を表す。この整列は、それぞれの構成要素の磁区の双極子モーメントの間の結合力によるものである。
【0059】
磁化に晒されたときの強磁性材料の挙動も、図12のB−H曲線を使用して説明されうる。外部印加された磁場Hの振幅は、材料内の全磁束密度Bを決定する。非磁化状態は、原点にOで示されている。曲線は、誘導磁場が点Aにおいて磁区を最大飽和HmaxおよびBmaxに磁化することを示している。外部印加された磁場Hがゼロに戻っても、粒子の磁束密度の値はゼロに戻らず、点Aにおけるあるヒステリシス差Brだけオフセットされる。このオフセットは、ときには残留磁束密度と称されることもある。そこで、強磁性材料、したがって涙点プラグは、磁区の多数が整列したままであることにより永久磁石に似たものとなる。
【0060】
図10の涙管インプラントが、涙点プラグであり、涙点プラグ本体内に薬物を備える場合、強磁性粒子および薬物は、プラグ本体内に配置できる。上述のように、インプラントは、インプラントの外面上にシースを備えることができる。シースが多孔質であることにより、薬物はプラグから滲み出るが、強磁性粒子は保持される。
【0061】
図13は、涙管インプラント検出器デバイス1300のブロック図である。検出器デバイス1300は、埋設された涙点プラグまたは他の人工眼を検出する。検出器デバイス1300は、磁場検出器回路1305およびインジケータ・デバイス1310を備える。インジケータ・デバイス1310は、涙管インプラントの磁場を検出した後に指示情報をユーザまたは自動化プロセスに送る。磁場検出器回路1305は、磁場センサ1315を備える。いくつかの実施形態では、磁場センサ1315は、ホール効果センサである。いくつかの実施形態では、磁場検出回路1305は、磁場センサ1315からの電圧出力を増幅する増幅回路1320を備える。
【0062】
いくつかの実施形態では、磁場検出器回路1305は、磁場検出回路に通信可能なように結合された比較回路1325を備える。通信可能なように結合することで、磁場センサ1315は、介在回路(例えば、増幅器回路1320)があったとしても比較回路1325と電気信号をやり取りすることができる。比較回路1325は、磁場センサ1315の出力における電圧が第1の閾値を超えたときにインジケータ・デバイス1310に電気信号を送る。磁場検出器回路1305は、涙点プラグの磁場の存在を示す比較回路からの出力の変化を取り込むための論理回路(例えば、フリップフロップ回路またはラッチ)を備えることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、比較回路1325は、磁場センサ1315の出力における電圧が第1の閾値を超え、第2の閾値より小さいたときにインジケータ・デバイス1310に電気信号を送る。
【0064】
図14は、増幅後にホール効果センサから出力される信号1405の一例を表す。比較回路1325は、信号1405が第1の閾値1410(実施例では2.35V)を超え、第2の閾値1415(2.65V)より小さいたときにインジケータ・デバイス1310に電気信号を送る。図13に戻ると、検出器デバイス1300は、論理回路1330(例えば、フリップフロップ回路またはラッチ)を備えることができる。論理回路1330は、比較回路1325からの電気信号の状態(HIGHレベルまたはLOWレベル)を記憶する。
【0065】
いくつかの実施形態では、インジケータ・デバイス1310は、スピーカーまたはトランスジューサを備える。インジケータ・デバイス1310は、磁場検出回路1305が涙点プラグの磁場の存在を示すときに可聴指示情報を出す。いくつかの実施形態では、インジケータ・デバイス1310は、発光ダイオード(LED)またはディスプレイを備え、磁場を検出したときに可視指示情報を出す。
【0066】
図5に示されているように、インプラント本体300は、プラグ本体300の端部からプラグ本体内へ内向きに延在するキャビティ340を備える。キャビティ340は、インプラント・コア510、またはインプラント・コアの少なくとも一部分を収容できる形状およびサイズを有する。インプラント・コア510には、目の治療を行うなどのために、徐放性眼用薬剤を入れる。いくつかの実施形態では、眼用薬剤は、薬物を含む。プラグ・コア510内の薬剤の量は、時間の経過とともに目に持続放出するのに十分な量である。
【0067】
強磁性材料は、インプラント・コア510内に配置されうる。インプラント・コア510の強磁性材料は、外部印加された磁場が除去された後も強磁性を保持する。いくつかの実施形態では、強磁性材料は、より強い磁場を形成するためにインプラント本体とインプラント・コア510の両方に配置される。涙管インプラント500を検出することで、治療薬がまだ存在していて、インプラント500によって供給されていることを判定しやすくなると思われる。
【0068】
いくつかの実施形態では、磁場は、インプラント本体500内に挿入される前にインプラント・コア510内に誘導され、いくつかの実施形態では、磁場は、インプラント・コア510がインプラント本体500内に入った後に誘導される。いくつかの実施形態では、インプラント・コア510の外側部分は、薬剤を収納するシースを備える。強磁性材料は、シース内に配置される。
【0069】
図15は、涙管インプラント検出器デバイス1500のハウジング1505の一実施形態を示す図である。ハウジング1505は、カップの形状であり、被検体の目にフィットするサイズである。磁場センサは、検出器デバイス1500が目の上の位置に来たときに涙管インプラントの磁場を検出するようにハウジング1505内に配列される。検出器デバイス1500は、2つのLED 1510、1512を備えることができる。第1のLED 1510は、涙管インプラントが検出されたときに点灯する。第2のLEDは、磁場が検出されないときに点灯する。LEDは、異なる色であってもよい。例えば、第1のLED 1510は、緑色LEDとし、第2のLED 1515は、赤色LEDとすることができる。
【0070】
図16は、涙管インプラント検出器デバイス1600のハウジング1605の他の実施形態を示す図である。このハウジング1605は、細長く、近位端部1620および遠位端部1625を有する。磁場センサ1615は、近位端部1620の近くに配列される。これにより、涙管インプラント検出デバイス1600を手で持ち、ワンドとして使用することができる。LED 1610、1612は、磁場センサ1615から遠位にある地点に配置され、これにより、ユーザはワンドが目の近くに保持されている間に涙管インプラントが検出されたかどうかの可視指示情報を確認することができる。
【0071】
図17は、デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法1700の流れ図である。ブロック1705で、涙点プラグなどの涙管インプラントを生体適合性材料から形成する。ブロック1710で、涙点プラグ内に強磁性材料を備える。いくつかの実施形態では、強磁性材料は、生体適合性材料内に配置される。いくつかの実施形態では、強磁性材料は、涙点プラグの本体内に形成されたキャビティ内のインプラント・コア内に備えられる。いくつかの実施形態では、インプラント・コアは、眼用薬剤を収納するためのシースを備え、このシース内に強磁性材料が入れられる。いくつかの実施形態では、強磁性材料は、プラグ本体の生体適合性材料内に備えられ、それと同時にプラグ・コア内にも備えられる。ブロック1715で、磁場に晒されなくなったときに涙管インプラントが強磁性を示すように涙管インプラントを磁場に晒す。
【0072】
デバイス検出可能な涙管インプラントは、眼疾患を治療する方法で使用されうる。このような方法では、強磁性材料を伴う涙管インプラントは、被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入される。薬剤の持続放出を行うように、薬剤の供給源がインプラント・コア内に配置される。いくつかの実施形態では、この薬剤は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの一方または両方などの緑内障を治療するために使用される。涙管インプラント検出器デバイスで、挿入された涙管インプラントの強磁性が検出される。
【0073】
検出デバイスが、導電性材料を含む場合、涙管インプラント検出にインピーダンス感知を使用することができる。導電性材料の例としては、とりわけ、鋼鉄、銀、アルミニウム、および金が挙げられる。導電性材料は、生体適合性材料内に粒子として形成されうる。
【0074】
涙管インプラントが涙点プラグ本体内に薬剤を含む場合、導電性材料の粒子および薬剤は、プラグ本体内に配置されうる。涙管インプラントは、薬剤がインプラントからしみ出ることを許すが、導電性粒子を保持する涙管インプラントの外面上にシースを備えることができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、涙管インプラントは、図5に示されているようなインプラント・コアを備え、インプラント・コア内に導電性材料が入れられる。導電性材料は、治療薬を収納するために使用されるシース内に導電性材料を入れることなどによって、インプラント・コア内に、またはインプラント・コアの表面にあるものとしてよい。
【0076】
図18は、涙管インプラントを検出するためのデバイス1800の他の実施形態のブロック図である。涙管インプラント検出器デバイス1800は、感知回路1805、検出器回路1825、およびインジケータ・デバイス1810を備える。感知回路1805は、インダクタンスおよび/または感知回路1805に特性インピーダンスを付与するキャパシタンスを持つ。インピーダンスにより、感知回路はこれが動作する固有応答周波数を有する。例えば、感知回路は、この周波数で発振するタンク回路とすることができる。感知回路1805が涙管インプラントのところに、または涙管インプラントの近くにある場合、導電性材料は、感知回路1805の特性インピーダンスを変化させ、固有周波数のシフトを引き起こす。
【0077】
感知回路1805の特性インピーダンスが1つまたは複数のインダクタによって形成される場合、導電性材料は、感知回路1805の特性インダクタンスを乱し、周波数のシフトを引き起こす。感知回路1805が1つまたは複数のキャパシタによって形成される場合、涙管インプラントの近接がキャパシタンスの誘電性を変化させ、周波数のシフトを引き起こす。これは、材料(例えば、アルミニウム)の誘電性によるもの、または生体適合性材料に含まれる水からのものとすることができる。
【0078】
検出回路1825は特性インピーダンスの変化を検出する(例えば、固有周波数のシフトを検出することによって)。変化が検出された場合、検出器回路1825は、変化の指示情報をインジケータ・デバイス1810に送る。インジケータ・デバイス1810は、涙管インプラントの導電性による特性インピーダンスの変化を検出すると可聴指示情報または可視指示情報のうちの1つまたは複数を送る。
【0079】
図19は、検出器デバイスで涙管インプラントを検出する方法1200の流れ図である。ブロック1905で、涙点プラグなどの涙管インプラントを備える。ブロック1910で、涙点プラグの近接により生じる感知回路の特性インピーダンスの変化を検出することによって、涙点プラグを検出する。いくつかの実施形態では、特性インピーダンスの検出された変化は、感知回路の固有応答周波数の検出されたシフトである。したがって、デバイスは、涙点プラグと接触せずに涙管インプラントを検出することができる。感知回路で見られるインピーダンスの変化は、涙管インプラントと相互作用する電界が発生したことによる。
【0080】
いくつかの実施形態では、デバイス検出可能涙管インプラントは、インプラントの生体適合性材料内に配置された導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、涙管インプラントの本体内にキャビティが設けられる。インプラント・コアは、薬剤の持続放出を行える形状を有し、薬剤の持続放出を行うように構成されたキャビティ内に備えられる。導電性材料は、インプラント・コア内に備えることができる。いくつかの実施形態では、インプラント・コアは、薬剤を収納するためのシースを備え、このシース内に導電性材料が入れられる。いくつかの実施形態では、導電性材料は、インプラント本体の生体適合性材料とインプラント・コアの両方に備えられる。
