説明

液体供給を管理するためのタンクロック装置・システムとそれを使用する方法

【目的】タンクロック装置を備えて作業員の勝手な取り替えを禁止し、正確な対照を行って、空になった液体タンクを正確な新しい液体タンクに取り替えることを管理するために、液体供給を管理するシステムとその方法を提供する。
【解決手段】液体タンクを備える工程設備に適した液体供給を管理するシステムが開示される。システムは、ホストと、データ読み出しツールと、システムコントローラーと、タンクロック装置とを含む。ホストが内蔵の液体データベースを蓄積している。液体タンクに関連するデータを読み出すために使用されるデータ読み出しツールがホストに電気接続される。ホストは、データ読み出しツールから液体タンクに関連するデータを受信し、かつ受信したデータを液体データベースと対照する。システムコントローラーがホストからの液体タンクの取り替えを許容するか否かの信号に従ってタンクロック装置を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般的に工程設備を管理するためのシステムとそれを使用する方法に関し、特に、 液体供給を管理するためのシステムとそれを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体プロセスにおいて、様々な液体がプロセスを実行するためによく使用される。一例としてリソグラフィー工程を挙げると、フォトレジスト塗布工程中、チップ表面が異なる工程条件に基づいて選択されたフォトレジストタイプの液体フォトレジストによりスピンコーティングされる。
【0003】
プロセス機械中のフォトレジストが使い尽くされた時、登録および対照(mapping)手続が手動で通常は行われるとともに、作業員が使い尽くされたフォトレジストを新しいフォトレジストに取り替えることを決定する。詳細には、一度、機械中のフォトレジストが使い尽くされると、信号が機械から作業員に送られて新しいフォトレジストを補給するよう促すので、生産ラインの中断が回避される。それに応じて、作業員が使い果たされたフォトレジストタンクを取り替えるために同一タイプの新しいフォトレジストタンクを移動させに行く。さらに、作業員がコンピューター末端中の使い果たされたフォトレジストタンクに関連するデータを手動で削除し、新しいフォトレジストタンクに関連するデータを記入する(enter)とともに、対照ならびに確認(verification)を行う。最後に、作業員が機械のフォトレジストキャビン中の使い果たされたフォトレジストタンクを見つけて、使い果たされたフォトレジストタンクを新しいフォトレジストタンクに取り替えるとともに、機械を再スタートさせる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記プロセスの間、新しいフォトレジストタンクに関連するデータがコンピューター中に確立されたデータベースと対照されて、移送された新しいフォトレジストタンクが正しいものか否か判定されるが、もちろん、制御および管理の強制的なメカニズムではない。フォトレジストには、様々なタイプがあり、幾つかのフォトレジストは、類似した非常に近い名称を有するから、人的不注意による間違った受け出しを引き起こしやすい。一度、作業員が対照手続を実施しない又はフォトレジストタンクを正しいものに取り替えるための対照エラーメッセージを無視すると、取り替えの致命的な誤りが発生し、更には製品全体の歩留まり及びコストに影響する。
〔発明の目的〕
【0005】
そこで、この発明の目的は、空になった液体タンクを正確な新しい液体タンクに取り替えることを管理するために、液体供給を管理するためのシステムを提供することにある。
【0006】
この発明の別な目的は、正しくない液体タンクと取り替えることを防止するために正確な対照を促進する液体供給を管理するためのシステムを提供することにある。
【0007】
この発明の他の目的は、作業員が勝手に液体タンクを取り替えることを禁ずることの助けとなるアイリングを有する液体タンクをロックするためのタンクロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、液体タンクを使用する工程設備中に配置されるのに適した液体供給を管理するためのシステムを提供する。システムがホストと液体タンクとデータ読み出しツールとシステムコントローラーとタンクロック装置とを含む。ホストがビルトイン液体データベースを有する。データ読み出しツールが液体タンクに関連するデータを読み出すためにホストに電気接続される。システムコントローラーがホストに電気接続される。タンクロック装置がシステムコントローラーに電気接続されるとともに、液体タンク上に配置され、タンクロック装置が滑動可能なロック手段を含む。ホストがデータ読み出しツールからの液体タンクに関連するデータを受信するとともに、液体タンクに関連するデータおよび液体データベース間での対照を行う。システムコントローラーがホストからの信号に従ってタンクロック装置を駆動する。タンクロック装置がロック状態にある時、ロック手段が液体タンクのアイリングを締め;タンクロック装置が解放状態にある時、ロック手段が液体タンクのアイリングを解放する。
