説明

液体吐出ヘッド

【課題】高密度配置された吐出口のそれぞれに対する液体供給の安定化を実現可能な液体流路が形成された流路ユニットについて、十分な強度を確保する。
【解決手段】流路ユニットには、共通流路及び個別流路を含むインク流路が形成されている。共通流路は主走査方向に長尺であり、副走査方向に互いに離隔して複数配置されている。当該離隔した共通流路間に配置された細長部12e1は、共通流路の側壁を構成する。細長部12e1の側壁は、共通流路を横切って配置された連結部12e2によって、当該側壁に対して副走査方向に対向する端部12e3の側壁と連結されている。連結部12e2の表面に、副走査方向に延在する直交部12R1を有するリブ12Rが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に対して液体を吐出する液体吐出ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
液体吐出ヘッドの一例であるインクジェットヘッドにおいて、複数の共通流路と、共通流路のそれぞれから分岐してインクを吐出する複数の吐出口に至る複数の個別流路と、を含む液体流路が形成された流路ユニットを有するものが知られている(特許文献1参照)。特許文献1において、共通流路(マニホールド流路)は流路ユニットの長手方向に長尺であり、複数の共通流路が流路ユニットの幅方向に所定間隔をなして配置されている。また、平面視において、1の共通流路から多数の個別流路が分岐している。このような液体流路の構成により、高密度配置された吐出口のそれぞれにインクを安定して供給することができる。また、流路ユニットにおいて、流路ユニットの幅方向に互いに離隔する2つの共通流路の間に配置され、これら2つの共通流路の側壁を構成する細長部(島部)は、共通流路を遮らない連結部によって連結されている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−114520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、細長部は流路ユニットの長手方向に長尺であり、特許文献1のように連結部を設けただけでは、流路ユニットの強度が不十分な場合がある。例えば、流路ユニットに対して幅方向の力が加わると、連結部が屈曲し得る。
【0005】
本発明の目的は、高密度配置された吐出口のそれぞれに対する液体供給の安定化を実現可能な液体流路が形成された流路ユニットについて、十分な強度を確保することができる液体吐出ヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の観点によると、第1方向に長尺で且つ前記第1方向に直交する第2方向に互いに離隔して配置された複数の共通流路と、前記共通流路のそれぞれから分岐して液体を吐出する複数の吐出口に至る複数の個別流路と、を含む液体流路が形成された流路ユニットを備え、前記流路ユニットは、前記第2方向に互いに離隔する2つの前記共通流路の間に配置され、当該2つの共通流路の側壁を構成する、前記第1方向に長尺な細長部と、1の前記共通流路を横切って配置され、前記細長部の側壁と当該側壁に対して前記第2方向に対向する対向部の側壁とを連結し、当該共通流路を画定する表面を有する連結部と、を含み、前記連結部の前記表面に、前記第2方向に延在する直交部を有する1以上のリブが設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッドが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、流路ユニット内の液体流路が共通流路及び個別流路を含むことにより、高密度配置された吐出口のそれぞれに対する液体供給の安定化を実現可能である。また、連結部の表面に直交部を有するリブを設けたことで、連結部の第2方向に関する剛性が高まり、流路ユニットに対して第2方向の力が加わっても連結部が屈曲し難い。したがって、流路ユニットについて十分な強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッドを含むインクジェット式プリンタの内部構造を示す概略側面図である。
【図2】インクジェットヘッドの流路ユニット及びアクチュエータユニットを示す平面図である。
【図3】図2の一点鎖線で囲まれた領域IIIを示す拡大図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った部分断面図である。
【図5】インクジェットヘッドの縦断面図である。
【図6】共通流路を構成する貫通孔が形成された4枚のマニホールドプレートを示す平面図である。
【図7】図6の4枚のマニホールドプレートを積層した状態を示す平面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿った部分断面図である。
