液体噴射システム、液体噴射装着及び液体収容容器
【課題】回路基板とコネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム、液体噴射装着及び液体収容容器を提供する。
【解決手段】液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体を収容する液体収容容器本体91と、液体収容容器本体91を着脱自在に装着する容器ホルダーと、容器ホルダーに液体収容容器本体91の装着方向に沿う側面に固定された第1回路基板100と、装着方向に平行な容器ホルダーの側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子121と、液体収容容器本体91における装着方向の下流側に設けられるとともに、容器ホルダーに液体収容容器本体91を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させる移動部材95と、を備える。
【解決手段】液体を噴射する液体噴射ヘッドと、液体を収容する液体収容容器本体91と、液体収容容器本体91を着脱自在に装着する容器ホルダーと、容器ホルダーに液体収容容器本体91の装着方向に沿う側面に固定された第1回路基板100と、装着方向に平行な容器ホルダーの側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子121と、液体収容容器本体91における装着方向の下流側に設けられるとともに、容器ホルダーに液体収容容器本体91を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させる移動部材95と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射システム、液体噴射装着及び液体収容容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体噴射システムの一種としてインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という)がある。このプリンターは、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッド(以下、「ヘッド」という)の複数のノズルからプラテン上に配置された記録媒体にインク(液体)を噴射することで印刷を行っている。
【0003】
このようなプリンターにあっては、複数のインクカートリッジが着脱可能となるようにカートリッジホルダーに支持され、ヘッドに対して各色のインクが供給されるように構成されている。また、各インクカートリッジに収容されたインクの種類、インクの色、インクの残量等の情報を、インクカートリッジ側に持たせ、プリンター本体との間で前記情報の授受を行うことにより、印刷動作の管理がなされている。
【0004】
このために、インクカートリッジ側には、前記情報が格納可能な半導体記憶手段を搭載した回路基板が備えられる。そして、インクカートリッジをカートリッジホルダーに装着した場合において、各インクカートリッジとプリンター本体が電気的に接続され、前記情報の授受がなされるように構成されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、インクカートリッジ側に搭載された回路基板の取付部において、インクカートリッジをカートリッジホルダーに装着する方向の下流側に回路基板の表面方向に突出する突起部が形成されている。これにより、回路基板の端部がカートリッジホルダー内に配置されたコネクタ端子と直接的に接触することを回避し、回路基板の端部が欠ける等して損傷してしまうことを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−152297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、回路基板とコネクタ端子とが摺接しながら接続される際に、摺接経路に塵埃があった場合、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれるおそれがある。すると、回路基板とコネクタ端子との接触が不十分となり、回路基板に搭載された半導体記憶手段とのデータの授受が不能となる。これにより、プリンターの正常な印刷動作を不可能にするなどの問題が発生してしまう。
また、回路基板の取付部において突起部が形成されている場合、回路基板がコネクタ端子と摺接接続されると、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受ける。このため、例えば突起部が樹脂材料により形成されていると、素材が掻き取られる作用を受け、樹脂素材が粉状の塵埃となってコネクタ端子に付着し、上述した問題が発生してしまう。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、回路基板とコネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム、液体噴射装着及び液体収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の液体噴射システムは、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体を収容する液体収容容器本体と、前記液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、前記液体収容容器本体の装着方向に沿う側面に固定された第1回路基板と、前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子と、前記液体収容容器本体における前記装着方向の下流側に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この液体噴射システムによれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、移動部材の装着方向への移動により第1コネクタ端子を第1回路基板から離間した位置から第1回路基板に接触する位置まで移動させるので、第1コネクタ端子が第1回路基板と接触するまでの間、第1コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。このため、従来のように摺接経路に塵埃がある場合でも、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれることがない。また、回路基板の取付部に突起部が形成されている場合でも、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受け、突起部の素材が掻き取られる作用を受けることもない。したがって、第1回路基板と第1コネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システムが提供できる。
【0011】
また、上記液体噴射システムにおいて、前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1回路基板と接触する面が前記装着方向に対して傾いた状態から前記装着方向に平行な状態に回転動作してもよい。
【0012】
この液体噴射システムによれば、第1コネクタ端子の回転機構を容器ホルダー内部に収容することが容易となる。具体的には、第1コネクタ端子が回転動作しない場合(例えば、スライド移動させる構造)に比べて第1コネクタ端子の移動スペースは小さくて済むため、スライド機構を設けるためのスペースが必要となることがない。したがって、装置の大型化を抑制することができる。
【0013】
また、上記液体噴射システムにおいて、前記第1コネクタ端子は、前記装着方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数の接点部を備えていてもよい。
【0014】
この液体噴射システムによれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、各接点部が第1回路基板に対してそれぞれ時間的差を有して接触することになる。このため、容器ホルダーに液体収容容器本体を完全に装着する前に、予め、各接点部に対応した各種情報を取得することができる。
【0015】
また、上記液体噴射システムにおいて、前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に固定された第2回路基板と、前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられるとともに前記第1コネクタ端子と導通する第2コネクタ端子と、を有し、前記第2コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に前記第1コネクタ端子が前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動するときに、前記第2回路基板から離間した位置から前記第2回路基板に接触する位置まで移動してもよい。
【0016】
この液体噴射システムによれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、移動部材の装着方向への移動により第1コネクタ端子が移動するときに、第2コネクタ端子を第2回路基板から離間した位置から第2回路基板に接触する位置まで移動させるので、第2コネクタ端子が第2回路基板と接触するまでの間、第2コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。したがって、第2回路基板と第2コネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システムが提供できる。
【0017】
本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体を収容する液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、前記容器ホルダーの側面に設けられた第1コネクタ端子と、を有し、前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記液体収容容器本体に接触する方向に移動可能になっていることを特徴とする。
【0018】
この液体噴射装置によれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、第1コネクタ端子が液体収容容器本体に接触する方向に移動可能になっているので、第1コネクタ端子が液体収容容器本体と接触するまでの間、第1コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1コネクタ端子における導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射装置が提供できる。
【0019】
本発明の液体収容容器は、上述した液体収容容器本体と、前記液体収容容器本体の側面に固定された第1回路基板と、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体が装着される装着方向の下流側における前記液体収容容器本体に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、を備えることを特徴とする。
【0020】
この液体収容容器によれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、移動部材の装着方向への移動により第1コネクタ端子を第1回路基板から離間した位置から第1回路基板に接触する位置まで移動させるので、第1コネクタ端子が第1回路基板と接触するまでの間、第1コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1回路基板と第1コネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体収容容器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る液体噴射システムの正面の構成を示す概略斜視図である。
【図2】液体噴射システムの背面の構成を示す概略斜視図である。
【図3】液体噴射システムの内部構成を示す概略断面図である。
【図4】容器ホルダーの斜視図である。
【図5】容器ホルダーの正面図である。
【図6】液体収容容器の斜視図である。
【図7】液体収容容器の分解斜視図である。
【図8】第1実施形態に係る第1回路基板及びその取付部を示す概略断面図である。
【図9】第1実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略断面図である。
【図10】第1実施形態に係るコネクタ端子の移動のようすを示す概略断面図である。
【図11】第2実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。
【図12】第2実施形態に係る第1回路基板を示す概略平面図である。
【図13】第2実施形態に係るコネクタ端子の移動のようすを示す概略断面図である。
【図14】第3実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。
【図15】第3実施形態に係るコネクタ端子の移動のようすを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る液体噴射システム1の正面側の構成を示す概略斜視図である。図2は、液体噴射システム1の背面の構成を示す概略斜視図である。
【0024】
以下、図1に示したXYZ直交座標系に基づいて説明する。このXYZ直交座標系において、X方向及びY方向は液体噴射システム1が設置される面方向と平行となっており、Z方向は液体噴射システム1が設置される面方向と直交している。実際には、XY平面は水平面に平行な面に設定されており、Z方向は鉛直上方向に設定されている。ここでは、カートリッジホルダー(容器ホルダー)80にインクカートリッジ(液体収容容器)90が装着される装着方向がY方向(−Y方向)、液体噴射ヘッド21aの走査方向がX方向に設定されている。
【0025】
図1に示すように、液体噴射システム1は、例えばJIS規格のA1判やJIS規格のB1判といった比較的大型のサイズの記録用紙に記録するインクジェット方式のラージフォーマットプリンター(LFP)であり、プリンター本体(液体噴射装置)2と、脚部3とを備えた構成になっている。この液体噴射システム1は、プリンター本体2に対して脚部3が取り外し可能に固定されている。以下、液体噴射システムとしてインクジェット式プリンターを例に挙げて説明する。
【0026】
液体噴射システム1は、インク(液体)を噴射する液体噴射ヘッド21aと、前記インクを収容するインクカートリッジ90(インクカートリッジ本体91)(図6参照)と、インクカートリッジ90を着脱自在に装着するカートリッジホルダー80と、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90が装着される装着方向(以下、装着方向と呼ぶ)に沿うインクカートリッジ90の側面に固定された第1回路基板100(図6参照)と、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子121と、インクカートリッジ90における装着方向の下流側に設けられるとともに、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させる移動部材95と、を備えて構成されている。
【0027】
なお、プリンター本体2は、液体噴射ヘッド21aと、カートリッジホルダー80と、第1コネクタ端子121と、を備えて構成され、液体噴射システム1に使用される。つまり、プリンター本体2は、液体噴射システム1のうちインクカートリッジ90を除いた装置である。また、インクカートリッジ90は、インクカートリッジ本体91と、第1回路基板100と、移動部材95と、を備えて構成され、液体噴射システム1に使用される。
【0028】
また、プリンター本体2は、給紙部10、記録部20及び排紙部30を備えている。給紙部10は、記録部20の上部に設けられており、背面側(+Y方向側)に突出するように設けられている。給紙部10には、ロール紙ホルダー11と、ロール紙カバー12とが設けられている。
【0029】
ロール紙ホルダー11は、1本のロール状の記録用紙(以下、ロール紙という)を設置する部分であり、給紙部10の内部に設けられている。このロール紙ホルダー11は、スピンドル部13及びスピンドル受部14,15を備えている。スピンドル部13は、ロール紙を保持する軸部材でありX方向に延在している。スピンドル部13にはロール紙押さえ部が設けられている。これにより、スピンドル部13に保持されたロール紙は両側から押さえられて位置がずれないようになっている。スピンドル受部14,15は、スピンドル部13を回転可能に支持する軸受部である。
【0030】
ロール紙カバー12は、跳ね上げ式の開閉可能なカバー部材であり、給紙部10の外側に取り付けられている。このロール紙カバー12は、全体が回動可能に支持されている。ロール紙カバー12の下部を押し上げることで開状態としたり、押し下げることにより閉状態としたりすることが可能になっている。図1においてはロール紙カバー12が開状態となっている。ロール紙カバー12は、閉状態でロール紙ホルダー11を覆うようになっている。
【0031】
記録部20は、キャリッジ21、キャリッジ移動機構22、フレキシブルフラットケーブル(FFC)23、カートリッジホルダー(容器ホルダー)80、インクチューブ25、蓋部材26、操作パネル27、キャッピング機構28、及び廃液回収部29を備えている。また、記録部20は、これらの他にも液体噴射システム1の各構成部品の動作を制御する制御部70(図3参照)、紙送りローラー(図示略)などを備えている。
【0032】
キャリッジ21は、液体噴射ヘッド21aを保持する保持部材であり、キャリッジ移動機構22によって主走査方向(X方向)に移動可能になっている。液体噴射ヘッド21aは、ブラックインクを吐出するブラックインク用液体噴射ヘッドと、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用液体噴射ヘッドとを有している。この液体噴射ヘッド21aは、圧力発生室と当該圧力発生室に繋がるノズル開口とを備えている。圧力発生室にはインクが貯留されるようになっている。そして、インクが貯留された状態で当該圧力発生室内を所定圧で加圧することにより、ノズル開口からロール紙に向けてインク滴が噴射されるようになっている。
【0033】
キャリッジ移動機構22は、レール22aとキャリッジベルト22bとを有している。キャリッジベルト22bにはキャリッジ21が連結されている。キャリッジベルト22bが主走査方向に移動することでキャリッジ21がレール22aに案内されて主走査方向に往復移動するようになっている。
【0034】
FFC23は、液体噴射ヘッド21aと制御部70とを電気的に接続するケーブルであり、一方の端部が液体噴射ヘッド21aのコネクタに接続されると共に他方の端部が制御部70のコネクタに接続された構成になっている。このFFC23を介して、制御部70からの記録信号が液体噴射ヘッド21aに伝達されるようになっている。
【0035】
カートリッジホルダー80は、内部にインクカートリッジ90(図6参照)を備えている。インクカートリッジ90は、上記液体噴射ヘッド21aから噴射される各色(ブラック、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等)のインクを収容するカートリッジである。
【0036】
インクチューブ25は、液体噴射ヘッド21aと上記インクカートリッジ90をつなぐチューブ部材であり、上記色毎に別個に設けられている。インクチューブ25には図示しないインク加圧供給機構が接続されている。これにより、当該インク加圧供給機構によって加圧された各色のインクが各インクカートリッジ90から液体噴射ヘッド21aへと送出されるようになっている。
