説明

液体又は半固体の組成物用の安全な注入装置

【課題】薬品を非経口投与する際に、投与の前後ともに針を直接環境に曝さない注入装置の提供。
【解決手段】近位及び遠位端を有し液体又は半固体の薬品組成物20が入るように設計されているハウジング10と、前記ハウジングの遠位端に取り付けられ前記ハウジング内を長手方向に伸張している中空の針12と、前記ハウジングの近位端の中を滑動するように配置されているプランジャ29と、注入前には前記針を覆い注入の間は前記ハウジング内へと引っ込むように形成されている中空のスリーブ22を備え、前記スリーブを被術者に押し付けると、前記スリーブは前記ハウジング内に引っ込んで、前記薬品組成物が前記針を通って被術者の体内へ送り込まれるように設計されている注入装置1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体又は半固体の薬品組成物を、針を通して非経口的に投与するための装置において、注入前及び後に針が保護されている装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、投与される薬品が消化管内で部分的又は全体的に分解されてしまう場合、或いは、迅速な生物学的反応が必要な場合など、薬学的に活性な化合物を非経口的に投与する方が、経口投与するよりも望ましい場合も多い。そのような非経口用組成物を必要な時に合わせて調合する必要性は、注入すべき液体が装置に予め充填されている事前充填投与装置(例えば、事前充填注射器)を使用することで、排除又は簡素化される。しかし、そのような事前充填装置は、露出した針を使用するという一般的な危険性ばかりでなく、針の無菌又は滅菌状態を保てないことを含め、多くの欠点を有している。これらの欠点を取り除くには、注入の前と後の両方で、針を直接環境に曝さないようにする必要がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、液体又は半固体の薬品組成物を、例えば人間のような哺乳動物である被術者の体内に非経口的に注入するための針を備えた比較的安価な注入装置において、針が注入の前後で保護されている注入装置を特徴としている。
【0004】
要約すれば、本発明の特徴は、近位及び遠位端を有し液体又は半固体の薬品組成物が入るように設計されているハウジングと、前記ハウジングの遠位端に取り付けられ前記ハウジング内を長手方向に伸張している中空の針と、前記ハウジングの近位端の中を滑動するように配置されているプランジャと、注入前には前記針を覆い注入の間は前記ハウジング内へと引っ込むように形成されている中空のスリーブを備え、前記スリーブを被術者に押し付けると、前記スリーブは前記ハウジング内に引っ込んで、前記薬品組成物が前記針を通って被術者の体内へ送り込まれるように設計されている注入装置にある。
【0005】
ある実施形態では、本装置は、更に、薬品組成物をハウジングから押し出す ときに、プランジャがスリーブをハウジングから押し出して針を覆うように設計されている。更に別の実施形態では、ハウジングには、液体又は半固体の薬品組成物が入っている。
【0006】
別の実施形態では、本装置は、更に、隔壁プランジャを備えており、この隔壁プランジャは、ハウジング内に、プランジャとハウジングの遠位端の間で滑動可能に配置されている。更に別の実施形態では、本装置は、薬品組成物をハウジングから押し出すときに、プランジャが隔壁プランジャをスリーブ内に押し込み、隔壁プランジャはスリーブをハウジングから押し出して針を覆うように構成されている。更に別の実施形態では、ハウジングには、プランジャと隔壁プランジャの間に、液体又は半固体の薬品組成物が入っている。
【0007】
更に別の実施形態では、ハウジングには、液体と、乾燥した薬品組成物が入っており、本装置は、注入前に、液体と乾燥した薬品組成物を組み合わせるように設計されている。
更に別の実施形態では、本装置は、プランジャがハウジング内に入る動きを防止するための解除可能なロック機構を備えている。更に別の実施形態では、本装置は、スリーブを覆う取り外し可能なキャップを備えている。又更に別の実施形態では、ハウジングの近位端はフランジを備えており、及び/又はプランジャはフランジを備えている。
【0008】
本装置の随意的形態には、カートリッジ又はチューブが含まれており、前記カートリッジ又はチューブは、キャップ、シール又は隔壁で閉じられた遠位端と、カートリッジ又はチューブ内に滑動可能に配置されているプランジャ先端で閉じられた近位端と、前記キャップ、シール又は隔壁と前記プランジャ先端の間のリザーバを備えている。
【0009】
随意的に、前記キャップ、シール又は隔壁は、例えば金属リングを使う古典的なクリップ手段で前記遠位端に取り付けてもよい。キャップ、シール又は隔壁及びプランジャ先端は、それぞれ、適した材料、即ち、注入装置の意図する用途に合致する材料で作られている。ある好適な実施形態では、キャップ、シール又は隔壁及びプランジャ先端は、それぞれ個々に、ゴム、ポリブロモブチルなどの剛性の低い固体材料で作られている。より好適な実施形態では、キャップ、シール又は隔壁及びプランジャ先端は、それぞれ、同じ材料で作られている。
【0010】
カートリッジ又はチューブは、リザーバ内に液体又は半固体の薬品組成物を入れるように構成されており、例えば、ハウジングの近位端を通して、装置のハウジング内に導入される。カートリッジ又はチューブは、更に、ハウジング内で、例えば針の近位端に向かうか又は離れる方向に動かすことができるように構成されている。前記カートリッジ又はチューブは、随意であるが、標準装備してもよい。
【0011】
本注入装置は、カートリッジ又はチューブが針の近位端に接続された後、即ち、針の近位端が、カートリッジ又はチューブの遠位端に配置されているキャップ、シール又は隔壁を貫通した後、スリーブが被術者に対して押し付けられると、スリーブはハウジング内に引っ込んで、針の遠位端が露出して、被術者に突き刺さるようになっている。その後、カートリッジ又はチューブの近位端にあるプランジャ先端が、カートリッジ又はチューブの中へ、即ち、カートリッジ又はチューブの遠位端に向かって押されると、薬品組成物が、カートリッジ又はチューブから、針を通して被術者へ押し出される。
