説明

液体クロマトグラフィー用の多成分、同時、独立多勾配システム

荷電分子を、その荷電固定相への異なる静電結合に基づいて分離するシステムおよび方法は、同時の独立または依存的なpH勾配および添加剤勾配の生成を制御するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2006年8月29日に出願された、米国仮出願第60/840,688号の利益を主張する。
【背景技術】
【0002】
約30年前、Sluytermanらは、新規の液体クロマトグラフィー法である、クロマトフォーカシング(chromatofocusing、等電点クロマトグラフィー)を開拓した。これは、多成分移動相緩衝液(ポリ緩衝液(polybuffers))と弱陰イオン固定相の間の複雑な相互作用によって生成される、保持pH勾配を下降するステップからなる。pHを変更する結果として、巨大分子表面上の電荷を滴定することによる、荷電固定相への異なる結合によって荷電巨大分子を分離することにより、塩濃度を増加させることによって荷電固定相への結合を遮蔽することよりも、分子種がはるかに良好に分解される。したがって、クロマトフォーカシングは、伝統的な塩溶出に広く取って代わると期待されたが、それは起こらなかった。大部分、これは、クロマトフォーカシングがいくつかの重大な欠点を有することが発見されたためである。クロマトフォーカシングでは、勾配を生成したいと望むそれぞれのpH範囲について、別々の緩衝溶液を生成しなければならない。勾配が形成される任意の所与のpH範囲について、カラム中の勾配の傾きは、そのpH範囲に比例し、したがって、同じ範囲を有する勾配を反復して形成する間の、傾きの変化の制御を妨げる。3pH単位を超える良好な緩衝能力を維持することができた、ポリ緩衝液の単一調合物はまったくなく、11から8、9から6、および7から4のpH範囲を網羅するために、製造者であるPharmaciaによる、3つの異なる調合物の市販化を余儀なくさせている。ポリ緩衝液は、小さな多価電解質の複雑な混合物から構成されており、この電解質のいくつかは、単離の標的にされたタンパク質に頻繁に強く結合し、かつ、非常に高価である。したがって、これらは、予備タンパク質精製において、本質的にまったく使用されない。これらの欠点にもかかわらず、この方法に、Beckman−Coulter ProteomeLab(商標)PF 2Dタンパク質分画システムの第1次元において新たな市況が見出された。これが起こったのは、上記に略述した困難にもかかわらず、制御されていない保持pH勾配が、アイソクラチックなpH塩勾配よりも、複雑な混合物からタンパク質を分画することにおいて、依然として著しく良好であるためである。
【0003】
Sluytermanらの最初の研究以来の間の年月に、クロマトフォーカシングの欠点に対処するための多数の試みがなされた。事実上、これらのすべては、弱イオン交換固定相と相互作用することによって、固定相上に保持pH勾配を生成するように設計された、比較的単純な緩衝液の組合せからなっていた。少数例において、参照緩衝液が外部から混合されたが、純粋に外部操作によってpHを制御することに成功した方法は、見い出されていない。一般に、クロマトフォーカシングを改善するためのこれらの試みにより、溶出液のpHの変化を制御することを複雑で困難にする、緩衝液と固定相の間の相互作用は不可避であり、したがって、純粋に外部から決定されるpH勾配は、実際上達成可能ではないということが想定された。その結果、広いpH範囲にわたって、完全に制御可能なpHの液体クロマトグラフィー勾配を生成するための、特許された市場性のあるシステムは存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、いくつかの重要な課題が未解決のままである:1)最新液体クロマトグラフィーシステムの混合精度によってのみ制限される、正および負の傾きの両方の範囲を有する多段階pH勾配の、ソフトウェア主導型の生成;2)初期と最終のpHに独立で、それぞれの傾き変化に伴って緩衝液の化学的性質を変化させることなく、クロマトグラフィー分離の間にわたってpH勾配の傾きを任意に変更するための、ソフトウェア主導型の能力;3)陰イオンおよび陽イオンの固定相の両方での、制御されたpH勾配の生成;4)同じ固定相(複数も)上で2つ以上の独立、同時勾配を展開し、制御することのできるような、pH勾配の形成に著しく干渉しない、非イオン性洗浄剤、有機溶媒、塩などの溶出緩衝液に対する追加の成分(添加剤)の勾配の、ソフトウェア主導型の制御;5)課題#1〜4も解決すると同時に、少数の緩衝液成分を有する比較的安価な、単純な移動相組成物;6)課題#1〜5も解決すると同時に、タンパク質に結合しない移動相の緩衝液成分;および6)効率的で独立な、同時制御可能な勾配の形成により、同時にイオン性基と疎水基を含有し、例えば、2〜12の広いpH範囲にわたって安定な、混合モード固定相の選択性および分解能を十分に利用することが可能になる、疎水性、極性、および静電気的性質を有する移動相溶出液を提供すること。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態では、本発明は、タンパク質などの荷電分子を、荷電固定相上のその見かけの等電点によって液体クロマトグラフィー分離するための新規の方法を提供する。第2の実施形態では、本発明は、荷電分子を、陰イオン固定相上のその見かけの等電点、陽イオン固定相上のその見かけの等電点、およびその疎水性によって分離するための多次元勾配システムを含む、低圧および高圧液体クロマトグラフィーを用いて使用するための新規のクロマトグラフィーシステムを提供する。以下において、各成分の濃度の勾配を形成するために混合される、液体クロマトグラフィーシステムの成分について参照する。
【0006】
ここで記載される、多成分同時独立勾配システム(multi−component simultaneous independent gradient system)(MSIGS)は、静電気的相互作用クロマトグラフィー(塩勾配およびpH勾配を伴うイオン交換クロマトグラフィー)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどによる、荷電、極性、非極性、小および大分子の分離の間に頻繁に遭遇する問題に系統的に対処し、解決する。MSIGSは、pH2以下からpH12以上の広いpH範囲にわたって、部分的に一致するpKaを有する、少数の低分子量ポリイオン性有機緩衝液種の組合せの使用を含む。外部pH勾配を形成するために利用される、酸性およびアルカリ性の標準液は、全pH範囲が使用される場合、その初期pHを調節するために使用される少量の強酸または強塩基を除いて、ほとんど同一の組成を有する。したがって、これらは、低い、ほぼ同一のイオン強度を有する。pH勾配は、pHの関数として、各緩衝液の比率を決定する式に従って、固定相を含有するカラム外部の酸性およびアルカリ性緩衝液を混合することによって形成される。さらに、本システムの別の実施形態は、強い陰イオンおよび陽イオンイオン交換樹脂と強く相互作用せず、その結果、外部から決定される勾配が、固定相を通過することによってゆがまない、緩衝液の化学的性質である。これにより、本システムの一部として、オンデマンドpH勾配形成のソフトウェアインプリメンテーションの構成が可能になった。したがって、MSIGSは、以下の課題、すなわち、1)最新液体クロマトグラフィーシステムの混合精度によってのみ制限される、正および負の傾きの両方の範囲を有するpH勾配の生成;2)初期と最終のpHに独立で、それぞれの傾き変化に伴って緩衝液の化学的性質を変化させることなく、クロマトグラフィー分離の間にわたってpH勾配の傾きを任意に変更するための能力;3)陰イオンおよび陽イオンの固定相の両方での、制御されたpH勾配の生成;4)比較的安価な緩衝液成分;および5)タンパク質に結合しない緩衝液成分を独自に解決する。
【0007】
MSIGSは、1つを超える勾配を同時に制御することを可能にし、同時に、1つのカラム、いくつかの並行カラム、または連続して接続され、タンデムシステムを形成する多段カラム上に独立に展開するように設計されている。これによって、現在市販されている勾配の方法体系に利用できない分離を達成することができる。例として、pH勾配をゼロでない傾きで維持しながら、塩勾配の傾きが変更される、同時の塩勾配およびpH勾配を実行することによって、ある特定の問題となるモノクローナル抗体(ポリグリコシル化タンパク質)のアイソフォームを、容易に分離することができるが、アイソクラチックな塩でのpH勾配およびアイソクラチックなpHでの塩勾配は、これらのアイソフォームを分解することができないことを示すことができる。展開される勾配は、互いに独立であるので、クロマトグラファーは、事実上無限数の実用的に固有のクロマトグラフィープロトコルを容易に作成することができる。この柔軟性は、いずれの他の文献ソースまたは液体クロマトグラフィーシステム製造者からも、現在利用できない。クロマトグラフィーシステムの民間の製造業者によって現在対処されていない、以下の一連の基本的な課題は、これによって解決される:1)分子の複雑な混合物中の標的分析物を、混合モード固定相上のその疎水性結合エネルギーとその静電結合エネルギーの合計に基づいて同時に分離すること;2)イオン交換および混合モード固定相上で、pHの勾配および尿素などの可溶化カオトロピック剤を同時に制御することによって、膜タンパク質分離株などの低水溶性の複雑な混合物中の標的分析物を効率的に分離すること;3)例えば、2〜12の広いpH範囲にわたって、様々な疎水性およびイオン結合部位、ならびに安定性を有する、新規の混合モード定常状態組成物を生成するための、説得力のある理由を提供すること;および4)疎水性相互作用カラムおよび逆相カラム上の分析物の分離を改善するための、メタノール−アセトニトリルまたは塩−アセトニトリルなどの、pHを緩衝することに直接関与しない溶出剤成分の同時、独立勾配の形成を可能にすること。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のMSIGSを実践するのに使用することができる、液体クロマトグラフィーシステムまたは装置の概略図である。
【図2】成分に加えられた2つを含む、同時一般化plSep勾配の概略図である。
【図3】同時の一般化したplSepと3つの添加剤の勾配の概略図である。
【図4】同時添加剤勾配の概略図である。
【図5A】HPLC二元同時独立勾配の実験例の図である。図5Aは、pHのプロファイルを示す。
【図5B】HPLC二元同時独立勾配の実験例の図である。図5Bは、伝導性のプロファイルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の本発明の実施形態において、plSep緩衝液と称する特定の組の緩衝液について参照する。plSep緩衝液は、pHの標的範囲全体にわたって部分的に一致するpKaを有する緩衝成分を特徴とし、各成分のモル比は、初期pHと最終pHの間の移行期全体にわたって一定のままであり、または変化し、各緩衝成分は、アミノ、アミド、イミノ、イミド、カルボン酸、スルホン酸、リン酸およびホスホン酸からなる群から選択される、少なくとも1つの官能性を含有する緩衝液組成物である。さらに、各緩衝成分は、0.001mMから1000mMの濃度で存在する。クロマトグラフィーカラムの外部で、ソフトウェアによって制御されるpH勾配を発生させるために、強酸を使用してpHの下限までplSep緩衝液を滴定することによって、酸性plSep緩衝液が調製され、強塩基を使用してpHの上限までplSep緩衝液を滴定することによって、相補的な塩基性plSep緩衝液が調製される。以下に説明されるアルゴリズムは、酸性plSep緩衝液と塩基性plSep緩衝液との混合を制御することによって、標的範囲のpH内のどこでも標的pHを達成することに関係する。plSep緩衝液の好ましい組成物は、ピペラジン、1−メチルピペラジン、トリエタノールアミン、ビス−トリスプロパンおよびギ酸を含む緩衝成分からなる。
【0010】
本文書全体にわたって、成分1、2、....nについて参照する。すべてのそのような場合において、成分0が暗示され、溶媒として作用する。すべての場合において、任意の1つまたは複数の成分の最小濃度は、ゼロまで小さくするように選択することができる。この例は、水を溶媒とした水−メタノール−アセトニトリル系であろう。したがって、この水−メタノール−アセトニトリル系では、許容可能な濃度の組は、0%wt./wt.の最小メタノール濃度、40%wt./wt.の最大メタノール濃度;0%wt./wt.の最小アセトニトリル濃度、60%wt./wt.の最大アセトニトリル濃度;および0%wt./wt.の最小水(溶媒)濃度、100%wt./wt.の最大水濃度とすることができるであろう。
【0011】
本明細書で使用される頭字語LCは、液体クロマトグラフを指す。
【0012】
本明細書で開示されるアルゴリズムおよびソフトウェアは、従来の液体クロマトグラフィー設備、例えば、4つ以上のチャネルを有するコンピューター制御ポンプ、および1つまたは複数のクロマトグラフィーカラムに接続された、関連するコンピューター制御バルブを含み、従来の検出器(例えば、UV、赤外、蛍光、屈折率、伝導性など)および/または分画収集デバイスを備えた、液体クロマトグラフに実装することができる。上記の種々の構成要素は、当技術分野の従来の手法によって、例えば、金属管を使用して相互接続することができる。一実施形態では、本発明の方法は、図1に示したようなクロマトグラフィーデバイスで実行される。
【0013】
図2は、1および2と標識した(pH勾配を暗黙的に#3と指定した)、2つの添加剤の同時独立勾配を含む、制御された外部pH勾配についてのダイアグラムである。概念的には、最後の混合ステップを伴う右側から開始し、図式を逆に分析するのが最も容易である。最終混合ステップでは、勾配により決定されるレベルの、成分1および2の両方は、両方の流出物流中に存在する(gv、すなわち勾配値)。酸性および塩基性溶液の流量規模は、勾配により指定されるpHを達成するのに必要な全流量値の、マニホルドにより指定される割合に等しい。前の混合ステップでは、成分1は、4つのすべての流出物流中で混合されるが、成分2は、酸性および塩基性流のそれぞれにおける、その最大において、または相補的なペアの流れにおける最小濃度においてのいずれかである。その結果、各流れのポンプ流量(pumping rate)は、成分2のgvを達成するために、どの割合の最小成分2濃度の溶出剤が、最大成分2濃度の溶出剤と混合されなければならないかよって分配される、酸性、あるいは塩基性流量合計の割合となる。最初のレベルでは、成分2のgvを達成するのに必要な4つの溶出剤の流れのそれぞれは、4ペアのそれぞれについて、成分1のgvを達成するために、どの割合の最小成分1濃度の溶出剤が、最大成分1濃度の溶出剤と混合されなければならないかに由来する流量割合の分配に基づいて、2つの入来する流れにさらに分割される(合計8つの流れ)。これにより、8個のリザーバーのそれぞれからの流出についてのポンプ流量が求まる。
【0014】
図3は、1〜3と標識した(pH勾配を暗黙的に#4と指定した)、3つの添加剤の同時独立勾配を含む、制御された外部pH勾配についてのダイアグラムである。概念的には、最後の混合ステップを伴う右側から開始し、図式を逆に分析するのが最も容易である。最終混合ステップでは、勾配により決定されるレベルの、成分1および2の両方は、両方の流出物流中に存在する(gv、すなわち勾配値)。酸性溶液の合計および塩基性溶液の合計の流量規模は、勾配により指定されるpHを達成するのに必要な全流量値の、マニホルドにより指定される割合にそれぞれ別々に等しい。前の混合ステップでは、成分1および2は、4つのすべての流出物流中で混合されるが、成分3は、酸性および塩基性流のそれぞれにおける、その最大において、または相補的なペアの流れにおける最小濃度においてのいずれかである。その結果、各流れのポンプ流量は、成分3のgvを達成するために、どの割合の最小濃度の成分3の溶出剤が、(1−その割合)の最大濃度の成分3の溶出剤と混合されなければならないかよって分配される、酸性、あるいは塩基性流量合計の割合となる。次のレベルでは、成分3のgvを達成するのに必要な4つの溶出剤の流れのそれぞれは、4ペアのそれぞれについて、成分2のgvを達成するために、どの割合の最小濃度の成分2の溶出剤が、最大濃度の成分2の溶出剤と混合されなければならないかに由来する流量割合の分配に基づいて、2つの入来する流れにさらに分割される(合計8つの流れ)。このパターンは、成分1について繰り返され、これにより、16個のリザーバーのそれぞれからの流出についてのポンプ流量が求まる。
【0015】
図4は、1〜4と標識した、4つの添加剤の同時独立勾配の制御についてのダイアグラムである。概念的には、最後の混合ステップを伴う右側から開始し、図式を逆に分析するのが最も容易である。最終混合ステップでは、勾配により決定されるレベルの成分1〜3は、両方の流出物流中に存在する(gv、すなわち勾配値)。その結果、各流れのポンプ流量は、成分4のgvを達成するために、(1−その割合)の最大濃度の成分4の溶出剤と混合されなければならない、最小濃度の成分4の溶出剤の割合となる。前の混合ステップでは、成分1〜2は、4つのすべての流出物流中で混合されるが、成分3は、2つの流れのそれぞれにおける、その最大において、または相補的なペアの流れにおける最小濃度においてのいずれかである。次のレベルでは、成分3のgvを達成するのに必要な4つの溶出剤の流れのそれぞれは、4ペアのそれぞれについて、成分2のgvを達成するために、どの割合の最小濃度の成分2の溶出剤が、最大濃度の成分2の溶出剤と混合されなければならないかに由来する流量割合の分配に基づいて、2つの入来する流れにさらに分割される(合計8つの流れ)。このパターンは、成分1について繰り返され、これにより、16個のリザーバーのそれぞれからの流出についてのポンプ流量が求まる。
【0016】
1つまたは複数のカラムのpH勾配
本発明の別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLCシステムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2つの独立流体送達チャネルAおよびBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、RAと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、RBと;リザーバーRAからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRBからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、弱陽イオン交換固定相、疎水性固定相および疎水性固定相とイオン交換固定相の混合(混合モード)からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、少なくとも1つの固定相が存在する場合、LCを制御し、LCに指示することによって、
異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するためのシステムであって、
分離される荷電分子を、初期pHで、plSep溶媒でかん流された固定相に適用し、結合させるステップと、
(i)リザーバーRAから送り出される所定の酸性pHのplSep緩衝液を、(ii)リザーバーRBから送り出される所定のアルカリ性pHのplSep緩衝液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する可変pHを有する溶出剤を固定相に供給するステップであって、RA(A%)およびRB(100−A%)のリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持され、そして、混合比率は移動相中の酸性plSep緩衝液%(A%)とpHとの間の関係を特定する式:A%=F(pH)によって決定される、前記供給するステップと、
所定の最終pHに到達するまで荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その荷電分子のpH依存性保持時間に固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む前記方法またはシステムが提供される。
【0017】
1つのカラムのpH勾配とアイソクラチックな濃度の1つの成分
本発明の別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプクロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2つの独立流体送達チャネルAおよびBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液、および、非イオン性洗浄剤、イオン性洗浄剤、極性有機分子、無極性有機分子、酸、塩基、中性塩、酸性塩および塩基性塩からなる成分の群から選択される、1つのアイソクラチックな成分(以降、ICと呼ぶ)を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、および弱陽イオン交換固定相からなる群から選択される固定相を含有する少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、1つのカラムの固定相が存在する場合、LCを制御し、LCに指示することによって、
異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するためのシステムであって、
所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相に、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相は荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
(i)リザーバーRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(ii)リザーバーRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する可変pHを有する溶出剤を、イオン交換固定相に供給するステップであって、RおよびRのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
