説明

液体噴射ヘッド及び液体噴射装置

【課題】液体が回路基板に流入することを防止して信頼性が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクを噴射するヘッド本体80と、ヘッド本体80に駆動信号を供給する回路基板60と、ヘッド本体80及び回路基板60が固定されてヘッド本体80に供給される液体の圧力を制御する背圧制御ユニットとを備え、背圧制御ユニットは、液体流路50が設けられた流路部材40と、流路部材40を保護するベース部31及びカバー部32とを備え、回路基板60は、少なくとも一部が露出した露出部62を有し、カバー部32には、液体供給管が接続される接続部37と、露出部62と接続部37との間に設けられた貯留部38と、貯留部38に連通し、貯留部38に貯留された液体を露出部62に向かう方向以外の方向に案内する排出路39とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射ヘッド一例であるインクジェット式記録ヘッドは、ノズル開口と連通する圧力発生室に圧力変化を生じさせてノズル開口からインク滴を吐出させる。
【0003】
このようなインクジェット式記録ヘッドには、バルブユニット(背圧制御ユニット)が設けられたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−260948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような背圧制御ユニットは、分割可能なカバーと、カバーの内部に設けられた流路部材とで構成されており、背圧制御ユニットの下面側にはインク滴を吐出するヘッド本体及びヘッド本体に駆動信号を供給する回路基板が固定されている。
【0006】
内部に流路部材を保持するカバーには、当該流路部材にインクを供給するチューブ等が接続される接続部が設けられている。チューブ等を接続部から外したときなどにインク滴が接続部の周辺に付着する場合があり、この付着したインク滴は、カバーの表面を伝って回路基板に流れ込む虞がある。
【0007】
回路基板は、液体噴射装置からの外部配線が接続されるコネクターなどが一部露出している。当然、外部配線や回路基板のコネクター等はシールされているものの、回路基板の電子回路や電子部品をインク滴から保護するために万全を期す必要がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑み、液体が回路基板に流入することを防止して信頼性が向上した液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する本発明は、液体を噴射するヘッド本体と、当該ヘッド本体に駆動信号を供給する回路基板と、当該ヘッド本体及び当該回路基板が固定されて前記ヘッド本体に供給される液体の圧力を制御する背圧制御ユニットとを備え、前記背圧制御ユニットは、液体流路が設けられた流路部材と、当該流路部材を保護するカバーとを備え、前記回路基板は、少なくとも一部が露出した露出部を有し、前記カバーには、液体供給管が接続される接続部と、前記露出部と前記接続部との間に設けられた第1の溝部と、前記第1の溝部に連通し、当該第1の溝部に貯留された液体を前記第1の溝部から前記露出部に向かう方向以外の方向に案内するように延設された第2の溝部とが設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、カバーの露出部と接続部との間に第1の溝部を設けたことで、接続部から漏れ出た液体は、第1の溝部に貯留される。そして第1の溝部に連通して露出部に向かう方向以外の方向に延設された第2の溝部により、液体はカバーの外部に排出される。これにより、接続部から漏れ出た液体により回路基板の回路が短絡したり電子部品が故障することが防止され、信頼性が向上した液体噴射ヘッドが提供される。
【0010】
ここで、前記接続部は、前記流路部材の液体流路に連通する開口部を有し、当該開口部の開口縁部は、前記カバーの前記流路部材とは反対側の表面よりも、第1の溝部の底部に近い高さに設定されていることが好ましい。これにより、接続部の開口部から漏れ出たインクは、カバーの表面に流出せずに、第1の溝部に貯留される。すなわち、液体がカバーの表面に流出し、露出部等に流れ込むことを防止することができる。
【0011】
また、前記第2の溝部の底部は、前記接続部の開口縁部よりも前記第1の溝部の底部に近い高さに設定されていることが好ましい。これにより、第1の溝部及び第2の溝部の液体の液面が接続部の開口縁部よりも高い位置になることが防止される。これにより、液体がカバーの表面に流出し難くすることができ、液体を第1の溝部及び第2の溝部に導いてカバーの外部に確実に排出することができる。
