説明

液体シンチレーションカウンタ

【課題】液体シンチレーションカウンタにおいて、真のパルスの後に生じるアフターパルスを誤計数しないためのデットタイム処理の実行に当たって、デットタイム処理を一律に適用することによる問題を解決する。
【解決手段】デットタイム処理部22は、同時計数パルス106に基づいてトリガパルス108を生成するものである。制御部24は、同時計数パルス106に基づいて計数(計数率)を求め、それに応じてデットタイム処理の有無を切り替える。有無の切り替えだけではなくデットタイム期間を段階的にあるいは連続的に可変設定するようにしてもよい。高計数率の場合にはデットタイム処理なしでの計測が実行され、低計数率の場合にはデットタイムありでの計測が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体シンチレーションカウンタに関し、特にアフターパルスを除去するデットタイム処理に関する。
【背景技術】
【0002】
液体シンチレーションカウンタは、バイアル(サンプル容器)中に入れた放射性サンプル(放射性物質)からの放射線(特にβ線)をバイアル中の液体シンチレータの発光として検出する装置である(特許文献1参照)。このような液体シンチレータを用いた放射能測定では放射線により生じた真のパルスに続いて1又は複数のアフターパルス(遅発パルス)が発生することが知られている。それらのアフターパルスが計数されてしまわないようにするために、計測回路の動作条件として、パルス発生後に一定時間のパルスを計数しない不感時間が設けられる。それはデットタイムと称され、通常、数μs〜10μsの範囲内の一定値として設定される。
【0003】
【特許文献1】特開平8−75861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体シンチレータの発光時間は通常、数nsであり、他のシンチレータのそれと比べて極めて短時間であるから、本来的に高線量計測が可能な筈である。にもかかわらず、上記のアフターパルスの問題からデットタイム(不感時間)の設定を余儀なくされている。従来の液体シンチレーションカウンタにおいては、一律のデットタイムが常時設定されており、状況に応じてデットタイム処理の条件を切り替える機能を有していない。よって、状況に応じた合理的な計測が実現できていない状況にある。
【0005】
本発明の目的は、デットタイム処理を一律に適用することによる問題を解消又は軽減し、状況に応じた液体シンチレーションカウンタの動作条件が適用されるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、放射性サンプル及び液体シンチレータが入れられたサンプル容器を収容する測定室と、前記サンプル容器内で生じた光を検出する光検出器と、前記光検出器からの検出信号に対して、アフターパルス誤計数を防止するためのデットタイム処理を施すデットタイム処理部と、前記デットタイム処理部からの出力信号に基づいて計測を行う計測部と、前記光検出部からの検出信号に基づいて、前記デットタイム処理部の動作を制御する制御部と、を含むことを特徴とする液体シンチレーションカウンタに関する。
【0007】
上記構成によれば、光検出器からの検出信号(第1検出信号)がデットタイム処理部に入力され、当該検出信号についてのデットタイム処理(デットタイム期間内の計数が除外されるようにする処理)が施される。その一方、光検出器からの検出信号(第2検出信号)に基づいてデットタイム処理部の動作が制御される。つまり、デットタイム処理を一律に適用するのではなく、状況に応じてその処理の有無、条件等を切り替えることができる。これにより、デットタイム処理を停止してもよい期間において当該処理を停止させ、あるいは、そのような期間においてデットタイム処理の期間を短くすれば、従来において計数できなかった真のパルスを計数して計測の信頼性をより高めることが可能となる。勿論、デットタイム処理が必要な期間あるいは状況においては当該処理を実行させることができるので、誤計数による問題も従来同様に解消することができる。デットタイム処理の動作制御に当たっては計数率あるいはそれに相当する計数値、線率、放射能等の情報を判断材料として利用することが可能である。上記の第1検出信号と第2検出信号は同一信号であってもよいし、別信号であってもよい。後者の場合には、例えば、同じ光電子増倍管における複数のタップ(増幅段)から出力される複数の信号を利用してもよい。
【0008】
