説明

液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置

【課題】流路から収容室へ液体を適切に供給する。
【解決手段】基板面に、第1面よりも第2面が低くなるように段差を形成するステップと、段差が形成された基板面の第1面及び第2面上に、露光されると溶解するポジ型レジストを形成するステップと、第2面から、第1面上の溶解後のポジ型レジストの上面までの距離が、第2面から、当該第2面上の溶解後のポジ型レジストの上面までの距離と同じになるように、ポジ型レジストに露光するステップと、露光後に現像することで、ポジ型レジストを固体層に形成するステップと、固体層を被覆する被覆層を形成するステップと、被覆層の形成後に固体層を除去することで、吐出口から吐出される液体を収容する収容室を第1面と被覆層の間に形成するとともに、収容室へ液体が流れる流路を第2面と被覆層の間に形成するステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体等に液体を吐出する液体吐出ヘッドが知られている。この液体吐出ヘッドは、ノズルプレートに形成された吐出口と、吐出口から吐出される液体を収容する収容室と、収容室に設けられ吐出口からインクを吐出させるエネルギー発生素子と、収容室へ液体が流れる流路とを備える。そして、収容室内の液体が吐出口から吐出されると、流路から収容室へ液体が供給される(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、収容室に収容された液体を吐出口から安定して吐出させるためには、流路から収容室に供給される液体の量を多くすることが必要である。この解決方策として、収容室及び流路の断面積を大きくする(流路の高さを大きくする)ことが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許4325693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、収容室及び流路の高さを大きくした場合には、他に不都合が生じる。例えば、収容室を高くすると、エネルギー発生素子と吐出口の間の距離が大きくなり、液体の吐出制御の精度が低下する問題がある。一方で、収容室を高くせずに流路のみを高くすると、収容室及び流路を覆うノズルプレートの形状が凹状になってしまい、吐出口のクリーニングが不適切に行われる恐れがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、流路から収容室へ液体を適切に供給することが可能な新規かつ改良された液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板面に、第1面よりも第2面が低くなるように段差を形成するステップと、前記段差が形成された前記基板面の前記第1面及び前記第2面上に、露光されると溶解するポジ型レジストを形成するステップと、前記第2面から、前記第1面上の溶解後の前記ポジ型レジストの上面までの距離が、前記第2面から、当該第2面上の溶解後の前記ポジ型レジストの上面までの距離と同じになるように、前記ポジ型レジストに露光するステップと、露光後に現像することで、前記ポジ型レジストを固体層に形成するステップと、前記固体層を被覆する被覆層を形成するステップと、前記被覆層の形成後に前記固体層を除去することで、吐出口から吐出される液体を収容する収容室を前記第1面と前記被覆層の間に形成するとともに、前記収容室へ液体が流れる流路を前記第2面と前記被覆層の間に形成するステップと、を有する液体吐出ヘッドの製造方法が提供される。
【0008】
また、前記第1面上の前記ポジ型レジストと、前記第1面と前記第2面の間の段差部上の前記ポジ型レジストのみに露光することとしても良い。
【0009】
また、前記第1面上の前記ポジ型レジストに対する露光エネルギーが、前記第1面側から前記前記第2面側に向かうに従って、小さくなることとしても良い。
【0010】
また、光の透過率が異なる部分が形成されたマスクを介して前記ポジ型レジストに露光することとしても良い。
【0011】
また、前記収容室上の前記被覆層の厚みが、前記流路上の前記被覆層の厚みと同じ大きさになるように、前記被覆層を形成することとしても良い。
【0012】
また、回転中の前記基板面の前記第1面及び前記第2面上に、前記ポジ型レジストを塗布して一様な厚みで形成することとしても良い。
