説明

液体供給装置

【課題】被加熱液体の供給圧力を維持した状態で、第1端末および第2端末へ湯を供給することができ、さらに、第1端末と第2端末とで異なる温度の湯を供給することができる液体供給装置を提供する
【解決手段】制御手段60は、第1端末71および第2端末72への同時供給時において、第1設定温度が第2設定温度よりも高い場合、二次側出口温度センサ53の検知温度が第1設定温度と対応する温度となるように、ポンプ3を制御し、第1混合弁6の高温被加熱液体の側の開度を全開とし、第2温度センサ55の検知温度が第2設定温度と対応する温度となるように、第2混合弁7を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加熱液体を所定の温度に加温して端末に供給する液体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体供給装置としては、水道水を加温して給湯端末等に供給する給湯機が知られている。給湯機は、夜間の割引電気料金を利用してヒートポンプユニットを運転し、常温の水道水を加熱して高温水(高温の湯)として貯湯タンクに貯え、昼間の湯水使用時に蛇口を開いたとき、貯湯タンク内の高温水を取り出し、常温の水道水と混ぜて適温水として給湯する貯湯式ヒートポンプ給湯機が一般的である。この給湯機では、貯湯タンクの耐圧保護のために、水道管からの高い水圧の水道水を減圧弁やシスターンタンク等で減圧して、貯湯タンク下部から導入し、一方、貯湯タンク上部から高温水を取り出している。
【0003】
また、給水を高温の熱媒体により間接的に加熱して高温被加熱液体として、給湯端末へ湯の供給を行う給湯機も知られている。例えば、特許文献1には、貯湯タンク内の湯を熱媒体として、水道水を間接的に加熱する給湯熱交換器を備え、給湯熱交換器の一次側には貯湯タンク内の湯(熱媒体)を給湯ポンプで流し、給湯熱交換器の二次側には水道水を水道圧で流して熱交換させ、水道水が所定の温度となるように一次側の流量を制御する(即ち、給湯ポンプの回転速度を制御する)給湯機が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、給水を高温の熱媒体により間接的に加熱してそれぞれ給湯端末および浴槽端末に湯を供給する給湯機が開示されている。この給湯機では、給湯端末および浴槽端末に湯を供給するのに一つの熱交換器を共用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−162166号公報
【特許文献2】特開2005−207672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2には、一つの熱交換器を共用して給湯端末および浴槽端末に同時に給湯する方法については何ら開示されていない。従って、特許文献2の給湯機では、給湯端末と浴槽端末とで設定温度が異なる場合、同時に供給することができないという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、被加熱液体を高温の熱媒体により間接的に加熱して高温被加熱液体として第1端末および第2端末へ供給するのに一つの熱交換器を共用することができ、さらに、第1端末と第2端末とで異なる温度の液体を同時に供給することができる液体供給装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような課題を解決するために、本発明に係る液体供給装置は、二次側を流通する被加熱液体を、一次側を流通する高温の熱媒体により加熱して、高温被加熱液体を生成する熱交換器と、前記熱媒体を前記熱交換器の一次側に流通させるポンプと、前記高温被加熱液体と、該高温被加熱液体より低温の低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第1端末へ供給する第1混合弁と、前記高温被加熱液体と、前記低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第2端末へ供給する第2混合弁と、前記熱交換器で生成される前記高温被加熱液体の温度を検出する二次側出口温度センサと、前記第1混合弁から前記第1端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第1温度センサと、前記第2混合弁から前記第2端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第2温度センサと、前記ポンプ、第1混合弁および第2混合弁を制御する制御手段と、を備え、第1設定温度に加温された被加熱液体を第1端末に供給し、第2設定温度に加温された被加熱液体を第2端末に供給する液体供給装置であって、前記制御手段は、前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、前記第1設定温度が前記第2設定温度よりも高い場合、前記二次側出口温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御し、前記第1混合弁の前記高温被加熱液体の側の開度を全開とし、前記第2温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記第2混合弁を制御することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る液体供給装置は、二次側を流通する被加熱液体を、一次側を流通する高温の熱媒体により加熱して、高温被加熱液体を生成する熱交換器と、前記熱媒体を前記熱交換器の一次側に流通させるポンプと、前記高温被加熱液体と、該高温被加熱液体より低温の低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第1端末へ供給する第1混合弁と、前記高温被加熱液体と、前記低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第2端末へ供給する第2混合弁と、前記熱交換器で生成される前記高温被加熱液体の温度を検出する二次側出口温度センサと、前記第1混合弁から前記第1端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第1温度センサと、前記第2混合弁から前記第2端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第2温度センサと、前記ポンプ、第1混合弁および第2混合弁を制御する制御手段と、を備え、第1設定温度に加温された被加熱液体を第1端末に供給し、第2設定温度に加温された被加熱液体を第2端末に供給する液体供給装置であって、前記制御手段は、前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、前記第1設定温度が前記第2設定温度よりも低い場合、前記二次側出口温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御し、前記第2混合弁の前記高温被加熱液体の側の開度を全開とし、前記第1温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記第1混合弁を制御することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る液体供給装置は、前記制御手段は、前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第1混合弁が故障した場合、前記第1温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御することを特徴とする。さらに、前記制御手段は、前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第1混合弁が故障し、前記第1設定温度が前記第2設定温度よりも高い場合、前記第2温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記第2混合弁を制御することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る液体供給装置は、前記制御手段は、前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第2混合弁が故障した場合、前記第2温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御することを特徴とする。さらに、前記制御手段は、前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第2混合弁が故障し、前記第2設定温度が前記第1設定温度よりも高い場合、前記第1温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記第1混合弁を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被加熱液体を高温の熱媒体により間接的に加熱して高温被加熱液体として第1端末および第2端末へ供給するのに一つの熱交換器を共用することができ、さらに、第1端末と第2端末とで異なる温度の液体を同時に供給することができる液体供給装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態に係る給湯機の構成模式図である。
【図2】第1実施形態に係る給湯機の機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る浴槽電磁弁制御を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る湯張り完了判定を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態に係る給湯機の温度制御開始判定を示すフローチャートである。
【図6】第1実施形態に係る給湯機が給湯端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る給湯機が浴槽端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
【図8】第1実施形態に係る給湯機が給湯端末および浴槽端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
【図9】図8における浴槽混合弁温度制御を示すフローチャートである。
【図10】図8における給湯混合弁温度制御を示すフローチャートである。
【図11】変形例に係る給湯機が浴槽端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
【図12】変形例に係る給湯機の給湯混合弁開度制御を示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態に係る浴槽電磁弁制御を示すフローチャートである。
【図14】第2実施形態に係る給湯機の混合弁故障判定を示すフローチャートである。
【図15】第2実施形態に係る給湯機の給湯混合弁故障時制御を示すフローチャートである。
【図16】第2実施形態に係る給湯機の給湯混合弁故障時における給湯端末供給制御を示すフローチャートである。
【図17】第2実施形態に係る給湯機の給湯混合弁故障時における給湯・浴槽端末供給制御を示すフローチャートである。
【図18】第2実施形態に係る給湯機の浴槽混合弁故障時制御を示すフローチャートである。