【図9】(a)は、図6の一点鎖線で囲まれた領域IXAを示す拡大図である。(b)は、図9(a)のIXB−IXB線に沿った部分断面図である。
【図10】(a)〜(e)はそれぞれ、本発明に係るリブの変形例を示す、図9(a)に対応する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】
先ず、図1を参照し、本発明の一実施形態に係るインクジェットヘッド10を含むインクジェット式プリンタ1の全体構成について説明する。
【0011】
プリンタ1は、直方体形状の筐体1aを有する。筐体1aの天板上部には、排紙部31が設けられている。筐体1aの内部空間は、上から順に空間A,B,Cに区分できる。空間A及びBは、排紙部31に連なる用紙搬送経路が形成された空間である。空間Aでは、用紙Pの搬送と用紙Pへの画像形成が行われる。空間Bでは、給紙に係る動作が行われる。空間Cには、インク供給源としてのインクカートリッジ40が収容されている。
【0012】
空間Aには、4つのインクジェットヘッド10、用紙Pを搬送する搬送ユニット21、用紙Pをガイドするガイドユニット(後述)等が配置されている。空間Aの上部には、これらの機構を含めたプリンタ1各部の動作を制御してプリンタ1全体の動作を司るコントローラ1pが配置されている。
【0013】
コントローラ1pは、外部から供給された画像データに基づいて、用紙Pに画像が形成されるよう、画像形成に係わる準備動作、用紙Pの供給・搬送・排出動作、用紙Pの搬送に同期したインク吐出動作等を制御する。
【0014】
コントローラ1pは、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)に加えて、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit )、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)等を有する。ROMには、CPUが実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAMには、プログラム実行時に必要なデータ(例えば画像データ)が一時的に記憶される。ASICでは、画像データの書き換え、並び替え等(信号処理や画像処理)が行われる。I/Fは、上位装置とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。コントローラ1pの各機能部は、これらハードウェア構成とROM内のプログラムとの協働により構築されている。
【0015】
各ヘッド10は、主走査方向に長尺な略直方体形状を有するラインヘッドである。4つのヘッド10は、副走査方向に所定ピッチで並び、ヘッドフレーム3を介して筐体1aに支持されている。ヘッド10は、流路ユニット12、8つのアクチュエータユニット17(図2参照)、及びリザーバユニット11を含む。画像形成に際して、4つのヘッド10の下面(吐出面10a)からそれぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクが吐出される。ヘッド10のより具体的な構成については後に詳述する。
【0016】
搬送ユニット21は、図1に示すように、ベルトローラ6,7及び両ローラ6,7間に巻回されたエンドレスの搬送ベルト8に加え、搬送ベルト8の外側に配置されたニップローラ4及び剥離プレート5、搬送ベルト8の内側に配置されたプラテン9等を有する。
【0017】
ベルトローラ7は、駆動ローラであって、搬送モータ(図示せず)の駆動により回転し、図1中時計回りに回転する。ベルトローラ7の回転に伴い、搬送ベルト8が図1中の太矢印方向に走行する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、搬送ベルト8が走行するのに伴って、図1中時計回りに回転する。ニップローラ4は、ベルトローラ6に対向配置され、上流側ガイド部(後述)から供給された用紙Pを搬送ベルト8の外周面8aに押さえつける。剥離プレート5は、ベルトローラ7に対向配置され、用紙Pを外周面8aから剥離して下流側ガイド部(後述)へと導く。プラテン9は、4つのヘッド10に対向配置され、搬送ベルト8の上側ループを内側から支える。これにより、外周面8aとヘッド10の吐出面10aとの間に、画像形成に適した所定の間隙が形成される。
【0018】
ガイドユニットは、搬送ユニット21を挟んで配置された、上流側ガイド部及び下流側ガイド部を含む。上流側ガイド部は、2つのガイド27a,27b及び一対の送りローラ26を有する。当該ガイド部は、給紙ユニット1b(後述)と搬送ユニット21とを繋ぐ。下流側ガイド部は、2つのガイド29a,29b及び二対の送りローラ28を有する。当該ガイド部は、搬送ユニット21と排紙部31とを繋ぐ。
【0019】
空間Bには、給紙ユニット1bが配置されている。給紙ユニット1bは、給紙トレイ23及び給紙ローラ25を有し、給紙トレイ23が筐体1aに対して着脱可能となっている。給紙トレイ23は、上方に開口する箱であり、複数種類のサイズの用紙Pを収納可能である。給紙ローラ25は、給紙トレイ23内で最も上方にある用紙Pを送り出し、上流側ガイド部に供給する。