【0013】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1面よりも第2面が低くなるように段差が形成された基板面と、液体を吐出する吐出口が形成され、前記基板面に空隙を介して対向する被膜層と、前記第1面と前記被膜層の間に形成され、前記吐出口から吐出される液体を収容する収容室と、前記第2面と前記被膜層の間に形成され、前記収容室へ液体が流れる流路と、を備え、前記収容室上の前記被覆層の厚みが、前記流路上の前記被覆層の厚みと同じ大きさである、液体吐出ヘッドが提供される。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、第1面よりも第2面が低くなるように段差が形成された基板面と、液体を吐出する吐出口が形成され、前記基板面に空隙を介して対向する被膜層と、前記第1面と前記被膜層の間に形成され、前記吐出口から吐出される液体を収容する収容室と、前記第2面と前記被膜層の間に形成され、前記収容室へ液体が流れる流路と、を備え、前記収容室上の前記被覆層の厚みが、前記流路上の前記被覆層の厚みと同じ大きさである液体吐出ヘッドを具備する液体吐出装置が提供される。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、流路から収容室へ液体を適切に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施形態のラインヘッド10を示す平面図である。
【図2】本実施形態のヘッドモジュール20におけるヘッドチップ30を示す一部断面斜視図である。
【図3】ヘッドチップ30をノズル側から見た平面図である。
【図4】ヘッドチップ30の断面図である。
【図5】図3のA−A断面図である。
【図6】基板面80に段差86を形成したことにより、インク流路74の断面積が大きくなったことを示す模式図である。
【図7】ヘッドチップ30の製造工程を示す模式図である。
【図8A】ポジ型フォトレジストの溶解特性を示すグラフである。
【図8B】光の照射によりポジ型フォトレジストの膜厚が溶解されたことを示す模式図である。
【図9】通常のパターン用のマスクを示す平面図である。
【図10】ポジ型フォトレジストの高さ調整マスクの一例を示す平面図である。
【図11】高さ調整マスク94を使用した場合の溶解後のポジ型フォトレジストを示す模式図である。
【図12】段階的に露光エネルギーを調整した場合の、溶解後のポジ型フォトレジストを示す模式図である。
【図13】複数の高さ調整マスクを併用して、段階的に露光エネルギーを調整する方法を説明するための図である。
【図14】ドット方式による透過率制御パターンを説明するための模式図である。
【図15】透過率が異なる複数の領域を有する高さ調整マスクを示す図である。
【図16】図15に示す高さ調整マスクと通常マスクを一体化した一体化マスクを示す図である。
【図17】ハーフトーンマスクを説明するための断面図である。
【図18】ハーフトーンマスクの一例を示す断面図である。
【図19】ハーフトーンマスクの一例を示す断面図である。
【図20】比較例1に係るヘッドチップを示す断面図である。
【図21】比較例2に係るヘッドチップを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0018】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.液体吐出ヘッドの構成
2.ヘッドチップの詳細構成
3.インク流路の断面積と、インク液室へのインク供給量との関係
4.ヘッドチップの製造方法
5.高さ調整マスクについて
6.本実施形態に係るヘッドチップの有効性
7.その他の実施形態
【0019】
<1.液体吐出ヘッドの構成>
以下の実施形態では、液体吐出装置として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色のインク(液体)を吐出するカラーインクジェットプリンタを例に挙げて説明する。そして、液体吐出ヘッドは、このカラーインクジェットプリンタに用いるラインヘッド10である。
【0020】
次に、ラインヘッド10の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態のラインヘッド10を示す平面図であり、インクの吐出面側から見た図である。
【0021】
図1に示すように、ラインヘッド10は、ヘッドフレーム12に複数のヘッドモジュール20をネジ16によって固定したものである。すなわち、各ヘッドモジュール20は、ヘッドフレーム12のヘッドモジュール配置孔14内で、長手方向に2個直列に配置されてヘッドモジュール列22を構成しており、各ヘッドモジュール列22によってA4の記録用紙の横幅の長さをカバーする。そして、このヘッドモジュール列22が4段(4列並列)に配置され、各列ごとに、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色のインクを吐出する。
【0022】
ここで、各ヘッドモジュール20は、4個のヘッドチップ30を一方向に配列したヘッドチップ列32を2列備えている。そして、各ヘッドチップ列32中の各ヘッドチップ30は、可撓性を有するフレキシブル配線基板40の裏面側(インクの吐出面とは反対側)に、千鳥状に8個配置されており、フレキシブル配線基板40と電気的に接続されている。なお、このフレキシブル配線基板40には、各ヘッドチップ30から吐出されるインクを通過させるための開口部42が形成されている。