【0081】
ブロック1915で、涙管インプラントが検出されたかどうかに関する情報を、ユーザまたは自動化プロセスに供給する。いくつかの実施形態では、可視指示情報または可聴指示情報の1つまたは複数が、ユーザに送られる。いくつかの実施形態では、第2のデバイスの自動化プロセスに指示情報が伝送される。
【0082】
デバイス検出可能な涙管インプラントは、眼疾患を治療するための方法で使用されうる。このような方法では、デバイス検出可能涙管インプラントが、被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入される。涙管インプラントは、薬剤の持続放出を行うように、薬剤の供給源をインプラント・コア内に備える。いくつかの実施形態では、この薬剤は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの一方または両方などの緑内障疾患を治療する。涙管インプラントは、感知回路への涙管インプラントの近接により生じる感知回路の特性インピーダンスの変化を検出することによって検出される。
【0083】
検出デバイスは、検出器デバイスによって光学的に検出可能な涙管インプラントを作るための特性を有するものとしてよい。図20は、涙点プラグなどの涙管インプラント2000の他の実施形態を示している。涙管インプラント2000は、生体適合性材料のインプラント本体2005を含む。インプラント本体2005は、インプラント本体の端部からインプラント本体2005内へ内向きに延在するキャビティ2010を備える。涙管インプラント2000は、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成されているインプラント・コア2015を備える。インプラント・コア2015は、インプラント本体のキャビティ2010内に担持され、インプラント・コア2015は、ルミネッセンス材料2020を含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、インプラント本体の生体適合性材料内に配置され、ルミネッセンス材料は、インプラント・コア内に入れられる。
【0084】
いくつかの実施形態では、ルミネッセンス材料2020は、量子ドットを含む。量子ドットは、第1の波長帯の光(例えば、第1の色)を受け取り、異なる波長帯の光(例えば、第2の色)を放射する半導体デバイスである。一般的に、量子ドットは大きければ大きいほど、低い周波数スペクトルで作用する。例えば、量子ドットが大きければ大きいほど、赤色(低い周波数)スペクトルに向かうエネルギーを放射し、量子ドットが小さければ小さいほど、青色(高い周波数)スペクトルに向かうエネルギーを放射する。
【0085】
いくつかの実施形態では、インプラント・コア2015は、薬剤を収納するためのシースを備える。図21は、インプラント・コアのシース2100を示している。シース2100は、ルミネッセンス材料を含むことができる。図は、シース2100の底部に備えられた量子ドット2120を表している。薬剤は、シース2100の上部にある開口部を通して放出される。量子ドットは、高温下では不安定になる場合があるため、量子ドットをプラグ・コア内に留置することで、量子ドットの安定性を高めることができる。
【0086】
図22は、涙点プラグなどのデバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法2200の他の実施形態を示す流れ図である。ブロック2205で、涙点プラグを生体適合性材料から形成する。ブロック2210で、涙点プラグの本体内にキャビティを形成する。ブロック2215で、キャビティ内にプラグ・コアを設ける。プラグ・コアは、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成される。ブロック2220で、プラグ・コア内にルミネッセンス材料を備える。
【0087】
次いで、涙管インプラント検出器デバイスは、図20の涙管インプラントのルミネッセンス材料2020を検出する。検出器デバイスおよび涙管インプラント2000は、目の中に挿入可能な医療デバイスを介して時間の経過とともに治療薬を持続放出し、医療デバイスが存在し続けることを確認して薬剤を送達することにより治療を監視するためのシステムを形成する。
【0088】
涙管インプラント2000のルミネッセンス材(例えば、量子ドット)が光源による刺激を受ける。ルミネッセンス発光は、高い出力/低い波長の形態の光を吸収して、入射光を低い出力/高い波長の形態の光に変換して放射する。涙管インプラント2000は、予期される高い波長の形態の光が検出されたときに検出される。
【0089】
図23は、涙管インプラント検出器デバイス2300の他の実施形態のブロック図である。検出器デバイス2300は、近くにある涙管インプラント2305に入射光を送るための発光源2335、光学フィルター2325、および光検出器デバイス2340を備える。いくつかの実施形態では、発光源2335は、発光ダイオード(LED)を含む。光学フィルター2325は、涙管インプラント2305のルミネッセンス材料から反射された指定波長帯の光を通すように構成されている。光検出器デバイス2340は、光学フィルター2325に通された光を受け取り、涙管インプラント2305の近接を示すのに十分な光を受け取ったときに応答電気信号を発生するように構成されている。いくつかの実施形態では、光検出器デバイス2340は、光学フィルター2325に通されたエネルギーを電気信号に変換するフォトダイオードを備える。
【0090】
発光源2335は、第1の波長帯を有する入射光を放出し、ルミネッセンス材料は、第2の波長帯の入射光を反射する。いくつかの実施形態では、第1の波長帯は、光の第1の色に対応し、第2の波長帯は、光の第2の色に対応する。例えば、ルミネッセンス材料が量子ドットを含む場合、発光源2335は、青色スペクトルの光を放出し(例えば、青色LED)、ルミネッセンス材料は、光学フィルター2325に通され、光検出器デバイス2340によって検出される緑色スペクトルの入射光を反射する。量子ドットの光励起挙動は、光エネルギーの吸収と放射との間で離散時間間隔を示す。この時間間隔は、20ナノ秒(ns)のオーダーである。
【0091】
いくつかの実施形態では、入射光および放射光は、両方とも、赤外線もしくは近赤外線スペクトルである。発光源2335は、赤外線スペクトルの第1の波長帯の入射光を放出し、ルミネッセンス材料は、赤外線スペクトルの異なる第2の波長帯の入射光を反射する。入射光と放射光との間のエネルギーのシフトは、光の可視スペクトルに比べて赤外線スペクトルに対して大きい。入射光と放射光との間の波長の分離がこのように大きければ、フィルタリングおよび検出プロセスが容易になると思われる。それに加えて、赤外線は、肉眼には見えない。これにより、眩しい可視光が患者の目に差し込まないためこの検出プロセスは患者に不快な思いをさせない。
【0092】
検出器デバイス2300は、光検出器デバイス2340から電気信号を受け取った後、インプラント検出のユーザ指示情報を出すためのインジケータ2310を備える。いくつかの実施形態では、インジケータ2310は、可視指示情報および/または可聴指示情報を出す。
【0093】
図24は、涙点プラグなどの涙管インプラントを検出する方法2400の他の実施形態を示す流れ図である。ブロック2405で、発光源を使用して涙点プラグを第1の波長帯の入射光に晒す。いくつかの実施形態では、入射光は、第1の波長帯内の波長に対応する色を有する可視光スペクトルLEDからの光である。
【0094】
ブロック2410で、検出デバイスを使用して第2の波長帯の光を検出するが、その際に、受け取った光は涙点プラグから反射される。より広域のスペクトルの白色光が光検出を無効にする場合がある。いくつかの実施形態では、入射光のスペクトル域は、緑色光スペクトルにあり、反射光のスペクトル域は、青色光スペクトルにある。関連するスペクトル域外からの不要な光を遮断するのに、分離室を使用するとよい。いくつかの実施形態では、入射光は、赤外線スペクトルの第1の波長帯を有し、検出光は、赤外線スペクトルの第2の波長帯を有する。
【0095】
ブロック2415で、涙点プラグの近接を示すのに十分な反射光が検出されたときに指示情報を出す。いくつかの実施形態では、可視指示情報および/または可聴指示情報が、ユーザに送られる。いくつかの実施形態では、指示情報信号が第2のデバイスの自動化プロセスに伝達される。このようなデバイス検出可能な涙管インプラントは、眼疾患を治療するために使用されうる。涙管インプラントは、薬剤の持続放出を行うように、薬剤の供給源をプラグ・コア内に備えることができる。いくつかの実施形態では、薬剤は、緑内障疾患を治療する。
【0096】
図25は、涙管インプラント2500の他の実施形態を示している。キャビティ2520内のインプラント・コア2525は、目の一領域から涙管インプラントを光学的に弁別するように構成された光学的コントラスト材料2540を含む。光学的コントラスト材料は、顔料または染料を含むことができる。いくつかの実施形態では、光学的コントラスト材料は、インプラント・コア2525の表面上に配置される。いくつかの実施形態では、インプラント・コアは、持続放出のため薬剤を収納するシース2530を備え、光学的コントラスト材料2540は、薬剤を収納するシース2530上に配置される。
【0097】
涙管インプラントを検出するために、デジタル・カメラなどを用いて、目の涙点領域の領域撮像を行う。次いで、画像内のコントラストが深い領域を特定するために、画像処理アルゴリズムが使用される。画像センサの被写界深度が自動的に、また正確に設定されない場合があるため、ある確率に従って涙管インプラントが適所にあると判定される。表面下にあり、涙小管内に潜在的に沈んでいる領域の画像を得ることは、難しい場合がある。画像を取得する1つの方法は、600から1300ナノメートル(nm)のスペクトル帯域のあたりの光をフィルタリングすることである。これは、画像センサと涙管インプラントとの間にある組織の介在形態をフィルタリングで取り除くことができる。
【0098】
図26は、涙管インプラント検出器デバイス2600の他の実施形態のブロック図である。検出器デバイス2600は、目の少なくとも一部(例えば、涙点領域)の画像を得るための画像センサ2615を備える。涙管インプラント検出デバイス2600は、画像分析器回路2650も備える。画像分析器回路2650は、画像の他の領域内の画像コントラストを超える画像コントラストを有する画像部分の配置を検出するように構成されている。したがって、涙管インプラントが存在する場合、涙管インプラントの光学的コントラストは、画像内の他の場所のコントラストを画像コントラスト閾値だけ超える。画像分析器回路2650は、光学的コントラストを検出し、その画像内に涙管インプラントの一部の画像があるかどうかの指示情報をユーザまたは自動化プロセスに送る。
【0099】
いくつかの実施形態では、画像分析器回路2650は、画像処理アルゴリズムを実装する命令を実行するプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)を備える。
【0100】
いくつかの実施形態では、画像センサ2615は、カメラ内に備えられたデジタル画像センサであり、検出器デバイス2600は、画像分析器回路2650による処理のため画像を格納するためのメモリを備えることができる。いくつかの実施形態では、画像分析器回路2650は、デジタル・カメラ内に備えられる。いくつかの実施形態では、画像分析器回路2650は、第2のデバイス内に備えられる。
【0101】
介在する組織のせいで注目する領域画像を取得することが困難な場合がある。いくつかの実施形態では、検出器デバイス2600は、赤外線発光体2655を備え、画像センサ2615は、赤外線画像センサを含む。
