説明

液体収容容器及び画像形成装置

【課題】液体収容容器を画像形成装置本体に脱着するときに液体が漏れ出し易い。
【解決手段】インクカートリッジ1は、インクを収容するインク袋2と、装置本体側の中空針101が挿通される供給口部3とを有し、供給口部3には、図2に示すように、装置本体側から中空針101が刺通され、中空針101と共に供給口部3に対して相対的に移動して、供給流路4を開閉するシール部材5が設けられ、装置本体に対して着脱するときに中空針101がシール部材5を押し込んで供給流路4が開かれ、中空針101が抜けるときにシール部材5が供給流路4を閉じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体収容容器及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、これらの複合機等の画像形成装置として、例えばインク液滴を吐出する記録ヘッドを用いた液体吐出記録方式の画像形成装置としてインクジェット記録装置が、また電子写真方式で画像を形成する画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、液体吐出記録方式の画像形成装置は、記録ヘッドからインク滴を、搬送される用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙、記録用紙などとも称される。)に対して吐出して、画像形成(記録、印字、印写、印刷も同義語で使用する。)を行なうものであり、記録ヘッドが主走査方向に移動しながら液滴を吐出して画像を形成するシリアル型画像形成装置と、記録ヘッドが移動しない状態で液滴を吐出して画像を形成するライン型ヘッドを用いるライン型画像形成装置がある。
【0004】
なお、本願において、液体吐出方式の「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液滴を吐出する装置を意味し、また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること、すなわち、液体吐出装置)をも意味する。また、「インク」とは、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用い、例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
【0005】
このような画像形成装置において、例えば記録ヘッドを搭載したキャリッジ上に、記録ヘッドにインクを供給するサブタンク(バッファタンク、ヘッドタンクとも称される。)を搭載し、メインのインクカートリッジ(メインタンクとも称される)を画像形成装置本体(以下、単に「装置本体」という。)側に着脱自在に装着し、サブタンクに装置本体側のインクカートリッジからインクを補充供給するようにしたものが知られている。
【0006】
インクカートリッジとしては、例えば、インク供給口部とインク充填口部を有する保持部材を袋本体に融着などで固定したインク収容袋を、分割されたカートリッジ筐体に収納し、保持部材をカートリッジ筐体の保持手段にて保持し、保持部材に設けた供給口部内に弾性部材を配設し、画像形成装置本体側の中空針が弾性部材を貫通して、中空針(液体取り入れ部材)の中空針穴(取り入れ口)が内部のインク流路に臨むことでインク供給を行えるようにしたものが知られている(特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3919734号公報
【特許文献2】特開2004−276538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述したようなインクカートリッジにあっては、中空針を抜き差ししたときにインクが漏れるおそれがあるという課題がある。
【0009】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、液体漏れのおそれを低減して安定した液体供給を行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明に係る液体収容容器は、
画像形成用液体を収容して、画像形成装置本体に着脱自在に装着される液体収容器であって、
前記画像形成用液体を収容する液体収容部と、
前記収容部に取付けられて、前記画像形成装置本体側から液体取り入れ部材が挿通される供給口部と、を有し、
前記供給口部には、前記液体取り入れ部材が刺通され、前記液体取り入れ部材と共に前記供給口部に対して相対的に移動して、供給流路を開閉する弾性部材からなるシール部材が設けられている
構成とした。
【0011】
ここで、前記供給口部の供給流路は先端部側に向かって狭くなるテーパ面を有し、前記シール部材は前記供給流路のテーパ面に対応するテーパ面を有している構成とできる。
【0012】
また、前記シール部材の後端側には前記液体取り入れ部材が貫通しない部材が設けられている構成とできる。
【0013】
また、前記シール部材を前記供給口部先端部側方向に押圧する押圧手段を備えている構成とできる。
【0014】
また、前記供給口部の内側には前記シール部材を保持する突起部が設けられている構成とできる。
【0015】
この場合、前記供給口部の内側の突起部は、前記液体取り入れ部材中心を挟んで対向する位置にそれぞれ少なくとも1個設けられ、
前記供給口部が対向する前記内側の突起部同士が互いに遠ざかるように変形したときに、互いに近づくように、前記供給口部の外側に前記液体取り入れ部材中心を挟んで対向する位置にそれぞれ少なくとも1個の突起部が設けられ、
画像形成装置本体に装着するときに際、前記供給口部の外側の突起部が画像形成装置本体と干渉することによって前記供給口部が押圧されて、前記供給口部の外側の突起部が互いに近づくように前記供給口部が変形するのに伴い、前記供給口部の内側の対向する突起部が互いに遠ざかる
構成とできる。
【0016】
