説明

液体吐出装置

【課題】空白領域に形成された非画像ドットによる濃淡差を目立ちにくくする。
【解決手段】プリンタは、ヘッドと、これの動作を制御する制御装置とを含んでいる。制御装置は、吐出口からインク滴が吐出されてから次にインク滴が吐出されるまでの不吐出継続時間が所定時間以上となるか否かを吐出口ごとに判定する。そして、不吐出継続時間が所定時間以上であると判定された複数の吐出口のうちで、先にインク滴が吐出された第1時点から所定時間が経過するまでに各吐出口から用紙に向けて1回の予備吐出を行う予備吐出データを生成し、ヘッド制御部に出力する。ヘッド制御部は、この予備吐出データに基づいて、先頭区域92において、第1時点からの経過時間が短いほど非画像ドット82の数が少なくなるように、ヘッドを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出口から液体を吐出する液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、圧縮された画像データを解析し、画像が形成されない領域を示す白データが規定サイズ以上であると判定した場合には、その領域に吐出性能の回復のための予備吐出を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−255480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術においては、画像が形成されない空白領域を設定してその領域内に予備吐出をしているだけであり、その領域内に具体的にどのように予備吐出するかは指定されていない。一方、画像の形成に関わらない非画像ドットは、どの位置にどのように形成するかを適切に調整しない場合、非画像ドットの濃淡差が目立ってしまう。例えば、空白領域において、画像に近接した領域に予備吐出による非画像ドットが多く形成されると、非画像ドット形成領域と非画像ドットが形成されていない領域との境界の濃淡差が目立ってしまい、画像記録の品質を劣化させる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、空白領域に形成された非画像ドットによる濃淡差が目立ちにくくなる液体吐出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する複数の吐出口が一方向に関して等間隔に配置された液体吐出ヘッドと、前記一方向に交差する搬送方向に沿って記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して相対的に搬送する搬送機構と、前記搬送機構によって搬送される記録媒体に向けて前記吐出口から液体を吐出させて、所望の画像を構成する画像ドットを形成するように、画像データに基づいて前記液体吐出ヘッドを制御する画像ドット形成制御手段と、前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて前記吐出口から液体が吐出されてから次に前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて当該吐出口から液体が吐出されるまでの時間である不吐出継続時間が所定時間以上となるか否かを前記吐出口ごとに順次判定する判定手段と、各吐出口の前記所定時間以上となる前記不吐出継続時間のうちで先の前記吐出口から液体が吐出された時点に続く先頭区間において、前記先の時点から前記所定時間が経過するまでに当該吐出口が1回の吐出を行うという条件下で、前記先の時点からの経過時間が短いほど、当該吐出口から記録媒体に向けて液体が吐出される確率及び当該吐出口から記録媒体に向けて吐出される液体量の少なくともいずれか一方が小さくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御する非画像ドット形成制御手段とを備えている。
【0007】
これによると、画像が形成されない期間、すなわち、画像の近傍において、記録媒体の空白領域に形成された非画像ドットに対する視認性が低くなる。
【0008】
本発明において、前記非画像ドット形成制御手段は、前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて二以上の前記吐出口から吐出された液体によって記録媒体上に形成された画像の後端に隣接して、前記所定時間に対応した所定距離以上の幅で、前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて画像が形成されない帯状の空白領域が記録媒体に形成される場合に、前記画像の後端に続く前記空白領域の先頭から前記所定距離離れた位置までの分布領域のうちで前記空白領域の先頭を含む先頭区域において、前記画像の後端に近いほど記録媒体に着弾する液体量が少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することが好ましい。これにより、画像の近傍において、記録媒体の空白領域であって分布領域の先頭区域に形成された複数の非画像ドットに対する視認性がより低くなる。
【0009】
