説明

液体吐出装置およびその駆動回路

【課題】 アクチュエータを十分な速さで駆動しながら、圧力室内の液体に異物が生じる不具合、電極の溶解や腐食、液体の変質といった不具合を解消できる液体吐出装置およびその駆動回路を提供する。
【解決手段】 グラウンド電位を挟んで正側電位と負側電位を有する直流電圧をアクチュエータに対する充放電用の駆動電圧とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インクジェット方式のプリンタ等に用いる液体吐出装置およびその駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式のプリンタ等に用いられる液体吐出装置いわゆるインクジェットヘッドは、液体であるインクが導かれる複数の圧力室、これら圧力室にインク導入用およびインク吐出用の圧力を加える複数の静電容量性負荷たとえば圧電素子、これら圧電素子に駆動電圧を印加するための複数の電極、上記各圧力室と対応する位置にそれぞれインク吐出用のノズルを有するノズルプレート(オリフィスプレートともいう)、このノズルプレートを保護するマスクプレートなどを備える。各圧電素子と各電極とで静電容量性のアクチュエータがそれぞれ構成される。マスクプレートは記録媒体との接触等により生じる静電気を逃がすためグラウンド接続される。
【0003】
ただし、マスクプレートがグラウンド接続されるため、圧力室内の電極とマスクプレートとの間に大きな電位差が生じる。水系のインクを使用している場合、その電位差によって圧力室内のインク中の水分が電気分解を起こし、インク中に気泡や凝縮物などの異物が生じたり、電極が溶解したり腐食することもある。異物が生じた場合は、圧力室からノズルへのインクの流れが悪くなり、最悪の場合はノズルが異物で塞がれてインクの吐出が不可能となる。電位差の影響で、インクが変質することもある。
【0004】
アクチュエータに対する駆動電圧を下げて電極とマスクプレートとの間の電位差を小さくすることも考えられるが、そうすると、アクチュエータの動きが遅くなり、インク吐出速度を十分に高めることができない、高粘度のインクを吐出できないといった不具合を生じる。対策として、電極を絶縁膜で被覆する方法が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−148604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
絶縁膜を形成する上で、絶縁膜に生じるピンホールを完全になくすことはできない。このピンホールを通して電極からインク側に電流が漏洩し、結局は上記のような電気分解を起こしてしまう。初期段階では微小の電流漏洩であっても、それが長期にわたり続いた場合には無視できない問題となる。
【0007】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、その目的は、アクチュエータを十分な速さで駆動しながら、圧力室内の液体に異物が生じる不具合、電極の溶解や腐食、液体の変質といった不具合を解消できる液体吐出装置およびその駆動回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態の液体吐出装置は、充放電により動作し圧力室に液体導入用および液体吐出用の圧力を加えるアクチュエータと、グラウンド電位を挟んで正側電位と負側電位を有する直流電圧を前記アクチュエータに対する充放電用の駆動電圧として出力する駆動回路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】各実施形態のインクジェットヘッドの全体的な構成を示す図。
【図2】図1の要部を示す図。
【図3】図1の各圧力室およびその周辺部を拡大して示す図。
【図4】図3の1つの圧力室が拡がった状態を示す図。
【図5】図4のように拡がった圧力室が定常に戻った状態を示す図。
【図6】図5のように定常に戻った圧力室が縮まった状態を示す図。
【図7】各実施形態の駆動回路の構成およびステップST0の動作を示す図。
【図8】第1の実施形態の駆動回路におけるロジック制御回路を示す図。
【図9】第1の実施形態のステップST1の動作を示す図。
【図10】第1の実施形態のステップST2の動作を示す図。
【図11】第1の実施形態のステップST3の動作を示す図。
【図12】第1の実施形態の駆動回路における各部の電圧波形を示す図。
【図13】第1の実施形態のステップST4の動作を示す図。
【図14】第2の実施形態の駆動回路におけるロジック制御回路を示す図。
【図15】第2の実施形態のステップST1の動作を示す図。
【図16】第2の実施形態のステップST2の動作を示す図。
【図17】第2の実施形態のステップST3の動作を示す図。
【図18】第2の実施形態のステップST4の動作を示す図。
【図19】第2の実施形態のステップST5の動作を示す図。
【図20】第2の実施形態のステップST6の動作を示す図。
【図21】第2の実施形態のステップST7の動作を示す図。
【図22】第2の実施形態のステップST8の動作を示す図。
