説明

液々抽出方法

【課題】大流量の液々抽出を、運転範囲が広く効率的で簡易な方法により実施する方法、特に、高純度テレフタル酸を製造する装置から発生する50t/hrを超える廃水からの
有用成分を抽出する場合において有用になる方法を提供する。
【解決手段】廃水と廃水から目的とする成分を抽出するための抽出剤とを、それらを混合する構造をもった配管に流して混合した後、混合液を重力を利用して減速しながら容器に供給し、静置して液々分離することを特徴とする液々抽出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば50t/hrを越えるような大流量の廃水から、目的とする成分を液々抽出する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
廃水中の有用物は、濃度が薄い場合、回収の経済性が悪いため、通常は活性汚泥法で処理して捨てられている。例えば、高純度テレフタル酸を製造する装置から発生する廃水中には、大量の反応中間生成物であるパラトルイル酸が含まれるが、濃度が薄いため、通常は活性汚泥法で処理されている。
【0003】
しかし、活性汚泥法による処理では、有用物の損失となるばかりでなく、運転するために電気等の大量のエネルギーを消費する。また、悪臭の原因にもなる。テレフタル酸を製造する装置のように大型化が進み、廃水量が大量になってくると、地球環境のみならず経済性の観点からも、廃水からの有用物の除去および回収が必要となる。
【0004】
廃水中の有用物を回収する方法として、例えば、テレフタル酸を製造する装置から発生する廃水中に含まれるパラトルイル酸をパラキシレンで抽出する方法が、特許第2899927号公報に開示されている。この方法は、抽出剤としてテレフタル酸の原料であるパラキシレンを使用するため、抽出剤の再生工程が不要で優れた方法であるが、通常の抽出装置では、装置費用が高く経済性が低下する。
【特許文献1】特許第2899927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
廃水から有用物を抽出する手法は良く知られている。例えば、化学工学便覧改定5版(化学工学会編)の11.5章に種々の方法が記載されている。
しかしながら、例えば、前記便覧の11.5.1章に記載のミキサーセトラー抽出器は、多段抽出とする場合は、装置が複雑となり高価なものとなる。このため、多段の場合は塔型の抽出装置が用いられるが、例えば、前記便覧の11.5.2章に記載の向流微分型抽出搭は、構造が単純なものは偏流が発生するため、大型化が困難であり工業的には滅多に採用されない。これをさけるため脈動式等にすると、偏流を抑えることはできるが、構造が複雑となり高価となる。また、前記便覧の11.5.3章に記載の非攪拌式段型抽出搭は、構造は単純であるが、運転範囲がせまく操作に柔軟性がない。これを改良するために、前記便覧の11.5.4章に記載の攪拌式段型抽出搭等が考案されているが、装置が複雑化し高価なものとなる。このように、塔型のものは、偏流をさけ、運転範囲を広く取ろうとすると複雑化し高価なものとなる。
【0006】
効率が高く安価の抽出装置があれば、廃水等に含まれる希薄有用物を回収できるだけでなく、廃水を精製することにもつながり水の再利用も可能となってくる。
しかしながら、特許第2899927号公報(特許文献1)に開示されている、テレフタル酸を製造する装置から発生する廃水中に含まれるパラトルイル酸をパラキシレンで抽出する方法は、安価な抽出装置がなく商業的に実施するのを困難としている。
【0007】
したがって、本発明は、大流量の液々抽出を、運転範囲が広く効率的で簡易な方法により実施する方法を提供すること、特に、産業上重要である高純度テレフタル酸を製造する装置から発生する50t/hrを超える廃水からの有用成分を抽出する場合に好適な方法
を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、従来の抽出操作と同じく混合して静置分離するという操作からなるが、大流量の廃水を処理するのに適した抽出方法を提供する。
すなわち、本発明は、廃水と廃水から目的とする成分を抽出するための抽出剤とを、それらを混合する構造をもった配管に流して混合した後、混合液を重力を利用して減速させながら容器に供給し、静置して液々分離することを特徴とする液々抽出方法に関する。前記混合液は、重力を利用して減速させながら容器の下部から供給することが好ましい。
【0009】
また、本発明は、廃水と廃水から目的とする成分を抽出するための抽出剤とを、それらを混合する構造をもった配管に流して混合した後、混合液を容器の下部から供給し、静置して液々分離することを特徴とする液々抽出方法に関する。
