説明

液体に敏感な接着剤被覆を持つラベル、このようなラベルの使用、液体に敏感な接着剤被覆を持つラベルを自動的に取付ける方法、及びラベル紙を製造する方法

本発明は、液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルを提案し、接着剤被覆が、液体で活性化可能な天然の生体高分子及びその誘導体及び/又は合成高分子に基いている。更にこのようなラベルの使用、ラベルを容器の自動的に取付ける方法、及びラベル紙を製造する方法が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に敏感な接着剤被覆を持つラベル、このようなラベルの使用、液体に敏感な接着剤被覆を持つラベルを自動的に取付ける方法、及びラベル紙を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
容器特にびんにラベルを取付ける際、湿式貼付技術は依然として最も安価な取付け可能性である。それに対して責任あるのは、一方ではラベル及び接着に使用される材料であり、他方では最高出力範囲まで最大に可能な効率のために機械技術が利用可能である。即ち装置は1時間当たり60,000枚のラベルの出力に達する。
【0003】
“Handbuch der Etikettiertechnik−Grundlagen und Praxis erfolgreicher Produktausstattung”,6.Auflage 2001,Seiten 173 bis 1

ssetikettierung”には、湿式貼付が記載されている。
【0004】
この湿式貼付では、一般に紙から成りかつ裏側に接着剤被覆を持たないラベルが使用される。ラベルを容器に取付けるため、水をベースとする接着剤が使用される。この種の接着剤は、比較的低い温度で処理されるので、冷間接着技術ともいう。
【0005】
文献に記載されている湿式ラベル貼付において、固定ラベルマガジン及び振動パレットを持つ装置と、揺動可能なラベルマガジンを持つ装置とが、原理により区別される。固定ラベルマガジン及び振動パレットを持つ装置では、接着剤が接着剤ローラに塗布され、多数のパレットを持つパレット回転体が接着剤ローラのそばを通過する。パレットは接着剤を塗られる。それぞれのパレットは、パレットマガジンから送出されるラベル紙の裏側を転がり、ラベルをマガジンから引出す。それぞれのパレットに付着するラベルは捕捉シリンダへ供給され、今やラベルの接着剤を塗られた側とは反対の側で捕捉シリンダに当接するラベルは、捕捉シリンダにより更に送られる。捕捉シリンダは,多くのびんを収容するびんテーブルの範囲に設けられている。びんテーブルの回転の際、びんは捕捉シリンダのそばを通され、びんは接着剤を塗られたラベルに沿って転がるので、ラベルがびんに付着する。
【0006】
上述したラベル貼付は、装置の互いに共同作用する種々の部材のため、構造上費用がかかり、特に1時間毎に約60,000枚の望ましい高い生産能力では、プロセスにより制御するのは困難である。方法の複雑さは、ラベル貼付プロセスにおいてまず接着剤をラベルに塗布せねばならないことによっても生じる。
【0007】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第3504164号明細書には、容器等にラベルを設ける方法及び装置が記載されている。ラベルはその裏側に接着剤から成る全面被覆を持ち、水で湿らせる際活性化される。接着剤は、それがびんのプラスチック表面に強い永続的な付着を可能にするように、構成されている。しかしラベルの分離又はラベル積層体からの取出しは、普通の冷間接着剤を使用して接着により、従って被覆されず接着剤のないラベルにおいてのみ実用化されるようなやり方で行われる。部分的に二重接着剤塗布を生じるこれらの手段により、被覆されないラベルにおいて普通であるように、活性化可能なラベルも同じ大きさの出力及び正確さで処理可能であるようにされる。その際活性化可能な接着剤被覆の利点は完全に維持されるようにする。冷間接着剤の塗布は、ラベル容器との良好な初期付着のために充分なので、接着剤被覆の活性化は、容器へのラベルの当接前、当接中又は当接後のいかなる時点にも行うことができる。使用される装置は、前述した意味で構成され、従ってパレットを持つパレット回転体、捕捉シリンダ、及び多数のびんを持ちかつ回転するびんテーブルを持っている。パレットによりラベルが、互いに反対側の列範囲に、2つの冷間接着剤条片を付加的に設けられる。捕捉シリンダの前にあるびんテーブルの環状範囲に吹付け装置が設けられ、びんのラベルを貼付される範囲が、吹付け装置のそばを通過する際、水で濡らされる。
【0008】
この刊行物に記載の上述した方法及び方法を実施するための装置は、二重塗布及びこれに関連して必要な装置の構成のため、費用がかかる。
【0009】
ドイツ連邦共和国特許出願公開第1586400号明細書から公知のラベル貼付装置では、既に接着剤を塗布されているラベルを使用し、水をかけることによりこの塗布接着剤を粘着性にすることが提案されている。水の供給装置を圧力なしに構成することが提案され、塗布ヘッドのそばを通過するラベルが、有効になる付着力のため必要な水量を吸収する。
【0010】
容器にラベルを取付ける方法及び装置は、更にドイツ連邦共和国特許第4105524号明細書から公知である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、ラベル貼付の最高出力範囲における使用に適しかつ液体に敏感な特別の接着剤被覆を持つラベルを提示し、更にこのようなラベルの好ましい使用を提示し、更にラベルの自動取付け方法及びラベル紙の製造方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、接着剤被覆が、液体で活性化可能な天然の生体高分子及びその誘導体及び/又は合成高分子に基いていることを特徴とする、液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルを提案する。