【0012】
この発明の或る変形例によれば、カートリッジ又はチューブは、カートリッジ又はチューブの近位端に向かって配置されている近位区画と、カートリッジ又はチューブの遠位端に向かって配置されている遠位区画を備えており、近位区画と遠位区画は、プランジャによって分離されている。この変形例では、前記近位区画には組成物の液体成分が入っており、遠位区画には前記組成物の固体成分が入っている。この変形例では、装置は、使用時、注入前に、液体成分と固体成分が、混ぜ合わされるように構成されている。
【0013】
或る実施形態では、装置は、更に、薬品組成物がカートリッジ又はチューブから押し出されるとき、カートリッジ又はチューブがハウジングからスリーブを押し出して、注入の後の針を覆い、随意的に、針が被術者から引き出されるように構成されている。更に別の実施形態では、カートリッジ又はチューブには、液体又は半固体の薬品組成物が入っている。
【0014】
別の実施形態では、カートリッジ又はチューブは、更に、チューブの遠位端を閉じるための隔壁キャップ又はシールと、チューブの近位端を閉じるための隔壁プランジャを備えている。前記隔壁キャップ又はシールは、クリップで固定されており、前記隔壁プランジャは、カートリッジ又はチューブ内に滑動可能に配置されている。更に別の実施形態では、装置は、カートリッジ又はチューブがハウジング内に十分に押し込まれると、針の近位端が隔壁キャップ又はシールを貫通し、隔壁プランジャによって薬品組成物がカートリッジ又はチューブから押し出されるとき、前記隔壁プランジャがカートリッジ又はチューブを押し、カートリッジ又はチューブがスリーブをハウジングから押し出して、針を覆うように構成されている。更に別の実施形態では、カートリッジ又はチューブには、隔壁キャップ又はシールと隔壁プランジャの間に、液体又は半固体の薬品組成物が入っている。
【0015】
更に別の実施形態では、カートリッジ又はチューブには、液体と乾燥した薬品組成物が入っており、本装置は、注入前に、液体と乾燥した薬品組成物を組み合わせるように設計されている。
【0016】
本装置は、更に、例えば、カートリッジ又はチューブが針と接続された後、カートリッジ又はチューブのハウジング内での動きを防止するためのカートリッジ又はチューブのロック手段を備えていてもよい。ハウジングの近位端はフランジを有し、プランジャもフランジを有していてもよい。
【0017】
注入装置の更に別の実施形態では、ハウジングはリザーバを備え、中空の針がリザーバの遠位端に取り付けられており、前記リザーバの外側を長手方向に伸張している。ハウジング又は保護スリーブは、プランジャ上に構成されており、リザーバの周りを滑動するように配置されている。本装置は、薬品組成物がリザーバから押し出されるとき、プランジャハウジングが前記リザーバを覆うように構成されている。注入が終わると、プランジャは、例えばリザーバーの近位端によって、プランジャハウジングから解放され、プランジャは前記プランジャハウジング内へと滑動し、プランジャハウジングが針を覆うようになっている。
【0018】
本発明の更に別の目的は、従って、液体又は半固体の組成物を被術者の体内に注入するための注入装置であり、本装置は、近位及び遠位端を有し前記遠位端には液体又は半固体の組成物が入るように構成されているリザーバと、リザーバの遠位端に取り付けられ前記リザーバの外側を長手方向に伸張している中空の針と、リザーバの近位端内を滑動するように配置されており、注入後、リザーバの近位端に滑動可能に接続されているプランジャハウジング内へ引っ込むように配置され、注入後、プランジャ、リザーバ及び針を覆うように配置されているプランジャとを備えており、プランジャハウジングがリザーバの周りに押し付けられると、プランジャがリザーバ内へ押し込まれ、組成物が、リザーバから針を通って、被術者の体内に押し出されるように設計されている。
【0019】
この注入装置の好適な実施様式によれば、前記プランジャハウジングは、解放機構によって、前記プランジャから切り離され、リザーバの前記近位端内へ入り込む。別の好適な実施様式によれば、保護スリーブは、針が保護されると、例えば機械的手段で、非可逆方式でロックされるよう設計されている。
【0020】
ここで用いる全ての技術的及び科学的用語は、別途定義されている場合を除き、本発明の属する当業者の一人が一般的に理解しているのと同じ意味を有する。本発明を実施又は試験するのに、ここに記載されているのと同じか又は等価な方法及び材料を用いることができるが、好適な方法及び材料を以下に示す。ここに言及する全ての出版物、特許、特許出願、及びその他の参考文献は、引用することにより、その全体がここに組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含め、本明細書が優先する。更に、材料、方法及び事例は分かり易くするために示したものであり、限定の意図はない。
【0021】
本発明のこの他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明白となるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
当業者であれば、ここに記載する説明に基づいて、本発明を最大限に利用できるものと思われる。従って、以下の具体的な実施形態は、単に説明のためのものであり、本発明を何ら限定するものではないと理解されたい。
【0023】
図1は、近位端と遠位端14a、14bを有するハウジング10を備えた注入装置1を示している。ハウジング10の遠位端は、(図6で良くわかるように)前記遠位端の2つの部分14aと14bを部分的に隔てている2つの穴40a及び40bを有している。針12は、遠位端の部分14aに取り付けられている。ハウジング10は、ガラス、プラスチック、金属など好適な剛性を有する材料で作ることができる。針12は、中空で両頭になっており、その遠位端は、ハウジング10の外側に出ていて被術者の皮膚を突き刺すことができる先端を有しており、その近位端は、ハウジング10内に留まっていて隔壁プランジャ16を突き刺すことができるようになっている。ハウジング10の近位端上にはフランジ28があり、注入の後、装置1を被術者から取り外し易いようになっている。