【0020】
上述したように、空間A及びBに、給紙ユニット1bから搬送ユニット21を介して排紙部31に至る用紙搬送経路が形成されている。記録指令に基づいて、コントローラ1pは、給紙ローラ25用の給紙モータ(図示せず)、各ガイド部の送りローラ用の送りモータ(図示せず)、搬送モータ等を駆動する。給紙トレイ23から送り出された用紙Pは、送りローラ26によって、搬送ユニット21に供給される。用紙Pが各ヘッド10の真下を副走査方向に通過する際、順に吐出面10aからインクが吐出されて、用紙P上にカラー画像が形成される。インクの吐出動作は、用紙センサ32からの検出信号に基づいて行われる。用紙Pは、その後剥離プレート5により剥離され、2つの送りローラ28によって上方に搬送される。さらに用紙Pは、上方の開口30から排紙部31に排出される。
【0021】
ここで、副走査方向とは、搬送ユニット21による用紙Pの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは、水平面に平行且つ副走査方向に直交する方向である。
【0022】
空間Cには、インクユニット1cが筐体1aに対して着脱可能に配置されている。インクユニット1cは、カートリッジトレイ35、及び、トレイ35内に並んで収納された4つのカートリッジ40を有する。各カートリッジ40は、インクチューブ(図示せず)を介して、対応するヘッド10にインクを供給する。
【0023】
次に、図2〜図5を参照し、ヘッド10の構成についてより詳細に説明する。なお、図3では、アクチュエータユニット17の下側にあって点線で示すべき圧力室16及びアパーチャ15を実線で示している。
【0024】
図5に示すように、ヘッド10は、流路ユニット12、アクチュエータユニット17、リザーバユニット11、及び基板64が積層した積層体である。このうち、アクチュエータユニット17、リザーバユニット11、及び基板64が、流路ユニット12の上面12xとカバー65とにより形成される空間に、収容されている。当該空間内で、FPC(平型柔軟基板)50が、アクチュエータユニット17と基板64とを電気的に接続している。FPC50には、途中部にドライバIC57が実装されている。
【0025】
カバー65は、図5に示すように、トップカバー65a及びサイドカバー65bを含む。カバー65は、下方に開口する箱であり、流路ユニット12の上面12xに固定されている。両カバー65a,65bの境界及びサイドカバー65bと上面12xとの境界には、封止剤(例えば、シリコン樹脂)が充填されている。サイドカバー65bは、アルミ製の板からなり、放熱板としても機能する。ドライバIC57は、サイドカバー65bの内面に当接し、カバー65bと熱的に結合している。なお、当該熱的結合を確実にするため、ドライバIC57は、リザーバユニット11の側面に固定された弾性部材(例えばスポンジ)58によってサイドカバー65b側に付勢されている。
【0026】
リザーバユニット11は、貫通孔や凹部がそれぞれ形成された4枚の金属プレート11a〜11dを互いに接着した積層体である。リザーバユニット11の内部には、インク流路が形成されている。プレート11cに、インクを一時的に貯留するリザーバ72が形成されている。当該インク流路の一端はチューブ等を介してカートリッジ40に接続し、他端はリザーバユニット11下面に開口している。プレート11dの下面には、図5に示すように、凹凸が形成されており、凹部によってプレート11dと上面12xとの間に空間が形成されている。アクチュエータユニット17は、当該空間内で上面12xに固定されている。プレート11dの下面の凹部と、アクチュエータユニット17上のFPC50との間には、若干の間隙が形成されている。プレート11dの凸部には、リザーバ72に連通するインク流出流路73(リザーバユニット11のインク流路の一部)が形成されている。当該流路73は、当該凸部の先端面(即ち、上面12xとの接合面)に開口している。
【0027】
流路ユニット12は、略同一サイズの矩形状の10枚の金属プレート12a,12b,12c,12d,12e,12f,12g,12h,12i,12j(図4参照)を互いに接着した積層体である。図2に示すように、流路ユニット12の上面12xには、インク流出流路73の開口73aに対向する開口12yが形成されている。流路ユニット12の内部には、開口12yから吐出口14aに繋がるインク流路が形成されている。当該インク流路は、図2、図3、及び図4に示すように、開口12yを一端に有するマニホールド流路13、マニホールド流路13から分岐した副マニホールド流路13a(以下、マニホールド流路13及び副マニホールド流路13aを「共通流路」と総称する。)、及び、副マニホールド流路13aの出口13bから圧力室16を介して吐出口14aに至る個別流路14を含む。