所定の最終pHに到達するまで荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点でイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む前記方法またはシステムが提供される。
【0018】
1つのカラム、2つの成分の2つの同時独立勾配
本発明の実施形態では、固定相に対して異なる結合親和性を有する、荷電または非荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプ(multi−pump)LC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;最小濃度の成分1、E1,min、および最小濃度の成分2、E2,min、を含む移動相を含有するリザーバー、Rと、最大濃度の成分1、E1,max、および最小濃度の成分2、E2,min、を含む移動相を含有するリザーバー、Rと;最小濃度の成分1、E1,min、および最大濃度の成分2、E2,maxを含む移動相を含有するリザーバー、Rと;最大濃度の成分1、E1,max、および最大濃度の成分2、E2,maxを含む移動相を含有するリザーバー、Rと;速度rでリザーバーRからの移動相の流出を制御するポンプA、および速度rでリザーバーRからの移動相の流出を制御するポンプB、および速度rでリザーバーRからの移動相の流出を制御するポンプC、および速度rでリザーバーRからの移動相の流出を制御するポンプDであって、
【0019】
【数1】

であり、rtotal=r+r+r+rである場合、ソフトウェアは、ポンプA、B、CおよびDからの流れを混合した後、固定相上に、ポンプAに速度r=X×X×rtotalで送り込み、ポンプBに速度r=(1−X)×X×rtotalで送り込み、ポンプCに速度r=X×(1−X)×rtotalで送り込み、ポンプDに速度r=(1−X)×(1−X)×rtotalで送り込むように指示することによって、随時または任意のカラム体積で、成分1の濃度、E、および成分2の濃度、Eを決定し、
a)荷電または非荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれが、
【0020】
【数2】

(式中、Tは成分濃度依存性保持時間である)であるように、濃度EおよびEで固定相から連続的に溶出する、前記溶出するステップと、
b)荷電または非荷電分子を収集するステップであって、そのそれぞれが、
【0021】
【数3】

(式中、Tは成分濃度依存性保持時間である)であるように、濃度EおよびEで固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0022】
2つの親水性カラムpH勾配とアイソクラチックな濃度の1つの成分(構成A)
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2つの独立流体送達チャネルAおよびBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在する場合、LCに指示し、LCを制御することによって、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相に、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
第1カラムの後に、第1カラム中に含有される固定相と反対の電荷を有するイオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有されるイオン交換固定相を初期pHに平衡化するステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン(陽イオン固定相)交換固定相、その後に疎水性固定相を互いに連続して接続するステップと、
(i)リザーバーRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(ii)リザーバーRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、RおよびRのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)所定最終pHに到達するまで、荷電分子が溶出するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、二次分離のために、第2カラム中に含有されるイオン交換固定相中に向けるステップと、
c)所定最終pHに到達するまで、第2カラムに含有されるイオン交換固定相と反対に荷電された荷電分子を結合させるステップと、
d)ソフトウェアによって指示される場合、第1カラムを第2カラムから外すステップと、
e)第2カラム中に含有されるイオン交換固定相をかん流しているpH勾配を、所定最終pHから第2の所定最終pHになるよう逆転させるステップと、
f)第2の所定最終pHに到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で第2カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
g)場合によって含まれていてもよい、第1カラムの後に、第1カラム中に含有される固定相と反対の電荷を有するイオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して再接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有されるイオン交換固定相を初期pHに平衡化するステップと、
h)対象とするすべての分子種を分離するのに必要である場合、ステップa)〜g)を繰り返すステップと
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0023】
2つの親水性カラムpH勾配とアイソクラチックな濃度の1つの成分(構成B)
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2つの独立流体送達チャネルAおよびBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在する場合、LCに指示し、LCを制御することによって、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
分離される荷電分子を、(i)第1カラム中の陰イオン交換固定相、その後、第1カラムに連続して接続された第2カラム中の陽イオン交換固定相に適用するステップか、(ii)第1カラム中の陽イオン交換固定相、その後、第1カラムに連続して接続された第2カラム中の陰イオン交換固定相に適用するステップ、のいずれかであって、(i)および(ii)の両方の構成において、固定相は、所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分とICを含む溶出剤でかん流され、ここで、分離される荷電分子のそれぞれが、3つの荷電クラス、すなわち:陰イオン交換固定相に接触すると、初期pH未満の見かけの等電点(pls)を有する荷電分子に関する、見かけ上負に荷電したクラス;初期pHで陰イオン交換固定相または陽イオン交換固定相のいずれにも結合することができない荷電分子に関する、見かけ上中性のクラス;および陽イオン交換固定相に接触すると、初期pHを超える見かけのplsを有する荷電分子に関する、見かけ上正に荷電したクラス、の1つに該当する、前記適用するステップと、
初期pHで見かけ上負に荷電した荷電分子を陰イオン固定相に結合させるステップと、
初期pHで見かけ上正に荷電した荷電分子を陽イオン固定相に結合させるステップと、
初期pHで陽イオン交換固定相または陰イオン交換固定相のいずれにも結合することができない荷電分子を収集するステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、(i)または(ii)における陰イオン交換固定相と陽イオン交換固定相とを互いに外すステップと、
(iii)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(iv)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する時間依存性の漸減pHを有する溶出剤を、陰イオン交換固定相に供給するステップであって、RおよびRのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
所定最終最小pHに到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で陰イオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
(v)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(vi)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する時間依存性の漸増pHを有する溶出剤を、陽イオン交換固定相に供給するステップであって、RおよびRのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
所定最終最大pHに到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で陽イオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0024】
1つの親水性カラム、1つの疎水性カラム、連続勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;所定濃度で、水混和性有機分子種であるIC(以降、WMOと呼ぶ)を含む溶液を含有するリザーバー、Rと;Rcにおける濃度と異なる濃度でWMOを含む溶液を含有するリザーバーRと;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプDと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、弱陽イオン交換固定相および疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在し、そのうちの1つが疎水性である場合、LCに指示し、LCを制御することによって、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
第1カラムの後に、第1カラム中に含有される固定相に対し疎水性固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有される固定相を初期pHに平衡化するステップと、
(i)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(ii)リザーバーRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)所定最終pHに到達するまで、荷電分子が溶出するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から、連続的に溶出するステップと、
b)第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、二次分離のために、第2カラム中に含有される疎水性交換固定相中に向けるステップと、
c)所定の最終pHに到達するまで、第2カラムに含有される疎水性交換固定相に、第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を結合させるステップと、
d)ソフトウェアによって指示される場合、第1カラムを第2カラムから外すステップと、
(i)リザーバーRから送り出される、特定濃度のWMOを含む溶液を、(ii)リザーバーRから送り出される、リザーバーRと異なる特定濃度のWMOを含有する溶液と、連続的に混合することから形成される、初期WMO濃度から開始する、可変WMO濃度を有する溶出剤を、第2カラム中に含有される疎水性固定相に供給するステップであって、RおよびRリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、WMO濃度において外部から定められる傾きを有する勾配が維持される、前記供給するステップと、
e)第2の所定最終WMO濃度に到達するまで、分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その疎水性結合自由エネルギーの変化によって、第2カラム中に含有される疎水性固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
f)対象とするすべての分子種を分離するのに必要である場合、ステップa)〜e)を繰り返すステップと
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0025】
2つの親水性カラム:陰イオン性(または陽イオン性)第1および1つの疎水性、連続勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;所定濃度で水混和性有機分子種であるICを含む溶液を含有するリザーバー、Rと;Rcにおける濃度と異なる濃度でWMOを含む溶液を含有するリザーバーRと;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプDと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも2つのカラムと;疎水性固定相を含有する第3のカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在し、そのうちの1つが疎水性である場合、LCに指示し、LCを制御することによって、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
分離される荷電分子を、第1カラム中の陰イオン(陽イオン交換固定相)交換固定相に適用するステップであって、その後に、第1カラムに連続して接続された第2カラム中の陽イオン(陰イオン交換固定相)交換固定相に適用し、その後に、第2カラムに連続して接続された、疎水性固定相を含有する第3のカラムに適用し、その結果、固定相が、所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分とICを含む溶出剤でかん流され、分離される荷電分子のそれぞれが、3つの荷電クラス、すなわち、陰イオン交換固定相に接触すると、初期pH未満の見かけの等電点(pls)を有する荷電分子に関する、見かけ上負に荷電したクラス;初期pHで陰イオン交換固定相または陽イオン交換固定相のいずれにも結合することができない荷電分子に関する、見かけ上中性のクラス;および陽イオン交換固定相に接触すると、初期pHを超える見かけのplsを有する荷電分子に関する、見かけ上正に荷電したクラスの1つに該当する、前記適用するステップと、
a)初期pHで見かけ上負に荷電した荷電分子を陰イオン固定相に結合させるステップと、
b)初期pHで見かけ上正に荷電した荷電分子を陽イオン固定相に結合させるステップと、
c)初期pHで陽イオン交換固定相または陰イオン交換固定相のいずれにも結合することができない、見かけ上中性の分子を、これらが結合する疎水性固定相を含有する第3カラム上に向けるステップと、
d)ソフトウェアによって指示される場合、疎水性固定相から、陰イオン(陽イオン)交換カラム、その後に陽イオン(陰イオン)交換カラムを外すステップと、
(iii)Rから送り出される、所定濃度のWMOを含有する溶液を、(iv)Rから送り出される、異なる所定濃度のWMOを含有する溶液と連続的に混合することから形成される、時間依存性の漸増疎水性を有する溶出剤を疎水性固定相に供給するステップであって、RおよびRリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、WMO濃度において外部から定められる傾きを有する勾配が維持される、前記供給するステップと、
分離された分子分画が、その疎水性によって疎水性カラムから溶出する場合、これを収集するステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン(陽イオン交換固定相)交換固定相、その後に陽イオン(陰イオン固定相)交換固定相を互いに外すステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン(陽イオン固定相)交換固定相、その後に疎水性固定相を互いに連続して接続するステップと、
(iii)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(iv)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と連続的に混合することから形成される初期pHから開始する、時間依存性の漸減(陽イオン固定相については漸増)pHを有する溶出剤を陰イオン(陽イオン固定相)交換固定相に供給するステップであって、第1および第2の2つのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持(unretained)pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
そのそれぞれが、その有効等電点で、陰イオン(陽イオン固定相)交換固定相から連続的に溶出する荷電分子を、所定の最終の最小(陽イオン固定相については最大)pHに到達するまで、これらが結合する疎水性固定相を含有するカラム上に向けるステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン(陽イオン固定相)交換カラムと疎水性カラムを互いに外すステップと、
(iii)リザーバーRから送り出される、所定濃度のWMOを含む溶液を、(iv)リザーバーRから送り出される、異なる所定濃度のWMOを含有する溶液と連続的に混合することから形成される、時間依存性の漸増疎水性を有する溶出剤を疎水性固定相に供給するステップであって、RおよびRリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、WMO濃度において外部から定められる傾きを有する勾配が維持される、前記供給するステップと、
分離された分子分画が、その疎水性によって疎水性カラムから溶出する場合、これを収集するステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン(陽イオン固定相)交換固定相と疎水性固定相を互いに接続するステップと、
(v)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(iv)Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と連続的に混合することから形成される初期pHから開始する、時間依存性の漸増(陰イオン固定相については漸減)pHを有する溶出剤を陽イオン(陰イオン固定相)交換固定相に供給するステップであって、RおよびRリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
そのそれぞれが、その有効等電点で、陽イオン(陰イオン固定相)交換固定相から連続的に溶出する荷電分子を、所定の最終の最大(陽イオン固定相については最大)pHに到達するまで、これらが結合する疎水性固定相を含有するカラム上に向けるステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陽イオン(陰イオン固定相)交換固定相と疎水性固定相を互いに外すステップと、
(iii)リザーバーRから送り出される、所定濃度のWMOを含む溶液を、(iv)リザーバーRから送り出される、異なる所定濃度のWMOを含有する溶液と連続的に混合することから形成される、時間依存性の漸増疎水性を有する溶出剤を疎水性固定相に供給するステップであって、RおよびRリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、WMO濃度において外部から定められる傾きを有する勾配が維持される、前記供給するステップと、
分離された分子分画が、その疎水性によって疎水性カラムから溶出する場合、これを収集するステップと
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0026】
独立同時勾配を生成するためのマニホルド方程式
溶出剤の流れにおける%酸性plSep緩衝液(A%)と添加剤Eの存在下のpHとの間の関係を特定する方程式系は、A%=a×E+an−1×En−1+・・・・・+a×E+a(式中、aからaは、それぞれ、形式:
【0027】
【数4】

(kは、フィッティング定数である)の、pHの別個の関数である)。これらのkは、一定のEでの各係数a...a対pHの曲線をフィッティングすることによって求められる。これにより、同じカラム(複数も)上のpHおよび添加剤における、独立同時勾配の形成が可能になる。多次元マニホルドを計算することによって、2つ以上の添加剤、E、F、Gなどに対してこれを一般化することが可能である。EおよびFの濃度とpHを有する2つの添加剤についての例は、以下のようになる:A%=a×E+b×E+c×E+d×E+e×E+f(式中、aからfは、それぞれ、形式:a(F,pH)、b(F,pH)などのFとpHの別個の関数である)。それぞれがFの異なる一定の濃度を有する一連のマニホルドを作成することによって、a(F,pH)、b(F,pH)のそれぞれの、FとpHへの関数依存性を、各マニホルドについて計算することができる。それぞれが別個の値のFで計算される一群のマニホルドが存在するので、それぞれのEのべき乗の係数は定数ではないが、一定のpHで、a、b.....e、fのそれぞれ対Fをプロットすることによって求められる場合、形式:a5,F×F+a4,F×F+a3,F×F+a2,F×F+a1,F×F+a0,F,b5,F×F+b4,F×F+b3,F×F+b2,F×F+b1,F×F+b0,F、.........f5,F×F+f4,F×F+f3,F×F+f2,F×F+f1,F×F+f0,FのFの関数である。同様に、それぞれのFのべき乗の係数は、pH単独の別個の多項式に合わせられるであろう。他の組の方程式は、任意の特定の組のn個の添加剤:A%=F(E,E,....,En−1,E,pH)について適切となり得、方程式の数学的形式は、添加剤の濃度またはpHの多項式に限定されないことが理解されるべきである。その場合、そのような方程式の組を使用して2個のリザーバーのそれぞれからの流れを制御することによって、n個の独立勾配の形成を制御することが可能となり得る。これの例は、おそらく、塩化テトラエチルアンモニウム()のような塩基性溶質から予期することできるような、競合的緩衝能力を有する単一の添加剤であって、A%=a(pH)×ETEAb(pH)であるような添加剤であるだろう。