【0012】
また、前記カバーの前記流路部材とは反対側の表面には、当該表面に付着した液体を、前記露出部に向かう方向以外の方向に案内するように延設された案内部が設けられていることが好ましい。これにより、カバーの表面に付着した液体は、カバーに設けられた案内部により露出部に流入することが防止される。
【0013】
また、前記カバーには、前記露出部の周囲を囲うように形成された第3の溝部が設けられていることが好ましい。これにより、露出部に液体が流入することをより確実に防止できる。
【0014】
また、前記カバーは、ベース部と、該ベース部に固定されたカバー部とを備え、前記ベース部と前記カバー部とで形成された保持部に前記流路部材を保持し、前記回路基板は、前記露出部が前記カバー部の側方に位置するように前記ベース部に固定され、前記カバー部の表面に、前記接続部、前記露出部と前記接続部との間に設けられた前記第1の溝部及び前記第1の溝部に連通する前記第2の溝部が設けられ、前記第2の溝部は、前記カバー部の前記露出部側の端部以外の端部まで延設されていることが好ましい。これにより、カバー部の側方に位置する露出部に液体が流入することを防止できる。
【0015】
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液体が回路基板に流入することを防止して信頼性が向上した液体噴射装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る流路部材の分解斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る背圧制御ユニットの断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカバー部の平面図である。
【図5】図4のA−A線における接続部近傍の断面図である。
【図6】図4のB−B線における接続部近傍の断面図である。
【図7】図4のC−C線における案内部近傍の断面図である。
【図8】図4のB−B線における第3の溝部近傍の断面図である。
【図9】本発明の変形例に係るカバー部の平面図である。
【図10】本発明の変形例に係るカバー部の平面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る記録装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド10は、背圧制御ユニット20と、背圧制御ユニット20の底面に設けられた回路基板60と、回路基板60の背圧制御ユニット20とは反対側に設けられたヘッドケース70と、ヘッドケース70に固定された複数のヘッド本体80と、を具備する。
【0018】
背圧制御ユニット20の底面には、ヘッドケース70が固定され、背圧制御ユニット20とヘッドケース70との間に回路基板60が保持されている。また、ヘッドケース70の底面には、ヘッド本体80が設けられている。
【0019】
回路基板60は、ヘッド本体80にインクを吐出させる駆動信号やヘッド本体80の状態を表す信号を得るための電子部品や回路が形成されたものである。回路基板60は、複数のヘッド本体80に共通して接続されている。
【0020】
また、回路基板60は、配線挿通孔312に相対向する領域に外部配線が接続されるコネクター61が上向きとなるように配置されている。本実施形態では、ベース部31の側方に支持部313が突出し、支持部313に配線挿通孔312が設けられ、配線挿通孔312に、回路基板60のコネクター61の先端側部分が露出している。この回路基板60の露出した部分を露出部62と称する。
【0021】
ヘッド本体80は、特に図示しないがノズル開口が並設された列が2列以上設けられており、各背圧制御ユニット20から供給された各種インクを各ノズル列から吐出可能に設けられている。本実施形態では、特に図示していないが、4つのヘッド本体を設け、3つのヘッド本体からは2色のインクが吐出されるようにすると共に1つのヘッド本体からは1色のインクが2列のノズル列から吐出されるようにした。これにより、7色のインクを吐出可能とした。
【0022】