【0037】
蓋部材26は、前蓋26aと、上蓋26bとを有している。前蓋26aは記録部20の正面に設けられており、キャリッジ21、キャリッジ移動機構22、インクチューブ25などを覆うようになっている。この前蓋26aを押し下げることで開状態としたり、押し上げることで閉状態としたりすることが可能に構成されている。図1では、前蓋26aは開状態になっている。上蓋26bは記録部20の上部に設けられており、不図示の給紙ローラーなどを覆うようになっている。この上蓋26bを押し上げることで開状態としたり、押し下げることで閉状態としたりすることが可能に構成されている。図1では、上蓋26bは閉状態になっている。
【0038】
操作パネル27は、液体噴射システム1を操作するための操作部であり、記録部20の上蓋26bの図中右側(+X方向側)に設けられている。この操作パネル27は、例えば液晶装着などからなる表示画面27aと、各種ボタン(図示略)とが設置されており、表示画面を確認しながらボタン操作できるようになっている。操作パネル27の表示画面27aには、例えば印刷動作に関する情報や、インクの交換に関する情報、廃液回収部29に供給されているインクの量に関する情報などが表示されるようになっている。
【0039】
キャッピング機構28は、図2に示すように、液体噴射ヘッド21aのノズル開口近傍のインク粘度が上昇するのを防止するためのメンテナンス機構である。キャッピング機構28には吸引機構が取り付けられており、ノズル開口に付着したインクを吸引できるようになっている。
【0040】
廃液回収部29は、例えばキャッピング機構28によって吸引されたインクや、液体噴射ヘッド21aに初期充填する際に使用されるインク、液体噴射ヘッド21aに至るインク供給系を洗浄する際に使用される洗浄液などの廃液が供給される部分である。この廃液回収部29は、図2に示すようにプリンター本体2の背面側(+Y方向側)、キャッピング機構28の下方に設けられている。この廃液回収部29には、廃液ユニット60が着脱可能に装着されている。
【0041】
排紙部30は、記録部20の下側に設けられており、排紙ローラー(図示略)と、排紙ガイド31bとを有している。排紙ローラーはロール紙に当接可能に設けられており、当該排紙ローラーを介してロール紙が副走査方向(主走査方向の直交方向)へ送出されるようになっている。排紙ガイド31bは記録部20の正面側(−Y方向側)に突出するように設けられており、当該排紙ガイド31bを介してロール紙が副走査方向へ導かれるようになっている。
【0042】
脚部3は、移動用のコロ41を有する2本の支持柱42と、これらの支持柱42の間に掛け渡されている補強棒43とを備えている。支持柱42の上部には記録部20がネジ止め固定されている。支持柱42の間には、排紙部30から排出されてくるロール紙を受ける紙受け装着が配置されるように所定のスペースが設けられている。
【0043】
図3は、液体噴射システム1の内部構成を示す概略断面図である。
図3に示すように、給紙部10から記録部20を経て排紙部30へ向かう用紙搬送経路50は、液体噴射システム1の上部後面側(+YZ方向側)から下部前面側(−YZ方向)にかけて傾斜して設けられている。この用紙搬送経路50は、給紙部10から記録部20にかけて配設された平坦な給紙ガイド51、対向配置された接触・離間可能な紙送りローラー52及び従動ローラー53、キャリッジ21に搭載された液体噴射ヘッド21aと対向配置された平坦な用紙搬送案内部であるプラテン54、記録部20から排紙部30にかけて設けられた平坦な紙吸引部55、排紙部30に設けられた排紙ガイド31bを備えている。
【0044】
給紙ガイド51、排紙ガイド31bの各表面は、用紙搬送面として作用する。紙吸引部55の表面は、用紙搬送面及び用紙吸引面として作用する。この紙吸引部55は、主走査方向に複数並設され、副走査方向に3列配設された吸引口(媒体吸引部)55a、55b、55cを備えている。記録部20の内部に設けられたファン57により外気が各吸引口55a、55b、55cから吸引されることにより、紙吸引部55上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。
【0045】
プラテン54の表面は、用紙搬送案内面として作用すると共に用紙吸引面としても作用する。このプラテン54は、主走査方向に交互に複数並設された吸引口54aを備えており、記録部20の内部に配設されたファン57により外気が各吸引口54aから吸引されることにより、プラテン54上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。従って、記録時において特にロール紙の幅が広くてもロール紙はプラテン54上で全幅にわたって確実に吸引されて略平坦になる。
【0046】
プラテン54と吸引部55との間には隙間56が設けられており、ファン57によって外気が隙間56から吸引され、隙間56上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。このプラテン54は、ロール紙の幅方向のサイズに対応させて分割、例えば4インチの幅で7つに分割されている。各分割部には例えばスポンジや不織布等のインク吸収材が設けられている。
【0047】
図4は、液体収容容器を装着するカートリッジホルダー80の斜視図である。図5は、図4に示したカートリッジホルダー80の正面図である。
図4及び図5に示すように、カートリッジホルダー80は、L字状のホルダー本体81と、U字状の枠体82とを備えて構成されている。枠体82は、一対の支持側壁82a,82aと、支持側壁82a,82aの上端縁を連結する天壁82bと、を備えている。
【0048】
ホルダー本体81は、平面視矩形状の基板81aと、基板81aの後方の上面に取り付けられた壁体81bと、を備えている。基板81aは、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着された場合に、各インクカートリッジ90を並列して載置するための支持台である。基板81a上には、複数のガイドレール83がY方向と平行に延在して列設されている。ガイドレール83は、インクカートリッジ90をカートリッジホルダー80に着脱する際に、インクカートリッジ90を案内するものである。カートリッジホルダー80の内部は、ガイドレール83によって、5つのカートリッジスロット89A、89B、89C、89D、89Eに区画されている。カートリッジスロット89A〜89Eは、それぞれ各色のインクカートリッジ90を個別に収容する容器装着部として機能する。
【0049】
壁体81bは+Y方向側に開口しており、その上端には矩形状の天板81cが取り付けられている。また、壁体81bには、スライダー部材84が設けられている。スライダー部材84は、図示しない付勢手段によって、前方(+Y方向)、すなわちインクカートリッジ90の装着方向(−Y方向)とは反対の方向に付勢されている。スライダー部材84の奥端面(XZ面)84aは、カートリッジスロット89A〜89Eの装着方向下流側(−Y方向側)の端部が当接する面である。スライダー部材84は、インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着されていない時は、付勢手段の力によって、前方側(+Y方向側)に位置している。
【0050】
インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに挿入されると、スライダー部材84は、インクカートリッジ90の先端面(装着方向下流側の面)に押されながら、後方(−Y方向)に移動する。インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに完全に装着されると、スライダー部材84は、所定の位置で停止する。スライダー部材84は、インクカートリッジ90をカートリッジスロット89A〜89Eに装着されている時も、付勢手段の力によって、装着されたインクカートリッジ90に対して、その装着方向とは反対の方向への付勢力を常時付与している。この付勢力は、インクカートリッジ90をカートリッジスロット89A〜89Eから取り外すときに、インクカートリッジ90を前方へ押し出すように作用する。
【0051】
各カートリッジスロット89A〜89Eの壁体81bには、一対の位置決めピン85a,85b、エア連絡口86、インク供給ピン87、識別部材88a〜88eが設けられている。また、各カートリッジスロット89A〜89Eの壁体81bには、インクカートリッジ90に設けられた第1回路基板100(図6参照)と電気的に接続される第2回路基板110が固定されている。
【0052】
一対の位置決めピン85a,85bは、各カートリッジスロット89A〜89Eの上下に設けられている。一対の位置決めピン85a,85bは、インクカートリッジ90を位置決めするためのものである。
【0053】
エア連絡口86は、各カートリッジスロット89A〜89Eの下側の位置決めピン85bに近接して設けられている。エア連絡口86は、それら各インクカートリッジ90の位置決め穴98,99に挿入される上下一対の位置決めピン85a,85b、インクカートリッジ90に空気を供給するためのものである。
【0054】
インク供給ピン87は、各カートリッジスロット89A〜89Eの上側の位置決めピン85aに近接して設けられている。インク供給ピン87は、インクカートリッジ90からのインクを、インクチューブ25(図1参照)を介して液体噴射ヘッド21a(図1参照)に供給するためのものである。
【0055】
識別部材88a〜88eは、カートリッジスロット89A〜89Eのそれぞれに、上側の位置決めピン85aとエア連絡口86とに挟まれた位置に設けられている。識別部材88a〜88eは、インクカートリッジ90の誤装着を防止するためのものである。
【0056】
これら識別部材88a〜88eの先端には、凹凸嵌合部が形成されている。一方、インクカートリッジ90の挿入方向先端面には、各識別部材88a〜88eの凹凸嵌合部の形状に対応する識別部94(図6参照)が形成されている。識別部94の形状は、詳細な図示を省略しているが、インクカートリッジ90の種類によって異なっている。
【0057】
つまり、各識別部材88a〜88eの凹凸嵌合部は、それぞれ一種類のインクカートリッジ90の識別部94とのみ嵌合することができ、他の種類のインクカートリッジ90の識別部94とは嵌合できない形状となっている。このように、本実施形態の液体噴射システム1は、インクカートリッジ90の識別部94と各識別部材88a〜88eの凹凸嵌合部との組み合わせによって、インクカートリッジ90の誤装着が生じないように構成されている。
【0058】
第2回路基板110は、インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着された時に、インクカートリッジ90に設けられた第1回路基板100と接触して導通接続するようになっている。なお、第1回路基板100及び第2回路基板110の詳細については後述する。
【0059】
図6は、インクカートリッジ90の斜視図である。図7は、図6に示したインクカートリッジ90の分解斜視図である。
図6及び図7に示すように、インクカートリッジ90は、扁平な略直方体のインクカートリッジ本体(液体収容容器本体)91と、第1回路基板100と、移動部材95と、を備えている。
【0060】
インクカートリッジ本体91の内部には、上部を開放した略箱形の袋体収容部91aと、この袋体収容部91aの前面側(−Y方向側)に位置する検出ユニット収容部91bが形成されている。袋体収容部91aには、液体収容室としてのインクパック92が収容される。また、検出ユニット収容部91bには、インク供給口93a(液体供給口)が設けられた液体残量検出ユニット93が収容される。
【0061】
液体残量検出ユニット93は、インクカートリッジ本体91に対して着脱可能となっている。この、液体残量検出ユニット93には、図示しない残量検出センサー(圧電素子を用いたセンサー)が設けられている。残量検出センサーは、インクカートリッジ90内のインクの残量を検出するためのセンサーである。
【0062】
また、インクカートリッジ本体91には、袋体収容部91a及び検出ユニット収容部91bを覆ってカバー96が装着される。なお、インクカートリッジ90は、縦置きでカートリッジスロット89A〜89Eに装着される。
【0063】
本実施形態において、インクカートリッジ90は5種類ある。5種類のインクカートリッジ90のインクパック92内には、それぞれ異なる5色のインクが貯留されている。これら5種類のインクカートリッジ90は、インクパック92の内部に貯留されているインクの種類と上述した識別部94の形状が異なるだけであり、他の構成は一致している。
【0064】
インクカートリッジ90の先端面(−Y方向側の面)には、インク供給口93aと、エア流入口97とが設けられている。インク供給口93aはインクパック92のインク吐出口92aと接続されている。
【0065】
ここで、インクパック92から液体噴射ヘッド21aへのインクの供給について説明する。インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着されると、インク供給口93aに、上述したインク供給ピン87が挿入される。インク供給ピン87は、インクチューブ25を介して液体噴射ヘッド21aに接続されている。
【0066】
また、インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着されると、エア流入口97が、上述したエア連絡口86に挿入される。エア連絡口86は、不図示の加圧空気供給路を介して加圧ポンプに接続されている。加圧ポンプが、加圧空気供給路、エア連絡口86、エア流入口97を介して、袋体収容部91aに加圧空気を供給することで、インクパック92が加圧される。インクパック92が加圧されることにより、インクパック92のインク吐出口92aから流出するインクが、インク供給口93aを介して液体噴射ヘッド21aへと供給される。
【0067】
また、インクカートリッジ90の先端面(−Y方向側の面)には、互いに離間して一対の位置決め穴98,99が設けられている。
【0068】
ここで、位置決め穴98,99及び上述した一対の位置決めピン85a,85bによる位置決めについて説明する。インクカートリッジ90を各カートリッジスロット89A〜89Eに挿入すると、位置決めピン85a,85bの先端がそれぞれ位置決め穴98,99に嵌入される。その後、更にインクカートリッジ90をカートリッジスロット89A〜89Eの奥側へ挿入していくと、インクカートリッジ90は、位置決めピン85a,85bを基準に移動する。
【0069】
インクカートリッジ90が各カートリッジスロット89A〜89Eに完全に装着されると、位置決め穴98,99が、一対の位置決めピン85a,85bと嵌合することにより、インクカートリッジ90の先端面に沿う方向の位置が決められて、インクカートリッジ90の移動が規制される。
【0070】
一方の位置決め穴98は、上側の位置決めピン85aの軸方向と垂直な断面形状にほぼ対応する形状(丸孔)に設定されている。他方の位置決め穴99は、下側の位置決めピン85bの軸方向と垂直な断面形状にほぼ対応する形状(インクカートリッジ本体91の高さ方向(Z方向)に細長い長穴)に設定されている。このように、他方の位置決め穴99を長穴にすることで、位置決め精度を保つ一方で寸法公差等の許容が容易になる。
【0071】
装着方向(−Y方向)に沿うインクカートリッジ90(インクカートリッジ本体91)の側面(+Z方向側の面)には、第1回路基板100が固定されている。言い換えると、第1回路基板100は、装着方向に平行なインクカートリッジ90の側面に固定されている。ここで、装着方向に「平行」とは完全平行及び略平行のいずれをも含むものとする。また、第1回路基板100は、移動部材95と近接する位置に設けられている。
【0072】
図8は、回路基板100及びその取付部を示す概略断面図である。なお、本図は装着方向下流側(−Y方向側)に平行なインクカートリッジ90の側端部(+Z方向側の端部)を示している。
【0073】
図8に示すように、第1回路基板100は、インクカートリッジ本体91の側端部(+Z方向側の端部)に形成された凹部103内に取り付けられている。これにより、第1回路基板100の位置決めがなされている。第1回路基板100の表面(+Z方向側の面)には、後述する第1コネクタ端子121(図9参照)と電気的に接続される第1電極パッド100aが形成されている。この第1電極パッド100aは、上述した残量検出センサーと電気的に接続されている。また、この第1電極パッド100aには回路パターン(図示略)が導通して形成されている。この回路パターンは、例えばソルダーレジスト膜(図示略)によって被覆されている。また、第1回路基板100の裏面(−Z方向側の面)には、例えばEEPROM等のメモリ素子101が搭載されている。このメモリ素子101は、例えばインク残量やカートリッジの使用履歴等の情報を記録するためのものである。そして、メモリ素子101は、モールド樹脂102により第1回路基板100の裏面に固着されている。
【0074】
移動部材95は、装着方向の下流側(−Y方向側)におけるインクカートリッジ本体91の角部に設けられている。この移動部材95は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121(図9参照)を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させるものである。
【0075】
また、インクカートリッジ本体91の側端部(+Z方向側の端部)における第1回路基板100と移動部材95の間には、第1回路基板100の表面側(+Z方向側)に突出する突起部105が形成されている。この突起部105は、第1回路基板100の端部(−Y方向側の端部)が後述する第1コネクタ端子121(図9参照)に接触することを回避するために機能する。具体的には、第1回路基板100の基板本体がガラスエポキシ等の材料により形成されている場合、第1コネクタ端子121が直接的に接触すると、第1回路基板100の端部が欠ける等して損傷してしまう問題が生じる。このため、第1回路基板100の端部が第1コネクタ端子121に接触しないような構成とされている。
【0076】
ところで、回路基板とコネクタ端子とが摺接しながら接続される際、摺接経路に塵埃があると、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれるおそれがある。すると、回路基板とコネクタ端子との接触が不十分となり、回路基板に搭載されたメモリ素子(半導体記憶手段)とのデータの授受が不能となる。これにより、プリンターの正常な印刷動作を不可能にするなどの問題が発生するおそれがあった。また、回路基板の取付部において突起部が形成されている場合、回路基板がコネクタ端子と摺接接続されると、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受ける。このため、例えば突起部が樹脂材料により形成されていると、素材が掻き取られる作用を受け、樹脂素材が粉状の塵埃となってコネクタ端子に付着し、上述した問題が発生するおそれがあった。
【0077】
そこで、本発明に係る液体噴射システム1では、装着方向に平行なインクカートリッジ本体91の側面に固定された第1回路基板100と、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子121と、装着方向の下流側におけるインクカートリッジ本体91に設けられるとともに、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ本体91を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させる移動部材95と、を備えることによって、第1回路基板100と第1コネクタ端子121との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することを可能にしている。以下、図9を用いて第1コネクタ端子121及びその取付部の詳細について説明する。
【0078】