また、本発明において、前記非画像ドット形成制御手段は、前記搬送方向に沿って並ぶように前記先頭区域が分割されてなる複数の分割領域について、前記画像の後端に最も近い前記分割領域に着弾する液体量が前記複数の分割領域の中で最も少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することが好ましい。これにより、先頭区域に形成された複数の非画像ドットに対する視認性を、簡単な制御で低くできる。
【0010】
また、本発明において、前記非画像ドット形成制御手段は、前記画像の後端に最も近い前記分割領域に形成されるドットの数が前記複数の分割領域の中で最も少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することが好ましい。これにより、先頭区域に形成された複数の非画像ドットに対する視認性を、より簡単な制御でさらに低くできる。
【0011】
また、本発明において、前記非画像ドット形成制御手段は、前記画像の後端に最も近い前記分割領域に形成されるドットの径が前記複数の分割領域の中で最も小さくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することが好ましい。これにより、先頭区域に形成された複数の非画像ドットに対する視認性を、より簡単な制御で確実に低くできる。加えて、画像に最も近い分割領域において、1つの非画像ドットを構成する液体量自体が少なくなる。このため、画像ドットを形成するために液体を吐出し比較的短時間で当該分割領域に非画像ドットを形成するために液体を吐出しても、非画像ドットを構成する液体量が他の分割領域における非画像ドットを構成する液体量よりも少なくなり、非画像ドットが目立たなくなる。
【0012】
また、本発明において、前記非画像ドット形成制御手段は、各分割領域に形成される前記ドットの位置を不規則に分布させるように、乱数に基づいて、前記液体吐出ヘッドを制御することが好ましい。これにより、各分割領域における非画像ドットの位置が適切に分散し、非画像ドットに対する視認性が低くなる。
【0013】
また、本発明において、前記先頭区域の長さが前記所定距離よりも短く、前記空白領域が前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて記録媒体上に前記所定距離だけ離れて形成された2つの画像に前記搬送方向に沿って挟まれており、前記非画像ドット形成制御手段は、前記空白領域の前記先頭区域の後端の直後から、後から形成される前記画像の先頭の直前までの間において、前記先頭区域から前記後から形成される画像に近づくに連れて記録媒体に向けて液体が吐出される確率及び記録媒体に着弾する液体量の少なくともいずれか一方が少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することが好ましい。これにより、空白領域が2つの画像によって挟まれていても、画像とその近傍との濃淡差が際だつので画質も向上する。
【0014】
また、本発明において、前記先頭区間の長さが、前記所定時間に対応した所定距離に等しいことが好ましい。これにより、記録媒体の空白領域に形成された非画像ドットに対する視認性が低くなり、空白領域に形成された非画像ドットによる濃淡差が目立ちにくくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の液体吐出装置によると、画像が形成されない期間、すなわち、画像の近傍において、記録媒体の空白領域に形成された非画像ドットに対する視認性が低くなる。このため、空白領域に形成された非画像ドットによる濃淡差が目立ちにくくなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの概略平面図である。
【図2】図1に示すヘッド本体の平面図である。
【図3】図2に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図4】図3に示すIV−IV線に沿った部分断面図である。
【図5】図4に示す一点鎖線で囲まれた領域の拡大図である。
【図6】図1に示す制御装置の機能ブロック図である。
【図7】図1に示す制御装置の予備吐出データ作成部が作成する予備吐出データを説明するための図である。
【図8】図1に示す制御装置で行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態に係るインクジェットプリンタの変形例であって、予備吐出データ作成部が作成する予備吐出データを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
インクジェットプリンタ101は、用紙Pを収納・供給する給紙部、用紙Pを搬送する搬送部、用紙Pに画像を形成する画像形成部、及び、画像形成後の用紙Pを収容する排紙部が用紙搬送経路に沿って配置されている。このうち、搬送部は、図1に示すように、主に搬送ユニット20から構成される。画像形成部は、4つのインクジェットヘッド1(以下、ヘッド1と称する)及び制御装置16を含む。画像形成を行う際、搬送ユニット20により搬送される用紙Pに、ヘッド1からインクが吐出される。
【0019】
搬送ユニット20は、図1に示すように、2つのベルトローラ6、7と、両ローラ6、7間に架け渡されたエンドレスの搬送ベルト8とを有している。ベルトローラ7は、駆動ローラであって、図示しない搬送モータからの駆動力で回転する。ベルトローラ7が回転すると、搬送ベルト8が走行する。ベルトローラ6は、従動ローラであって、搬送ベルト8の走行に伴って回転する。搬送ベルト8の表面8aに載置された用紙Pは、図1中上方から下方へと搬送される。なお、本実施形態において、副走査方向とは搬送ユニット20による用紙Pの搬送方向と平行な方向であり、主走査方向とは副走査方向と直交する方向であって、水平面に沿った方向である。