【図23】第2の実施形態の駆動回路における各部の電圧波形を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1]第1の実施形態
以下、この発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。液体吐出装置であるインクジェットヘッドの全体的な構成を図1に示し、そのインクジェットヘッドのノズルプレートが外された状態を図2に示す。
【0011】
圧電部材で形成された基台1の上面の一側縁に沿う領域に、板状の圧電部材2が埋設される。この圧電部材2の端面は、基台1の側面と同一面を成す。基台1の下面の一側縁に沿う領域にも、板状の圧電部材2が埋設される。この圧電部材2の端面は、基台1の側面と同一面を成す。
【0012】
これら圧電部材2の端面および基台1の側面に、絶縁性の部材で形成されたノズルプレート(オリフィスプレートともいう)3が配置される。ノズルプレート3は、基台1の上面側の圧電部材2に沿って配列されたインク吐出用(液体吐出用)の複数のノズル4を有するとともに、基台1の下面側の圧電部材2に沿って配列された同じくインク吐出用の複数のノズル4を有する。
【0013】
基台1の上面側の圧電部材2の端面と基台1の側面とが重なり合う部分に、かつ上記各ノズル4と対応する位置に、複数の切り欠き11が形成される。これら切り欠き11から圧電部材2の上面にかけて溝状の圧力室12が形成される。これら圧力室12の相互間に存する圧電部材2および基台1により、分極方向が互いに対向する状態に且つ各圧力室12の並び方向と直交する方向に重なり合う一対の圧電素子(静電容量性負荷)が形成される。この一対の圧電素子により、各圧力室12にインク導入用(液体導入用)およびインク吐出用(液体吐出用)の圧力を加える静電容量性アクチュエータ13が構成される。これら静電容量性アクチュエータ13は、各圧力室12を隔てる壁となる。
【0014】
図3に示すように、各圧力室12の内周面、つまり各静電容量性アクチュエータ13の側面部および各圧力室12の底部に、各静電容量性アクチュエータ13に駆動電圧を印加するための電極14が装着される。そして、これら電極14と各圧力室13内のインク(液体)とが接するのを防ぐため、各電極14の表面が絶縁膜15によって被覆される。
基台1の下縁側にも、同様に、複数の圧力室12、複数の静電容量性アクチュエータ13、複数の電極14、および絶縁膜15が設けられる。
【0015】
基台1の上面側における圧電部材2の各圧力室12がカバー5で閉塞される。このカバー5上にインク流入口6が設けられ、このインク流入口6に流入するインク(液体)が上記各圧力室12に導かれる。各圧力室12内の電極14から複数の導電部材7が導出され、これら導電部材7が回路基板8に接続される。回路基板8には、各静電容量性アクチュエータ13への駆動電圧を出力する駆動回路9が搭載される。
【0016】
ノズルプレート3の周縁部に、保護用のマスクプレート10が装着される。このマスクプレート10は、金属製で、内側に開口10aを有する。図1ではマスクプレート10がノズルプレート3から離れているが、実際には、ノズルプレート3にマスクプレート10が面接触する状態で装着される。このマスクプレート10にリード線(アース線)21の一端が接続され、そのリード線21の他端が回路基板8上のグラウンドライン(導電パターン)8aに接続される。
【0017】
各静電容量性アクチュエータ13は、それぞれ静電容量C01,C12,…を有する。以下、説明を分かり易くするため、静電容量C01を有する静電容量性アクチュエータ13のことをアクチュエータC01、静電容量C12を有する静電容量性アクチュエータ13のことをアクチュエータC12という。これらアクチュエータC01,C12,…が上記駆動回路9によって充放電駆動されることにより、アクチュエータC01,C12,…が図3〜図6に示す変形と復帰を繰返す。
【0018】
図3はアクチュエータC01,C12に駆動電圧が印加されない定常状態を示している。圧力室12の両側に位置するアクチュエータC01,C12が互いに逆方向に充電されると、図4に示すように、アクチュエータC01,C12が互いに離れる方向に変形する。この変形に伴い、圧力室12が拡大し、圧力室12にインクが導入される。この後、アクチュエータC01,C12が放電されると、図5に示すように、アクチュエータC01,C12が定常状態に復帰する。この復帰に伴い、圧力室12内の圧力が高まり、圧力室12内のインクがノズル4から吐出される。その後、アクチュエータC01,C12が図4とは反対の方向に充電されることにより、図6に示すように、アクチュエータC01,C12が互いに近づく方向に変形する。そして、アクチュエータC01,C12が放電されることにより、アクチュエータC01,C12が図3の定常状態に復帰する。図6の変形および図3への復帰は、吐出によって圧力室12内のインクに生じた振動を抑えるためのダンピングである。
【0019】
上記駆動回路9の具体的な構成を図7に示す。