【0023】
また、各ヘッドモジュール20は、フレキシブル配線基板40の裏面側に、バッファタンク50を備えている。このバッファタンク50は、各ヘッドチップ30から吐出するインクの共通流路を形成するためのものであり、各ヘッドチップ30の上部を覆うようにして、フレキシブル配線基板40と接合されている。そのため、1つのヘッドモジュール20中の各ヘッドチップ30は、バッファタンク50内の1色のインクを吐出する。
【0024】
<2.ヘッドチップ30の詳細構成>
ヘッドチップ30の詳細構成について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、本実施形態のヘッドモジュール20におけるヘッドチップ30を示す一部断面斜視図である。図3は、ヘッドチップ30をインク吐出面側から見た平面図である。図4は、ヘッドチップ30の断面図である。図5は、図3のA−A断面図である。
【0025】
ヘッドチップ30は、半導体基板60と、発熱抵抗体62と、電極64と、駆動素子66と、ノズル形成層68と、ノズル70と、収容室の一例であるインク液室72と、流路の一例であるインク流路74を有する。
【0026】
半導体基板60は、Si(シリコン)、ガラス、セラミックス等からなる基板である。この半導体基板60は、第1面82と第2面84の間に段差86が形成された基板面80を有する。第1面82及び第2面84は、平面であり、図5に示すように、第1面82は第2面84よりも突出している。なお、半導体基板60に貫通穴等は設けておらず、ヘッドチップ30の剛性は、半導体基板60によって維持されている。
【0027】
発熱抵抗体62は、図5に示すように半導体基板60の第1面82上に形成されている。この発熱抵抗体62は、インクを吐出させるためのエネルギー発生素子である。具体的には、発熱抵抗体62が駆動することによって、インク液室72のインクを加熱させて気泡を発生させる。そして、この気泡発生時のエネルギーによって、インクが吐出される。発熱抵抗体62は、例えばTa(タンタル)を用いて形成できる。なお、本実施形態において、発熱抵抗体62は、一対の抵抗体である。そして、一対の抵抗体の気泡発生時間を制御することで、インクの吐出方向を制御することができる。
【0028】
電極64は、外部から供給される電源や信号を受け取るためのものである。この電極64は、図2に示すように、半導体基板60の発熱抵抗体62が形成された面と同一面側で、発熱抵抗体62を形成した縁部と反対側の縁部に、形成されている。なお、前述したフレキシブル配線基板40は、千鳥状に配列された8個のヘッドチップ30の各電極64と接続される。
【0029】
駆動素子66は、発熱抵抗体62を駆動させるためのものである。この駆動素子66は、例えばN型のMOSトランジスタにより形成される。駆動素子66は、図2に示すように発熱抵抗体62と電極64の間に位置する。
【0030】
ノズル形成層68は、基板面80に対向する。このノズル形成層68は、いわゆる光硬化型のネガ型フォトレジストを露光現像することで、形成される。ノズル形成層68の厚みは、一定である。
【0031】
ノズル70は、ノズルプレートであるノズル形成層68に形成され、インクを吐出する吐出口である。すなわち、駆動素子66によって発熱抵抗体62を駆動することで、インクがノズル70から吐出される。ノズル70は、発熱抵抗体62に対向する位置に形成されている。
【0032】
インク液室72は、ノズル70から吐出されるインクを収容する。インク液室72は、半導体基板60上に形成されている。すなわち、半導体基板60の発熱抵抗体62が形成された第1面82がインク液室72の底壁を構成し、ノズル形成層68の発熱抵抗体62を略凹状に囲む部分がインク液室72の側壁を構成し、ノズル形成層68のノズル70が形成された面がインク液室72の天壁を構成している。このように、インク液室72は、第1面82とノズル形成層68の間に形成されている。
【0033】
インク流路74は、インク液室72へ供給されるインクが流れる。インク流路74は、半導体基板60上に形成されている。すなわち、半導体基板60の第2面84がインク流路74の底壁を構成し、ノズル形成層68がインク流路74の側壁及び天壁を構成している。このように、インク流路74は、第2面84とノズル形成層68の間に形成されている。
【0034】
また、上述したように基板面80には段差86が形成されており、インク液室72に対応する第1面82よりもインク流路74に対応する第2面84が低くなっている。このため、図5に示すように、インク流路74における第2面84とノズル形成層68の間の距離H2は、インク液室72における第1面82とノズル形成層69の間の距離H1よりも大きい。この結果、インク流路74の断面積が、インク液室72の断面積よりも大きくなる。
【0035】
なお、インク液室72及びインク流路74は、いわゆるポジ型フォトレジストを露光現像することで、形成される。上述した構成を有するヘッドチップ30の製造方法については、後述する。
【0036】