【0020】
4つのヘッド1は、それぞれ主走査方向に沿って延在したライン式のヘッドであり、用紙Pにブラック、マゼンタ、シアン、イエローのインク滴をそれぞれ吐出する。これらヘッド1は、互いに平行且つ副走査方向に隣接配置されている。各ヘッド1は、ヘッド本体2を有している(図2参照)。ヘッド本体2の下面は、複数の吐出口108が開口する吐出面2aである(図4参照)。
【0021】
次に、制御装置16について説明する。制御装置16は、プリンタ101各部の動作を制御してプリンタ101全体の動作を司る。制御装置16は、例えば、外部装置(プリンタ101と接続されたPC等)から供給された画像データに基づいて、画像形成動作を制御する。具体的には、制御装置16は、用紙Pの搬送動作、用紙Pの搬送に同期したインク吐出動作等を制御する。制御装置1pはまた、ヘッド1のインク吐出特性の回復を行う予備吐出動作を制御する。予備吐出動作のより詳細については、後述する。
【0022】
制御装置16は、外部装置から受信した記録指令に基づいて、給紙ユニット(不図示)、搬送ユニット20、及び、排紙ユニット(不図示)の各動作を制御する。給紙ユニットは、給紙部から用紙Pを搬送ユニット20に送り出す。搬送ユニット20は、用紙Pを副走査方向(用紙Pの搬送方向)に搬送する。用紙Pが各ヘッド1の真下を通過する際に、制御装置16の制御により、各吐出面2aから順次インクが吐出され、用紙P上にカラー画像が形成される。インクの吐出動作は、用紙センサ32からの検知信号に基づいて行われる。なお、用紙センサ32は、ヘッド1よりも搬送方向の上流に設けられており、用紙Pの先端を検知する。そして、画像が形成された用紙Pは、排紙ユニットによって排紙部に排出される。
【0023】
次に、図2〜図5を参照しつつヘッド1のヘッド本体2について詳細に説明する。図3では説明の都合上、アクチュエータユニット21の下方にあって破線で描くべき圧力室110、アパーチャ112及び吐出口108を実線で描いている。
【0024】
ヘッド本体2は、図2に示すように、流路ユニット9の上面に4つのアクチュエータユニット21が固定された積層体である。アクチュエータユニット21は、各圧力室110に対応した複数のユニモルフ型のアクチュエータを含んでおり、圧力室110内のインクに選択的に吐出エネルギーを付与する。なお、図示はしないが、ヘッド1は、流路ユニット9に供給されるインクを貯留するリザーバユニット、アクチュエータユニット21に駆動信号を供給するフレキシブルプリント配線基板(Flexible Printed Circuit:FPC)、FPCに実装されたドライバICを制御する制御基板等を含んでいる。
【0025】
流路ユニット9は、図4に示すように、ステンレス製の9枚の金属プレート122〜130を積層した積層体である。流路ユニット9の上面には、図2に示すように、リザーバユニットに連通する計10個のインク供給口105bが開口している。流路ユニット9の内部には、図2〜図4に示すように、インク供給口105bを一端とするマニホールド流路105、及び、マニホールド流路105から分岐した複数の副マニホールド流路105aが形成されている。さらに、流路ユニット9の内部には、各副マニホールド流路105aの出口から圧力室110を経て吐出面2aの吐出口108に至る複数の個別インク流路132が形成されている。吐出面2aに形成された多数の吐出口108は、マトリクス状に配置されており、主走査方向に関して主走査方向解像度である600dpiの間隔で配列されている。
【0026】
流路ユニット9におけるインクの流れについて説明する。図2〜図4に示すように、リザーバユニットからインク供給口105bに供給されたインクは、マニホールド流路105(副マニホールド流路105a)に流入する。副マニホールド流路105a内のインクは、各個別インク流路132に分配され、アパーチャ112及び圧力室110を経て吐出口108に至る。
【0027】
次に、アクチュエータユニット21について説明する。図2に示すように、4つのアクチュエータユニット21は、それぞれ台形の平面形状を有しており、インク供給口105bを避けるよう主走査方向に千鳥状に配置されている。さらに、各アクチュエータユニット21の平行対向辺は主走査方向に沿っており、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士は副走査方向に沿って重なっている。
【0028】
図5に示すように、アクチュエータユニット21は、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系セラミックス製の3枚の圧電層161〜163から構成されたピエゾ式アクチュエータである。最上層の圧電層161は、その厚み方向に分極されている。また、圧電層161の上面には、複数の個別電極135が形成されている。個別電極135は、圧力室110と対向している。個別電極135の先端には、個別ランド136が設けられている。圧電層161とその下側の圧電層162との間には、シート全面に形成された共通電極134が介在している。なお、共通電極134には、すべての圧力室110に対応する領域において等しくグランド電位が付与されている。一方、個別電極135には、個別ランド136を介して駆動信号が選択的に供給される。