【0028】
1つの親水性カラム、同時独立勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを最大濃度で含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを最大濃度で含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液およびICの流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液およびICの流出を制御するポンプDと;そして酸性溶出混合物を形成する、Rから流出する溶出液の割合に対するRから流出する溶出液の割合は、使用者によってソフトウェアにプログラムされたIC勾配に要求されるICの濃度によってソフトウェアにより決定され、同じRから流出する溶出液の割合に対するRから流出する溶出液の割合は、使用者によってソフトウェアにプログラムされたIC勾配に要求される同一のICの濃度を形成し、酸性混合物からなる全溶出液流の割合に対する塩基性混合物からなる全溶出液流の割合は、マニホルド方程式(任意のIC濃度から選択された最大濃度まで、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する酸性緩衝液の割合と、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する塩基性緩衝液の割合とが、使用者によってソフトウェアにプログラムされたpH勾配によって決定されるpHを生成する割合であるよう定義する)を使用することによりソフトウェアによって決定され;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、1つのカラムの固定相が存在する場合、LCに指示し、LCを制御することによって、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期IC濃度で、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
マニホルド方程式を使用することによりソフトウェアによって決定される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHおよび独立可変IC濃度を有する溶出剤を、カラムに含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、前記マニホルド方程式は、任意のIC濃度から選択された最大濃度まで、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する酸性緩衝液の割合と、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する塩基性緩衝液の割合を、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時の未保持勾配のIC濃度が維持されるために、使用者によってソフトウェアにプログラムされたpH勾配によって決定されるpHを生成するよう定義する、前記供給するステップと;
a)所定最終pHおよび所定IC濃度に到達するまで、荷電分子が溶出するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から、所定最終pHおよび所定最終IC濃度に到達するまで、連続的に溶出するステップと、
c)対象とするすべての分子種を分離するのに必要である場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0029】
2つの親水性カラム、同時独立勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを最大濃度で含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを最大濃度で含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液およびICの流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液およびICの流出を制御するポンプDと;そして酸性溶出混合物を形成する、Rから流出する溶出液の割合に対するRから流出する溶出液の割合は、使用者によってソフトウェアにプログラムされたIC勾配に要求されるICの濃度によって、ソフトウェアにより決定され、同じRから流出する溶出液の割合に対するRから流出する溶出液の割合は、使用者によってソフトウェアにプログラムされたIC勾配に要求される同一のICの濃度を形成し、酸性混合物からなる全溶出液流の割合に対する塩基性混合物からなる全溶出液流の割合は、マニホルド方程式(任意のIC濃度から選択された最大濃度まで、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する酸性緩衝液の割合と、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する塩基性緩衝液の割合とが、使用者によってソフトウェアにプログラムされたpH勾配によって決定されるpHを生成する割合であるよう定義する)を使用することによりソフトウェアによって決定され;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在する場合、LCに指示し、LCを制御することによって、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期IC濃度で、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムの後に、第1と反対の電荷の陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有される固定相を初期pHに平衡化するステップと、
マニホルド方程式を使用することによりソフトウェアによって決定される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHおよび独立可変IC濃度を有する溶出剤を、第1カラムに含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、前記マニホルド方程式は、任意のIC濃度から選択された最大濃度まで、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する酸性緩衝液の割合と、使用者によってソフトウェアにプログラムされた勾配で決定されたIC濃度を含有する塩基性緩衝液の割合を、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時の未保持勾配のIC濃度が維持されるために、使用者によってソフトウェアにプログラムされたpH勾配によって決定されるpHを生成するよう定義する、前記供給するステップと;
a)所定最終pHおよび所定IC濃度に到達するまで、荷電分子が溶出するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から、連続的に溶出するステップと、
b)第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、二次分離のために、第2カラム中に含有されるイオン交換固定相中に向けるステップと、
c)所定最終pHおよび所定IC濃度に到達するまで、第2カラムに含有されるイオン交換固定相と反対に荷電した荷電分子を結合させるステップと、
d)ソフトウェアによって指示される場合、第1カラムを第2カラムから外すステップと、
e)第2の所定初期pHから第2の所定最終pHを生じさせるよう、そして第2の所定初期IC濃度から所定最終IC濃度までの第2の独立勾配を同時に生じさせるよう、第2カラム中に含有されるイオン交換固定相をかん流しているpH勾配を逆転させるステップと、
f)第2の所定最終pHおよび第2の所定最終IC濃度に到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で、第2カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
g)場合によって含まれていてもよい、第1カラムの後に、第1カラム中に含有される固定相と反対の電荷を有するイオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して再接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有されるイオン交換固定相を初期pHおよび初期IC濃度に平衡化するステップと、
h)対象とするすべての分子種を分離するのに必要である場合、ステップa)〜g)を繰り返すステップと
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0030】
1つの親水性カラム、1つの疎水性カラム、同時勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液およびICの流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液およびIC溶液の流出を制御するポンプDと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、弱陽イオン交換固定相および疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在し、そのうち1つが疎水性である場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期IC濃度で、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムの後に、疎水性固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有される固定相を初期pHに平衡化するステップと、
(i)第1のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の酸性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の酸性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成されるか、(ii)第2のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の塩基性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の塩基性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および同時の未保持IC濃度勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)所定最終pHおよび最終IC濃度に到達するまで、荷電分子が溶出するステップであって、それぞれがその有効等電点で、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、二次分離のために、第2カラム中に含有される疎水性交換固定相中に向けるステップと、
c)所定最終pHに到達するまで、第2カラムに含有される疎水性交換固定相に対して十分に疎水性の、第1カラムからの荷電分子を結合させるステップと、
d)第2カラムに結合しない分離された分子の分画を収集するステップと、
e)ソフトウェアによって指示される場合、第1カラムを第2カラムから外すステップと、
f)(i)第1のリザーバーから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分と特定濃度のWMOを含有する所定pHの溶液を、(ii)第2のリザーバーから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分と第1のリザーバー中と異なる濃度のWMOを含有する所定pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期WMO濃度から開始する可変WMO濃度を有する溶出剤を、第2カラム中に含有される疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有するWMO濃度勾配が維持される、前記供給するステップと、
g)第2の所定最終WMO濃度に到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの荷電分子は、その分子の疎水性結合自由エネルギーの変化によって、第2カラム中に含有される疎水性固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
h)対象とするすべての分子種を分離するのに必要である場合、ステップa)〜g)を繰り返すステップと
を含む方法
を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0031】
陰イオン性および陽イオン性の2つの親水性カラムならびに1つの疎水性、同時二元勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液およびICの流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液およびIC溶液の流出を制御するポンプDと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、弱陽イオン交換固定相および疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも3つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの親水性固定相および1つのカラムの疎水性固定相が存在する場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期IC濃度で、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムの後に、第1と反対の電荷の陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有される固定相を初期pHに平衡化するステップと、
陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第2カラムの後に、疎水性固定相を含有する第3カラムを連続して接続するステップならびに第1、第2および第3カラム中に含有される固定相を初期pHに平衡化するステップと、
(i)第1のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の酸性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の酸性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成されるか、(ii)第2のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の塩基性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の塩基性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時の未保持IC濃度勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)初期pHで見かけ上負に荷電した荷電分子を陰イオン固定相に結合させるステップと、
b)初期pHで見かけ上正に荷電した荷電分子を陽イオン固定相に結合させるステップと、
c)初期pHで陽イオン交換固定相または陰イオン交換固定相のいずれにも結合することができない、見かけ上中性の分子を、収集するステップと、
d)見かけ上中性の分子を含有する分画を、これらが結合する疎水性固定相を含有する第3カラム上に向けるステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン交換固定相および陽イオン交換固定相を疎水性固定相から外すステップと、
(iii)Rから送り出される、所定pHおよび所定WMO濃度の溶液と、(iv)Rから送り出される、所定pHおよび異なる所定WMO濃度の溶液を、連続的に混合することから形成される、時間依存性漸増疎水性を有する溶出剤を、疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有するWMO濃度の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと、
疎水性カラムから溶出する分離された分子の分画を収集するステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン交換固定相と陽イオン交換固定相とを互いに外すステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン交換固定相と疎水性固定相とを互いに接続するステップと、
(i)第1のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の酸性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の酸性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成されるか、(ii)第2のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の塩基性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の塩基性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有される陰イオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時の未保持IC濃度勾配が維持される、前記供給するステップと、
所定最終最小pHおよび所定最終WMO濃度に到達するまで、それぞれの有効等電点で陰イオン交換固定相から連続的に溶出する荷電分子を、それらが結合する疎水性固定相を含有するカラムに向けるステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陰イオン交換固定相と疎水性固定相とを互いに外すステップと、
(iii)Rから送り出される、所定pHおよび所定WMO濃度の溶液と、(iv)Rから送り出される、所定pHおよび異なる所定WMO濃度の溶液を、連続的に混合することから形成される、時間依存性漸増疎水性を有する溶出剤を、疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2の2つのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有するWMO濃度の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと、
疎水性カラムから溶出する分離された分子の分画を収集するステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陽イオン交換固定相と疎水性固定相とを互いに接続するステップと、
(i)第1のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の酸性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の酸性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成されるか、(ii)第2のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の塩基性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の塩基性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有される陽イオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時の未保持IC濃度勾配が維持される、前記供給するステップと、
所定最終最大pHに到達するまで、その有効等電点でそれぞれ陽イオン交換固定相から連続的に溶出する荷電分子を、それらが結合する疎水性固定相を含有するカラム上に向けるステップと、
ソフトウェアによって指示される場合、陽イオン交換固定相と疎水性固定相とを互いに外すステップと、
(iii)Rから送り出される、所定pHおよび所定WMO濃度の溶液と、(iv)Rから送り出される、所定pHおよび異なる所定WMO濃度の溶液を、連続的に混合することから形成される、時間依存性漸増疎水性を有する溶出剤を、疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2の2つのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有するWMO濃度の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと、
疎水性カラムから溶出する分離された分子の分画を収集するステップと、
を含む方法
を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0032】