【図19】第2実施形態に係る給湯機の浴槽混合弁故障時における浴槽端末供給制御を示すフローチャートである。
【図20】第2実施形態に係る給湯機の浴槽混合弁故障時における給湯・浴槽端末供給制御を示すフローチャートである。
【図21】第2実施形態に係る給湯機の給湯端末優先制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0015】
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態に係る給湯機Sの構成模式図である。
給湯機Sは、貯湯タンク1を有する貯湯タンクユニット10と、ヒートポンプ冷媒回路(図示せず)および水冷媒熱交換器(図示せず)を有し貯湯タンク1の内部の水(熱媒体)を加熱するヒートポンプユニット30と、操作部40とを備え、水道管から給水された水道水を操作部40で設定された温度に調整して、給湯端末71および浴槽端末72に供給するものである。
【0016】
給湯機Sの貯湯タンクユニット10は、貯湯タンク1と、給湯熱交換器2と、給湯循環ポンプ3と、減圧弁4と、三方弁5と、給湯混合弁6と、浴槽混合弁7と、浴槽電磁弁8と、逆止弁9A〜9Eと、各種センサ(50〜59)と、制御装置60とを備えている。
【0017】
水道管から供給された高圧の水道水は、逆止弁9Aを通り、減圧弁4で減圧される。減圧された水道水は、逆止弁9Bを通り、貯湯タンク1の下部に接続された配管から貯湯タンク1内に給水される。
貯湯タンク1の下部側とヒートポンプユニット30の入水側とが連通するように三方弁5を切り換え、ヒートポンプユニット30を駆動することにより、貯湯タンク1の内部の熱媒体(熱媒水)は、貯湯タンク1の下部に接続された配管からヒートポンプユニット30に入水し、ヒートポンプユニット30内で加熱される。ヒートポンプユニット30で加熱された高温の湯は、熱媒体(熱媒水)として貯湯タンク1の上部から貯湯タンク1の内部に貯湯される。
【0018】
なお、三方弁5を、ヒートポンプユニット30の出湯側と、ヒートポンプユニット30の入水側とが連通するように切り換えて、ヒートポンプユニット30を駆動することにより、貯湯タンクユニット10とヒートポンプユニット30とを接続する配管内に高温の湯が流れ、ユニット間を接続する配管が凍結することを防止することができる。
【0019】
給湯循環ポンプ3を駆動することにより、貯湯タンク1の上部から熱媒体が給湯熱交換器2の一次側入口へと流入し、後述する給湯熱交換器2の二次側を流れる水道水を加熱する。給湯熱交換器2の一次側出口から流出した熱媒体は、給湯循環ポンプ3に吸引され、逆止弁9Cを経由して、貯湯タンク1の下部に送られる。
なお、給湯循環ポンプ3は、後述する二次側出口流量センサ56で検出する二次側出口流量が0よりも大きいとき駆動を開始し、二次側出口流量が0になると駆動を停止する。なお、給湯循環ポンプ3の回転速度は、制御装置60によって制御される。
【0020】
貯湯タンク1の上部と給湯熱交換器2の一次側入口とを接続する配管には、給湯熱交換器2の一次側に流入する熱媒体の温度を検出する一次側入口温度センサ50が設けられている。また、給湯熱交換器2の一次側出口と給湯循環ポンプ3とを接続する配管には、給湯熱交換器2の一次側から流出した熱媒体の温度を検出する一次側出口温度センサ51が設けられている。
【0021】
水道管から供給された高い水圧の水道水は、減圧弁4を経由することなく、高い水圧のまま給湯熱交換器2の二次側入口と、給湯混合弁6の水側入口と、浴槽混合弁7の水側入口に供給される。なお、給湯機Sに給水される水道水の温度を検出する給水温度センサ52が設けられている。
【0022】
給湯熱交換器2の二次側入口から流入した水道水は、給湯熱交換器2で加熱され、二次側出口から流出する。この流出した湯(加熱された水道水)は、給湯混合弁6および浴槽混合弁7に供給される。給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯の温度は、給湯熱交換器2の一次側を流れる熱媒体の流量を制御することにより、即ち、給湯循環ポンプ3の回転速度を制御することにより、調整することができる。
【0023】
給湯熱交換器2の二次側出口側には、二次側出口から流出した湯の温度を検出する二次側出口温度センサ53と、二次側出口から流出した湯の流量を検出する二次側出口流量センサ56とが設けられている。
【0024】
給湯混合弁6は、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯(加熱された水道水)と常温水(加熱されていない水道水)とを混合し、混合した湯水を給湯端末71へ供給する。
給湯混合弁6の出口側と給湯端末71とを接続する配管には、給湯端末71へ供給される湯水の温度を検出する給湯温度センサ54と、給湯端末71へ供給される湯水の流量を検出する給湯流量センサ57とが設けられている。
【0025】
浴槽混合弁7は、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯(加熱された水道水)と、常温水(加熱されていない水道水)とを混合し、混合した湯水を浴槽端末72へ供給する。
浴槽混合弁7の出口側と浴槽端末72とを接続する配管には、浴槽端末72へ供給される湯水の温度を検出する浴槽温度センサ55と、浴槽端末72へ供給される湯水の流量を検出する浴槽流量センサ58と、浴槽端末72の水位を検出する水位センサ59とが設けられている。また、浴槽端末72からの逆流を防止するため、逆止弁9D,9Eが設けられている。
【0026】
なお、給湯混合弁6および浴槽混合弁7は、湯側開度を大きくすると水側開度が小さくなり、湯側開度を全開とすることにより水側開度が全閉となる。言い換えると、湯側開度を小さくすると水側開度が大きくなり、湯側開度を全閉とすることにより水側開度が全開となる。すなわち、給湯混合弁6および浴槽混合弁7は、湯側開度および水側開度を調整することにより、湯と水の混合比を変えて、出口側から吐き出すことができる。なお、給湯混合弁6および浴槽混合弁7の混合比(湯側開度、水側開度)は、制御装置60によって制御される。
【0027】
また、給湯混合弁6および浴槽混合弁7は、湯側開度が全閉(水側開度が全開)の状態において、内蔵される弁体が初期位置であることを示す初期位置信号を発信する機能を有している。これにより、後述する制御装置60(故障判定部66)は、給湯混合弁6(浴槽混合弁7)に湯側開度を全閉とする信号を送信した場合において、所定時間内に初期位置信号を受信したか否かを判定することにより、弁体の固着などによって給湯混合弁6および浴槽混合弁7が故障しているか否かを検知することができる。
【0028】
浴槽混合弁7の出口側と浴槽端末72とを接続する配管には、浴槽混合弁7の出口側と浴槽端末72との連通を遮断可能な浴槽電磁弁8が設けられている。なお、浴槽電磁弁8は、常閉型の電磁弁で、制御装置60によって開閉が制御される。
【0029】
台所リモコン端末41、浴槽リモコン端末42等の操作部40は、給湯端末71に供給される湯水の設定温度である給湯設定温度、浴槽端末72に供給される湯水の設定温度である浴槽設定温度、および、浴槽端末72に湯張りする湯張り要求を入力するための装置である。そして、操作部40は、使用者により入力(設定)された給湯設定温度、浴槽設定温度および湯張り要求を制御装置60に送信する。
【0030】
<制御装置60>
制御装置60は、給湯端末71に供給される湯水の温度が操作部40で設定された給湯設定温度となるように、また、浴槽端末72に供給される湯水の温度が操作部40で設定された浴槽設定温度となるように、貯湯タンクユニット10等を制御する。また、制御装置60は、操作部40で湯張り要求が設定された場合、浴槽端末72の湯張りを行う。
【0031】
図2は、第1実施形態に係る給湯機Sの機能ブロック図である。
制御装置60は、マイクロコンピュータで構成され、各種センサ(一次側入口温度センサ50、一次側出口温度センサ51、給水温度センサ52、二次側出口温度センサ53、給湯温度センサ54、浴槽温度センサ55、二次側出口流量センサ56、給湯流量センサ57、浴槽流量センサ58、水位センサ59)と接続され、各種情報信号を受信する。また、制御装置60は、台所リモコン端末41および浴槽リモコン端末42と通信可能に接続され、台所リモコン端末41および浴槽リモコン端末42で設定された給湯設定温度、浴槽設定温度および湯張り要求を受信する。
【0032】
制御装置60は、給湯対象判定部61と、設定記憶部62と、温度制御部63と、浴槽電磁弁制御部64と、湯張り完了判定部65とを備えている。また、第2実施形態で説明する故障判定部66を備えている。給湯対象判定部61は、給湯端末71と浴槽端末72のうち湯水が使用されている端末を判定する機能を有する。設定記憶部62は、台所リモコン端末41および浴槽リモコン端末42で設定された給湯設定温度、浴槽設定温度および湯張り要求を記憶する機能を有する。また、第2実施形態で説明する給湯優先要求を記憶する機能を有する。温度制御部63は、各種センサからの各種情報信号および設定記憶部62に記憶された給湯設定温度および浴槽設定温度に基づいて、給湯循環ポンプ3の回転、給湯混合弁6の開度、浴槽混合弁7の開度を制御する機能を有する。浴槽電磁弁制御部64は、設定記憶部62に記憶された湯張り要求(および第2実施形態で説明する給湯優先要求)に基づいて、給湯電磁弁8の開閉を制御する機能を有する。湯張り完了判定部65は、浴槽端末72の湯張りが完了したかを判定し、設定記憶部62に記憶された湯張り要求をリセットする機能を有する。故障判定部66は、給湯混合弁6および浴槽混合弁7の故障を判定する機能を有する。また、制御装置60は、ヒートポンプユニット30、三方弁5を制御する機能も有する。
【0033】
<浴槽端末の湯張り>
浴槽端末72の湯張りについて、図3および図4を用いて説明する。
【0034】
まず、制御装置60の浴槽電磁弁制御部64が実行する浴槽電磁弁8の制御について説明する。図3は、第1実施形態に係る浴槽電磁弁制御を示すフローチャートである。
ステップS11において、制御装置60の浴槽電磁弁制御部64は、設定記憶部62に「湯張り要求」が記憶されているか否かを判定する。「湯張り要求」が記憶されている場合(S11・Yes)、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS13に進む。一方、「湯張り要求」が記憶されていない場合(S11・No)、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS14に進む。
ステップS13において、浴槽電磁弁制御部64は、浴槽電磁弁8を開放する。その後、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS11に戻る。
ステップS14において、浴槽電磁弁制御部64は、浴槽電磁弁8を閉塞する。その後、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS11に戻る。
【0035】
次に、制御装置60の湯張り完了判定部65が実行する浴槽端末72の湯張り完了判定について説明する。図4は、第1実施形態に係る湯張り完了判定を示すフローチャートである。
ステップS21において、制御装置60の湯張り完了判定部65は、湯張りが完了したか否かを判定する。なお、湯張りの完了の判定は、水位センサ59で検出した浴槽端末72の水位が所定の水位以上となった場合湯張りが完了したと判定してもよく、浴槽流量センサ58で検出した浴槽端末72へ供給される湯水の流量を時間で積分した値が所定値以上となった場合湯張りが完了したと判定してもよい。湯張りが完了した場合(S21・Yes)、湯張り完了判定部65の処理はステップS22に進む。一方、湯張りが完了していない場合(S21・No)、湯張り完了判定部65の処理はステップS21に戻る。