直流電圧Vaaたとえば10Vを出力する直流電源(第1直流電源)31と、同じく直流電圧Vaaを出力する直流電源(第2直流電源)32とが、互いに直列接続される。この直流電源31,32の相互接続点が、グラウンド接続される。直流電源31,32の直列回路の出力電圧±Vaa(=2・Vaa)が後述のアクチュエータに対する駆動電圧となる。この駆動電圧±Vaaは、グラウンド電位を挟む正側電位と負側電位の振幅(可変幅)を有し、各種インクに対応できるよう±7V〜±18V程度の範囲で任意に選定される。
【0020】
直流電圧Vccを出力する直流電源(第3直流電源)33の負側がグラウンド接続される。この直流電圧Vccは、後述するP型MOSトランジスタP00,P01,P02,…のバックゲートに対するバイアス電圧、および後述するドライバ42やバッファ43,44に対する駆動電圧となる。この直流電源Vccの値として、例えば直流電圧Vaaより高い値が選定される。上記のように、駆動電圧±Vaaが±7V〜±18V程度の可変幅で選定されるので、それに電極電位のオーバーシュートによるラッチアップの回避を見込んだ例えば24Vが適切値として選定される。
【0021】
直流電源31の正側(+Vaa)とグラウンド(±0)との間に、第1半導体素子(第1スイッチ)たとえばP型MOSトランジスタP00のソース・ドレイン間と第2半導体素子(第2スイッチ)たとえばN型MOSトランジスタN10のドレイン・ソース間との直列回路が接続される。このP型MOSトランジスタP00およびN型MOSトランジスタN10の相互接続点と直流電源32の負側(-Vaa)との間に、第3半導体素子(第3スイッチ)たとえばN型MOSトランジスタN20のドレイン・ソース間が接続される。
【0022】
P型MOSトランジスタP00のバックゲートは、直流電源33の正側(+Vcc)に接続される。N型MOSトランジスタN10,N20のそれぞれバックゲートは、直流電源32の負側(−Vaa)に接続される。P型MOSトランジスタP00およびN型MOSトランジスタN10の相互接続点が出力端子Out0となる。この出力端子Out0がアクチュエータC01の一端に接続される。
【0023】
これらP型MOSトランジスタP00およびN型MOSトランジスタN10,N20により、アクチュエータC01の一端に対する充放電用の通電路を選択的に形成するスイッチ回路(第1スイッチ回路)が構成される。P型MOSトランジスタP00がオンしてN型MOSトランジスタN10,N20がオフすると、アクチュエータC01の一端が+Vaa電位となる。P型MOSトランジスタP00およびN型MOSトランジスタN20がオフしてN型MOSトランジスタN10がオンすると、アクチュエータC01の一端がグラウンド電位(零)となる。P型MOSトランジスタP00およびN型MOSトランジスタN10がオフしてN型MOSトランジスタN20がオンすると、アクチュエータC01の一端が−Vaa電位となる。
【0024】
直流電源31の正側(+Vaa)とグラウンド(±0)との間に、第4半導体素子(第4スイッチ)たとえばP型MOSトランジスタP01のソース・ドレイン間と第5半導体素子(第5スイッチ)たとえばN型MOSトランジスタN11のドレイン・ソース間との直列回路が接続される。このP型MOSトランジスタP01およびN型MOSトランジスタN11の相互接続点と直流電源32の負側(-Vaa)との間に、第6半導体素子(第6スイッチ)たとえばN型MOSトランジスタN21のドレイン・ソース間が接続される。
【0025】
P型MOSトランジスタP01のバックゲートは、直流電源33の正側(+Vcc)に接続される。N型MOSトランジスタN11,N21のそれぞれバックゲートは、直流電源32の負側(−Vaa)に接続される。P型MOSトランジスタP01およびN型MOSトランジスタN11の相互接続点が出力端子Out1となる。この出力端子Out1がアクチュエータC01の他端に接続される。
【0026】
これらP型MOSトランジスタP01およびN型MOSトランジスタN11,N21により、アクチュエータC01の他端に対する充放電用の通電路を選択的に形成するスイッチ回路(第2スイッチ回路)が構成される。P型MOSトランジスタP01がオンしてN型MOSトランジスタN11,N21がオフすると、アクチュエータC01の他端が+Vaa電位となる。P型MOSトランジスタP01およびN型MOSトランジスタN21がオフしてN型MOSトランジスタN11がオンすると、アクチュエータC01の他端がグラウンド電位となる。P型MOSトランジスタP01およびN型MOSトランジスタN11がオフしてN型MOSトランジスタN21がオンすると、アクチュエータC01の他端が−Vaa電位となる。
【0027】
なお、P型MOSトランジスタP01は、隣りのアクチュエータC12に対する第1半導体素子としても機能する。N型MOSトランジスタN11,N21は、隣りのアクチュエータC12に対する第2半導体素子および第3半導体素子としても機能する。すなわち、P型MOSトランジスタP01およびN型MOSトランジスタN11,N21により構成されるスイッチ回路は、隣りのアクチュエータC12の一端に対する充放電用の通電路を選択的に形成するスイッチ回路(第1スイッチ回路)としても機能する。