図9は、第1コネクタ端子121及びその取付部を示す概略断面図である。なお、本図は装着方向下流側(−Y方向側)に平行なカートリッジホルダー80の側端部(−Z方向側の端部)を示している。
【0079】
図9に示すように、第1コネクタ端子121は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられる。具体的には、第1コネクタ端子121は、支持軸124を中心軸として回動する回動部材120を構成する回動基板123の一面(−Z方向側の面)において、支持軸124よりも装着方向の上流側(+Y方向側)に設けられている。この第1コネクタ端子121は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1回路基板100と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0080】
なお、第1コネクタ端子121は、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されている。また、第1コネクタ端子121の表面(−Z方向側の面)には、第1回路基板100側の第1電極パッド100aと電気的に接続される第1接点部121aが形成されている。この第1接点部121aは、第1電極パッド100aに対応する位置に設けられている。また、支持軸124はX方向に延在する棒状の部材であり、回動基板123の中心部に位置している。また、支持軸124の両端は、カートリッジホルダー80に固定されている。
【0081】
第2回路基板110は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されている。具体的には、第2回路基板110は、壁体81の−Y方向側の面にその基端が支持固定されている。また、第2回路基板110の+Y方向側には開口部111が形成されている。これにより、回動部材120は、装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態から装着方向に平行な状態まで自在に回動可能になっている。また、第2回路基板110の表面(−Z方向側の面)には、後述する第2コネクタ端子122と電気的に接続される第2電極パッド110aが形成されている。
【0082】
第2コネクタ端子122は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられるとともに第1コネクタ端子121と導通している。この第2コネクタ端子122は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121が第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動するときに、第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触する位置まで移動するようになっている。
【0083】
具体的には、第2コネクタ端子122は、回動基板123の他面(+Z方向側の面)において支持軸124よりも装着方向の下流側(−Y方向側)に設けられている。この第2コネクタ端子122は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第2回路基板110と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0084】
なお、第2コネクタ端子122は、第1コネクタ端子121と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されており、第2回路基板110側の第2電極パッド110aに対応して配列されている。また、第2コネクタ端子122の表面(+Z方向側の面)には、第2回路基板110側の第2電極パッド110aと電気的に接続される第2接点部122aが形成されている。この第2接点部122aは、第2電極パッド110aに対応する位置に設けられている。
【0085】
このような構成により、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着されると、第1回路基板100側の第1電極パッド100aが第1コネクタ端子121側の第1接点部121aに接触する。また、これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子122側の第2接点部122aに接触する。これにより、第1回路基板100を介して、メモリ素子101や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子101や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となっている。
【0086】
図10は、第1実施形態におけるコネクタ端子121,122の移動のようすを示す概略断面図である。なお、図10(a)はカートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前の状態を示す図である。また、図10(b)はカートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のときの状態を示す図である。また、図10(c)はカートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を示す図である。
【0087】
ここでは、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触するまで移動させるとともに、第2コネクタ端子122を第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触するまで移動させるときの移動部材95及び回動部材120の移動のようすについて説明する。
【0088】
先ず、図10(a)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前、つまり、移動部材95が回動部材120に接触する前の状態を考える。この場合においては、回動部材120が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態となっている。具体的には、回動部材120は、その端部(+Y方向側の端部)が開口部111に入り込んだ状態で、例えばストッパー等の保持部材(図示略)によりその姿勢が保持されている。なお、移動部材95は、回動部材120の支持軸124よりも下側(−Z方向側)に位置している。また、突起部105は第1コネクタ端子121側の第1接点部121aから所定の距離だけ離間している。
【0089】
次に、図10(b)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のとき、つまり、移動部材95が回動部材120に接触して回動部材120を移動させているときの状態を考える。移動部材95は、装着前の状態において回動部材120の支持軸124よりも下側(−Z方向側)に位置するため、移動部材95が回動部材120の下側に接触して装着方向に移動すると、回動部材120は支持軸124を中心として右回りに回動する。つまり、回動部材120は装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態からその角度勾配が小さくなるように回動する。
【0090】
また、突起部105は、装着前の状態において第1接点部121aから所定の距離だけ離間しているため、移動部材95の移動の過程で突起部105には何も接触しないようになっている。また、第1接点部121aについても、第1電極パッド100aに接触するまでの間は何も接触しないようになっている。
【0091】
このため、従来のように摺接経路に塵埃がある場合でも、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれることがない。また、回路基板の取付部において突起部が形成されている場合でも、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受け、突起部の素材が掻き取られる作用を受けることもない。
【0092】
そして、図10(c)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を考える。この場合、回動部材120は装着方向に平行な状態になっている。つまり、第1回路基板100側の第1電極パッド100aが第1コネクタ端子121側の第1接点部121aに接触する。また、これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子122側の第2接点部122aに接触する。これにより、第1回路基板100を介して、メモリ素子101や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子101や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となる。
【0093】
本実施形態に係る液体噴射システム1によれば、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、移動部材95の装着方向への移動により第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させるので、第1コネクタ端子121が第1回路基板100と接触するまでの間、第1コネクタ端子121には何も接触しないようにすることができる。このため、従来のように摺接経路に塵埃がある場合でも、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれることがない。また、回路基板の取付部に突起部が形成されている場合でも、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受け、突起部の素材が掻き取られる作用を受けることもない。したがって、第1回路基板100と第1コネクタ端子121との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム1が提供できる。
【0094】
また、この構成によれば、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するので、第1コネクタ端子121の回転機構をカートリッジホルダー80内部に収容することが容易となる。具体的には、第1コネクタ端子121が回転動作しない場合(例えば、スライド移動させる構造)に比べて第1コネクタ端子121の移動スペースは小さくて済むため、スライド機構を設けるためのスペースが必要となることがない。したがって、装置の大型化を抑制することができる。
【0095】
また、この構成によれば、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、移動部材95の装着方向への移動により第1コネクタ端子121が移動するときに、第2コネクタ端子122を第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触する位置まで移動させるので、第2コネクタ端子122が第2回路基板110と接触するまでの間、第2コネクタ端子122には何も接触しないようにすることができる。したがって、第2回路基板110と第2コネクタ端子122との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム1が提供できる。
【0096】
本実施形態に係るプリンター本体2によれば、上述した液体噴射システム1に使用されるので、第1コネクタ端子121がインクカートリッジ90と接触するまでの間、第1コネクタ端子121には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1コネクタ端子121における導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能なプリンター本体2が提供できる。
【0097】
本実施形態に係るインクカートリッジ90によれば、上述した液体噴射システム1に使用されるので、第1コネクタ端子121が第1回路基板100と接触するまでの間、第1コネクタ端子121には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1回路基板100と第1コネクタ端子121との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能なインクカートリッジ90が提供できる。
【0098】
なお、本実施形態では、移動部材95が回動部材120に接触して回動部材120を移動させているが、これに限らない。例えば、移動部材95が回動部材120に接触することなく回動部材120を移動させてもよい。具体的には、移動部材95及び回動部材120として磁石等の磁性体を用いることにより、移動部材95と回動部材120が互いに離れた状態であっても、移動部材95と回動部材120の間の磁気力の作用により、回動部材120を移動させることができる。
【0099】
このとき、移動部材95と回動部材120の間には互いにひきあう力が作用(例えば互いに異極の磁石を使用)していてもよいし、互いにしりぞけあう力が作用(例えば互いに同極の磁石を使用)していてもよい。移動部材95と回動部材120の間に互いにひきあう力が作用する場合、回動部材120の第1コネクタ端子121が配置された側(支持軸124よりも右側(+Y方向側))に磁性体を配置する。また、移動部材95と回動部材120の間に互いにしりぞけあう力が作用する場合、回動部材120の第1コネクタ端子121が配置された側とは反対側(支持軸124よりも左側(−Y方向側))に磁性体を配置する。このようにして、第1コネクタ端子121が第1回路基板100に近づくように磁気力を作用させることが必要である。
【0100】
また、本実施形態では、第1回路基板100は、インクカートリッジ本体91の+Z方向側の端部に取り付けられているが、これに限らない。例えば、第1回路基板100は、インクカートリッジ本体91の−Z方向側の端部に取り付けられていてもよいし、インクカートリッジ本体91の+X方向側の端部もしくは−X方向側の端部に取り付けられていてもよい。すなわち、第1回路基板100は、装着方向に平行なインクカートリッジ本体91の側面に固定されていればよい。
【0101】
また、本実施形態では、第2回路基板110は、壁体81bの−Y方向側の面にその基端が支持固定されているが、これに限らない。例えば、第2回路基板110は、天板81cの−Z方向側の面にその裏面(第2電極パッド110aが形成された側と反対側の面)が支持固定されていてもよい。すなわち、第2回路基板110は、第1回路基板100が配置された位置に対応する位置であって、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されていればよい。
【0102】
また、本実施形態では、回動部材120に設けられた第1コネクタ端子121側の第1接点部121aが装着方向に対して同じ位置(断面視において1つの位置)に配置されて、第1コネクタ端子121と第1回路基板100が1箇所で導通されているが、これに限らない。以下、本実施形態とは異なる第1コネクタ端子と第1回路基板の導通機構について図11及び図12を用いて説明する。
【0103】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。図12は、第2実施形態に係る第1回路基板を示す概略平面図である。なお、図11(a)は、図9に対応する、装着方向下流側(−Y方向側)に平行なカートリッジホルダー80の側端部(−Z方向側の端部)を示している。また、図11(b)は、第2実施形態に係る回動部材220を第1コネクタ端子221が配置された側(−Z方向側)から視た平面図である。本実施形態においては、第1コネクタ端子221が装着方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数の接点部を備える点で第1実施形態に係る第1コネクタ端子121と異なる。図11において、図9と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0104】
図11に示すように、第1コネクタ端子221は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられる。具体的には、第1コネクタ端子221は、支持軸224を中心軸として回動する回動部材220を構成する回動基板223の一面(−Z方向側の面)において、支持軸224よりも装着方向の上流側(+Y方向側)に設けられている。この第1コネクタ端子221は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1回路基板200(図12参照)と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0105】
また、第1コネクタ端子221の表面(−Z方向側の面)には、装着方向の下流側に位置する下流側接点部221aと、装着方向の上流側に位置する上流側接点部221b,221cと、が形成されている。第1コネクタ端子221には、1つの下流側接点部221aと、2つの装着方向の上流側に位置する上流側接点部221b,221cの計3つの接点部が形成されている。下流側接点部221aの高さ(回動部材220表面から下流側接点部221aの頂点までの距離)は、上流側接点部221b,221cの高さ(回動部材220表面から上流側接点部221b,221cの頂点までの距離)よりも高くなっている。なお、第1コネクタ端子221は、上述した第1コネクタ端子121と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されている。
【0106】
図12に示すように、第1回路基板200は、装着方向の下流側に位置する下流側電極パッド200aと、装着方向の上流側に位置する上流側電極パッド200b,200cと、を備えている。この第1回路基板200は、1つの下流側電極パッド200aと2つの上流側電極パッド200b,200cの計3つの電極パッドを備えている。各電極パッド200a,200b,200cは、残量検出センサーと電気的に接続されている。また、これら電極パッド200a,200b,200cには回路パターン(図示略)が導通して形成されている。この回路パターンは、例えばソルダーレジスト膜204によって被覆されている。
【0107】
このように、第1コネクタ端子221の表面(−Z方向側の面)には、第1回路基板200側の下流側電極パッド200aと電気的に接続される下流側接点部221a、上流側電極パッド200bと電気的に接続される上流側接点部221b、上流側電極パッド200cと電気的に接続される上流側接点部221c、が形成されている。各接点部221a,221b,221cは、それぞれ電極パッド200a,200b,200cに対応する位置に設けられている。
【0108】
第2回路基板110は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されている。また、第2回路基板110の+Y方向側には開口部111が形成されている。また、第2回路基板110の表面(−Z方向側の面)には、第2コネクタ端子222と電気的に接続される第2電極パッド110aが形成されている。
【0109】
第2コネクタ端子222は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられるとともに第1コネクタ端子221と導通している。この第2コネクタ端子222は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子221が第1回路基板200から離間した位置から第1回路基板200に接触する位置まで移動するときに、第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触する位置まで移動するようになっている。
【0110】