【0009】
この発明の実施形態中、上記したロック手段が中空部分を含む。
【0010】
この発明の実施形態中、タンクロック装置がロック状態にある時、中空部分が液体タンクのアイリングをロックする。
【0011】
この発明の実施形態中、ホストに電気接続された液体レベルセンサーが更に液体タンク中の液体レベルを検出するために含まれる。
【0012】
この発明の実施形態中、データ読み出しツールが例えばバーコードスキャナーである。
【0013】
この発明の実施形態中、システムコントローラーが液体供給器を含む。
【0014】
この発明の実施形態中、液体供給器が例えば気圧供給器である。
【0015】
この発明の実施形態中、気圧供給器が1kg/cm2〜7 kg/cm2範囲の駆動圧力を有する。
【0016】
この発明の実施形態中、ロック手段が6.78/cm2の最大支出(outcome)圧力を有する。
【0017】
この発明の実施形態中、ロック手段が50mm/sec〜500mm/sec範囲の移動速度を有する。
【0018】
この発明の実施形態中、工程設備が例えばフォトレジスト塗布現像機械である。
【0019】
この発明の実施形態中、液体タンクが例えばフォトレジストタンクである。
【0020】
この発明は、また、液体タンクを使用する工程設備に適した液体供給を管理するための方法を提供するものであり、そのうち、ロック状態にあるタンクロック装置が液体タンク上に配置される。先ず、液体タンクが取り替えられる必要のある時、新しい液体タンクが新しい液体タンクについてのデータを読み出すために取り出される。次に、新しい液体タンクに関連するデータおよび取り替えられる液体タンクに関連するデータ間での対照手続が行われて、それらが互いに一致することを確認する。新しい液体タンクに関連するデータおよび取り替えられる液体タンクに関連するデータが互いに一致する時、タンクロック装置が駆動されて解放状態に切り換えられる。そして、液体タンクが正確な新しい液体タンクに取り替えられる。
【0021】
この発明の実施形態中、液体タンクに関連するデータが例えばバーコードスキャナーの使用により新しい液体タンク上のバーコードを読み取るものである。
【0022】
この発明の実施形態中、新しい液体タンクに関連するデータが液体タンクに関連するデータと一致しない時、タンクロック装置がロック状態を保つものである。
【0023】
この発明の実施形態中、工程設備が例えばフォトレジスト塗布現像機械である。
【0024】
この発明の実施形態中、液体タンクが例えばフォトレジストタンクである。
【0025】
この発明の実施形態中、新しい液体タンクが例えば新しいフォトレジストタンクである。
【0026】
この発明は、また、アイリングを有する液体タンクに適したタンクロック装置を提供する。装置が本体と留め部分と缶体とピストンと駆動ロッドとロック手段とを含む。留め部分が本体の一側に接続されて装置自体を液体タンク上に締め付ける。缶体が本体中に嵌め込まれると同時に、缶体の液体入口が本体から突き出る。ピストンが缶体中に配置される。駆動ロッドが缶体中に滑動可能に配置されるとともに、駆動ロッドの一端がピストンに接続される。ロック手段が駆動ロッドの他端に接続されるとともに、中空部分を有する。ピストンが液体入口からの液体圧力により押される時、ピストンが駆動ロッドを駆動してロック手段を移動軸に沿って解放位置からロック位置へ移動させて、中空部分にアイリングをロックさせる。
【0027】
この発明の実施形態中、タンクロック装置がピストンおよび缶体の内壁間に配置された弾性部材を含み、ピストンが缶体の底面に対して弾性力を働かせるようにして、駆動ロッドを駆動してロック手段が解放位置からロック位置へ移動するようにする。
【0028】
この発明の実施形態中、上記した弾性部材が例えば駆動ロッドに被せられたスプリングコイルである。
【0029】
この発明の実施形態中、タンクロック装置が更に2つのガイドレールを含んで、駆動ロッドの両側にそれぞれ配置し、ロック手段がガイドレールに押し付けられるとともに、ロック手段が確実に移動軸に沿って実質的に滑動できるようにする。
【0030】
この発明の実施形態中、本体が収容溝を含む。
【0031】
この発明の実施形態中、ロック手段が収容溝中に滑動可能に配置される。
【0032】
この発明の実施形態中、タンクロック装置が更に液体入口に接続された液体供給装置を含む。
【0033】
この発明の実施形態中、液体供給装置が例えば気圧供給器である。
〔作用〕
【0034】
上述した記載に従って、この発明にかかる液体供給を管理するシステムは、液体供給装置が使用中は液体タンクをロックすることを採用しているため、液体タンクが勝手に取り替えられることを防止できる。更に、システムコントローラーは、ホストがデータ対照を行った後の結果に基づいて状態を切り換えるよう、タンクロック装置を制御する。従って、液体供給を管理するシステムは、液体供給を効率よく対照ならびに管理することができるとともに、作業員が誤って正しくない液体タンクと取り替えることを防止できる。