1つの混合モードカラム、同時勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液およびICの流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液およびICの流出を制御するポンプDと;疎水性固定相と陽イオンまたは陰イオン交換固定相のいずれかとの両方の混合物を含有するカラムと;ソフトウェアであって、1つのカラムの固定相が存在する場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期IC濃度で、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオンまたは陰イオン混合モード固定相および疎水性固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、荷電分子が吸着剤と反対の電荷を有するため、または荷電分子と固定相との間の疎水性力が荷電分子を固定相上に固定させるのに十分であるため、あるいはその両方であるため、荷電分子が固定相に結合する、前記適用し、結合させるステップと、
(i)第1のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の酸性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の酸性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成されるか、(ii)第2のリザーバーのペアから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する所定の塩基性pHの溶液を、少なくとも1つの緩衝成分を含有しICを含有しない所定の塩基性pHの溶液と、所定IC濃度を生成するよう、連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する、可変pHを有する溶出剤を、カラムに含有される混合モード固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時の未保持IC濃度勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)所定最終pHおよび所定IC濃度に到達するまで、荷電分子が溶出するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で、カラム中に含有される混合モード固定相から連続的に溶出するステップと、
b)所定最終pHおよび所定最終IC濃度に到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
c)対象とするすべての分子種を分離するのに必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法
を指示し制御するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0033】
1つの親水性カラム、同時一般化二元勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
緩衝pHの溶液を含有するリザーバー、Rと;緩衝pHの、第1のICの溶液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプBと;緩衝pHの、第2のICの溶液を含有するリザーバー、Rと;緩衝pHの、第1のICおよび第2のICの溶液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプDと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、1つのカラムの固定相が存在する場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部二元勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期濃度の第1のICおよび所定初期濃度の第2のICで、少なくとも1つの緩衝成分、第1のICおよび第2のICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するよう混合された、第1のリザーバーのペアである、Rから送り出される少なくとも1つの緩衝成分を有する溶液と、Rから送り出される、所定濃度の第1のICの、少なくとも1つの緩衝成分を含有する溶液を、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定濃度の第2のICを生成するよう混合された、第2のリザーバーのペアである、Rから送り出される少なくとも1つの緩衝成分と第2のICを含有する溶液と、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分および第1のICと第2のICの両方を含有する溶液と、連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、それぞれ外部から定められる傾きを有する勾配の、第1のICおよび第2のICの濃度の、独立かつ同時の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)所定最終所定濃度の第1のICおよび所定濃度の第2のICに到達するまで、荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれが有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)所定最終濃度の第1のICに到達し、かつ所定最終濃度の第2のICに到達するまで、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する荷電分子を収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法
を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0034】
1つの疎水性カラム、同時一般化二元勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる有効等疎水点(isohydrophobicity point)、EIH、を有する分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
緩衝pHの溶液を含有するリザーバー、Rと;緩衝pHの、第1のICの溶液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプBと;緩衝pHの、第2のICの溶液を含有するリザーバー、Rと;緩衝pHの、第1のICおよび第2のICの溶液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプDと;疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有するカラムと;ソフトウェアであって、
異なる有効EIH点を有する分子を分離するための、複合外部二元勾配LC法であって、
所定初期pHおよび所定初期濃度の第1のICおよび所定初期濃度の第2のICで、少なくとも1つの緩衝成分、第1のICおよび第2のICを含む溶媒でかん流された疎水性固定相を含有するカラムに、分離される分子を適用し、結合させるステップであって、疎水性固定相は分離される分子の全てを固定化することができる、前記適用し、結合させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するよう混合された、第1のリザーバーのペアである、Rから送り出される少なくとも1つの緩衝成分を有する溶液と、Rから送り出される、所定濃度の第1のICの、少なくとも1つの緩衝成分を含有する溶液を、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定濃度の第2のICを生成するよう混合された、第2のリザーバーのペアである、Rから送り出される少なくとも1つの緩衝成分および第2のICを含有する溶液と、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分および第1のICと第2のICの両方を含有する溶液と、連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有される疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、それぞれ外部から定められる傾きを有する勾配の、第1のICおよび第2のICの濃度の、独立かつ同時の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと、
a)所定最終所定濃度の第1のICおよび所定濃度の第2のICに到達するまで、分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、そのEIHでカラム中に含有される疎水性固定相から連続的に溶出するステップと、
b)所定最終濃度の第1のICに到達し、かつ所定最終濃度の第2のICに到達するまで、そのEIHでカラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する分子を収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法
を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0035】
1つの親水性カラム、算術的に見積もられる同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびn≧3のn勾配LC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;緩衝pHの溶液を含有するリザーバー、R;緩衝pHの、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに緩衝pHの、第2のICの溶液を含有するリザーバー、R;ならびに緩衝pHの、第1のICおよび第2のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なm番目のサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定される
リザーバーならびにポンプと;
強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、固定相の1つのカラムが存在する場合、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配LC法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n−1番目のICを含めたn番目までのICを含む溶出剤でかん流された、陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶液、およびリザーバーの第1のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含有する、最大所定濃度の第1のICを含む溶液と、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定最大濃度の第2のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第2のICを含有する溶液、ならびにリザーバーの第2のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第1のICと所定最大濃度の第2のICの両方を含有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する、固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、第1のICおよび第2のICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持し、各勾配は、2つのペアからの流出物が混合されるとき、それぞれの外部から定められる傾きを有するなど、n個の独立同時勾配まで同様であり、n個のICの混合は、以下の数学的規則、すなわち、
n番目の成分については、その勾配における任意の点で、標的濃度、[ICn,target]と関連しており、
v,n=max,target=([ICn,target]/[ICn=max])×F(式中、Fは全流出剤流量であり、Fv,n=max,targetは、[ICn=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n=0,target=F−Fv,n=max,targetは、[ICn=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量である)であるようになっており、(n−1)番目の成分については、4つの流れが存在し、2つを合わせることによってFv,n=max,targetを生じ、他の2つを合わせることによってFv,n=0,targetを生じ、したがって、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの最初の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=max,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n,targetは、[ICn−1=max,n=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=max,target=Fv,n,target−Fv,n−1=max,n=max,targetは、[ICn−1=0,n=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、同様に、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの他の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=0,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n=0,targetは、[ICn−1=max,n=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=0,target=Fv,n=0,target−Fv,n−1=max,n=0,targetは、[ICn−1=0,n=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、したがって、(n−2)番目の成分については、8つの分割された流れ、すなわち、Fv,n−2=max,n−1=max,n=max,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=max,target、Fv,n−2=max,n−1=max,n=0,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=0,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=max,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=max,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=0,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=0,targetが存在し、(n−m)番目の成分(n−1≧m≧0)のそれぞれついては、(n−m)番目の成分についての勾配の標的濃度値に由来する同じ比によって定められる、2(m+1)個の分割された流れが存在する
という規則に従うようになっている、前記供給するステップと、
a)荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)n個のICのそれぞれの独立所定濃度に全て到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子がその有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0036】
1つの親水性または混合モードカラム、算術的方法およびマニホルド関数法の両方によって見積もられる、同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびn≧3のn勾配LC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、R;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有する、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、R;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液、および第1のICを含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定され、m=nである場合、2n−1≧j≧1について、m番目の成分は、塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液であり、さもなければ、m=nであり、2≧j≧2n−1である場合、m番目の成分は、酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液と第1のICであるという規則に従うようになっており;ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御し、ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御するなど、合計Rのリザーバーについて同様であり、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっている
リザーバーならびにポンプと;
強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、弱陽イオン交換固定相および疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、1つの固定相のカラムが存在する場合、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配LC法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n−1番目のICを含めたn−1番目までのICを含む溶出剤でかん流された、疎水結合固定相の混合物を含むか、または含まない、陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶液、およびリザーバーの第1のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含有する、最大所定濃度の第1のICを含む溶液と、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定最大濃度の第2のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第2のICを含有する溶液、ならびにリザーバーの第2のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第1のICと所定最大濃度の第2のICの両方を含有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する、固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、第1のICおよび第2のICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持し、各勾配は、2つのペアからの流出物が混合されるとき、それぞれの外部から定められる傾きを有するなど、n個の独立同時勾配まで同様であり、n個のICの混合は、以下の数学的規則、すなわち、
n番目の成分については、その成分の指定されたpH勾配における任意のpH値、標的濃度、[ICn,target]と関連しており、
v,n=acidic,target=F(pH,[ICn−1,target],[ICn−2,target]...[IC1,target])×F(式中、Fは全流出剤流量であり、Fは、pHおよびすべての他のn−1個のICの多次元関数であり、これは、酸性緩衝液を含有する流量からなるはずであるFの部分に等しく、したがって、Fv,n=acidic,targetは、[ICn=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n=basic,target=F−Fv,n=acidic,targetは、[ICn=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量である)であるようになっており、(n−1)番目の成分については、4つの流れが存在し、2つを合わせることによってFv,n=acidic,targetを生じ、他の2つを合わせることによってFv,n=basic,targetを生じ、したがって、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの最初の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=acidic,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n,targetは、[ICn−1=max,n=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=acidic,target=Fv,n,target−Fv,n−1=max,n=acidic,targetは、[ICn−1=0,n=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、同様に、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの他の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=basic,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n=basic,targetは、[ICn−1=max,n=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=basic,target=Fv,n=basic,target−Fv,n−1=max,n=basic,targetは、[ICn−1=0,n=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、したがって、(n−2)番目の成分については、8つの分割された流れ、すなわち、Fv,n−2=max,n−1=max,n=acicic,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=acicic,target、Fv,n−2=max,n−1=max,n=basic,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=basic,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=acicic,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=acicic,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=basic,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=basic,targetが存在し、(n−m)番目の成分(n−1≧m≧0)のそれぞれついては、(n−m)番目の成分についての勾配の標的濃度値に由来する同じ比によって定められる、2(m+1)個の分割された流れが存在する