【0024】
スリーブ22が針12を取り囲んでいるので、使用されるまで、針12が環境に完全に曝されることはない。スリーブ22は、長さに沿って長手方向スロット45a及び45bを有している(図7参照。スロット45bはスリーブの裏側にあり、従って図示されていない)。遠位端の2つの部分14aと14bは、半径方向に伸張する接続部材42a及び42bによって接合されている(図6参照)。接続部材42a及び42bは、それぞれ、スリーブ22内のスロット45a及び45bを通って滑動し、スリーブ22は、ハウジング10内の穴40a及び40bを通って滑動する。スリーブ22は、金属、ガラス、プラスチックなど適した剛性を有する材料で作ることができる。シール24は、スリーブ22の開口23を覆って、針12を無菌状態に維持し、スリーブ22が、注入前に穴40a及び40bを通ってハウジング10内に不用意に引っ込むのを防いでいる。
【0025】
シール24は、注入の際に針12が容易に貫通するプラスチック又はワックスのような薄い材料で作ることができる。同様のシールで、スリーブ22内のスロット45a及び45bを覆って、針12の無菌状態を更に守ることもできる。
【0026】
ハウジング10内に入っている隔壁プランジャ16にはボア26が設けられており、針12が、後で隔壁プランジャ16を突き刺すまで、ボア内に収まっている。液体又は半固体の組成物20は、ハウジング10内の、隔壁プランジャ16と、プランジャ29に取り付けられているプランジャ先端30の間に隔離されている。隔壁プランジャ16とプランジャ先端30は、ゴム、ポリブロモブチルなどの剛性の低い固体材料で作られ、隔壁プランジャ16とプランジャ先端30がハウジング10内で滑動することができ、且つハウジング10の内側との摩擦を十分維持して、組成物20をハウジング10内に密封することができるようになっている。
【0027】
プランジャ29の近位端には親指フランジ18が設けられ、プランジャ29をハウジング10内へ押し込み易いようになっており、プランジャ29の遠位端には長手方向にボア27が設けられ、針12を通して組成物20を注入した後、針12を受け入れるようになっている。プランジャ29は、ガラス、金属、プラスチックなど適した剛性を有する材料で作ることができる。取り外し可能なロック部材25が、フランジ18とフランジ28の間に配置され、装置1が活動状態に入った後、即ち、ハウジング10が薬物組成物で満たされ、針の近位端が隔壁プランジャ16を貫通した後、プランジャ29がハウジング10内へ更に押し込まれるのを防いでいる。更に、針12とスリーブ22の両方を、使用されるまで保護するのに、取り外し可能なキャップ21を用いることもできる。キャップ21とロック部材25は、両方共、プラスチック、金属、ゴムなど適した剛性を有する材料から作ることができる。
【0028】
図2は、プランジャ29がハウジング10内へ押し込まれ、以下のように装置1を作動させている状態の装置1を示している。プランジャ29を押し下げると、プランジャ先端30、組成物20及び隔壁プランジャ16は、ハウジング10の遠位端に向かって移動する。針12は、ボア26で隔壁プランジャ16を貫通する。その結果、針12の近位端は組成物20内に露出する。これで、装置1は活動状態に入る。ロック部材25は、フランジ18とフランジ28の両方と接触して、装置1が活動状態に入った後、組成物20が、ハウジング10から針12へ更に移動するのを阻止する、即ち、組成物20は、針12を満たすことはできるが、ロック部材25が、針12を通過して組成物20が大量に放出されるのを阻止する。
【0029】
図3は、針12が、治療されている被術者の皮膚32を貫通している状態の装置1を示している。装置1を皮膚32に対して押し付けるにつれ、スリーブ22は、皮膚32に掛かる圧力の反力により、穴40a及び40bを通ってハウジング10内に引っ込む。針12は、開口23でスリーブ22を貫通する。図示のように、針12は、皮膚32を貫通して皮下層34に達している。
【0030】
図4は、ロック部材25が取り外され、プランジャ29が押し込まれて、プランジャ先端30が隔壁プランジャ16に向けて動かされ、針12を通して組成物20が皮下層34内に注入されている状態の装置1を示している。組成物20の注入が完了し、プランジャ先端30が隔壁プランジャ16に当接すると、フランジ28の下部に対して圧力を掛け、同時に、プランジャ29のフランジ18に反対向きの圧力を掛けることによって、ハウジング10は皮膚32から引き離される。このプランジャ29とハウジング10の相対的な運動によって、プランジャ先端30と隔壁プランジャ16の両方がハウジング10の遠位端の部分14a及び14bに向かって滑動するときに、プランジャ先端30は、隔壁プランジャ16を、スリーブ22に対して押し付けることになり、その結果、スリーブ22が、穴40a及び40bを通って、ハウジング10から押し出されることになる。プランジャ先端30と隔壁プランジャ16がハウジング10の遠位端に向かって動かされるにつれ、針12は、隔壁プランジャ16、プランジャ先端30を貫通し、プランジャ29内のボア27へ入って行く。
【0031】
図5は、皮膚32から一杯に引き出された針12と、針12を完全に覆っているスリーブ22を示している。組成物20は、被術者の皮下層内に残っている。図5に示すように、針12の近位端は、隔壁プランジャ16とプランジャ先端30を通して押し込まれており、プランジャ29のボア27内に留まっている。
【0032】
図6は、図1の6−6線に沿う断面図であり、ハウジング10内の穴40a及び40bを示している。半径方向に伸張する接続部材42a及び42bは、それぞれ、スロット45a及び45bを通って伸張し、遠位端の部分14aと14bを接続している。針12は、遠位端の中心部14aに固定されており、スリーブ22は、穴40a及び40bを通って滑動できるようになっている。
【0033】
図7は、スロット45a及び45b(45bは図示されていないが、スリーブ22の裏側のスロット45aの丁度反対側に位置している)と、開口23とを有する別体のスリーブ22を示している。半径方向に伸張している接続部材42a及び42bは、それぞれ、スロット45a及び45bを通って滑動する。