【0102】
図27は、デバイス検出可能涙管インプラントを製作する方法2700の他の実施形態を示す流れ図である。ブロック2705で、涙点プラグなどの涙管インプラントを生体適合性材料から形成する。ブロック2710で、涙点プラグの本体内にキャビティを形成する。ブロック2715で、キャビティ内にプラグ・コアを設ける。プラグ・コアは、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成される。ブロック2720で、プラグ・コア内に光学的コントラスト材料を備え、これにより、目の涙領域から涙点プラグを光学的で弁別する。いくつかの実施形態では、光学的コントラスト材料をプラグ・コア内に備えることは、プラグ・コアの表面上に光学的コントラスト材料を配置することを含む。いくつかの実施形態では、プラグ・コアを備えることは、プラグ・コア内に薬剤を収納するためのシースを備える。プラグ・コア内の光学的コントラスト材料は、シース内に入れられる。
【0103】
検出可能な涙管インプラントは、眼疾患を治療するための方法で使用されうる。このような方法では、検出可能涙管インプラントが、被検体の少なくとも1つの涙点内に挿入される。涙管インプラントは、プラグ・コア内に配置された徐放性薬剤の供給源を有する。いくつかの実施形態では、この薬剤は、高眼圧症および原発性開放隅角緑内障のうちの一方または両方などの緑内障疾患を治療するために使用される。涙管インプラントを検出するために、被検体の涙点領域の画像を撮る。インプラントは、画像の他の領域内の画像コントラストを超える画像コントラストを有する画像部分の配置が検出されたときに検出される。
【0104】
本明細書で開示されているインプラントが、治療薬または薬物供給源を備える場合、これは、上で開示されているインプラントが組織内に、または目の近くに埋設されるときに所望の治療反応が得られるような治療レベルで放出される。
【0105】
治療薬の例:
前述のいくつかの実施例では、治療薬(または単に、「薬剤」)を持続放出するプラグ・コアを説明している。薬剤としては、とりわけ、抗緑内障薬(例えば、アドレナリン作動薬、アドレナリン拮抗薬(βブロッカー)、炭酸脱水酵素阻害薬(CAI、全身および局所)、副交感神経興奮薬、プロスタグランジンおよび降下圧脂質、およびこれらの組合せ)、抗菌薬(例えば、抗生物質、抗ウイルス剤、駆虫剤、抗真菌剤など)、コルチコステロイドまたは他の抗炎症薬(例えば、NSAIDもしくは他の鎮痛剤および疼痛処理化合物)、充血除去剤(例えば、血管収縮薬)、アレルギー反応を修正するのを阻止する薬剤(例えば、抗ヒスタミン剤、サイトカイン阻害薬、ロイコトリエン阻害薬、IgE阻害薬、免疫賦活剤)、マスト細胞安定化剤、毛様体筋麻痺薬、散瞳薬、または同様の薬品、またはその同等物質、誘導体、もしくは類似体の1つまたは組合せから調製された薬物が挙げられる。
【0106】
例示的な利用可能な薬剤として、限定はしないが、トロンビン阻害剤、抗血栓薬、血栓溶解剤、線維素溶解薬、血管攣縮抑制剤、血管拡張薬、血圧降下薬、抗菌薬、抗生物質(テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、バシトラシン、ネオマイシン、ポリミキシン、グラミシジン、セファレキシン、オキシテトラサイクリン、クロラムフェニコール、リファンピシン、シプロフロキサシン、トブラマイシン、ゲンタマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン、スルホンアミド、スルファジアジン、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルフイソキサゾール、ニトロフラゾン、プロピオン酸ナトリウムなど)、抗真菌剤(アムホテリシンBおよびミコナゾールなど)、および抗ウイルス薬(イドクスウリジン・トリフルオロチミジン、アシクロビル、ガンシクロビル、インターフェロンなど)などの抗菌薬、表面糖タンパク質受容体の阻害剤、抗血小板薬、抗有糸分裂薬、微小管阻害剤、抗分泌薬、活性阻害薬、リモデリング抑制剤、アンチセンス・ヌクレオチド、代謝拮抗物質、抗増殖剤(抗血管形成薬を含む)、抗癌化学療法薬、抗炎症薬(ヒドロコルチゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン21−リン酸塩、フルオシノロン、メドリゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン21−リン酸塩、酢酸プレドニゾロン、フロオロメタロン、ベータメタゾン、トリアムシノロン、トリアムシノロンアセトニドなど)、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)(サリチル酸塩、インドメタシン、イブプロフェン、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、ピロキシカム・インドメタシン、イブプロフェン、ナキソプレン、ピロキシカム、およびナブメトンなど)。本発明の涙点プラグとともに使用することについて考えられているこのような消炎ステロイド剤の例として、トリアムシノロンアセトニド(呼称)および例えば、トリアムシノロン、デキサメタゾン、フルオシノロン、コルチゾン、プレドニゾロン、フルメトロン、およびこれらの誘導体を含むコルチコステロイド、抗アレルギー薬(クロモグリク酸ナトリウム、アンタゾリン、メタピリレン、クロルフェニラミン、セチリジン、ピリラミン、プロフェンピリダミンなど)、抗増殖剤(1,3−cis−レチノイン酸、5−フルオロウラシル、タクソール、ラパマイシン、マイトマイシンC、およびシスプラチンなど)、充血除去剤(フェニレフリン、ナファゾリン、テトラヒドラゾリンなど)、縮瞳薬および抗コリンエステラーゼ(ピロカルピン、サリチル酸塩、カルバコール、塩化アセチルコリン、フィゾスチグミン、エゼリン、ジイソプロピル・フルオロホスホネート、ホスホリン・ヨード、臭化デメカリウムなど)、抗新生物薬(カルムスチン、シスプラチン、フルオロウラシル3など)、免疫薬(ワクチンおよび免疫刺激剤など)、ホルモン剤(エストロゲン、−−エストラジオール、黄体ホルモン薬、プロゲステロン、インスリン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、ペプチド、およびバソプレッシン視床下部放出因子など)、免疫抑制剤、成長ホルモン拮抗薬、増殖因子(上皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、血小板由来増殖因子、形質転換増殖因子β、スマトトラピン、フィブロネクチンなど)、血管形成阻害薬(アンギオスタチン、酢酸アネコルタブ、トロンボスポンジン、抗VEGF抗体など)、ドパミン作動薬、放射線治療薬、ペプチド、タンパク質、酵素、細胞外マトリクス、成分、ACE阻害薬、フリー・ラジカル・スカベンジャー、キレート剤、抗酸化薬、抗ポリメラーゼ、光線力学療薬、遺伝子療薬、およびチモロール、ベタキソロール、レボブノロール、アテノロール、およびビマトプロスト、トラボプロスト、ラタノプロストなどのプロスタグランジン類似体などのβブロッカーを含む抗緑内障薬を含む、プロスタグランジン、抗プロスタグランジン、プロスタグランジン前駆体などの他の治療薬、アセタゾラミド、ドルゾラミド、ブリンゾールアミド、メタゾラミド、ジクロルフェナミド、ダイアモックスなどの炭酸脱水酵素阻害薬、ルベゾール、ニモジピン、および関連する化合物などの神経保護薬、およびピロカルピン、カルバコール、フィゾスチグミン、および同様の物質などの副交感神経遮断薬が挙げられる。
【0107】
本発明の涙点プラグと併用できる追加の薬剤として、限定はしないが、米国連邦食品医薬品化粧品法の第505条または公衆衛生法に従って認定されている薬物が挙げられ、その一部は米国食品医薬品局(FDA)のウェブサイトhttp://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/drugsatfda/indexに載っている。本発明の涙点プラグは、紙形態の、または電子的形態のオレンジブックに一覧として記載されている薬物とともに使用することもでき、これは、FDAオレンジブック・ウェブサイト(http://www.fda.gov/cder/ob/)に載っており、本特許文書の出願日と同じ日付、または早い日付、またはそれよりも後の日付を有するか、または記録している。例えば、これらの薬物は、とりわけ、ドルゾラミド、オロパタジン、トラボプロスト、ビマトプロスト、シクロスポリン、ブリモニジン、モキシフロキサシン、トブラマイシン、ブリンゾラミド、アシクロビル・マレイン酸チモロール、ケトロラク・トロメタミン、酢酸プレドニゾロン、ヒアルロン酸ナトリウム、ネパフェナク、プロンフェナク、ジクロフェナク、フルルビプロフェン、スプロフェナク、ビノキサン、パタノール、デキサメタゾン/トブラマイシン併用、モキシフロキサシン、またはアシクロビルが挙げられる。
【0108】
上記の薬剤で治療できる疾病または疾患の例として、限定はしないが、緑内障、外科手術前および手術後眼球治療、ドライアイ、抗眼アレルギー、抗感染、外科手術後炎症または疼痛、アレルギーなどの呼吸器関連疾患、または目まいもしくは片頭痛などの内耳疾患が挙げられる。いくつかの実施例では、治療薬は、潤滑剤または界面活性剤、例えばドライアイを治療するための潤滑剤を含むことができる。他の実施例では、治療薬は、目から涙を吸収することができる吸収剤を含むことができる。
【0109】
薬物供給源の例:
薬物供給源は、1つまたは複数の薬剤、およびいくつかの実施例では、薬剤を持続放出するための1つまたは複数のマトリクス材を含むことができる。1つまたは複数の薬剤は、少なくとも一部はマトリクス内の薬剤の溶解度に基づき、薬物供給源の露出表面からターゲットの組織(例えば、目の毛様体筋)に移動できる。露出表面からの薬剤の移動速度は、マトリクス内に溶解している薬剤の濃度にも関係しうる。いくつかの実施例では、薬物供給源中に溶解されている薬剤の濃度は、薬剤の放出速度が所望の放出速度となるように制御されうる。それに加えて、または組み合わせて、露出表面からの薬剤の移動速度は、シリコーン・マトリクス製剤の特性など、薬剤が溶解するマトリクスの1つまたは複数の特性に関係しうる。いくつかの実施形態では、薬物供給源に含まれる薬剤は、液体、固体、固体ゲル、結晶質固体、非晶質固体、固体粒子、または溶解形態を含みうる。このような一実施形態では、液体であるラタノプロスト液滴または固体であるビマトプロスト粒子がシリコーン・マトリクス内に分散される。
【0110】
薬物供給源は、1つまたは複数の薬剤を持続放出することができる1つまたは複数の生体適合性材料を含むことができる。薬物供給源は、薬剤の溶解可能な包含物が中に配置されている実質的に非生体分解性のシリコーン・マトリクスを含むマトリクスを含む実施例に関してもっぱら上で説明されているけれども、薬物供給源は、薬剤、例えば生体分解性マトリクス、多孔質薬物供給源、液体薬物供給源、または固体供給源を持続放出する他の構造物を備えることができる。薬剤を含むマトリクスは、生体分解性または非生体分解性のポリマーから形成されうる。いくつかの実施例では、非生体分解性薬物供給源としては、シリコーン、アクリレート、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリウレタン、ヒドロゲル、ポリエステル(例えば、デラウェア州ウィルミントン所在のE.I.Du Pont de Nemours and Company社のDACRON.RTM)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸PTFE(ePTFE)、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)、ナイロン、押し出し成形コラーゲン、ポリマー発泡体、シリコーン・ゴム、ポリエチレン・テレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリカーボネート・ウレタン、ポリウレタン、ポリイミド、ステンレス鋼、ニッケル−チタン合金(例えば、Nitinol)、チタン、ステンレス鋼、コバルト−クロム合金(例えば、イリノイ州エルジン所在のElgin Specialty Metals社のELGILOY.RTM.、ペンシルバニア州ワイオミッシング所在のCarpenter Metals Corp.社のCONICHROME.RTM.)が挙げられる。いくつかの実施例では、生体分解性薬物供給源は、タンパク質、ヒドロゲル、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(L−グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコリド、ポリ−L−ラクチド、ポリ−D−ラクチド、ポリ(アミノ酸)、ポリジオキサノン、ポリカプロラクトン、ポリグリコン酸塩、ポリ乳酸−ポリエチレン・オキシド共重合体、変性セルロース、コラーゲン、ポリオルトエステル、ポリヒドロキシブチレート、ポリアンハイドライド、ポリホスホエステル、ポリ(αハイドロキシ酸)、およびこれらの組合せなどの1つまたは複数の生体分解性ポリマーを含むことができる。いくつかの実施例では、薬物供給源は、ヒドロゲル・ポリマーを含みうる。