という規則に従うようになっている、前記供給するステップと、
a)荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)n個のICのそれぞれの独立所定濃度に全て到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子がその有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0037】
1つの親水性または混合モードカラムおよび1つの疎水性カラム、算術的方法およびマニホルド関数法の両方によって見積もられる、同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびn≧3のn勾配LC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、R;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有する、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、R;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液、および第1のICを含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定され、m=nである場合、2n−1≧j≧1について、m番目の成分は、塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液であり、さもなければ、m=nであり、2≧j≧2n−1である場合、m番目の成分は、酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液と第1のICであるという規則に従うようになっており;ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御し、ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御するなど、合計Rのリザーバーについて同様であり、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっている
リザーバーならびにポンプと;
強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、弱陽イオン交換固定相および疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、2つの固定相のカラムが存在し、そのうち1つが疎水性である場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配LC法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n−1番目のICを含めたn−1番目までのICを含む溶出剤でかん流された、疎水性結合固定相の混合物を含むか、または含まない、陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶液、およびリザーバーの第1のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含有する、最大所定濃度の第1のICを含む溶液と、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定最大濃度の第2のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第2のICを含有する溶液、ならびにリザーバーの第2のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第1のICと所定最大濃度の第2のICの両方を含有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する、固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、第1のICおよび第2のICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持し、各勾配は、2つのペアからの流出物が混合されるとき、それぞれの外部から定められる傾きを有するなど、n個の独立同時勾配まで同様であり、n個のICの混合は、以下の数学的規則、すなわち、
n番目の成分については、その成分の指定されたpH勾配における任意のpH値、標的濃度、[ICn,target]と関連しており、
v,n=acidic,target=F(pH,[ICn−1,target],[ICn−2,target]...[IC1,target])×F(式中、Fは全流出剤流量であり、Fは、pHおよびすべての他のn−1個のICの多次元関数であり、これは、酸性緩衝液を含有する流量からなるはずであるFの部分に等しく、したがって、Fv,n=acidic,targetは、[ICn=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n=basic,target=F−Fv,n=acidic,targetは、[ICn=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量である)であるようになっており、(n−1)番目の成分については、4つの流れが存在し、2つを合わせることによってFv,n=acidic,targetを生じ、他の2つを合わせることによってFv,n=basic,targetを生じ、したがって、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの最初の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=acidic,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n,targetは、[ICn−1=max,n=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=acidic,target=Fv,n,target−Fv,n−1=max,n=acidic,targetは、[ICn−1=0,n=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、同様に、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの他の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=basic,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n=basic,targetは、[ICn−1=max,n=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=basic,target=Fv,n=basic,target−Fv,n−1=max,n=basic,targetは、[ICn−1=0,n=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、したがって、(n−2)番目の成分については、8つの分割された流れ、すなわち、Fv,n−2=max,n−1=max,n=acicic,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=acicic,target、Fv,n−2=max,n−1=max,n=basic,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=basic,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=acicic,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=acicic,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=basic,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=basic,targetが存在し、(n−m)番目の成分(n−1≧m≧0)のそれぞれついては、(n−m)番目の成分についての勾配の標的濃度値に由来する同じ比によって定められる、2(m+1)個の分割された流れが存在する
という規則に従うようになっている、前記供給するステップと、
a)陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムの後に、疎水性固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに初期pHおよび他のn−1個のICの初期濃度で、第1および第2カラム中に含有される固定相を平衡化するステップと、
b)(i)第1のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHを有する溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の酸性pHを有する溶液と、(ii)第2のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の塩基性pHの溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の塩基性pHを有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配およびICの濃度における、独立で同時の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと;第2のICおよびn番目までのICを用いて(b)を繰り返すステップであって、直前に詳述した混合アルゴリズムに従って、第1および第2カラム内で、n−1個のICにおけるn−1個の独立勾配と独立pH勾配を生成する、前記繰り返すステップと、
c)荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、所定最終pHおよび最終のn−1個のIC濃度に到達するまでその有効等電点で、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
d)二次分離のために、第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、第2カラム中に含有される疎水性固定相中に向けるステップと、
e)所定最終pHに到達するまで、十分に疎水性である、第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を、第2カラム中に含有される疎水性固定相に結合させるステップと、
f)第2カラムに結合していない、分離された分子の分画を収集するステップと、
g)ソフトウェアによって指示される場合、第2カラムから第1カラムを外すステップと、
h)(1i)第1のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHを有する溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の酸性pHを有する溶液と、(1ii)第2のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の塩基性pHの溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の塩基性pHを有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第2カラム中に含有される疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配およびICの濃度における、独立で同時の未保持勾配が維持される、前期供給するステップと;第2のICおよびn番目までのICを用いて(1i〜1ii)を繰り返すステップであって、直前に詳述した混合アルゴリズムに従って、n−1個のICにおけるn−1個の独立勾配と独立pH勾配を生成して、合計n個の独立勾配を作製する、前記繰り返すステップと、
i)荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子が、n−1個のICのそれぞれの、n−1個の所定最終濃度に到達し、所定最終pHに到達するまで、その分子の疎水性結合自由エネルギーの変化によって、第2カラム中に含有される疎水性固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
j)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜i)を繰り返すステップと
を含む方法を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0038】
2つの親水性カラム、同時化学的勾配、温度勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、およびスタティックメモリー、およびマルチポンプLC分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも4つの独立流体送達チャネルA、B、C、およびDと;
酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液およびICを含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液およびICを含有するリザーバーRと;リザーバーRからの酸性緩衝液とICの流出を制御するポンプC、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液とICの流出を制御するポンプDと;強陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、2つのカラムの固定相が存在し、そのうちの1つが疎水性である場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部pH勾配LC法であって、
温度Tにおける測定での所定初期pHおよび所定初期IC濃度で、少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶媒でかん流された陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相に、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、イオン交換固定相が荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムの後に、第1と反対の電荷の陽イオン性または陰イオン性イオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有される固定相を温度Tにおける測定での初期pHに平衡化するステップと、
(i)第1のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有し、温度Tにおける測定で所定の酸性pHを有する溶液と、少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、温度Tにおける測定で所定の酸性pHを有する溶液とを、(ii)第2のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、温度Tにおける測定で所定の塩基性pHの溶液と、少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の塩基性pHを有する溶液と、連続的に混合することから形成される溶出剤であって、PCT/US2004/015216(全ての目的において、参照することにより本明細書中に組み込まれる)中に教示される温度勾配法による温度Tにおける測定での初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラムに含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーのペアからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配および独立かつ同時未保持IC濃度勾配が維持され、そして両方の勾配は、温度Tから温度Tまでの温度勾配に供され、ここで、温度Tは、溶出剤が固定相に入るときの固定相の温度であり、温度Tは、溶出剤が固定相から出るときの温度である(PCT/US2004/015216中に教示される温度勾配法による)、前記供給するステップと、
a)温度Tから温度Tまでの温度勾配(ここで、温度Tは、溶出剤が固定相に入るときの固定相の温度であり、温度Tは、溶出剤が固定相から出るときの温度である)に供された荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、所定最終pHおよび所定IC濃度に到達するまで、その有効等電点で、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、二次分離のために、温度Tから温度Tまでの温度勾配に供された第2カラム中に含有されるイオン交換固定相中に向けるステップ(ここで、温度Tは、第1カラムの交換固定相からの流出物が第2カラムの吸着剤に入るときの第2カラム中の交換固定相の温度であり、温度Tは、第2カラムの交換体を流出物が出るときの温度であり、PCT/US2004/015216中に教示される温度勾配法による温度Tにおける測定での初期最大pHに両方の交換体を平衡化する)と、
c)所定最終pHおよび所定IC濃度に到達するまで、第2カラム中に含有されるイオン交換固定相と反対に荷電された荷電粒子を結合させるステップと、
d)ソフトウェアによって指示される場合、第2カラムから第1カラムを外すステップと、
e)第2の所定初期pHから第2の所定最終pHを生じさせると同時に、第2の所定初期IC濃度から第2の所定最終IC濃度を生じさせるよう、第2カラム中に含有されるイオン交換固定相をかん流しているpH勾配を逆転させるステップと、
f)第2所定最終pHおよび第2所定最終IC濃度に到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子が、その有効等電点で、温度Tから温度Tまでの温度勾配に供された第2カラムに含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する(ここで、温度Tは、第1カラムの交換固定相からの流出物が第2カラムの吸着剤に入るときの第2カラム中の交換固定相の温度であり、温度Tは、第2カラムの交換体を流出物が出るときの温度であり、温度Tにおける測定での初期最大pHに両方の交換体を平衡化する)、前記収集するステップと、
g)場合によって含まれていてもよい、第1カラムの後に、第1カラム中に含有される固定相と反対の電荷を有するイオン交換固定相を含有する第2カラムを連続して、ソフトウェアの指示により再接続するステップならびに第1および第2カラム中に含有されるイオン交換固定相を初期pHに平衡化するステップと、
h)対象とするすべての分子種を分離するのに必要であるとみなされる場合、ステップa)〜g)を繰り返すステップと
を含む方法
を実施するように構成されたソフトウェアと;
を含む方法またはシステムが提供される。
【0039】
1つの陰イオン性エレクトロクロマトフォーカシング(electrochromatofocussing)カラム
電位勾配を受ける充填イオン交換カラム中に生じる過剰温度ΔTは、
ΔT=Qdcol/16K (式1)
(式中、Qは、電流がカラムを通過することによって発生するcm当たりの熱であり、dcolは、カラムの内径であり、Kは、カラム中の溶液の熱伝導率である)によって与えられる。緩衝液系の熱伝導率は、ほぼ純水の熱伝導率、すなわち約.006W×cm−1deg−1であり、したがって16Kは、約0.1W×cm−1deg−1である。アルカリ性緩衝液中に添加されたNaOHを含む、好ましい組のplSep緩衝液を利用する、本発明の実施形態では、充填強陰イオンおよび陽イオンカラムの抵抗は、50Ω×cm−1で本質的に一定である。したがって、長さ2cmのカラムに沿った25ボルト×cm−1の電位勾配により、0.5アンペアの電流が生成するであろう。電力損失は、dcol=0.25cm−2、ΔT≒30degで12.5ワット×cm−1となるであろう。したがって、氷浴により、充填カラムの内部で、これらの電位およびおよそ周囲温度でのシステムの稼動が可能になる。
【0040】