なお、第2コネクタ端子222は、第1コネクタ端子221と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されており、第2回路基板110側の第2電極パッド110aに対応して配列されている。また、第2コネクタ端子222の表面(+Z方向側の面)には、第2回路基板110側の第2電極パッド110aと電気的に接続される第2接点部222aが形成されている。この第2接点部222aは、第2電極パッド110aに対応する位置に設けられている。
【0111】
このような構成により、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着されると、先ず、第1回路基板200側の下流側電極パッド200aが第1コネクタ端子221側の下流側接点部221aに接触する。次いで、また、第1回路基板200側の上流側電極パッド200b,200cが第1コネクタ端子221側の上流側接点部221b,221cに接触する。これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子222側の第2接点部222aに接触する。これにより、第1回路基板200を介して、メモリ素子や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となっている。
【0112】
図13は、第2実施形態におけるコネクタ端子221,222の移動のようすを示す概略断面図である。なお、図13(a)は、図10(a)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前の状態を示す図である。また、図13(b)は、図10(b)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のときの状態を示す図である。また、図13(c)は、図10(c)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を示す図である。
【0113】
ここでは、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子221を第1回路基板200から離間した位置から第1回路基板200に接触するまで移動させるとともに、第2コネクタ端子222を第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触するまで移動させるときの移動部材95及び回動部材220の移動のようすについて説明する。
【0114】
先ず、図13(a)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前、つまり、移動部材95が回動部材220に接触する前の状態を考える。この場合においては、回動部材220が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態となっている。なお、移動部材95は、回動部材220の支持軸224よりも下側(−Z方向側)に位置している。また、突起部105は第1コネクタ端子221側の下流側接点部221aから所定の距離だけ離間している。
【0115】
次に、図13(b)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のとき、つまり、移動部材95が回動部材220に接触して回動部材220を移動させているときの状態を考える。移動部材95は、装着前の状態において回動部材220の支持軸224よりも下側(−Z方向側)に位置するため、移動部材95が回動部材220の下側に接触して装着方向に移動すると、回動部材220は支持軸224を中心として右回りに回動する。つまり、回動部材220は装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態からその角度勾配が小さくなるように回動する。
【0116】
また、突起部105は、装着前の状態において下流側接点部221aから所定の距離だけ離間しているため、移動部材95の移動の過程で突起部105には何も接触しないようになっている。また、下流側接点部221aについても、下流側電極パッド200aに接触するまでの間は何も接触しないようになっている。
【0117】
また、下流側接点部221aの高さは、上流側接点部221b,221cの高さよりも高くなっているため、移動部材95の移動の過程で、下流側接点部221aは、上流側接点部221b,221cよりも早く第1回路基板200(下流側電極パッド200a)に接触することになる。
【0118】
このため、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着する前の装着中の段階で、下流側接点部221aと下流側電極パッド200aを電気的に接触させることができる。これにより、装着中の段階で、第1回路基板200を介して、メモリ素子や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続される。したがって、例えばインク残量、インク有効期限、及びインクカートリッジ90の適否等の情報を、装着中の段階で予め確認することができる。
【0119】
そして、図13(c)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を考える。この場合、回動部材220は装着方向に平行な状態になっている。つまり、第1回路基板200側の下流側電極パッド200aが第1コネクタ端子221側の下流側接点部221aに接触する。また、上流側電極パッド200b,200cが上流側接点部221b,221cと接触する。このとき、下流側接点部221aの高さは、上流側接点部221b,221cの高さとほぼ同じ高さになる。これは、第1コネクタ端子221が弾性金属材料によって形成されていることによる。また、これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子222側の第2接点部222aに接触する。これにより、第1回路基板200を介して、メモリ素子や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となる。
【0120】
本実施形態に係る液体噴射システム1によれば、第1コネクタ端子221に、装着方向に対してそれぞれ異なる位置に複数の接点部221a,221b,221cが形成されているので、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、各接点部221a,221b,221cが第1回路基板200に対してそれぞれ時間的差を有して接触することになる。具体的には、先ず、装着方向の下流側に対応して設けられた下流側接点部221aと下流側電極パッド200aが接触し、次いで、上流側接点部221b,221cと上流側電極パッド200b,200cが接触することになる。このため、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着する前に、予め、各接点部221a,221b,221cに対応した各種情報(例えばインク残量、インク有効期限、及びインクカートリッジ90の適否等の情報)を取得することができる。
【0121】
なお、上記実施形態では、回動部材の端部(+Y方向側の端部)が開口部に入り込んだ状態で、例えばストッパー等の保持部材(図示略)によりその姿勢が保持されているが、これに限らない。以下、上記実施形態とは異なる回動部材の保持機構について図14を用いて説明する。
【0122】
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。なお、図14(a)は、図9に対応する、装着方向下流側(−Y方向側)に平行なカートリッジホルダー80の側端部(−Z方向側の端部)を示している。また、図14(b)は、第3実施形態に係る第2回路基板210を第2電極パッド210aが配置された側(−Z方向側)から視た平面図である。本実施形態においては、第2回路基板210が回動部材の姿勢を保持するストッパーとしての機能を有する点で第1実施形態に係る第2回路基板110と異なる。図14において、図9と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0123】
図14に示すように、第1コネクタ端子321は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられている。具体的には、第1コネクタ端子321は、支持軸324を中心軸として回動する回動部材320を構成する回動基板323の一面(−Z方向側の面)において、支持軸324よりも装着方向の上流側(+Y方向側)に設けられている。この第1コネクタ端子321は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1回路基板100(図15参照)と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0124】
なお、第1コネクタ端子321は、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されている。また、第1コネクタ端子321の表面(−Z方向側の面)には、第1回路基板100側の第1電極パッド100aと電気的に接続される第1接点部321aが形成されている。この第1接点部321aは、第1電極パッド100aに対応する位置に設けられている。また、支持軸324はX方向に延在する棒状の部材であり、回動基板323の中心部に位置している。また、支持軸324の両端は、カートリッジホルダー80に固定されている。
【0125】
第2回路基板210は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されている。具体的には、第2回路基板210は、回動部材320の姿勢を保持するストッパー部212と、ストッパー部212を支持する支持部211と、を備えている。ストッパー部212と支持部211の間にはU字状の溝213が形成されている。このストッパー部212は、溝213の基端(装着方向の下流側の端部)を基準として弾性変形可能となっている。なお、第2回路基板210は、例えば弾性絶縁材料によって形成されている。また、第2回路基板210の表面(−Z方向側の面)には、後述する第2コネクタ端子322と電気的に接続される第2電極パッド210aが形成されている。
【0126】
また、第2回路基板210は、壁体81の−Y方向側の面にその基端が支持固定されている。また、第2回路基板210は、+Y方向側の端部が回動部材320に接触しないような長さになっている。これにより、回動部材320は、装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態から装着方向に平行な状態まで自在に回動可能になっている。
【0127】
第2コネクタ端子322は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられるとともに第1コネクタ端子321と導通している。この第2コネクタ端子322は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子321が第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動するまでに、第2回路基板210に接触した状態になっている。
【0128】
具体的には、第2コネクタ端子322は、回動基板323の他面(+Z方向側の面)において支持軸324よりも装着方向の下流側(−Y方向側)に設けられている。また、第2コネクタ端子322の表面(+Z方向側の面)には、第2回路基板210側の第2電極パッド210aと電気的に接続される第2接点部322aが形成されている。この第2接点部322aは、第2電極パッド210aに対応する位置に設けられている。また、第2接点部322aの高さ(回動部材320表面から第2接点部322aの頂点までの距離)は、第1実施形態に係る第2接点部122aの高さ(回動部材120表面から第2接点部122aの頂点までの距離)よりも高くなっている。この第2接点部122aが第2回路基板210に接触することにより、回動部材320は所定の角度だけ傾いた状態で姿勢が保持されることになる。
【0129】
また、第2コネクタ端子322は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第2回路基板210と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0130】
なお、第2コネクタ端子322は、第1コネクタ端子321と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されており、第2回路基板210側の第2電極パッド210aに対応して配列されている。
【0131】
このような構成により、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着されるまでの間、第2回路基板210が回動部材の姿勢を保持するストッパーとして作用するようになっている。
【0132】
図15は、第3実施形態におけるコネクタ端子321,322の移動のようすを示す概略断面図である。なお、図15(a)は、図10(a)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前の状態を示す図である。また、図13(b)は、図10(b)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のときの状態を示す図である。また、図15(c)は、図10(c)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を示す図である。
【0133】
ここでは、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子321を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触するまで移動させるとともに、第2コネクタ端子322を第2回路基板210と接触した状態で移動させるときの移動部材95及び回動部材320の移動のようすについて説明する。
【0134】
先ず、図15(a)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前、つまり、移動部材95が回動部材320に接触する前の状態を考える。この場合においては、回動部材320が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態となっている。具体的には、第2接点部322aは、回動部材320が所定の角度だけ傾いた状態で第2回路基板210に接するように形成されている(第2接点部322aの高さが高くなっている)。また、ストッパー部212は、−Z方向側に傾いた状態となっている。このため、回動部材320は、その端部(+Y方向側の端部)が浮いた状態で、第2回路基板210のストッパー部212によりその姿勢が保持されている。なお、移動部材95は、回動部材320の支持軸324よりも下側(−Z方向側)に位置している。また、突起部105は第1コネクタ端子321側の第1接点部321aから所定の距離だけ離間している。
【0135】
次に、図15(b)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のとき、つまり、移動部材95が回動部材320に接触して回動部材320を移動させているときの状態を考える。移動部材95は、装着前の状態において回動部材320の支持軸324よりも下側(−Z方向側)に位置するため、移動部材95が回動部材320の下側に接触して装着方向に移動すると、回動部材320は支持軸324を中心として右回りに回動する。つまり、回動部材320は装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態からその角度勾配が小さくなるように回動する。
【0136】
また、突起部105は、装着前の状態において第1接点部321aから所定の距離だけ離間しているため、移動部材95の移動の過程で突起部105には何も接触しないようになっている。また、第1接点部321aについても、第1電極パッド100aに接触するまでの間は何も接触しないようになっている。
【0137】
そして、図15(c)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を考える。この場合、回動部材320は装着方向にほぼ平行な状態になっている。このとき、ストッパー部212は第2接点部322aの接触により+Z方向側に傾いた状態となっている。つまり、第1回路基板100側の第1電極パッド100aが第1コネクタ端子321側の第1接点部321aに接触する。なお、第2回路基板210側の第2電極パッド210aについては、予め第2コネクタ端子322側の第2接点部322aに接触している。これにより、第1回路基板100を介して、メモリ素子101や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子101や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0138】
1…液体噴射システム、21a…液体噴射ヘッド、80…カートリッジホルダー(容器ホルダー)、90…インクカートリッジ(液体収容容器)、91…インクカートリッジ本体(液体収容容器本体)、95…移動部材、100,200…第1回路基板、110,210…第2回路基板、121,221,321…第1コネクタ端子、121a,221a,221b,221c,321a…接点部、122,222,322…第2コネクタ端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射システム、液体噴射装着及び液体収容容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、液体噴射システムの一種としてインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という)がある。このプリンターは、キャリッジに搭載された液体噴射ヘッド(以下、「ヘッド」という)の複数のノズルからプラテン上に配置された記録媒体にインク(液体)を噴射することで印刷を行っている。
【0003】
このようなプリンターにあっては、複数のインクカートリッジが着脱可能となるようにカートリッジホルダーに支持され、ヘッドに対して各色のインクが供給されるように構成されている。また、各インクカートリッジに収容されたインクの種類、インクの色、インクの残量等の情報を、インクカートリッジ側に持たせ、プリンター本体との間で前記情報の授受を行うことにより、印刷動作の管理がなされている。
【0004】
このために、インクカートリッジ側には、前記情報が格納可能な半導体記憶手段を搭載した回路基板が備えられる。そして、インクカートリッジをカートリッジホルダーに装着した場合において、各インクカートリッジとプリンター本体が電気的に接続され、前記情報の授受がなされるように構成されている。
【0005】
例えば、特許文献1では、インクカートリッジ側に搭載された回路基板の取付部において、インクカートリッジをカートリッジホルダーに装着する方向の下流側に回路基板の表面方向に突出する突起部が形成されている。これにより、回路基板の端部がカートリッジホルダー内に配置されたコネクタ端子と直接的に接触することを回避し、回路基板の端部が欠ける等して損傷してしまうことを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−152297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1では、回路基板とコネクタ端子とが摺接しながら接続される際に、摺接経路に塵埃があった場合、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれるおそれがある。すると、回路基板とコネクタ端子との接触が不十分となり、回路基板に搭載された半導体記憶手段とのデータの授受が不能となる。これにより、プリンターの正常な印刷動作を不可能にするなどの問題が発生してしまう。