【0034】
図8は、近位端と遠位端を有するハウジング10を備えているカートリッジ注入装置1を示している。
ハウジング10の遠位端は、少なくとも1つの穴を有しており、例えば、(図15を見ると分かるように)遠位端の2つの部分を部分的に分離する2つの穴40a及び40bを有している。針12は、遠位端に取り付けられている。ハウジング10は、ガラス、プラスチック、金属など適した剛性を有する材料で作ることができる。針12は、中空で、両頭になっていて、その遠位端は、ハウジング10の外側に留まっており、被術者の皮膚を突き刺すことのできる先端を有しており、その近位端は、ハウジング10内に留まっており、カートリッジ又はチューブ11の隔壁キャップ17及び隔壁プランジャ30を突き刺すことができるようになっている。ハウジング10の近位端上にはフランジ28が設けられ、注入がやり易くなっている。注入の後、スリーブ22を伸ばすことで、被術者から装置1を取り外し易くしている。
【0035】
スリーブ22が針12を取り囲んでいるので、針12は、使用されるまで、周囲に完全に露出することはない。スリーブ22は、その長さに沿って少なくとも1つの長手方向のスロット、例えば、2つのスロット45a及び45bを有している(図15参照)。遠位端の2つの部分は、半径方向に伸びる接続部材42a及び42bで連結されている(図15参照)。接続部材42a及び42bは、それぞれ、スリーブ22内のスロット45a及び45bを通って滑動し、スリーブ22は、ハウジング10内の穴40a及び40bを通って滑動する。スリーブ22は、ガラス、プラスチック、金属など適した剛性を有する材料で作ることができる。
【0036】
針12のシール24(図示せず)は、注入の際に針12で容易に貫通できるプラスチックシート、プラスチック包装材又は袋のような薄い材料で作ることができる。同じシールでスリーブ22を覆い、針12を無菌状態に保護することもできる。
【0037】
ハウジング10の中に入っている隔壁プランジャ16にはボア26が形成されており、隔壁プランジャ16を突き刺す前の針12が、収められている。液体又は半固体の組成物20は、カートリッジ11内に、隔壁プランジャ16とプランジャ先端30の間に、隔離されている。隔壁プランジャ16とプランジャ先端30は、ゴム、ポリブロモブチルなどの剛性の低い固体材料で作られ、プランジャ先端30は、カートリッジ11内を滑動することができ、且つカートリッジ11の内側と十分な摩擦を維持して組成物20をカートリッジ11内に密封できるようになっている。
【0038】
プランジャ29の近位端には親指フランジ18が設けられ、プランジャ29をカートリッジ11へ押し込み易いようになっており、プランジャ29の遠位端には、長手方向にボア27が設けられ、針12を通して組成物20を注入した後、針12を受け入れるようになっている(図11参照)。プランジャ29は、ガラス、プラスチック、金属など適した剛性を有する材料で作ることができる。取り外し可能なロック部材25が、フランジ18とフランジ28の間に配置され、装置1が活動状態に入った後、即ち、ハウジング10にチューブ又はカートリッジが充填され、針の近位端が隔壁キャップ17を貫通した後、プランジャ29がハウジング10内へ更に押し込まれるのを防いでいる。
【0039】
取り外し可能なキャップ21を用いて、針12とスリーブ22の両方を使用時まで保護することもできる。キャップ21とロック部材25は、両方共、プラスチック、金属、ゴムなど適した剛性を有する材料で作ることができる。
【0040】
カートリッジ11の遠位端上の隔壁キャップ17は、例えば金属リング(図示せず)で密封されている。液体又は半固体の組成物20は、カートリッジ又はチューブ11内の隔壁キャップ17とプランジャ先端30の間に隔離されており、これがプランジャ29に取り付けられる(図11参照)。例えば、親指で押して、カートリッジ又はチューブ11の近位端に圧力を掛けることによって、カートリッジ又はチューブ11を、針12の近位端に接続することができる(図10参照)。
【0041】
隔壁キャップ17とプランジャ先端30は、ゴム、ポリブロモブチルなど剛性の低い固体材料で作られ、針12が隔壁キャップ17とプランジャ先端30を突き刺すことができ、且つプランジャ先端30がカートリッジ又はチューブ11内を密封状態で滑動できるようになっている。
【0042】
図9は、装置1の使用中に、カートリッジ又はチューブ11がハウジング10の中に挿入された状態を示している。
【0043】
図10は、カートリッジ又はチューブ11が隔壁キャップ17を通して針12へ接続された状態を示している。
【0044】
図11は、プランジャ29をプランジャ先端30上に装着した状態を示している。
【0045】
図12は、スリーブ22をハウジング10内へ引っ込めて、針12を注入した状態を示している。
【0046】
図13は、例えば、プランジャフランジ18上に親指を使い、ハウジングフランジ28には他の指を使って、組成物20を組織内へ注入した状態を示している。
【0047】
図14は、注入後に被術者から装置を取り外した状態を示しており、カートリッジ又はチューブ11が、ハウジング10から針12の周りにスリーブ22を押し出し、その結果として針12が身体組織から取り外されたところである。
【0048】
図15は、図8の6−6線に沿うハウジング10の遠位端14bの断面図であり、スリーブ22のスロット45a及び45bが滑動する2つの開口又は穴40a及び40bを備えている。2つの接続部材42a及び42bが、穴を分断してハウジング10の外側部分を接続し、内側部分には針12が固定される。
【0049】
図16は、装置1のハウジング10内に用いられるカートリッジ又はチューブ11を示しており、隔壁キャップ17とプランジャ先端30の間に組成物20が入っている。
【0050】
図17Aは、装置1のハウジング10内に用いられる、解除可能なロック部材50を備えたカートリッジ又はチューブ11を示している。組成物20Bの液体部分は、カートリッジ又はチューブ11内の2つの隔壁プランジャ30Aと隔壁プランジャ30Bとの間に充填されている。隔壁プランジャ30Aは、カートリッジ又はチューブ11内のバイパス51のすぐ前に配置されている。隔壁プランジャ30Bは、カートリッジ又はチューブ11と接触するロック部材50でロックされている。組成物20Aの固体部分は、例えば、真空状態下で、カートリッジ又はチューブ11内の隔壁プランジャ30Aと隔壁キャップ17の間に充填されている。