また、前記供給口部は円筒形状であり、前記内側の突起部と外側の突起部は同一断面上に設けられている構成とできる。
【0017】
本発明に係る画像形成装置は、
本発明に係る液体収容容器が着脱自在に装着される画像形成装置であって、
前記液体取り入れ部材の先端部には前記液体を取り入れる液体取入れ口の周囲を覆う保護部材が移動可能に設けられ、
前記保護部材が内方に押されるときに前記保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、
前記液収容容器が装着されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部に挿通され、
前記液体収容容器が取り外されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部から抜かれて前記保護部材内に収納される
構成とした。
【0018】
ここで、前記液体取り入れ部材には、前記液体収容容器のシール部材から抜き取られるときに前記シール部材に挿入されるときよりも大きな抵抗を生じる突起部が設けられている構成とできる。
【0019】
本発明に係る画像形成装置は、前記供給口部の内側には前記シール部材を保持する突起部が設けられている液体収容容器が着脱自在に装着される画像形成装置であって、
前記液体取り入れ部材の先端部には前記液体を取り入れる液体取入れ口の周囲を覆う保護部材が移動可能に設けられ、
前記保護部材が内方に押されるときに前記保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、
前記液収容容器が装着されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部に挿通され、前記供給口部の供給流路を閉じていた前記シール部材が、前記シール部材を保持していた前記突起部を通過して前記供給流路を開放する
構成とした。
【0020】
ここで、前記液体収容容器が取り外されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部から抜かれることによって、前記液体取り入れ部材が挿通していた前記シール部材が前記供給口部に設けられた突起部よりも画像形成装置本体側に移動して前記供給口部に密着し、前記供給流路を閉じた後、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の前記供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部から抜かれて前記保護部材内に収納される
構成とした。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る液体収容容器によれば、画像形成装置本体側から液体取り入れ部材が挿通される供給口部には、液体取り入れ部材が刺通され、液体取り入れ部材と共に供給口部に対して相対的に移動して、供給流路を開閉する弾性部材からなるシール部材が設けられている構成としたので、装置本体側の液体取り入れ部材が抜かれたときに供給口部を確実に封止して液体漏れを防止することができる。
【0022】
本発明に係る画像形成装置によれば、液体取り入れ部材の先端部には液体を取り入れる液体取入れ口の周囲を覆う保護部材が移動可能に設けられ、保護部材が内方に押されるときに保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、液収容容器が装着されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部に挿通され、液体収容容器が取り外されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部から抜かれて保護部材内に収納される構成としたので、液体取り入れ口が保護部材で保護された状態で液体取り入れ部材の抜き差しを行うことができて液体漏れを確実に防止できる。
【0023】
本発明に係る画像形成装置によれば、液体取り入れ部材の先端部には液体を取り入れる液体取入れ口の周囲を覆う保護部材が移動可能に設けられ、保護部材が内方に押されるときに保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、液収容容器が装着されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部に挿通され、供給口部の供給流路を閉じていたシール部材が、シール部材を保持していた突起部を通過して供給流路を開放する構成としたので、液体取り入れ口が保護部材で保護された状態で液体取り入れ部材の抜き差しを行うことができて液体漏れを確実に防止でき、更にシール部材が突起部にて保持されているのでより確実に液体漏れが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態に係る液体収容容器としてのインクカートリッジの外観斜視説明図である。
【図2】同じくインクカートリッジと画像形成装置本体との連結部分の断面説明図である。
【図3】同じくインクカートリッジの供給口部の説明に供する断面説明図である。
【図4】同じくインクカートリッジの装置本体に対する着脱時の動作説明に供する断面説明図である。
【図5】同じくインクカートリッジを装置本体に対して装着したときの状態を説明する断面説明図である。
【図6】本発明の第2実施形態におけるインクカートリッジと画像形成装置本体との連結部分の断面説明図である。
【図7】同じく中空針の説明に供する要部説明図である。
【図8】本発明の第3実施形態におけるインクカートリッジと画像形成装置本体との着脱時の説明に供する連結部分の断面説明図である。
【図9】インクカートリッジのシール部材の他の例の説明に供する断面説明図である。
【図10】インクカートリッジのシール部材の更に他の例の説明に供する断面説明図である。
【図11】本発明の第4実施形態におけるインクカートリッジと画像形成装置本体との着脱時の説明に供する連結部分の断面説明図である。