【0028】
個別流路14は、吐出口14a毎に形成されており、図4に示すように、流路抵抗調整用の絞りとして機能するアパーチャ15、及び、上面12xに開口した圧力室16を含む。圧力室16は、図3に示すように、それぞれ略菱形形状であり、マトリクス状に配置されることで、平面視で略台形領域を占める計8つの圧力室群を構成している。吐出面10aに開口した吐出口14aも、圧力室16と同様、マトリクス状に配置されることで、平面視で略台形領域を占める計8つの吐出口群を構成している。
【0029】
共通流路は、図2及び図3に示すように、複数の吐出口14aに共通の流路である。上記の略台形領域において、4つの副マニホールド流路13aが、それぞれ主走査方向に延在し、副走査方向に互いに離隔して配置されている。図4に示すように、4枚のマニホールドプレート12e〜12hに共通流路を構成する貫通孔が形成されている。そしてこれらプレート12e〜12hの上下にサプライプレート12d及びダンパープレート12iをそれぞれ積層することにより、共通流路が構成されている。即ち、サプライプレート12dの下面及びダンパープレート12iの上面が、それぞれ共通流路の上壁及び下壁を構成している。
【0030】
さらに、流路ユニット12において、副マニホールド流路13aと対向する部分には、ダンパー室18が形成されている。ダンパー室18は、ノズルプレート12jの上面に形成された凹部とダンパープレート12iの下面とによって画定された空間である。ダンパープレート12iにおけるダンパー室18が形成された部分が弾性変形することにより、副マニホールド流路13a内の圧力変動が抑制される。
【0031】
アクチュエータユニット17は、図2に示すように、それぞれ台形の平面形状を有し、流路ユニット12の上面12xにおいて2列の千鳥状に配置されている。また、図3に示すように、各アクチュエータユニット17は、圧力室群(吐出口群)の占める台形領域上に配置されている。いずれのアクチュエータユニット17も、その長辺のうち台形の下底部分が、流路ユニット12の副走査方向端部に近接している。アクチュエータユニット17は、リザーバユニット下面の凸部を避けて配置され、その台形の下底部分が、主走査方向に関して両側から開口12y(開口73a)によって挟まれている。アクチュエータユニット17は、各圧力室16に対向する部分に、圧電型アクチュエータを含む。
【0032】
FPC50は、アクチュエータユニット17毎に設けられており、アクチュエータユニット17の各電極に対応する配線がドライバIC57の出力端子にそれぞれ接続されている。FPC50は、コントローラ1p(図1参照)による制御の下、基板64で調整された各種駆動信号をドライバIC57に伝達し、ドライバIC57で生成された各駆動電圧をアクチュエータユニット17に伝達する。駆動電圧は、アクチュエータユニット17の各電極に対し、選択的に印加される。
【0033】
次に、図6〜図8を参照し、共通流路(マニホールド流路13及び副マニホールド流路13a)の構成について説明する。
【0034】
図6に示すように、各プレート12e〜12hには、共通流路を構成する貫通孔が形成されており、副マニホールド流路13a間に細長部12e1,12f1,12g1,12h1が設けられている。細長部12e1〜12h1は、プレート12e〜12hのそれぞれにおいて、副走査方向に互いに離隔する2つの副マニホールド流路13aの間に配置され、当該2つの副マニホールド流路13aの側壁を構成する部分である。細長部12e1〜12h1は、1のアクチュエータユニット17の接着領域に対向する略台形領域に3つずつ、それぞれ主走査方向に延在し、副走査方向に互いに離隔して配置されている。上記の3つの細長部12e1〜12h1は、台形の上底から下底に向けて主走査方向の長さが順次大きくなっている。
【0035】
細長部12e1〜12h1の側壁はそれぞれ、連結部12e2,12f2,12g2,12h2によって、当該側壁に対して副走査方向に対向する対向部(当該細長部12e1〜12h1に対して副走査方向に隣接する、細長部12e1〜12h1、又は、プレート12e〜12hの副走査方向端部12e3,12f3,12g3,12h3)の側壁と連結されている。1の細長部12e1〜12h1において、主走査方向に互いに離隔した2つの連結部12e2〜12h2(即ち、計4つの連結部)が、主走査方向に延在する側壁毎に、突出している。
【0036】