ヘッド本体80内には、特に図示していないが、ノズル開口に連通する圧力発生室と圧力発生室に圧力変化を生じさせる圧力発生手段とが設けられている。かかる圧力発生手段としては、例えば、電気機械変換機能を呈する圧電材料を有する圧電アクチュエーターの変形によって圧力発生室の容積を変化させて圧力変化を生じさせて、ノズル開口からインク滴を吐出させるものや、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口からインク滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口からインク滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
【0023】
背圧制御ユニット20は、外部のインクが貯留されたインクタンクなどの液体貯留手段からのインクをヘッド本体80に供給するものである。
【0024】
背圧制御ユニット20は、中空状の箱状部材からなるカバー30と、カバー30の内部に設けられた流路部材40と、を具備する。
【0025】
カバー30は、上下に分割されたベース部31とカバー部32とを具備する。ベース部31は、カバー部32側に開口する凹形状を有する第1保持部311と、第1保持部311の一端部側に設けられて厚さ方向に貫通する配線挿通孔312が設けられた支持部313と、を具備する。
【0026】
ベース部31の第1保持部311の底面には、厚さ方向に貫通してヘッド本体にインクを供給する複数の供給口314が設けられている。本実施形態では、ベース部31の底面に7個の供給口314を設けた。
【0027】
カバー部32は、図3に示すように、第2保持部321が設けられている。第2保持部321は、ベース部31の第1保持部311に相対向してベース部31側に開口する凹形状を有する。
【0028】
図3に示すように、ベース部31とカバー部32とは、第1保持部311と第2保持部321とを相対向させて固定されることで、内部に第1保持部311と第2保持部321とによって画成された空間である保持部33を有する。
【0029】
ベース部31には、第1保持部311の側面を画成する第1壁部315が設けられている。また、カバー部32には、第2保持部321の側面を画成する第2壁部322が設けられている。そして、これらベース部31とカバー部32とは、第1壁部315の先端面と第2壁部322の先端面とを互いに第1シール部34を介して当接させて固定されている。
【0030】
詳しくは後述するが、第1壁部315と第2壁部322との間には、ゴムやエラストマー等からなる第1シール部34が挟持される。もちろん、この第1シール部34は熱溶着や接着剤を用いた接着であっても良い。
【0031】
また、カバー部32の配線挿通孔312側の端部には、インクをインクジェット式記録ヘッド10に供給する液体供給管が接続される接続部37が設けられている。接続部37は、カバー部32の案内部600が形成された表面(保持部33とは反対側の表面)よりも貯留部38の底部381に近い高さに設定されている開口縁部371を有する開口部372を有している。
【0032】
開口部372は、第2保持部321の底面を厚さ方向に貫通して形成されている。カバー部32の第2保持部321側には、第2壁部322よりも低く突出した突起部324が設けられており、開口部372は、突起部324に開口している。
【0033】
接続部37の開口縁部371の側方には、上述の液体供給管を固定するためのネジが螺合される雌ねじ部373が設けられている。開口縁部371と雌ねじ部373の表面は面一になっており、液体供給管が開口縁部371及び雌ねじ部373の表面に当接してネジで固定される。当該液体供給管により供給されるインクは、後述の複数の導入路52にそれぞれ導入される。
【0034】
カバー30の保持部33に保持される流路部材40は、図2及び図3に示すように、本実施形態では、ベース部31側に設けられた第1流路部材41と、第1流路部材41上に設けられた第2流路部材42と、第2流路部材42上に設けられた圧力室形成部材43と、圧力室形成部材43上に設けられた保護板44と、が積層されて構成されている。
【0035】
これら第1流路部材41、第2流路部材42、圧力室形成部材43及び保護板44のそれぞれは、樹脂材料や金属材料等からなる板状部材で形成され、積層された状態で、カバー30の保持部33内に保持される。
【0036】
このような流路部材40を構成する第1流路部材41、第2流路部材42及び圧力室形成部材43には、外部のインクが貯留された液体貯留手段からのインクをヘッド本体80に供給する液体流路50が設けられている。
【0037】
具体的には、液体流路50は、図3に示すように、液体貯留手段に一端側が接続されたチューブ等の管状部材である液体供給管(図示なし)の他端部が接続される接続口51を有する導入路52と、導入路52からのインクが供給されるチャンバー53と、チャンバー53からのインクをヘッド本体80に供給する供給路54と、を具備する。