【0013】
特に液体に敏感な接着剤被覆を持つラベル紙が使用される。紙の代わりに、液体に敏感な接着剤被覆を備えた多孔質箔特にプラスチック箔を設けることも、同様に考えられる。この多孔質箔はある程度の蒸気透過性を持っているので、湿らされた接着剤箔は、ラベルを容器に取付けた後乾燥することができる。
【0014】
接着剤被覆のために、特にカゼイン、蛋白質、アルギン酸塩、ゼラチン、ガラクトマンナ、澱粉、キチン及びその誘導体、ビニルアルコール(VAL)、酢酸ビニル(VAC)、アクリル酸及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース(CMC)が使用される。
【0015】
接着剤被覆は、65〜100なるべく70〜95特に80〜95%の澱粉誘導体及び0〜40なるべく5〜30特に5〜20%の粘稠剤として作用する天然又は合成高分子から成っている。
【0016】
接着剤被覆は10〜70なるべく10〜40特に20〜30%の固体含有量を持っている。
【0017】
接着剤被覆は200〜4000なるべく400〜3000特に800〜2500mPas(ブルックフィールド)の粘度を持っている。
【0018】
接着剤被覆はなるべく水又は水−アルコール混合物で活性化される。この液体は更に湿潤剤及び/又は粘稠剤を備えていることができる。接着剤被覆は空気の湿気を介しては活性化されない。
【0019】
液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルの本発明による製造方法においては、紙製造、紙加工の際、被覆機又は印刷機において、接着剤被覆がラベルに塗布される。
【0020】
液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルは、特にガラス、ブリキ板、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリスチロール(PS)又はこれらから成る複合材料から成る表面にラベルを貼付するために使用される。
【0021】
従って本発明は、今までの湿式ラベル貼付方法を活性化剤及び特に裏側を処理されるラベルのシステムと交換することを提案する。ラベルは活性化剤により接着剤は凝縮水又は氷水によっては溶解しない。接着剤被覆が活性化されていると、再湿潤の際粘着性ゲルが生じ、接着剤は溶解せず、ラベルは機械的にのみ除去可能である。接着剤被覆は、既に紙製造又は紙加工の際、ワニス引き機又は印刷機において塗布可能である。接着剤被覆は天然生体高分子及びその誘導体及び/又は液体で活性化可能で上述した接着特性を生じる合成光分子に基いている。
【0022】
接着剤被覆では、活性化剤により40ms以上の接着力の活性化時間が得られる。これにより、高出力範囲において容器にラベルを設けることができる。
【0023】
上述した従来技術の観点から、更に本発明は、液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルを、容器の表面特にびんの外方へ湾曲する表面に自動的に取付ける方法であって、接着剤被覆を備えかつ集積された多数のラベルがラベルマガジン内に設けられ、容器がラベルマガジンに対して搬送され、それぞれの容器又はラベルマガジンから取出されるラベルを液体で濡らす装置が設けられているものに関し、容器及びラベルマガジン内にあって取出すべきラベルが、直接互いに接触せしめられ、容器がラベルをラベルマガジンから引出すことを特徴としている。
【0024】
従ってこの方法では、従来技術により必要な方法段階を接着剤ローラ、パレット及び捕捉円筒により行う必要がない。その代わりに、接着剤被覆が活性化される際、ラベルが直接容器に取付けられる。その際基本的に、容器をラベルマガジンに対して搬送することだけが必要である。しかしプロセスの安全性及び構造費の観点から、ラベルマガジンが静止しており、容器特にびんがラベルマガジンのそばを通って動かされるのが有利である。運動は、ラベルの裏側上で容器の転がり運動として特に簡単に行われる。容器はなるべく円筒状物体特にびん特にビールびんである。びんはその円筒軸線の周りに回転される。容器がまず液体を吹付けられ、特にラベルを取付けるのに役立つ容器の表面の範囲で吹付けられ,続いて容器のこの範囲がラベルの裏側と接触せしめられると、接着剤層が特に簡単に活性化される。
【0025】
しかし基本的に、従来技術から公知の装置を本発明による意味でのラベル貼付のために変更する可能性もある。この観点から、ラベルマガジンにあって取出すべきラベルが、表面を液体で濡らされている取出し部材により取出され、取出し部材が、接着剤被覆の範囲でこの取出し部材に付着するラベルをラベル貼付円筒に移行して、接着剤被覆から遠い方にあるラベルの側がラベル貼付円筒に当接し、ラベルを持つラベル貼付円筒が容器に接触せしめられ、容器にラベルを設けることが提案される。従って前述した従来技術の説明の意味で、取出し部材はパレットであり、ラベル貼付円筒は捕捉シリンダである。従ってこの方法では、液体は容器又はラベルマガジン内にあって乾いた容器となるべく接触するラベルの裏側に塗布されるのではなく、液体が接着剤ローラの代わりに液体塗布ローラを介してパレットへ送られ、パレットがラベルを濡らして、ラベルマガジンから引出す。そこから、既に活性化された接着剤被覆を持つラベルが、捕捉シリンダに供給され、この捕捉シリンダにより容器特にびんに接着される。ラベルを濡らすのに役立つ取出し部材が、海綿、ゴム又は類似物から構成されるか又は表面構造を持っていると、特に有利とみなされる。液体塗布ローラは、媒体、媒体の代わりに液体、接着剤ローラを使用する場合接着剤の要求に合わされる。
【0026】