のイオン移動度は、約4.25×10−10クーロン×秒×gm−1であり、1ボルト×cm−1=10×gm×cm×秒−2×クーロン−1である。したがって、ボルト×cm−1の勾配により、約40μm×秒−1のHの流れが生じることになり、25ボルト×cm−1では、約1mm×秒−1の流れが生じることになる。これは、分析FPLCおよびHPLCカラムにおける一般的な流れに匹敵する。陰イオン交換の場合では、この初期の流れは、バルク流および電気浸透流の合計によって妨害されることになる。このシステムにおけるH流束を記述する一般的な微分方程式は、単にFickの第1法則の改良型であり、定常状態では、この式は、随所で一定の流束、Jに等しい。これは、
【0041】
【数5】

(式中、Dは核酸定数であり、Vは圧力誘発流量であり、Veeは電気浸透流量であり、uは水素イオン移動度であり、Eは電位勾配である)である。一般解は、
【0042】
【数6】

【0043】
である。
【0044】
陰イオンカラム上の最も単純な場合では、(V+Vee+uE)=(V+Vee−u|E|)であり、これは、25ボルト×cm−1に近い電位勾配で、ポンプ流量も約1mm×秒−1である場合、ゼロに接近する。この場合、定常状態のH勾配は線形である。
【0045】
【数7】

【0046】
これは、特殊な場合では、カラムを下降する水素イオンの流れは、厳密にFickian拡散であることを意味する。その場合、質量平衡により、J=V×[H、すなわち、カラムを下降する流れは、リザーバーから送り込まれるHの流れに等しいことが要求される。したがって、長さlのカラムの流出端での定常状態濃度は、[Hおよび
【0047】
【数8】

となる。一般的な50mmのFPLCカラムの長さにわたって、これにより、リザーバーから送り出されているpH勾配の傾きと無関係に、3pH単位を超えるpHの降下が生じるであろう。したがって、0.01pH単位CV−1で変化する、入来する勾配については、ピークのシャープ化は、一桁を超えると予期されるであろう。しかし、ピークのシャープ化は、カラム中のpH勾配の傾きの平方根に比例するので、これは、分解能の非常に著しい増大を、はるかに小さい電位勾配によって達成することができることを暗示し、一般的な分析FPLCまたはHPLCカラムのカラム冷却の必要性を除き、本発明の別の実施形態をもたらす。この実施形態は、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびマルチポンプクロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2つの独立流体送達チャネルAおよびBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;強陰イオン交換固定相および弱陰イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも1つのカラムと;を含み、そして、前記固定相を含有する少なくとも1つのカラムは、開口部に電極を有するか、またはAおよびBからの緩衝液の混合物がカラムに入る、密封されたブリッジによって開口部に接続された電極を有し;そして開口部に第2の電極を有するか、または密封されたブリッジによってカラムの流出端に接続された第2の電極を有し、その結果、コンピューター上のソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離する方法であって、
所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶媒でかん流された陰イオン交換固定相に、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、このイオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷と、ゼロから所定最大濃度までの濃度で、非イオン性洗浄剤、イオン性洗浄剤、極性有機分子、無極性有機分子、酸、塩基、中性塩、酸性塩および塩基性塩からなる成分の群から選択される、1つのアイソクラチックな成分(以降、ICと呼ぶ)とを有する、前記適用し、結合させるステップと、
流入端に対して、および入来する流出物がカラムの長さを縦断するのに必要な有限の時間のために通常存在する勾配に加えて、カラムの流出端に向かって漸増アルカリ性のカラム内にpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させるステップと、
(i)第1のリザーバーから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(ii)第2のリザーバーから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と連続的に混合することから形成される初期pHから開始する、可変pHを有する溶出剤をイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2の2つのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、カラムの流入端で、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
カラム中の電流フロー、および結果として起こるカラムの長さを通じた上昇するpH勾配、およびチャネルAとBを通る流体送達システムを駆動するポンプによる、外部から誘発される流れと同時に起こる、関連する電気浸透流を生成するように作用する、カラムの流出端での正電位の印加を指示するステップと、
所定最終pHに到達するまで荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点でイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと
を含む方法
を指示し、制御する方法またはシステムを提供する。
【0048】
1つの陽イオン性通電クロマトフォーカシングカラム
陽イオン性交換の場合では、電気的なHの流れは、バルクと電気浸透流の合計となる。この場合、定常状態のpH勾配についての一般解である
【0049】
【数9】

は、指数項が莫大で非物理的な大きさであるため、実際的な重要性はない。それにもかかわらず、陰イオンカラムにおいて使用されるものと同じ大きさの電場勾配の結果として、有意な正の傾きのpH勾配を形成することを予期することができ、本発明の別の実施形態をもたらす。この実施形態は、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびマルチポンプクロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2つの独立流体送達チャネルAおよびBと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、Rと;リザーバーRからの酸性緩衝液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの塩基性緩衝液の流出を制御するポンプBと;強陽イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも1つのカラムと;を含み、そして、前記固定相を含有する少なくとも1つのカラムは、開口部に電極を有するか、またはAおよびBからの緩衝液の混合物がカラムに入る、密封されたブリッジによって開口部に接続された電極を有し;開口部に第2の電極を有するか、または密封されたブリッジによってカラムの流出端に接続された第2の電極を有し、その結果、コンピューター上のソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離する方法であって、
所定初期pHで、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶媒でかん流された陽イオン交換固定相に、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、このイオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有し、ゼロから所定最大濃度までの濃度で、非イオン性洗浄剤、イオン性洗浄剤、極性有機分子、無極性有機分子、酸、塩基、中性塩、酸性塩および塩基性塩からなる成分の群から選択される、1つのアイソクラチックな成分(以降、ICと呼ぶ)を有する、前記適用し、結合させるステップと、
流入端に対して、および入来する流出物がカラムの長さを縦断するのに必要な有限の時間のために通常存在する勾配に加えて、カラムの流出端に向かって漸増酸性のカラム内にpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させるステップと、
(i)第1のリザーバーから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(ii)第2のリザーバーから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する、可変pHを有する溶出剤をイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、カラムの流入端で、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配が維持される、前記供給するステップと、
カラム中の電流フロー、および結果として起こるカラムの長さを通じた上昇するpH勾配、およびチャネルAとBを通る流体送達システムを駆動するポンプによる、外部から誘発される流れと同時に起こる、関連する電気浸透流を生成するように作用する、カラムの流出端での正電位の印加を指示するステップと、
所定最終pHに到達するまで荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子は、その有効等電点でイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと
を含む方法
を指示し、制御する方法またはシステムを提供する。
【0050】
1つの陰イオン性エレクトロクロマトフォーカシングカラム、算術的に見積もられる、同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびn≧3のn勾配クロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;緩衝pHの溶液を含有するリザーバー、R;緩衝pHの、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに緩衝pHの、第2のIC溶液を含有するリザーバー、R;ならびに緩衝pHの、第1のICおよび第2のIC溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なm番目のサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定される、
リザーバーならびにポンプと;
強陰イオン交換固定相および弱陰イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、1つの固定相のカラムが存在し、固定相を含有する少なくとも1つのカラムが、開口部における電極を有するか、または少なくとも2個の独立流体送達チャネルA、A、...Aからの緩衝液の混合物がカラムに入る、密封されたブリッジによって開口部に接続された電極を有し、そして開口部における第2の電極を有するか、またはカラムの流出端に密封されたブリッジによって接続された第2の電極を有する場合、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配クロマトグラフィー法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n番目のICを含めたn番目までのICを含む溶出剤でかん流された、陰イオン性イオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
流入端に対して、および入来する流入物がカラムの長さを縦断するのに必要な有限の時間のために通常存在する勾配に加えて、カラムの流出端に向かって漸増アルカリ性のカラム内にpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶液、およびリザーバーの第1のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含有する、最大所定濃度の第1のICを含む溶液と、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定最大濃度の第2のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第2のICを含有する溶液、ならびにリザーバーの第2のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第1のICと所定最大濃度の第2のICの両方を含有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する、固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、第1のICおよび第2のICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持し、各勾配は、2つのペアからの流出物が混合されるとき、それぞれの外部から定められる傾きを有するなど、n個の独立同時勾配まで同様であり、n個のICの混合は、以下の数学的規則、すなわち、
n番目の成分については、その勾配における任意の点で、標的濃度、[ICn,target]と関連しており、
v,n=max,target=([ICn,target]/[ICn=max])×F(式中、Fは全流出剤流量であり、Fv,n=max,targetは、[ICn=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n=0,target=F−Fv,n=max,targetは、[ICn=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量である)であるようになっており、(n−1)番目の成分については、4つの流れが存在し、2つを合わせることによってFv,n=max,targetを生じ、他の2つを合わせることによってFv,n=0,targetを生じ、したがって、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの最初の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=max,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n,targetは、[ICn−1=max,n=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=max,target=Fv,n,target−Fv,n−1=max,n=max,targetは、[ICn−1=0,n=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、同様に、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの他の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=0,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n=0,targetは、[ICn−1=max,n=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=0,target=Fv,n=0,target−Fv,n−1=max,n=0,targetは、[ICn−1=0,n=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、したがって、(n−2)番目の成分については、8つの分割された流れ、すなわち、Fv,n−2=max,n−1=max,n=max,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=max,target、Fv,n−2=max,n−1=max,n=0,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=0,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=max,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=max,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=0,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=0,targetが存在し、(n−m)番目の成分(n−1≧m≧0)のそれぞれついては、(n−m)番目の成分についての勾配の標的濃度値に由来する同じ比によって定められる、2(m+1)個の分割された流れが存在する
という規則に従うようになっている、前記供給するステップと、
a)荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)n個のICのそれぞれの独立所定濃度に全て到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子が、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法を指示し、制御するソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0051】
1つの陽イオン性エレクトロクロマトフォーカシングカラム、算術的に見積もられる、同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、およびn≧3のn勾配クロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;緩衝pHの溶液を含有するリザーバー、R;緩衝pHの、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに緩衝pHの、第2のICの溶液を含有するリザーバー、R;ならびに緩衝pHの、第1のICおよび第2のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なm番目のサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定される、
リザーバーならびにポンプと;
強陽イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも1つのカラムと;ソフトウェアであって、1つの固定相のカラムが存在し、固定相を含有する少なくとも1つのカラムが、開口部における電極を有するか、または少なくとも2個の独立流体送達チャネルA、A、...Aからの緩衝液の混合物がカラムに入る、密封されたブリッジによって開口部に接続された電極を有し、そして開口部における第2の電極を有するか、またはカラムの流出端に密封されたブリッジによって接続された第2の電極を有する場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配クロマトグラフィー法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n番目のICを含めたn番目までのICを含む溶出剤でかん流された、陽イオン性イオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
流入端に対して、および入来する流出物がカラムの長さを縦断するのに必要な有限の時間のために通常存在する勾配に加えて、カラムの流出端に向かって漸増酸性のカラム内にpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶液、およびリザーバーの第1のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含有する、最大所定濃度の第1のICを含む溶液と、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定最大濃度の第2のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第2のICを含有する溶液、ならびにリザーバーの第2のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第1のICと所定最大濃度の第2のICの両方を含有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する、固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、第1のICおよび第2のICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持し、各勾配は、2つのペアからの流出物が混合されるとき、それぞれの外部から定められる傾きを有するなど、n個の独立同時勾配まで同様であり、n個のICの混合は、以下の数学的規則、すなわち、
n番目の成分については、その勾配における任意の点、標的濃度、[ICn,target]と関連しており、