【0029】
個別電極135を共通電極134と異なる電位にすると、個別電極135と圧力室110とで挟まれた部分が、圧力室110に対して変形する。このように個別電極135に対応した部分が、個別のアクチュエータとして働く。つまり、アクチュエータユニット21には、圧力室110の数に対応した複数のアクチュエータが作り込まれている。
【0030】
ここで、アクチュエータユニット21の駆動方法について述べる。アクチュエータユニット21は、圧力室110から離れた上側1枚の圧電層161を駆動活性部が含まれる層とし、且つ圧力室110に近い下側2枚の圧電層162、163を非活性層とした、いわゆるユニモルフタイプのアクチュエータである。例えば、分極方向と電界の印加方向とが同じであれば、駆動活性部(両電極134,135に挟まれた部分)は、分極方向に直交する方向(平面方向)に縮む。このとき、電界印加部分(駆動活性部)と下方の圧電層162、163との間では、平面方向への歪みに差が生じるので、圧電層161〜163全体(個別のアクチュエータ)が圧力室110側へ凸に変形(ユニモルフ変形)する。これにより圧力室110内のインクに圧力(吐出エネルギー)が付与され、吐出口108からインク滴が吐出される。
【0031】
なお、本実施形態においては、予め個別電極135に所定の電位を付与しておき、吐出要求があるごとに一旦個別電極135をグランド電位にした後、所定のタイミングで再び個別電極135に所定の電位を付与するような駆動信号が供給される。個別電極135がグランド電位となるタイミングでは、圧電層161〜163が元の状態に戻り、圧力室110の容積が初期状態(予め電圧が印加された状態)と比較して増加するので、副マニホールド流路105aから個別インク流路132へとインクが吸い込まれる。また、再び個別電極135に所定の電位が付与されたタイミングでは、圧電層161〜163において電界印加部分と対向する部分が圧力室110側に凸となるように変形し、圧力室110の容積が低下(インクの圧力が上昇)するので、吐出口108からインク滴が吐出される。
【0032】
次に、図6を参照しつつ、制御装置16について説明する。制御装置16は、CPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行するプログラム及びこれらプログラムに使用されるデータを書き替え可能に記憶するROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)とを含んでいる。制御装置16を構成する各機能部は、これらハードウェアとROM内のソフトウェアとが協働して構築されている。図6に示すように、制御装置16は、搬送制御部141と、画像データ記憶部142と、データ書込部143と、ヘッド制御部144と、予備吐出データ作成部150と、判定部155とを有している。
【0033】
搬送制御部141は、用紙Pが搬送方向に沿って所定の速度で搬送されるように、給紙ユニット、搬送ユニット20、及び、排紙ユニットの各動作を制御する。
【0034】
ヘッド制御部144は、各ヘッド1のアクチュエータユニット21に含まれる各アクチュエータの駆動を制御する。ヘッド制御部144は、書き込まれたデータをアクチュエータの駆動データとして記憶する駆動データ記憶部145と、アクチュエータを駆動する駆動信号を各アクチュエータに出力する駆動部146とを有している。駆動部146には、駆動データに基づいて増幅された駆動信号を生成するドライバICが含まれる。ヘッド制御部144は、用紙センサ32の出力に基づいて、用紙Pの搬送と同期したタイミングで駆動信号を出力する。
【0035】
画像データ記憶部142は、外部装置から転送された画像データを記憶する。画像データは、各吐出口108について、色毎のドットサイズ(ゼロ、小、中、大の4段階のいずれか)やドット形成位置等を複数の印字周期にわたって示すものである。なお、1印字周期は、ヘッド1と用紙Pとが用紙の搬送方向における印刷の解像度に対応した単位距離だけ相対移動するのに要する時間である。また、本実施形態では、ドットサイズの大、中、小は、吐出総量15pl、10pl、5plのインクでそれぞれ形成される。
【0036】
データ書込部143は、画像データ記憶部142に記憶された画像データを、ヘッド制御部144の駆動データ記憶部145に書き込む。これにより、ヘッド制御部144は、画像データに基づいて、各アクチュエータの駆動を選択的に制御可能となる。すなわち、ヘッド制御部144及びデータ書込部143は、用紙Pに画像80(図7参照)を構成する複数の画像ドット81(図7参照)を形成する画像ドット形成制御手段を構成している。
【0037】
判定部155は、画像データ記憶部142に記憶された画像データに基づいて、吐出口108からインク滴が吐出されてから次にインク滴が吐出されるまでの不吐出継続時間を算出し、当該時間が所定時間以上となるか否かを吐出口108ごとに判定する。ここでいう所定時間とは、画像形成において、吐出口108からのインクの吐出に対してインク増粘の影響が出ない時間である。インクが増粘すると、吐出されるインク滴量が減少したり、インク滴の着弾位置が変化しだす。所定時間は、このような変化(画質の低下)が殆ど認識されない最長時間に相当する。一方、所定時間以上になると、吐出特性が不安定となり、このような影響が画質面で顕在化する。