【0035】
この発明の実施形態中、タンクロック装置が使用中はロック状態にある。新しい液体タンクに関連するデータが先行使用されている液体タンクに関連するデータと一致した時だけ、タンクロック装置が新しい液体タンクに取り替えるために非ロック状態に切り換わることを許容する。このようにして、この発明にかかる液体供給を管理する方法は、正確な液体タンクとの液体タンクのタイムリーな交換を促進することができる。
【0036】
更に、この発明の液体供給装置が滑動可能なロック手段を採用しているので、それが解放位置からロック位置へ移動するとともに液体供給システムを駆動することにより液体タンクのアイリングをロックすることができる。従って、液体タンクを誤って正しくない液体タンクに交換することを有効に防止できる。
【発明の効果】
【0037】
つまり、液体供給が十分でない又は液体タンクの交換が必要な時、液体供給を管理するためのシステムおよびそれを使用する方法は、データ読み出しツールを使用して新しい液体タンクのバーコードを走査することができ、液体タンクに関連するデータがホストへ送られるとともに、対照ならびに確認手続がホストによって行われるので、作業員の判断ミスによる間違った判定を防止できる。また、タンクロック装置は、ホストが対照を行った後の結果に従ってシステムコントローラーにより駆動されるから、それによって液体タンクの液体レベルが予め設定したレベルに達していない時に作業員が液体タンクを交換することを防止する。従って、この発明は、人為的ミスによる誤った液体タンクの交換を防止できるとともに、それによる液体ロスを有効に防止できる。
【0038】
その一方で、液体供給を管理するためのシステム及びそれを使用する方法は、単純なシステムおよび工程ステップという手段により新しい液体タンクに関連するデータを読み取ること、使用中に新しい液体タンクに関連するデータおよび液体タンクに関連するデータ間で対照を行うことを含んで、それらが互いに一致するか否かを検証するから、ダブルチェックならびに訂正を可能にする。
【0039】
さらに、この発明のタンクロック装置は、電気制御モードを使用してではなく、液体圧力モードを使用してロック手段の動きをコントロールする。それにより、どのような電子部品も可燃性液体と接触することがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、この発明の実施形態にかかる液体供給装置(タンクロック装置)を示す3次元図面(斜視図)であり、図2Aおよび図2Bは、図1中の液体供給装置(タンクロック装置)の動作を示す要部断面図である。
【0041】
図1と図2Aとにおいて、液体供給装置(タンクロック装置)100は、アイリングを有する液体タンク(図示せず)に適したものである。液体供給装置(タンクロック装置)100は、本体102と、留め部分(fastening portion)104と、缶体(vessel body)110と、ピストン120と、駆動ロッド130と、ガイドレール140,140と、ロック手段(locking detent)150とを含む。本体102は、例えば、中空のケースであり、収容溝(accommodating groove)102aが本体102中に配置される。留め部分104が本体102の一側に連結されている。缶体110が例えば本体102中に嵌め込まれる。ピストン120が例えば缶体110中に配置される。駆動ロッド130が滑動可能に(slideably)缶体110中に配置されるとともに、ピストン120に連結される。ロック手段150が例えば収容溝102a中に滑動可能に配置され、駆動ロッド130に連結されている。また、ガイドレール140,140が例えば駆動ロッド130の両側にそれぞれ配置されて、ロック手段150をガイドレール140,140に寄り添う(lean on)ようにさせている。
【0042】
図1に示したように、留め部分104が例えば中空リング構造を含んでいる。留め部分104と本体102との連結は、例えば、固定された連結であり、リング形状の留め部分104が液体タンクのタンク開口に近接した部分を取り囲んで、液体タンク上に液体供給装置(タンクロック装置)100を留めている。しかしながら、別な実施形態中、留め部分104は、任意の他の適切な幾何学的形状を有することができ、留め部分104が液体供給装置(タンクロック装置)100を安定して液体タンクに寄り添わせることができる限り、留め部分104と本体102との連結が滑動可能な連結であることもでき、この発明は、制限するものではない。
【0043】
缶体110は、例えば、円筒形状を有するシリンダーおよびシャンバーであり、ピストン120をその中に収容して往復運動させる。缶体110の底面は、例えば、底面を貫通する開口110aを含んでいる。開口110aは、ピストン120と他の部材、例えば、ロック手段150とを連結するために連結孔として供される。