このようなヘッドチップ30において、各発熱抵抗体62及び各ノズル70の配列ピッチは、約42.3μmであり、600dpiの解像度となっている。そして、図1に示すように、このヘッドチップ30を千鳥状に8個配置してヘッドモジュール20を構成するとともに、2つのヘッドモジュール20の端部を重ねて直列に配置することにより、A4の記録用紙の横幅全体で600dpiの解像度を保持する。
【0037】
<3.インク流路74の断面積と、インク液室72へのインク供給量との関係>
上述したカラーインクジェットプリンタにおいて高速で印刷する場合には、ノズル70からのインクの吐出量が増える。特に、ラインヘッド10を使用した場合には、ヘッドを動かす必要がない分だけ短時間で印刷がなされるので、ノズル70からのインクの吐出量が多くなる。
【0038】
このように高速で印刷する場合には、インク液室72内に収容されたインクが直ぐに枯渇する恐れがある。このため、インク流路74を介してインク液室72にインクを十分に供給する必要がある。
【0039】
そして、インク液室72に十分に供給する方法として、インク流路74を流れるインクの流速を速くする方式と、インク流路74内のインクの流量を増やす方式がある。インクの流路74を流れるインクの流速を速くする方式では、インク流路74の管路内での流路抵抗により、実際のインクの流速を大きくするには限界がある。特に、ラインヘッド10の場合には、インク流路74の長さ(図4に示すインク流路74の長さL)が大きくなりやすいので、インクの流速を大きくすることは困難である。
【0040】
一方で、インクの流路を増やす方式は、インク流路74の断面積を大きくことが必要であり、空間を確保すれば良い。そこで、本実施形態では、基板面80に段差86を設けて第2面84を低くすることで、インク流路74の断面積を大きくしている。
【0041】
図6は、基板面80に段差86を形成したことにより、インク流路74の断面積が大きくなったことを示す模式図である。図6に示すように、第2面84が低くなった分(△H)、インク流路74の断面積が増加する。
【0042】
なお、インク流路74の断面積を大きくするのに、基板面80に段差を設けず、ノズル形成層68の厚みを薄くすることも考えられる。しかし、かかる場合には、発熱抵抗体62(一対の抵抗体)によるインクの吐出方向の制御幅が小さくなるという問題が発生してしまう。以下、この理由を説明する。インクの吐出方向を制御する上で、発熱抵抗体62からノズル70までの距離によって、吐出制御の幅が大きく変わることが知られている。そして、ノズル形成層68の厚みを薄くすると、発熱抵抗体62からノズル70までの距離が大きくなってしまい、インクの吐出方法の制御幅が小さくなってしまう。このため、本実施形態では、インク液室72の断面積は大きくしていない。
【0043】
<4.ヘッドチップ30の製造方法>
上述した基板面80に段差86が形成されたヘッドチップ30の製造方法について、図7を参照して説明する。図7は、ヘッドチップ30の製造工程を示す模式図である。以下では、図7に示すヘッドチップ30の製造工程毎に、説明する。
【0044】
(工程1:基板面の段差形成)
まず、基板面80が形成された半導体基板60を準備する。そして、基板面80に段差86を形成する。具体的には、既存のシリコン基板上に成膜した膜を取り除くことによって段差86が形成される。本実施例では、約3.0μmの段差を形成している。この段差86により、基板面80にインク液室72に対応する第1面82とインク流路74に対応する第2面84が形成される。なお、インク液室72のインクの供給量を更に多くするために、シリコン基板の基板層まで除去して、段差を形成しても良い。
【0045】
次に、半導体基板の第1面82に、Ta(タンタル)を用いて発熱抵抗体62を形成する。また、半導体基板60の発熱抵抗体62が形成された面と同一面側で、発熱抵抗体62を形成した縁部と反対側の縁部に、外部から供給される電源や信号を受け取るための電極64を形成する。さらにまた、発熱抵抗体62と電極64との間に、発熱抵抗体62の駆動素子66(N型のMOSトランジスタ)を形成する。
【0046】
(工程2:ポジ型フォトレジストの形成)
段差86が形成された基板面80の第1面82及び第2面84上に、固体層なるポジ型フォトレジスト90を一様な厚さで形成する。
【0047】
具体的には、3μmの段差86が形成された基板に対して、インク液室72及びインク流路74を形成するためのポジ型フォトレジスト(東京応化工業(株)製のPMER−LA300等)をスピンコートで塗布する。なお、ポジ型フォトレジストの膜厚が段差無しの状態で13μmになるように、回転中の半導体基板にポジ型フォトレジストを塗布する。ここで、塗布されたポジ型フォトレジストは、半導体基板の回転に伴い発生する遠心力の作用を受けて、段差86が形成された基板面80上に一様な厚さで形成される。そして、ポジ型フォトレジスト90を一様な厚さで形成しているため、図6に示されるように段差86上のポジ型フォトレジスト90は、斜めに傾斜している傾斜部90aを有する。