【図12】本発明の第5実施形態におけるインクカートリッジ側と装置本体側の連結部分の断面説明図である。
【図13】図12のA−A線に沿う側断面説明図である。
【図14】図12のB−B線に沿う断面説明である。
【図15】供給口部の突起部の他の例の説明に供する側断面説明図である。
【図16】同実施形態のインクカートリッジの装置本体に対する着脱時の動作の説明に供する断面説明図である。
【図17】同じくインクカートリッジを装置本体に対して装着したときの状態を説明する断面説明図である。
【図18】(a)は本発明の第6実施形態における供給口部の断面説明図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面説明図である。
【図19】(a)は同実施形態における装置本体側の連結部の断面説明図、(b)は(a)の側面説明図である。
【図20】同実施形態のインクカートリッジの装置本体に対する装着時の動作の説明に供する連結部分の断面説明図である。
【図21】図20の側断面説明図である。
【図22】同じく(a)はインク供給可能状態での連結部分の断面説明図、(b)は(a)の側断面説明図である。
【図23】同実施形態のインクカートリッジの装置本体からの取り出し時の動作の説明に供する連結部分の断面説明図である。
【図24】図23の側断面説明図である。
【図25】本発明の第7実施形態における供給口部と装置本体側の連結部分の断面説明図である。
【図26】本発明に係る液体収容容器を備える本発明に係る画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。
【図27】同装置の機構部の概要を示す側面説明図である。
【図28】同じく要部平面説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明に係る液体収容容器の第1実施形態について図1及び図2を参照して説明する。なお、図1は同液体収容容器としてのインクカートリッジの外観斜視説明図、同じく、図2は同インクカートリッジと供給口部及び装置本体側との連結部分の断面説明図である。
【0026】
液体収容容器であるインクカートリッジ1は、画像形成用液体であるインクを収容する液体収容部であるインク袋2と、インク袋2内の画像形成装置本体(装置本体)側の液体取り入れ部材である中空針101が挿通される供給口部3とを有し、インク袋2は2分割されたケース21,22で構成されるカートリッジケース20内に収納されている。
【0027】
そして、供給口部3には、図2に示すように、装置本体側から中空針101が刺通され、中空針101と共に供給口部3に対して相対的に移動して、供給流路4を開閉する弾性部材からなるシール部材5が設けられている。
【0028】
インク袋2は、可とう性を有するフィルム部材で形成されている。この場合、1種の樹脂組成からなるフィルム部材でも、複数種の樹脂組成からなる層構造を有するフィルム部材でも良い。また表面、あるいは中間層に金属薄膜層を有する構造でも良い。樹脂組成として良好なものは、オレフィン系の樹脂組成のもので、特にインクとの接液性からポリエチレン系のフィルムが良好である。また、金属薄膜層としては、フィルムの透湿性を抑え、あるいはフィルムの剛性を持たせるものが好ましく、例えば、特にはアルミニウム薄膜が好ましい。
【0029】
供給口部3は、先端部外面側には、装置本体の中空針101の取り入れ口である中空針穴101aの外周を保護する保護部材102が嵌合する円錐台形状の凹部3aが形成されている。また、供給口部3の内部には、インク袋2内に通じる供給流路4が形成され、この供給流路4は、図3に示すように、シール部材5との嵌め合い部が供給口部3の先端側に向かって傾斜するテーパ面4aを有する断面形状で台形状になる円錐台形状に形成されている。なお、インクカートリッジ側の「先端部」とは装置本体に装着するときに前側となることを意味する。
【0030】
シール部材5は、シリコン、フッ素、ブチル、EPDMなどのゴムなどの弾性部材で形成されて、供給流路4のテーパ面4aに対応するテーパ面5aを有する断面形状で台形状になる円錐台形状に形成されている。
【0031】
ここで、シール部材5の天面5bの直径Da(又は面積)と供給流路4の先端側端面4bの直径Db(又は面積)との関係、また、シール部材5のテーパ面5aの端面5bに対する角度θaと供給流路4のテーパ面4aの端面4bに対する角度θbとの関係は、シール部材5により供給流路4が閉栓されるとき、先ず天面5bと端面4bが密着され、さらに母線を含むテーパ面4a,5aの天面の側からシールが形成される関係とすることが好ましい。このような関係とすることで、閉じるときにインクが内側(後端側)に排出され、インクを挟み込むことなく、確実にシールすることができる。
【0032】
また、シール部材5の後端面には中空針101が貫通しない部材、例えば金属板などの硬質部材6が固定されている。これにより、中空針101がシール部材5内に刺通されるときに、硬質部材6で止まり、そのままシール部材中空針101とともに移動する(供給流路4の先端部側から離間する)ようになる。
【0033】
一方、装置本体側では、中空針101は図示しないポンプに接続されて、インクカートリッジ1からインクが吸引されて液体吐出ヘッド側に送液される。この中空針101の液体取り入れ口である中空針穴101aは、インクカートリッジ1が装着されていない状態においては乾燥防止及び安全のために弾性部材からなる保護部材102の内部に保持収納されている。
【0034】
保護部材102は中空針101に移動可能に装着され、図示しない固定部との間にバネ部材103が介装されている。また、この保護部材102の先端部には、テーパ面102bと平面102cによって円錐台形状の嵌合部102aが形成され、インクカートリッジ1の供給口部3の先端部側の円錐台形状の凹部38aと嵌合可能とされている。これらの保護部材102の嵌合部102aと供給口部3の凹部38aとの形状は、前述したシール部材5と供給流路4の嵌め合い部と形状の関係と同様にしている。なお、装置本体側の「先端部側」とはインクカートリッジ側を意味する。