望ましくは、前記制御部は、前記光検出部からの検出信号が低計数率を示す場合に前記デットタイム処理を実行させ、前記光検出部からの検出信号が高計数率を示す場合に前記デットタイム処理を停止させる。これは処理の有無を切り替えるものである。望ましくは、前記制御部は、前記光検出部からの検出信号が示す計数率に応じて、前記デットタイム処理におけるデットタイム期間を可変制御する。これはデットタイム期間を適応的に可変設定するものである。なお、従来同様に、デットタイム期間での不検出を補償するために計測時間の延長を行うのが望ましい。例えば、(延長前)計測期間内での計数値に不感時間τを乗じたものとして延長時間を算出するようにしてもよい。
【0009】
望ましくは、前記制御部は、測定開始タイミングを基準とした所定の調査期間において計数率を評価し、前記所定の調査期間後における前記デットタイム処理を制御する。この構成によれば、先行して状況の調査が行われ、その調査結果からデットタイム処理の有無あるいは期間長が設定される。所定の調査期間を可変設定できるように構成してもよい。その期間内ではデットタイム処理が適用された方が望ましいが、適用されなくてもよい。そのような調査が計測途中で段階的にあるいは連続的に行われてもよい。特に長期間にわたって計測を行う場合には途中での状況変化が考えられるので、一回の測定期間内で動的にデットタイム処理の条件が切り替わるようにするのが望ましい。
【0010】
望ましくは、前記制御部は、前記所定の調査期間内において前記デットタイム処理を実行させ、前記計測部は、前記所定の調査期間内において前記デットタイム処理部から出力される出力信号、及び、前記所定の調査期間後において前記デットタイム処理部から出力される出力信号の両者に基づいて前記計測を行う。この構成によれば、所定の調査期間内における計測値も利用して測定時間を最適化あるいは短縮化できる。所定の調査期間内における出力信号あるいは計数値を計測に利用するのか否かを適応的に判断するようにしてもよい。
【0011】
また、本発明は、放射性サンプル及び液体シンチレータが入れられたサンプル容器を収容する測定室と、前記サンプル容器内で生じた光を検出する一対の光電子増倍管と、前記一対の光電子増倍管からの一対の第1検出信号が同時に入力された場合に同時計数パルスを出力する同時計数回路と、前記同時計数回路からの同時計数パルスに対して、アフターパルス誤計数を防止するためのデットタイム処理を施すことにより、計数トリガパルスを出力するデットタイム処理部と、前記一対の光電子増倍管からの一対の第2検出信号を加算して加算検出信号を出力する加算回路と、前記計数トリガパルスの入力と同時に前記加算検出信号が入力された場合に当該加算検出信号を計数し、これにより計測を行う計測部と、前記同時計数回路からの同時計数パルスに基づいて計数率を求め、その計数率に応じて前記デットタイム処理部の動作有無及び動作条件の内の少なくとも一方を制御する制御部と、を含むことを特徴とする液体シンチレーションカウンタに関する。この構成によれば、状況に応じて計数性能を最適化でき、また従来同様に誤計数を効果的に除去できる。特に液体シンチレータの高速応答性を生かした計測を実現できる。
【0012】
アフターパルスは、サンプル測定時よりもバックグランド測定時の方が顕著に発生する。その一方、バックグランド測定の計数率は、例えば60cpm程度であり(標準的な20mLバイアルを利用した場合)、アフターパルスが生じやすいバックグランド測定時においては非常に低い計数率となる。これらのことを総合するならば、高計数率となるサンプル測定時においてはアフターパルスの除去を行わず(あるいはデットタイム期間を短くし)、一方、低計数率となるバックグランド測定時においてはアフターパルスの除去を行う(あるいはデットタイム期間を長くする)ことが望まれる。但し、その場合においても状況を正確に捉えるために計数率を実測する調査が望まれ、その調査による計数率を基準としてアフターパルス除去処理の動作を切り替えるのが望ましい。なお、計数率が小さい場合にデットタイムを長くすれば外乱としての突発的な電磁ノイズ等による誤計数を軽減できるという利点も得られる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、デットタイム処理を一律に適用することによる問題を解消又は軽減できる。本発明によれば、状況に応じて液体シンチレーションカウンタの動作条件を設定できる。特に、今まで計数できていなかった真のパルスを計数できる動作条件を作り出せる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