ステップS22において、湯張り完了判定部65は、設定記憶部62に記憶された「湯張り要求」を削除する(リセットする)。その後、湯張り完了判定部65の処理を終了する。
【0036】
浴槽端末72の湯張りにおける関連する一連の動作ついて、説明する。
使用者が操作部40(台所リモコン端末41、浴槽リモコン端末42)を操作して「湯張り要求」を入力(設定)すると、操作部40は、制御装置60に「湯張り要求」を示す信号を送信する。操作部40から信号を受信した制御装置60は、「湯張り要求」を設定記憶部62に登録する。
設定記憶部62に「湯張り要求」が登録されると、浴槽電磁弁制御部64は浴槽電磁弁8を開放する(S13)。これにより、浴槽混合弁7の出口側から浴槽端末72に湯水が供給され、湯張りが実行される。また、設定記憶部62に「湯張り要求」が登録されると、湯張り完了判定部65が起動して、湯張り完了判定を実行する(S21)。
湯張り完了判定部65が湯張り完了を判定すると、設定記憶部62に登録されている「湯張り要求」を削除する(S22)。
設定記憶部62から「湯張り要求」が削除されると、浴槽電磁弁制御部64は、浴槽電磁弁8を閉塞する(S14)。これにより、浴槽混合弁7の出口側から浴槽端末72への湯水の供給が停止し、浴槽端末72の湯張りが完了する。
【0037】
<温度制御>
次に、第1実施形態に係る給湯機Sの制御装置60が実行する温度制御について、図5から図10を用いて説明する。
【0038】
<温度制御開始判定>
図5は、第1実施形態に係る給湯機Sの温度制御開始判定を示すフローチャートである。
ステップS101において、制御装置60の給湯対象判定部61は、給湯機Sから給湯端末71に湯水が供給されているか否かを判定する。具体的には、給湯流量センサ57が流量を検知したか否かを判定する。なお、流量を検知するとは、検知した流量が0よりも大きい場合である。給湯流量を検知した場合(S101・Yes)、制御装置60の処理はステップS102に進む。一方、給湯流量を検知していない(給湯流量が0)場合(S101・No)、制御装置60の処理はステップS103に進む。
ステップS102において、給湯対象判定部61は、給湯機Sから浴槽端末72に湯水が供給されているか否かを判定する。具体的には、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S102・Yes)、制御装置60の処理はステップS106に進む。一方、浴槽流量を検知していない(浴槽流量が0)場合(S102・No)、制御装置60の処理はステップS104に進む。
ステップS103において、給湯対象判定部61は、給湯機Sから浴槽端末72に湯水が供給されているか否かを判定する。具体的には、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S103・Yes)、制御装置60の処理はステップS105に進む。一方、浴槽流量を検知していない場合(S103・No)、制御装置60の処理はステップS101に戻る。
【0039】
ステップS104において、制御装置60は給湯端末71へ供給する湯水の温度を制御する「給湯端末供給制御」を行う。なお、「給湯端末供給制御」については、図6を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS101に戻る。
ステップS105において、制御装置60は浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「浴槽端末供給制御」を行う。なお、「浴槽端末供給制御」については、図7を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS101に戻る。
ステップS106において、制御装置60は給湯端末71および浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「給湯・浴槽端末供給制御」を行う。なお、「給湯・浴槽端末供給制御」については、図8を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS101に戻る。
【0040】
<給湯端末供給制御>
図5のステップS104に示す「給湯端末供給制御」について図6を用いて説明する。図6は、第1実施形態に係る給湯機Sが給湯端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
ステップS201において、制御装置60の温度制御部63は、給湯混合弁6の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)、給湯混合弁6を制御する。
ステップS202において、温度制御部63は、二次側出口温度センサ53で、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯水の温度を検出する。
【0041】
ステップS203において、温度制御部63は、ステップS202で検出した二次側出口温度センサ53の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S203・Yes)、温度制御部63の処理はステップS205に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S203・No)、温度制御部63の処理はステップS204に進む。
ステップS204において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S204・Yes)、温度制御部63の処理はステップS206に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S204・No)、温度制御部63の処理はステップS207に進む。
【0042】
ステップS205において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS206において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS207において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0043】
そして、制御装置60の処理は、図6に示す「給湯端末供給制御」(図5に示すS104)を終了(エンド)し、図5のステップS101に戻る。
【0044】
<浴槽端末供給制御>
図5のステップS105に示す「浴槽端末供給制御」について図7を用いて説明する。図7は、第1実施形態に係る給湯機Sが浴槽端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
ステップS301において、制御装置60の温度制御部63は、浴槽混合弁7の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)、浴槽混合弁7を制御する。
ステップS302において、温度制御部63は、二次側出口温度センサ53で、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯水の温度を検出する。
【0045】
ステップS303において、温度制御部63は、ステップS302で検出した二次側出口温度センサ53の検出温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S303・Yes)、温度制御部63の処理はステップS305に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S303・No)、温度制御部63の処理はステップS304に進む。
ステップS304において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも低い場合(S304・Yes)、温度制御部63の処理はステップS306に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも低くない場合(S304・No)、温度制御部63の処理はステップS307に進む。
【0046】
ステップS305において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS306において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS307において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0047】
そして、制御装置60の処理は、図7に示す「浴槽端末供給制御」(図5に示すS105)を終了(エンド)し、図5のステップS101に戻る。
【0048】
<給湯・浴槽端末供給制御>
図5のステップS106に示す「給湯・浴槽端末供給制御」について図8を用いて説明する。図8は、第1実施形態に係る給湯機Sが給湯端末および浴槽端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
ステップS401において、温度制御部63は、給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S401・Yes)、温度制御部63の処理はステップS403に進む。一方、給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S401・No)、温度制御部63の処理はステップS402に進む。
ステップS402において、温度制御部63は、給湯設定温度が浴槽設定温度と等しいか否かを判定する。給湯設定温度が浴槽設定温度と等しい高い場合(S402・Yes)、温度制御部63の処理はステップS411に進む。一方、給湯設定温度が浴槽設定温度と等しくない場合(S402・No)、温度制御部63の処理はステップS412に進む。
【0049】
ステップS403において、温度制御部63は、給湯混合弁6の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)、給湯混合弁6を制御する。
ステップS404において、温度制御部63は、浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「浴槽混合弁温度制御」を行う。なお、「浴槽混合弁温度制御」については、図9を用いて後述する。その後、温度制御部63の処理はステップS405に進む。
【0050】
ステップS405において、温度制御部63は、二次側出口温度センサ53で、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯水の温度を検出する。
ステップS406において、温度制御部63は、ステップS405で検出した二次側出口温度センサ53の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S406・Yes)、温度制御部63の処理はステップS408に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S406・No)、温度制御部63の処理はステップS407に進む。