各連結部12e2〜12h2は、1の副マニホールド流路13aを横切って配置された、略矩形状の薄肉部であり、図8に示すように、各プレート12e〜12hを表面からハーフエッチングすることにより形成されている。詳細には、連結部12e2はプレート12eの上面をハーフエッチングすることにより、連結部12f2はプレート12fの下面をハーフエッチングすることにより、連結部12g2はプレート12gの上面をハーフエッチングすることにより、連結部12h2はプレート12hの下面をハーフエッチングすることにより、形成されている。連結部12e2〜12h2の厚みは、例えば当該プレート12e〜12hの厚みの略1/2(略50μm)である。連結部12e2の上面とプレート12dの下面との間には、エッチング量に相当する隙間がある。連結部12h2の下面とダンパープレート12iの上面との間にも、エッチング量の相当する隙間がある。これらの隙間によって、副マニホールド流路13a内のインクの流れが阻害されないようになっている。なお、連結部12e2,12g2の上面及び連結部12f2,12h2の下面は、副マニホールド流路13aを画定する表面である。各連結部12e2〜12h2の当該表面には、図9を参照して後に詳述するように、リブ12Rが設けられている。
【0037】
図7に示すように、互いに積層された4つの細長部12e1〜12h1からなる1の細長部組12Sにおいて、各側壁から突出する連結部12e2〜12h2は、プレート12e〜12hの積層方向(プレート積層方向)に関して重ならないよう配置されている。上記各側壁からは主走査方向一端及び他端の近傍にそれぞれ4つずつ連結部12e2〜12h2が突出しているが、各端部において、当該4つ連結部12e2〜12h2は主走査方向に互いに等間隔で離隔している。
【0038】
また、1の連結部12e2〜12h2が形成されたマニホールドプレートと、当該連結部12e2〜12h2と主走査方向に隣接する連結部が形成された別のマニホールドプレートとの間に、1又は複数の他のマニホールドプレートが配置されている。例えば、図8に示すように、副マニホールド流路13a内のインクの流れ方向(矢印で示す方向)上流側から順に、連結部12g2,12e2,12h2,12f2が配置されている。連結部12g2が形成されたマニホールドプレート12gと、当該連結部12g2と主走査方向に隣接する連結部12e2が形成された別のマニホールドプレート12eとの間には、1枚のマニホールドプレート12fが配置されている。連結部12e2が形成されたマニホールドプレート12eと、当該連結部12e2と主走査方向に隣接する連結部12h2が形成された別のマニホールドプレート12hとの間には、2枚のマニホールドプレート12f,12gが配置されている。連結部12h2が形成されたマニホールドプレート12hと、当該連結部12h2と主走査方向に隣接する連結部12f2が形成された別のマニホールドプレート12fとの間には、1枚のマニホールドプレート12gが配置されている。このように、主走査方向に隣接する連結部同士のプレート積層方向に関する距離が、1のプレート12e〜12hの厚み以上となっている。
【0039】
連結部12e2〜12h2が上述の配置形態を取ることによって、細長部組12Sの主走査方向端部近傍でもインクの流れは滑らかであり、仮にインク中に異物(例えば、気泡)が混在していても異物の移動が阻害され難くなっている。
【0040】
次に、図9を参照し、各連結部12e2〜12h2に設けられたリブ12Rの構成について説明する。
【0041】
リブ12Rは、全ての連結部12e2〜12h2において、副マニホールド流路13aを画定する表面(連結部12e2,12g2では上面、連結部12f2,12h2では下面。以下、単に「表面」と称す。)に形成された、高さ略10〜20μmの凸部である(図9(b)参照)。各連結部12e2〜12h2において、リブ12Rが設けられる面が上面と下面とで異なるが、平面視におけるリブ12Rの構成は、1組の連結部12e2〜12h2間で、略同じである。即ち、図9(a)には1の連結部12e2に設けられたリブ12Rが示されているが、他の連結部12e2,12f2,12g2,12h2に設けられたリブ12Rも図9(a)に示すリブ12Rと略同じ平面構成を有する。リブ12Rは、ハーフエッチング等によって形成されてよい。また、平面視におけるリブ12Rの構成は、各細長部12e1〜12h1の各側壁において主走査方向一端及び他端にそれぞれ配置された一対の連結部において、2つの連結部の中間位置を通る副走査方向に沿った直線に関して線対称である。例えば、図6の一点鎖線で囲まれた領域IXA及び領域IXA’に含まれる連結部12e2同士は、リブ12Rの構成が直線Oに関して線対称である。
【0042】
図9(a)に示すように、連結部12e2の表面におけるリブ12Rは、平面形状の異なる3種類の部分リブ12Ra,12Rb,12Rcで構成されている。また、リブ12Rは、細長部(対向部)の側壁との接続形態によっても、3種類の部分リブで構成されている。
【0043】
部分リブ12Raは、屈曲形状を有し、副走査方向に延在する直交部12R1とその先端から傾斜した傾斜部12R2とを含む。直交部12R1の他端は、例えば、細長部12e1の側壁に接続している。傾斜部12R2は、副走査方向に対してインクの流れの下流方向(主走査方向)に略45度傾斜した直線状部分である。部分リブ12Rbは、直線形状を有し、直交部12R1のみで構成される。部分リブ12Rcは、直線形状を有し、傾斜部12R2のみで構成され、いずれの側壁にも接続していない。部分リブ12Rcは、連結部12e2の副走査方向略中央部に設けられている。いずれの部分リブ12Ra,12Rb,12Rcも独立しており、他のリブ12Rと接続していない。接続形態に関しては、細長部12e1の側壁に接続した4つの部分リブ12Ra及び1つの部分リブ12Rb、対向部12e3の側壁に接続した4つの部分リブ12Ra及び1つの部分リブ12Rb、さらにいずれにも接続しない3つの部分リブ12Rcに分類される。