【0111】
治療薬または薬物供給源は、好ましくは、一様な速度、例えば、ゼロ次速度過程に対応する速度で放出されるが、治療薬は、他の次数の反応速度、例えば、1次の速度で放出されうる。多くの実施形態では、反応速度次数は、治療薬が放出されるとともにゼロ次から1次へと変化する。したがって、治療薬は、約0から約1まで変化する反応速度次数の範囲に対応するプロファイルで放出される。理想的には、インプラントは、治療薬が均一に送達されるように、治療薬が放出される速度が著しく変化する前に取り除かれる。一様な送達速度が望ましいので、反応速度が1次に完全に遷移する前にインプラントを取り除き、および/または交換することが望ましいと思われる。他の実施形態では、1次またはそれ以上の次数の放出反応速度は、治療の一部または全部において、治療薬放出プロファイルが安全で有効な範囲内に留まる限り、望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、コアは、1週間から5年間までの期間、より具体的には3〜24カ月の範囲内において有効速度で治療薬を放出することができる。上で指摘されているように、いくつかの実施形態では、検出剤および治療薬が類似の放出速度を有することが望ましい場合があり、例えば、検出剤は、治療薬の継続的放出を示す。他の実施形態では、検出剤および治療薬が異なる放出速度を有することが望ましい場合があり、例えば、検出剤は、治療薬が放出を完了したときにそのことを患者に知らせ、インプラントを取り除くか、または交換するために、放出される。
【0112】
本発明は、鼻涙器系の眼瞼涙小管涙点内に埋設されるすべてのインプラントまたはデバイスを具現化することを意図している。これらのインプラントまたはデバイスは、インプラントまたはデバイスが適所にある場合、およびいくつかの実施形態では、インプラントまたはデバイスが、治療薬もしくは薬物をまだ送達しているなど、まだ適切に機能している場合にそのことを患者に知らせるための検出デバイスを備える。
【0113】
所望の治療法に応じて、薬物を涙湖、したがって目に、または鼻涙器系、したがって体循環に送達するために、インプラントの一部を涙点の導管内で配向することが可能である。図面は、本発明のインプラントの実施形態のうちのいくつかのみを示している。
【0114】
次に図28を参照すると、インプラント・データおよび追跡システム2800によって、インプラント・データ、インプラントの追跡、および同様のものの補正が一般的には容易になることがわかる。システムは、典型的には、本明細書で説明されているインプラント構造物のうちの1つまたは複数を含みうる複数のインプラント2810を備える。これらのインプラントは、典型的には、眼科用途に適しているが、他のシステム実施形態にも、他の薬物送達インプラントおよび同様のものとともに他の医療用指示情報および治療の用途があると考えられる。
【0115】
システム2800に付随するそれぞれのインプラントは、読み取り装置2820によって識別可能な信号を伝送することができる。例えば、信号は、インプラントをインプラントの特定のクラスまたは種類の一要素として、インプラントのクラスまたは種類の範囲内の特定の母集団の一要素として、および/または特定の独自インプラントとして識別することを可能にするRFID信号とすることができる。代替えシステムでは、光ベースの信号(インプラントから放出される蛍光信号標識を使用して発生した信号を含む)、磁気信号、または同様の信号を使用することができる。読み取り装置は、既製の読み取り装置(市販のRFID読み取り装置、市販のスペクトル・コード読み取り装置、または同様の装置など)を備えることができるが、その代わりに、専用のインプラント読み取り装置を備えることもできる。読み取り装置は、信号を(典型的には電子的に)プロセッサ2830に送信し、これにより、プロセッサは特定のインプラント2810の属性を判定することができ、次いでそれを走査するか、または読み取ることができる。
【0116】
プロセッサ2830は、市販のコンピュータ・システムのコンポーネントの一部または全部を備えることができる。プロセッサ2830は、例えば、典型的には、少なくとも1つのプロセッサ回路2830Aを備え、これはバス・サブシステムを介して多数の周辺デバイスと通信することができる。これらの周辺デバイスは、メモリ・システム2830Bを備えることができる。メモリは、典型的には、方法(本明細書で説明されている方法を含む)を実行するための機械可読命令および/またはデータを具現化する有形の記憶媒体を備える。メモリ2830Bとしては、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、ハード・ディスク・ドライブ、関連する取外し可能媒体を伴うフロッピー・ディスク・ドライブ、コンパクト・デジタル読み取り専用メモリ(CD−ROM)ドライブ、光学式ドライブ、DVD、CD−R、CD−RW、固体取外し可能メモリ、および/またはフラッシュRAMを含む他の取外し可能媒体カートリッジもしくはディスクなどの永続的な(不揮発性の)記憶装置が挙げられる。いくつかの実施態様では、プロセッサ2830は、専用構造を備える。
【0117】
メモリ2830Bおよび2840のいくつかの例示的な内容が、図28Aに概略として示されている。一般に、メモリは、個別のインプラント、インプラント・クラス/種類、および/またはインプラントの母集団のリスティングを格納することができる。インプラントのリスティングは、それぞれのリスティングについて、ID信号情報を含むことができ、この情報により、プロセッサは読み取り装置2820によって読み取られた信号からインプラント、インプラント・クラス、および/またはインプラント母集団を識別することができる。適宜、メモリは、インプラントの薬物または薬剤、製造日、有効期間、インプラントの予定薬物送達期間、インプラントのサイズ、および/または同様のものに関する情報を含む(またはアクセス可能にする)こともできる。特に、診療所などプロセッサがインプラント位置で使用されるか、または結合される場所において、メモリは、患者ID、埋設日に関する情報、再診のときのインプラントの存在に関する情報、事前および/または事後の患者健康データ(インプラントの効果の指示情報を含む)、および/または同様のものも格納できる。この情報にアクセスする場合、システム2800を使用することで、多様な患者母集団において埋設されるインプラントの大量在庫の使用を管理し、および/または追跡する作業がしやすくなる。
【0118】
単純なシステムでは、読み取り装置および出力とともに小型ハンドヘルド・ユニットにパッケージ化されたモノリシックなコンピュータ・プログラムを実行する単一プロセッサ・チップもしくは集積回路を採用することも可能である。その代わりに、広範な集中または分散型データ処理ハードウェアおよびソフトウェア・アーキテクチャを実装することも可能である。例えば、中央プロセッサ1040をインプラントのメーカーもしくは販売店、または規制当局(米国の食品医薬局)に配置する(あるいはその制御下に置く)ことができる。中央プロセッサは、インターネット2850または同様のものなどのネットワークを介して多数の臨床治療用ローカル・プロセッサのそれぞれにリンクすることができる。分散型プロセッサ・システムを使用すると、診療所内でのインプラントの使用および在庫の管理がしやすくなり、また異なる臨床現場にわたって効果、有害事象、および同様のものを追跡することができる。したがって、本明細書で説明されている機能は、異なるデータ処理構造および配置に分散された様々なソフトウェアおよび/またはハードウェア・モジュールにより実装することができる。例えば、複数の診療所に読み取り装置(および多くの場合、関連するプロセッサ)を備えると都合がよいことが多く、読み取り装置のそれぞれはインプラントの属性(インプラントによって送達される薬物、インプラントが埋設された時間、および薬物送達期間が終了した時間)を決定することができる。これにより、インプラントを備える患者は、インプラントに関する完全な情報を持たない場合であっても、適切な機器を有する臨床現場でアドバイスまたは治療(インプラントの交換など)を受けることができる。インプラント・データ・システムは、様々な代替え電子記録システム内に組み込むこともでき、これにより適宜、インプラント・データが読み取られたとき、および/またはSiemens SMS Medical Solutionsシステムまたは同様のものを使用してインプラントが埋設もしくは取り外されるときに、自動化メッセージを患者ファイルまたは医師に送信することができる。
【実施例1】
【0119】
フルオレセインの溶出およびフルオレセイン溶出時の界面活性剤の効果
図29は、本発明のいくつかの実施形態による、フルオレセインの溶出およびフルオレセイン溶出に対する界面活性剤の効果を示している。フルオレセインに対する溶出データは、上記の薬物コアの柔軟性、および水溶性治療薬と不水溶性治療薬の両方、および比較的低分子量の、また高分子量の治療薬を含む、多数の治療薬の持続放出に対する製造プロセスを示している。いくつかの実施形態では、検出剤は、上述のように、治療薬とともに溶出するフルオレセインを含むことができる。フルオレセインは、分子量が332.32g/モルであり、水に溶け、目から放出される放出性水溶性治療薬の一モデルとして使用できる。本発明の実施形態に関する作業成果から、分子量および水への溶解度は、それぞれ、固体薬物コア・マトリクスからの薬物の放出速度に影響を及ぼしうることがわかる。例えば、低分子量であるほど、固体マトリクス材料中の拡散、つまりシリコーン中の拡散が高まり、低分子量化合物の放出速度が速くなる。また、水への溶解度も、薬物の放出速度に影響を及ぼし、場合によっては、薬物の水への溶解度を高めると、例えば、固体マトリクス材料から涙液などの体液への輸送を介して固体薬物コア・マトリクスからの放出速度が高まりうる。これらの実施形態によれば、フルオレセインよりも高分子量であり、フルオレセインよりも水への溶解度が低い治療薬、例えば上に示されているシクロスポリンおよびプロスタグランジンは、低い放出速度で固体コアから放出されうる。界面活性剤も、薬物コアから周囲の体組織および/または体液、例えば、涙膜液中への治療薬の放出の速度に影響を及ぼしうる。
【0120】