ただ1つの図には、前述した直接ラベル貼付用のラベル貼付装置の基本構造の例が示されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
びん1特にビールびんが、回転テーブル3を備えた無端ベルト2上にあって、ラベルマガジン4のそばを通過する。このラベルマガジン4は、液体に敏感な接着剤被覆を裏側に備えた多数のラベルを収容している。無端ベルトの搬送方向は矢印Aで示され、回転テーブル3上におけるそれぞれのびん1の回転方向は矢印Bで示されている。ラベルマガジン4に達する直前に、それぞれのびん1は、濡らし装置5により、ラベルを位置せしめる範囲において、濡らし液体6を吹付けられる。ラベルマガジン4の範囲で初めて、びん1が回される。ラベルマガジン4の出口で待っているラベル上におけるびん1の転がり運動により、直接塗らされて湿っているびん1が、特別に処理されたラベルを受取る。図からわかるように、ラベルマガジン4を通過したびん1は、ラベル7を設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】 本発明の実施例を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルにおいて、接着剤被覆が、液体で活性化可能な天然の生体高分子及びその誘導体及び/又は合成高分子に基いていることを特徴とする、ラベル。
【請求項2】
ラベルが紙又は多孔性箔特にプラスチック及び液体に敏感な接着剤被覆により形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
接着剤被覆のために、カゼイン、蛋白質、アルギン酸塩、ゼラチン、ガラクトマンナ、澱粉、キチン及びその誘導体、ビニルアルコール(VAL)、酢酸ビニル(VAC)、アクリル酸及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース(CMC)が使用されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のラベル。
【請求項4】
接着剤被覆が、65〜100なるべく70〜95%の澱粉誘導体及び0〜40なるべく5〜30特に5〜20%の粘稠剤として作用する天然又は合成高分子から成っていることを特徴とする、請求項1〜3の1つに記載のラベル。
【請求項5】
接着剤被覆が10〜70なるべく10〜40特に20〜30%の固体含有量を持っていることを特徴とする、請求項1〜4の1つに記載のラベル。
【請求項6】
接着剤被覆が200〜4000なるべく400〜3000特に800〜2500mPas(ブルックフィールド)の粘度を持っていることを特徴とする、請求項1〜5の1つに記載のラベル。
【請求項7】
接着剤被覆が水又は水−アルコール混合物で活性化され、特に水又はその混合物が湿潤剤及び/又は粘稠剤を備えていることを特徴とする、請求項1〜6の1つに記載のラベル。
【請求項8】
液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルの製造方法において、紙製造、紙加工の際、被覆機又は印刷機において、接着剤被覆がラベルに塗布されることを特徴とする、方法。
【請求項9】
液体に敏感な接着剤被覆を裏側に持つラベルを、容器の表面特に容器なるべくびんの外方へ湾曲する表面に自動的に取付ける方法であって、接着剤被覆を備えかつ集積された多数のラベルがラベルマガジン内に設けられ、容器がラベルマガジンに対して搬送され、それぞれの容器又はラベルマガジンから取出されるラベルを液体で濡らす装置が設けられているものにおいて、容器及びラベルマガジン内にあって取出すべきラベルが、直接互いに接触せしめられ、容器がラベルをラベルマガジンから引出すことを特徴とする、方法。
【請求項10】
容器が回され、その際ラベルの裏側上を転がることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
容器が液体を吹付けられ、特にラベルを取付けるのに役立つ容器の表面の範囲で吹付けられることを特徴とする、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
ラベルマガジンにあって取出すべきラベルが、表面を液体で濡らされている取出し部材により取出され、取出し部材が、接着剤被覆の範囲でこの取出し部材に付着するラベルをラベル貼付円筒に移行して、接着剤被覆から遠い方にあるラベルの側がラベル貼付円筒に当接し、ラベルを持つラベル貼付円筒が容器に接触せしめられ、容器にラベルを設けることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
ラベルを濡らすのに役立つ取出し部材が、海綿、ゴム又は類似物から構成されるか又は表面構造を持っていることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ガラス、ブリキ板、アルミニウム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))、ポリスチロール(PS)又はこれらから成る複合材料から成る表面にラベルを貼付するための請求項1〜7に記載のラベルの使用。

【公表番号】特表2008−533511(P2008−533511A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556511(P2007−556511)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/000572
【国際公開番号】WO2006/084567
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(507288763)パピールフアブリーケン・カーム−テネロ・アクチエンゲゼルシヤフト (1)
【Fターム(参考)】