【0044】
細長部12e1の側壁において、4つの部分リブ12Ra及び1つの部分リブ12Rbは、主走査方向に等間隔に配置され、側壁から副マニホールド流路の副走査方向中央に向かって延在している。対向部12e3の側壁においても、同様の形態でリブ12Rが配置されている。
【0045】
副マニホールド流路13aの副走査方向中央部は、当該中央部に向かって延びた傾斜部12R2の先端が、別の傾斜部12R2の側壁と対向する領域である。傾斜部12R2の先端は、当該傾斜部12R2と交差する方向に中央部を横切る別の傾斜部12R2と、所定の間隙を介して対向している。図9(a)に示すように、細長部12e1側から対向部12e3側に向かう1つの部分リブ12Rcの側壁に、対向部12e3側から細長部12e1側に向かう2つの部分リブ12Rcの先端が対向している。対向部12e3側から細長部12e1側に向かう1つの部分リブ12Ra(流れの一番上流側のリブ)の側壁に対して、細長部12e1側から対向部12e3側に向かう1つの部分リブ12Rc及び2つの部分リブ12Raの先端が対向している。細長部12e1側から対向部12e3側に向かう1つの部分リブ12Ra(流れの下流方向3番目のリブ)の側壁に対して、対向部12e3側から細長部12e1側に向かう3つの部分リブ12Raの先端が対向している。これにより、間隙流路12Pが形成されている。この間隙流路12Pは、各先端と側壁に挟まれた間隙を接続した流路であって、表面の中央部を1つの部分リブ12Rc及び2つの部分リブ12Raの流の上流側側壁に沿ってジグザグ状に延びて、連結部12e2の主走査方向両端を接続している。
【0046】
以上に述べたように、本実施形態に係るヘッド10によると、流路ユニット12内のインク流路が共通流路及び個別流路14を含むことにより、高密度配置された吐出口14aのそれぞれに対するインク供給の安定化を実現可能である。また、連結部12e2〜12h2の表面に直交部12R1を有するリブ12Rを設けたことで、連結部12e2〜12h2の副走査方向に関する剛性が高まり、流路ユニット12に対して副走査方向の力が加わっても、連結部12e2〜12h2が屈曲し難い。したがって、流路ユニット12について十分な強度を確保することができる。
【0047】
直交部12R1は、細長部12e1〜12h1の側壁及び対向部(図9(a)の場合、端部12e3)の側壁と接続している。このように、連結部12e2〜12h2において応力が集中し易い部分(細長部12e1〜12h1や対向部の側壁との接続部分)に直交部12R1を設けたことで、連結部12e2〜12h2の副走査方向に関する剛性がより効果的に向上する。したがって、流路ユニット12について十分な強度をより一層確実に確保することができる。
【0048】
連結部12e2〜12h2の表面に、直交部12R1と傾斜部12R2とを含む屈曲形状のリブ12Raが設けられている。傾斜部12R2を含まず直交部12R1のみを含むリブだけを設けた場合、副マニホールド流路13a内を流れるインクに混在した異物がリブ間に引っ掛かり、異物がリブ間に残留してしまうことがある。これに対し、本実施形態によれば、傾斜部12R2の傾斜に沿って異物が排出され易く、異物の残留を防止することができる。
【0049】
細長部12e1の側壁及び対向部(図9(a)の場合、端部12e3)の側壁のそれぞれから延在したリブ12Rが互いに離隔しており、当該離隔した部分に間隙流路12Pが形成されている。これにより、副マニホールド流路13a内を流れるインクに混在した異物がリブ12R間に引っ掛かっても、当該間隙流路12Pを介して異物が排出され易い。したがって、異物がリブ12R間に残留するのを効果的に抑制することができる。
【0050】
間隙流路12Pは主走査方向に沿ってジグザグ状である。これにより、連結部12e2〜12h2の表面における副走査方向中央の剛性を確保することができる。
【0051】
間隙流路12Pは、図9(a)に示すように、連結部12e2〜12h2の表面における副走査方向中央に設けられ、且つ、当該表面における主走査方向の一端と他端とを接続している。このように、連結部12e2〜12h2の表面において最も流速が大きくなる副走査方向中央に、主走査方向に沿って間隙流路12Pを設けたことにより、異物排出性をより一層向上させることができる。
【0052】
リブ12Raにおいて、傾斜部12R2が直交部12R1と接続されている。これにより、流路ユニット12の強度向上と異物排出性の向上との両方を効果的に実現可能である。
【0053】