試験されたそれぞれの薬物コアは、MED 4011シリコーンを含んでいた。一実施形態において、薬物コア製剤2910は、9%の界面活性剤と0.09%のフルオレセインを含んでいた。薬物コア製剤2910の溶出速度に対する指数関数当てはめ2912が図に示されている。他の実施形態では、薬物コア製剤2920は、16.5%の界面活性剤と0.17%のフルオレセインを含んでいた。薬物コア製剤2920の溶出速度に対する指数関数当てはめ2922が図に示されている。他の実施形態では、薬物コア製剤2930は、22.85%の界面活性剤と0.23%のフルオレセインを含んでいた。薬物コア製剤2930の溶出速度に対する指数関数当てはめ2932が図に示されている。界面活性剤なしの一実施形態では、薬物コア製剤2940は、0%の界面活性剤と0.3%のフルオレセインを含んでいた。薬物コア製剤2940の溶出速度に対する指数関数当てはめ2942が図に示されている。
【0121】
薬物コアは、シリコーン界面活性剤「190 Fluid」(Dow Corning)、界面活性剤混合物:「190 Fluid」+フルオレセイン、シリコーン(Nusil):MED 4011 Part A、MED 4011 Part B、遠心分離管、3mLの注射器、20ga.の針、内径0.031インチのテフロン・チューブ、および緩衝液を含む主要構成を用いて製造された。
【0122】
主要パラメータは以下のとおりであった。シリコーン界面活性剤2.5gとフルオレセイン0.025gの混合物を調製し、Part A 3.5gおよびPart B 0.37gを含むNusil MED 4011のシリコーン組成物を調製し(比10:1)、4本の遠心分離管を用意し、それぞれの遠心分離管にシリコーン0.5gと、A.界面活性剤混合物0.05g:9%の界面活性剤、0.09%のフルオレセイン、B.界面活性剤混合物0.1g:16.5%の界面活性剤、0.17%のフルオレセイン、C.界面活性剤混合物0.15g:22.85%の界面活性剤、0.23%フルオレセイン、D.フルオレセイン0.0015g:0%の界面活性剤、0.3%のフルオレセインのような様々な重量の界面活性剤混合物を入れ、注射器および針を使用して4つの製剤のそれぞれを各テフロン・チューブに注入し、炉内で45分間、140℃の温度で注入チューブを硬化させ、それぞれのチューブを長さ4mmの3つのチューブ片に切断し、それぞれの切断片を、緩衝液0.3mLを入れた遠心分離管内に浸漬した。
【0123】
データ収集は以下のとおりであった。時間点24、48、72、192、および312時間において試料を収集し、UV分光分析のためそれぞれの試料を送り、テフロン・チューブの寸法(長さ4mm、内径0.031インチ)を使用することによってそれぞれの溶出速度をμg/mL/時からμg/cm/時に変換し、溶出速度対時間についてデータをプロットして、それぞれの界面活性剤混合物製剤の速度を比較した。
【0124】
分析結果では、表1に示されているように、それぞれの溶出速度のトレンドラインを指数関数曲線に当てはめた。
【0125】
【表1】

【0126】
表1のトレンドラインの式は以下のことを示す。このデータによって実験曲線は0.8785から0.9554までのR値によく当てはまる。トレンドラインの式は、−1.0711から−1.3706までの指数係数を示している。溶出速度は、界面活性剤レベルの増大とともに増大した。フルオレセインの量が比較的類似しているにもかかわらず、試料CとDとの間で溶出速度に劇的な増大がある−これは、界面活性剤をシリコーン・マトリクスに添加すると水溶性化合物の溶出速度に劇的な影響を及ぼすことを示している。試料Aの溶出速度は、試料Aがフルオレセインのわずか1/3の量を含むとしても、試料Dの速度に匹敵する。これは、界面活性剤をシリコーン・マトリクスに添加することによって溶出速度に影響が出ることも示している。
【0127】
−1.0711から−1.3706までのトレンドラインの式の指数係数は、1次の放出と一致しているけれども、データはコアからのフルオレセインのボーラス放出が観察される最初の48時間の期間を含む。高レベルの治療薬が送達される2から3日のこのような初期洗い出し期間とその後の治療レベルの持続放出の期間は、いくつかの実施形態において、例えば、短時間のうちの上昇したレベルを許容し、目に対する加速効果をもたらしうる場合に役立ちうる。本発明の実施形態に関する作業結果から、48時間後に溶出データはゼロ次に近づき、例えば、約ゼロ次から約1次までの範囲内に近づきうることがわかる。
【0128】
図30は、本発明の実施形態による、治療薬および検出デバイス3050を有する薬物送達インプラント3000の断面図である。インプラント3000は、検出剤が中に入っている近位端部3012および遠位端部3014を有するコア3010を備える。図に示されている実施形態では、コア3010には、治療薬が入る。コア3010は、治療薬の包含物3040を含むマトリクス3030を備える。包含物3040は、治療薬の濃縮形態、例えば、治療薬の液体もしくは固体の形態を含み、治療薬は、時間の経過とともにコア3010のマトリクス3030内に溶解しうる。マトリクス3030は、シリコーン・マトリクスまたは同様の物質を含み、マトリクス3030内の検出剤と治療薬の混合物は、不均質であってもよい。コア3010、マトリクス3030、包含物3040、および治療薬は、本出願において説明されているコア、マトリクス、包含物、および治療薬を含みうる。多くの実施形態において、不均一混合物は、検出剤および治療薬で飽和したシリコーン・マトリクス部分および検出剤および治療薬の包含物を含む包含物部分を含み、不均一混合物は多相不均一混合物を含む。いくつかの実施形態では、マトリクス3030は、包含物3040をカプセル化し、包含物3040は、約1μmから約100μmまでの範囲の寸法を有する微小粒子を含むことができる。カプセル化された包含物は、検出剤および治療薬がコアから放出されている間、マトリクス3030が検出剤および治療薬で実質的に飽和するように微粒子をカプセル化する周囲の固体マトリクス、例えば、シリコーン内に溶解する。治療薬は、インプラント3000が体内に埋設されるときに所望の治療反応が得られるように治療レベルで放出される。薬物コアは、1週間から5年間までの期間、より具体的には3〜24カ月の範囲内において有効速度で治療薬を放出することができる。いくつかの実施形態では、治療レベルは、1回分投与量未満、またはその1回分投与量の5〜10%以下、典型的には10%未満、多くの場合、延長日数期間の毎日の1回分投与量の5%以下である。この1回分投与量は、経口量であるか、または注射可能用量とすることができる。
【0129】
コア3010の遠位端部3014に、検出デバイス3050がある。検出デバイス3050は、体内に位置したときにインプラント3000の検出および/または識別を補助する任意のデバイスとすることができる。一実施形態では、検出デバイス3080は、インプラントの検出および/またはインプラントの複数の代替え属性からのインプラントの属性の識別を可能にする検出信号を出すことができる。一実施形態では、伝送信号は、RFID検出器で検出することができるRFIDチップの無線信号を含み、この信号は無線信号識別信号を含む。他の実施形態では、この信号は、磁気検出器で検出することができる材料、あるいは超音波検出器で検出することができる超音波反射材料から出る磁気信号を含む。
【0130】
コア3010および検出器3050は、シース本体3020のチャネル内に嵌合する。シース本体3020は、治療薬に対し実質的に不浸透性であり、したがって、治療薬は、シース本体3020で覆われていないコア3010の近位端部3012上の露出表面から放出される。検出器3050は、シース本体3020内に成形することもできる。
【0131】
インプラント3000内で使用される治療薬は、異なる治療に、また異なる病状に使用することができ、「Drug Delivery Methods,Structures,and Compositions for Nasolacrimal Systems」という表題の米国特許出願番号第11/695,537号、「Nasolacrimal Drainage System Implants for Drug Therapy」という表題の米国特許出願番号第11/695,545号、「Drug Delivery Implants for Inhibition of Optical Defects」という表題の米国特許出願番号第60/871,867号、「Nasolacrimal Drainage System with Implants for Drug Delivery」という表題の米国特許出願番号第60/970,709号、「Multiple Drug Delivery Systems and Combinations of Drugs with Punctal Implants」という表題の米国特許出願番号第60/970,820号文献で開示されている治療薬を含みうる。
【0132】
図31は、病状を治療するため身体3100内の薬物送達治療用インプラント3000を示している。治療用インプラント3000は、治療薬を収納する薬物コアと上述のような検出器を備える持続放出性インプラントである。治療用インプラントは、知られている手段によって埋設できる。
【0133】
使用時に、治療用インプラント3000は、身体3100内に埋設され、そこで体液が薬物コアの露出表面と接触し、治療薬を放出することができる。インプラントの配置に応じて、治療用インプラントの近位にある、血液などの体液は、露出表面に接触して、インプラントから治療薬を放出することができる。治療用インプラントの配置としては、肩、膝、肘、指、もしくは外傷部位の近くなど、関節部へ局所薬物送達を行うための身体部位、または一般的薬物送達のための、腫瘍部位、腹部などの他の部位が挙げられる。治療用インプラント3000は、当技術分野で知られている1つまたは複数の保持要素を備えて、上記の身体部位などの身体部位の近くに治療用インプラント3000を保持することができる。
【0134】
治療用インプラント3000内の検出デバイス3050は、多くの異なる方法で検出および/または識別されうる。例えば、いくつかの実施形態では、検出デバイス3050は、インプラント3000を検出し、および/または識別することができる検出システム3110と通信する(3105)ことができる。検出システム3110は、上で検出システム1065およびシステム2800で説明されている特徴のどれかまたはすべてを備えることができる。例えば、検出システム3110は、RFIDチップを検出するためのRFID検出システム、磁性材料を検出するための磁気検出器システム、超音波反射材料を検出するための超音波検出器システム、または本明細書で説明されている他の検出システムを備えることができる。
【0135】
一実施形態では、治療用インプラント3000は、腫瘍治療で使用され、その場合、局所治療用インプラント薬物送達により、手術後に腫瘍部位を治療し、身体の残り部分に対する巻き添え損傷を最小限に抑えるという付加的な利点が得られる。例として、乳房腫瘍の摘出手術または前立腺癌の外科治療が挙げられ、その場合、治療用インプラントは癌部位の近くに埋設される。実際、充実性腫瘍がターゲットとなり、治療用インプラントは腫瘍の近くに埋設される。
【0136】
関節では、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を使用して、変形性関節症および関節リウマチなどの治療を行うことができる。NSAIDの局所送達により、胃潰瘍または出血を含みうる胃腸障害(胃または腸における問題)および場合によっては命にかかわる胃壁または腸壁の穿孔(裂けまたは穴)など、全身COX−2阻害剤に付随するリスクが軽減される。この実施形態では、治療用インプラントは、NSAIDを局所送達するため関節の近くに配置される。
【0137】
他の実施形態では、治療用インプラントは、鎮痛薬または抗感染薬の送達など、外傷部位に複数の薬物を局所送達するために使用できる。
【0138】
本発明の原理の適用を示すために本発明の特定の実施形態が示され、詳細に説明されているが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく他の方法でも具現化されうることは理解されるであろう。例えば、単純な機械的インジケータを使用して、インプラントの状態に関する情報を出すことが可能である(インプラントが意図された治療時間または同様の時間の間に埋設されたなど)。例えば、薄膜の時間依存腐食が、表面の色もしくは反射性を変えることによってインプラントを検出可能な形で変化させ、着色または蛍光発光材料を放出させ、材料の膨張を引き起こすといったことが可能である。インプラントの単純な化学的または機械的な時計が、インプラントの埋設時に計時開始および/または計時停止を行い、インプラントおよび/または所望の取外し日を決定することも可能である。