【0035】
さらに、保護部材102の外周側には中空のガイド部材104が配設されている。
【0036】
次に、このように構成した実施形態におけるインクカートリッジの着脱時の動作について図4及び図5をも参照して説明する。
まず、インクカートリッジ1を装置本体のカートリッジ装着部に挿入することで、図4(a)に示すように、インクカートリッジ1の供給口部3の先端部の凹部3aが装置本体側の保護部材102の嵌合部102aと嵌合し、保護部材102のテーパ面102b及び平面102cの二面が凹部3aに密着される。この状態では、インクカートリッジ1の供給口部3内部のシール部材5は供給流路4の内壁面に密着したままになっており、供給口部3は内外双方からシールされている。
【0037】
この状態から更にインクカートリッジ1が挿入されると、図4(b)に示すように、中空針101は、インクカートリッジ1内のシール部材5を突き刺し、図4(c)に示すように先端が硬質部材6に当たることで、そのシール部材5を後方に押し込むので、図4(d)に示すように、シール部材5が供給流路4の内壁面から離れて間隙が生じることで、供給流路4が開かれて内部のインクの流路(図5の矢印8)が確保される。これにより、インクカートリッジ1のインク袋2から中空針101の中空針穴101aを通じて装置本体側にインクが供給される。
【0038】
また、インクカートリッジ1を装置本体から取出すときには、上述したと逆の順序で行われる。このとき、中空針101がインクカートリッジ1に対して相対的に交替することで、シール部材5は供給流路4の内壁面に再度嵌まり込んでシールし、一方、装置本体の保護部材102はバネ103による付勢力で供給口部3の凹部3aに嵌合したままであるので、中空針101が供給口部3から抜けるときにそのまま保護部材102内に収納され、インク漏れが生じない。
【0039】
このように、このインクカートリッジには、画像形成装置本体側から液体取り入れ部材が挿通される供給口部に、液体取り入れ部材が刺通され、液体取り入れ部材と共に供給口部に対して相対的に移動して、供給流路を開閉する弾性部材からなるシール部材が設けられているので、装置本体側の液体取り入れ部材が抜かれたときに供給口部を確実に封止して液体漏れを防止することができる。
【0040】
また、画像形成装置本体側では、保護部材が内方に押されるときに保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、液収容容器が装着されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部に挿通され、液体収容容器が取り外されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部から抜かれて保護部材内に収納されるので、液体取り入れ口が保護部材で保護された状態で液体取り入れ部材の抜き差しを行うことができて液体漏れを確実に防止できる。
【0041】
次に、本発明の第2実施形態について図6及び図7を参照して説明する。なお、図6は同実施形態におけるインクカートリッジ側と装置本体側の連結部分の断面説明図、図7は装置本体側の中空針の要部説明図である。
ここでは、装置本体側の中空針101の先端部外面に、インクカートリッジ1のシール部材5に刺さるときよりもシール部材5から抜くときの抵抗を大きくする突起部101bを設けている。これにより、中空針101を抜くときにシール部材5が供給流路4の先端部側に嵌まり込んで、より確実にシールすることができる。
【0042】
次に、本発明の第3実施形態について図8を参照して説明する。なお、図8は同実施形態におけるインクカートリッジ側と装置本体側の連結部分の着脱時の動作説明に供する断面説明図である。
ここでは、シール部材5の後端面側に、シール部材5が供給流路4を閉じる方向に付勢する押圧手段である弾性部材10を設けている。これにより、中空針101を抜くときにシール部材5が弾性部材10の付勢力を受けて供給流路4の先端部側に押圧されるので、より確実にシールすることができる。
【0043】
なお、前記各実施形態ではインクカートリッジ側のシール部材5の先端部形状を円錐台形状として、直線的に変化するテーパ面としているが、これに限らす、図9に示すように曲線的に変化するテーパ面(この例では、釣鐘形状)とすることもできるし、あるいは、段階的に先端側に向かって細くなる形状であってもよい。
【0044】
また、前記各実施形態ではインクカートリッジ側のシール部材5の後端面に硬質部材を設けて中空針の貫通を規制しているが、図10に示すように、シール部材5の前側を硬度の低い部分11とし、後端部側を部分的に硬度の高い部分12として形成することもできる。なお、中空針がシール部材を貫通しない構成とすることで、使用後のカートリッジにおいて弾性部材(シール部材)が押圧されることによって残インクが漏れるおそれを防止している。ここが貫通していると、輸送時にインク漏れが発生するおそれがある。
【0045】
次に、本発明の第4実施形態について図11を参照して説明する。なお、図11は同実施形態におけるインクカートリッジ側と装置本体側の連結部分の断面説明図である。
ここでは、インクカートリッジ1の供給口部3の先端面3bと、装置本体側の保護部材102の先端面3dをそれぞれ平坦面として、平坦面同士で密着するようにしたものである。このようにしても、供給口部3の先端面と保護部材102の先端面とが密着した状態で、中空針101が供給口部3のシール部材5に対して抜き差しされるのでインク漏れを防止できる。
【0046】
次に、本発明の第5実施形態について図12ないし図14を参照して説明する。なお、図12は同実施形態におけるインクカートリッジ側と装置本体側の連結部分の断面説明図、図13は図12のA−A線に沿う側断面説明図、図14は図12のB−B線に沿う側断面説明図である。
【0047】