図1には、本発明に係る液体シンチレーションカウンタの好適な実施形態が示されており、図1はその要部構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、サンプル容器としてのバイアル10には放射性サンプル及び液体シンチレータが入れられている。その液体が符号10Aで示されている。放射性サンプルから生じる放射線(例えばβ線)が液体シンチレータにおいて発光を生じさせ、その光が一対の光電子増倍管12A,12Bで検出される。それらの光電子増倍管12A,12Bは、受光において生じる電子を段階的に増幅するものである。光電子増倍管12A,12Bには増幅率が異なる複数の出力端子が設けられており、本実施形態においては各光電子増倍管12A,12Bにおける2つの端子から2つの検出信号が取り出されている。もちろん、各光電子増倍管12A,12Bにおける単一の端子から検出信号が取り出されてもよい。
【0017】
一対の光電子増倍管12A,12Bから出力された一対の検出信号100A,100Bは加算器14に入力される。この加算器14は、2つの検出信号100A,100Bを増幅しながら加算する機能を有している。加算処理により得られた加算検出信号102はマルチチャンネルアナライザ(MCA)16へ出力される。
【0018】
一方、一対の光電子増倍管12A,12Bから出力される一対の検出信号104A,104Bは同時計数回路18に入力されている。同時計数回路18はいわゆる同時計数処理を実行するものであり、2つの検出信号104A,104Bが同時に得られた場合にだけ出力パルス106を出力する。これによって熱雑音等に起因するノイズを除去することができる。出力パルス106は、最終的にトリガパルス108として利用されるものであり、またそれを生成するためにトリガパルス生成ユニット20が設けられている。
【0019】
トリガパルス生成ユニット20は、本実施形態において、デットタイム処理部22と制御部24とで構成されている。デットタイム処理部22は、上述したアフターパルスを計数することによる問題を解消または軽減するため、各パルスが発生したタイミングの直後に不感時間としてデットタイムを設定し、そのデットタイム内において生じるパルスを計数対象から除外するものである。入力されるパルスのすべてについてデットタイム処理を施すようにしてもよいし、先のデットタイム期間の経過後に入力される最初のパルスを常に計数対象としつつそれについてデットタイム処理が施されるようにしてもよい。つまり不感期間が連続してしまわないようにしてもよい。したがって、そのようなデットタイム処理を経た出力信号としてトリガパルス108が生成される。
【0020】
ただし、本実施形態においては、制御部24が設けられており、制御部24は事前に測定される計数(計数率)に基づいて、デットタイム処理の実行の有無を制御している。図1に示される構成では、デットタイム処理を行うか否かが制御されているが、デットタイム処理の時間長を連続的にあるいは段階的に制御するようにしてもよい。本実施形態においては、線量率が高い場合には、典型的には試料すなわちサンプルの測定を行う場合にはデットタイムなしが設定されており、一方、線量率が低い場合には、典型的にはバックグランド測定の場合には、デットタイムありが設定されている。このような制御により、従来においてデットタイムを一律に設定することに起因して生じた問題を効果的に解消または軽減することができる。すなわち、液体シンチレータの短時間応答性をうまく利用してサンプルについての測定を行える一方において、バックグランド測定等においてアフターパルスを誤計数してしまう問題を解消することが可能である。
【0021】
MCA16は、計測手段の一部として機能し、トリガパルス108が得られたタイミングで加算検出信号102を受け入れそれに基づいてスペクトルを解析する機能を有する。すなわち、各エネルギー区分毎に計数を行ってスペクトルが演算される。そのスペクトルは計測手段の他の一部を構成するデータ処理部26に渡され、そこで必要なデータ演算(クエンチング補正等を含む)が実行される。
【0022】
図2には、図1に示したトリガパルス生成ユニット20の具体的な構成例が示されている。図2においてはハードウェア回路によってトリガパルスを生成する構成が図示されているが、その機能がソフトウェア処理により実現されてもよい。図2の構成は代表的な機能を説明するための例示に過ぎない。トリガパルス生成ユニット20は、上述したように、デットタイム処理部22と制御部24とで構成されるものである。
【0023】