また、回路基板の取付部において突起部が形成されている場合、回路基板がコネクタ端子と摺接接続されると、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受ける。このため、例えば突起部が樹脂材料により形成されていると、素材が掻き取られる作用を受け、樹脂素材が粉状の塵埃となってコネクタ端子に付着し、上述した問題が発生してしまう。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、回路基板とコネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム、液体噴射装着及び液体収容容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の液体噴射システムは、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体を収容する液体収容容器本体と、前記液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、前記液体収容容器本体の装着方向に沿う側面に固定された第1回路基板と、前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子と、前記液体収容容器本体における前記装着方向の下流側に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この液体噴射システムによれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、移動部材の装着方向への移動により第1コネクタ端子を第1回路基板から離間した位置から第1回路基板に接触する位置まで移動させるので、第1コネクタ端子が第1回路基板と接触するまでの間、第1コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。このため、従来のように摺接経路に塵埃がある場合でも、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれることがない。また、回路基板の取付部に突起部が形成されている場合でも、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受け、突起部の素材が掻き取られる作用を受けることもない。したがって、第1回路基板と第1コネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システムが提供できる。
【0011】
また、上記液体噴射システムにおいて、前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1回路基板と接触する面が前記装着方向に対して傾いた状態から前記装着方向に平行な状態に回転動作してもよい。
【0012】
この液体噴射システムによれば、第1コネクタ端子の回転機構を容器ホルダー内部に収容することが容易となる。具体的には、第1コネクタ端子が回転動作しない場合(例えば、スライド移動させる構造)に比べて第1コネクタ端子の移動スペースは小さくて済むため、スライド機構を設けるためのスペースが必要となることがない。したがって、装置の大型化を抑制することができる。
【0013】
また、上記液体噴射システムにおいて、前記第1コネクタ端子は、前記装着方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数の接点部を備えていてもよい。
【0014】
この液体噴射システムによれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、各接点部が第1回路基板に対してそれぞれ時間的差を有して接触することになる。このため、容器ホルダーに液体収容容器本体を完全に装着する前に、予め、各接点部に対応した各種情報を取得することができる。
【0015】
また、上記液体噴射システムにおいて、前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に固定された第2回路基板と、前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられるとともに前記第1コネクタ端子と導通する第2コネクタ端子と、を有し、前記第2コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に前記第1コネクタ端子が前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動するときに、前記第2回路基板から離間した位置から前記第2回路基板に接触する位置まで移動してもよい。
【0016】
この液体噴射システムによれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、移動部材の装着方向への移動により第1コネクタ端子が移動するときに、第2コネクタ端子を第2回路基板から離間した位置から第2回路基板に接触する位置まで移動させるので、第2コネクタ端子が第2回路基板と接触するまでの間、第2コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。したがって、第2回路基板と第2コネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システムが提供できる。
【0017】
本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、前記液体を収容する液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、前記容器ホルダーの側面に設けられた第1コネクタ端子と、を有し、前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記液体収容容器本体に接触する方向に移動可能になっていることを特徴とする。
【0018】
この液体噴射装置によれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、第1コネクタ端子が液体収容容器本体に接触する方向に移動可能になっているので、第1コネクタ端子が液体収容容器本体と接触するまでの間、第1コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1コネクタ端子における導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射装置が提供できる。
【0019】
本発明の液体収容容器は、上述した液体収容容器本体と、前記液体収容容器本体の側面に固定された第1回路基板と、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体が装着される装着方向の下流側における前記液体収容容器本体に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、を備えることを特徴とする。
【0020】
この液体収容容器によれば、容器ホルダーに液体収容容器本体を装着する際に、移動部材の装着方向への移動により第1コネクタ端子を第1回路基板から離間した位置から第1回路基板に接触する位置まで移動させるので、第1コネクタ端子が第1回路基板と接触するまでの間、第1コネクタ端子には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1回路基板と第1コネクタ端子との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体収容容器が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る液体噴射システムの正面の構成を示す概略斜視図である。
【図2】液体噴射システムの背面の構成を示す概略斜視図である。
【図3】液体噴射システムの内部構成を示す概略断面図である。
【図4】容器ホルダーの斜視図である。
【図5】容器ホルダーの正面図である。
【図6】液体収容容器の斜視図である。
【図7】液体収容容器の分解斜視図である。
【図8】第1実施形態に係る第1回路基板及びその取付部を示す概略断面図である。
【図9】第1実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略断面図である。
【図10】第1実施形態に係るコネクタ端子の移動のようすを示す概略断面図である。
【図11】第2実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。
【図12】第2実施形態に係る第1回路基板を示す概略平面図である。
【図13】第2実施形態に係るコネクタ端子の移動のようすを示す概略断面図である。
【図14】第3実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。
【図15】第3実施形態に係るコネクタ端子の移動のようすを示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る液体噴射システム1の正面側の構成を示す概略斜視図である。図2は、液体噴射システム1の背面の構成を示す概略斜視図である。
【0024】
以下、図1に示したXYZ直交座標系に基づいて説明する。このXYZ直交座標系において、X方向及びY方向は液体噴射システム1が設置される面方向と平行となっており、Z方向は液体噴射システム1が設置される面方向と直交している。実際には、XY平面は水平面に平行な面に設定されており、Z方向は鉛直上方向に設定されている。ここでは、カートリッジホルダー(容器ホルダー)80にインクカートリッジ(液体収容容器)90が装着される装着方向がY方向(−Y方向)、液体噴射ヘッド21aの走査方向がX方向に設定されている。
【0025】
図1に示すように、液体噴射システム1は、例えばJIS規格のA1判やJIS規格のB1判といった比較的大型のサイズの記録用紙に記録するインクジェット方式のラージフォーマットプリンター(LFP)であり、プリンター本体(液体噴射装置)2と、脚部3とを備えた構成になっている。この液体噴射システム1は、プリンター本体2に対して脚部3が取り外し可能に固定されている。以下、液体噴射システムとしてインクジェット式プリンターを例に挙げて説明する。
【0026】
液体噴射システム1は、インク(液体)を噴射する液体噴射ヘッド21aと、前記インクを収容するインクカートリッジ90(インクカートリッジ本体91)(図6参照)と、インクカートリッジ90を着脱自在に装着するカートリッジホルダー80と、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90が装着される装着方向(以下、装着方向と呼ぶ)に沿うインクカートリッジ90の側面に固定された第1回路基板100(図6参照)と、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子121と、インクカートリッジ90における装着方向の下流側に設けられるとともに、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させる移動部材95と、を備えて構成されている。
【0027】
なお、プリンター本体2は、液体噴射ヘッド21aと、カートリッジホルダー80と、第1コネクタ端子121と、を備えて構成され、液体噴射システム1に使用される。つまり、プリンター本体2は、液体噴射システム1のうちインクカートリッジ90を除いた装置である。また、インクカートリッジ90は、インクカートリッジ本体91と、第1回路基板100と、移動部材95と、を備えて構成され、液体噴射システム1に使用される。
【0028】
また、プリンター本体2は、給紙部10、記録部20及び排紙部30を備えている。給紙部10は、記録部20の上部に設けられており、背面側(+Y方向側)に突出するように設けられている。給紙部10には、ロール紙ホルダー11と、ロール紙カバー12とが設けられている。
【0029】
ロール紙ホルダー11は、1本のロール状の記録用紙(以下、ロール紙という)を設置する部分であり、給紙部10の内部に設けられている。このロール紙ホルダー11は、スピンドル部13及びスピンドル受部14,15を備えている。スピンドル部13は、ロール紙を保持する軸部材でありX方向に延在している。スピンドル部13にはロール紙押さえ部が設けられている。これにより、スピンドル部13に保持されたロール紙は両側から押さえられて位置がずれないようになっている。スピンドル受部14,15は、スピンドル部13を回転可能に支持する軸受部である。
【0030】
ロール紙カバー12は、跳ね上げ式の開閉可能なカバー部材であり、給紙部10の外側に取り付けられている。このロール紙カバー12は、全体が回動可能に支持されている。ロール紙カバー12の下部を押し上げることで開状態としたり、押し下げることにより閉状態としたりすることが可能になっている。図1においてはロール紙カバー12が開状態となっている。ロール紙カバー12は、閉状態でロール紙ホルダー11を覆うようになっている。
【0031】
記録部20は、キャリッジ21、キャリッジ移動機構22、フレキシブルフラットケーブル(FFC)23、カートリッジホルダー(容器ホルダー)80、インクチューブ25、蓋部材26、操作パネル27、キャッピング機構28、及び廃液回収部29を備えている。また、記録部20は、これらの他にも液体噴射システム1の各構成部品の動作を制御する制御部70(図3参照)、紙送りローラー(図示略)などを備えている。
【0032】
キャリッジ21は、液体噴射ヘッド21aを保持する保持部材であり、キャリッジ移動機構22によって主走査方向(X方向)に移動可能になっている。液体噴射ヘッド21aは、ブラックインクを吐出するブラックインク用液体噴射ヘッドと、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用液体噴射ヘッドとを有している。この液体噴射ヘッド21aは、圧力発生室と当該圧力発生室に繋がるノズル開口とを備えている。圧力発生室にはインクが貯留されるようになっている。そして、インクが貯留された状態で当該圧力発生室内を所定圧で加圧することにより、ノズル開口からロール紙に向けてインク滴が噴射されるようになっている。
【0033】
キャリッジ移動機構22は、レール22aとキャリッジベルト22bとを有している。キャリッジベルト22bにはキャリッジ21が連結されている。キャリッジベルト22bが主走査方向に移動することでキャリッジ21がレール22aに案内されて主走査方向に往復移動するようになっている。
【0034】
FFC23は、液体噴射ヘッド21aと制御部70とを電気的に接続するケーブルであり、一方の端部が液体噴射ヘッド21aのコネクタに接続されると共に他方の端部が制御部70のコネクタに接続された構成になっている。このFFC23を介して、制御部70からの記録信号が液体噴射ヘッド21aに伝達されるようになっている。
【0035】
カートリッジホルダー80は、内部にインクカートリッジ90(図6参照)を備えている。インクカートリッジ90は、上記液体噴射ヘッド21aから噴射される各色(ブラック、ライトイエロー、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等)のインクを収容するカートリッジである。
【0036】
インクチューブ25は、液体噴射ヘッド21aと上記インクカートリッジ90をつなぐチューブ部材であり、上記色毎に別個に設けられている。インクチューブ25には図示しないインク加圧供給機構が接続されている。これにより、当該インク加圧供給機構によって加圧された各色のインクが各インクカートリッジ90から液体噴射ヘッド21aへと送出されるようになっている。
【0037】
蓋部材26は、前蓋26aと、上蓋26bとを有している。前蓋26aは記録部20の正面に設けられており、キャリッジ21、キャリッジ移動機構22、インクチューブ25などを覆うようになっている。この前蓋26aを押し下げることで開状態としたり、押し上げることで閉状態としたりすることが可能に構成されている。図1では、前蓋26aは開状態になっている。上蓋26bは記録部20の上部に設けられており、不図示の給紙ローラーなどを覆うようになっている。この上蓋26bを押し上げることで開状態としたり、押し下げることで閉状態としたりすることが可能に構成されている。図1では、上蓋26bは閉状態になっている。
【0038】
操作パネル27は、液体噴射システム1を操作するための操作部であり、記録部20の上蓋26bの図中右側(+X方向側)に設けられている。この操作パネル27は、例えば液晶装着などからなる表示画面27aと、各種ボタン(図示略)とが設置されており、表示画面を確認しながらボタン操作できるようになっている。操作パネル27の表示画面27aには、例えば印刷動作に関する情報や、インクの交換に関する情報、廃液回収部29に供給されているインクの量に関する情報などが表示されるようになっている。
【0039】
キャッピング機構28は、図2に示すように、液体噴射ヘッド21aのノズル開口近傍のインク粘度が上昇するのを防止するためのメンテナンス機構である。キャッピング機構28には吸引機構が取り付けられており、ノズル開口に付着したインクを吸引できるようになっている。
【0040】
廃液回収部29は、例えばキャッピング機構28によって吸引されたインクや、液体噴射ヘッド21aに初期充填する際に使用されるインク、液体噴射ヘッド21aに至るインク供給系を洗浄する際に使用される洗浄液などの廃液が供給される部分である。この廃液回収部29は、図2に示すようにプリンター本体2の背面側(+Y方向側)、キャッピング機構28の下方に設けられている。この廃液回収部29には、廃液ユニット60が着脱可能に装着されている。
【0041】
排紙部30は、記録部20の下側に設けられており、排紙ローラー(図示略)と、排紙ガイド31bとを有している。排紙ローラーはロール紙に当接可能に設けられており、当該排紙ローラーを介してロール紙が副走査方向(主走査方向の直交方向)へ送出されるようになっている。排紙ガイド31bは記録部20の正面側(−Y方向側)に突出するように設けられており、当該排紙ガイド31bを介してロール紙が副走査方向へ導かれるようになっている。
【0042】
脚部3は、移動用のコロ41を有する2本の支持柱42と、これらの支持柱42の間に掛け渡されている補強棒43とを備えている。支持柱42の上部には記録部20がネジ止め固定されている。支持柱42の間には、排紙部30から排出されてくるロール紙を受ける紙受け装着が配置されるように所定のスペースが設けられている。
【0043】
図3は、液体噴射システム1の内部構成を示す概略断面図である。
図3に示すように、給紙部10から記録部20を経て排紙部30へ向かう用紙搬送経路50は、液体噴射システム1の上部後面側(+YZ方向側)から下部前面側(−YZ方向)にかけて傾斜して設けられている。この用紙搬送経路50は、給紙部10から記録部20にかけて配設された平坦な給紙ガイド51、対向配置された接触・離間可能な紙送りローラー52及び従動ローラー53、キャリッジ21に搭載された液体噴射ヘッド21aと対向配置された平坦な用紙搬送案内部であるプラテン54、記録部20から排紙部30にかけて設けられた平坦な紙吸引部55、排紙部30に設けられた排紙ガイド31bを備えている。
【0044】
給紙ガイド51、排紙ガイド31bの各表面は、用紙搬送面として作用する。紙吸引部55の表面は、用紙搬送面及び用紙吸引面として作用する。この紙吸引部55は、主走査方向に複数並設され、副走査方向に3列配設された吸引口(媒体吸引部)55a、55b、55cを備えている。記録部20の内部に設けられたファン57により外気が各吸引口55a、55b、55cから吸引されることにより、紙吸引部55上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。
【0045】