【0038】
予備吐出データ作成部150は、領域分割部151と、乱数発生部152と、予備吐出領域決定部153とを有し、各部151〜153の協働により予備吐出データを生成する。予備吐出データは、不吐出継続時間が所定時間以上であると判定された吐出口108毎に生成され、第1時点(不吐出継続時間を画定する時間的に先の時点であり、先のインク吐出動作における最後のインク吐出を行った時点)から起算した所定時間内で、該当する吐出口108から1回の予備吐出を指示する。1回の予備吐出で、約3plのインクが用紙Pに向けて吐出される。予備吐出データ作成部150は、この予備吐出データを駆動データ記憶部145に出力する。これにより、ヘッド制御部144は、予備吐出データに基づいて、各アクチュエータの駆動を制御可能となる。すなわち、ヘッド制御部144及び予備吐出データ作成部150は、協働して非画像ドット作成制御手段を構成し、用紙Pに画像ドット81とは異なる非画像ドット82(図7参照)を形成する。非画像ドット82は、上述のように、用紙Pにおける画像ドット81が形成されない空白領域90(図7参照)のうち、搬送方向に関して所定時間で規定される領域内に形成される。非画像ドット82の分布し得る領域が、分布領域91である。第1時点から所定時間経過後を第2時点とすると、分布領域91の搬送方向上流端は第1時点で規定され、下流端は第2時点で規定される。なお、ここでいう1回の予備吐出とは、1印字周期中に行われる予備吐出(1つの非画像ドットの形成)をいい、例えば、1印字周期中に複数滴のインクが連続して吐出口108から吐出されるものも含む。
【0039】
領域分割部151は、判定部155によって不吐出継続時間が所定時間以上であると判定された吐出口108において、分布領域91内の先頭を含む搬送方向上流側の区域(先頭区域92)を分割する(図7参照)。
【0040】
図7には、12個の吐出口108に係わる分布領域91が、例示されている。ここでは、第1時点において、一斉に画像ドット81が形成されて、主走査方向に延びた直線が構成されている。これらの吐出口108に対応する分布領域91は、画像ドット81(即ち、先の吐出による画像80の後端)から搬送方向に延びる帯状領域となる。本実施形態では、分布領域91は先頭区域92でもある。これに対して、領域分割部151は、先頭区域92を搬送方向に沿って、3つの分割領域93a〜93cに分割する。各分割領域93a〜93cの搬送方向の距離は、どれも等しい。なお、先頭区域92の分割数は、2つでもよいし、4以上であってもよい。
【0041】
乱数生成部152は、各分割領域93a〜93cに対応して乱数を生成する。生成された乱数の情報は、予備吐出領域決定部153に出力され、非画像ドット82の配置位置の設定に用いられる。
【0042】
予備吐出領域決定部153は、非画像ドット82の形成領域の選定と、その領域内での配置位置の設定を行い、各吐出口108における予備吐出タイミングを決定する。形成領域の選定では、不吐出継続時間が所定時間以上と判定された各吐出口108毎に、3つの分割領域92a〜93cから1つが選定される。このとき、予備吐出領域決定部153は、先頭区域92において、画像80の後端(第1時点における画像ドット81)に近づくに連れて(第1時点からの経過時間が短いほど)非画像ドット82(図7参照)の数が少なくなるように、吐出口108の割り当て先(分割領域93)を選定する。具体的には、図7に示すように、予備吐出領域決定部153は、2つの吐出口108に分割領域93aを割り当て、4つの吐出口108に分割領域93bを割り当て、残りの6つの吐出口108に分割領域93cを割り当てる。このとき、各領域での非画像ドット82の分布確率は、分割領域93aで1/6、分割領域93bで2/6、分割領域93cで3/6となる。このように、予備吐出領域決定部153は、3つの分割領域93a〜93cに対して予め設定された確率で、非画像ドット82の形成領域を選定する。
【0043】
このように、非画像ドット82が形成される確率が、画像80に近づくに連れて小さくなる。分割領域93aに形成される非画像ドット82の数が、最も少ない。本実施形態における非画像ドット82のドット径は、いずれも同じであるため、分割領域93aに着弾するインク量が最も少なくなる。さらに、配置位置の決定では、予備吐出領域決定部153は、乱数生成部152から与えられた乱数に基づいて、分割領域93における非画像ドット82の配置位置を設定する。各非画像ドット82は、ランダムに分散配置されることになる。以上の形成領域の選定および配置位置の設定により、第1時点を起点とする非画像ドット82の形成タイミングが決定される。このようにして予備吐出データが生成され、駆動データ記憶部145に出力される。これにより、図7に示すように、各分割領域93内で非画像ドット82が適切に分散され、当該非画像ドット82が目立ちにくくなる。
【0044】
以上、第1時点において、複数の画像ドット81が副走査方向に並んで形成される場合について、非画像ドット82の形成タイミングの決定方法を説明したが、この方法に従えば、任意の配置形態で画像ドット81が形成される場合にも当然ながら適用可能である。
【0045】