デットタイム処理部22は、図示されるようにパルス発生器30を有している。このパルス発生器30は具体的には同時計数パルス106に基づく単パルス発生器として構成され、その出力信号としてデットタイムに相当する期間幅をもったパルス(負側パルス)が生成される。パルス発生器30におけるパルス幅をパルス幅設定信号により可変設定することも可能である。そのパルス発生器30により生成されたパルスをそのままアンド回路42へ出力し、当該パルスと同時計数パルス106との間でアンド条件を満たす場合にトリガパルス108を生成させることも可能であるが、その場合には、デットタイムが一律に設定されてしまい、上述したような各種の問題が生じる。
【0024】
そこで、本実施形態においては、制御部24において、カウンタ32が計測開始から一定期間(例えば1秒)内における計数(計数率)を求めており、それを基準としてデットタイム処理を行うか否かの制御信号が生成されている。具体的には、タイマー34が、スタート信号からの経過時間を計測しており、それが所定時間に到達すると、タイマー34から出力パルスが生成される。その出力パルスが生成されたタイミングで、同時計数パルス106の計数値がカウンタ32において特定され、その計数値を表す信号Aが出力される。
【0025】
一方、判定値メモリ36には、計数値Aと比較されるべき判定値Bが格納されている。比較器38の一方の入力端子には計数値Aが入力され、他方の入力端子には判定値Bが入力され、それらの比較が比較器38において行われている。ここで、計数値Aの方が大きければ高線量であると判断され、比較器38からH(High)の信号が出力される。すなわち、デットタイム処理を行わないようにする信号が生成される。一方、計数値Aよりも判定値Bの方が大きければ低計数(率)であると判断されて、比較器38からL(Low)信号すなわちデットタイム処理を行うことを表す信号が生成される。
【0026】
オア回路40では、信号Cと信号Dを入力としてそれらについてオア条件での演算を行っている。したがって、アンド回路42において、入力信号EがHであれば、すなわちデットタイム処理なしと判断されている場合、あるいは、デットタイム処理ありと設定されている場合においてデットタイム処理期間以外であれば、同時計数パルス106がそのままトリガパルス108として出力される。それ以外の場合にはトリガパルス108は出力されない。
【0027】
図3には、図1に示した装置の動作例が示されている。S101では、計測開始から所定期間すなわち調査期間において計数値(計数率)Cが計測される。その調査期間を可変設定できるように構成してもよい。S102では、その計数値Cが判定値αよりも大きいか否かが判断され、計数値Cが判定値α以上であれば高線量であると推定されるためにS103においてデットタイムなしが設定されて、S105で計測が実行される。一方、S102において計数値Cが判定値α未満であると判断された場合には、S104においてデットタイムありが設定され、S106においてアフターパルス除去のためのデットタイム処理ありの下で計測が実行される。S107では、デットタイムありの場合における計数不足を補うため、計測期間内における計数値に対してデットタイム期間τを乗算した時間だけ計測延長処理が行われる。ただし、そのような延長を行わなくてもよいし、また延長期間の算出方法としては各種のものが考えられる。
【0028】
S108ではデータ演算が実行される。それには上述したようにクエンチング補正すなわちスペクトル波形の補正等が含まれる。上記の動作例においては、一般に、サンプル計測においてはデットタイムなしでの計測が実行されることになり、サンプルを用いないあるいは標準サンプルを用いたバックグランド計測においてはデットタイムありでの計測が実行されることになる。ちなみに、S101の調査期間においてはデットタイムありとして計測を行うのが望ましいが、デットタイムなしでの計測を行うようにしてもよい。また、調査期間内において計測された計数値を最終的に演算されるデータの一部として利用するようにしてもよいし、その期間内における計測結果を除外して測定結果を得るようにしてもよい。
【0029】
上記の実施形態においては、デットタイム処理の有無が切り替えられていたが、更に、計数率に応じてデットタイム処理を行う期間を段階的にあるいは連続的に切り替えるようにしてもよい。例えば、図4に示されるように、調査期間における計数の大きさに応じてデットタイム期間を段階的に切り替えるようにしてもよい。また、計数あるいは計数率から関数演算によりデットタイムを算出するようにしてもよい。例えば、デットタイムとして、1000μs/計数[s]のような計算を実行し、計数値からデットタイムを直接的に求めるようにしてもよい。