プラテン54の表面は、用紙搬送案内面として作用すると共に用紙吸引面としても作用する。このプラテン54は、主走査方向に交互に複数並設された吸引口54aを備えており、記録部20の内部に配設されたファン57により外気が各吸引口54aから吸引されることにより、プラテン54上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。従って、記録時において特にロール紙の幅が広くてもロール紙はプラテン54上で全幅にわたって確実に吸引されて略平坦になる。
【0046】
プラテン54と吸引部55との間には隙間56が設けられており、ファン57によって外気が隙間56から吸引され、隙間56上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。このプラテン54は、ロール紙の幅方向のサイズに対応させて分割、例えば4インチの幅で7つに分割されている。各分割部には例えばスポンジや不織布等のインク吸収材が設けられている。
【0047】
図4は、液体収容容器を装着するカートリッジホルダー80の斜視図である。図5は、図4に示したカートリッジホルダー80の正面図である。
図4及び図5に示すように、カートリッジホルダー80は、L字状のホルダー本体81と、U字状の枠体82とを備えて構成されている。枠体82は、一対の支持側壁82a,82aと、支持側壁82a,82aの上端縁を連結する天壁82bと、を備えている。
【0048】
ホルダー本体81は、平面視矩形状の基板81aと、基板81aの後方の上面に取り付けられた壁体81bと、を備えている。基板81aは、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着された場合に、各インクカートリッジ90を並列して載置するための支持台である。基板81a上には、複数のガイドレール83がY方向と平行に延在して列設されている。ガイドレール83は、インクカートリッジ90をカートリッジホルダー80に着脱する際に、インクカートリッジ90を案内するものである。カートリッジホルダー80の内部は、ガイドレール83によって、5つのカートリッジスロット89A、89B、89C、89D、89Eに区画されている。カートリッジスロット89A〜89Eは、それぞれ各色のインクカートリッジ90を個別に収容する容器装着部として機能する。
【0049】
壁体81bは+Y方向側に開口しており、その上端には矩形状の天板81cが取り付けられている。また、壁体81bには、スライダー部材84が設けられている。スライダー部材84は、図示しない付勢手段によって、前方(+Y方向)、すなわちインクカートリッジ90の装着方向(−Y方向)とは反対の方向に付勢されている。スライダー部材84の奥端面(XZ面)84aは、カートリッジスロット89A〜89Eの装着方向下流側(−Y方向側)の端部が当接する面である。スライダー部材84は、インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着されていない時は、付勢手段の力によって、前方側(+Y方向側)に位置している。
【0050】
インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに挿入されると、スライダー部材84は、インクカートリッジ90の先端面(装着方向下流側の面)に押されながら、後方(−Y方向)に移動する。インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに完全に装着されると、スライダー部材84は、所定の位置で停止する。スライダー部材84は、インクカートリッジ90をカートリッジスロット89A〜89Eに装着されている時も、付勢手段の力によって、装着されたインクカートリッジ90に対して、その装着方向とは反対の方向への付勢力を常時付与している。この付勢力は、インクカートリッジ90をカートリッジスロット89A〜89Eから取り外すときに、インクカートリッジ90を前方へ押し出すように作用する。
【0051】
各カートリッジスロット89A〜89Eの壁体81bには、一対の位置決めピン85a,85b、エア連絡口86、インク供給ピン87、識別部材88a〜88eが設けられている。また、各カートリッジスロット89A〜89Eの壁体81bには、インクカートリッジ90に設けられた第1回路基板100(図6参照)と電気的に接続される第2回路基板110が固定されている。
【0052】
一対の位置決めピン85a,85bは、各カートリッジスロット89A〜89Eの上下に設けられている。一対の位置決めピン85a,85bは、インクカートリッジ90を位置決めするためのものである。
【0053】
エア連絡口86は、各カートリッジスロット89A〜89Eの下側の位置決めピン85bに近接して設けられている。エア連絡口86は、それら各インクカートリッジ90の位置決め穴98,99に挿入される上下一対の位置決めピン85a,85b、インクカートリッジ90に空気を供給するためのものである。
【0054】
インク供給ピン87は、各カートリッジスロット89A〜89Eの上側の位置決めピン85aに近接して設けられている。インク供給ピン87は、インクカートリッジ90からのインクを、インクチューブ25(図1参照)を介して液体噴射ヘッド21a(図1参照)に供給するためのものである。
【0055】
識別部材88a〜88eは、カートリッジスロット89A〜89Eのそれぞれに、上側の位置決めピン85aとエア連絡口86とに挟まれた位置に設けられている。識別部材88a〜88eは、インクカートリッジ90の誤装着を防止するためのものである。
【0056】
これら識別部材88a〜88eの先端には、凹凸嵌合部が形成されている。一方、インクカートリッジ90の挿入方向先端面には、各識別部材88a〜88eの凹凸嵌合部の形状に対応する識別部94(図6参照)が形成されている。識別部94の形状は、詳細な図示を省略しているが、インクカートリッジ90の種類によって異なっている。
【0057】
つまり、各識別部材88a〜88eの凹凸嵌合部は、それぞれ一種類のインクカートリッジ90の識別部94とのみ嵌合することができ、他の種類のインクカートリッジ90の識別部94とは嵌合できない形状となっている。このように、本実施形態の液体噴射システム1は、インクカートリッジ90の識別部94と各識別部材88a〜88eの凹凸嵌合部との組み合わせによって、インクカートリッジ90の誤装着が生じないように構成されている。
【0058】
第2回路基板110は、インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着された時に、インクカートリッジ90に設けられた第1回路基板100と接触して導通接続するようになっている。なお、第1回路基板100及び第2回路基板110の詳細については後述する。
【0059】
図6は、インクカートリッジ90の斜視図である。図7は、図6に示したインクカートリッジ90の分解斜視図である。
図6及び図7に示すように、インクカートリッジ90は、扁平な略直方体のインクカートリッジ本体(液体収容容器本体)91と、第1回路基板100と、移動部材95と、を備えている。
【0060】
インクカートリッジ本体91の内部には、上部を開放した略箱形の袋体収容部91aと、この袋体収容部91aの前面側(−Y方向側)に位置する検出ユニット収容部91bが形成されている。袋体収容部91aには、液体収容室としてのインクパック92が収容される。また、検出ユニット収容部91bには、インク供給口93a(液体供給口)が設けられた液体残量検出ユニット93が収容される。
【0061】
液体残量検出ユニット93は、インクカートリッジ本体91に対して着脱可能となっている。この、液体残量検出ユニット93には、図示しない残量検出センサー(圧電素子を用いたセンサー)が設けられている。残量検出センサーは、インクカートリッジ90内のインクの残量を検出するためのセンサーである。
【0062】
また、インクカートリッジ本体91には、袋体収容部91a及び検出ユニット収容部91bを覆ってカバー96が装着される。なお、インクカートリッジ90は、縦置きでカートリッジスロット89A〜89Eに装着される。
【0063】
本実施形態において、インクカートリッジ90は5種類ある。5種類のインクカートリッジ90のインクパック92内には、それぞれ異なる5色のインクが貯留されている。これら5種類のインクカートリッジ90は、インクパック92の内部に貯留されているインクの種類と上述した識別部94の形状が異なるだけであり、他の構成は一致している。
【0064】
インクカートリッジ90の先端面(−Y方向側の面)には、インク供給口93aと、エア流入口97とが設けられている。インク供給口93aはインクパック92のインク吐出口92aと接続されている。
【0065】
ここで、インクパック92から液体噴射ヘッド21aへのインクの供給について説明する。インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着されると、インク供給口93aに、上述したインク供給ピン87が挿入される。インク供給ピン87は、インクチューブ25を介して液体噴射ヘッド21aに接続されている。
【0066】
また、インクカートリッジ90がカートリッジスロット89A〜89Eに装着されると、エア流入口97が、上述したエア連絡口86に挿入される。エア連絡口86は、不図示の加圧空気供給路を介して加圧ポンプに接続されている。加圧ポンプが、加圧空気供給路、エア連絡口86、エア流入口97を介して、袋体収容部91aに加圧空気を供給することで、インクパック92が加圧される。インクパック92が加圧されることにより、インクパック92のインク吐出口92aから流出するインクが、インク供給口93aを介して液体噴射ヘッド21aへと供給される。
【0067】
また、インクカートリッジ90の先端面(−Y方向側の面)には、互いに離間して一対の位置決め穴98,99が設けられている。
【0068】
ここで、位置決め穴98,99及び上述した一対の位置決めピン85a,85bによる位置決めについて説明する。インクカートリッジ90を各カートリッジスロット89A〜89Eに挿入すると、位置決めピン85a,85bの先端がそれぞれ位置決め穴98,99に嵌入される。その後、更にインクカートリッジ90をカートリッジスロット89A〜89Eの奥側へ挿入していくと、インクカートリッジ90は、位置決めピン85a,85bを基準に移動する。
【0069】
インクカートリッジ90が各カートリッジスロット89A〜89Eに完全に装着されると、位置決め穴98,99が、一対の位置決めピン85a,85bと嵌合することにより、インクカートリッジ90の先端面に沿う方向の位置が決められて、インクカートリッジ90の移動が規制される。
【0070】
一方の位置決め穴98は、上側の位置決めピン85aの軸方向と垂直な断面形状にほぼ対応する形状(丸孔)に設定されている。他方の位置決め穴99は、下側の位置決めピン85bの軸方向と垂直な断面形状にほぼ対応する形状(インクカートリッジ本体91の高さ方向(Z方向)に細長い長穴)に設定されている。このように、他方の位置決め穴99を長穴にすることで、位置決め精度を保つ一方で寸法公差等の許容が容易になる。
【0071】
装着方向(−Y方向)に沿うインクカートリッジ90(インクカートリッジ本体91)の側面(+Z方向側の面)には、第1回路基板100が固定されている。言い換えると、第1回路基板100は、装着方向に平行なインクカートリッジ90の側面に固定されている。ここで、装着方向に「平行」とは完全平行及び略平行のいずれをも含むものとする。また、第1回路基板100は、移動部材95と近接する位置に設けられている。
【0072】
図8は、回路基板100及びその取付部を示す概略断面図である。なお、本図は装着方向下流側(−Y方向側)に平行なインクカートリッジ90の側端部(+Z方向側の端部)を示している。
【0073】
図8に示すように、第1回路基板100は、インクカートリッジ本体91の側端部(+Z方向側の端部)に形成された凹部103内に取り付けられている。これにより、第1回路基板100の位置決めがなされている。第1回路基板100の表面(+Z方向側の面)には、後述する第1コネクタ端子121(図9参照)と電気的に接続される第1電極パッド100aが形成されている。この第1電極パッド100aは、上述した残量検出センサーと電気的に接続されている。また、この第1電極パッド100aには回路パターン(図示略)が導通して形成されている。この回路パターンは、例えばソルダーレジスト膜(図示略)によって被覆されている。また、第1回路基板100の裏面(−Z方向側の面)には、例えばEEPROM等のメモリ素子101が搭載されている。このメモリ素子101は、例えばインク残量やカートリッジの使用履歴等の情報を記録するためのものである。そして、メモリ素子101は、モールド樹脂102により第1回路基板100の裏面に固着されている。
【0074】
移動部材95は、装着方向の下流側(−Y方向側)におけるインクカートリッジ本体91の角部に設けられている。この移動部材95は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121(図9参照)を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させるものである。
【0075】
また、インクカートリッジ本体91の側端部(+Z方向側の端部)における第1回路基板100と移動部材95の間には、第1回路基板100の表面側(+Z方向側)に突出する突起部105が形成されている。この突起部105は、第1回路基板100の端部(−Y方向側の端部)が後述する第1コネクタ端子121(図9参照)に接触することを回避するために機能する。具体的には、第1回路基板100の基板本体がガラスエポキシ等の材料により形成されている場合、第1コネクタ端子121が直接的に接触すると、第1回路基板100の端部が欠ける等して損傷してしまう問題が生じる。このため、第1回路基板100の端部が第1コネクタ端子121に接触しないような構成とされている。
【0076】
ところで、回路基板とコネクタ端子とが摺接しながら接続される際、摺接経路に塵埃があると、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれるおそれがある。すると、回路基板とコネクタ端子との接触が不十分となり、回路基板に搭載されたメモリ素子(半導体記憶手段)とのデータの授受が不能となる。これにより、プリンターの正常な印刷動作を不可能にするなどの問題が発生するおそれがあった。また、回路基板の取付部において突起部が形成されている場合、回路基板がコネクタ端子と摺接接続されると、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受ける。このため、例えば突起部が樹脂材料により形成されていると、素材が掻き取られる作用を受け、樹脂素材が粉状の塵埃となってコネクタ端子に付着し、上述した問題が発生するおそれがあった。
【0077】
そこで、本発明に係る液体噴射システム1では、装着方向に平行なインクカートリッジ本体91の側面に固定された第1回路基板100と、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子121と、装着方向の下流側におけるインクカートリッジ本体91に設けられるとともに、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ本体91を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させる移動部材95と、を備えることによって、第1回路基板100と第1コネクタ端子121との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することを可能にしている。以下、図9を用いて第1コネクタ端子121及びその取付部の詳細について説明する。
【0078】
図9は、第1コネクタ端子121及びその取付部を示す概略断面図である。なお、本図は装着方向下流側(−Y方向側)に平行なカートリッジホルダー80の側端部(−Z方向側の端部)を示している。
【0079】
図9に示すように、第1コネクタ端子121は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられる。具体的には、第1コネクタ端子121は、支持軸124を中心軸として回動する回動部材120を構成する回動基板123の一面(−Z方向側の面)において、支持軸124よりも装着方向の上流側(+Y方向側)に設けられている。この第1コネクタ端子121は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1回路基板100と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0080】
なお、第1コネクタ端子121は、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されている。また、第1コネクタ端子121の表面(−Z方向側の面)には、第1回路基板100側の第1電極パッド100aと電気的に接続される第1接点部121aが形成されている。この第1接点部121aは、第1電極パッド100aに対応する位置に設けられている。また、支持軸124はX方向に延在する棒状の部材であり、回動基板123の中心部に位置している。また、支持軸124の両端は、カートリッジホルダー80に固定されている。
【0081】
第2回路基板110は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されている。具体的には、第2回路基板110は、壁体81の−Y方向側の面にその基端が支持固定されている。また、第2回路基板110の+Y方向側には開口部111が形成されている。これにより、回動部材120は、装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態から装着方向に平行な状態まで自在に回動可能になっている。また、第2回路基板110の表面(−Z方向側の面)には、後述する第2コネクタ端子122と電気的に接続される第2電極パッド110aが形成されている。
【0082】
第2コネクタ端子122は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられるとともに第1コネクタ端子121と導通している。この第2コネクタ端子122は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121が第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動するときに、第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触する位置まで移動するようになっている。
【0083】
具体的には、第2コネクタ端子122は、回動基板123の他面(+Z方向側の面)において支持軸124よりも装着方向の下流側(−Y方向側)に設けられている。この第2コネクタ端子122は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第2回路基板110と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0084】
なお、第2コネクタ端子122は、第1コネクタ端子121と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されており、第2回路基板110側の第2電極パッド110aに対応して配列されている。また、第2コネクタ端子122の表面(+Z方向側の面)には、第2回路基板110側の第2電極パッド110aと電気的に接続される第2接点部122aが形成されている。この第2接点部122aは、第2電極パッド110aに対応する位置に設けられている。
【0085】
