説明

液体吐出ヘッドの製造方法

【課題】本発明は、それぞれ異なるサイズの液滴を吐出する厚みの異なる流路壁を同一基板上に有する液体吐出ヘッドを容易に製造できる方法を提供する。
【解決手段】本発明の液体吐出ヘッドの製造方法は、少なくとも、第1の液滴と該第1の液滴よりも大きいサイズの第2の液滴とを吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、流路壁は第1液滴用流路壁と第2液滴用流路壁とを含み、(1)基板上に溶解可能な樹脂を配置しパターニングすることにより流路パターンを形成する工程と、(2)前記基板及び前記流路パターンの上に第1の被覆樹脂を配置しパターニングすることにより、前記第1液滴用流路壁と前記第2液滴用流路壁の土台を形成する工程と、(3)前記基板、前記流路パターン及び前記土台の上に表面が前記第1液滴用流路壁よりも高くなるように第2の被覆樹脂を配置しパターニングすることにより、前記第2液滴用流路壁を形成する工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液滴を吐出する液体吐出ヘッドの製造方法に関し、特にインク滴を吐出することで記録媒体に記録を行うインクジェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。より具体的には、高速度高品位の印字を行うために、複数の液滴サイズのノズルが同一基板上で構成されるインクジェット記録ヘッドの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体吐出ヘッドは、例えば特許文献1に示されるように、以下の工程で製造されている。まず、吐出エネルギー発生素子を形成した基板上に感光性を有する溶解可能な樹脂を液体流路の型にパターンニングする。次いで、この型パターンを被覆するように前記基板上にノズル材となる感光性を有する被覆樹脂層を塗布形成し、該被覆樹脂層に前記型パターンに連通する液体吐出口を形成する。そして、基板裏側から貫通するようにエッチングにて液体供給口を形成し、型パターンに使用した感光性樹脂を除去することで液体吐出ヘッドを製造する。この製法によると、半導体のフォトリソグラフィ法を適用しているため、液体流路、吐出口等の形成に関して極めて高精度で微細な加工が可能である。
【0003】
ここで、液体吐出ヘッドとしては、吐出エネルギー発生素子と吐出口との間の流路距離を長くすることにより収容されるインク量を多くしたものと、吐出エネルギー発生素子と吐出口との間の流路距離を短くすることにより液滴サイズを安定化したものがある。収容されるインク量を多くしたもの液体吐出ヘッドは、大ドットでベタ印字などを効率よく高速に行うことができる。液滴サイズを安定化した液体吐出ヘッドは、高品質化を図ることができる。
【0004】
そこで、高速化と高品質化に対応すべく、異なるサイズのインク液滴を吐出するために種類の異なるノズルを一つの基板上に複数形成した液体吐出ヘッドが特許文献2に開示されている。また、同一基板上に異なる吐出量と異なる厚さのオリフィスプレートを有する液体吐出ヘッドが特許文献3に開示されている。また、同一インク供給口から異なる量(又はサイズ)のインクを吐出させるための異なる厚さのオリフィスプレートを有する液体吐出ヘッドの製造方法が特許文献4に開示されている。特許文献4では、高さ調整部材を大液滴ノズル側のインク流路パターン上に形成することにより小液滴ノズルと大液滴ノズルのオリフィス部の膜厚に差を設け、フォトリソグラフィ法を用いて製造している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6―286149号公報
【特許文献2】特開2002−154208号公報
【特許文献3】米国特許第7198353号明細書
【特許文献4】特開2007−125810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、小液滴サイズの印字品位と大液滴サイズの吐出量の両方を兼ね備えるためには、大液滴と小液滴の両方のサイズを吐出できるそれぞれのノズルを同一基板上に有する液体吐出ヘッドとすることが有効である。
【0007】
しかしながら、同一基板上で液滴のサイズの異なるノズルを形成する場合、製法上、小液滴ノズルと大液滴ノズルのオリフィスプレートを一括で形成することは困難である。従来の方法として貼り合わせによる方法があるが、貼り合わせる際に生じる歪みや位置ズレ等の制御が困難であり、印字品位が保てない場合がある。
【0008】