ステップS407において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S407・Yes)、温度制御部63の処理はステップS409に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S407・No)、温度制御部63の処理はステップS410に進む。
【0051】
ステップS408において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS409において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS410において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0052】
そして、制御装置60の処理は、図8に示す「給湯・浴槽端末供給制御」(図5に示すS106)を終了(エンド)し、図5のステップS101に戻る。
【0053】
一方、ステップS411において、温度制御部63は、給湯混合弁6および浴槽混合弁7の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)、給湯混合弁6および浴槽混合弁7を制御する。その後、温度制御部63の処理は前述したステップS405に進む。
【0054】
一方、ステップS412において、温度制御部63は、浴槽混合弁7の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)浴槽混合弁7を制御する。
ステップS413において、温度制御部63は、給湯端末71へ供給する湯水の温度を制御する「給湯混合弁温度制御」を行う。なお、「給湯混合弁温度制御」については、図10を用いて後述する。
【0055】
ステップS414において、温度制御部63は、二次側出口温度センサ53で、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯水の温度を検出する。
ステップS415において、温度制御部63は、ステップS414で検出した二次側出口温度センサ53の検出温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S415・Yes)、温度制御部63の処理はステップS417に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S415・No)、温度制御部63の処理はステップS416に進む。
ステップS416において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも低い場合(S416・Yes)、温度制御部63の処理はステップS418に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも低くない場合(S416・No)、温度制御部63の処理はステップS419に進む。
【0056】
ステップS417において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS418において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS419において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0057】
そして、制御装置60の処理は、図8に示す「給湯・浴槽端末供給制御」(図5に示すS106)を終了(エンド)し、図5のステップS101に戻る。
【0058】
<浴槽混合弁温度制御>
図8のステップS404に示す「浴槽混合弁温度制御」について図9を用いて説明する。
ステップS501において、温度制御部63は、浴槽温度センサ55で、浴槽混合弁7の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
ステップS502において、温度制御部63は、ステップS501で検出した浴槽温度センサ55の検出温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S502・Yes)、温度制御部63の処理はステップS504に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S502・No)、温度制御部63の処理はステップS503に進む。
ステップS503において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも低い場合(S503・Yes)、温度制御部63の処理はステップS505に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも低くない場合(S503・No)、温度制御部63の処理はステップS506に進む。
【0059】
ステップS504において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に低下するように、浴槽混合弁7の湯側開度を減少させる制御をする。
ステップS505において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に上昇するように、浴槽混合弁7の湯側開度を増加させる制御をする。
ステップS506において、温度制御部63は、浴槽混合弁7の湯側開度を現状のまま維持する。
【0060】
そして、温度制御部63の処理は、図9に示す「浴槽混合弁温度制御」(図8に示すS404)を終了(エンド)し、図8のステップS405に進む。
【0061】
<給湯混合弁温度制御>
図8のステップS413に示す「給湯混合弁温度制御」について図10を用いて説明する。
ステップS601において、温度制御部63は、給湯温度センサ54で、給湯混合弁6の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
ステップS602において、温度制御部63は、ステップS601で検出した給湯温度センサ54の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S602・Yes)、温度制御部63の処理はステップS604に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S602・No)、温度制御部63の処理はステップS603に進む。
ステップS603において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S603・Yes)、温度制御部63の処理はステップS605に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S603・No)、温度制御部63の処理はステップS606に進む。
【0062】
ステップS604において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯混合弁6の湯側開度を減少させる制御をする。
ステップS605において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯混合弁6の湯側開度を増加させる制御をする。
ステップS606において、温度制御部63は、給湯混合弁6の湯側開度を現状のまま維持する。
【0063】
そして、温度制御部63の処理は、図10に示す「給湯混合弁温度制御」(図8に示すS413)を終了(エンド)し、図8のステップS414に進む。
【0064】
(作用・効果)
第1実施形態に係る給湯機Sの作用および効果について説明する。
給湯端末71のみへ湯水を供給する場合(S104)、給湯機Sは、給湯混合弁6の湯側開度を全開とし(S201)、給湯熱交換器2の二次側出口温度が給湯設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S203〜S207)。これにより、給湯設定温度に加熱され給湯熱交換器2の二次側出口から吐き出された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
【0065】
浴槽端末72のみへ湯水を供給する場合(S105)、給湯機Sは、浴槽混合弁7の湯側開度を全開とし(S301)、給湯熱交換器2の二次側出口温度が浴槽設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S303〜S307)。これにより、浴槽設定温度に加熱され給湯熱交換器2の二次側出口から吐き出された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、浴槽端末72へ供給することができる。
【0066】
さらに、給湯端末71および浴槽端末72へ湯水を同時供給する場合(S106)、給湯機Sは、給湯設定温度と浴槽設定温度とを比較し(S401、S402)、設定温度が高い端末(給湯端末71/浴槽端末72)に対応する混合弁(給湯混合弁6/浴槽混合弁7)の湯側開度を全開とし(S403/S412)、給湯熱交換器2の二次側出口温度が給湯設定温度と浴槽設定温度のうち高い方の設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S406〜S410/S415〜S419)。これにより、高い方の設定温度に加熱され給湯熱交換器2の二次側出口から吐き出された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、設定温度が高い端末へ供給することができる。
また、給湯機Sは、設定温度が低い端末(浴槽端末72/給湯端末71)に対応する混合弁(浴槽混合弁7/給湯混合弁6)の開度を制御して水道水と混合制御する(S404/S413)。これにより、高い方の設定温度に加熱され給湯熱交換器2の二次側出口から吐き出された湯水と水道水を混合した低い方の設定温度の湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、設定温度が低い端末へ供給することができる。
【0067】
このように、第1実施形態に係る給湯機Sは、水道水の圧力を維持した状態で、同時に給湯端末および浴槽端末へ湯を供給することができ、さらに、給湯端末と浴槽端末とで異なる温度の湯を供給することができる。
【0068】
≪第1実施形態の変形例≫
次に、第1実施形態の変形例に係る給湯機Sの制御装置60が実行する温度制御について、図11および図12を用いて説明する。なお、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。図11は、変形例に係る給湯機Sが浴槽端末へ給湯する場合における湯水の供給温度制御を示すフローチャートである。
第1実施形態と変形例との差異点は、図7に示す「給湯端末供給制御」のステップS302の後に給湯混合弁の開度を調整する「給湯混合弁開度制御」(ステップS701)が追加されている点で異なる。
【0069】
図11のステップS701に示す「給湯混合弁開度制御」について図12を用いて説明する。図12は、変形例に係る給湯機Sの給湯混合弁開度制御を示すフローチャートである。
ステップS801において、温度制御部63は、給湯設定温度が浴槽設定温度以上であるか否かを判定する。給湯設定温度が浴槽設定温度以上である場合(S801・Yes)、温度制御部63の処理はステップS802に進む。一方、給湯設定温度が浴槽設定温度以上でない場合(S801・No)、温度制御部63の処理はステップS803に進む。
【0070】
ステップS802において、温度制御部63は、給湯混合弁6の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)、給湯混合弁6を制御する。