【0048】
(工程3:ポジ型フォトレジストへの露光)
基板面80上のポジ型フォトレジスト90に露光する。ここで、ポジ型フォトレジスト90は、光の照射に伴い溶解する特性を有するので、露光されることで溶解される。そして、本実施形態では、第2面82から第1面82上のポジ型フォトレジスト90の上面までの距離が、第2面84から第2面84上のポジ型フォトレジスト90の上面までの距離と同じになるように、ポジ型フォトレジスト90に所定の露光パターンで露光する。
【0049】
ここで、ポジ型フォトレジスト90の溶解特性について、図8A及び図8Bを用いて説明する。図8Aは、ポジ型フォトレジストの溶解特性を示すグラフである。図8Bは、光の照射によりポジ型フォトレジストの膜厚が溶解されたことを示す模式図である。なお、図8Aの横軸は露光量を示し、縦軸が溶解膜厚を示す。露光量の単位は露光時間であり、本実施例では1000msecで0.5J/cmのエネルギーになるように、マスクアライナーによる露光量が調整されている。
【0050】
図8Aのグラフに示されているように、露光時間が大きくなるに従って、ポジ型フォトレジスト90の溶解膜厚は大きくなる。ここで、溶解膜厚は、図8Bに示した初期膜厚に対して、光を照射し現像後の状態の膜厚を測定し、初期膜厚から残膜を差し引いた値である。図8Aのグラフによれば、膜厚を3μm溶解させたい場合は、70msec照射すればよいことが分かる。
【0051】
そこで、本実施例では、70msecだけポジ型フォトレジスト90に露光する。具体的には、第1面82及び段差86上のポジ型フォトレジスト90のみに露光する。これにより、第2面84上のポジ型フォトレジスト90の厚みは、13μmを維持する一方で、第1面82上のポジ型フォトレジスト90の厚みは、10μmになる。この結果、第1面82上のポジ型フォトレジスト90の上面の位置と、第2面84上のポジ型フォトレジスト90の上面の位置が同じ位置となる。つまり、露光前のポジ型フォトレジスト90が傾斜部90aが無くなる。なお、ポジ型フォトレジスト90に露光する際には、透過部と遮光部を有する高さ調整マスクを使用する。この高さ調整マスクの詳細については、後述する。
【0052】
(工程4:現像)
高さが調整されたポジ型フォトレジスト90に、TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイト)水酸化アンモニウムの濃度3%の水溶液にて、現像を行う。
【0053】
現像後に、高さ調整マスクとは異なる図9に示す通常パターン用のマスク93にて、再度露光を行う。本実施例では、マスクアライナーで2400msec露光を行うことで、ポジ型フォトレジスト90の端部90bが溶解される。これにより、インク液室72及びインク流路74に対応した固体層92が、段差86が形成された基板面80上に形成される。なお、図9は、通常パターン用のマスクを示す平面図であり、図3に示すヘッドチップ30の形状に対応している。
【0054】
(工程5:ノズル形成層の形成)
固定層82及び半導体基板60上に、ノズル形成層68を積層する。このため、ノズル形成層68は、固定層82を被覆する。具体的には、ノズル形成層68の膜厚が10μmになるように回転数を調整して、スピンコートによって駆動素子66を含む領域に光硬化型のネガ型フォトレジストを塗布する。そして、マスクアライナーで露光した後、現像液(東京応化工業(株)製OK73シンナー)で現像し、リンス液(IPA)でリンスを行ってノズル形成層68を積層する。さらに、発熱抵抗体62と対向するように、ノズル形成層68にノズル70(直径15μm)を形成する。
【0055】
このように積層されたノズル形成層68の厚みは、一定である。つまり、インク室72上のノズル形成層68の厚みは、インク流路74上のノズル形成層68の厚みと同じ大きさである。このため、ノズル形成層68が、強い剛性を有することとなる。
【0056】
(工程6:固定層の除去)
インク液室72及びインク流路74に対応する固体層92に対して溶解性を有する有機溶剤(PGMEA)に浸漬し、超音波振動を加えながら固体層92を完全に溶解・溶出させる。そして、洗浄を行ってインク液室72及びインク流路72を形成する。このように、ノズル形成層68の形成後に固体層92を除去して、インク室72及びインク流路74を形成する。
【0057】
その後、電極64に金バンプを付け、半導体基板60を所望の大きさにカットしてヘッドチップ30が完成する。
【0058】
<5.高さ調整マスクについて>
本実施形態では、高さ調整マスクを用いて露光することで、第1面82及び第2面84上のポジ型フォトレジスト90の高さが調整される。以下においては、高さ調整マスクについて説明する。
【0059】
図10は、ポジ型フォトレジストの高さ調整マスクの一例を示す平面図である。図10に示す高さ調整マスク94は、光を遮光する遮光部Sと、光を通過させる透過部Eを有する。つまり、高さ調整マスク94は、光の透過率が異なる部分が形成されたマスクである。この高さ調整マスク94において光を照射した場合には、透過部Eのみを光が通過する。