【0051】
図17Bは、解除可能なロック部材50を取り外した後の図17Aのカートリッジ又はチューブ11を示している。組成物20は、組成物20Bの液体部分が、真空下の個体部分へ、バイパス51を通って流れることによって調合される。
【0052】
図18は、図17の2室編成によって提示されたチューブオプション11A又はカートリッジオプション11Bを有する装置1を示している。ハウジング10は、両方のオプション(11A又は11B)に対し同じである。解除可能なロック部材50を取り外すまでは、チューブ11A又はカートリッジ11Bが、隔壁キャップ17を通して針12と接続されることはない。解除可能なロック部材50を取り外した後、図17又は図19に示すように再水和が行われ、チューブ11A又はカートリッジ11Bを、針12と作動的に接続できるようになる。プランジャ29が隔壁プランジャ30Bに取り付けられ、注入が実行される。
【0053】
図19は、チューブ11Aに関する、ロック部材50を取り外すことによって実行される、図17に示した再水和の過程を示している。図12Aでロック部材50を取り外すまでは、チューブ11Aは、隔壁キャップ17を通してチューブ11A内へ針12を導入するほど深く、ハウジング内に挿入されることはない。更に、解除可能なロック部材50は、組成物20Aの固体部分が真空になっているにもかかわらず、プランジャ30Aをバイパス51の上部に維持する。図12Bのロック部材50を取り外すと、チューブ11Aをハウジング内に挿入し、針12を、隔壁キャップ17を通してチューブ11A内に導入することができるようになる。ロック部材50を取り外してこの導入を行う前に、固体部分20Aが入っている室の真空を使って再水和を行うことによって固体部分20Aと液体部分20Bとを混合させ、組成物20が調合される。
【0054】
図20は、針12が、ハウジング10の遠位端に直接取り付けられているのではなく、ハウジング10の遠位端に相当するサポート52に、スリーブ22が取り付けられているようにして取り付けられている場合、カートリッジ又はチューブ11を針12に接続した後で使用する際の、図8の編成における2つの可能な変形例を示している。
【0055】
この独立したサポート52は、針12が隔壁キャップ17を通して導入された後、例えば、ハウジング10にねじ締めすることによって、例えば、ペン又はカートリッジの廃棄可能な針が接続されるように、ハウジング10に接続することができる。
【0056】
図20Aでは、注入の後、被術者から装置を取り外すのは、カートリッジ又はチューブ11を取り外すことで、図8に示すように、スリーブ22によって行われる。
図20Bは、注入後にスリーブ22を伸ばす操作が、カートリッジ又はチューブ11を取り外すことなく、ばね51で容易に行えるようになっている別の例を示している。こうすると、ねじは標準的なものでもよくなり、この装置を、どの様な他の現行のカートリッジペン型又は注射器型注入器にでも適用できるようになる。
【0057】
図21は、遠位端14aと近位端14bを有するリザーバ10を備えている注入装置1を示している。リザーバ10の近位端は、アーム22a及び22bを作動的に受け入れるようになっている2つの穴40a及び40bを有している。針12は、遠位端14aに作動的に取り付けられている。リザーバ10は、ガラス、プラスチック、金属など適した剛性を有する材料で作ることができる。針12は、中空で、単頭式で、リザーバ10の外側にあり、先端は被術者の皮膚を突き刺すことができようになっている。ハウジングの近位端上には、例えば楕円形のフランジ28があり、リザーバ内でプランジャを動かすことと、注入後にスリーブ22を伸ばして被術者から装置1を取り外すことの両方を支援する。
【0058】
この実施形態では、スリーブ22は、金属、ガラス、プラスチックなど適した剛性を有する材料で作られたプランジャハウジングを備えている。プランジャハウジング22がプランジャ29を取り囲んでいるので、プランジャ29がリザーバ10内へ滑動する際、プランジャハウジング22はリザーバ10の周囲を滑動するようになる。プランジャハウジング22は、長手方向のスロット(図示せず)と、その長さに沿ったアーム22a及び22bを有している。アーム22a及び22bは、それぞれ近位端14b内の穴40a及び40bを通る。
【0059】
プランジャ29の近位端は、フランジ18まで、プランジャハウジング22で覆われている。フランジ18は、取り外し可能なロック部材53又はプランジャ29とのプランジャハウジング22内への接続手段によって、プランジャハウジング22をリザーバ10の周囲へ押し込むのと同時にプランジャ29をリザーバ10内へ押し込むのを支援する。
【0060】
図22は、図21に示している装置1で、プランジャ29が、プランジャハウジング22によって押し込まれ、組成物が、リザーバ10から針12を通して注入されている状態を示している。
【0061】
組成物の注入が完了すると、プランジャ29は、リザーバ10の底部又は遠位端に当接するが、この底部又は遠位端もプランジャハウジング22で完全に覆われている。
次に、リザーバ10は、リザーバ10の近位端14bのフランジの下部に対して圧力を掛け、同時に、プランジャハウジング22のフランジ28に反対方向の圧力を掛けることによって、注入針の位置から離れる方向に動かされる。プランジャハウジング22とリザーバ10のこの相対運動により、プランジャ29は、リザーバの近位端14b上の滑動案内及び解放機構によって取り外し可能なロック部材53から解放され、プランジャハウジングは、リザーバ10及び針12の周囲を滑動し、それによって針12を注入位置から外に動かす。
【0062】
図23は、注入位置から一杯に引き出された針12と、リザーバ10と針12を覆っているプランジャハウジング22を示している。
フランジ18には、針12が保護されると、プランジャハウジング22を、随意的には不可逆的に、固定するための手段46が備えられている。
【0063】