【0071】
一方、ステップS803において、温度制御部63は、給水温度センサ52で、給湯混合弁6の水側に供給される常温水(加熱されていない水道水)の温度を検出する。
ステップS804において、温度制御部63は、ステップS803で検出した給水温度センサ52の検出温度と、ステップS302(図11参照)で検出した二次側出口温度センサ53の検出温度と、設定記憶部62に記憶されている給湯設定温度とに基づいて、給湯端末71の使用を開始したとき給湯設定温度の湯水が給湯混合弁6の出口側から給湯端末71へ向かうように、給湯混合弁6の湯側開度を事前調整する。
【0072】
そして、温度制御部63の処理は、図12に示す「給湯混合弁開度制御」(図11に示すS701)を終了(エンド)し、図11のステップS303に進む。
【0073】
このように、給湯設定温度が浴槽設定温度以上である場合(S801・Yes)、給湯混合弁6をあらかじめ全開にしてある(S802)。これにより、浴槽端末72のみの使用から給湯端末71および浴槽端末72の同時使用に移行した際、給湯混合弁6の湯側開度を全開にする時間(図8のS403,S411参照)を省略できるので、給湯端末71から供給される湯水の温度を給湯設定温度にするまでの時間を短縮することができる。なお、給湯混合弁6の湯側開度をあらかじめ全開としても、給湯開始直後は浴槽設定温度の湯水が給湯されるため、給湯設定温度より高温の湯水が供給されることを防止することができる。
【0074】
また、給湯設定温度が浴槽設定温度未満である場合(S801・No)、給湯混合弁6の開度(混合比)をあらかじめ調整する(S804)。これにより、浴槽端末72のみの使用から給湯端末71および浴槽端末72の同時使用に移行した際、給湯混合弁6の開度(混合比)を制御する時間を短縮できるので、給湯端末71から供給される湯水の温度を給湯設定温度にするまでの時間を短縮することができる。加えて、給湯混合弁6の開度(混合比)をあらかじめ調整することにより、給湯開始直後に、給湯設定温度より高温(例えば、浴槽設定温度)の湯水が給湯されることを防止することができる。
【0075】
なお、図11および図12では、浴槽端末72へ湯水を供給中に、使用されていない給湯端末71側の給湯混合弁6の開度(混合比)を調整するものとして説明したが、給湯端末71へ湯水を供給中に使用されていない浴槽端末72側の浴槽混合弁7の開度(混合比)を調整してもよい。調整方法は、給湯混合弁6の場合と同様であり、説明を省略する。
【0076】
また、給湯端末71および浴槽端末72のいずれもが使用されていない状態において、給湯混合弁6および浴槽混合弁7の湯側開度をあらかじめ全開としてもよい。一方の端末使用開始時には、湯側開度を全開とする制御を行うため(S201、S301参照)、混合弁の湯側開度を制御する時間を短縮できる。
【0077】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る給湯機Sの制御装置60が実行する温度制御について、図13から図21を用いて説明する。なお、第1実施形態と共通する点については説明を省略する。
第2実施形態に係る給湯機Sの制御装置60は、給湯混合弁6および浴槽混合弁7の故障を判定する故障判定部66(図2参照)をさらに備える点で第1実施形態と異なる。また、図13に示すように、浴槽電磁弁制御部64が実行する浴槽電磁弁8の制御が第1実施形態(図3参照)と異なる。加えて、図14から図21に示すように、混合弁(給湯混合弁6,浴槽混合弁7)が故障したと判定した場合における給湯端末71および浴槽端末72へ供給する湯水の温度制御が第1実施形態から追加されている。
【0078】
<浴槽電磁弁制御>
制御装置60の浴槽電磁弁制御部64が実行する浴槽電磁弁8の制御について説明する。図13は、第2実施形態に係る浴槽電磁弁制御を示すフローチャートである。
第2実施形態では、ステップS11の判定結果がYesの場合、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS12に進む。
ステップS12において、制御装置60の浴槽電磁弁制御部64は、設定記憶部62に「給湯優先要求」が記憶されているか否かを判定する。「給湯優先要求」が記憶されている場合(S12・Yes)、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS14に進む。一方、「給湯優先要求」が記憶されていない場合(S12・No)、浴槽電磁弁制御部64の処理はステップS13に進む。
【0079】
<混合弁故障判定>
制御装置60の故障判定部66が実行する混合弁故障判定について説明する。図14は、第2実施形態に係る給湯機Sの混合弁故障判定を示すフローチャートである。なお、図14に示す混合弁故障判定は、例えば、給湯機Sの起動時に実行される。
ステップS901において、制御装置60の故障判定部66は、給湯混合弁6が故障しているか否かを判定する。給湯混合弁6が故障している場合(S901・Yes)、制御装置60の処理はステップS902に進む。一方、給湯混合弁6が故障していない場合(S901・No)、制御装置60の処理はステップS903に進む。
ステップS902において、故障判定部66は、浴槽混合弁7が故障しているか否かを判定する。浴槽混合弁7が故障している場合(S902・Yes)、制御装置60の処理はステップS904に進む。一方、浴槽混合弁7が故障していない場合(S902・No)、制御装置60の処理はステップS905に進む。
ステップS903において、故障判定部66は、浴槽混合弁7が故障しているか否かを判定する。浴槽混合弁7が故障している場合(S903・Yes)、制御装置60の処理はステップS906に進む。一方、浴槽混合弁7が故障していない場合(S903・No)、制御装置60の処理はステップS907に進む。
【0080】
ステップS904において、制御装置60は「給湯端末優先制御」を行う。なお、「給湯端末優先制御」については、図21を用いて後述する。
ステップS905において、制御装置60は「給湯混合弁故障時制御」を行う。なお、「給湯混合弁故障時制御」については、図15から図17を用いて後述する。
ステップS906において、制御装置60は「浴槽混合弁故障時制御」を行う。なお、「浴槽混合弁故障時制御」については、図18から図20を用いて後述する。
ステップS907において、制御装置60は「正常時制御」を行う。なお、「正常時制御」とは、第1実施形態における制御と同じであり(図5から図10参照)、説明を省略する。
【0081】
<給湯混合弁故障時制御>
図14のステップS905に示す「給湯混合弁故障時制御」について図15を用いて説明する。図15は、第2実施形態に係る給湯機Sの給湯混合弁故障時制御を示すフローチャートである。
ステップS1001において、制御装置60の給湯対象判定部61は、給湯流量センサ57が流量を検知したか否かを判定する。給湯流量を検知した場合(S1001・Yes)、制御装置60の処理はステップS1002に進む。一方、給湯流量を検知していない場合(S1001・No)、制御装置60の処理はステップS1003に進む。
ステップS1002において、給湯対象判定部61は、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S1002・Yes)、制御装置60の処理はステップS1007に進む。一方、浴槽流量を検知していない場合(S1002・No)、制御装置60の処理はステップS1005に進む。
【0082】
ステップS1003において、制御装置60は、設定記憶部62に「給湯優先要求」が登録されている場合には、「給湯優先要求」を削除する(リセットする)。
ステップS1004において、給湯対象判定部61は、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S1004・Yes)、制御装置60の処理はステップS1006に進む。一方、浴槽流量を検知していない場合(S1004・No)、制御装置60の処理はステップS1001に戻る。
【0083】
ステップS1005において、制御装置60は、給湯混合弁6故障時に給湯端末71へ供給する湯水の温度を制御する「給湯端末供給制御(給湯側故障)」を行う。なお、「給湯端末供給制御(給湯側故障)」については、図16を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS1001に戻る。
ステップS1006において、制御装置60は、浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「浴槽端末供給制御」を行う。なお、「浴槽端末供給制御」については、第1実施形態の図5のステップS105および図7に示す制御と同じであり、説明を省略する。その後、制御装置60の処理はステップS1001に戻る。
ステップS1007において、制御装置60は給湯混合弁6故障時に給湯端末71および浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「給湯・浴槽端末供給制御(給湯側故障)」を行う。なお、「給湯・浴槽端末供給制御(給湯側故障)」については、図17を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS1001に戻る。
【0084】
<給湯混合弁故障時の給湯端末供給制御>
図15のステップS1005に示す「給湯端末供給制御(給湯側故障)」について図16を用いて説明する。図16は、第2実施形態に係る給湯機の給湯混合弁故障時における給湯端末供給制御を示すフローチャートである。
ステップS1101において、温度制御部63は、給湯温度センサ54で、給湯混合弁6の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
ステップS1102において、温度制御部63は、ステップS1101で検出した給湯温度センサ54の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S1102・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1104に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S1102・No)、温度制御部63の処理はステップS1103に進む。
ステップS1103において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S1103・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1105に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S1103・No)、温度制御部63の処理はステップS1106に進む。
【0085】
ステップS1104において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS1105において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS1106において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0086】
そして、制御装置60の処理は、図16に示す「給湯端末供給制御(給湯側故障)」(図15に示すS1005)を終了(エンド)し、図15のステップS1001に戻る。
【0087】