続いて、図8を参照しつつ、制御装置16で行われる画像形成動作の処理手順の一例について説明する。なお、この処理手順の前に外部から画像データ記憶部142への画像データの記憶が行われ、その後、図8の処理が開始される。
【0046】
まず、データ書込部143により、画像データ記憶部142に記憶された画像データが、駆動データ記憶部145に書き込まれる(ステップS1)。次いで、判定部155により、画像データ記憶部142に記憶された画像データに基づいて、1つの吐出口108について不吐出継続時間の算出が行われる(ステップS2)。
【0047】
続くステップS3では、ステップS2で算出された不吐出継続時間が、所定時間以上であるか否かが判定される。不吐出継続時間が所定時間未満の場合はステップS5に進み、所定時間以上の場合はステップS4に進む。
【0048】
ステップS4においては、予備吐出データ作成部150が、不吐出継続時間が所定時間以上であると判定された吐出口108に関して、上述した予備吐出データを生成し、駆動データ記憶部145に出力する。この後、ステップS5に移動する。
【0049】
ステップS5では、予備吐出データの生成対象である次の吐出口108があるか否かが判定される。次の吐出口108があれば(ステップS5:YES)、ステップS2に戻る。全ての吐出口108について、不吐出継続時間に対応した予備吐出データが順に生成され、駆動データ記憶部145に記憶されていく。次の吐出口108がなければ(ステップS5:NO)、ステップS6に移動する。
【0050】
ステップS6では、駆動データ記憶部145に記憶された駆動データに基づいて、駆動部146が各ヘッド1のアクチュエータの駆動を制御する。このときの駆動データが、画像データだけに基づく場合は、用紙Pに画像ドット81のみが形成される。一方、駆動データが、画像データ及び予備吐出データに基づく場合は、用紙Pに画像データに基づいた画像ドット81が形成されると共に、空白領域90に画像ドット81に対応した非画像ドット82が形成される。
【0051】
例えば、画像データにおいて、図7に示すように、ある時点(第1時点)で、副走査方向に12個の画像ドット81が直線状に並んで形成され、その後、主走査方向には、所定時間以上の時間を挟んで、次の画像ドット81が形成されることが指示されているとする。この場合、上述のようにして生成された駆動データに従って、まず第1時点に副走査方向に延びる直線状画像80(画像ドット81の列)が形成される。さらに、この直線に続いて、搬送方向に延びる帯状の空白領域90が形成される。この空白領域90には、分布領域91が含まれており、ここに非画像ドット82が形成される。このとき、直線の形成に係わる吐出口108毎に、分布領域91内に所定の分布確率で、非画像ドット82が1つ形成される。こうして、用紙Pに画像が形成されて画像形成動作が終了する。
【0052】
以上に述べたように、本実施形態によるプリンタ1によると、画像が形成されない期間、すなわち、用紙Pの空白領域90(分布領域91であって先頭区域92)に形成された非画像ドット82は、第1時点(すなわち、画像80の後端)からの経過時間が短いほど形成される確率が小さい。つまり、非画像ドット82の数が、分割領域93aから分割領域93cへと順に多くなる。また、非画像ドット82のインク滴のサイズがどれも同じであるため、第1時点から経過時間が短い領域ほど、用紙Pに吐出されるインク量も少なくなる。さらに、非画像ドット82は、乱数によって分散配置されるので、その視認性は低い。すると、画像の近接領域に多くの非画像ドットが形成されている場合と比べて、画像とその近傍の濃淡差を損なうことなく、非画像ドット82が低い視認性を保って用紙P上に形成される。
【0053】
また、予備吐出データ作成部150は、画像80の後端に続く先頭区域92において、画像80の後端に近いほど用紙Pに着弾する非画像ドット82の数が少なくなる(インク量が少なくなる)ような、予備吐出データを生成する。分割領域93aにおいて、着弾する非画像ドット82の数が最も少なくなる(インク量が最も少なくなる)。分布領域91内では、非画像ドット82がランダムに分散する。これにより、先頭区域92に形成された複数の非画像ドット82に対する視認性が、簡単な制御で低くなる(つまり、複数の非画像ドット82による濃淡差が目立ちにくくなる)。
【0054】
変形例として、予備吐出領域決定部153は、各吐出口108からの予備吐出タイミングを決定するだけでなく、予備吐出のインク滴のサイズを領域ごとに変更してよい。この場合、予備吐出領域決定部153は、画像80の後端に近づくに連れて非画像ドット82の径が小さくなるように、インク滴のサイズを決定する。なお、分割領域93における非画像ドット82の数は上述と同じであるため、分割領域93aに着弾するインク量が最も少なくなる。これにおいても、上述の実施形態と同様な効果を得ることができる。さらに、先頭区域92に形成された複数の非画像ドット82に対する視認性が、より簡単な制御で低くなる。また、画像80に最も近い分割領域93aにおいて、1つの非画像ドット82を構成するインク量自体が少なくなる。このため、画像80とその近傍の濃淡差は、逆に際だつことになる。
【0055】