【0038】
接続口51は、第2流路部材42の上面にカバー部32の開口部372内に開口して設けられたものである。このような接続口51は、複数のインクに対応して複数個設けられている。本実施形態では、接続口51を7個設けるようにした(図1参照)。
【0039】
このような接続口51を有する導入路52は、第2流路部材42や第1流路部材41を貫通する流路や、第2流路部材42と第1流路部材41との間の流路や、第1流路部材41とベース部31との間の流路などで構成されている。
【0040】
本実施形態の導入路52は、図3(a)に示す第1導入路55と、図3(b)に示す第2導入路56との2つの経路を具備する。
【0041】
第1導入路55は、図3(a)に示すように、第2流路部材42と第1流路部材41とを厚さ方向に貫通した第1導入流路551と、ベース部31の第1保持部311の底面に凹部状に形成されて第1導入流路551に一端部が連通する第2導入流路552と、第2導入流路552の他端部側に連通して第1流路部材41を貫通して設けられた第3導入流路553と、第1流路部材41と第2流路部材42との間に設けられて第3導入流路553に連通する第1フィルター室554と、第1フィルター室554に連通して第2流路部材42を貫通して設けられた第4導入流路555と、を具備する。
【0042】
第2導入路56は、図3(b)に示すように、接続口51に連通して第2流路部材42を厚さ方向に貫通した第5導入流路561と、第1流路部材41と第2流路部材42との間に設けられた凹形状を有する第6導入流路562と、第6導入流路562に連通する第1フィルター室563と、第1フィルター室563に連通して第2流路部材42を厚さ方向に貫通して設けられた第7導入流路564と、を具備する。
【0043】
すなわち、第1導入路55は、第1流路部材41とベース部31との境界を通過してチャンバー53に達する。これに対して、第2導入路56は第1流路部材41とベース部31との境界を通過することなく、第1流路部材41と第2流路部材42との境界を通過して、チャンバー53に達する。
【0044】
第1導入路55及び第2導入路56のそれぞれの途中に設けられた第1フィルター室554、563には、インク中に含まれるゴミや気泡等の異物を除去するフィルター57が設けられている。これにより、第3導入流路553から供給されたインクはフィルター57を通過して第4導入流路555に供給される。同様に、第6導入流路562から供給されたインクはフィルター57を通過して第7導入流路564に供給される。
【0045】
本実施形態では、図2に示すように、接続口51を7個設け、この7個の接続口51に対応して7個の導入路52を設けた。そして7個の導入路52の内、第1導入路55を4個設け、第2導入路56を3個設けるようにした。
【0046】
このように、第1導入流路551〜第4導入流路555で構成される第1導入路55と、第5導入流路561〜第7導入流路564で構成される第2導入路56との2種類の導入路52を設けることで、図3の水平方向にインクが流れる第2導入流路552及び第6導入流路562を、第1流路部材41とベース部31との間と、第1流路部材41と第2流路部材42との間との異なる位置に配置することができる。これにより、第2導入流路552と第6導入流路562を設ける面積を狭くすることができるため、背圧制御ユニット20を小型化することができる。なお、これらの各導入路52は、圧力室形成部材43に設けられた各チャンバー53に連通する。
【0047】
チャンバー53は、板状部材である圧力室形成部材43の第2流路部材42とは反対側に開口する凹形状を有する。また、チャンバー53は、長手方向の一端部側の底面で導入路52に連通し、他端部側の底面で供給路54と連通している。
【0048】
このようなチャンバー53は、圧力室形成部材43の開口面に設けられたフィルム部材45によって封止されている。ここで、フィルム部材45は、可撓性を有する薄膜状のフィルムであり、圧力室形成部材43の表面に熱溶着等によって固定されている。また、フィルム部材45は、チャンバー53内にドーム状に撓んだ状態となるように加圧成形されている。
【0049】
さらに、圧力室形成部材43のチャンバー53内には、フィルム部材45側に配置された弾性板46が設けられている。弾性板46は、一端部側が圧力室形成部材43の表面側に固定された固定された状態でチャンバー53内に突出して設けられており、その先端はチャンバー53内で自由端となっている。本実施形態では、図2に示すように、弾性板46を固定端側で複数の弾性板46が共通する共通部46aと、チャンバー53ごとに突出する弾性部46bとで構成された櫛形状を有するものとした。