【0060】
高さ調整マスク94を使用してポジ型フォトレジスト90の高さを調整する場合には、遮光部Sを第1面82上のポジ型フォトレジスト90上に位置させ、透過部Eを第2面84上のポジ型フォトレジスト90上に位置させる(図11参照)。かかる状態で光を露光した場合には、透過部Eのみを光が通過するので、第2面84上のポジ型フォトレジスト90の膜厚が溶解する。
【0061】
ここで、透過部Eを通過する光により第2面84上のポジ型フォトレジスト90が均一に溶解されるので、溶解後のポジ型フォトレジスト90は、図11に示すような状態となる。図11は、高さ調整マスク94を使用した場合の溶解後のポジ型フォトレジストを示す模式図である。図11に示す状態では、段差86上のポジ型フォトレジスト90に傾斜及び段差が生じてしまっている。かかる場合には、製造後のヘッドチップ30のインク液室72とインク流路74の繋ぎ目の部分が、狭くなってしまう恐れがある。
【0062】
上記の問題を改善すべく、図12に示すように、ポジ型フォトレジスト90の傾斜部90aに対して、ポジ型フォトレジスト90に対して段階的に調整された露光エネルギーで露光させる。具体的には、第1面82上のポジ型フォトレジスト90に対する露光エネルギーが、第1面82から第2面84に向かう方向に従って小さくなるように、調整される。これにより、きめ細かい高さ調整を行うことが可能となる。なお、図12は、段階的に露光エネルギーを調整した場合の、溶解後のポジ型フォトレジスト90を示す模式図である。
【0063】
なお、図12では、露光エネルギーを4段階に調整しているが、これに限定されない。よりきめ細かい高さ調整を実現する場合には、例えば10段階に調整しても良い。
【0064】
露光エネルギーを段階的に調整する第1の方法として、複数の高さ調整マスクを使用する場合について説明する。図13は、複数の高さ調整マスクを併用して、段階的に露光エネルギーを調整する方法を説明するための図である。
【0065】
図13に示す4枚の高さ調整マスク95a〜95dは、それぞれ透過部Eの位置が異なる。もちろん、透過部Eは、ポジ型フォトレジスト90の傾斜部90aに対応する位置に形成されている。高さ調整マスク95a〜95d毎に露光時間を調整することで、段階的に露光エネルギーを調整できる。ここで、高さ調整マスク95aによる露光時間をT1とし、高さ調整マスク95bによる露光時間をT2とし、高さ調整マスク95cによる露光時間をT3とし、高さ調整マスク95dによる露光時間をT4とする。かかる場合に、T1<T2<T3<T4の関係にすることにより、ポジ型フォトレジスト90の傾斜部90aに対する露光エネルギーを調整できる。
【0066】
露光エネルギーを段階的に調整する第2の方法として、透過率が異なる複数の領域を有するグラデーションマスクを使用する場合について説明する。
【0067】
まず、ドット方式による透過率制御パターンについて、図14を参照して説明する。図14は、ドット方式による透過率制御パターンを説明するための模式図である。図14には、遮光部と透過部の配列が異なる透過率0%〜100%の透過パターンが、示されている。ここで、高さ調整マスクは、母材としてガラスや石英が使われ、遮光膜としてクロムなどの金属膜が使われる。このため、透過率0%の遮光部は、クロムなどの遮光膜がある部分であり、透過率100%の透過部は、遮光膜が無い母材の部分である。
【0068】
図14を見れば分かるように、50個のマスから構成される基本図形の中に存在する遮光部のマスの数が多いほど透過率が低くなり、透過部のマスの数が多いほど透過率が高くなる。例えば、基本図形の中に透過部を5個配置することにより、10%の透過率となる。なお、図14では、四角形の基本図形を用いたが、これに限定されず、例えば長方形やスリット状の形状でも良い。
【0069】
次に、上述した透過率制御パターンを適用した高さ調整マスクについて、図15を参照して説明する。図15は、透過率が異なる複数の領域を有する高さ調整マスクを示す図である。
【0070】
図15に示す高さ調整マスク96は、透過率が異なる複数の領域から構成されたグラデーション部97を有するグラデーションマスクである。グラデーション部97は、透過率が小さくなっている(80%、60%、・・・)。このように、高さ調整マスク96が1枚のマスクの中に複数の透過率の領域を有するため、高さ調整マスク96を介して所定時間だけ露光した際に、ポジ型フォトレジスト90を複数の高さに調整できる。
【0071】
ところで、図13や図15に示した高さ調整マスクを使用して、ポジ型フォトレジスト90の高さを調整した後に、図9に示した通常マスク93を使用することになる。ここで、図15に示す高さ調整マスクと通常マスクを一体化したマスクを使用することも可能である。図16は、図15に示す高さ調整マスクと通常マスクを一体化した一体化マスク98を示す図である。このような一体化マスクによれば、露光の際のマスクの数を減らすことができると共に、製造工程を簡略化することが可能となる。