v,n=max,target=([ICn,target]/[ICn=max])×F(式中、Fは全流出剤流量であり、Fv,n=max,targetは、[ICn=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n=0,target=F−Fv,n=max,targetは、[ICn=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量である)であるようになっており、(n−1)番目の成分については、4つの流れが存在し、2つを合わせることによってFv,n=max,targetを生じ、他の2つを合わせることによってFv,n=0,targetを生じ、したがって、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの最初の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=max,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n,targetは、[ICn−1=max,n=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=max,target=Fv,n,target−Fv,n−1=max,n=max,targetは、[ICn−1=0,n=max]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、同様に、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの他の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=0,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n=0,targetは、[ICn−1=max,n=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=0,target=Fv,n=0,target−Fv,n−1=max,n=0,targetは、[ICn−1=0,n=0]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、したがって、(n−2)番目の成分については、8つの分割された流れ、すなわち、Fv,n−2=max,n−1=max,n=max,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=max,target、Fv,n−2=max,n−1=max,n=0,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=0,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=max,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=max,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=0,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=0,targetが存在し、(n−m)番目の成分(n−1≧m≧0)のそれぞれついては、(n−m)番目の成分についての勾配の標的濃度値に由来する同じ比によって定められる、2(m+1)個の分割された流れが存在する
という規則に従うようになっている、前記供給するステップと、
a)荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
b)n個のICのそれぞれの独立所定濃度に全て到達するまで、荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子が、その有効等電点で、カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
c)対象とするすべての分子種の分離に必要である場合、ステップa)〜b)を繰り返すステップと
を含む方法を指示し、制御するソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0052】
1つのイオン交換エレクトロクロマトフォーカシングカラム、算術的方法およびマニホルド関数法の両方によって見積もられる、同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、および可変電気勾配を有する、n≧3のn勾配クロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、R;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有する、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、R;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液、および第1のICを含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定され、m=nである場合、2n−1≧j≧1について、m番目の成分は、塩基性plSep緩衝液のクラスからの塩基性緩衝液であり、さもなければ、m=nであり、2≧j≧2n−1である場合、m番目の成分は、酸性plSep緩衝液のクラスからの酸性緩衝液と第1のICであるという規則に従うようになっており、
ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御し、ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御するなど、合計Rのリザーバーについて同様であり、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっている
リザーバーならびにポンプと;
強陰イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、強陽イオン交換固定相および弱陽イオン交換固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有するカラムと;ソフトウェアであって、1つのイオン性固定相のカラムが存在し、イオン交換固定相を含有する少なくとも1つのカラムが、開口部における電極を有するか、または少なくとも2個の独立流体送達チャネルA、A、...Aからの緩衝液の混合物がカラムに入る、密封されたブリッジによって開口部に接続された電極を有し、そして開口部における第2の電極を有するか、またはカラムの流出端に密封されたブリッジによって接続された第2の電極を有する場合、ソフトウェアが、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配クロマトグラフィー法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n−1番目のICを含めたn−1番目までのICを含む溶出剤でかん流されたイオン交換固定相を含有するカラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
流入端に対して、および入来する流出物がカラムの長さを縦断するのに必要な有限の時間のために通常存在する勾配に加えて、イオン交換固定相が陰イオン交換体である場合には、カラムの流出端に向かって漸増アルカリ性のカラム内のpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させ、または、イオン交換固定相が陽イオン交換体である場合には、カラムの流出端に向かって漸減アルカリ性のカラム内のpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させるステップと、
を含む方法を指示し、制御するソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。
【0053】
1つの親水性または混合モード陰イオン性通電クロマトフォーカシングカラム、および1つの疎水性カラム、算術的方法およびマニホルド関数法の両方によって見積もられる、同時一般化多成分勾配
本発明のさらに別の実施形態では、異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離するための方法またはシステムであって、
CPU、ダイナミックメモリー、スタティックメモリー、および可変電気勾配を有する、n≧3のn勾配クロマトグラフィー分離システムの動作を制御するソフトウェアを含むコンピューターと;
コンピューター上で動作するソフトウェアによって独立に制御される流体送達速度を有する、少なくとも2個の独立流体チャネルA、A、...Aと;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有するリザーバー、R;酸性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される酸性緩衝液を含有する、第1のICの溶液を含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液を含有するリザーバー、R;ならびに塩基性plSep緩衝液のクラスからなる群から選択される塩基性緩衝液、および第1のICを含有するリザーバー、R;リザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプA、およびリザーバーRからの溶液の流出を制御するポンプAなど、合計Rのリザーバーについて同様であるリザーバーならびにポンプであって、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっており、ICの分布は、以下の数学的規則、すなわち、
第1の成分、ICについて、すべてのj∋2≧j≧1に対してj MOD 2=1である場合、R中の[IC]=0であり、さもなければ、R中の[IC]=試みられている特定の分離について到達できる、最大の[IC]、[IC1=max]であり、それぞれのm成分∋n>m≧1であり、すべてのk∋2/2(m−1)≧k≧1であるとき、k MOD 2=1である場合、そして(k×2(m−1))≧j≧(k×2(m−1)−(2(m−1)−1))である場合、R=0であり、さもなければ、R=最大の[IC]、[ICm=max]中の[IC]は、試みられている特定の分離についてクロマトグラファーによって設定され、m=nである場合、2n−1≧j≧1について、m番目の成分は、塩基性plSep緩衝液のクラスからの塩基性緩衝液であり、さもなければ、m=nであり、2≧j≧2n−1である場合、m番目の成分は、酸性plSep緩衝液のクラスからの酸性緩衝液と第1のICであるという規則に従うようになっており、
ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御し、ポンプAは、リザーバーRからの溶液の流出を制御するなど、合計Rのリザーバーについて同様であり、n個のうちのm番目のIC、IC(n≧m≧1)の勾配について、そのICを含有する、2n−1個の独立したリザーバーの固有のm番目のサブセット、およびそのICを含有しない、2n−1個のリザーバーの相補的なサブセットが存在するようになっている
リザーバーならびにポンプと;
強陰イオン交換固定相、弱陰イオン交換固定相、および疎水性固定相からなる固定相の群から選択される固定相を含有する、少なくとも2つのカラムと;ソフトウェアであって、1つの陰イオン性固定相のカラムが存在し、陰イオン交換固定相を含有する少なくとも1つのカラムが、開口部における電極を有するか、または少なくとも2個の独立流体送達チャネルA、A、...Aからの緩衝液の混合物がカラムに入る、密封されたブリッジによって開口部に接続された電極を有し、そして開口部における第2の電極を有するか、またはカラムの流出端に密封されたブリッジによって接続された第2の電極を有する場合、
異なる等電点を有する荷電分子を分離するための、複合外部n勾配クロマトグラフィー法であって、
少なくとも1つの緩衝成分、第1のIC、第2のIC、n−1番目のICを含めたn−1番目までのICを含む溶出剤でかん流された、疎水性固定相の混合物を含むか、または含まない、陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムに、分離される荷電分子を適用し、結合させるステップであって、第1のICは所定初期pHおよび所定初期濃度であり、第2のICは所定初期濃度であり、n番目のICまで所定初期濃度であり、イオン交換固定相が、荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、前記適用し、結合させるステップと、
流入端に対して、および入来する流出物がカラムの長さを縦断するのに必要な有限の時間のために通常存在する勾配に加えて、カラムの流出端に向かって漸増アルカリ性のカラム内にpHの勾配を生成するように、カラムの長手方向軸に沿って電位を発生させるステップと、
(i)所定濃度の第1のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含む溶液、およびリザーバーの第1のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分を含有する、最大所定濃度の第1のICを含む溶液と、(ii)所定濃度の第1のICおよび所定最大濃度の第2のICを生成するように混合された、Rから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第2のICを含有する溶液、ならびにリザーバーの第2のペアであるRから送り出される、少なくとも1つの緩衝成分、および所定最大濃度の第1のICと所定最大濃度の第2のICの両方を含有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期濃度の第1のICおよび初期濃度の第2のICから開始する、固定pHを有する溶出剤を、カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、第1のICおよび第2のICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持し、各勾配は、2つのペアからの流出物が混合されるとき、それぞれの外部から定められる傾きを有するなど、n個の独立同時勾配まで同様であり、n個のICの混合は、以下の数学的規則、すなわち、
n番目の成分については、その成分の指定されたpH勾配における任意のpH値、標的濃度、[ICn,target]と関連しており、
v,n=acidic,target=F(pH,[ICn−1,target],[ICn−2,target]...[IC1,target])×F(式中、Fは全流出剤流量であり、Fは、pHおよびすべての他のn−1個のICの多次元関数であり、これは、酸性緩衝液を含有する流量からなるはずであるFの部分に等しく、したがって、Fv,n=acidic,targetは、[ICn=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n=basic,target=F−Fv,n=acidic,targetは、[ICn=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量である)であるようになっており、(n−1)番目の成分については、4つの流れが存在し、2つを合わせることによってFv,n=acidic,targetを生じ、他の2つを合わせることによってFv,n=basic,targetを生じ、したがって、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの最初の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=acidic,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n,targetは、[ICn−1=max,n=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=acidic,target=Fv,n,target−Fv,n−1=max,n=acidic,targetは、[ICn−1=0,n=acidic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、同様に、(n−1)番目の成分についての4つの流れのうちの他の2つの場合、その成分の勾配における任意の点、標的濃度、[ICn−1,target]と関連しており、その結果、Fv,n−1=max,n=basic,target=([ICn−1,target]/[ICn−1,max])×Fv,n=basic,targetは、[ICn−1=max,n=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、Fv,n−1=0,n=basic,target=Fv,n=basic,target−Fv,n−1=max,n=basic,targetは、[ICn−1=0,n=basic]を含有するすべてのリザーバーの流量を合わせることによって寄与される全流量であり、したがって、(n−2)番目の成分については、8つの分割された流れ、すなわち、Fv,n−2=max,n−1=max,n=acicic,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=acicic,target、Fv,n−2=max,n−1=max,n=basic,target、Fv,n−2=max,n−1=0,n=basic,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=acicic,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=acicic,target、Fv,n−2=0,n−1=max,n=basic,target、Fv,n−2=0,n−1=0,n=basic,targetが存在し、(n−m)番目の成分(n−1≧m≧0)のそれぞれついては、(n−m)番目の成分についての勾配の標的濃度値に由来する同じ比によって定められる、2(m+1)個の分割された流れが存在する
という規則に従うようになっている、前記供給するステップと、
a)陰イオン性イオン交換固定相を含有する第1カラムの後に、疎水性固定相を含有する第2カラムを連続して接続するステップならびに初期pHおよび他のn−1個のICの初期濃度で、第1および第2カラム中に含有される固定相を平衡化するステップと、
b)(i)第1のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHを有する溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の酸性pHを有する溶液と、(ii)第2のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の塩基性pHの溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の塩基性pHを有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配およびICの濃度における、独立で同時の未保持勾配が維持される、前記供給するステップと;第2のICおよびn番目までのICを用いて(b)を繰り返すステップであって、直前に詳述した混合アルゴリズムに従って、第1および第2カラム内で、n−1個のICにおけるn−1個の独立勾配と独立pH勾配を生成する、前記繰り返すステップと、
c)荷電分子を溶出するステップであって、そのそれぞれは、所定最終pHおよび最終のn−1個のIC濃度に到達するまでその有効等電点で、第1カラム中に含有されるイオン交換固定相から連続的に溶出するステップと、
d)二次分離のために、第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、第2カラム中に含有される疎水性固定相中に向けるステップと、
e)十分に疎水性である、第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を、所定最終pHに到達するまで、第2カラム中に含有される疎水性固定相に結合させるステップと、
f)第2カラムに結合していない、分離された分子の分画を収集するステップと、
g)ソフトウェアによって指示される場合、第2カラムから第1カラムを外すステップと、
h)(1i)第1のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHを有する溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の酸性pHを有する溶液と、(1ii)第2のペアのリザーバーから送り出され、ICの所定濃度を生成するように混合された、少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の塩基性pHの溶液、および少なくとも1つの緩衝成分を含有し、ICを含有しない、所定の塩基性pHを有する溶液とを連続的に混合することから形成される、初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHを有する溶出剤を、第2カラム中に含有される疎水性固定相に供給するステップであって、第1および第2のペアのリザーバーからの溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配およびICの濃度における、独立で同時の未保持勾配が維持される、前期供給するステップと;第2のICおよびn番目までのICを用いて(1i〜1ii)を繰り返すステップであって、直前に詳述した混合アルゴリズムに従って、n−1個のICにおけるn−1個の独立勾配と独立pH勾配を生成して、合計n個の独立勾配を作製する、前記繰り返すステップと、
i)荷電分子を収集するステップであって、それぞれの分子が、n−1個のICのそれぞれの、n−1個の所定最終濃度に到達し、所定最終pHに到達するまで、その分子の疎水性結合自由エネルギーの変化によって、第2カラム中に含有される疎水性固定相から連続的に溶出する、前記収集するステップと、
j)対象とするすべての分子種の分離に必要であるとみなされる場合、ステップa)〜i)を繰り返すステップと
を含む方法を指示し、制御するように構成されたソフトウェアと
を含む方法またはシステムが提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電分子を、その荷電固定相への異なる静電結合に基づいて分離するためのシステムであって、
酸性および塩基性plSep緩衝溶液の送達を制御し、それによって緩衝液組成物中に勾配を生成するためのコンピューターと;
少なくとも1つは主に陰イオン性または陽イオン性である、1つまたは複数の固定相と;
酸性plSep緩衝液を含有する第1のリザーバーと;
塩基性plSep緩衝液を含有する第2のリザーバーと;
ポンプAと;
ポンプAを前記第1のリザーバーおよび前記1つまたは複数の固定相に接続するための第1の流体接続手段であって、前記酸性plSep緩衝液を、前記第1のリザーバーから引き出し、前記1つまたは複数の固定相の入口上に送り込むことができる前記第1の流体接続手段と;