また、特許文献4に開示される方法では、高さ調整部材を高くすると小液滴サイズのオリフィスプレートの厚み制御が困難であり、印字品位が保てないといった問題を生じる場合がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、それぞれ異なるサイズの液滴を吐出する厚みの異なるオリフィスプレートを同一基板上に有する液体吐出ヘッドを容易に製造できる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は
吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、該基板上に前記吐出口に連通する液体流路を形成する流路壁と、を有し、
少なくとも、第1の液滴と該第1の液滴よりも大きいサイズの第2の液滴とを吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記流路壁は、前記第1の液滴を吐出するための第1の吐出口に連通する第1の液体流路を構成する第1液滴用流路壁と、前記第2の液滴を吐出するための第2の吐出口に連通する第2の液体流路を構成する第2液滴用流路壁と、を含み、
(1)前記基板上に溶解可能な樹脂を配置しパターニングすることにより、前記第1の液体流路及び前記第2の液体流路の流路パターンを形成する工程と、
(2)少なくとも前記基板及び前記流路パターンの上に第1の被覆樹脂を配置しパターニングすることにより、前記第1液滴用流路壁と前記第2液滴用流路壁の土台を形成する工程と、
(3)少なくとも前記基板、前記流路パターン及び前記土台の上に表面が前記第1液滴用流路壁よりも高くなるように第2の被覆樹脂を配置し、パターニングすることにより、前記第2液滴用流路壁を形成する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、第1の液滴用の流路壁を形成した後に第2の液滴(第1の液滴より大きいサイズを有する)用の流路壁を形成するため、第1の液滴用の流路壁の厚みを容易に制御することができ、印字品位を良好に液体吐出ヘッドを製造することができる。
【0012】
さらに、第1の液体用の流路壁を形成すると同時に同材料で第2の液滴用の流路壁の土台を形成するため、第2の液滴用の流路壁の表面をより平坦に形成することができ、吐出安定性をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の実施形態を説明するための断面工程図である。
【図2】図1(F)に続き、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法の実施形態を説明するための断面工程図である。
【図3】液体吐出ヘッドの構成例を示す上面図である。
【図4】図3に示した液体吐出ヘッドをA−A’線で切断した場合の構成例を示す模式的斜視図である。
【図5】図1(D)における大液滴用流路壁の土台の配置形状の一例を示す上面模式的図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、該基板上に前記吐出口に連通する液体流路を形成する流路壁と、を有する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
【0015】
また、少なくとも、第1の液滴と該第1の液滴よりも大きいサイズの第2の液滴とを吐出する液体吐出ヘッドの製造方法に関する。
【0016】
前記流路壁は、第1の液滴を吐出するための第1の吐出口に連通する第1の液体流路を構成する第1液滴用流路壁と、第2の液滴を吐出するための第2の吐出口に連通する第2の液体流路を構成する第2液滴用流路壁と、を含む。
【0017】
以下、体吐出ヘッドの一実施形態としてインクジェット記録ヘッドについて説明する。また、以下の説明では、本発明の適用例として、主にインクジェット記録ヘッドを例に挙げて説明を行うが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、バイオッチップ作製や電子回路印刷用途の液体吐出ヘッドにも適用できる。液体吐出ヘッドとしては、インクジェット記録ヘッドの他にも、例えばカラーフィルター製造用ヘッド等も挙げられる。
【0018】
(実施形態1)
以下、図1、2を参照して、本実施形態について詳細に説明する。本実施形態は、小液滴と大液滴との2種類の液滴を吐出する液体吐出ヘッドを例に挙げて本発明について説明する。本実施形態において、第1液滴用流路壁を小液滴用流路壁と、第2液滴用流路壁を大液滴用流路壁と、第1の吐出口を小液滴用吐出口と、第2の吐出口を大液滴用吐出口と、称して説明する。なお、本発明は、とくに本実施形態に限定されるものではない。