【0139】
読者が技術的開示の性質を素早く確認できるように、37 C.F.R.§1.72(b)に適合する要約をまとめてある。これは請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないことを了解した上で提出される。また、上記の「発明を実施するための形態」では、開示を合理化するため様々な特徴をグループにまとめることができる。これは、未請求の開示されている特徴が請求項にとって本質的であるという意図であると解釈されるべきでない。むしろ、発明対象は、特定の開示されている実施形態のすべてに満たない数の特徴にあると言える。したがって、以下の請求項は、これにより「発明を実施するための形態」に組み込まれ、それぞれの請求項は独立の実施形態として自立している。本発明の範囲は、付属の請求項の対象である等価物の全範囲とともに、付属の請求項を参照しつつ、決定されるべきである。
【0140】
本明細書で参照されるすべての刊行物、特許、および特許文書は、参照により個別に組み込まれるとしても、参照により全体として本明細書に組み込まれる。本明細書と参照によりこうして組み込まれたこれらの文書とで用語の使い方が食い違っている場合、組み込まれている参照文献の用語の使い方は、本明細書の用語の使い方を補足するものとみなすべきであり、相容れない食い違いについては、本明細書の用語の使い方が優先する。
【0141】
本明細書において、「1つの(「a」または「an」)」という言い方は、特許文書においてよくあるように、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」の他の任意の場合または使用とは無関係に、1つまたは複数であることを含むものとして使用される。本明細書では、「または[あるいは、もしくは]」という語句は、断りのない限り、非排他的であることを指し、したがって「Aまたは[あるいは、もしくは]B」は、「AであるがBでなく」、および「BであるがAでなく」、および「AかつB」を含む。付属の請求項における英文中の「including(含む、備える)」および「in which」という言葉は、「comprising(含む、備える)」および「wherein」のそれぞれの言葉と等価であるものとして使用される。また、請求項では、「including(含む、備える)」および「comprising(備える、含む)」という言葉は、制約がない、つまり、請求項中のそのような言葉の後に列挙されているものに加えて複数の要素を含むシステム、デバイス、物品、またはプロセスは、その請求項の範囲内にあるとみなされる。さらに、以下の請求項では、「first(第1の)」、「second(第2の)」、および「third(第3の)」などの言葉は、単に、ラベルとして使用され、その対象に対する数値的要件を課すことを意図していない。
【0142】
本明細書で説明されている方法実施形態のいくつかは、少なくとも一部は機械またはコンピュータで実装されうる。いくつかの実施形態は、上記の実施例で説明されている方法を実行するように電子デバイスを構成するように動作可能な命令で符号化されるコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コード、または同様のコードなどのコードを含みうる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータ・プログラム製品の一部をなすものとしてよい。さらに、コードは、実行時に、または他の時点において、1つまたは複数の揮発性または不揮発性コンピュータ可読媒体上に明示的に格納することができる。これらのコンピュータ可読媒体として、限定はしないが、ハード・ディスク、取外し可能磁気ディスク、取外し可能光ディスク(例えば、コンパクト・ディスクおよびデジタル・ビデオ・ディスク)、磁気カセット、メモリ・カードまたはスティック、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および同様のデバイスが挙げられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備え、前記涙管インプラントは、
インプラント・コアと、
前記インプラント・コアを収納できるサイズおよび形状を有するキャビティを備えるインプラント本体とを備え、
前記インプラント・コアおよび前記インプラント・キャビティのうちの少なくとも一方は別の検出器デバイスで前記涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された検出デバイスを備える装置。
【請求項2】
前記検出デバイスは、検出信号を前記検出デバイスに伝達するように構成された電波による個体識別(RFID)チップを備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記検出デバイスは、光を前記検出器デバイスに反射するように構成されたルミネッセンス材料を含む請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ルミネッセンス材料は、量子ドットを含む請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記検出デバイスは、超音波エネルギーを前記検出デバイスに反射するように構成された超音波反射材料を含む請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記検出デバイスは、外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料を含み、前記保持されている強磁性は、前記検出器デバイスによって検出可能である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記検出デバイスは、前記検出器デバイスによって検出可能な磁場を保持するための磁性材料を含み、前記磁性材料は、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記検出デバイスは、感知回路への前記涙管インプラントの近接により前記検出器デバイスの前記感知回路の特性インピーダンスの変化を引き起こすように構成された導電性材料を含む請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記検出デバイスは、前記涙管インプラントを目の一領域から光学的に弁別するように構成された前記インプラント・コアおよび前記インプラント・キャビティのうちの少なくとも1つの中に光学的コントラスト材料および色材のうちの少なくとも1つを含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記検出デバイスは、紫外線源による照射を受けたときに見える材料を含む請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記インプラント・コアは、徐放性眼用薬剤を含む請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記インプラント・コアは、前記薬剤を収納するシースを備え、前記検出デバイスは、前記シース内に配置される請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記インプラント本体の生体適合性材料は、眼内に持続放出するための薬剤を含む請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記涙管インプラントは、前記インプラント本体の外面上にポリマー・コーティングを備え、ポリマー・コーティングは、前記薬剤を含む請求項13に記載の装置。
【請求項15】
生体適合性材料の涙管インプラントを形成することと、
前記涙管インプラントの本体内にキャビティを形成することと、
眼内への薬剤の持続放出を行えるサイズを有し、眼内への薬剤の持続放出を行うように構成されたインプラント・コアを前記キャビティ内に備えることと、
前記インプラント・コアおよび前記インプラント・キャビティのうちの少なくとも一方の中に、別の検出器デバイスで前記涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された検出デバイスを備えることとを含む方法。
【請求項16】
検出デバイスを備えることは、
検出信号を前記検出器デバイスに伝達するように構成されたRFIDチップ、
前記検出器デバイスに光を反射するように構成されたルミネッセンス材料、
前記検出器デバイスに超音波エネルギーを反射するように構成された超音波反射材料、
外部磁場の印加および除去の後に前記検出器デバイスによって検出可能な強磁性を保持することができる強磁性材料、
前記検出器デバイスの感知回路の特性インピーダンスの変化を引き起こすように構成された導電性材料、
目の一領域から涙点プラグを光学的に弁別するように構成された光学的コントラスト材料、
前記目の一領域から前記涙管インプラントを光学的に弁別するための色材、および
紫外線源による照射を受けたときに見える材料のうちの少なくとも1つを備えることを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
検出デバイスを備えることは、前記ルミネッセンス材料を備えることを含み、前記ルミネッセンス材料は、量子ドットを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
検出デバイスを備えることは、前記強磁性材料を備えることを含み、前記強磁性材料は、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉のうちの少なくとも1つを含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
検出デバイスを備えることは、光を前記検出器デバイスに反射するように構成されたルミネッセンス材料を備えることを含み、前記方法は、
発光源を使用して前記涙管インプラントを第1の波長帯の入射光に晒すことと、
検出デバイスで第2の波長帯の光を検出し、前記受け取った光は前記涙管インプラントから反射されることと、
涙管インプラントの近接を示すのに十分な反射光が検出されたときに指示情報を出すこととを含む請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の波長帯は、青色スペクトルを含み、前記第2の波長帯は、緑色スペクトルを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記涙管インプラントを入射光に晒すことは、前記涙管インプラントを赤外線スペクトルの第1の波長帯の入射光に晒すことを含み、
光を検出することは、前記赤外線スペクトルの第2の波長帯の光を検出することを含む請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記指示情報を出すことは、可聴指示情報を出すことを含む請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記指示情報を出すことは、可視指示情報を出すことを含む請求項19に記載の方法。
【請求項24】
被検体の少なくとも1つの涙点内に、
インプラント本体の端部から前記インプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える、生体適合性材料の前記インプラント本体と、