【0072】
露光エネルギーを段階的に調整する第3の方法として、ハーフトーンマスクを使用する場合について説明する。
【0073】
図17は、ハーフトーンマスクを説明するための断面図である。図17に示すハーフトーンマスク99は、透過率0%の遮光部99b(クロム)及び透過率100%の透過部99a(ガラス)に加えて、透過率10%〜20%の半透明膜99cを有する。この半透明膜は、例えば、クロム系(CrON)、モリブテン系(MoSiON)、タングステン系(WSiON)などの膜である。
【0074】
そして、図18や図19に示すように、透過率10%の半透明膜や透過率20%の半透明膜を形成することで、1度の露光でポジ型フォトレジスト90を複数の高さに調整できる。なお、図18及び図19は、ハーフトーンマスクの一例を示す断面図である。このようなハーフトーンマスク99によれば、半透明膜の厚みによって透過率を制御できるので、数段回の階調をもたせることも可能である。
【0075】
なお、グラデーションマスクとハーフトーンマスクを組み合わせたマスクを使用しても良い。一般的に、グラデーションは透過率が高めの階調に適しており、ハーフトーンは透過率が低めの階調に適している。このため、二つのマスクを組み合わせることで、透過率0%〜100%のパターンを、より細かく制御することが可能となる。
【0076】
<6.本実施形態に係るヘッドチップ30の有効性>
本実施形態に係るヘッドチップ30の有効性について、図20及び図21に示す比較例に係るヘッドチップと対比しながら、説明する。図20は、比較例1に係るヘッドチップを示す断面図である。図21は、比較例2に係るヘッドチップを示す断面図である。
【0077】
本実施形態に係るヘッドチップ30は、図5に示すように、第2面84が第1面82よりも低くなるように段差86を基板面80に設けている。また、第1面82からノズル形成層68までの距離(H1)よりも、第2面84からノズル形成面68までの距離(H2)が大きくなっている。これにより、インク流路74の断面積が、インク液室72の断面積よりも大きくなっている。かかる場合には、インク液室72からノズル70によって吐出されるインク量よりも、インク流路74からインク液室72へ流れるインク流量が多くなる。よって、ノズル70がインクを吐出する際に、インクの供給量不足に陥ることを防止できる。特に、本実施形態のようなラインヘッドの場合には、バッファタンク50からインク液室72までの流路が長くなるので、インク流路74の断面積をインク液室72の断面積よりも大きくすることが一層有効である。
【0078】
一方で、図20に示す比較例1においては、本実施形態に係るヘッドチップ30と同様に基板面80に段差86が形成されているが、第2面84からノズル形成面116までの距離(H1)が、第1面82からノズル形成面116までの距離(H1)と同じである。このような関係になっているのは、本実施形態のような高さ調整マスクを用いた露光が行われていないためである。このため、インク流路114の断面積とインク液室112の断面積は、同じとなる。かかる場合には、インク流路114からインク液室112へのインクの供給が不足する恐れがある。
【0079】
よって、比較例1と比較して本実施形態のヘッドチップ30は、インク流路74からインク液室72にインクの安定した供給を実現できる。
【0080】
また、図21に示す比較例2においては、本実施形態に係るヘッドチップ30と異なり、基板面80に段差が形成されていない。また、ノズル形成層126においてインク流路124に対応する部分126aの厚みが、インク液室122に対向する対応する部分126bの厚みよりも小さい。このため、インク流路124の断面積がインク液室122の断面積よりも大きくなるが、撓みなどの剛性は部材の厚みに比例するので、比較例2の場合にはノズル形成層126の剛性を十分に確保することができない。
【0081】
よって、比較例2と比較して本実施形態のヘッドチップ30は、ノズル形成層68を均一な厚みに形成することで、ノズル形成層68の剛性を大きくすることができる。
【0082】
このように本実施形態に係るヘッドチップ30は、インク流路74からインク液室72にインクを適切に供給できるとともに、ノズル形成層68の剛性を確保することができる。インクを適切に供給できることで、ノズルから吐出量が増えてもインクの供給不足に陥ることを防止できる。また、ノズル形成層68の剛性が大きくなることで、例えばノズル面のワイピング等を行いやすくなる。
【0083】
<7.その他の実施形態>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0084】
また、上記実施形態では、液体吐出装置としてカラーインクジェットプリンタが説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、有機EL製造装置、ディスプレイ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。