このように、給湯混合弁6が故障している状態で給湯端末71のみへ湯水を供給する場合(S1005)、給湯機Sは、給湯温度センサ54で検出した温度が給湯設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S1102〜S1106)。これにより、給湯設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
【0088】
<給湯混合弁故障時の給湯・浴槽端末供給制御>
図15のステップS1007に示す「給湯・浴槽端末供給制御(給湯側故障)」について図17を用いて説明する。図17は、第2実施形態に係る給湯機の給湯混合弁故障時における給湯・浴槽端末供給制御を示すフローチャートである。
ステップS1201において、温度制御部63は、給湯設定温度が浴槽設定温度以上であるか否かを判定する。給湯設定温度が浴槽設定温度以上である場合(S1201・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1202に進む。一方、給湯設定温度が浴槽設定温度以上でない場合(S1201・No)、温度制御部63の処理はステップS1209に進む。
【0089】
ステップS1202において、温度制御部63は、浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「浴槽混合弁温度制御」を行う。なお、「浴槽混合弁温度制御」については、第1実施形態の図8のステップS404および図9に示す制御と同じであり、説明を省略する。その後、温度制御部63の処理はステップS1203に進む。
【0090】
ステップS1203において、温度制御部63は、給湯温度センサ54で、給湯混合弁6の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
【0091】
ステップS1204において、温度制御部63は、ステップS1203で検出した給湯温度センサ54の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S1204・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1206に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S1204・No)、温度制御部63の処理はステップS1205に進む。
ステップS1205において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S1205・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1207に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S1205・No)、温度制御部63の処理はステップS1208に進む。
【0092】
ステップS1206において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS1207において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS1208において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0093】
そして、制御装置60の処理は、図17に示す「給湯・浴槽端末供給制御(給湯側故障)」(図15に示すS1007)を終了し、図15のステップS1001に戻る。
【0094】
一方、ステップS1209において、温度制御部63は、設定記憶部62に「給湯優先要求」を登録する。その後、温度制御部63の処理は前述したステップS1203に進む。
【0095】
このように、給湯混合弁6が故障している状態で給湯端末71および浴槽端末72へ湯水を供給する場合において(S1007)、給湯機Sは、給湯温度センサ54で検出した温度が給湯設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S1204〜S1208)。これにより、給湯設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
また、給湯設定温度が浴槽設定温度以上であるとき(S1201・Yes)、浴槽混合弁7の開度を制御することにより、浴槽設定温度の湯水を水道水の圧力を維持した状態で浴槽端末72へ供給することができる(S1202)。
【0096】
なお、給湯設定温度が浴槽設定温度以上でないとき(S1201・No)、「給湯優先要求」を設定記憶部62に登録することにより(S1209)、浴槽電磁弁制御部64は浴槽電磁弁8を閉塞して(図13のS12・Yes→S14)、浴槽端末72への湯水の供給を一時中止する。これにより、浴槽流量が0になるので(図15のS1002・No)、給湯機Sの温度制御が、「給湯・浴槽端末供給制御(給湯側故障)」(S1007)から、「給湯端末供給制御(給湯側故障)」(S1005)に変更され、給湯設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
その後、給湯端末71への湯水の供給が終了すると(図15のS1001・No)、「給湯優先要求」が削除され(S1003)、「湯張り要求」がある場合には浴槽電磁弁8が開放される(図13のS12・No→S13)。これにより、浴槽流量が検知され(S1004・Yes)、「浴槽端末供給制御」(S1006)の制御が実行され、浴槽設定温度の湯水を水道水の圧力を維持した状態で浴槽端末72へ供給することができる。
【0097】
<浴槽混合弁故障時制御>
図14のステップS906に示す「浴槽混合弁故障時制御」について図18を用いて説明する。図18は、第2実施形態に係る給湯機の浴槽混合弁故障時制御を示すフローチャートである。
ステップS1301において、制御装置60の給湯対象判定部61は、給湯流量センサ57が流量を検知したか否かを判定する。給湯流量を検知した場合(S1301・Yes)、制御装置60の処理はステップS1302に進む。一方、給湯流量を検知していない場合(S1301・No)、制御装置60の処理はステップS1303に進む。
ステップS1302において、給湯対象判定部61は、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S1302・Yes)、制御装置60の処理はステップS1307に進む。一方、浴槽流量を検知していない場合(S1302・No)、制御装置60の処理はステップS1305に進む。
【0098】
ステップS1303において、制御装置60は、設定記憶部62に「給湯優先要求」が登録されている場合には、「給湯優先要求」を削除する(リセットする)。
ステップS1304において、給湯対象判定部61は、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S1304・Yes)、制御装置60の処理はステップS1306に進む。一方、浴槽流量を検知していない場合(S1304・No)、制御装置60の処理はステップS1301に戻る。
【0099】
ステップS1305において、制御装置60は、給湯端末71へ供給する湯水の温度を制御する「給湯端末供給制御」を行う。なお、「給湯端末供給制御」については、第1実施形態の図5のステップS104および図6に示す制御と同じであり、説明を省略する。その後、制御装置60の処理はステップS1301に戻る。
ステップS1306において、制御装置60は、浴槽混合弁7故障時に浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」を行う。なお、「浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」については、図19を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS1301に戻る。
ステップS1307において、制御装置60は浴槽混合弁7故障時に給湯端末71および浴槽端末72へ供給する湯水の温度を制御する「給湯・浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」を行う(ステップS1307)。なお、「給湯・浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」については、図20を用いて後述する。その後、制御装置60の処理はステップS1301に戻る。
【0100】
<浴槽混合弁故障時の浴槽端末供給制御>
図18のステップS1306に示す「浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」について図19を用いて説明する。図19は、第2実施形態に係る給湯機の浴槽混合弁故障時における浴槽端末供給制御を示すフローチャートである。
ステップS1401において、温度制御部63は、浴槽温度センサ55で、浴槽混合弁7の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
【0101】
ステップS1402において、温度制御部63は、ステップS1401で検出した浴槽温度センサ55の検出温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S1402・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1404に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S1402・No)、温度制御部63の処理はステップS1403に進む。
ステップS1403において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも低い場合(S1403・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1405に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも低くない場合(S1403・No)、温度制御部63の処理はステップS1406に進む。
【0102】
ステップS1404において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS1405において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS1406において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0103】
そして、制御装置60の処理は、図19に示す「浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」(図18に示すS1306)を終了(エンド)し、図18のステップS1301に戻る。
【0104】
このように、浴槽混合弁7が故障している状態で浴槽端末72のみへ湯水を供給する場合(S1306)、給湯機Sは、浴槽温度センサ55で検出した温度が浴槽設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S1402〜S1406)。これにより、浴槽設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、浴槽端末72へ供給することができる。
【0105】
<浴槽混合弁故障時の給湯・浴槽端末供給制御>