前記インプラント本体の前記キャビティ内に担持された、インプラント・コアおよび前記インプラント・キャビティのうちの少なくとも一方は別の検出器デバイスによる前記涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された検出デバイスが入れられた、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成されたインプラント・コアと、
前記薬剤の持続放出を行うように構成されている、前記インプラント・コア内に配置された前記薬剤の供給源とを備える涙管インプラントを挿入することと、
前記別の検出器デバイスで前記涙管インプラントの前記検出デバイスを検出することとを含む眼疾患を治療する方法。
【請求項25】
前記薬剤は、緑内障疾患を治療するように構成される請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備え、前記涙管インプラントは、
前記涙管インプラントの検出を可能にするように、また前記涙管インプラントの少なくとも1つの属性を識別するように構成された検出デバイスを備える、生体適合性材料のインプラント本体を備える装置。
【請求項28】
前記検出デバイスは、属性情報を別の検出器デバイスに伝達するように構成された電波による個体識別(RFID)チップを備える請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記検出デバイスは、前記涙管インプラント内に色を含み、前記色は、前記涙管インプラントの属性を識別する請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記検出デバイスは、ルミネッセンス材料を含み、前記ルミネッセンス材料は、前記色を反射する請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記ルミネッセンス材料は、量子ドットを含む請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記検出デバイスは、紫外線源で見える材料を含み、前記検出デバイスは、前記紫外線源による照射を受けたときに前記属性を識別する請求項27に記載の装置。
【請求項33】
前記検出デバイスは、
前記涙管インプラントによって溶出可能な材料と、
前記属性が識別されるように材料が溶出される生体侵食性表面とを備える請求項27に記載の装置。
【請求項34】
前記涙管インプラントは、徐放性眼用薬剤を備え、前記涙管インプラントの前記属性は前記眼用薬剤の種類、前記眼用薬剤の用量、および前記眼用薬剤の放出が完了したときの指示情報のうちの少なくとも1つを含む請求項27に記載の装置。
【請求項35】
前記属性は、前記涙管インプラント・メーカー、前記涙管インプラント・メーカーのロット番号、前記涙管インプラントが埋設されたときの日付、前記インプラントの有効期限、前記涙管インプラントが埋設された場所の指示情報、医師を識別するための指示情報、および患者を識別するための指示情報のうちの少なくとも1つを含む請求項27に記載の装置。
【請求項36】
前記涙点プラグにインプラント本体が含まれる生体適合性材料の涙管インプラントを形成することと、
前記涙管インプラントの検出を可能にし、前記涙管インプラントの少なくとも1つの属性を識別するように構成された検出デバイスを、前記インプラント本体内に配置することとを含む方法。
【請求項37】
検出デバイスを配置することは、
属性情報を別の検出器デバイスに伝達するように構成されたRFIDチップ、
前記涙管インプラントの前記属性を識別する、前記涙管インプラント内の色、
前記属性を識別する色を反射するルミネッセンス材料、
紫外線源による照射を受けたときに前記属性が前記検出デバイスによって識別される、前記紫外線源で見える材料、
前記属性を識別する、前記涙管インプラントによって溶出可能な材料のうちの少なくとも1つを含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記涙管インプラント内に徐放性眼用薬剤を備えることを含み、前記検出デバイスは、前記眼用薬剤の種類、前記眼用薬剤の用量、および前記眼用薬剤の放出が完了したときの指示情報のうちの少なくとも1つの識別を可能にするように構成されている請求項36に記載の方法。
【請求項39】
検出デバイスは、前記涙管インプラント・メーカー、前記涙管インプラント・メーカーのロット番号、前記涙管インプラントが埋設されたときの日付、前記インプラントの有効期限、前記涙管インプラントが埋設された場所の指示情報、医師を識別するための指示情報、および患者を識別するための指示情報のうちの少なくとも1つの識別を可能にするように構成されている請求項36に記載の方法。
【請求項40】
被検体の少なくとも1つの涙点内に涙管インプラントを挿入することと、
前記涙管インプラントに含まれる検出デバイスを検出することと、
前記検出デバイスを介して前記涙管インプラントの少なくとも1つの属性を識別することとを含む眼疾患を治療する方法。
【請求項41】
検出デバイスを検出することは、前記涙管インプラント内に含まれるRFIDチップと通信することを含み、前記属性を識別することは、前記RFIDチップと別の検出器デバイスとの間で属性情報を伝達することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項42】
検出デバイスを検出することは、前記涙管インプラント内の色を検出することを含み、前記属性を識別することは、前記色を使用して前記属性を識別することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記涙管インプラント内の色を検出することは、前記涙管インプラント内に含まれるルミネッセンス材料によって反射された色を検出することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記涙管インプラント内の色を検出することは、前記涙管インプラント内に含まれる量子ドットによって反射された色を検出することを含む請求項42に記載の方法。
【請求項45】
検出デバイスを検出することは、紫外線源で見える前記涙管インプラント内の材料を検出することを含み、前記属性を識別することは、前記材料が前記紫外線源による照射を受けたときに前記属性を識別することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項46】
検出デバイスを検出することは、前記涙管インプラントによって溶出可能な材料を検出することを含み、前記涙管インプラントの前記属性を識別することは、前記溶出可能な材料から前記属性を識別することを含む請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記涙管インプラントは、徐放性眼用薬剤を備え、前記涙管インプラントの前記属性は前記眼用薬剤の種類、前記眼用薬剤の用量、および前記眼用薬剤の放出が完了したときの指示情報のうちの少なくとも1つを含む請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記属性を識別することは、前記涙管インプラント・メーカー、前記涙管インプラント・メーカーのロット番号、前記涙管インプラントが埋設されたときの日付、前記インプラントの有効期限、前記涙管インプラントが埋設された場所の指示情報、医師を識別するための指示情報、および患者を識別するための指示情報のうちの少なくとも1つを識別すること含む請求項40に記載の方法。
【請求項49】
涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントを備え、前記涙管インプラントは、
検出デバイスを収納するインプラント本体を備え、前記検出デバイスは、
外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料と、
別の超音波検出器デバイスによる前記涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された超音波反射材料と、
前記インプラント本体内に含まれる、前記涙管インプラント検出器デバイスと通信するように構成されている電波による個体識別(RFID)とを備える装置。
【請求項50】
前記検出デバイスは、強磁性材料を含み、前記強磁性材料は、マグネタイト、金属粉末、金属リング、およびカーボン粉のうちの少なくとも1つを含む請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記検出デバイスは、超音波反射材料を含み、前記超音波反射材料は、前記インプラント本体の生体適合性材料内に配置され、前記超音波反射材料は、超音波エネルギーを前記涙管インプラントに印加した後に前記インプラント本体に形状を変えさせるように構成される請求項49に記載の装置。
【請求項52】
前記超音波反射材料は、圧電材料を含む請求項51に記載の装置。
【請求項53】
眼内に持続放出するための薬剤は、前記インプラント本体内に配置される請求項49に記載の装置。
【請求項54】
被検体の少なくとも1つの涙点内に、
検出デバイスを収納するインプラント本体であって、前記検出デバイスは、
外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料、
別の超音波検出器デバイスによる前記涙管インプラントの自動検出を可能にするように構成された超音波反射材料、ならびに
前記インプラント本体内に含まれる、涙管インプラント検出器デバイスと通信するように構成されている電波による個体識別(RFID)のうちの少なくとも1つを備える、インプラント本体と、
前記薬剤の持続放出を行うように構成されている、前記インプラント・コア内に配置された前記薬剤の供給源とを備える涙管インプラントを挿入することと、
前記別の検出器デバイスで前記検出デバイスを検出することによって前記涙管インプラントを検出することとを含む、眼疾患を治療する方法。
【請求項55】
前記薬剤は、緑内障疾病を治療するように構成される請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を含む請求項54に記載の方法。
【請求項57】
入射光を涙管インプラントに送るための発光源と、
前記涙管インプラントのルミネッセンス材料から反射された指定波長帯の光を通すように構成されている光学フィルターと、
前記光学フィルターに通された光を受け取り、前記涙管インプラントの近接を示すのに十分な光を受け取ったときに応答電気信号を発生するように構成されている光検出デバイスと、
前記光検出デバイスに通信可能なように結合され、前記電気信号を受け取った後にプラグ検出のユーザ指示情報を出すインジケータとを備える検出システム。
【請求項58】
前記発光源は、第1の波長帯を有する入射光を放出し、前記ルミネッセンス材料は、第2の波長帯の前記入射光を反射する請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記発光源は、青色スペクトルの入射光を放出し、前記ルミネッセンス材料は、緑色スペクトルの前記入射光を反射する請求項57に記載のシステム。
【請求項60】
前記発光源は、赤外線スペクトルの第1の波長帯の入射光を放出し、前記ルミネッセンス材料は、前記赤外線スペクトルの異なる第2の波長帯の前記入射光を反射する請求項57に記載のシステム。
【請求項61】
前記インジケータは、プラグ検出の可視指示情報を出す請求項57に記載のシステム。
【請求項62】
前記インジケータは、プラグ検出の可聴指示情報を出す請求項57に記載のシステム。
【請求項63】
外部磁場の印加および除去の後も強磁性を保持することができる強磁性材料を入れた生体適合性材料のインプラント本体を備える、涙点内に少なくとも部分的に挿入可能な涙管インプラントと、
涙管インプラント検出器デバイスであって、
磁場検出器回路と、
前記磁場検出器回路に通信可能なように結合され、前記涙管インプラントの磁場の検出後に指示情報を出すように構成されているインジケータ・デバイスとを備える、涙管インプラント検出器デバイスとを備える検出システム。
【請求項64】