【0044】
また、例えば、液体入口112が缶体110を越えるように配置されるとともに、缶体110中のシャンバーと通じることができる。液体入口112は、例えば、本体102から突き出ている。ある実施形態中、液体入口112が液体供給装置(図示せず)へ連続する時、液体供給装置により提供される液体が液体入口112から缶体110へ流れる。ピストン120は、ピストン120に対する液体圧力の働きによって缶体110中を移動することができる。
【0045】
駆動ロッド130は、例えば、移動軸170に整合する(align)とともに、ピストン120およびロック手段150間に配置される。駆動ロッド130が一端130aと他端130bとを含み、それぞれピストン120およびロック手段150に連結している。この実施形態中、駆動ロッド130の一端130aがピストン120の下部に連結する一方、駆動ロッド130の他端130bが缶体110の底面で開口110aを通過してロック手段150の上部に連結している。
【0046】
ロック手段150が中空部分(cavity portion)150aを有し、それが例えば移動軸170を中心軸としているとともに、ロック手段150の底部に配置されている。中空部分150aの形状は、例えば、液体タンクのアイリングに対応している。液体タンクのアイリング上部は、中空部分150aにより囲い込まれることができ、ロック手段150がちょうど液体タンクの凸状アイリングを掴むものとなる。
【0047】
また、ガイドレール140,140は、例えば、移動軸170の両側に対称に配置され、ガイドレール140,140がそれぞれロック手段150を貫通するとともに、中空部分150aの両側に位置して、ロック手段150がガイドレール140,140に沿って滑動できるようになっている。このように、ロック手段150は、ガイドレール140,140により実質的に移動軸170に沿って前後(上下)に滑動することが確実なものとなっている。
【0048】
ロック手段150がガイドレール140,140に沿って往復できるようにするために、この発明のタンクロック装置100は、弾性部材160を採用して、例えば、ピストン120と缶体110の底面との間に配置する。ピストン120上に働く弾性部材160の復原力という手段により、駆動ロッド130は、ロック手段150を運ぶことができ、ガイドレール140,140に沿って、缶体110に対して上方へ移動する。この実施形態中、弾性部材160は、例えば、駆動ロッド130上に被せられたコイルスプリングを含む。
【0049】
図2Aと図2Bとは、液体供給装置(タンクロック装置)100の断面図を示している。図2Aに示すように、液体入口112からの液体圧力がピストン120に働かない時、タンクロック装置100は、非ロック状態を維持し;同時に、ピストン120が駆動ロッド130を駆動してロック手段150を押すことがないとともに、ロック手段150が非ロック状態を維持する。
【0050】
図2Bにおいて、液体供給装置(図示せず)が液体入口112を介して液体を缶体110へ出力する時、ピストン120が液体入口112からの液体圧力180により働かされるとともに、液体圧力180のもと弾性部材160の方へ移動し、それが弾性部材160を圧縮してピストン120が缶体110の底面の方へ移動する。この時、駆動ロッド130もピストン120とともに移動し、かつロック手段150を駆動して解放位置P1からロック位置P2へガイドレール140,140および移動軸170に沿って移動し、それが更に中空部分150aを液体タンクのアイリングをロックできるようにすると同時に、タンクロック装置100がロック状態となる。
【0051】
次に、図2Aに示すように、液体供給装置が液体の出力を停止した時、ピストン120が液体入口112からの液体圧力180を免れて、弾性部材160が弾性力を缶体110の底面の方へピストン120の下部に対して働かせる。弾性部材160のピストン120への蓄積された動作のもと、駆動ロッド130がピストン120によって引っ張られ、ピストン120がロック手段150を駆動して解放位置P1へガイドレール140,140に沿って移動させる。
【0052】
言い換えれば、タンクロック装置100中のピストン120は、それに働く液体圧力180および弾性部材160の復原力のもとで往復運動をする。ピストン120が駆動ロッド130を引っ張ってロック手段150を移動させ、タンクロック装置100を異なる状態に切り換える。
【0053】
以下、液体供給を管理するためのシステムにおけるタンクロック装置100の応用を記述する。図3は、この発明の実施形態にかかる液体供給を管理するためのシステムの構成を示す説明図である。図3と図1と図2Aと図2Bとにおいて、同一部材には、同一符号を付して、説明を省略する。
【0054】