【0019】
図1、2は本実施形態の製造方法を説明するための断面工程図である。また、図3は、本実施形態により製造される液体吐出ヘッドの上面の構成を示す上面模式図である。また、図4は、図3に示した液体吐出ヘッドをA−A’線で切断した場合の構成例を示す模式的斜視図である。図4に示すように、本発明において、小液滴用流路壁の厚みは大液滴用流路壁の厚みよりも小さい構成を有する。
【0020】
まず、図1(A)、(B)に示すように、電気熱変換素子や圧電素子などの吐出エネルギー発生素子2を含む基板1上に、溶解可能な樹脂を用いてインク流路パターン3を形成する。電気熱変換素子は近傍のインク液を加熱することにより吐出エネルギーを発生させる。また、例えば、圧電素子は機械的振動によって吐出エネルギーを発生させる。なお、吐出エネルギー発生素子2には、素子を動作させるための制御信号入力用電極(不図示)が接続される。また、吐出エネルギー発生素子の耐用性の向上を目的として、保護層等の各種機能層を素子に設けることもできる。
【0021】
インク流路パターン3となる溶解可能な樹脂は、例えばスピンコート法、ロールコート法等で基板1上に形成することができる。溶解可能な樹脂は、例えば5〜15μmの厚さで塗布することができる。この溶解可能な樹脂をマスクAを用いてフォトリソグラフィ法によりインク流路のパターンに形成する。
【0022】
溶解可能な樹脂としては、吐出エネルギー発生素子2との位置関係を精度良くパターニングするために感光性を有することが好ましい。本実施形態では、たとえばポジ型レジストを用い、具体的には溶媒をシクロヘキサノンとしたポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)を用いることができる。
【0023】
次に、図1(C)に示すように、インク流路パターン3の上に、さらに第1の被覆樹脂4を形成する。第1の被覆樹脂4は小液滴用流路壁と大液滴用流路壁の土台を構成する材料である。
【0024】
第1の被覆樹脂4は、例えばスピンコート法、ロールコート法等で形成することができる。第1の被覆樹脂の厚さは、インク流路パターンを完全に被覆し、吐出口部を有するオリフィスプレートとなるため、例えば15〜30μmの厚さとすることができる。
【0025】
ここで、第1の被覆樹脂4を形成する際に、インク流路パターン3を変形させないように第1の被覆樹脂を選択することが望ましい。すなわち、第1の被覆樹脂4に用いる溶剤として、被覆樹脂を溶解し、かつインク流路パターンを溶解しないものを用いることが望ましい。また、第1の被覆樹脂4は、インク流路の構成部材としての高い機械的強度や、基板1との密着性、耐インク性等を有することが望ましい。さらに、吐出エネルギー発生素子2から吐出口までの連通部を精度良くパターニングするためにフォトリソグラフィ法にて形成できる感光性レジストであることが望ましい。
【0026】
本実施形態では、第1の被覆樹脂として、たとえばネガ型感光性樹脂組成物を用いることができ、より具体的には下記樹脂組成物1に示すようなエポキシ樹脂組成物を用いることができる。このエポキシ樹脂組成物は光カチオン重合性を有し、そのカチオン重合硬化物は、優れた強度、密着性、耐インク性を有し、かつ優れたパターニング特性を有する。また、スピンコート法で形成するために、下記組成物1をメチルイソブチルケトン/キシレン混合溶媒に60wt%の濃度で溶解することができる。
【0027】
樹脂組成物1
・EHPE−3150(商品名、ダイセル化学(株)製);100質量部
・A−187(商品名、日本ユニカー(株)製);5質量部
・アデカオプトマーSP−172(商品名、(株)ADEKA製);6質量部
【0028】
なお、上記組成物に対して必要に応じて添加剤など適宜添加することが可能である。例えば、エポキシ樹脂の弾性率を下げる目的で可撓性付与剤を添加したり、あるいは溶解可能な樹脂との相溶を防ぐために塩基性物質を添付したりすることができる。また、例えば、基板1との更なる密着力を得るために、シランカップリング剤を添加することもできる。
【0029】
また、本実施形態では、図1(C)に示すように、吐出安定性を向上させるために第1の被覆樹脂層4の上に撥液性を有する撥水層5を形成することもできる。撥水材5は第1の被覆樹脂4と同時にパターニングすることができる。撥水層5は、例えば液状材料をカーテンコート(スリットコート)法を用いて形成したり、ドライフィルム状の材料をラミネート法を用いて形成したりすることができる。