図18のステップS1307に示す「給湯・浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」について図20を用いて説明する。図20は、第2実施形態に係る給湯機の浴槽混合弁故障時における給湯・浴槽端末供給制御を示すフローチャートである。
ステップS1501において、温度制御部63は、給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S1501・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1502に進む。一方、給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S1501・No)、温度制御部63の処理はステップS1510に進む。
【0106】
ステップS1502において、温度制御部63は、給湯混合弁6の湯側開度が全開となるように(水側開度が全閉となるように)、給湯混合弁6を制御する。
ステップS1503において、温度制御部63は、設定記憶部62に「給湯優先要求」を登録する。
ステップS1504において、温度制御部63は、二次側出口温度センサ53で、給湯熱交換器2の二次側出口から流出した湯水の温度を検出する。
【0107】
ステップS1505において、温度制御部63は、ステップS1504で検出した二次側出口温度センサ53の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S1505・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1507に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S1505・No)、温度制御部63の処理はステップS1506に進む。
ステップS1506において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S1506・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1508に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S1506・No)、温度制御部63の処理はステップS1509に進む。
【0108】
ステップS1507において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS1508において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS1509において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0109】
そして、制御装置60の処理は、図20に示す「給湯・浴槽端末供給制御(浴槽側故障時)」(図18に示すS1307)を終了(エンド)し、図18のステップS1301に戻る。
【0110】
一方、ステップS1510において、温度制御部63は、給湯端末71へ供給する湯水の温度を制御する「給湯混合弁温度制御」を行う。なお、「給湯混合弁温度制御」については、第1実施形態の図8のステップS413および図10に示す制御と同じであり、説明を省略する。その後、温度制御部63の処理はステップS1511に進む。
【0111】
ステップS1511において、温度制御部63は、浴槽温度センサ55で、浴槽混合弁7の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
【0112】
ステップS1512において、温度制御部63は、ステップS1511で検出した浴槽温度センサ55の検出温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S1512・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1514に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S1512・No)、温度制御部63の処理はステップS1513に進む。
ステップS1513において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも低い場合(S1513・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1515に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも低くない場合(S1513・No)、温度制御部63の処理はステップS1516に進む。
【0113】
ステップS1514において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。
ステップS1515において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。
ステップS1516において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。
【0114】
そして、制御装置60の処理は、図20に示す「給湯・浴槽端末供給制御(浴槽側故障時)」(図18に示すS1307)を終了(エンド)し、図18のステップS1301に戻る。
【0115】
このように、浴槽混合弁7が故障している状態で給湯端末71および浴槽端末72へ湯水を供給する場合において(S1307)、給湯設定温度が浴槽設定温度以下のとき(S1501・No)、給湯機Sは、浴槽温度センサ55で検出した温度が浴槽設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S1512〜S1516)。これにより、浴槽設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、浴槽端末72へ供給することができる。また、給湯混合弁6の開度を制御することにより、給湯設定温度の湯水を水道水の圧力を維持した状態で給湯端末71へ供給することができる(S1510)。
【0116】
また、給湯設定温度が浴槽設定温度よりも高いとき(S1501・Yes)、「給湯優先要求」を設定記憶部62に登録することにより(S1503)、浴槽電磁弁制御部64は浴槽電磁弁8を閉塞して(図13のS12・Yes→S14)、浴槽端末72への湯水の供給を一時中止する。これにより、浴槽流量が0になるので(図18のS1302・No)、給湯機Sの温度制御が、「給湯・浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」(S1307)から、「給湯端末供給制御」(S1305)に変更され、給湯設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
【0117】
その後、給湯端末71への湯水の供給が終了すると(図18のS1301・No)、「給湯優先要求」が削除され(S1303)、「湯張り要求」がある場合には浴槽電磁弁8が開放される(図13のS12・No→S13)。これにより、浴槽流量が検知され(S1304・Yes)、「浴槽端末供給制御(浴槽側故障)」(S1306)の制御が実行され、浴槽設定温度の湯水を水道水の圧力を維持した状態で浴槽端末72へ供給することができる。
【0118】
<給湯端末優先制御(給湯混合弁・浴槽混合弁故障時制御)>
図14のステップS904に示す「給湯端末優先制御」について図21を用いて説明する。図21は、第2実施形態に係る給湯機の給湯端末優先制御を示すフローチャートである。
ステップS1601において、制御装置60の給湯対象判定部61は、給湯流量センサ57が流量を検知したか否かを判定する。給湯流量を検知した場合(S1601・Yes)、制御装置60の処理はステップS1602に進む。一方、給湯流量を検知していない場合(S1601・No)、制御装置60の処理はステップS1610に進む。
ステップS1602において、給湯対象判定部61は、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S1602・Yes)、制御装置60の処理はステップS1603に進む。一方、浴槽流量を検知していない場合(S1602・No)、制御装置60の処理はステップS1604に進む。
【0119】
ステップS1603において、温度制御部63は、設定記憶部62に「給湯優先要求」を登録する。
ステップS1604において、温度制御部63は、給湯温度センサ54で、給湯混合弁6の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
【0120】
ステップS1605において、温度制御部63は、ステップS1604で検出した給湯温度センサ54の検出温度が給湯設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも高い場合(S1605・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1607に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも高くない場合(S1605・No)、温度制御部63の処理はステップS1606に進む。
ステップS1606において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が給湯設定温度よりも低い場合(S1606・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1608に進む。一方、検出温度が給湯設定温度よりも低くない場合(S1606・No)、温度制御部63の処理はステップS1609に進む。
【0121】
ステップS1607において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。その後、制御装置60の処理は、ステップS1601に戻る。
ステップS1608において、温度制御部63は、検出温度が給湯設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。その後、制御装置60の処理は、ステップS1601に戻る。
ステップS1609において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。その後、制御装置60の処理は、ステップS1601に戻る。
【0122】
一方、ステップS1610において、制御装置60は、設定記憶部62に「給湯優先要求」が登録されている場合には、「給湯優先要求」を削除する(リセットする)。
ステップS1611において、給湯対象判定部61は、浴槽流量センサ58が流量を検知したか否かを判定する。浴槽流量を検知した場合(S1611・Yes)、制御装置60の処理はステップS1611に進む。一方、浴槽流量を検知していない(浴槽流量が0)場合(S1611・No)、制御装置60の処理はステップS1601に戻る。
【0123】
ステップS1612において、温度制御部63は、浴槽温度センサ55で、浴槽混合弁7の出口側から流出した湯水の温度を検出する。
【0124】
ステップS1613において、温度制御部63は、ステップS1612で検出した浴槽温度センサ55の検出温度が浴槽設定温度よりも高いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも高い場合(S1613・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1615に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも高くない場合(S1613・No)、温度制御部63の処理はステップS1614に進む。