このような構成により、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着されると、第1回路基板100側の第1電極パッド100aが第1コネクタ端子121側の第1接点部121aに接触する。また、これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子122側の第2接点部122aに接触する。これにより、第1回路基板100を介して、メモリ素子101や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子101や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となっている。
【0086】
図10は、第1実施形態におけるコネクタ端子121,122の移動のようすを示す概略断面図である。なお、図10(a)はカートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前の状態を示す図である。また、図10(b)はカートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のときの状態を示す図である。また、図10(c)はカートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を示す図である。
【0087】
ここでは、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触するまで移動させるとともに、第2コネクタ端子122を第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触するまで移動させるときの移動部材95及び回動部材120の移動のようすについて説明する。
【0088】
先ず、図10(a)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前、つまり、移動部材95が回動部材120に接触する前の状態を考える。この場合においては、回動部材120が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態となっている。具体的には、回動部材120は、その端部(+Y方向側の端部)が開口部111に入り込んだ状態で、例えばストッパー等の保持部材(図示略)によりその姿勢が保持されている。なお、移動部材95は、回動部材120の支持軸124よりも下側(−Z方向側)に位置している。また、突起部105は第1コネクタ端子121側の第1接点部121aから所定の距離だけ離間している。
【0089】
次に、図10(b)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のとき、つまり、移動部材95が回動部材120に接触して回動部材120を移動させているときの状態を考える。移動部材95は、装着前の状態において回動部材120の支持軸124よりも下側(−Z方向側)に位置するため、移動部材95が回動部材120の下側に接触して装着方向に移動すると、回動部材120は支持軸124を中心として右回りに回動する。つまり、回動部材120は装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態からその角度勾配が小さくなるように回動する。
【0090】
また、突起部105は、装着前の状態において第1接点部121aから所定の距離だけ離間しているため、移動部材95の移動の過程で突起部105には何も接触しないようになっている。また、第1接点部121aについても、第1電極パッド100aに接触するまでの間は何も接触しないようになっている。
【0091】
このため、従来のように摺接経路に塵埃がある場合でも、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれることがない。また、回路基板の取付部において突起部が形成されている場合でも、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受け、突起部の素材が掻き取られる作用を受けることもない。
【0092】
そして、図10(c)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を考える。この場合、回動部材120は装着方向に平行な状態になっている。つまり、第1回路基板100側の第1電極パッド100aが第1コネクタ端子121側の第1接点部121aに接触する。また、これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子122側の第2接点部122aに接触する。これにより、第1回路基板100を介して、メモリ素子101や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子101や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となる。
【0093】
本実施形態に係る液体噴射システム1によれば、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、移動部材95の装着方向への移動により第1コネクタ端子121を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動させるので、第1コネクタ端子121が第1回路基板100と接触するまでの間、第1コネクタ端子121には何も接触しないようにすることができる。このため、従来のように摺接経路に塵埃がある場合でも、この塵埃がコネクタ端子に付着して回路基板とコネクタ端子との間に挟みこまれることがない。また、回路基板の取付部に突起部が形成されている場合でも、突起部の表面がコネクタ端子による摩擦を受け、突起部の素材が掻き取られる作用を受けることもない。したがって、第1回路基板100と第1コネクタ端子121との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム1が提供できる。
【0094】
また、この構成によれば、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子121が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するので、第1コネクタ端子121の回転機構をカートリッジホルダー80内部に収容することが容易となる。具体的には、第1コネクタ端子121が回転動作しない場合(例えば、スライド移動させる構造)に比べて第1コネクタ端子121の移動スペースは小さくて済むため、スライド機構を設けるためのスペースが必要となることがない。したがって、装置の大型化を抑制することができる。
【0095】
また、この構成によれば、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、移動部材95の装着方向への移動により第1コネクタ端子121が移動するときに、第2コネクタ端子122を第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触する位置まで移動させるので、第2コネクタ端子122が第2回路基板110と接触するまでの間、第2コネクタ端子122には何も接触しないようにすることができる。したがって、第2回路基板110と第2コネクタ端子122との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能な液体噴射システム1が提供できる。
【0096】
本実施形態に係るプリンター本体2によれば、上述した液体噴射システム1に使用されるので、第1コネクタ端子121がインクカートリッジ90と接触するまでの間、第1コネクタ端子121には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1コネクタ端子121における導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能なプリンター本体2が提供できる。
【0097】
本実施形態に係るインクカートリッジ90によれば、上述した液体噴射システム1に使用されるので、第1コネクタ端子121が第1回路基板100と接触するまでの間、第1コネクタ端子121には何も接触しないようにすることができる。したがって、第1回路基板100と第1コネクタ端子121との導通不良を解消し、正常な印字動作を確保することが可能なインクカートリッジ90が提供できる。
【0098】
なお、本実施形態では、移動部材95が回動部材120に接触して回動部材120を移動させているが、これに限らない。例えば、移動部材95が回動部材120に接触することなく回動部材120を移動させてもよい。具体的には、移動部材95及び回動部材120として磁石等の磁性体を用いることにより、移動部材95と回動部材120が互いに離れた状態であっても、移動部材95と回動部材120の間の磁気力の作用により、回動部材120を移動させることができる。
【0099】
このとき、移動部材95と回動部材120の間には互いにひきあう力が作用(例えば互いに異極の磁石を使用)していてもよいし、互いにしりぞけあう力が作用(例えば互いに同極の磁石を使用)していてもよい。移動部材95と回動部材120の間に互いにひきあう力が作用する場合、回動部材120の第1コネクタ端子121が配置された側(支持軸124よりも右側(+Y方向側))に磁性体を配置する。また、移動部材95と回動部材120の間に互いにしりぞけあう力が作用する場合、回動部材120の第1コネクタ端子121が配置された側とは反対側(支持軸124よりも左側(−Y方向側))に磁性体を配置する。このようにして、第1コネクタ端子121が第1回路基板100に近づくように磁気力を作用させることが必要である。
【0100】
また、本実施形態では、第1回路基板100は、インクカートリッジ本体91の+Z方向側の端部に取り付けられているが、これに限らない。例えば、第1回路基板100は、インクカートリッジ本体91の−Z方向側の端部に取り付けられていてもよいし、インクカートリッジ本体91の+X方向側の端部もしくは−X方向側の端部に取り付けられていてもよい。すなわち、第1回路基板100は、装着方向に平行なインクカートリッジ本体91の側面に固定されていればよい。
【0101】
また、本実施形態では、第2回路基板110は、壁体81bの−Y方向側の面にその基端が支持固定されているが、これに限らない。例えば、第2回路基板110は、天板81cの−Z方向側の面にその裏面(第2電極パッド110aが形成された側と反対側の面)が支持固定されていてもよい。すなわち、第2回路基板110は、第1回路基板100が配置された位置に対応する位置であって、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されていればよい。
【0102】
また、本実施形態では、回動部材120に設けられた第1コネクタ端子121側の第1接点部121aが装着方向に対して同じ位置(断面視において1つの位置)に配置されて、第1コネクタ端子121と第1回路基板100が1箇所で導通されているが、これに限らない。以下、本実施形態とは異なる第1コネクタ端子と第1回路基板の導通機構について図11及び図12を用いて説明する。
【0103】
(第2実施形態)
図11は、第2実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。図12は、第2実施形態に係る第1回路基板を示す概略平面図である。なお、図11(a)は、図9に対応する、装着方向下流側(−Y方向側)に平行なカートリッジホルダー80の側端部(−Z方向側の端部)を示している。また、図11(b)は、第2実施形態に係る回動部材220を第1コネクタ端子221が配置された側(−Z方向側)から視た平面図である。本実施形態においては、第1コネクタ端子221が装着方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数の接点部を備える点で第1実施形態に係る第1コネクタ端子121と異なる。図11において、図9と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0104】
図11に示すように、第1コネクタ端子221は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられる。具体的には、第1コネクタ端子221は、支持軸224を中心軸として回動する回動部材220を構成する回動基板223の一面(−Z方向側の面)において、支持軸224よりも装着方向の上流側(+Y方向側)に設けられている。この第1コネクタ端子221は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1回路基板200(図12参照)と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0105】
また、第1コネクタ端子221の表面(−Z方向側の面)には、装着方向の下流側に位置する下流側接点部221aと、装着方向の上流側に位置する上流側接点部221b,221cと、が形成されている。第1コネクタ端子221には、1つの下流側接点部221aと、2つの装着方向の上流側に位置する上流側接点部221b,221cの計3つの接点部が形成されている。下流側接点部221aの高さ(回動部材220表面から下流側接点部221aの頂点までの距離)は、上流側接点部221b,221cの高さ(回動部材220表面から上流側接点部221b,221cの頂点までの距離)よりも高くなっている。なお、第1コネクタ端子221は、上述した第1コネクタ端子121と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されている。
【0106】
図12に示すように、第1回路基板200は、装着方向の下流側に位置する下流側電極パッド200aと、装着方向の上流側に位置する上流側電極パッド200b,200cと、を備えている。この第1回路基板200は、1つの下流側電極パッド200aと2つの上流側電極パッド200b,200cの計3つの電極パッドを備えている。各電極パッド200a,200b,200cは、残量検出センサーと電気的に接続されている。また、これら電極パッド200a,200b,200cには回路パターン(図示略)が導通して形成されている。この回路パターンは、例えばソルダーレジスト膜204によって被覆されている。
【0107】
このように、第1コネクタ端子221の表面(−Z方向側の面)には、第1回路基板200側の下流側電極パッド200aと電気的に接続される下流側接点部221a、上流側電極パッド200bと電気的に接続される上流側接点部221b、上流側電極パッド200cと電気的に接続される上流側接点部221c、が形成されている。各接点部221a,221b,221cは、それぞれ電極パッド200a,200b,200cに対応する位置に設けられている。
【0108】
第2回路基板110は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されている。また、第2回路基板110の+Y方向側には開口部111が形成されている。また、第2回路基板110の表面(−Z方向側の面)には、第2コネクタ端子222と電気的に接続される第2電極パッド110aが形成されている。
【0109】
第2コネクタ端子222は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられるとともに第1コネクタ端子221と導通している。この第2コネクタ端子222は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子221が第1回路基板200から離間した位置から第1回路基板200に接触する位置まで移動するときに、第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触する位置まで移動するようになっている。
【0110】
なお、第2コネクタ端子222は、第1コネクタ端子221と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されており、第2回路基板110側の第2電極パッド110aに対応して配列されている。また、第2コネクタ端子222の表面(+Z方向側の面)には、第2回路基板110側の第2電極パッド110aと電気的に接続される第2接点部222aが形成されている。この第2接点部222aは、第2電極パッド110aに対応する位置に設けられている。
【0111】
このような構成により、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着されると、先ず、第1回路基板200側の下流側電極パッド200aが第1コネクタ端子221側の下流側接点部221aに接触する。次いで、また、第1回路基板200側の上流側電極パッド200b,200cが第1コネクタ端子221側の上流側接点部221b,221cに接触する。これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子222側の第2接点部222aに接触する。これにより、第1回路基板200を介して、メモリ素子や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となっている。
【0112】
図13は、第2実施形態におけるコネクタ端子221,222の移動のようすを示す概略断面図である。なお、図13(a)は、図10(a)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前の状態を示す図である。また、図13(b)は、図10(b)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のときの状態を示す図である。また、図13(c)は、図10(c)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を示す図である。
【0113】
ここでは、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子221を第1回路基板200から離間した位置から第1回路基板200に接触するまで移動させるとともに、第2コネクタ端子222を第2回路基板110から離間した位置から第2回路基板110に接触するまで移動させるときの移動部材95及び回動部材220の移動のようすについて説明する。
【0114】
先ず、図13(a)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前、つまり、移動部材95が回動部材220に接触する前の状態を考える。この場合においては、回動部材220が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態となっている。なお、移動部材95は、回動部材220の支持軸224よりも下側(−Z方向側)に位置している。また、突起部105は第1コネクタ端子221側の下流側接点部221aから所定の距離だけ離間している。
【0115】
次に、図13(b)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のとき、つまり、移動部材95が回動部材220に接触して回動部材220を移動させているときの状態を考える。移動部材95は、装着前の状態において回動部材220の支持軸224よりも下側(−Z方向側)に位置するため、移動部材95が回動部材220の下側に接触して装着方向に移動すると、回動部材220は支持軸224を中心として右回りに回動する。つまり、回動部材220は装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態からその角度勾配が小さくなるように回動する。
【0116】
また、突起部105は、装着前の状態において下流側接点部221aから所定の距離だけ離間しているため、移動部材95の移動の過程で突起部105には何も接触しないようになっている。また、下流側接点部221aについても、下流側電極パッド200aに接触するまでの間は何も接触しないようになっている。
【0117】
また、下流側接点部221aの高さは、上流側接点部221b,221cの高さよりも高くなっているため、移動部材95の移動の過程で、下流側接点部221aは、上流側接点部221b,221cよりも早く第1回路基板200(下流側電極パッド200a)に接触することになる。