図3において、液体供給を管理するためのシステム300は、液体タンク360を使用する工程設備中に配置されることに適している。その実施形態中、この発明の液体供給を管理するためのシステム300は、例えば、フォトレジスト塗布現像機械中に使用される。液体タンク360は、例えば、フォトレジストタンクであり、新しい液体タンク370は、例えば、しかし、限定するものではないが、液体タンク360と取り替えるための新しいフォトレジストタンクである。確かに、半導体プロセスを除いて、液体供給を管理するためのシステム300は、他の適切な分野に使用することもできるが、この発明は、限定するものではない。
【0055】
液体供給を管理するためのシステム300は、ホスト310と、データ読み出しツール320と、システムコントローラー330と、タンクロック装置100と、液体レベルセンサー350とを含む。データ読み出しツール320がホスト310に電気接続され、システムコントローラー330がホスト310に電気接続され、タンクロック装置100が液体供給装置340を介してシステムコントローラー330に連結され、液体レベルセンサー350がホスト310に電気接続される。
【0056】
ホスト310は、例えば、液体レベルセンサー350およびデータ読み出しツール320から送られてくる信号を受信するために、フォトレジスト塗布現像機械中に配置され、ホスト310は、更に、操作のために信号をシステムコントローラー330へ送る。ホスト310は、例えば、液体タンク360に関連するデータを新しい液体タンク370に関連するデータと対照するために内蔵された(built-in)液体データベースを含んでいる。
【0057】
データ読み出しツール320は、液体タンク370上のデータを読み出すために使用される。この実施形態中、データ読み出しツール320がワイヤレスモードでデータ伝送を行うことのできるバーコードスキャナーを含み、例えば、パーソナルデジタルアシスタント(personal digital assistant = PDA)がそうであり、データ読み出しツール320が新しい液体タンク370上のラベルを走査するために使用されるとともに、ラベル374のバーコードを介して新しい液体タンク370に関連するデータを取得する。次に、データ読み出しツール320が新しい液体タンク370に関連するデータをホスト310へ送り、受け取ったデータをホスト310中の液体データベースと対照して、新しい液体タンク370に関連するデータが液体タンク360についてのデータと一致するか否かを検証する。
【0058】
システムコントローラー330がホスト310から信号を受け取り、タンクロック装置100を駆動する。システムコントローラー330は、さらに、液体供給装置340を含む。液体供給装置340は、システムコントローラー330およびタンクロック装置100間に連結される。この実施形態中、液体供給装置340は、例えば、気圧供給器であり、1kg/cm2〜7 kg/cm2範囲の駆動圧力を提供する。システムコントローラー330は、ホスト310からの信号に従って液体供給装置340の動作を制御することができ、更にタンクロック装置100を異なる状態に切り換える。液体供給装置340がオンとなった時、液体圧力がタンクロック装置100に供給され;液体供給装置340がオフとなった時、液体圧力がタンクロック装置100に供給されない。
【0059】
タンクロック装置100は、アイリングを有する液体タンク360上に配置される。タンクロック装置100は、留め部分104と、滑動可能なロック手段150とを含む。留め部分104は、例えば、液体タンク360のタンク開口に近接した部分を取り囲んで、液体タンク360上に液体供給装置100を留めている。タンクロック装置100が液体供給装置340による移動のためにロック手段150を駆動して、タンクロック装置100が液体タンク360をロックおよび非ロックとするために異なる状態に切り換えられる。
【0060】
液体供給装置340が液体圧力を供給してロック手段150を押す時、ロック手段150の中空部分(図示せず)が液体タンク360のアイリングをロックするので、この時、タンクロック装置100がロック状態にある;液体供給装置340がロック手段150を押すための液体圧力の供給を停止する時、ロック手段150が液体タンク360のアイリングを解放するので、この時、タンクロック装置100が非ロック状態となる。この実施形態中、ロック手段150の最大支出圧力は、6.78kg/cm2であり、ロック手段150の移動速度は、150mm/sec〜500mm/secの範囲である。
【0061】
特記すべきことは、フォトレジスト塗布現像機械の動作中、タンクロック装置100が例えばロック状態である。従って、ロック手段150が液体タンク360のアイリング362をロックすることができ、作業員は、液体タンク360を容易に取り替えることができない。
【0062】