別の変形例として、先頭区域92の長さが所定距離よりも短く、例えば、2つの分割領域93a,93bに対応する場合、予備吐出領域決定部153は、非画像ドット82の数及びドットサイズを調整して、画像と隣接する分割領域93aへの着弾インク量をより少なくする。これに加えて、予備吐出領域決定部153は、分割領域93bより分割領域93cへの着弾インク量を少なくする。このとき、予備吐出領域決定部153は、分割領域93cに関して、非画像ドット82の数及びドットサイズの少なくともいずれかを小さくすればよい。これにおいても、2つの分割領域93a,93bでは、画像80の後端に近づくに連れて、非画像ドット82の形成される確率が小さくなり、用紙Pに吐出されるインク量が少なくなる。このため、上述と同様な効果を得ることができる。また、このとき、分割領域93aに着弾するインク量が分割領域93bよりも少なければ、例えば、分割領域93aの非画像ドット82の数が分割領域93bよりも多くてもよい。この場合、分割領域93aの非画像ドット82は、インク滴サイズが分割領域93bにおけるよりも小さくなる。この場合においても上述と同様な効果を得ることができる。
【0056】
また、別の変形例として、図9に示すように、空白領域90が、ちょうど所定距離だけ離れた2つの画像80、83に挟まれている。そして、先頭区域92が、所定距離よりも短い形態である。先頭区域92の後端から画像83の直前にかけて、後方区域94が続く。この場合、予備吐出データ作成部150が、後方区域94において、数及びドットサイズの少なくともいずれかを調整して、先頭区域92から画像83に近づくに連れて非画像ドット82の総インク量が少なくなるような予備吐出データも生成する。本実施形態においては、先頭区域92と後方区域94とが搬送方向に関して同じ長さであるが、異なっていてもよい。
【0057】
例えば、図9に示すように、領域分割部151が、先頭区域92に加えて、後方区域94においても3つの分割領域95a,95b,95cに分割する。なお、分割領域95a〜95cは、搬送方向に関する長さが等しい。
【0058】
予備吐出領域決定部153は、この空白領域90に係る吐出口108から、どの分割領域93a〜93c、95a〜95cに1回の予備吐出を行うかを決定する。このとき、予備吐出領域決定部153は、先頭区域92においては画像80の後端に近づくに連れて非画像ドット82の数が少なくなるように、後方区域94においては画像83に近づくに連れて非画像ドット82の数が少なくなるように、吐出口108に分割領域93,95を割り当てる。具体的には、本変形例の予備吐出領域決定部153は、分割領域93a,95aをそれぞれ1つの吐出口108に割り当て、分割領域93b,95bをそれぞれ2つの吐出口108に割り当て、分割領域93c,95cをそれぞれ3つの吐出口108に割り当てる。もちろん、予備吐出領域決定部153は、各領域において、乱数に基づく非画像ドット82の配置位置の設定を行う。つまり、吐出口108から先頭区域92及び後方区域94にインク滴が吐出される確率が、画像80,83に近づくに連れて小さくなる。このとき、分割領域93a,95aに形成される非画像ドット82の総インク量が他の分割領域93b,93c,95b,95cに比して少なくなる。
【0059】
このように、空白領域90が2つの画像80,83に挟まれていても、非画像ドット82は、各画像80,83に近づくに連れて形成される確率が小さい。つまり、非画像ドット82の数が、各画像80,83に近づくに連れて少なくなる。このとき、非画像ドット82のサイズがどれも同じであるため、各画像80,83に近づくに連れて、用紙Pへの着弾インク量も少なくなる。このように、非画像ドット82がランダムに分散配置されるとともに、非画像ドット82の密度の高い領域が、低い領域よりも画像80,83から離れることになる。このため、全体として非画像ドット82に対する低い視認性を保ったまま、画像80、83とその近傍の濃淡差を高くできる。つまり、高い画質が得られる。
【0060】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態における予備吐出領域決定部153は、2以上の吐出口108から同じ分割領域93に予備吐出を行う場合は、乱数に基づいて、同一領域内での予備吐出タイミングをずらしているが、予め設定された分散パターンで予備吐出がなされても良い。分散パターンは、仮想の基本領域における非画像ドットの配置パターンである。基本領域は、搬送方向に分割領域と同じ幅を有し、主走査方向には、複数の非画像ドットが重なることなく等間隔で配置されている。基本領域内では、非画像ドットは、ランダムに予め設定された形態で配置されている。予備吐出領域決定部153は、選定された分割領域へ非画像ドットを配置する際に、分散パターンにおける非画像ドットを主走査方向に順に参照して、実際の配置位置として設定していく。
【0061】
本発明は、ライン式・シリアル式のいずれにも適用可能であり、また、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能であり、さらに、インク以外の液体を吐出させることで記録を行う液体吐出装置にも適用可能である。記録媒体は、用紙Pに限定されず、記録可能な様々な媒体であってよい。さらに、本発明は、液体の吐出方式にかかわらず適用できる。例えば、本実施の形態では、圧電素子を用いたが、抵抗加熱方式でも、静電容量方式でもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)
16 制御装置
20 搬送ユニット(搬送機構)
80,83 画像
81,84 画像ドット