【0010】
前記配管としては、スタティックミキサーが好適である。また、前記配管を上下方向に配置し、軽液が分散相である場合は流れを上から下にし、重液が分散相である場合は流れを下から上にすることが好ましい。ここで、軽液とは混合する液のうち密度の小さいものを意味し、通常は有機液であり、重液とは混合する液のうち密度の大きいものを意味し、通常は水である。
【0011】
混合液の流入速度を減速させる方法としては、容器の下部に重力を利用し減速させるように供給する方法が、静置分離する容器内の流れを乱さないため好ましい。重力による減速の方法としては、容器下部より重力に逆らう方向に入れてもよいし、容器底面に向かい供給し容器底面で反転させたのち重力を利用し減速させてもよい。いずれの方法をとるにせよ、流動状態のコンピュータ解析により、流入速度が容器内の乱れを伴わず短期間に減速されていることを確認することが望ましい。
【0012】
また、本発明は、前記容器が加圧下にあり、容器の圧力を用いて廃水および抽出剤を各々抜き出すことを特徴とする液々抽出方法や、前記容器が満水状態であり、気相と液相間の液面コントロール装置および圧力コントロール装置を有しないことを特徴とする液々抽出方法を提供する。
【0013】
前記容器に流入する廃水量または抽出剤量に基づいてカスケード制御された流量コントロールによって、静置分離後の廃水および抽出剤を各々抜き出すことが好ましい。
また、本発明は、前記容器が容器の高さの10〜70%の高さを有する仕切り板を具備し、前記混合液を供給した側と反対側の下部より液々分離した重液(水相)を抜き出し、前記混合液を供給した側と反対側の上部より液々分離した軽液(有機相)を抜き出すことを特徴とする液々抽出方法を提供する。
【0014】
上記液々抽出方法を二段以上組合わせて多段抽出とすることも可能である。また、上記液々抽出方法における廃水として、テレフタル酸プラントからの廃水を使用することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、大流量の液々抽出を、運転範囲が広く効率的で簡易な方法により実施する方法を提供する。
本発明は、従来、流量は多いが濃度が薄いため回収の経済性が低く廃水として捨てられていた、例えば、高純度テレフタル酸を製造する装置から発生する50t/hrを超える
廃水から有用成分を抽出して廃水の再利用を実施する場合において特に有用になる方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、例えば、抽料(溶剤抽出にかけようとする原料、具体的には廃水)と抽出剤とを、流れが混合する構造を持つ配管に流して混合した後、満水かつ加圧下にある静置分離器の下部へ供給し、抽料または抽出剤の流量を基準に、加圧下にある静置分離器の圧力を用いて抽料および抽出剤を抜き出すことにより、大流量を処理するのに適した液々抽出方法を提供することができる。
【0017】
抽料と抽出剤の混合は、通常のミキサーセトラー抽出器では攪拌機が用いられるが、多段抽出の場合は、いくつもの高価な攪拌装置および攪拌容器が必要となり経済的ではない。また、塔型で機械的攪拌装置のないものは混合が不十分で抽出効率が悪い。本発明では、流れが混合する構造を持つ配管を用いることにより、簡易な装置で混合を効率よく完了させることを特徴とする。
【0018】
流れが混合する構造を持つ配管としては、例えば、スタティックミキサーと呼ばれる静止型混合器がある。スタティックミキサーを用いて抽出操作を行うことは知られているが、多段抽出を実施する場合は、スタティックミキサーでの圧力損失のためポンプが各段で必要となる。本発明では、静置分離器を加圧とすることにより、液の抜き出しをポンプではなく圧力を利用して行うことにより、ポンプが各段に必要となる課題を解決することを特徴とする。また、本発明は、静置分離器を満水とすることにより、加圧のための圧力コントロール装置が追加になるという課題を解決することを特徴とする。
【0019】
従来の界面と気相をもつ静置分離器の場合、二基の液面コントロール装置が必要となる。また、液面コントロールとするため、静置分離器の滞留時間が、本来の液々分離に必要な時間よりも長くなる。本発明では、供給した抽料または抽出剤の流量を基準に抜き出すことにより、二液間の界面の液面コントロール装置を不要とすることを特徴とする。さらに、本発明では、静置分離器を満水とすることにより、気液界面での液面コントロール装置を不要とすることを特徴とする。
【0020】