液体レベルセンサー350が液体タンク360中の液体使用状況を検出するために採用されるとともに、検出した液体レベルをホスト310へ送り、液体タンク360の取り替えを従業員に知らせるために、ホスト310が警戒信号を送るか否かを決定することができる。液体レベルセンサー350は、例えば、光学センサーまたは他の適切なセンサーであり、検出レベルが予め設定(プレセット)されるとともに、予め設定される検出レベルは、実際の状況により異なる。液体レベルセンサー350は、例えば、液体タンク360の側壁に配置されるとともに、液体タンク360の側壁に配置された透視窓(図示せず)が液体レベルを検出するために使用される。液体レベルセンサー350は、液体タンク360中の液体レベルを検出するために、液体タンク360中に直接配置することもできる。上述した技術の他に、他の適切な技術が液体レベルセンサー350を配置するために使用できる。
【0063】
上記した実施形態中、液体供給を管理するシステム300は、タンクロック装置100セットを例示的に掲げたが、この発明は、タンクロック装置100の数量を特別に制限するものでなく、当業者であれば実際の必要に応じて数量を調整することができる。
【0064】
液体供給を管理するためのシステム300は、この発明に従って、データ読み出しツール320を使用して新しい液体タンク370のラベル上のバーコードを走査するとともに、新しい液体タンク370に関連するデータを入手する。次に、データ読み出しツール320が新しい液体タンク370に関連するデータをホスト310へワイヤレスモードで送る。ホスト310は、液体タンク370についての受信したデータを内蔵の液体データベースと対照して新しい液体タンク370に関連するデータが液体タンク360についてのデータと一致するか否かを検証する。もし対照結果が正しければ、ホスト310がシステムコントローラー330へ信号を送って液体供給装置340をオフとし、タンクロック装置100を非ロック状態に切り換えるとともに、液体タンク360のアイリング326を解放する。次に、液体タンク360が除去されて新しい液体タンク370に取り替えられる。
【0065】
以下、液体供給を管理するためのシステム300によって行われる液体を管理する方法が記述される。図4は、この発明の実施形態にかかる液体を管理する方法を示すフローチャートである。
【0066】
この発明の液体管理方法は、タンクロック装置100が使用された液体タンク360上に配置される工程設備に適したものであり、かつタンクロック装置100がそのデフォルト(default 非指示)状態としてロック状態を維持するので、液体タンク360を誤って正しくない液体タンクと取り替えることを防止することができる。
【0067】
図3と図4とにおいて、先ず、液体タンク360中の液体レベルを検出する(ステップS400)。ステップS400中、液体タンク360中の液体レベルは、液体レベルセンサー350により検出され、かつ液体レベルの信号がホスト310へ送り返される。
【0068】
次に、ステップS410中、もしも液体レベルセンサー350が液体タンク360中の液体レベルが予め設定された検出レベルに達した又はそれよりも低いことを明らかにすれば、液体タンク360中の液体が間もなく空になることを意味する。この時、液体レベルセンサー350に電気接続されたホスト310が信号を送る、即ち、例えば、ホスト310のスクリーン上に表示される又は警報音あるいは警告灯が従業員に液体タンク360を取り替えるよう知らせる。
【0069】
そして、ステップS420中、新しい液体370が運ばれ、かつ新しい液体370に関するデータが読み出される。この実施形態中、データ読み出しツール320が使われて新しい液体370上のラベル374のバーコードを走査し、新しい液体370に関するデータを獲得するとともに、その後でデータ読み出しツール320が新しい液体370に関するデータをホスト310へ例えばワイヤレスモードで送り返す。
【0070】
次に、ステップS430中、ホスト310が新しい液体370に関するデータを液体タンク360に関連するデータと対照して、2つの液体タンクのデータが互いに一致するか否か判定する。対照は、例えば、新しい液体タンク370をホスト310中の液体データベースと対照して作業員により運ばれた新しい液体タンク370の正確性をダブルチェックするソフトウェアを使用して実施される。
【0071】
さらに、ステップS440中、新しい液体370に関するデータが液体タンク360に関連するデータと一致する時、ホスト310が信号をシステムコントローラー330へ送る。信号は、例えば、タンクロック装置100をオフとするための信号である。システムコントローラー330は、ホスト310により送られた信号に従って液体供給装置340をオフとする。一度、液体供給装置340が液体圧力を働かせることを停止すると、タンクロック装置100がそれにより駆動されるとともに、非ロック状態に切り換えられて、ロック手段150が液体タンク360のアイリング362を解放するようにさせる。
【0072】
また、ステップS450中、タンクロック装置100がオフとなった後、液体タンク360を作業員により取り出すことができ、かつ新しい液体370に取り替えることができるので、液体タンク360の正しい交換というゴールを達成する。
【0073】