ポンプBと;
ポンプBを前記第1のリザーバーおよび前記固定相に接続するための第2の流体接続手段であって、前記塩基性plSep緩衝液を、前記第2のリザーバーから引き出し、前記1つまたは複数の固定相の入口上に送り込むことができる前記第2の流体接続手段と;
前記1つまたは複数の固定相の出口に取り付けられた1つまたは複数の検出器と;
前記1つまたは複数の固定相からの溶出剤を、次の固定相に、もしくは次の固定相から離れて、または溶出剤試料を収集するための分画収集システムに、シャントすることを可能にするためのバルブシステムVと;
前記溶出剤が第1の固定相を出た後で、第2の固定相に場合により入る前の位置から溶出する際に、所定サイズの溶出剤試料を収集するための分画収集器と;
第1の固定相を出る1つまたは複数の選択された試料を、第2の固定相上に選択的に注入するための注入システムと;
前記1つまたは複数の選択された試料の注入を制御するためのソフトウェアシステムと;
前記溶出剤が第2の固定相を出た後の位置から溶出する際に、所定サイズの溶出剤試料を収集するための分画収集システムと;
荷電分子を、その荷電固定相への異なる静電結合に基づいて分離するための本システムにおけるpH勾配の生成を制御するためのソフトウェアシステムであって、
a)線形または非線形のpH勾配構造の、メモリー中での特定化および記憶を可能にするためのGUIであって、前記pH勾配構造により、送り込まれる溶出剤のカラム体積または時間の関数としてpHが特定される前記GUIと;
b)前記溶出剤の流れにおける%酸性plSep緩衝液(A%)と前記pHとの関係を特定する、A%=a×pH+b×pH+c×pH+d×pH+e×pH+f×pH+g×pH+h×pH+i×pH+j(aからjはフィッティング定数である)などの式と;
c)ポンプAに、システムの作動中にわたって、そのポンプによって制御される全流体ポンプ流量の比率、(酸性緩衝液を送り込む速度/(酸性plSep緩衝液を送り込む速度+塩基性plSep緩衝液を送り込む速度))が(請求項1bの前記勾配構造および前記式によって必要とされるpHから計算される値によって決定されるA%)×.01であるような速度で送り込むように指示し、ポンプBに、1−(A%×.01)に等しい全流体ポンプ流量の比率である速度で送り込むように指示する伝達プロトコルと;
d)Vに、最初の固定相を出る溶出剤を、UV吸収、蛍光、pH、屈折率、およびシグナルピークカウントからなる一連の判定基準からの、使用者による判定基準セットに基づいて、前記第2の固定相に、または前記第2の固定相から離れてシャントするように指示する第2の伝達プロトコルと;
を含む前記ソフトウェアシステムと
を含む前記システム。
【請求項2】
荷電分子を、その少なくとも1つの固定相への異なる結合に基づいて分離するためのシステムであって、
緩衝溶液の送達を制御するためのコンピューターと;
少なくとも1つの固定相と;
個のリザーバー、R、R、.......R−1、R(n≧2)、pHにおいてアイソクラチックな、最も酸性のplSep緩衝液を含有するリザーバーR、R、.......Rn−1−1、Rn−1、すべてのリザーバーがpHにおいてアイソクラチックである、最も塩基性のplSep緩衝液を含有するリザーバーRn−1+1、Rn−1+2、.......R−1、Rと;
n−1個の添加剤が、前記2個のリザーバーの中で分配されていることと;
リザーバーR、Rは、Rが最小濃度の添加剤1を含有し、Rが最大濃度の添加剤1を含有するようになっており、リザーバーR、Rは、Rが最小濃度の添加剤1を含有し、Rが最大濃度の添加剤1を含有するようになっているなど、このパターンが、R−1が最小濃度の添加剤1を含有し、Rが最大濃度の添加剤1を含有するようなリザーバーR−1、までペアで続くことと;
n>2である場合、R、Rが最小濃度の添加剤2を含有し、R、Rが最大濃度の添加剤2を含有するようなリザーバーR、R、R、Rであり、Rが最小濃度の添加剤2を含有し、R、Rが最大濃度の添加剤2を含有するようなリザーバーR、R、R、Rであるなど、R−3、−2が最小濃度の添加剤2を含有し、R−1、が最大濃度の添加剤2を含有するようなR−3、−2、R−1、まで、ペアのペアでこのパターンを続けることと;
一般に、m番目の添加剤について、リザーバーR、R、.....Rm−1−1、Rm−1は、最小濃度の添加剤mを含有し、Rm−1+1、Rm−1+2、.....R−1、Rは、最大濃度の添加剤mを含有し、R+1、R+2、.....R3×2m−1−1、R3×2m−1は、最小濃度の添加剤mを含有し、これは、R−2+1、R−2+2、.....R−2m−1−1、R−2m−1が、最小濃度の添加剤mを含有し、R−2m−1+1、R−2m−1+2、.....R−1、Rが、最大濃度の添加剤mを含有するまで続くことと;
それぞれリザーバーR〜Rから、それぞれr〜rの速度で流体を引き出すためのポンプA〜Aと;
任意の少なくとも1つの固定相からの溶出剤を、次の固定相に、もしくは次の固定相から離れて、または分画収集システムに、もしくは分画収集システムから離れて、シャントすることを可能にするためのバルブシステムVと;
、A、..An−1、Aによって送り込まれた流体を混合し、前記混合された流体を前記固定相中に伝導する、流体伝導システムFと;
任意の1つまたは複数の組の固定相後の溶出剤の流れの中に位置した、UV吸収、可視吸収、赤外吸収、蛍光、pHおよび屈折率を測定する検出器からなる群から選択される、1つまたは複数の検出器と;
前記溶出剤が第1の固定相を出た後で、第2の固定相に入る前の位置から溶出する際に、所定サイズの溶出剤試料を収集するための分画収集システムと;第1の固定相を出る1つまたは複数の選択された試料を、第2の固定相上に選択的に注入するための注入システムと;
前記1つまたは複数の選択された試料の注入を制御するためのソフトウェアシステムと;
前記溶出剤が第2の固定相を出た後の位置から溶出する際に、所定サイズの溶出剤試料を収集するための分画収集システムと;
分子を、その1つまたは複数の固定相への異なる結合に基づいて分離するための本システムにおける、同時の独立または依存的pHおよび添加剤勾配の生成を制御するためのソフトウェアシステムであって、
a.線形または非線形のpH勾配構造の、メモリー中での特定化および記憶を可能にするため、ならびに線形または非線形のm個の添加剤溶質勾配構造、EGS(m=n−1)のメモリー中での特定化および記憶を可能にするためのGUIであって、前記pH勾配構造により、送り込まれる溶出剤のカラム体積または時間の関数としてpHが特定され、EGSにより、送り込まれる溶出剤のカラム体積または時間の関数としてm番目の添加剤溶質の濃度、Eが特定され、その結果、pHにおける前記勾配が同時で、前記n−1個の添加剤勾配から独立しており、互いに同時に独立でもある前記GUIと;
b.n−1個の添加剤の存在下での前記溶出剤の流れにおける%酸性plSep緩衝液(A%)と前記pHとの関係を特定する、(E、E、E、....En−2、En−1、pH)の関数である式と;
c.任意の所与の時間またはカラム体積でのm番目の添加剤(1≦m≦n−1)について、前記固定相に送達される溶出剤中の添加剤の濃度は、EGSによって決定され、すべてのリザーバーについて、それぞれのリザーバー中のm番目の添加剤の濃度は、前記システムにとって最大であるか、前記システムにとって最小であるかのいずれかであり、したがって、Xmin(E)=(Emax−E)/(Emax−Emin)は、Eminを含有するリザーバーから送り込まれる割合であり、一方、Xmax(E)=(E−Emin)/(Emax−Emin)は、Emaxを含有するリザーバーから送り込まれる割合であり、したがって、k番目のリザーバー(1≦k≦2)から送り込まれる全ポンプ流量の割合は、前記k番目のリザーバーが、酸性plSep緩衝液を含有するリザーバーの群からのものである場合、[Xmin or max(En−1)×Xmin or max(En−2)×......×Xmin or max(E)×Xmin or max(E)]×.01×A%×rtotalであるか、または前記k番目のリザーバーが、塩基性plSep緩衝液を含有するリザーバーの群からのものである場合、[Xmin or max(En−1)×Xmin or max(En−2)×......×Xmin or max(E)×Xmin or max(E)]×.01×(100−A%)×rtotalであることと;
d.伝達プロトコルP(1≦k≦2)であって、そのそれぞれは、そのそれぞれのポンプAに、上記(c)によって計算される速度rで送り込むことを指示する前記伝達プロトコルPと;
e.前記2個のリザーバーのすべてから送り込まれる溶出剤の流れを効率的に混合することによって、単一の溶出剤の流れを生成する伝達プロトコルPmixと;
f.Vに、最初の固定相を出る溶出剤を、第1の固定相からの流出時間、第1の固定相からの流出カラム体積、UV吸収、蛍光、pH、屈折率、およびシグナルピークカウントからなる一連の判定基準からの、使用者による1つまたは複数の判定基準セットに基づいて、分画収集器もしくは前記第2の固定相に、または分画収集器もしくは前記第2の固定相から離れてシャントするように指示する伝達プロトコルP
を含む前記ソフトウェアシステムと
を含む前記システム。
【請求項3】
荷電分子を、その少なくとも1つの固定相への異なる結合に基づいて分離するためのシステムであって、
緩衝溶液の送達を制御するためのコンピューターと;
少なくとも1つの固定相と;
個のリザーバーR、R、.......R−1、R(n≧2)と;
前記2個のリザーバーに分配されたn個の添加剤と;
リザーバーR、Rは、Rが最小濃度の添加剤1を含有し、Rが最大濃度の添加剤1を含有するようになっており、リザーバーR、Rは、Rが最小濃度の添加剤1を含有し、Rが最大濃度の添加剤1を含有するようになっているなど、このパターンが、R−1が最小濃度の添加剤1を含有し、Rが最大濃度の添加剤1を含有するようなリザーバーR−1、までペアで続くことと;
n>2である場合、R、Rが最小濃度の添加剤2を含有し、R、Rが最大濃度の添加剤2を含有するようなリザーバーR、R、R、Rであり、R、Rが最小濃度の添加剤2を含有し、R、Rが最大濃度の添加剤2を含有するようなリザーバーR、R、R、Rであるなど、R−3、−2が最小濃度の添加剤2を含有し、R−1、が最大濃度の添加剤2を含有するようなR−3、−2、R−1、まで、ペアのペアでこのパターンを続けることと;
一般に、m番目の添加剤について、リザーバーR、R、.....Rm−1−1、Rm−1は、最小濃度の添加剤mを含有し、Rm−1+1、Rm−1+2、.....R−1、Rは、最大濃度の添加剤mを含有し、R+1、R+2、.....R3×2m−1−1、R3×2m−1は、最小濃度の添加剤mを含有し、これは、R−2+1、R−2+2、.....R−2m−1−1、R−2m−1が、最小濃度の添加剤mを含有し、R−2m−1+1、R−2m−1+2、.....R−1、Rが、最大濃度の添加剤mを含有するまで続くことと;
それぞれリザーバーR〜Rから、それぞれr〜rの速度で流体を引き出すためのポンプA〜Aと;
任意の少なくとも1つの固定相からの溶出剤を、次の固定相に、もしくは次の固定相から離れて、または分画収集システムに、もしくは分画収集システムから離れて、シャントすることを可能にするためのバルブシステムVと;
、A、..An−1、Aによって送り込まれた流体を混合し、前記混合された流体を前記固定相中に伝導する、流体伝導システムFと;
任意の1つまたは複数の組の固定相後の溶出剤の流れの中に位置した、UV吸収、可視吸収、赤外吸収、蛍光、pHおよび屈折率を測定する検出器からなる群から選択される、1つまたは複数の検出器と;
前記溶出剤が第1の固定相を出た後で、第2の固定相に入る前の位置から溶出する際に、所定サイズの溶出剤試料を収集するための分画収集システムと;第1の固定相を出る1つまたは複数の選択された試料を、第2の固定相上に選択的に注入するための注入システムと;
前記1つまたは複数の選択された試料の注入を制御するためのソフトウェアシステムと;
場合によって含まれていてもよい、前記溶出剤が第2の固定相を出た後の位置から溶出する際に、所定サイズの溶出剤試料を収集するための分画収集システムと;
分子を、その1つまたは複数の固定相への異なる結合に基づいて分離するための本システムにおける、同時の独立または依存的添加剤勾配の生成を制御するためのソフトウェアシステムであって、
a.線形または非線形のpH勾配構造の、メモリー中での特定化および記憶を可能にするため、ならびに線形または非線形のm個の添加剤溶質勾配構造、EGS(m=n)のメモリー中での特定化および記憶を可能にするためのGUIであって、各EGSにより、送り込まれる溶出剤のカラム体積または時間の関数としてm番目の添加剤溶質の濃度、Eが特定され、その結果、前記n個の添加剤のそれぞれにおける前記勾配のそれぞれは、同時で、他のn−1個の添加剤勾配から独立しており、互いに同時に独立でもある前記GUIと;
b.任意の所与の時間またはカラム体積でのm番目の添加剤(1≦m≦n)について、前記固定相に送達される溶出剤中の添加剤の濃度は、EGSによって決定され、すべてのリザーバーについて、それぞれのリザーバー中のm番目の添加剤の濃度は、前記システムにとって最大であるか、前記システムにとって最小であるかのいずれかであり、したがって、Xmin(E)=(Emax−E)/(Emax−Emin)は、Eminを含有するリザーバーから送り込まれる割合であり、一方、Xmax(E)=(E−Emin)/(Emax−Emin)は、Emaxを含有するリザーバーから送り込まれる割合であり、したがって、k番目のリザーバー(1≦k≦2)から送り込まれる全ポンプ流量の割合は、[Xmin or max(En−1)×Xmin or max(En−2)×......×Xmin or max(E)×Xmin or max(E)]×rtotal(式中、rtotalはΣrである)であることと;
c.伝達プロトコルP(1≦k≦2)であって、そのそれぞれは、そのそれぞれのポンプAに、上記(b)によって計算される速度rで送り込むことを指示する前記伝達プロトコルPと;
d.前記2個のリザーバーのすべてから送り込まれる溶出剤の流れを効率的に混合することによって、単一の溶出剤の流れを生成する伝達プロトコルPmixと;
e.Vに、最初の固定相を出る溶出剤を、第1の固定相からの流出時間、第1の固定相からの流出カラム体積、UV吸収、蛍光、pH、屈折率、およびシグナルピークカウントからなる一連の判定基準からの、使用者による1つまたは複数の判定基準セットに基づいて、分画収集器もしくは前記第2の固定相に、または分画収集器もしくは前記第2の固定相から離れてシャントするように指示する伝達プロトコルP
を含む前記ソフトウェアシステムと
を含む前記システム。
【請求項4】
前記添加剤溶質が、非イオン性洗浄剤、イオン性洗浄剤、極性有機分子、無極性有機分子、酸、塩基、中性塩、酸性塩および塩基性塩からなる化合物の群からの化合物である、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記添加剤溶質が、非イオン性洗浄剤、イオン性洗浄剤、極性有機分子、無極性有機分子、酸、塩基、中性塩、酸性塩および塩基性塩からなる化合物の群からの化合物である、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
n−1個の添加剤の存在下での前記溶出剤の流れにおける%酸性plSep緩衝液(A%)と前記pHとの関係を特定する、(E、E、E、....En−2、En−1、pH)の前記関数が、A%=a×E+ap−1×Ep−1+....+×E+a(pは0を超える整数であり、aからaは、それぞれ(E、E、....En−2、En−1、pH)の別個の関数である)の形式であり;
a.a、ap−1、....a1、のそれぞれは、bq(w)×Eq(w)+bq(w)−1×Eq(w)−1+....+b×E+b(式中、各q(w)は、0からpまでのすべての整数wについて、0を超える別個の整数であり、bq(w)からbは、それぞれ(E、E、....En−2、En−1、pH)の別個の関数である)の形式であり、
b.このパターンを繰り返し、前記m番目の添加剤の各べき乗の各係数は、(Em+1、Em+2、....En−2、En−1、pH)の別個の関数であり、そのそれぞれは、(m+2)番目から(n−1)番目の添加剤の濃度とpHの関数である係数を有する、(m+1)番目の添加剤の濃度における多項式の形式であり、
c.(n−1)番目の添加剤の濃度における多項式の係数は、純粋にkz,j×pH+kz,j−1×pHj−1+.....+kz,1×pH+kz,0の形式のpHの関数であり、すべてのkz,nはフィッティング定数であり、ここで各zは、前記(n−1)番目の添加剤の濃度における多項式の係数の組のうちの1つを表し、そのような係数のそれぞれについて、1つおよび唯一のzが存在する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
プロセッサーにプロセスを実施させるための指令を表しているコードを記憶している、プロセッサー可読媒体であって、前記コードは、
荷電分子の分離に関連するシステムにおける、緩衝溶液の送達を制御し、
前記荷電分子を、その1つまたは複数の固定相への異なる結合に基づいて分離するように構成された同時添加剤勾配の生成を制御し、
第1の固定相を出る溶出剤試料の第2の固定相上への注入を制御する
ためのコードを含む媒体。
【請求項8】
プロセッサーに異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離することに関連するプロセスを実施させるための指令を表しているコードを記憶している、プロセッサー可読媒体であって、前記コードは、
少なくとも1つの緩衝成分およびICを有する溶媒でかん流された陰イオン性または陽イオン性イオン交換吸着剤に、前記イオン交換吸着剤が前記荷電分子の電荷と反対の電荷を有する所定初期pHで、分離される前記荷電分子を適用し、結合させ、
(i)リザーバーRAから送り出される、前記少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定の酸性pHの溶液を、(ii)リザーバーRBから送り出される、前記少なくとも1つの緩衝成分とICを含有する、所定のアルカリ性pHの溶液と、連続的に混合することから形成される、初期pHから開始する可変pHを有する溶出剤を、前記イオン交換吸着剤に供給し(前記RAおよびRBリザーバーからの前記溶液の混合比率が変化することによって、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配を維持する)、
所定最終pHに到達するまで、それぞれが、その有効等電点で前記イオン交換吸着剤から連続的に溶出する、前記荷電分子を収集する
ためのコードを含む前記媒体。
【請求項9】
プロセッサーに異なる等電点を有する荷電分子をクロマトグラフィーで分離することに関連するプロセスを実施させるための指令を表しているコードを記憶している、プロセッサー可読媒体であって、前記コードは、
少なくとも1つの緩衝成分およびICを含む溶出剤でかん流された、前記荷電分子の電荷と反対の電荷を有する、陽イオン性または陰イオン性イオン交換吸着剤を含有する第1カラムに、所定初期pHおよびICの所定初期濃度で、分離される前記荷電分子を適用し、結合させ、
陽イオン性または陰イオン性イオン交換吸着剤を含有する前記第1カラムの後に、前記第1のものと反対の電荷の陽イオン性または陰イオン性イオン交換吸着剤を含有する第2カラムを連続して接続し、前記第1および第2カラム中に含有される前記吸着剤を、前記初期pHで平衡化し、
前記第1カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤に、外部から定められる傾きを有する未保持pH勾配およびICの濃度における、独立で同時の未保持勾配を維持するように形成された、前記初期pHおよび初期IC濃度から開始する可変pHおよび独立可変IC濃度を有する溶出剤を供給し、
それぞれが、所定最終pHおよびICの所定濃度に到達するまで、その有効等電点で前記第1カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤から連続的に溶出する前記荷電分子を溶出し、
二次分離のために、前記第1カラムから連続的に溶出した荷電分子を含有する、得られた流出物を、第2カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤中に向け、
前記所定最終pHおよびICの前記所定濃度に到達するまで、前記第2カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤に、反対に荷電した荷電分子を結合させる
ためのコードを含む前記媒体。
【請求項10】
前記コードが、
前記第1カラムを前記第2カラムから外し、
前記第2カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤をかん流している前記pH勾配を逆転させることによって、第2の所定初期pHから第2の所定最終pHを生じさせ、第2の所定初期IC濃度から所定最終IC濃度まで第2の独立勾配を同時に生じさせ、
それぞれが、第2の所定最終pHおよび第2の所定最終IC濃度に到達するまで、その有効等電点で前記第2カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤から連続的に溶出する、前記荷電分子を収集する
ためのコードをさらに含む、請求項9に記載のプロセッサー可読媒体。
【請求項11】
前記コードが、前記第1カラムの後に、前記第1カラム中に含有される前記吸着剤と反対の電荷のイオン交換吸着剤を含有する第2カラムを連続に場合により再接続し、前記第1および第2カラム中に含有される前記イオン交換吸着剤を、前記初期pHおよび前記初期IC濃度で平衡化するためのコードをさらに含む、請求項10に記載のプロセッサー可読媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2010−502960(P2010−502960A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526899(P2009−526899)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/077162
【国際公開番号】WO2008/028001
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(509058139)クライオバイオフィジカ,インコーポレイテッド (1)