本実施形態では、前記第4実施形態において、供給口部3の内側(内周面)であって、シール部材5の後方側に、シール部材5を保持する(離脱を防止する)突起部3eを設けている。突起部3eの数は、特に制限はないが、画像形成装置本体に対して装着及び着脱するときに、シール部材5がスムーズに移動又は保持できる程度の高さとしている。
【0048】
ここでは、図13にも示すように、液体取り入れ部材(中空針101)中心を挟んで対向する位置にそれぞれ1個設け、全部で4個の突起部3eを設けている。なお、突起部3eは、例えば図15(a)に示すように1個、同図(b)に示すように3等分した位置に合計3個、同図(c)に示すように円周全面に設けることなどもできる。
【0049】
次に、本実施形態のインクカートリッジの装置本体に対する着脱時の動作について図16及び図17を参照して説明する。
まず、インクカートリッジ1を装置本体のカートリッジ装着部に挿入することで、図16(a)に示すように、インクカートリッジ1の供給口部3の先端部の平面(先端面)3dが、装置本体側の保護部材102の先端部の平面(先端面)102dと密着される。この状態では、インクカートリッジ1の供給口部3内部のシール部材5は供給流路4の内壁面に密着したままになっており、供給口部3は内外双方からシールされている。
【0050】
この状態から更にインクカートリッジ1が挿入されると、図16(b)に示すように、中空針101は、インクカートリッジ1内のシール部材5を突き刺し、図16(c)に示すように先端が硬質部材6に当たることで、そのシール部材5を後方に押し込むので、図16(d)に示すように、シール部材5は弾性変形しながら突起部3eを乗り越えて通過して後方に移動し、シール部材5が供給流路4の内壁面から離れて間隙が生じることで、供給流路4が開かれて内部のインクの流路(図17の矢印8)が確保される。これにより、インクカートリッジ1のインク袋2から中空針101の中空針穴101aを通じて装置本体側にインクが供給可能となる。
【0051】
また、インクカートリッジ1を装置本体から取出すときには、上述したと逆の順序で行われる。このとき、中空針101がインクカートリッジ1に対して相対的に後退することで、シール部材5は弾性変形しながら突起部3eを乗り越えて通過して先端部側に移動し、供給流路4の内壁面に再度嵌まり込んでシールし、突起部3eによって後端部側が固定される。
【0052】
一方、装置本体の保護部材102はバネ103による付勢力で供給口部3と接触したままであるので、中空針101が供給口部3から抜けるときにそのまま保護部材102内に収納され、インク漏れが生じない。
【0053】
このように、このインクカートリッジには、画像形成装置本体側から液体取り入れ部材が挿通される供給口部に、液体取り入れ部材が刺通され、液体取り入れ部材と共に供給口部に対して相対的に移動して、供給流路を開閉する弾性部材からなるシール部材が設けられているので、装置本体側の液体取り入れ部材が抜かれたときに供給口部を確実に封止して液体漏れを防止することができる。
【0054】
また、脱着したインクカートリッジは、内部からシール部材5によって供給口部3の供給流路4がシールされ、さらに突起部3bによってシール部材5が固定、保持されているので、インクカートリッジの廃棄輸送時の振動等によってもシール部材5による供給流路4のシールが緩むことがなく、液漏れを生じることはない。
【0055】
また、画像形成装置本体側では、保護部材が内方に押されるときに保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、液収容容器が装着されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部に挿通され、液体収容容器が取り外されるときに、保護部材が付勢手段の付勢力で液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、液体取り入れ部材が供給口部から抜かれて保護部材内に収納されるので、液体取り入れ口が保護部材で保護された状態で液体取り入れ部材の抜き差しを行うことができて液体漏れを確実に防止でき、更にシール部材が突起部にて保持されることでより確実に液体漏れを防止できる。
【0056】
次に、本発明の第6実施形態について図18及び図19を参照して説明する。なお、図18(a)は同実施形態における供給口部の断面説明図、同図(b)は(a)のC−C線に沿う断面説明図、図19(a)は同実施形態における装置本体側の連結部の断面説明図、図19(b)は(a)の側断面説明図である。
【0057】
本実施形態において、供給口部3は、内側に中空針中心を挟んで対向する位置にそれぞれ突起部3eが設けられ、外周面(外側)に中空針中心を挟んで対向する位置にそれぞれ突起部3fが設けられている。これらの突起部3eと突起部3fとはこの例では90°位相をずらした位置で、同じ断面上に設けている。
【0058】
一方、装置本体側では、中空の円筒状のガイド部材104の内周面側に、供給口部3の外周面の突起部3fと係合する突起部104aが対向する位置にそれぞれ設けられている。
【0059】
次に、本実施形態のインクカートリッジの装置本体に対する装着時の動作について図20ないし図22を参照して説明する。なお、図20は連結部分の断面説明図、図21は図20の側面説明図、図22(a)はインク供給可能状態での連結部分の断面説明図、(b)は(a)の側断面説明図である。
【0060】
まず、インクカートリッジ1を装置本体のカートリッジ装着部に挿入することで、図20(a)及び図21(a)に示すように、インクカートリッジ1の供給口部3の先端部の平面(先端面)3dが、装置本体側の保護部材102の先端部の平面(先端面)102dと密着される。この状態では、インクカートリッジ1の供給口部3内部のシール部材5は供給流路4の内壁面に密着したままになっており、供給口部3は内外双方からシールされている。
【0061】