【0030】
次に、図1(C)、(D)に示すように、フォトリソグラフィ法によりマスクBを用いて第1の被覆樹脂4を小液滴用流路壁と大液滴用流路壁の土台とが残るようにパターニングする。つまり、第1の被覆樹脂を用いて小液滴用流路壁を形成すると同時に大液滴用流路壁の土台を形成しておく。大液滴用流路壁の土台により、後工程において第2の被覆樹脂をより平坦に形成することができ、大液滴用流路壁の平坦化を図ることができる。大液滴用流路壁の土台4cは、例えば図5に示すように、大液滴流路を囲むように配置することができる。土台の接地領域は流路パターンによって適用するように変えてもよい。
【0031】
土台は第2液滴用流路壁の内包されるように形成される。
【0032】
また、小液滴用流路壁を形成する際、小液滴用吐出口6を同時にパターング形成してもよい。
【0033】
次に、図1(E)に示すように、小液滴用流路壁4a及び土台4bの上に大液滴用流路壁となる第2の被覆樹脂7を形成する。また、図に示すように、被覆樹脂7の上には第2の撥水層8を形成することもできる。
【0034】
ここで第2の被覆樹脂7は第1の被覆樹脂4と同じ材料を用いることができ、異なる材料を用いることもできる。第2の被覆樹脂7として第1の被覆樹脂4と異なる材料を用いる場合は、第1の被覆樹脂4と密着性がよく、上述したインク流路の構成部材として求められる特性を有することが望ましい。第2の撥水層8も第1の撥水層5と同じ材料を用いることができ、異なる材料を用いることもできる。
【0035】
なお、小液滴用流路壁の上に撥水層が配置されていても、大液滴用流路壁の土台を内包するように大液滴用流路壁が形成されるので、土台の側面部分で密着を保つことができる。そのため、小液滴用流路壁の表面に撥水層を設けることができ、小液滴の印字安定性を向上することができる。
【0036】
第2の被覆樹脂7の厚さ(基板1表面から樹脂層表面までの距離)は大液滴用流路壁の厚さに相当し、第1の被覆樹脂4の厚さよりも大きければ特に制限されないが、例えば35〜80μmとすることができ、45〜75μmとすることが好ましい。第2の被覆樹脂7は複数回に分けてコーティングして形成してもよい。
【0037】
次に、図1(E)、(F)に示すように、フォトリソグラフィ法によりマスクCを用いて第2の被覆樹脂7をパターニングし、大液滴用流路壁を形成する。大液滴用流路壁は小液滴用流路壁の形成領域以外の基板1上に形成される。つまり、小液滴用流路壁と大液滴用流路壁は、それぞれ基板上の異なる領域に構成される。
【0038】
また、この際に大液滴用吐出口9を同時にパターング形成してもよい。
【0039】
次に、図2(A)に示すように、基板1にインク供給のための開口部であるインク供給口(液体供給口)10を形成する。インク供給口10は、例えばTMAHによるシリコンの異方性エッチングにより形成することができる。この際、撥水層5、8や流路壁4’、7’がダメージを受けないように、環化ゴム等の保護膜でシリコン基板のノズルを形成した側の面を保護しておくことができる。
【0040】
次に、図2(B)に示すように、インク流路パターン3’を適当な溶剤を用いて溶解して除去する。溶解は、例えば、基板を溶剤に浸漬したり、溶剤をスプレーにて拭きつけたりすることによって行うことができる。また、超音波等を併用すれば、さらに溶出時間を短縮できる。
【0041】
このようにして形成したインクジェット素子に対してインク供給のための部材及び吐出エネルギー発生素子2を駆動するための電気的接合(図示せず)を行い、インクジェット記録ヘッドを作製する。
【0042】
本実施形態に記載の方法により、一つの供給口から供給される複数の大ドットおよび小ドットが混在する液体吐出ヘッドを作製することができる。該液体吐出ヘッドを用いて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色インク(キヤノン(株)製インクBCI−7)を使用してテストパターンで印字記録を行ったところ、階調表現に優れた画像を得ることができた。
【符号の説明】
【0043】
1 基板
2 吐出エネルギー発生素子
3 溶解可能な樹脂
3’ インク流路パターン
4 第1の被覆樹脂
4’ 小液滴用流路壁
5 第1の撥水層
6 小液滴用吐出口
7 第2の被覆樹脂
7’ 大液滴用流路壁
8 第2の撥水層
9 大液滴用流路壁
10 インク供給口(液体供給口)