このように液面コントロールを不要にすることにより、本発明では、液面コントロールのために必要な滞留時間ではなく、本来の液々分離のために必要な時間のみの静置分離器とすることができることも特徴である。液面コントロールをするためには、通常10分を超える液の滞留時間が必要となる。本発明を用いて液面コントロールを不要とすれば、たとえば、液々分離が容易なパラキシレンと水系の場合、流れがなければ1分以内に分離できるため、静置分離器の大きさは、流れを減速させる時間のみでよいことになる。
【0021】
具体的には、流入量と容器出の流量をカスケード制御することにより達成される。例えば、抽出剤がパラキシレン、抽料が廃水の場合、供給したパラキシレンの流量と同じ値を、静置分離器からのパラキシレンの抜き出し量としてカスケード制御で抜き出し、廃水は容器が満水となるように抜き出せばよい。廃水は重液であるため、抜き出し配管を容器より高い位置まであげるシール操作を行えば、容器が満水となるように抜き出せる。
【0022】
廃水を流量制御する場合は、供給した廃水の流量と同じ値を、静置分離器からの廃水の抜き出し量としてカスケード制御で抜き出し、パラキシレンは容器の上部よりオーバーフローで抜き出せば容器が満水となるように抜き出せる。入りの流量と出の流量が、まったく同じではないので、パラキシレンの中に廃水が、廃水の中にパラキシレンが入らないように微調整する必要があるが、一度調整すれば後は混入なく安定的に抜き出すことができる。
【0023】
本発明では、静置分離器の下部より混合後の液を供給することにより、重力を利用して供給速度を減速させ、静置分離器の最小化を図ることを特徴とする。さらには、供給速度
を減速するために供給配管の内部に充填物を入れてもよいが、大型装置の場合は、供給配管の断面積を上げるため、十分な径をもった配管を用いる及び/又は複数の本数で供給する等の手段をとり供給速度を落とす等の手段を併用してもよい。
【0024】
さらに、本発明は、静置分離器の下部より供給し、供給口と重液の出口との間に仕切り板を設けることにより、完全に重液の流れの方向を反転させ、分離経路時間を最大化することを特徴とする。仕切り板の高さは、容器の高さの10〜70%であることが好ましい。このように、下部より混合液を供給することは、重力だけでなく慣性力も利用することができることから、軽液に比べ重液の流量が多く、重液の流速が分離を支配する場合、特に有用になる。なお、本発明における軽液とは、混合する液のうち密度の小さいものを意味し、通常は有機液であり、重液とは混合する液のうち密度の大きいものを意味し、通常は水である。
【0025】
本発明では、以上のように単純な構造をもつ配管によって混合を行い、特殊な構造をもたない静置分離器を用いるため、広い運転範囲で安定した抽出操作ができる。運転範囲の下限は、流速が落ちるため配管での混合が不十分になる点であるが、配管を上下方向に配置し、好ましくは垂直にし、流れを、軽液が分散相である場合は上から下に、重液が分散相である場合は下から上にすることにより運転範囲を広くすることができる。運転範囲の上限は、静置分離器の分離能力によるが、静置分離器での液々分離の時間ではなく静置分離器内で流速を落とす時間が先に限界点になるため、静置分離器へ供給する配管の径を太くする及び/又は複数の本数で供給する等の簡単な手段により運転範囲を広くすることができる。なお、運転範囲とは軽液および重液の流量範囲のことを意味し、運転範囲の上限および下限とはそれぞれの最大流量および最小流量を意味する。
【0026】
本発明は、例えば、テレフタル酸製造時の廃水処理に適用することができる。その例を、以下に述べる。
酢酸溶媒下、触媒としてコバルト化合物、マンガン化合物および臭素化合物を用いて、反応圧力0.4〜5MPa−G、反応温度160〜260℃において、パラキシレンを空気で酸化し、粗テレフタル酸を製造する。この粗テレフタル酸中の主要な不純物は、酸化中間体である4−カルボキシベンズアルデヒド500〜5000重量ppmおよびパラトルイル酸100〜1000重量ppmである。
【0027】
このようにして得られた粗テレフタル酸を、5MPa−G以上、好ましくは7〜9MPa−Gの圧力下で、温度を225℃以上、好ましくは250〜310℃に昇温することにより水に溶解する。このとき水中のテレフタル酸濃度が10〜40重量%、好ましくは20〜35重量%となるように調整する。
【0028】
続いて、水素の存在下で触媒、例えばパラジウムと接触させ、粗テレフタル酸中の主要不純物である酸化中間体4−カルボキシベンズアルデヒドを、晶析で除去しやすいパラトルイル酸に還元した後、1段または多段、好ましくは3段〜7段で減圧により晶析した後、固液分離し高純度テレフタル酸を得る。