【0085】
また、上記実施形態では、エネルギー発生素子として発熱抵抗体62を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、エネルギー発生素子としては、発熱抵抗体62(ヒータ等)以外の発熱素子や、ピエゾ素子等の圧電素子等を用いることも可能である。
【0086】
また、上記実施形態では、液体吐出ヘッドとしてラインヘッド10を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、プリンタヘッドを媒体上で特定方向に移動させながらインクを吐出する、いわゆるシリアルタイプのプリンタヘッドに適用しても良い。
【符号の説明】
【0087】
10 ラインヘッド
20 ヘッドモジュール
30 ヘッドチップ
60 半導体基板
62 発熱抵抗体
64 電極
66 駆動素子
68 ノズル形成層
70 ノズル
72 インク液室
74 インク流路
80 基板面
82 第1面
84 第2面
86 段差
90 ポジ型フォトレジスト
90a 傾斜部
92 固体層
95a、95b、95c、95d 高さ調整マスク
96 高さ調整マスク
99 ハーフトーンマスク
E 透過部
S 遮光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面に、第1面よりも第2面が低くなるように段差を形成するステップと、
前記段差が形成された前記基板面の前記第1面及び前記第2面上に、露光されると溶解するポジ型レジストを形成するステップと、
前記第2面から、前記第1面上の溶解後の前記ポジ型レジストの上面までの距離が、前記第2面から、当該第2面上の溶解後の前記ポジ型レジストの上面までの距離と同じになるように、前記ポジ型レジストに露光するステップと、
露光後に現像することで、前記ポジ型レジストを固体層に形成するステップと、
前記固体層を被覆する被覆層を形成するステップと、
前記被覆層の形成後に前記固体層を除去することで、吐出口から吐出される液体を収容する収容室を前記第1面と前記被覆層の間に形成するとともに、前記収容室へ液体が流れる流路を前記第2面と前記被覆層の間に形成するステップと、
を有する、液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記第1面上の前記ポジ型レジストと、前記第1面と前記第2面の間の段差部上の前記ポジ型レジストのみに露光する、請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記第1面上の前記ポジ型レジストに対する露光エネルギーが、前記第1面側から前記前記第2面側に向かうに従って、小さくなる、請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
光の透過率が異なる部分が形成されたマスクを介して前記ポジ型レジストに露光する、請求項2又は3に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記収容室上の前記被覆層の厚みが、前記流路上の前記被覆層の厚みと同じ大きさになるように、前記被覆層を形成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
回転中の前記基板面の前記第1面及び前記第2面上に、前記ポジ型レジストを塗布して一様な厚みで形成する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項7】
第1面よりも第2面が低くなるように段差が形成された基板面と、
液体を吐出する吐出口が形成され、前記基板面に空隙を介して対向する被膜層と、
前記第1面と前記被膜層の間に形成され、前記吐出口から吐出される液体を収容する収容室と、
前記第2面と前記被膜層の間に形成され、前記収容室へ液体が流れる流路と、を備え、
前記収容室上の前記被覆層の厚みが、前記流路上の前記被覆層の厚みと同じ大きさである、液体吐出ヘッド。
【請求項8】
第1面よりも第2面が低くなるように段差が形成された基板面と、
液体を吐出する吐出口が形成され、前記基板面に空隙を介して対向する被膜層と、
前記第1面と前記被膜層の間に形成され、前記吐出口から吐出される液体を収容する収容室と、
前記第2面と前記被膜層の間に形成され、前記収容室へ液体が流れる流路と、を備え、
前記収容室上の前記被覆層の厚みが、前記流路上の前記被覆層の厚みと同じ大きさである液体吐出ヘッド
を具備する、液体吐出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−45776(P2012−45776A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188554(P2010−188554)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】