【0028】
直流電源31の正側(+Vaa)とグラウンド(±0)との間に、第4半導体素子たとえばP型MOSトランジスタP02のソース・ドレイン間と第5半導体素子たとえばN型MOSトランジスタN12のドレイン・ソース間との直列回路が接続される。このP型MOSトランジスタP02およびN型MOSトランジスタN12の相互接続点と直流電源31の負側(−Vaa)との間に、第6半導体素子たとえばN型MOSトランジスタN22のドレイン・ソース間が接続される。
【0029】
P型MOSトランジスタP02のバックゲートは、直流電源33の正側(+Vcc)に接続される。N型MOSトランジスタN12,N22のそれぞれバックゲートは、直流電源32の負側(−Vaa)に接続される。P型MOSトランジスタP02およびN型MOSトランジスタN12の相互接続点が出力端子Out2となる。この出力端子Out2がアクチュエータC12の他端に接続される。
【0030】
これらP型MOSトランジスタP02およびN型MOSトランジスタN12,N22により、アクチュエータC12の他端に対する充放電用の通電路を選択的に形成するスイッチ回路(第2スイッチ回路)が構成される。
【0031】
なお、P型MOSトランジスタP02は、隣りのアクチュエータC23に対する第1半導体素子としても機能する。N型MOSトランジスタN12,N22は、隣りのアクチュエータC23に対する第2半導体素子および第3半導体素子としても機能する。すなわち、P型MOSトランジスタP02およびN型MOSトランジスタN12,N22により構成されるスイッチ回路は、隣りのアクチュエータC23の一端に対する充放電用の通電路を選択的に形成するスイッチ回路(第1スイッチ回路)としても機能する。
残りのアクチュエータに対しても同様のスイッチ回路が構成される。
【0032】
一方、40は主制御部で、上記各スイッチ回路に共通の制御信号WVA,WVBを出力するとともに、各スイッチ回路に個別の制御信号EN1,EN2,EN3,…を出力する。これら駆動制御信号が各スイッチ回路に対応する複数のロジック制御回路41に供給される。主制御部40および各ロジック制御回路41は、直流電圧Vddにより動作する。
【0033】
各ロジック制御回路41のうち、上記MOSトランジスタP00,N10,N20のスイッチ回路に対応するロジック制御回路41は、図8に示す多数のロジック回路からなり、制御信号WVA,WVB,EN1に応じて上記MOSトランジスタP00,N10,N20をオン,オフ駆動するための駆動制御信号DR1[0],DR1[1],DR1[2]を出力する。上記MOSトランジスタP01,N11,N21のスイッチ回路に対応するロジック制御回路41も、同様の構成により、駆動制御信号DR2[0],DR2[1],DR2[2]を出力する。上記MOSトランジスタP02,N12,N22のスイッチ回路に対応するロジック制御回路41も、同様の構成により、駆動制御信号DR3[0],DR3[1],DR3[2]を出力する。
【0034】
出力される駆動制御信号は、それぞれドライバ42およびバッファ43,44を介して、各MOSトランジスタのゲートに対するドライブ信号となる。
【0035】
この駆動回路9の動作を図7および図9〜図12に示す。また、駆動回路9における各部の電圧波形をステップST0〜ST4として図13に示す。全てのアクチュエータに対する動作を説明すると長くなるので、アクチュエータC01,C12の駆動を主として説明する。
【0036】
まず、ステップST0では、図7のように、MOSトランジスタN10,N11,N12がオンし、グラウンドを通してアクチュエータC01,C12に対する閉回路(放電路)が形成される。出力端子Out0,Out1,Out2は、グラウンド電位となる。このとき、アクチュエータC01,C12は、図3に示す定常状態である。
【0037】
ステップST1では、図9に示すように、MOSトランジスタP00,P02,N21がオンする。この場合、出力端子Out0,Out2がグラウンド電位から+Vaa電位へと上昇し、出力端子Out1がグラウンド電位から−Vaa電位へと下降する。こうして、出力端子Out0と出力端子Out1との間の電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)がアクチュエータC01に加わる。出力端子Out2と出力端子Out1との間の電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)がアクチュエータC12に加わる。これにより、アクチュエータC01,C12にそれぞれ電圧2・Vaaが充電される。
【0038】
この充電により、図4のように、アクチュエータC01,C12が互いに離れる方向に変形する。この変形に伴い、ノズル4に対応する圧力室12が拡大し、圧力室12にインクが導入される。
【0039】