この状態から更にインクカートリッジ1が挿入されると、図20(b)及び図21(b)に示すように、中空針101は、インクカートリッジ1内のシール部材5を突き刺し、また、供給口部3の外側の突起部3fが中空のガイド部材104の内周側に設けられた突起部104aと干渉して、カートリッジ1の供給口部3が楕円形状に押しつぶされ、同時に、内部に設けた突起部3e、3eの距離が広がる(図21(b))。この場合、突起部3eによるシール部材5の保持(ないし係止)が完全に解除されるようにすることもできる。
【0062】
さらに、インクカートリッジ1が挿入されると、図20(c)及び図21(c)に示すように、中空針101の先端が硬質部材6に当たることで、そのシール部材5を後方に押し込む。このとき、供給口部3が楕円形状に変形して突起部3e、3e間の距離が広がっていることで、シール部材5は前記第5実施形態の場合よりもスムーズに突起部2eを通過して後方に移動できる。
【0063】
そして、図22に示すように、シール部材5が供給流路4の内壁面から離れて間隙が生じることで、供給流路4が開かれて内部のインクの流路(図22(a)の矢印8)が確保される。これにより、インクカートリッジ1のインク袋2から中空針101の中空針穴101aを通じて装置本体側にインクが供給可能となる。
【0064】
次に、本実施形態のインクカートリッジの装置本体からの取り出し時の動作について図23及び図24を参照して説明する。なお、図23は連結部分の断面説明図、図24は図23の側断面説明図である。
インクカートリッジ1を装置本体から取出すときには、上述したと逆の順序で行われる。つまり、図23(a)及び図24(a)に示す状態で、中空針101がインクカートリッジ1に対して相対的に後退することによって、図23(b)及び図24(b)に示すように、供給口部3の外側の突起部3fが中空のガイド部材104の内周側に設けられた突起部104aと干渉して、カートリッジ1の供給口部3が楕円形状に押しつぶされ、同時に、内部に設けた突起部3e、3eの距離が広がる。
【0065】
一方、図23(c)及び図24(c)に示すように、装置本体の保護部材102がバネ103による付勢力で供給口部3と接触したまま、中空針101が供給口部3から抜けてそのまま保護部材102内に収納され、シール部材5は供給流路4を閉じる。それとともに、楕円形状に潰されていた供給口部3が元の形状に戻り、突起部3e、3eによってシール部材5が保持される。
【0066】
本発明の第7実施形態について図25を参照して説明する。なお、図25は同実施形態におけるインクカートリッジ側と装置本体側の連結部分の断面説明図である。
本実施形態では、供給口部3の先端部に凹部3gを形成し、供給口部3の先端部外周面を先端部側に向かって細くなる形状に形成して円筒状フランジ部3hを設け、この円筒状フランジ部3hの外周に突起部3fを設けている。この供給口部3は、突起部3f、3fが近づく方向にフランジ部3hが変形されることで、供給口部3の壁3iを形成する部分を支点に、内部の突起3e、3eの距離が広がる方向に供給口部3が変形する。
【0067】
一方、装置本体側の中空の円筒状のガイド部材104の内周面側に、供給口部3の外周面の突起部3fと係合する突起部104aが対向する位置にそれぞれ設けられている。この突起部104aは、突起部3fを中心側に移動させる内側に向かって傾斜する傾斜部104a1と、傾斜部104a1から後方に向かう水平部104a2と、水平部104a2から外側に向かって傾斜する傾斜部104a3とを有している。
【0068】
これによって、図25(a)に示すようにインクカートリッジ1の供給口部3が装置本体側のガイド部材104内に挿入されることで、供給部3の突起部3fがガイド部材104の突起部104aと係合(干渉)して内側に変形され、供給口部3の後部側は内側の突起部3e、3eの距離が広がるように変形し、突起部3e、3eによるシール部材5の保持が解除される。
【0069】
この状態から、インクカートリッジ1が更に挿入されることで、図25(b)に示すように、前記各実施形態で説明したと同様に、中空針101によってシール部材5が後方に移動されて供給流路4が開放される。この場合も、突起部2e、2eの距離が広がっているのでシール部材5はスムーズに突起部2eを通過して後方に移動する。さらに、インクカートリッジ1が挿入されることで、図25(c)に示すように、突起部3fが突起部104aの水平部104a2を越えるので、供給口部3は変形のない状態に戻り、この状態でインク供給を行なう。
【0070】
次に、本発明に係る液体収容容器を使用する本発明に係る画像形成装置の一例について図26ないし図28を参照して説明する。なお、図26は同画像形成装置の外観斜視説明図、図27は同画像形成装置の機構部の概要を示す側面説明図、図28は同じく要部平面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、装置本体201と、装置本体201に装着したまま所定の用紙補給位置まで引出し可能な給紙カセット202と、給紙カセット202の蓋部材を兼ね、装置本体201に揺動可能に装着されて給紙カセット202の上方を開閉可能な排紙トレイ203とを備えている。給紙カセット202は装置本体1内に給紙する用紙がストックされ、排紙トレイ203には画像が記録(形成)された用紙がストックされる。さらに、装置本体201の前面の一端部側には、本発明に係る液体収容容器であるインクカートリッジを装填するためのカートリッジ装填部204を有し、このカートリッジ装填部204の上面は操作ボタンや表示器などを設ける操作/表示部205としている。このカートリッジ装填部204に、前述した実施形態の装置本体側の構成を適用している。
【0071】
そして、装置本体201内では、左右の側板201A、201Bに横架したガイド部材である主従のガイドロッド231、232でキャリッジ233を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
【0072】