【0118】
このため、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着する前の装着中の段階で、下流側接点部221aと下流側電極パッド200aを電気的に接触させることができる。これにより、装着中の段階で、第1回路基板200を介して、メモリ素子や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続される。したがって、例えばインク残量、インク有効期限、及びインクカートリッジ90の適否等の情報を、装着中の段階で予め確認することができる。
【0119】
そして、図13(c)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を考える。この場合、回動部材220は装着方向に平行な状態になっている。つまり、第1回路基板200側の下流側電極パッド200aが第1コネクタ端子221側の下流側接点部221aに接触する。また、上流側電極パッド200b,200cが上流側接点部221b,221cと接触する。このとき、下流側接点部221aの高さは、上流側接点部221b,221cの高さとほぼ同じ高さになる。これは、第1コネクタ端子221が弾性金属材料によって形成されていることによる。また、これと同様に、第2回路基板110側の第2電極パッド110aが第2コネクタ端子222側の第2接点部222aに接触する。これにより、第1回路基板200を介して、メモリ素子や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となる。
【0120】
本実施形態に係る液体噴射システム1によれば、第1コネクタ端子221に、装着方向に対してそれぞれ異なる位置に複数の接点部221a,221b,221cが形成されているので、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、各接点部221a,221b,221cが第1回路基板200に対してそれぞれ時間的差を有して接触することになる。具体的には、先ず、装着方向の下流側に対応して設けられた下流側接点部221aと下流側電極パッド200aが接触し、次いで、上流側接点部221b,221cと上流側電極パッド200b,200cが接触することになる。このため、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着する前に、予め、各接点部221a,221b,221cに対応した各種情報(例えばインク残量、インク有効期限、及びインクカートリッジ90の適否等の情報)を取得することができる。
【0121】
なお、上記実施形態では、回動部材の端部(+Y方向側の端部)が開口部に入り込んだ状態で、例えばストッパー等の保持部材(図示略)によりその姿勢が保持されているが、これに限らない。以下、上記実施形態とは異なる回動部材の保持機構について図14を用いて説明する。
【0122】
(第3実施形態)
図14は、第3実施形態に係るコネクタ端子及びその取付部を示す概略図である。なお、図14(a)は、図9に対応する、装着方向下流側(−Y方向側)に平行なカートリッジホルダー80の側端部(−Z方向側の端部)を示している。また、図14(b)は、第3実施形態に係る第2回路基板210を第2電極パッド210aが配置された側(−Z方向側)から視た平面図である。本実施形態においては、第2回路基板210が回動部材の姿勢を保持するストッパーとしての機能を有する点で第1実施形態に係る第2回路基板110と異なる。図14において、図9と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0123】
図14に示すように、第1コネクタ端子321は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられている。具体的には、第1コネクタ端子321は、支持軸324を中心軸として回動する回動部材320を構成する回動基板323の一面(−Z方向側の面)において、支持軸324よりも装着方向の上流側(+Y方向側)に設けられている。この第1コネクタ端子321は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1回路基板100(図15参照)と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0124】
なお、第1コネクタ端子321は、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されている。また、第1コネクタ端子321の表面(−Z方向側の面)には、第1回路基板100側の第1電極パッド100aと電気的に接続される第1接点部321aが形成されている。この第1接点部321aは、第1電極パッド100aに対応する位置に設けられている。また、支持軸324はX方向に延在する棒状の部材であり、回動基板323の中心部に位置している。また、支持軸324の両端は、カートリッジホルダー80に固定されている。
【0125】
第2回路基板210は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に固定されている。具体的には、第2回路基板210は、回動部材320の姿勢を保持するストッパー部212と、ストッパー部212を支持する支持部211と、を備えている。ストッパー部212と支持部211の間にはU字状の溝213が形成されている。このストッパー部212は、溝213の基端(装着方向の下流側の端部)を基準として弾性変形可能となっている。なお、第2回路基板210は、例えば弾性絶縁材料によって形成されている。また、第2回路基板210の表面(−Z方向側の面)には、後述する第2コネクタ端子322と電気的に接続される第2電極パッド210aが形成されている。
【0126】
また、第2回路基板210は、壁体81の−Y方向側の面にその基端が支持固定されている。また、第2回路基板210は、+Y方向側の端部が回動部材320に接触しないような長さになっている。これにより、回動部材320は、装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態から装着方向に平行な状態まで自在に回動可能になっている。
【0127】
第2コネクタ端子322は、装着方向に平行なカートリッジホルダー80の側面に移動可能に設けられるとともに第1コネクタ端子321と導通している。この第2コネクタ端子322は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子321が第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触する位置まで移動するまでに、第2回路基板210に接触した状態になっている。
【0128】
具体的には、第2コネクタ端子322は、回動基板323の他面(+Z方向側の面)において支持軸324よりも装着方向の下流側(−Y方向側)に設けられている。また、第2コネクタ端子322の表面(+Z方向側の面)には、第2回路基板210側の第2電極パッド210aと電気的に接続される第2接点部322aが形成されている。この第2接点部322aは、第2電極パッド210aに対応する位置に設けられている。また、第2接点部322aの高さ(回動部材320表面から第2接点部322aの頂点までの距離)は、第1実施形態に係る第2接点部122aの高さ(回動部材120表面から第2接点部122aの頂点までの距離)よりも高くなっている。この第2接点部122aが第2回路基板210に接触することにより、回動部材320は所定の角度だけ傾いた状態で姿勢が保持されることになる。
【0129】
また、第2コネクタ端子322は、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第2回路基板210と接触する面が装着方向(−Y方向)に対して傾いた状態から装着方向に平行な状態に回転動作するようになっている。
【0130】
なお、第2コネクタ端子322は、第1コネクタ端子321と同様に、例えば銅などの弾性金属材料によって形成されており、第2回路基板210側の第2電極パッド210aに対応して配列されている。
【0131】
このような構成により、インクカートリッジ90がカートリッジホルダー80に装着されるまでの間、第2回路基板210が回動部材の姿勢を保持するストッパーとして作用するようになっている。
【0132】
図15は、第3実施形態におけるコネクタ端子321,322の移動のようすを示す概略断面図である。なお、図15(a)は、図10(a)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前の状態を示す図である。また、図13(b)は、図10(b)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のときの状態を示す図である。また、図15(c)は、図10(c)に対応する、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を示す図である。
【0133】
ここでは、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する際に、第1コネクタ端子321を第1回路基板100から離間した位置から第1回路基板100に接触するまで移動させるとともに、第2コネクタ端子322を第2回路基板210と接触した状態で移動させるときの移動部材95及び回動部材320の移動のようすについて説明する。
【0134】
先ず、図15(a)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着する前、つまり、移動部材95が回動部材320に接触する前の状態を考える。この場合においては、回動部材320が装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態となっている。具体的には、第2接点部322aは、回動部材320が所定の角度だけ傾いた状態で第2回路基板210に接するように形成されている(第2接点部322aの高さが高くなっている)。また、ストッパー部212は、−Z方向側に傾いた状態となっている。このため、回動部材320は、その端部(+Y方向側の端部)が浮いた状態で、第2回路基板210のストッパー部212によりその姿勢が保持されている。なお、移動部材95は、回動部材320の支持軸324よりも下側(−Z方向側)に位置している。また、突起部105は第1コネクタ端子321側の第1接点部321aから所定の距離だけ離間している。
【0135】
次に、図15(b)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を装着中のとき、つまり、移動部材95が回動部材320に接触して回動部材320を移動させているときの状態を考える。移動部材95は、装着前の状態において回動部材320の支持軸324よりも下側(−Z方向側)に位置するため、移動部材95が回動部材320の下側に接触して装着方向に移動すると、回動部材320は支持軸324を中心として右回りに回動する。つまり、回動部材320は装着方向に対して所定の角度だけ傾いた状態からその角度勾配が小さくなるように回動する。
【0136】
また、突起部105は、装着前の状態において第1接点部321aから所定の距離だけ離間しているため、移動部材95の移動の過程で突起部105には何も接触しないようになっている。また、第1接点部321aについても、第1電極パッド100aに接触するまでの間は何も接触しないようになっている。
【0137】
そして、図15(c)に示すように、カートリッジホルダー80にインクカートリッジ90を完全に装着した状態を考える。この場合、回動部材320は装着方向にほぼ平行な状態になっている。このとき、ストッパー部212は第2接点部322aの接触により+Z方向側に傾いた状態となっている。つまり、第1回路基板100側の第1電極パッド100aが第1コネクタ端子321側の第1接点部321aに接触する。なお、第2回路基板210側の第2電極パッド210aについては、予め第2コネクタ端子322側の第2接点部322aに接触している。これにより、第1回路基板100を介して、メモリ素子101や残量検出センサーがプリンター本体2側の制御回路に電気的に接続され、メモリ素子101や残量検出センサーの動作をプリンター本体2側から制御することが可能となる。
【符号の説明】
【0138】
1…液体噴射システム、21a…液体噴射ヘッド、80…カートリッジホルダー(容器ホルダー)、90…インクカートリッジ(液体収容容器)、91…インクカートリッジ本体(液体収容容器本体)、95…移動部材、100,200…第1回路基板、110,210…第2回路基板、121,221,321…第1コネクタ端子、121a,221a,221b,221c,321a…接点部、122,222,322…第2コネクタ端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体を収容する液体収容容器本体と、
前記液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、
前記液体収容容器本体の装着方向に沿う側面に固定された第1回路基板と、
前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子と、
前記液体収容容器本体における前記装着方向の下流側に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、
を備えることを特徴とする液体噴射システム。
【請求項2】
前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1回路基板と接触する面が前記装着方向に対して傾いた状態から前記装着方向に平行な状態に回転動作することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射システム。
【請求項3】
前記第1コネクタ端子は、前記装着方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数の接点部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射システム。
【請求項4】
前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に固定された第2回路基板と、
前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられるとともに前記第1コネクタ端子と導通する第2コネクタ端子と、を有し、
前記第2コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に前記第1コネクタ端子が前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動するときに、前記第2回路基板から離間した位置から前記第2回路基板に接触する位置まで移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体噴射システム。
【請求項5】
液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体を収容する液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、
前記容器ホルダーの側面に設けられた第1コネクタ端子と、を有し、
前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記液体収容容器本体に接触する方向に移動可能になっていることを特徴とする液体噴射装着。
【請求項6】
請求項5に記載の液体収容容器本体と、
前記液体収容容器本体の側面に固定された第1回路基板と、
前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体が装着される装着方向の下流側における前記液体収容容器本体に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、
を備えることを特徴とする液体収容容器。
【請求項1】
液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体を収容する液体収容容器本体と、
前記液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、
前記液体収容容器本体の装着方向に沿う側面に固定された第1回路基板と、
前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられた第1コネクタ端子と、
前記液体収容容器本体における前記装着方向の下流側に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、
を備えることを特徴とする液体噴射システム。
【請求項2】
前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1回路基板と接触する面が前記装着方向に対して傾いた状態から前記装着方向に平行な状態に回転動作することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射システム。
【請求項3】
前記第1コネクタ端子は、前記装着方向に対してそれぞれ異なる位置に配置された複数の接点部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射システム。
【請求項4】
前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に固定された第2回路基板と、
前記装着方向に平行な前記容器ホルダーの側面に移動可能に設けられるとともに前記第1コネクタ端子と導通する第2コネクタ端子と、を有し、
前記第2コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に前記第1コネクタ端子が前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動するときに、前記第2回路基板から離間した位置から前記第2回路基板に接触する位置まで移動することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体噴射システム。
【請求項5】
液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
前記液体を収容する液体収容容器本体を着脱自在に装着する容器ホルダーと、
前記容器ホルダーの側面に設けられた第1コネクタ端子と、を有し、
前記第1コネクタ端子は、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記液体収容容器本体に接触する方向に移動可能になっていることを特徴とする液体噴射装着。
【請求項6】
請求項5に記載の液体収容容器本体と、
前記液体収容容器本体の側面に固定された第1回路基板と、
前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体が装着される装着方向の下流側における前記液体収容容器本体に設けられるとともに、前記容器ホルダーに前記液体収容容器本体を装着する際に、前記第1コネクタ端子を前記第1回路基板から離間した位置から前記第1回路基板に接触する位置まで移動させる移動部材と、
を備えることを特徴とする液体収容容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−173256(P2011−173256A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−36946(P2010−36946)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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