ステップST2では、図10に示すように、MOSトランジスタN10,N11,N12がオンする。この場合、電圧2・Vaaが充電されたアクチュエータC01の一端が出力端子Out0およびMOSトランジスタN10を介してグラウンドに導通するとともに、そのアクチュエータC01の他端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC01に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路を通して、アクチュエータC01の充電電圧2・Vaaが放電する。同様に、隣りのアクチュエータC12の他端がMOSトランジスタN12を介してグラウンドに導通するとともに、そのアクチュエータC12の一端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通し、アクチュエータC12に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路を通して、アクチュエータC12の充電電圧2・Vaaが放電する。
【0040】
この放電により、図5に示すように、アクチュエータC01,C12が定常状態に復帰する。この復帰に伴い、圧力室12内の圧力が上昇し、圧力室12内のインクがノズル4から吐出される。
【0041】
ステップST3では、図11に示すように、MOSトランジスタP01,N20,N22がオンする。この場合、出力端子Out1が+Vaa電位となり、出力端子Out0,Out21が−Vaa電位となる。こうして、出力端子Out1と出力端子Out0との間の電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)がアクチュエータC01に加わる。出力端子Out1と出力端子Out2との間の電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)がアクチュエータC12に加わる。これにより、アクチュエータC01,C12にそれぞれ電圧2・Vaaが充電される。
【0042】
この充電により、図6のように、アクチュエータC01,C12が互いに近づく方向に変形する。
【0043】
ステップST4では、図12に示すように、ステップST0と同じくMOSトランジスタN10,N11,N12がオンする。この場合、電圧2・Vaaが充電されたアクチュエータC01の他端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通するとともに、そのアクチュエータC01の一端が出力端子Out0およびMOSトランジスタN10を介してグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC01に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路を通して、アクチュエータC01の充電電圧2・Vaaが放電する。同様に、隣りのアクチュエータC12の一端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通するとともに、そのアクチュエータC12の他端が出力端子Out2およびMOSトランジスタN12を介してグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC12に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路を通して、アクチュエータC12の充電電圧2・Vaaが放電する。
この放電により、アクチュエータC01,C12が図3に示す定常状態へと復帰する。
【0044】
ステップST3の変形およびステップST4の復帰は、吐出によって圧力室12内のインクに生じた振動を抑えるためのダンピングである。
【0045】
以上のように、グラウンド電位を挟んで正側電位+Vaaと負側電位−Vaaを有する直流電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)をアクチュエータC01,C12に対する充放電用の駆動電圧として供給することにより、電極14とマスクプレート10との間に生じる電位差を駆動電圧±Vaaの半分(=10V)に抑えることができる。すなわち、駆動電圧が正側電位のときに生じる電位差は、駆動電圧±Vaaの半分のVaa(=10V)である。駆動電圧が負側電位のときに生じる電位差も、駆動電圧±Vaa(=20V)の半分のVaa(=10V)である。
【0046】
電極14とマスクプレート10との間に生じる電位差を駆動電圧±Vaaの半分に抑えることにより、圧力室12内のインク中の水分が電気分解を起こす不具合を防止できる。電気分解の防止により、インク中に気泡や凝縮物などの異物が生じたり、電極14が溶解したり腐食するといった不具合を防ぐことができる。電位差が大きくないので、インクの変質も防止できる。ひいては、異物やインクがノズル4に詰まるといった不具合を防止できる。
【0047】
電位差を抑えるだけで、駆動電圧±Vaaの電圧幅そのものは下げないので、アクチュエータC01,C12を十分な速さで駆動できる。よって、インク吐出速度を十分に高めることが可能であり、高粘度のインクでも確実に吐出できる。