組成物20は、薬品を含む液体又は半固体の組成物である。組成物20の薬品は、液体又は半固体として非経口的に投与できる薬品であればどの様なものでもよい。例えば、薬品は、ワクチン、ペプチド、蛋白質又は少量の化学物質もよい。適した薬品には、例えばインシュリンとヘパリンが挙げられる。時間が経つと液体中では不安定になる薬品の場合、液体と乾燥した薬品をハウジング10内の別々の室内で保管することができる。装置は、注入の直前に、液体と乾燥した薬品を組み合わせるように構成することができる。
【0064】
例えば、ハウジング10内の隔壁プランジャ16とプランジャ先端30の間に作られている室(例えば図1で)は、例えば、プランジャ29のプランジャ先端30への圧力か、又は穴あけ手段によって穴を開けることのできる固定壁又はフィルムによって、2つの独立した部分に分離することができる。代わりに、室の2つの部分を移動壁又は隔壁によって分離してもよい。この場合、移動壁又は隔壁の上方の室の最上部又は近位部分には、組成物の液体部分を入れ、室の遠位部分には、例えば粉末のような、組成物の固体部分を入れる。プランジャ29をハウジング10内へ押し込むと、プランジャ先端30に圧力が掛かり、プランジャ先端30は、組成物の液体部分に圧力を掛ける。すると、移動隔壁に圧力が掛かり、隔壁を遠位方向に動かす。ハウジングには、最初は液体が室の一方の部分から他方の部分へ通過するのを防ぐが、移動隔壁が特定の場所に達すると、バイパスによって、液体が、室の最上部又は近位部分から移動隔壁の反対側の室の下部又は遠位部分へ通過できるようになる位置に、液体バイパス(ハウジング壁内のバルジ又は通路)が設けられている。
【0065】
無菌状態を維持するため、本発明の装置は、使用時まで、従来型のブリスターパック、又はポーチ内に保管することができる。
以上、本発明を、詳細な説明と結び付けて説明してきたが、上記説明は解説を目的としており、添付請求項の範囲を制限する意図はない旨理解頂きたい。この他の態様、利点及び修正も、特許請求の範囲に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】注入装置の、使用前の部分断面図である。
【図2】図1の注入装置の、使用中の部分断面図である。
【図3】針が被術者に注入されている状態の装置の部分断面図である。
【図4】薬品組成物を被術者の体内に残して、被術者から引き抜かれている状態の注入装置の部分断面図である。
【図5】注入装置の、針が被術者から完全に引き抜かれた後の部分断面図である。
【図6】図1の6−6線に沿う、注入装置の部分断面図である。
【図7】注入装置のスリーブの図である。
【図8】カートリッジ注入装置の、カートリッジが導入される前の部分断面図である。
【図9】カートリッジ注入装置の、使用前の部分断面図である。
【図10】図9のカートリッジ注入装置の、カートリッジを針に接続した後、使用中の断面図である。
【図11】図10のカートリッジ注入装置の、プランジャをセットした後、使用中の部分断面図である。
【図12】針が被術者に注入されている状態の、カートリッジ注入装置の断面図である。
【図13】薬品組成物を被術者の体内に残して、被術者から引き抜かれている状態のカートリッジ注入装置の部分断面図である。
【図14】カートリッジ注入装置の、針が被術者から完全に引き抜かれた後の部分断面図である。
【図15】図8の6−6線に沿う、注入装置の断面図である。
【図16】液体又は半固体の組成物が入ったカートリッジの断面図である。
【図17】図17Aは、液体と乾燥した薬品が入っているカートリッジの、再水和前の断面図である。図17Bは、液体と乾燥した薬品が入っているカートリッジの、再水和後の断面図である。
【図18】2つのオプション、即ち、カートリッジ(右)とチューブ(左)を備えたハウジングの断面図である。
【図19】液体と乾燥した薬品が入っているチューブの、再水和の前及び後の断面図である。
【図20】チューブに液体と乾燥した薬品が入っている場合の、再水和の前及び後での、図10の段階における断面図である。
【図21】リザーバ注入装置の、使用前の断面図である。
【図22】リザーバ注入装置の、薬品組成物注入後の断面図である。
【図23】リザーバ注入装置の、針を被術者から完全に引き抜いた後の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被術者の体内に液体又は半固体の組成物を注入するための注入装置であって、
前記注入装置は、
近位端と遠位端を有する中空のハウジングと、
遠位端と近位端を有するカートリッジ又はチューブと、
近位端と遠位端を有し、前記カートリッジ又はチューブの前記近位端の中を滑動するように配置されているプランジャと、
前記カートリッジ又はチューブの前記遠位端を閉じている隔離キャップと、
前記カートリッジ又はチューブの前記近位端を閉じている前記プランジャの前記遠位端に配置されているプランジャ先端であって、前記カートリッジ又はチューブの中に滑動可能に配置されたプランジャ先端と、
前記隔離キャップと前記プランジャ先端との間のリザーバと、
近位端と遠位端を有しており、前記ハウジングの前記遠位端に取り付けられ、前記近位端は前記ハウジング内を長手方向に伸張している中空の針と、
前記ハウジングの前記遠位端に滑動可能に接続され、注入前には前記針を覆い、注入の間は前記ハウジング内へと引っ込むように形成されているスリーブと、を備え、
前記カートリッジ又はチューブを前記ハウジング内に挿入すると、前記隔壁キャップは前記中空の針の前記近位端と作動的接続を形成し、前記プランジャ先端を前記カートリッジ又はチューブ内に押し込むと、前記組成物が前記カートリッジ又はチューブから、前記針を通って被術者の体内へ押し込まれるようになっていることを特徴とする注入装置。
【請求項2】
請求項1に記載の注入装置において、
更に、前記組成物を前記カートリッジから押し出すときには、前記カートリッジが前記スリーブを押して前記ハウジングから伸び出させ、注入の間及び注入の後、前記針を覆うように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の注入装置において、