【0050】
このような弾性板46は、共通部46aがチャンバー53の開口面側に保持されることで固定されている。なお、弾性板46としては、弾性を有し、且つ耐インク性を有する板状部材であればよく、本実施形態では、ステンレス板を用いた。
【0051】
供給路54は、第2流路部材42を厚さ方向に貫通して設けられた第2フィルター室541と、第2フィルター室541に連通して第1流路部材41を貫通して設けられた第1供給流路542と、ベース部31に設けられた第2供給流路543と、を有する。すなわち、チャンバー53からのインクは、第2フィルター室541と、第1供給流路542と、第2供給流路543とを介してベース部31に設けられた供給口314に供給される。
【0052】
また、第2フィルター室541には、上述した第1フィルター室554と同様にインクに含まれるゴミや気泡などの異物を除去するためのフィルター58が設けられている。すなわち、チャンバー53からのインクは、フィルター58を通過して第1供給流路542と第2供給流路543とを介してヘッド本体80に供給される。
【0053】
保護板44の圧力室形成部材43側の面には、各チャンバー53に相対向してフィルム部材45の変形を許容する空間である凹形状を有するフィルム保持部44aが設けられている。
【0054】
また、背圧制御ユニット20には、フィルム保持部44aの雰囲気を大気開放する外部に連通した大気開放路59が設けられている。
【0055】
大気開放路59は、保護板44のフィルム保持部44aの底面に開口する厚さ方向に貫通した貫通孔591と、保護板44の圧力室形成部材43とは反対側の面に設けられた第1狭わい路592と、保護板44の第1狭わい路592と同じ面に設けられて第1狭わい路592と連通する第2狭わい路593と、第2狭わい路593に連通し、通路が蛇行するように設けられた蛇路594と、カバー部32に設けられた外部連通孔595(図1参照)とを具備し、これらは連通している。すなわち、フィルム保持部44aを構成する空間は、大気開放路59を介して外部に連通している。
【0056】
このように、フィルム保持部44aを大気開放路59によって大気開放することで、チャンバー53内部の圧力と大気圧との差圧でフィルム部材45を変形させることができる。
【0057】
ここで、図3を用いて、ヘッド本体80に供給されるインクの圧力を制御する背圧制御ユニット20の機構について説明する。
【0058】
図示するように、導入路52とチャンバー53との間には、両者の連通状態を開閉する弁体100が設けられている。
【0059】
具体的には、圧力室形成部材43の底面には、導入路52(第4導入流路555及び第7導入流路564)内に上下に伸びる円筒状のケース部101が形成されている。ケース部101の下面は、第4導入流路555及び第7導入流路564の底面に当接している。また、ケース部101の内部は、チャンバー53に連通しており、ケース部101の側面には、ケース部101の内外を連通するスリット102が設けられている。これにより、チャンバー53と導入路52とは、ケース部101の内部を介して連通している。
【0060】
ケース部101内には、弁体100が設けられている。この弁体100は、ケース部101の内部とチャンバー53とを連通する挿通孔103に挿通された円柱状の軸部104と、ケース部101内において軸部104の下端部に設けられた軸部104の外径よりも大きい外径を有する円盤状の鍔部105と、を有する。軸部104の下端は鍔部105の上面における中心に連結されていると共に、軸部104の上端は弾性板46の下面(チャンバー53側の面)に当接している。
【0061】
鍔部105の外径は、挿通孔103の内径よりも大きく、且つケース部101の内径よりも僅かに小さくなっている。また、鍔部105の下面(第2流路部材42側の面)と第4導入流路555及び第7導入流路564の底面との間には付勢部材の一例であるコイルばね106が介装されている。
【0062】
このコイルばね106は、弁体100を常に閉弁状態となる方向である上方(フィルム部材45側)に向かって付勢するようになっている。そして、この弁体100の閉弁状態では、鍔部105がケース部101内の上壁面に密着して挿通孔103が閉鎖された状態、すなわちケース部101内と導入路52とが連通していない非連通状態になっている。
【0063】