連結部12e2,12g2においてリブ12Rが設けられる表面は、上面(吐出口14aからインクが吐出されるとき、鉛直方向上方を向いている面)である。当該表面に形成されたリブ12R間に異物が引っ掛かった場合、浮力の影響により、異物が排出され難い。しかし、リブ12Rに傾斜部12R2を設けることで、異物排出性を確保することができる。
【0054】
細長部12e1〜12h1の主走査方向の一端及び他端のそれぞれにより近接した位置において、1の副マニホールド流路13aを横切って配置された2つの連結部(例えば図6の一点鎖線で囲まれた領域IXAに含まれる連結部12e2と領域IXA’に含まれる連結部12e2)において、リブ12Rが、当該2つの連結部の中間位置を通る副走査方向に沿った直線(図6の例の場合、中心線O)に関して線対称に形成されている。この構成は、本実施形態のように1の副マニホールド流路13aの副走査方向両側から中央に向かってインクが流れる場合に有効であり、流路ユニット12の強度向上と異物排出性の向上との両方を効果的に実現可能である。
【0055】
1の連結部12e2〜12h2が形成されたマニホールドプレートと、当該連結部12e2〜12h2と主走査方向に隣接する連結部が形成された別のマニホールドプレートとの間に、1又は複数の他のマニホールドプレートが配置されている。これにより、主走査方向に隣接する連結部12e2〜12h2間に異物が滞留するのを抑制することができる。
【0056】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0057】
リブ12Rは、上述の実施形態のような構成に限定されず、例えば図10(a)〜(e)のような構成であってよい。図10(a)では、リブ12Rが、連結部12e2の表面の副走査方向中心位置を通る主走査方向に沿った直線に関して線対称に形成されている。図10(b)では、細長部12e1の側壁及び対向部(図10(b)の場合、端部12e3)の側壁のそれぞれから延在したリブ12Rのうち、図中左側から1つ目および2つ目のリブ12R同士が、互いに離隔せず、接続されている。したがって、間隙流路12Pが形成されていない。図10(c)では、傾斜部12R2が直交部12R1と接続されていない。 図10(d)では、細長部12e1の側壁のみからリブ12Rが延在しており、直交部12R1は細長部12e1の側壁のみと接続している。また、傾斜部12R2について、副走査方向に対する傾斜角度は略45度ではなく、略30度である。図10(e)では、傾斜部12R2を含まず直交部12R1のみを含むリブ12Rだけが、連結部12e2の表面に設けられている。
【0058】
リブ12Rの断面形状は、上述の実施形態では角部を有する矩形形状であるが(図9(b)参照)、角部に丸みを持たせた(角部が湾曲状の)略矩形形状であってもよく、また、全体的に湾曲形状であってもよい。湾曲状にすることで、インク(及びインク中の異物)の移動を円滑化することができる。
【0059】
連結部の表面における直交部12R1の位置は、上述の実施形態のような細長部の側壁や対向部の側壁に接続する位置(即ち、連結部と上記各側壁との境界部分)に限定されず、任意の位置(例えば当該表面における副走査方向中央)であってよい。
【0060】
傾斜部12R2の傾斜角度は特に限定されない。また、傾斜部12R2は細長部の側壁や対向部の側壁に接続してもよい。
【0061】
間隙流路12Pは、主走査方向に沿ってジグザグ状であることに限定されず、例えば図10(a)のように主走査方向に沿った直線状であってもよい。さらに、間隙流路12Pは、連結部の表面における副走査方向中央ではなく、当該表面における副走査方向端部に設けられてもよいし、また、当該表面における主走査方向の一端と他端とを接続せず、当該表面の途中部で留まってもよい。また、図10(b),(e)のように、間隙流路12Pを省略してもよい。
【0062】
連結部の表面に、直交部12R1を含むリブ12Rが、1以上設けられればよい。したがって、連結部の表面に、直交部12R1を含むリブ12Rに加えて、直交部12R1を含まないリブ(例えば図9(a)に示すリブ12Rc)が設けられてよい。
【0063】
複数の連結部において、リブ12Rの構成が異なってよい。また、複数の連結部において、リブ12Rが設けられていない連結部があってもよい。例えば上述の実施形態において、上面がハーフエッチングされた連結部12e2,12g2にのみリブ12Rを設け、下面がハーフエッチングされた連結部12f2,12h2にはリブ12Rを設けなくてもよい。
【0064】
マニホールドプレート12e〜12hに設けられる、液体流路を構成する穴は、貫通孔に限定されず、凹部でもよい。
【0065】
流路ユニットは、プレート積層構造であることに限定されない。
【0066】
本発明に係る液体吐出ヘッドは、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。さらに、本発明に係る液体吐出ヘッドは、インク以外の液体を吐出してもよい。
【0067】