【0029】
このような高純度テレフタル酸の製造工程において発生する廃水と、抽出剤としてパラキシレンとを、0.15MPa−G以上、好ましくは0.3〜1.0MPa−Gに昇圧し、スタティックミキサーに流し混合する。混合する割合は、廃水100重量部に対してパ
ラキシレンは5〜70重量部、好ましくは10〜40重量部である。スタティックミキサー内で反転させる回数は、2回以上30回以下、好ましくは5回以上15回以下である。
【0030】
この後、スタティックミキサーからの混合液を、0.1MPa−G以上、好ましくは0.25〜9.95MPa−Gの加圧下で、中心部に仕切り板を具備する静置分離器の仕切
り板で仕切られた一方の側の下部より供給し、パラキシレンと廃水とを分離する。分離したパラキシレンを、供給したパラキシレンの量と同量で、流量コントロールにより、静置分離器の他方の側の上部より抜き出し、下部より廃水を抜き出す。抜き出した廃水を、再びスタティックミキサーによりパラキシレンと混合し、0.05MPa−G以上、好ましくは0.2〜9.9MPa−Gの加圧下で、中心部に仕切り板を具備する静置分離器の仕切り板で仕切られた一方の側の下部より供給し、パラキシレンと廃水を分離する。
【0031】
こうして2度パラキシレンにより不純物が抽出された廃水を、スチームストリッピングすることにより混入および溶解部分のパラキシレンを除去・回収した後、粗テレフタル酸を精製するための水として再利用する。廃水の種類によっては、パラキシレンで抽出したのみでは、製品である高純度テレフタル酸の品質に悪影響を与える不純物が除去できない場合がある。この場合は、これらの不純物は微量であるため、活性炭や膜分離等により除去した後、粗テレフタル酸を精製するための水として再利用する。また、分離機の上部より抜き出したパラキシレンは、粗テレフタル酸を製造するための原料として使用する。
【0032】
[実施例]
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0033】
〔実施例1〕
図1は、本発明の一態様を示す説明図である。テレフタル酸プラント1からの廃水は、廃水排出路S1を流れてポンプ6により0.6MPa−Gまで昇圧され、供給路S5からのパラキシレンとスタティックミキサー2で混合した。供給路S5からのパラキシレンは、供給路S3を流れてポンプ7により0.7MPa−Gまで昇圧された後、流量調節器10により廃水4重量部に対して1重量部となるように流量を調整した。スタティックミキサー2は、ノリタケ社製であり、流れの反転用エレメント数は12、滞留時間は15秒である。
【0034】
スタティックミキサー2で混合した液は、供給路S6を流れて静置分離器3の下部から供給した。液々分離後のパラキシレンは、出口路S7を流れ、流量調節器8により流量調節されて抜き出され、返送路S8からテレフタル酸プラント1に送られ、テレフタル酸の原料として使用した。流量調節器8は、流量調節器10の流量と同じとなるようにカスケードコントロールした。静置分離器3の圧力は、0.55MPa−Gであり、滞留時間は3分とした。
【0035】
液々分離後の廃水は、静置分離器3の下部から出口路S9を流れて、供給路S11からのパラキシレンとスタティックミキサー4で混合した。出口路S9は、静置分離器3が満水となるように配管位置を静置分離器3より一旦高くしている。供給路S11からのパラキシレンは、供給路S3を流れてポンプ7により0.7MPa−Gまで昇圧された後、流量調節器11により廃水4重量部に対して1重量部となるよう流量を調整した。スタティックミキサー4は、ノリタケ社製で、流れの反転用エレメント数は12であり、滞留時間は15秒である。
【0036】
スタティックミキサー4で混合された液は、供給路S12を流れて静置分離器5の下部から供給した。液々分離後のパラキシレンは、出口路S13を流れて流量調節器9により流量調節されて抜き出され、返送路S14からテレフタル酸プラント1に送られ、テレフタル酸の原料として使用した。流量調節器9は、流量調節器11の流量と同じとなるようにカスケードコントロールした。静置分離器5の圧力は、0.5MPa−Gであり、滞留時間は3分とした。
【0037】
静置分離器5の下部の出口路S15から抜き出した廃水は、スチームストリッピングして残留したパラキシレンを除去回収した後、パラキシレンでは除去できなかった不純物をRO膜で取り除いた後、テレフタル酸プラント1で、粗テレフタル酸を精製するための水として再利用した。出口路S15は、静置分離器5が満水となるように配管位置を静置分離器5より一旦高くしている。
【0038】