前記カートリッジには、前記隔壁キャップと前記隔壁プランジャの間に、前記液体又は半固体の組成物が入っていることを特徴とする注入装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の注入装置において、
前記注入装置は、更に、前記ハウジング内の前記カートリッジの動きを防止するための解除可能なロック機構を備えていることを特徴とする注入装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の注入装置において、
前記カートリッジ又はチューブは、更に、近位区画と、遠位区画と、バイパスとを備えており、前記近位区画と前記遠位区画は、前記カートリッジ又はチューブ内に滑動可能に配置されている第1画壁プランジャで分離されていることを特徴とする注入装置。
【請求項6】
請求項5に記載の注入装置において、
前記近位区画には組成物の液体成分が入っており、前記遠位区画には前記組成物の固体成分が入っており、注入前に前記液体成分と前記固体成分が混合されるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の注入装置において、
前記液体成分は、前記近位区画から前記遠位区画まで前記バイパスを通って移動することを特徴とする注入装置。
【請求項8】
請求項5乃至7に記載の注入装置において、
前記遠位区画は真空状態に維持されていることを特徴とする注入装置。
【請求項9】
請求項1乃至8に記載の注入装置において、
前記ハウジングの前記遠位端は、注入前に前記ハウジングに接続される独立した遠位端であることを特徴とする注入装置。
【請求項10】
請求項9に記載の注入装置において、
前記独立した遠位端は、更に、スプリングを備えており、前記スプリングは、前記遠位端のスリーブを押して前記針を覆うようになっていることを特徴とする注入装置。
【請求項11】
被術者の体内に液体又は半固体の組成物を注入するための注入装置であって、
前記注入装置は、
近位端と遠位端を有し、前記遠位端には液体又は半固体の組成物が入るように構成されているリザーバと、
前記リザーバの前記遠位端に取り付けられ、前記リザーバの外側を長手方向に伸張している中空の針と、
前記リザーバの前記近位端の中を滑動するように配置されているプランジャと、
前記プランジャに接続され、注入後には、前記プランジャと、前記リザーバと前記針を覆うように構成されているプランジャハウジングと、を備え、
前記プランジャハウジングを前記リザーバの周りに押し付けると、前記プランジャは前記リザーバ内に入り込み、前記組成物が前記リザーバから前記針を通って被術者の体内へ押し込まれるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項12】
請求項11に記載の注入装置において、
前記プランジャハウジングは、前記プランジャに解除可能に接続されており、前記プランジャハウジングは、前記プランジャの前記近位端を受け入れるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の注入装置において、
前記プランジャハウジングは、前記針を覆った後、前記リザーバの前記近位端に固定的に取り付けられることを特徴とする注入装置。
【請求項14】
被術者の体内に液体又は半固体の組成物を注入するための注入装置であって、
前記注入装置は、
近位端と遠位端を有する中空のハウジングと、
遠位端と近位端を有するカートリッジ又はチューブであって、前記遠位端は隔壁キャップで閉じられ、前記近位端は前記カートリッジ又はチューブ内に滑動可能に配置されているプランジャ先端で閉じられており、前記隔壁キャップと前記プランジャ先端の間はリザーバとなっているカートリッジ又はチューブと、
近位端と遠位端を有しており、前記ハウジングの前記遠位端に取り付けられ、前記近位端は前記ハウジング内を長手方向に伸張している中空の針と、
前記ハウジングの前記遠位端に滑動可能に接続され、注入前には前記針を覆い、注入の間は前記ハウジング内へと引っ込むように形成されているスリーブと、を備え、
前記カートリッジ又はチューブを前記ハウジング内に挿入すると、前記隔壁キャップは前記中空の針の前記近位端と作動的接続を形成し、前記プランジャ先端を前記カートリッジ又はチューブ内に押し込むと、前記組成物が前記カートリッジ又はチューブから、前記針を通って被術者の体内へ押し込まれるようになっていることを特徴とする注入装置。
【請求項15】
請求項14に記載の注入装置において、
更に、前記組成物を前記カートリッジから押し出すときには、前記カートリッジが前記スリーブを押して前記ハウジングから伸び出させ、注入の間及び注入の後、前記針を覆うように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の注入装置において、
前記カートリッジには、前記隔壁キャップと前記隔壁プランジャの間に、前記液体又は半固体の組成物が入っていることを特徴とする注入装置。
【請求項17】
請求項14乃至16に記載の注入装置において、
前記注入装置は、更に、前記ハウジング内の前記カートリッジの動きを防止するための解除可能なロック機構を備えていることを特徴とする注入装置。
【請求項18】
請求項14乃至17に記載の注入装置において、
前記カートリッジ又はチューブは、更に、近位区画と、遠位区画と、バイパスとを備えており、前記近位区画と前記遠位区画は、前記カートリッジ又はチューブ内に滑動可能に配置されている第1画壁プランジャで分離されていることを特徴とする注入装置。
【請求項19】
請求項18に記載の注入装置において、
前記近位区画には組成物の液体成分が入っており、前記遠位区画には前記組成物の固体成分が入っており、注入前に前記液体成分と前記固体成分が混合されるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の注入装置において、
前記液体成分は、前記近位区画から前記遠位区画まで前記バイパスを通って移動することを特徴とする注入装置。
【請求項21】
請求項18乃至20に記載の注入装置において、
前記遠位区画は真空状態に維持されていることを特徴とする注入装置。
【請求項22】
請求項14乃至21に記載の注入装置において、