そして、チャンバー53内がヘッド本体80へのインクの供給によって負圧になると、フィルム保持部44a内部の大気圧との差圧によってフィルム部材45がチャンバー53側(第2流路部材42側)に撓むように変位する。このフィルム部材45の変位に伴って、弾性板46の弾性部46bが第2流路部材42側に向かって屈曲するように弾性変形する。
【0064】
この弾性板46の弾性変形により、軸部104がコイルばね106の付勢力に抗して弁体100を第2流路部材42側に押し下げることで、鍔部105が挿通孔103の開口する壁面から離反し、チャンバー53と導入路52とが連通する。
【0065】
このように、チャンバー53と導入路52とが連通すると、導入路52のインクがチャンバー53内に流れ込む。そして、チャンバー53及び供給路54内にインクが十分に充填されると、チャンバー53の負圧が解消されて、弾性板46が元の状態に戻ると共に、各コイルばね106の付勢力によって各弁体100がそれぞれ閉弁されることにより各チャンバー53内は常に一定の圧力に保たれる。
【0066】
上述したように、インクの背圧を制御する機構を含んだ流路部材40を保持するカバー部32には、ゴム、エラストマー等からなる第1シール部34、第2シール部35、第3シール部36が互いに分離した状態で設けられている。
【0067】
第1シール部34は、上述したように、カバー部32の第2壁部322の先端面に亘って設けられて、ベース部31とカバー部32との外周の継ぎ目を第1シール部34によって封止して、カバー30の保持部33内のインクが外部に流出するのを抑制するためのものである。
【0068】
第2シール部35は、カバー部32の蛇路594に、流路部材40を構成する部材の積層方向において、相対向する位置に設けられたものであり、蛇路594のカバー部32側の開口を封止する。なお、第2シール部35には、大気開放路59の外部連通孔595に連通する連通孔35aが設けられており、第2シール部35は、実際には、蛇路594の連通孔35a以外の領域を封止する。
【0069】
第3シール部36は、上述した開口部372が設けられた突起部324の保護板44側の面に、開口部372の周囲に亘って設けられたものである。この第3シール部36は、流路部材40の接続口51の周囲でカバー部32との隙間を封止するためのものである。この第3シール部36によって、開口部372に固定されることで、接続口51に接続された液体供給管の着脱時などに漏れたインクが保持部33内に流入するのを抑制することができると共に、保持部33内のインクが接続口51の周囲のカバー部32との隙間から漏れ出るのを抑制することができる。
【0070】
ここで、図4〜図6を用いて、上述した回路基板60の露出部62に、インクが流入することを防止する構成について説明する。
【0071】
図示するように、上述した接続部37は、カバー部32の配線挿通孔312側の端部に設けられている。接続部37の周囲には、第1の溝部である貯留部38が設けられている。
【0072】
貯留部38は、露出部62と接続部37との間に設けられた凹部である。すなわち、貯留部38は、カバー部32に接続部37と同一面側に設けられ、露出部62と接続部37との間を分断するようにカバー部32に設けられた凹部である。
【0073】
本実施形態では、貯留部38は、さらに、接続部37の長手方向(図4の上下方向)の両側にも凹部が設けられており、平面視でコの字型の凹部となっている。
【0074】
このような貯留部38は、接続部37の開口部372が設けられた突起部324から肉盗みして設けた。この肉盗みは、カバー部32に、保持部33側に突出する突起部324を形成しても、カバー部32全体の厚さが均等になるように行われたものである。厚さを均等にすることによりカバー部32のヒケが防止されている。
【0075】
さらに、カバー部32には、貯留部38に連通した第2の溝部である排出路39が設けられている。ここでは、排出路39は、貯留部38を中心として反対方向に延びて、貯留部38よりも流路幅が狭くなるように構成されている。各排出路39は、一端が貯留部38に連通し、他端が露出部62に向かう方向(図4の左側)以外の方向(以下、排出方向)に延設されている。本実施形態では、排出方向を接続部37の長手方向とし、各排出路39は、貯留部38からカバー部32の当該長手方向の端部32aまで延設されている。
【0076】