記録媒体は、記録可能な媒体である限りは、用紙Pに限定されず、布等であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 インクジェット式プリンタ
10 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
12 流路ユニット
12a〜12j プレート
12e〜12h マニホールドプレート
12e1,12f1,12g1,12h1 細長部(対向部)
12e2,12f2,12g2,12h2 連結部
12e3,12f3,12g3,12h3 端部(対向部)
12P 間隙流路
12R,12Ra,12Rb,12Rc リブ
12R1 直交部
12R2 傾斜部
13a 副マニホールド流路(共通流路)
14 個別流路
14a 吐出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に長尺で且つ前記第1方向に直交する第2方向に互いに離隔して配置された複数の共通流路と、前記共通流路のそれぞれから分岐して液体を吐出する複数の吐出口に至る複数の個別流路と、を含む液体流路が形成された流路ユニットを備え、
前記流路ユニットは、
前記第2方向に互いに離隔する2つの前記共通流路の間に配置され、当該2つの共通流路の側壁を構成する、前記第1方向に長尺な細長部と、
1の前記共通流路を横切って配置され、前記細長部の側壁と当該側壁に対して前記第2方向に対向する対向部の側壁とを連結し、当該共通流路を画定する表面を有する連結部と、を含み、
前記連結部の前記表面に、前記第2方向に延在する直交部を有する1以上のリブが設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッド。
【請求項2】
前記直交部が、前記細長部及び前記対向部の少なくとも一方の側壁と接続していることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項3】
前記リブは、前記直交部と、前記第2方向に対して前記表面が画定する共通流路内における液体の流れ方向に傾斜した傾斜部とを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項4】
前記表面において、前記細長部の側壁及び前記対向部の側壁のそれぞれから、前記共通流路の前記第2方向中央に向かって、前記リブが延在し、
前記細長部の側壁から延在した前記リブと、前記対向部の側壁から延在した前記リブとが、互いに離隔していることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項5】
前記表面において、前記細長部の側壁から延在した前記リブと前記対向部の側壁から延在した前記リブとの離隔した部分によって形成される間隙流路が、前記第1方向に沿ってジグザグ状であることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項6】
前記間隙流路が、前記表面における前記第2方向の中央に設けられ、且つ、前記表面における前記第1方向の一端と他端とを接続していることを特徴とする請求項5に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項7】
前記傾斜部が前記直交部と接続されていることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項8】
前記表面は、前記吐出口から液体が吐出されるとき、鉛直方向上方を向いていることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項9】
前記細長部の前記第1方向の一端及び他端のそれぞれにより近接した位置で1の前記共通流路を横切って配置された2つの前記連結部において、前記リブが、当該2つの連結部の中間位置を通る前記第2方向に沿った直線に関して線対称に形成されていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
【請求項10】
前記流路ユニットは、互いに積層され且つそれぞれ前記液体流路を構成する穴が設けられた複数のプレートを含み、
前記連結部は、前記複数のプレートのうち前記共通流路を構成する穴が設けられた2以上のマニホールドプレートに形成されており、
1の前記連結部が形成されたマニホールドプレートと、当該連結部と前記第1方向に隣接する連結部が形成された別のマニホールドプレートとの間に、1又は複数の他のマニホールドプレートが配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−240630(P2011−240630A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115711(P2010−115711)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】