82 非画像ドット
90 空白領域
91 分布領域
92 先頭区域
101 インクジェットプリンタ(液体吐出装置)
108 吐出口
143 データ書込部
144 ヘッド制御部
150 予備吐出データ作成部
155 判定部(判定手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する複数の吐出口が一方向に関して等間隔に配置された液体吐出ヘッドと、
前記一方向に交差する搬送方向に沿って記録媒体を前記液体吐出ヘッドに対して相対的に搬送する搬送機構と、
前記搬送機構によって搬送される記録媒体に向けて前記吐出口から液体を吐出させて、所望の画像を構成する画像ドットを形成するように、画像データに基づいて前記液体吐出ヘッドを制御する画像ドット形成制御手段と、
前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて前記吐出口から液体が吐出されてから次に前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて当該吐出口から液体が吐出されるまでの時間である不吐出継続時間が所定時間以上となるか否かを前記吐出口ごとに順次判定する判定手段と、
各吐出口の前記所定時間以上となる前記不吐出継続時間のうちで先の前記吐出口から液体が吐出された時点に続く先頭区間において、前記先の時点から前記所定時間が経過するまでに当該吐出口が1回の吐出を行うという条件下で、前記先の時点からの経過時間が短いほど、当該吐出口から記録媒体に向けて液体が吐出される確率及び当該吐出口から記録媒体に向けて吐出される液体量の少なくともいずれか一方が小さくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御する非画像ドット形成制御手段とを備えていることを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記非画像ドット形成制御手段は、
前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて二以上の前記吐出口から吐出された液体によって記録媒体上に形成された画像の後端に隣接して、前記所定時間に対応した所定距離以上の幅で、前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて画像が形成されない帯状の空白領域が記録媒体に形成される場合に、
前記画像の後端に続く前記空白領域の先頭から前記所定距離離れた位置までの分布領域のうちで前記空白領域の先頭を含む先頭区域において、前記画像の後端に近いほど記録媒体に着弾する液体量が少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
前記非画像ドット形成制御手段は、前記搬送方向に沿って並ぶように前記先頭区域が分割されてなる複数の分割領域について、前記画像の後端に最も近い前記分割領域に着弾する液体量が前記複数の分割領域の中で最も少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出装置。
【請求項4】
前記非画像ドット形成制御手段は、前記画像の後端に最も近い前記分割領域に形成されるドットの数が前記複数の分割領域の中で最も少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項5】
前記非画像ドット形成制御手段は、前記画像の後端に最も近い前記分割領域に形成されるドットの径が前記複数の分割領域の中で最も小さくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
【請求項6】
前記非画像ドット形成制御手段は、各分割領域に形成される前記ドットの位置を不規則に分布させるように、乱数に基づいて、前記液体吐出ヘッドを制御することを特徴とする請求項4又は5に記載の液体吐出装置。
【請求項7】
前記先頭区域の長さが前記所定距離よりも短く、前記空白領域が前記画像ドット形成制御手段の制御に基づいて記録媒体上に前記所定距離だけ離れて形成された2つの画像に前記搬送方向に沿って挟まれており、
前記非画像ドット形成制御手段は、前記空白領域の前記先頭区域の後端の直後から、後から形成される前記画像の先頭の直前までの間において、前記先頭区域から前記後から形成される画像に近づくに連れて記録媒体に向けて液体が吐出される確率及び記録媒体に着弾する液体量の少なくともいずれか一方が少なくなるように、前記液体吐出ヘッドを制御することを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
【請求項8】
前記先頭区間の長さが、前記所定時間に対応した所定距離に等しいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。


















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−192561(P2012−192561A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56864(P2011−56864)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】