以上のように、特殊な攪拌装置または充填物を用いることなく、滞留時間合計6分30秒という極めて小さい装置で、テレフタル酸プラント1の廃水中に含まれるパラトルイル酸を90重量%回収することができた。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一態様を示した説明図である。
【符号の説明】
【0040】
1 テレフタル酸プラント
2 スタティックミキサー
3 静置分離器
4 スタティックミキサー
5 静置分離器
6 ポンプ
7 ポンプ
8 流量調節器
9 流量調節器
10 流量調節器
11 流量調節器
S1 テレフタル酸プラント廃水排出路
S2 廃水第一段スタティックミキサー供給路
S3 パラキシレン供給路
S4 パラキシレン第一段スタティックミキサー流量コントロール計供給路
S5 パラキシレン第一段スタティックミキサー供給路
S6 第一段静置分離器供給路
S7 第一段静置分離器パラキシレン出口路
S8 第一段静置分離器パラキシレン返送路
S9 第一段静置分離器廃水出口路
S10 パラキシレン第ニ段スタティックミキサー流量コントロール計供給路
S11 パラキシレン第ニ段スタティックミキサー供給路
S12 第ニ段静置分離器供給路
S13 第ニ段静置分離器パラキシレン出口路
S14 第ニ段静置分離器パラキシレン返送路
S15 第ニ段静置分離器廃水出口路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃水と廃水から目的とする成分を抽出するための抽出剤とを、それらを混合する構造をもった配管に流して混合した後、混合液を重力を利用して減速させながら容器に供給し、静置して液々分離することを特徴とする液々抽出方法。
【請求項2】
前記混合液を重力を利用して減速させながら容器の下部から供給することを特徴とする請求項1に記載の液々抽出方法。
【請求項3】
廃水と廃水から目的とする成分を抽出するための抽出剤とを、それらを混合する構造をもった配管に流して混合した後、混合液を容器の下部から供給し、静置して液々分離することを特徴とする液々抽出方法。
【請求項4】
前記配管がスタティックミキサーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液々抽出方法。
【請求項5】
前記配管を上下方向に配置し、軽液が分散相である場合は流れを上から下にし、重液が分散相である場合は流れを下から上にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液々抽出方法。
【請求項6】
前記容器が加圧下にあり、容器の圧力を用いて廃水および抽出剤を抜き出すことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液々抽出方法。
【請求項7】
前記容器が満水状態であり、気相と液相間の液面コントロール装置および圧力コントロール装置を有しないことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液々抽出方法。
【請求項8】
前記容器に流入する廃水量または抽出剤量に基づいてカスケード制御された流量コントロールによって、静置分離後の廃水および抽出剤を各々抜き出すことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液々抽出方法
【請求項9】
前記容器が容器の高さの10〜70%の高さを有する仕切り板を具備し、前記混合液を供給した側と反対側の下部より液々分離した重液を抜き出し、前記混合液を供給した側と反対側の上部より液々分離した軽液を抜き出すことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液々抽出方法。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の液々抽出方法を二段以上組合わせて多段抽出とすることを特徴とする液々抽出方法。
【請求項11】
前記廃水がテレフタル酸プラントからの廃水であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の液々抽出方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−218474(P2006−218474A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−368266(P2005−368266)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【Fターム(参考)】