【0048】
仮に、電極14上に被覆形成される絶縁膜15にピンホールが生じた場合でも、電極14とマスクプレート10との間に生じる電位差が大きくないので、ピンホールからの漏洩電流を最小限に抑制できる。この抑制により、上記の電気分解やそれに伴う不具合が起こり難くなり、インクジェットヘッドとしての寿命が向上する。
【0049】
また、インクの吐出時および待機時(定常状態)の駆動電圧の平均値をほぼ零Vとすることができる。
【0050】
[2]第2の実施形態
駆動回路9のロジック制御回路41において、図14に示すように、遅延回路51,52およびその遅延回路51,52の出力に応動する複数のロジック回路が追加される。
他の構成は第1の実施形態と同じである。よって、その説明は省略する。
【0051】
駆動回路9の動作を図7および図15〜図22に示す。また、駆動回路9における各部の電圧波形をステップST0〜ST8として図23に示す。
【0052】
まず、ステップST0では、図7のように、MOSトランジスタN10,N11,N12がオンし、グラウンドを通してアクチュエータC01,C12に対する閉回路(放電路)が形成される。出力端子Out0,Out1,Out2は、グラウンド電位となる。このとき、アクチュエータC01,C12は、図3に示す定常状態である。
【0053】
ステップST1では、図15に示すように、MOSトランジスタN10,N12,N21がオンする。この場合、出力端子Out0,Out2がグラウンド電位(零)を維持し、出力端子Out1がグラウンド電位から−Vaa電位となる。こうして、出力端子Out0と出力端子Out1との間の電圧VaaがアクチュエータC01に加わる。出力端子Out2と出力端子Out1との間の電圧VaaがアクチュエータC12に加わる。これにより、アクチュエータC01,C12にそれぞれ電圧Vaaが充電される。
【0054】
ステップST2では、図16に示すように、MOSトランジスタP00,P02,N21がオンする。この場合、出力端子Out0,Out2がグラウンド電位から+Vaa電位に上昇し、出力端子Out1は−Vaa電位を維持する。こうして、出力端子Out0と出力端子Out1との間の電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)がアクチュエータC01に加わる。出力端子Out2の出力電圧と出力端子Out1との間の電圧+Vaa(=2・Vaa=20V)がアクチュエータC12に加わる。これにより、アクチュエータC01,C12の充電が継続し、アクチュエータC01,C12にそれぞれ電圧2・Vaaが充電される。
【0055】
このステップST1,ST2の充電により、図4のように、アクチュエータC01,C12が互いに離れる方向に変形する。この変形により、ノズル4に対応する圧力室12が拡大し、その圧力室12にインクが導入される。
【0056】
ステップST3では、図17に示すように、MOSトランジスタP00,P02,N11がオンする。この場合、電圧2・Vaaが充電されたアクチュエータC01の一端が出力端子Out0およびMOSトランジスタP00を介して直流電源31の正側(+Vaa)に導通し、そのアクチュエータC01の他端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通する。アクチュエータC01の充電電圧2・Vaaは直流電源31の直流電圧Vaaよりも高いので、アクチュエータC01の充電電荷が直流電源31に向かって放電する。同様に、電圧2・Vaaが充電されたアクチュエータC12の他端が出力端子Out2およびMOSトランジスタP02を介して直流電源31の正側(+Vaa)に導通し、そのアクチュエータC12の一端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通する。アクチュエータC12の充電電圧2・Vaaは直流電源31からの直流電圧Vaaよりも高いので、アクチュエータC12の充電電荷が直流電源31に向かって放電する。これら放電に伴い、アクチュエータC01,C12の充電電圧が2・VaaからVaaへと低下する。
【0057】
ステップST4では、図18に示すように、MOSトランジスタN10,N11,N12がオンする。この場合、充電電圧Vaaが残るアクチュエータC01の一端および他端がグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC01に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路により、アクチュエータC01の放電が継続する。同時に、充電電圧Vaaが残るアクチュエータC12の一端および他端がグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC12に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路により、アクチュエータC12の放電が継続する。これら放電の継続により、アクチュエータC01,C12の電圧がVaaから零となる。