ステップS1614において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度よりも低いか否かを判定する。検出温度が浴槽設定温度よりも低い場合(S1614・Yes)、温度制御部63の処理はステップS1616に進む。一方、検出温度が浴槽設定温度よりも低くない場合(S1614・No)、温度制御部63の処理はステップS1617に進む。
【0125】
ステップS1615において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に低下するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を低下させる制御をする。その後、制御装置60の処理は、ステップS1601に戻る。
ステップS1616において、温度制御部63は、検出温度が浴槽設定温度に上昇するように、給湯循環ポンプ3の回転速度を上昇させる制御をする。その後、制御装置60の処理は、ステップS1601に戻る。
ステップS1617において、温度制御部63は、給湯循環ポンプ3の回転速度を現状のまま維持する。その後、制御装置60の処理は、ステップS1601に戻る。
【0126】
このように、給湯混合弁6および浴槽混合弁7が故障している状態で給湯端末71のみへ湯水を供給する場合(S1601・Yes→S1602・No)、給湯機Sは、給湯温度センサ54で検出した温度が給湯設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S1605〜S1609)。これにより、給湯設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
【0127】
また、浴槽端末72のみへ湯水を供給する場合(S1601・No、S1611・Yes)、給湯機Sは、浴槽温度センサ55で検出した温度が浴槽設定温度となるように給湯循環ポンプ3の回転速度を制御する(S1613〜S1617)。これにより、浴槽設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、浴槽端末72へ供給することができる。
【0128】
給湯混合弁6および浴槽混合弁7が故障している状態で、給湯端末71および浴槽端末72へ湯水を供給する場合(S1601・Yes→S1602・Yes)、「給湯優先要求」を設定記憶部62に登録することにより(S1603)、浴槽電磁弁制御部64は浴槽電磁弁8を閉塞して(図13のS12・Yes→S14)、浴槽端末72への湯水の供給を一時中止する。これにより、浴槽流量が0となるので、給湯設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、給湯端末71へ供給することができる。
その後、給湯端末71への湯水の供給が終了すると(S1601・No)、「給湯優先要求」が削除され(S1610)、「湯張り要求」がある場合には浴槽電磁弁8が開放される(図13のS12・No→S13)。これにより、浴槽流量が検知される(S1611・Yes)。
そして、浴槽端末72のみへ湯水を供給する場合と同じく、浴槽設定温度に加熱された湯水を、水道水の圧力を維持した状態で、浴槽端末72へ供給することができる。
【0129】
なお、本実施形態に係る給湯機Sは、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、貯湯タンクは、密閉型に限られるものではなく、大気開放型であってもよい。貯湯タンク内の湯(熱媒体)を加熱する熱源としては、ヒートポンプユニット以外にも、貯湯タンク内に配置されたヒータ等を用いてもよい。
また、各種温度センサ(53,54,55)で検出した検出温度と設定温度(給湯設定温度/浴槽設定温度)とが等しくなるように給湯循環ポンプ3の回転速度や、給湯混合弁6,浴槽混合弁7の開度を制御するものとして説明したが、温度検出位置から給湯される端末(71,72)までの間の配管等における温度低下を考慮して、検出温度と設定温度に対応する温度(温度低下を考慮した設定温度)とが等しくなるように制御するものとしてもよい。
【0130】
また、上記実施形態においては、被加熱液体供給源として水道を例に説明したが、これに限定されるものではなく、井戸や温泉を給水源とするものであっても良い。
また、上記実施形態においては、被加熱液体を高温の熱媒体により間接的に加熱してそれぞれ給湯端末および浴槽端末に湯を供給する際に、減圧弁やシスターンタンクを介さないで(例えば、水道水の圧力などの)被加熱液体の供給圧力を維持した状態で、給湯端末へ供給することができるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、被加熱液体供給源から被加熱液体の端末までの間に圧力を低減させる機構(例えば、減圧弁)が介在するものであっても良い。
【符号の説明】
【0131】
S 給湯機(液体供給装置)
1 貯湯タンク
2 給湯熱交換器(熱交換器)
3 給湯循環ポンプ(ポンプ)
4 減圧弁
6 給湯混合弁(第1混合弁)
7 浴槽混合弁(第2混合弁)
8 浴槽電磁弁
10 貯湯タンクユニット
30 ヒートポンプユニット
40 操作部
41 台所リモコン端末
42 浴槽リモコン端末
50 一次側入口温度センサ
51 一次側出口温度センサ
52 給水温度センサ
53 二次側出口温度センサ
54 給湯温度センサ(第1温度センサ)
55 浴槽温度センサ(第2温度センサ)
56 二次側出口流量センサ
57 給湯流量センサ
58 浴槽流量センサ
59 水位センサ
60 制御装置(制御手段)
61 給湯対象判定部
62 設定記憶部
63 温度制御部
64 浴槽電磁弁制御部
65 湯張り完了判定部
66 故障判定部
71 給湯端末(第1端末)
72 浴槽端末(第2端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次側を流通する被加熱液体を、一次側を流通する高温の熱媒体により加熱して、高温被加熱液体を生成する熱交換器と、
前記熱媒体を前記熱交換器の一次側に流通させるポンプと、
前記高温被加熱液体と、該高温被加熱液体より低温の低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第1端末へ供給する第1混合弁と、
前記高温被加熱液体と、前記低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第2端末へ供給する第2混合弁と、
前記熱交換器で生成される前記高温被加熱液体の温度を検出する二次側出口温度センサと、
前記第1混合弁から前記第1端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第1温度センサと、
前記第2混合弁から前記第2端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第2温度センサと、
前記ポンプ、第1混合弁および第2混合弁を制御する制御手段と、を備え、
第1設定温度に加温された被加熱液体を第1端末に供給し、第2設定温度に加温された被加熱液体を第2端末に供給する液体供給装置であって、
前記制御手段は、
前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、前記第1設定温度が前記第2設定温度よりも高い場合、
前記二次側出口温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御し、
前記第1混合弁の前記高温被加熱液体の側の開度を全開とし、
前記第2温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記第2混合弁を制御する
ことを特徴とする液体供給装置。
【請求項2】
二次側を流通する被加熱液体を、一次側を流通する高温の熱媒体により加熱して、高温被加熱液体を生成する熱交換器と、
前記熱媒体を前記熱交換器の一次側に流通させるポンプと、
前記高温被加熱液体と、該高温被加熱液体より低温の低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第1端末へ供給する第1混合弁と、
前記高温被加熱液体と、前記低温被加熱液体とを混合し、混合した被加熱液体を第2端末へ供給する第2混合弁と、
前記熱交換器で生成される前記高温被加熱液体の温度を検出する二次側出口温度センサと、
前記第1混合弁から前記第1端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第1温度センサと、
前記第2混合弁から前記第2端末へ供給される被加熱液体の温度を検出する第2温度センサと、
前記ポンプ、第1混合弁および第2混合弁を制御する制御手段と、を備え、
第1設定温度に加温された被加熱液体を第1端末に供給し、第2設定温度に加温された被加熱液体を第2端末に供給する液体供給装置であって、
前記制御手段は、
前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、前記第1設定温度が前記第2設定温度よりも低い場合、
前記二次側出口温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御し、
前記第2混合弁の前記高温被加熱液体の側の開度を全開とし、
前記第1温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記第1混合弁を制御する
ことを特徴とする液体供給装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第1混合弁が故障した場合、
前記第1温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体供給装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第1混合弁が故障し、前記第1設定温度が前記第2設定温度よりも高い場合、
前記第2温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記第2混合弁を制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の液体供給装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第2混合弁が故障した場合、
前記第2温度センサの検知温度が前記第2設定温度と対応する温度となるように、前記ポンプを制御する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体供給装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記第1端末および前記第2端末への同時供給時において、第2混合弁が故障し、前記第2設定温度が前記第1設定温度よりも低い場合、
前記第1温度センサの検知温度が前記第1設定温度と対応する温度となるように、前記第1混合弁を制御する
ことを特徴とする請求項5に記載の液体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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