前記ハウジングの前記遠位端は、注入前に前記ハウジングに接続される独立した遠位端であることを特徴とする注入装置。
【請求項23】
請求項22に記載の注入装置において、
前記独立した遠位端は、更に、スプリングを備えており、前記スプリングは、前記遠位端のスリーブを押して前記針を覆うようになっていることを特徴とする注入装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被術者の体内に液体又は半固体の組成物を注入するための注入装置であって、
前記注入装置は、
近位端と遠位端を有する中空のハウジングと、
遠位端と近位端を有するカートリッジ又はチューブと、
近位端と遠位端を有し、前記カートリッジ又はチューブの前記近位端の中を滑動するように配置されているプランジャと、
前記カートリッジ又はチューブの前記遠位端を閉じている隔離キャップと、
前記カートリッジ又はチューブの前記近位端を閉じている前記プランジャの前記遠位端に配置されているプランジャ先端であって、前記カートリッジ又はチューブの中に滑動可能に配置されたプランジャ先端と、
前記隔離キャップと前記プランジャ先端との間のリザーバと、
近位端と遠位端を有しており、前記ハウジングの前記遠位端に取り付けられ、前記近位端は前記ハウジング内を長手方向に伸張している中空の針と、
前記ハウジングの前記遠位端に滑動可能に接続され、注入前には前記針を覆い、注入の間は前記ハウジング内へと引っ込むように形成されているスリーブと、を備え、
前記カートリッジ又はチューブを前記ハウジング内に挿入すると、前記隔壁キャップは前記中空の針の前記近位端と作動的接続を形成し、前記プランジャ先端を前記カートリッジ又はチューブ内に押し込むと、前記組成物が前記カートリッジ又はチューブから、前記針を通って被術者の体内へ押し込まれるようになっていることを特徴とする注入装置。
【請求項2】
請求項1に記載の注入装置において、
更に、前記組成物を前記カートリッジから押し出すときには、前記カートリッジが前記スリーブを押して前記ハウジングから伸び出させ、注入の間及び注入の後、前記針を覆うように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の注入装置において、
前記カートリッジには、前記隔壁キャップと前記隔壁プランジャの間に、前記液体又は半固体の組成物が入っていることを特徴とする注入装置。
【請求項4】
請求項1乃至3に記載の注入装置において、
前記注入装置は、更に、前記ハウジング内の前記カートリッジの動きを防止するための解除可能なロック機構を備えていることを特徴とする注入装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の注入装置において、
前記カートリッジ又はチューブは、更に、近位区画と、遠位区画と、バイパスとを備えており、前記近位区画と前記遠位区画は、前記カートリッジ又はチューブ内に滑動可能に配置されている第1画壁プランジャで分離されていることを特徴とする注入装置。
【請求項6】
請求項5に記載の注入装置において、
前記近位区画には組成物の液体成分が入っており、前記遠位区画には前記組成物の固体成分が入っており、注入前に前記液体成分と前記固体成分が混合されるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項7】
請求項6に記載の注入装置において、
前記液体成分は、前記近位区画から前記遠位区画まで前記バイパスを通って移動することを特徴とする注入装置。
【請求項8】
請求項5乃至7に記載の注入装置において、
前記遠位区画は真空状態に維持されていることを特徴とする注入装置。
【請求項9】
請求項1乃至8に記載の注入装置において、
前記ハウジングの前記遠位端は、注入前に前記ハウジングに接続される独立した遠位端であることを特徴とする注入装置。
【請求項10】
請求項9に記載の注入装置において、
前記独立した遠位端は、更に、スプリングを備えており、前記スプリングは、前記遠位端のスリーブを押して前記針を覆うようになっていることを特徴とする注入装置。
【請求項11】
被術者の体内に液体又は半固体の組成物を注入するための注入装置であって、
前記注入装置は、
近位端と遠位端を有し、前記遠位端には液体又は半固体の組成物が入るように構成されているリザーバと、
前記リザーバの前記遠位端に取り付けられ、前記リザーバの外側を長手方向に伸張している中空の針と、
前記リザーバの前記近位端の中を滑動するように配置されているプランジャと、
前記プランジャに接続され、注入後には、前記プランジャと、前記リザーバと前記針を覆うように構成されているプランジャハウジングと、を備え、
前記プランジャハウジングを前記リザーバの周りに押し付けると、前記プランジャは前記リザーバ内に入り込み、前記組成物が前記リザーバから前記針を通って被術者の体内へ押し込まれるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項12】
請求項11に記載の注入装置において、
前記プランジャハウジングは、前記プランジャに解除可能に接続されており、前記プランジャハウジングは、前記プランジャの前記近位端を受け入れるように構成されていることを特徴とする注入装置。
【請求項13】
請求項11又は12に記載の注入装置において、
前記プランジャハウジングは、前記針を覆った後、前記リザーバの前記近位端に固定的に取り付けられることを特徴とする注入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−297126(P2006−297126A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−169718(P2006−169718)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【分割の表示】特願2002−592996(P2002−592996)の分割
【原出願日】平成14年4月9日(2002.4.9)
【出願人】(500511604)ソシエテ・ドゥ・コンセイユ・ドゥ・ルシェルシュ・エ・ダプリカーション・シャンティフィック・エス・ア・エス (22)
【Fターム(参考)】