【0058】
このステップST3,ST4の放電により、図5に示すように、アクチュエータC01,C12が定常状態に復帰する。この復帰により、圧力室12内の圧力が上昇し、圧力室12内のインクがノズル4から吐出される。
【0059】
ステップST5として、図19に示すように、MOSトランジスタN20,N11,N22がオンする。この場合、出力端子Out1がグラウンド電位となり、出力端子Out0,Out2が−Vaa電位となる。こうして、出力端子Out1と出力端子Out0との間の電圧がアクチュエータC01に加わる。出力端子Out1と出力端子Out2との間の電圧がアクチュエータC12に加わる。これにより、アクチュエータC01,C12にそれぞれ電圧Vaaが充電される。
【0060】
ステップST6として、図20に示すように、MOSトランジスタP01,N20,N22がオンする。この場合、出力端子Out1がグラウンド電位から+Vaa電位に上昇し、出力端子Out0,Out2は−Vaa電位を維持する。こうして、出力端子Out1と出力端子Out0との間の電圧2・VaaがアクチュエータC01に加わる。出力端子Out1と出力端子Out2との間の電圧2・VaaがアクチュエータC12に加わる。これにより、アクチュエータC01,C12の充電が継続し、アクチュエータC01,C12に電圧2・Vaaが充電される。
【0061】
このステップST5,ST6の充電により、図6のように、アクチュエータC01,C12が互いに近づく方向に変形する。
【0062】
ステップST7では、図21に示すように、MOSトランジスタP01,N10,N12オンする。この場合、電圧2・Vaaが充電されたアクチュエータC01の他端が出力端子Out1およびMOSトランジスタP01を介して直流電源31の正側(+Vaa)に導通し、そのアクチュエータC01の一端が出力端子Out0およびMOSトランジスタN10を介してグラウンドに導通する。これにより、アクチュエータC01の充電電荷が直流電源31に向かって放電する。同様に、電圧2・Vaaが充電されたアクチュエータC12の一端が出力端子Out1およびMOSトランジスタP01を介して直流電源31の正側(+Vaa)に導通し、そのアクチュエータC12の他端が出力端子Out2およびMOSトランジスタN12を介してグラウンドに導通する。これにより、アクチュエータC12の充電電荷が直流電源31に向かって放電する。これら放電に伴い、アクチュエータC01,C12の電圧が2・VaaからVaaへと低下する。
【0063】
ステップST8では、図22に示すように、MOSトランジスタN10,N11,N12オンする。この場合、充電電圧Vaaが残るアクチュエータC01の他端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通するとともに、そのアクチュエータC01の一端が出力端子Out0およびMOSトランジスタN10を介してグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC01に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路を通して、アクチュエータC01の放電が継続する。同様に、隣りのアクチュエータC12の一端が出力端子Out1およびMOSトランジスタN11を介してグラウンドに導通するとともに、そのアクチュエータC12の他端が出力端子Out2およびMOSトランジスタN12を介してグラウンドに導通し、グラウンドを通してアクチュエータC12に対する閉回路(放電路)が形成される。この閉回路を通して、アクチュエータC12の放電が継続する。これら放電の継続により、アクチュエータC01,C12の電圧がVaaから零となる。
【0064】
このステップST7,ST8の放電により、図3に示すように、アクチュエータC01,C12が定常状態に復帰する。
【0065】
上記ステップST5,ST6での変形およびステップST7,ST8での復帰は、吐出によって圧力室12内のインクに生じた振動を抑えるためのダンピングである。
【0066】
以上のように、グラウンド電位を挟んで正側電位+Vaaと負側電位−Vaaを有する直流電圧±Vaa(=2・Vaa=20V)をアクチュエータC01,C12に対する充放電用の駆動電圧として供給することにより、第1の実施形態と同じ効果が得られる。
【0067】
とくに、この第2の実施形態では、ステップST1,ST2で2段階の充電を行い、ステップST3,ST4で2段階の放電を行っているので、電流の消費が減り、消費電力の低減が図れる。ステップST5,ST6で2段階の充電を行い、ステップST7,ST8で2段階の放電を行っているので、ここでも電流の消費が減り、消費電力の低減が図れる。
【0068】
なお、上記各実施形態では、複数の半導体素子としてMOSトランジスタを用いたが、同様の機能を有するものであれば、MOSトランジスタに限らず他の素子を用いてもよい。
【0069】