このキャリッジ233には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するための本発明に係る液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド234a、234b(区別しないときは「記録ヘッド234」という。)を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0073】
記録ヘッド234は、それぞれ2つのノズル列を有し、記録ヘッド234aの一方のノズル列はブラック(K)の液滴を、他方のノズル列はシアン(C)の液滴を、記録ヘッド234bの一方のノズル列はマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列はイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
【0074】
また、キャリッジ233には、記録ヘッド234のノズル列に対応して各色のインクを供給するためのヘッドタンク235a、235b(区別しないときは「ヘッドタンク235」という。)を搭載している。このサブタンク235には各色の供給チューブ236を介して、本発明に係る各色の液体収容容器であるインクカートリッジ210(第1実施形態で図示)から各色のインクが補充供給される。
【0075】
一方、給紙カセット202の用紙積載部(圧板)241上に積載した用紙242を給紙するための給紙部として、用紙積載部241から用紙242を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)243及び給紙コロ243に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド244を備え、この分離パッド244は給紙コロ243側に付勢されている。
【0076】
そして、この給紙部から給紙された用紙242を記録ヘッド234の下方側に送り込むために、用紙242を案内するガイド部材245と、カウンタローラ246と、搬送ガイド部材247と、先端加圧コロ249を有する押さえ部材248とを備えるとともに、給送された用紙242を静電吸着して記録ヘッド234に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト251を備えている。
【0077】
この搬送ベルト251は、無端状ベルトであり、搬送ローラ252とテンションローラ253との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト251の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ256を備えている。この帯電ローラ256は、搬送ベルト251の表層に接触し、搬送ベルト251の回動に従動して回転するように配置されている。この搬送ベルト251は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ252が回転駆動されることによってベルト搬送方向に周回移動する。
【0078】
さらに、記録ヘッド234で記録された用紙242を排紙するための排紙部として、搬送ベルト251から用紙242を分離するための分離爪261と、排紙ローラ262及び排紙コロ263とを備え、排紙ローラ262の下方に排紙トレイ203を備えている。
【0079】
また、装置本体201の背面部には両面ユニット271が着脱自在に装着されている。この両面ユニット271は搬送ベルト251の逆方向回転で戻される用紙242を取り込んで反転させて再度カウンタローラ246と搬送ベルト251との間に給紙する。また、この両面ユニット271の上面は手差しトレイ272としている。
【0080】
さらに、キャリッジ233の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド234のノズルの状態を維持し、回復するための維持回復機構281を配置している。この維持回復機構281には、記録ヘッド234の各ノズル面をキャピングするためのキャップ282a、282b(区別しないときは「キャップ282」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード283と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け284などを備えている。
【0081】
また、キャリッジ233の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける液体回収容器であるインク回収ユニット(空吐出受け)288を配置し、このインク回収ユニット288には記録ヘッド234のノズル列方向に沿った開口部289などを備えている。
【0082】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙カセット202から用紙242が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙242はガイド245で案内され、搬送ベルト251とカウンタローラ246との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド237で案内されて先端加圧コロ249で搬送ベルト251に押し付けられ、略90°搬送方向を転換され、帯電した搬送ベルト251上に吸着され、搬送ベルト251の周回移動によって用紙242が副走査方向に搬送される。
【0083】
そこで、キャリッジ233を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド234を駆動することにより、停止している用紙242にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙242を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙242の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙242を排紙トレイ203に排紙する。