11 インク流路(液体流路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐出口から液体を吐出するためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を有する基板と、該基板上に前記吐出口に連通する液体流路を形成する流路壁と、を有し、
少なくとも、第1の液滴と該第1の液滴よりも大きいサイズの第2の液滴とを吐出する液体吐出ヘッドの製造方法であって、
前記流路壁は、前記第1の液滴を吐出するための第1の吐出口に連通する第1の液体流路を構成する第1液滴用流路壁と、前記第2の液滴を吐出するための第2の吐出口に連通する第2の液体流路を構成する第2液滴用流路壁と、を含み、
(1)前記基板上に溶解可能な樹脂を配置しパターニングすることにより、前記第1の液体流路及び前記第2の液体流路の流路パターンを形成する工程と、
(2)少なくとも前記基板及び前記流路パターンの上に第1の被覆樹脂を配置しパターニングすることにより、前記第1液滴用流路壁と前記第2液滴用流路壁の土台を形成する工程と、
(3)少なくとも前記基板、前記流路パターン及び前記土台の上に表面が前記第1液滴用流路壁よりも高くなるように第2の被覆樹脂を配置し、パターニングすることにより、前記第2液滴用流路壁を形成する工程と、
を有することを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項2】
前記土台は前記第2液滴用流路壁に内包されるように形成される請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項3】
前記工程(2)において、前記第1の被覆樹脂をパターニングする際に、前記第1の吐出口を形成する請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項4】
前記工程(3)において、前記第2の被覆樹脂をパターニングする際に、前記第2の吐出口を形成する請求項1乃至3のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項5】
前記工程(3)の後に、
(4)前記基板に前記液体流路に前記液体を供給するための液体供給口を形成する工程と、
(5)前記液体供給口から前記流路パターンを除去する工程と、
を有する請求項1乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項6】
前記工程(2)において、前記第1の被覆樹脂の上に撥液性を有する撥水層を形成してからパターニングする請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項7】
前記パターニングは、フォトリソグラフィ法によって実施される請求項1乃至6のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項8】
前記第1の被覆樹脂及び第2の被覆樹脂はネガ型感光性樹脂組成物である請求項1乃至7のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項9】
前記ネガ型感光性樹脂組成物は、光カチオン重合性のエポキシ樹脂組成物である請求項1乃至8のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項10】
前記第1液滴用流路壁と前記第2液滴用流路壁は、それぞれ前記基板上の異なる領域に構成されている請求項1乃至9のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法
【請求項11】
前記流路壁は、前記第1の液滴としての小液滴を吐出するための小液滴用流路壁と、前記第2の液滴としての大液滴を吐出するための大液滴用流路壁と、の2種類からなる請求項1乃至10のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項12】
前記第1液滴用流路壁の厚みは前記第2液滴用流路壁の厚みよりも小さい請求項11に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
【請求項13】
前記第1液滴用流路壁の厚みは15〜30μmであり、前記第2液滴用流路壁の厚みは35〜80μmである請求項11又は12に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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