ステップS430の後、新しい液体370に関するデータが液体タンク360についてのデータと一致することを確認しない時、ホスト310は、また、信号をシステムコントローラー330へ送るが、送られる信号は、例えば、タンクロック装置100をロックする信号である。システムコントローラー330は、液体供給装置340が継続して液体圧力をタンクロック装置100に働かせるようにし、タンクロック装置100がロック状態を維持する(ステップS460)から、作業員にタンクの取り替えを強制的に禁止して、液体タンク360を取り出すことができない。その後、正確な新しい液体タンクを移送し、かつ後続ステップを続けるために、手続は、再びステップS420へ戻る。即ち、手続は、正確な新しい液体タンクが移送され、そのデータが読み出されるとともに対照されて、その新しい液体タンクが交換するための正確なものであることを確認するまで繰り返される。その後のステップおよび詳細は、当業者であれば容易に行うことができるから、ここでは、その説明を省略する。
【0074】
以上のごとく、この発明を最良の実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】この発明の実施形態にかかる液体供給装置(タンクロック装置)を示す3次元説明図である。
【図2A】図1の液体供給装置(タンクロック装置)の動作を示す要部断面図である。
【図2B】図1の液体供給装置(タンクロック装置)の動作を示す要部断面図である。
【図3】この発明の実施形態にかかる液体供給を管理するためのシステムを示す構成図である。
【図4】この発明の実施形態にかかる液体供給を管理するためのシステムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0076】
100 タンクロック装置
102 本体
102a 収容溝
104 留め部分
110 缶体
110a 開口
112 流体入口
120 ピストン
130 駆動ロッド
130a 一端
130b 他端
140 ガイドレール
150 ロック手段
150a 中空部分
160 弾性部材
170 移動軸
180 液体圧力
300 液体供給を管理するためのシステム
310 ホスト
320 データ読み出しツール
330 システムコントローラー
340 液体供給装置
350 液体レベルセンサー
360 液体タンク
362 アイリング
370 新しい液体タンク
374 ラベル
P1 解放位置
P2 ロック位置
S400〜S460 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給を管理するためのシステムであり、液体タンクを使用する工程設備に適したものであって:
液体データベースを含むホストと;
前記液体タンクに関連するデータを読み出すために、前記ホストに電気接続されるデータ読み出しツールと;
前記ホストに電気接続されるシステムコントローラーと;
前記システムコントローラーに電気接続され、液体タンク上に配置され、かつ滑動可能なロック手段を有するタンクロック装置であり、そのうち、前記ホストが前記データ読み出しツールにより送られる前記タンクに関連する前記データを受信するとともに、前記タンクに関連する前記データおよび前記液体データベース間での対照を行い、前記システムコントローラーが前記ホストにより送られる信号に従って前記タンクロック装置を駆動し、そのうち、前記タンクロック装置がロック状態にある時、前記ロック手段が前記液体タンクの前記アイリングを締め、前記タンクロック装置が非ロック状態にある時、前記ロック手段が前記液体タンクの前記アイリングを解放する所のタンクロック装置と
を含む液体供給を管理するためのシステム。
【請求項2】
前記ロック手段が中空部分を含む請求項1記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項3】
前記タンクロック装置がロック状態にある時、前記中空部分が前記液体タンクの前記アイリングを掴む請求項2記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項4】
さらに、前記液体タンク中の液体レベルを検出するために前記ホストに電気接続された液体レベルセンサーを含む請求項1記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項5】
前記データ読み出しツールがバーコードスキャナーを含む請求項1記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項6】
前記システムコントローラーが前記ロック手段を押動ならびに移動させるために液体供給装置を含む請求項1記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項7】
前記液体供給装置が気圧供給器を含む請求項6記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項8】