その他、上記各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…基台、2…圧電部材、3…ノズルプレート、4…ノズル、5…カバー、6…インク流入口、7…導電部材、8…回路基板、9…駆動回路、12…圧力室、13…静電容量性アクチュエータ、14…電極、15…絶縁膜、31…直流電源(第1直流電源)、32…直流電源(第2直流電源)、33…直流電源(第3直流電源)、P00,P01,P02…P型MOSトランジスタ(第1スイッチ)、N10,N11,N12…N型MOSトランジスタ(第2スイッチ)、N20,N21,N22…N型MOSトランジスタ(第3スイッチ)、40…主制御部、41…ロジック制御回路、42…ドライバ、43,44…バッファ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電により動作し圧力室に液体導入用および液体吐出用の圧力を加えるアクチュエータと、
グラウンド電位を挟んで正側電位と負側電位を有する直流電圧を前記アクチュエータに対する充放電用の駆動電圧として出力する駆動回路と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記圧力室は、前記アクチュエータを挟んで並ぶ複数の圧力室であり、
前記アクチュエータは、分極方向が互いに対向する状態に且つ前記各圧力室の並び方向と直交する方向に重なり合う一対の圧電素子であり、前記各圧力室を隔てる、
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記アクチュエータの側面部に設けられ、そのアクチュエータに駆動電圧を印加するための電極と、
この電極と前記圧力室内の液体とが接しないようにその電極の表面を被覆した絶縁膜と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記圧力室と対応する位置に液体吐出用のノズルを有するノズルプレートと、
このノズルプレート上に設けられ、かつグラウンド接続された保護用のマスクプレートと、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記駆動回路は、
互いに直列接続され且つその相互接続点がグラウンド接続された第1直流電源および第2直流電源と、
前記第1直流電源の正側とグラウンドとの間に接続された第1スイッチおよび第2スイッチの直列回路、その第1スイッチおよび第2スイッチの相互接続点と前記第2直流電源の負側との間に接続された第3スイッチを有し、前記アクチュエータの一端に対する充放電用の通電路を選択的に形成する第1スイッチ回路と、
前記第1直流電源の正側とグラウンドとの間に接続された第4スイッチおよび第5スイッチの直列回路、その第4スイッチおよび第5スイッチの相互接続点と前記第2直流電源の負側との間に接続された第6スイッチを有し、前記アクチュエータの他端に対する充放電用の通電路を選択的に形成する第2スイッチ回路と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記駆動回路は、
互いに直列接続され且つその相互接続点がグラウンド接続された第1直流電源および第2直流電源と、
負側がグラウンド接続された第3直流電源と、
前記第1直流電源の正側とグラウンドとの間に接続された第1半導体素子および第2半導体素子の直列回路、その第1半導体素子および第2半導体素子の相互接続点と前記第2直流電源の負側との間に接続された第3半導体素子を有し、第1半導体素子のバックゲートを前記第3直流電源の正側に接続し、第2半導体素子および第3半導体素子のバックゲートを前記第2直流電源の負側に接続し、前記アクチュエータの一端に対する充放電用の通電路を選択的に形成する第1スイッチ回路と、
前記第1直流電源の正側とグラウンドとの間に接続された第4半導体素子および第5半導体素子の直列回路、その第4半導体素子および第5半導体素子の相互接続点と前記第2直流電源の負側との間に接続された第6半導体素子を有し、第4半導体素子のバックゲートを前記第3直流電源の正側に接続し、第5半導体素子および第6半導体素子のバックゲートを前記第2直流電源の負側に接続し、前記アクチュエータの他端に対する充放電用の通電路を選択的に形成する第2スイッチ回路と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液体吐出装置。
【請求項7】
充放電により動作し圧力室に液体導入用および液体吐出用の圧力を加えるアクチュエータを備えた液体吐出装置において、
グラウンド電位を挟んで正側電位と負側電位を有する直流電圧を前記アクチュエータに対する充放電用の駆動電圧として出力する液体吐出装置の駆動回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2012−125937(P2012−125937A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276838(P2010−276838)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】