【0030】
上記実施形態においては、計測における前段階あるいは開始時期において調査期間が設定されていたが、長時間にわたってサンプルの測定を行うような場合には、計測と調査とを並列的に実行するようにしてもよいし、あるいは定期的に調査期間が設定されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る液体シンチレーションカウンタの好適な実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示したトリガパルス生成ユニットの具体的な構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示した装置の動作例を示すフローチャートである。
【図4】計数(計数率)に応じてデットタイムを段階的に切り替えるための条件を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
10 バイアル、12A,12B 光電子増倍管、14 加算器、16 マルチチャンネルアナライザ(MCA)、18 同時計数回路、20 トリガパルス生成ユニット、22 デットタイム処理部、24 制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性サンプル及び液体シンチレータが入れられたサンプル容器を収容する測定室と、
前記サンプル容器内で生じた光を検出する光検出器と、
前記光検出器からの検出信号に対して、アフターパルス誤計数を防止するためのデットタイム処理を施すデットタイム処理部と、
前記デットタイム処理部からの出力信号に基づいて計測を行う計測部と、
前記光検出部からの検出信号に基づいて、前記デットタイム処理部の動作を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする液体シンチレーションカウンタ。
【請求項2】
請求項1記載の液体シンチレーションカウンタにおいて、
前記制御部は、前記光検出部からの検出信号が低計数率を示す場合に前記デットタイム処理を実行させ、前記光検出部からの検出信号が高計数率を示す場合に前記デットタイム処理を停止させる、ことを特徴とする液体シンチレーションカウンタ。
【請求項3】
請求項1記載の液体シンチレーションカウンタにおいて、
前記制御部は、前記光検出部からの検出信号が示す計数率に応じて、前記デットタイム処理におけるデットタイム期間を可変制御する、ことを特徴とする液体シンチレーションカウンタ。
【請求項4】
請求項2又は3記載の液体シンチレーションカウンタにおいて、
前記制御部は、測定開始タイミングを基準とした所定の調査期間において計数率を評価し、前記所定の調査期間後における前記デットタイム処理を制御する、ことを特徴とする液体シンチレーションカウンタ。
【請求項5】
請求項4記載の液体シンチレーションカウンタにおいて、
前記制御部は、前記所定の調査期間内において前記デットタイム処理を実行させ、
前記計測部は、前記所定の調査期間内において前記デットタイム処理部から出力される出力信号、及び、前記所定の調査期間後において前記デットタイム処理部から出力される出力信号の両者に基づいて前記計測を行う、
ことを特徴とする液体シンチレーションカウンタ。
【請求項6】
放射性サンプル及び液体シンチレータが入れられたサンプル容器を収容する測定室と、
前記サンプル容器内で生じた光を検出する一対の光電子増倍管と、
前記一対の光電子増倍管からの一対の第1検出信号が同時に入力された場合に同時計数パルスを出力する同時計数回路と、
前記同時計数回路からの同時計数パルスに対して、アフターパルス誤計数を防止するためのデットタイム処理を施すことにより、計数トリガパルスを出力するデットタイム処理部と、
前記一対の光電子増倍管からの一対の第2検出信号を加算して加算検出信号を出力する加算回路と、
前記計数トリガパルスの入力と同時に前記加算検出信号が入力された場合に当該加算検出信号を計数し、これにより計測を行う計測部と、
前記同時計数回路からの同時計数パルスに基づいて計数率を求め、その計数率に応じて前記デットタイム処理部の動作有無及び動作条件の内の少なくとも一方を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする液体シンチレーションカウンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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