前記気圧供給器の駆動圧力が1kg/cm2〜7 kg/cm2の範囲である請求項7記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項9】
前記ロック手段の最大出力圧力が6.78/cm2である請求項7記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項10】
前記ロック手段の移動速度が50mm/sec〜500mm/secの範囲である請求項7記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項11】
前記工程設備がフォトレジスト塗布現像機械を含むものである請求項1記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項12】
前記液体タンクがフォトレジストタンクを含むものである請求項1記載の液体供給を管理するためのシステム。
【請求項13】
液体供給を管理する方法であり、ロック状態にあるタンクロック装置を含む液体タンクを使用する工程設備に適したものであって:
前記液体タンクが取り替えを必要とされる時に、新しい液体タンクを移送するとともに、前記した新しい液体タンクに関連するデータを読み取ることと;
前記した新しい液体タンクに関連するデータを前記液体タンクに関連するデータと対照して前記した2つのデータが互いに一致するか否かを検証することと;
前記した新しい液体タンクに関連する前記データが前記液体タンクに関連する前記データと一致する時、前記タンクロック装置を駆動して非ロック状態とすることと;
前記液体タンクを前記した新しい液体タンクに取り替えることと
を含む液体供給を管理する方法。
【請求項14】
前記した新しい液体タンクに関連するデータを読み取るステップが、前記した新しい液体タンク上のバーコードをバーコードスキャナーの使用により読み取ることを含む請求項13記載の液体供給を管理する方法。
【請求項15】
前記した新しい液体タンクに関連する前記データが前記液体タンクに関連する前記データと一致しない時、前記タンクロック装置がロック状態にある請求項13記載の液体供給を管理する方法。
【請求項16】
前記工程設備がフォトレジスト塗布現像機械を含む請求項13記載の液体供給を管理する方法。
【請求項17】
前記液体タンクがフォトレジストタンクを含む請求項16記載の液体供給を管理する方法。
【請求項18】
前記した新しい液体タンクが新しいフォトレジストタンクを含む請求項17記載の液体供給を管理する方法。
【請求項19】
タンクロック装置であり、アイリングを有する液体タンクに適するものであって:
本体と;
前記液体タンク上で前記タンクロック装置を留めるために前記本体の一側に接続される、留め部分と;
前記本体中に嵌め込まれる缶体であり、そのうち、前記缶体の液体入口が前記本体から突き出している、缶体と;
前記缶体中に配置されるピストンと;
前記缶体中に滑動可能に配置される駆動ロッドであり、そのうち、前記駆動ロッドの一端が前記ピストンに接続されている、駆動ロッドと;
前記駆動ロッドの他端に接続されるとともに、中空部分を有するロック手段と;
を含み、
そのうち、前記ピストンが前記缶体の前記液体入口からの液体圧力により働かされる時、前記ピストンが前記駆動ロッドを駆動して前記ロック手段を移動軸に沿って解放位置からロック位置に移動させ、前記中空部分が前記アイリングを掴む、
ものであるタンクロック装置。
【請求項20】
さらに、弾性部材を含んで、前記ピストンおよび前記缶体の内壁缶に配置されて弾性力を前記ピストンに前記缶体の底面に対して働かせ、前記駆動ロッドが前記ロック手段を前記ロック位置から解放位置へ移動させるものである請求項19記載のタンクロック装置。
【請求項21】
前記弾性部材が前記駆動ロッド上に被せられたスプリングコイルを含むものである請求項20記載のタンクロック装置。
【請求項22】
さらに、前記駆動ロッドの両側にそれぞれ配置された2つのガイドレールを含んで、前記ロック手段を前記ガイドレールに押し付けるとともに、前記ロック手段が実質的に前記移動軸に沿って確実に滑動するようにするものである請求項19記載のタンクロック装置。
【請求項23】
前記本体が収容溝を含むものである請求項19記載のタンクロック装置。
【請求項24】
前記ロック手段が前記収容溝中に滑動可能に配置される請求項23記載のタンクロック装置。
【請求項25】
さらに、前記液体入口に接続された液体供給装置を含む請求項19記載のタンクロック装置。
【請求項26】
前記液体供給装置が気圧供給器を含むものである請求項25記載のタンクロック装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−278008(P2009−278008A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−129968(P2008−129968)
【出願日】平成20年5月16日(2008.5.16)
【出願人】(502293061)力晶半導體股▲ふん▼有限公司 (19)
【Fターム(参考)】