前記磁場検出回路は、ホール効果センサを備える請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記磁場検出回路は、前記磁場検出回路に通信可能なように結合されている、前記ホール効果センサの出力の電圧が第1の閾値を超えたときに前記インジケータ・デバイスに電気信号を供給する比較回路を備える請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記比較回路は、前記ホール効果センサの出力の電圧が前記第1の閾値を超えても第2の閾値より小さいときに前記インジケータ・デバイスに前記電気信号を供給する請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記インジケータ・デバイスは、可聴指示情報を出す請求項63に記載のシステム。
【請求項68】
前記インジケータ・デバイスは、可視指示情報を出す請求項63に記載のシステム。
【請求項69】
前記涙管インプラント検出器デバイスは、近位端部と遠位端部を備える細長いハウジングを備え、前記磁場検出回路は、前記近位端部に、または前記近位端部の近くに配列されている磁場センサを備える請求項63に記載のシステム。
【請求項70】
前記インジケータ・デバイスは、可視指示情報を出し、前記磁場センサから遠位の地点にある請求項69に記載のシステム。
【請求項71】
前記涙管インプラント検出デバイスは、被検体の目にフィットする形状のハウジングを備える請求項63に記載のシステム。
【請求項72】
生体適合性材料の涙管インプラントを形成することと、
前記涙管インプラント内に強磁性材料を備えることと、
磁場に晒されなくなったときに前記涙管インプラントが強磁性を示すように前記磁場に前記涙管インプラントを晒すこととを含む方法。
【請求項73】
涙管インプラントを形成することは、前記生体適合性材料のインプラント本体を形成することを含み、前記涙管インプラント内に強磁性材料を備えることは、前記インプラント本体の前記生体適合性材料内に前記強磁性材料を配置することを含む請求項72に記載の方法。
【請求項74】
涙管インプラントを形成することは、
前記涙管インプラントの本体内にキャビティを形成することと、
目に持続放出するのに十分な量だけ薬剤を供給できるサイズおよび形状を有するインプラント・コアを前記キャビティ内に備えることとを含み、
前記涙管インプラント内に強磁性材料を備えることは、前記涙管インプラントの前記インプラント・コア内に強磁性材料を備えることを含む請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記薬剤を収納するためのシースとともに前記インプラント・コアを形成することを含み、前記インプラント・コア内に強磁性材料を備えることは、前記シース内に前記強磁性材料を配置することを含む請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記涙管インプラント内に強磁性材料を備えることは、前記涙管インプラント内にマグネタイトを備えることを含む請求項72に記載の方法。
【請求項77】
被検体の少なくとも1つの涙点内に、
外部磁場の印加および除去の後に強磁性を保持することができる強磁性材料を含む、生体適合性材料のインプラント本体と、
前記インプラント本体の端部から前記インプラント本体内へ内向きに延在する前記インプラント本体内のキャビティと、
目に持続放出するのに十分な量だけ薬剤を供給できるサイズおよび形状を有する、前記キャビティ内のインプラント・コアと、
前記薬剤の持続放出を行うように構成されている、前記インプラント・コア内に配置された前記薬剤の供給源とを備える涙管インプラントを挿入することと、
涙管インプラント検出器デバイスで前記涙管インプラントの前記強磁性を検出することとを含む眼疾患を治療する方法。
【請求項78】
前記薬剤は、緑内障疾病を治療するように構成される請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を含む請求項78に記載の方法。
【請求項80】
涙点内に挿入可能な涙管インプラントであって、
生体適合性材料のインプラント本体と、
前記インプラント本体内の導電性材料とを備える涙管インプラントと、
涙管インプラント検出器デバイスであって、
特性インピーダンスを有する感知回路と、
前記感知回路への前記涙管インプラントの近接により生じる前記特性インピーダンスの変化を検出するように構成されている検出器回路と、
前記検出器回路に通信可能なように結合され、前記特性インピーダンスの前記変化の検出後に指示情報を出すように構成されているインジケータ・デバイスとを備える涙管インプラント検出器デバイスとを備える検出システム。
【請求項81】
前記導電性材料は、前記インプラント本体の前記生体適合性材料内に配置されている導電性粒子を含む請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記涙管インプラントは、徐放性眼用薬剤を備えるインプラント・コアを備え、前記インプラント本体は、前記インプラント本体の端部から前記インプラント本体内へ内向きに延在するキャビティとを備え、前記キャビティは、前記インプラント・コアを収容できるサイズおよび形状を有し、前記導電性材料は、前記インプラント・コア内に配置される請求項80に記載のシステム。
【請求項83】
前記インプラント・コアは、前記薬剤を収納するシースを備え、前記導電性材料は、前記シース内に配置される請求項82に記載のシステム。
【請求項84】
前記導電性材料は、鋼鉄、銀、金、およびアルミニウムのうちの少なくとも1つを含む請求項80に記載のシステム。
【請求項85】
前記感知回路は、前記特性インピーダンスに基づく固有応答周波数を有し、前記検出器回路は、前記固有応答周波数のシフトから前記特性インピーダンスの前記変化を検出する請求項80に記載のシステム。
【請求項86】
前記特性インピーダンスは、特性インダクタンスを含み、前記検出器回路は、前記感知回路への前記涙管インプラントの近接により生じる前記特性インダクタンスの変化を検出するように構成されている請求項80に記載のシステム。
【請求項87】
前記特性インピーダンスは、特性キャパシタンスを含み、前記検出器回路は、前記感知回路への前記涙管インプラントの近接により生じる前記特性キャパシタンスの変化を検出するように構成されている請求項80に記載のシステム。
【請求項88】
眼内に持続放出するための薬剤は、前記インプラント本体内に配置される請求項80に記載のシステム。
【請求項89】
涙管インプラントを備えることと、
前記涙管インプラントの近接により生じる感知回路の特性インピーダンスの変化を検出することによって、前記涙管インプラントと接触することなく、前記涙管インプラントを検出することと、
前記涙管インプラントがユーザまたは自動化プロセスに検出されたかどうかに関する情報を供給することとを含む方法。
【請求項90】
前記特性インピーダンスの前記変化を検出することは、前記感知回路の固有応答周波数のシフトを検出することを含む請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記涙管インプラントを備えることは、生体適合性材料と前記生体適合性材料内に配置された導電性材料とを入れた前記涙管インプラントを備えることを含む請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記涙管インプラントを備えることは、
前記インプラント本体の端部から前記インプラント本体内へ内向きに延在する、前記涙管インプラントの本体内のキャビティと、
薬剤の持続放出を行えるサイズを有し、薬剤の持続放出を行うように構成された、前記キャビティ内のインプラント・コアとを備える涙管インプラントを備えることを含み、
前記インプラント・コアは、導電性材料を含む請求項89に記載の方法。
【請求項93】
前記薬剤を収納するためのシースとともに前記インプラント・コアを備えることと、前記導電性材料を前記シースに入れることとを含む請求項92に記載の方法。
【請求項94】
被検体の少なくとも1つの涙点内に、
インプラント本体の端部からインプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える、生体適合性材料のインプラント本体と、
眼内への薬剤の持続放出を行えるサイズを有し、眼内への薬剤の持続放出を行うように構成された、前記インプラント本体の前記キャビティ内に担持されるインプラント・コアと、
前記薬剤の持続放出を行うように構成されている、前記インプラント・コア内に配置された前記薬剤の供給源と、
前記インプラント本体内の導電性材料とを備える涙管インプラントを挿入することと、
感知回路への前記涙管インプラントの近接により生じる前記感知回路の特性インピーダンスの変化を検出することによって前記涙管インプラントを検出することとを含む眼疾患を治療する方法。
【請求項95】
前記薬剤は、緑内障疾病を治療するように構成される請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を含む請求項95に記載の方法。
【請求項97】
画像センサと、
画像コントラスト閾値によって画像の他の領域内の画像コントラストを超える画像コントラストを有する画像部分の配置を検出し、前記画像内に涙管インプラントの一部の画像が含まれるかどうかの指示情報を出すように構成されている画像分析器回路とを備える検出システム。
【請求項98】
前記画像センサは、カメラに備えられているデジタル画像センサを含む請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
赤外線発光体を備え、前記画像センサは、赤外線画像センサを備える請求項97に記載のシステム。
【請求項100】
被検体の少なくとも1つの涙点内に、
インプラント本体の端部から前記インプラント本体内へ内向きに延在するキャビティを備える、生体適合性材料の前記インプラント本体と、
前記インプラント本体キャビティがインプラント・コアを収容できるサイズおよび形状を有している、目の一領域から前記涙管インプラントを光学的に弁別するための光学的コントラスト材料を備える、眼内に薬剤を持続放出できるサイズを有し、眼内に薬剤を持続放出するように構成されたインプラント・コアと、
前記薬剤の持続放出を行うように構成されている、前記インプラント・コア内に配置された前記薬剤の供給源とを備える涙管インプラントを挿入することと、
前記被検体の涙点領域の画像を得ることと、
前記画像の他の領域内の前記画像コントラストを超える画像コントラストを有する画像部分の配置を検出することによって前記涙管インプラントを検出することとを含む眼疾患を治療する方法。
【請求項101】
前記薬剤は、緑内障疾病を治療するように構成される請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記緑内障疾患は、高眼圧症または原発性開放隅角緑内障のうちの少なくとも一方を含む請求項101に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図28A】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2010−537777(P2010−537777A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−524053(P2010−524053)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/010502
【国際公開番号】WO2009/035571
【国際公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
2.テフロン
【出願人】(508291478)キューエルティー プラグ デリバリー,インク. (11)
【氏名又は名称原語表記】QLT PLUG DELIVERY,INC.
【Fターム(参考)】