【0084】
この画像形成装置は、本発明に係る液体収容容器を着脱自在に装着しているので、液体収容容器の着脱時にインク漏れを低減ないし防止することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 インクカートリッジ
2 インク袋
3 供給口部
3e 供給口部の内側の突起部
3f 供給口部の外側の突起部
4 供給流路
5 シール部材
6 硬質部材
20 カートリッジケース
101 中空針
102 保護部材
104 ガイド部材
201 装置本体
202 給紙カセット
203 排紙トレイ
204 カートリッジ装填部
210 インクカートリッジ
233 キャリッジ
234 記録ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成用液体を収容して、画像形成装置本体に着脱自在に装着される液体収容器であって、
前記画像形成用液体を収容する収容部と、
前記収容部に取付けられて、前記画像形成装置本体側から液体取り入れ部材が挿通される供給口部と、を有し、
前記供給口部には、前記液体取り入れ部材が刺通され、前記液体取り入れ部材と共に前記供給口部に対して相対的に移動して、供給流路を開閉する弾性部材からなるシール部材が設けられている
ことを特徴とする液体収容容器。
【請求項2】
前記供給口部の供給流路は先端部側に向かって狭くなるテーパ面を有し、前記シール部材は前記供給流路のテーパ面に対応するテーパ面を有していることを特徴とする請求項1に記載の液体収容容器。
【請求項3】
前記シール部材の後端側には前記液体取り入れ部材が貫通しない部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体収容容器。
【請求項4】
前記シール部材を前記供給口部先端部側方向に押圧する押圧手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項5】
前記供給口部の内側には前記シール部材を保持する突起部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体収容容器。
【請求項6】
前記供給口部の内側の突起部は、前記液体取り入れ部材中心を挟んで対向する位置にそれぞれ少なくとも1個設けられ、
前記供給口部が対向する前記内側の突起部同士が互いに遠ざかるように変形したときに、互いに近づくように、前記供給口部の外側に前記液体取り入れ部材中心を挟んで対向する位置にそれぞれ少なくとも1個の突起部が設けられ、
画像形成装置本体に装着するときに、前記供給口部の外側の突起部が画像形成装置本体と干渉することによって前記供給口部が押圧されて、前記供給口部の外側の突起部が互いに近づくように前記供給口部が変形するのに伴い、前記供給口部の内側の対向する突起部が互いに遠ざかる
ことを特徴とする請求項5に記載の液体収容容器。
【請求項7】
前記供給口部は円筒形状であり、前記内側の突起部と外側の突起部は同一断面上に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液体収容容器。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれかに記載の液体収容容器が着脱自在に装着される画像形成装置であって、
前記液体取り入れ部材の先端部には前記液体を取り入れる液体取入れ口の周囲を覆う保護部材が移動可能に設けられ、
前記保護部材が内方に押されるときに前記保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、
前記液収容容器が装着されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部に挿通され、
前記液体収容容器が取り外されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部から抜かれて前記保護部材内に収納される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
前記液体取り入れ部材には、前記液体収容容器のシール部材から抜き取られるときに前記シール部材に挿入されるときよりも大きな抵抗を生じる突起部が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
請求項5ないし7のいずれかに記載の液体収容容器が着脱自在に装着される画像形成装置であって、
前記液体取り入れ部材の先端部には前記液体を取り入れる液体取入れ口の周囲を覆う保護部材が移動可能に設けられ、
前記保護部材が内方に押されるときに前記保護部材を前方に付勢する付勢手段を有し、
前記液収容容器が装着されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部に挿通され、前記供給口部の供給流路を閉じていた前記シール部材が、前記シール部材を保持していた前記突起部を通過して前記供給流路を開放する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
前記液体収容容器が取り外されるときに、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部から抜かれることによって、前記液体取り入れ部材が挿通していた前記シール部材が前記供給口部に設けられた突起部よりも画像形成装置本体側に移動して前記供給口部に密着し、前記供給流路を閉じた後、前記保護部材が前記付勢手段の付勢力で前記液体収容容器の前記供給口部の先端部に密着した状態で、前記液体取り入れ部材が前記供給口部から抜かれて前記保護部材内に収納される
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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