図6に示すように、接続部37の開口縁部371は、カバー部32の後述する案内部600が設けられた表面よりも貯留部38の底部381に近い高さに設定されている(図中に、開口縁部371とカバー部32の上記表面の位置の差をHで表してある。)。また、排出路39の底部391は、開口縁部371よりも貯留部38の底部381に近い高さに設定されている(図中に、底部391と開口縁部371との高さの差をHで表してある。)。そして、開口縁部371と排出路39の底部391との高さの差よりも開口縁部371と貯留部38の底部381の高さの差が大きくなるように、貯留部38の底部381が設定されている(図中に、底部391と底部381との高さの差をHで表してある。)。
【0077】
このように、接続部37の周囲に貯留部38を設けたことで、もし、接続部37の液体流路50に連通する開口部372からインクが漏れ出たとしても、接続部37の液体流路50に連通する開口部372から漏れ出たインクは貯留部38に貯留される。
【0078】
貯留部38に貯留されたインクは、排出路39の底部391に達するまで貯留部38に貯留され、排出路39の底部391に到達すると排出路39にインクが流入する。そして、インクは排出路39を流れでカバー部32の外部へ排出される。
【0079】
このとき、開口部372から漏れ出たインクは、一時的に貯留部38に貯留されるので、インクの漏れ出る勢いが減殺される。したがって、インクが開口部372から漏れ出た勢いで、カバー部32の露出部62側の第2壁部322を越えることが防止される。
【0080】
また、排出路39は、貯留部38に連通し、排出方向に向けてカバー部32の第2壁部322に接続している端部32aまで延設されている。排出路39が端部32aと接続している方向は、露出部62に向かう方向以外の方向で接続しているので、排出路39が端部32aと接続することで排出路39から排出されるインクが露出部62に直接侵入することが防止される。
【0081】
さらに、接続部37の開口縁部371がカバー部32の案内部600が形成された表面よりも貯留部38の底部381に近い高さに設定されているので、接続部37の開口部372から漏れ出たインクは、カバー部32の表面に流出せずに、貯留部38に貯留される。すなわち、接続部37の開口部372から漏れ出たインクが、何らかの歯止めも無くカバー部32の表面に流出し、露出部62等に流れ込むことが防止されている。
【0082】
また、排出路39の底部391は、開口縁部371よりも貯留部38の底部381に近くなるように高さが設定されているので、貯留部38や排出路39のインクの液面が接続部37の開口縁部371よりも高い位置になることが防止される。これにより、インクがカバー部32の表面に流出し難くすることができ、インクを貯留部38及び排出路39に導いてカバー部32の外部に確実に排出することができる。
【0083】
以上に説明したように、カバー部32の露出部62と接続部37との間に貯留部38を、接続部37を囲むように設けたことで、接続部37に取り付けられた液体供給管を外した場合などに開口部372から漏れ出たインクは、一時的に貯留部38に貯留される。そして貯留部38に連通してカバー部32の端部32aに延設された排出路39により、インクはカバー部32の外部に排出される。これにより、接続部37から漏れ出たインクにより回路基板60の回路が短絡したり電子部品が故障することが防止され、信頼性が向上した液体噴射ヘッド10が提供される。
【0084】
また、図4及び図7に示すように、カバー部32の表面には、カバー部32の表面に付着したインクが開口部372や露出部62に流入することを防止する案内部600が設けられている。
【0085】
具体的には、案内部600は、カバー部32の流路部材40とは反対側の表面に設けられた第1凹部601と第2凹部602とから構成されている。
【0086】
第1凹部601は、カバー部32の表面から露出部62側に向かう第1方向(図中左に向かう方向)とは交差する方向に沿い、カバー部32の端部32aにまで延設されている。本実施形態では、第1凹部601は3個設けられており、そのうち2つは、カバー部32の両方の端部32a(第1方向に交差する方向の両端部)まで延設され、残りの1つは、カバー部32の一方の端部32aまで延設されている。さらに、カバー部32の表面の各第1凹部601の間には、複数の第2凹部602が形成されており、各第2凹部602は、各第1凹部601を連結している。
【0087】
第1凹部601及び第2凹部602は、端部32aに到る途中の流路において、開口部372と接続していない。
【0088】
このような構成の案内部600をカバー部32の表面に設けることで、露出部62に最も近い側の第1凹部601から、カバー部32の露出部62とは反対側の端部32bに亘り付着したインクは、第2凹部602を経由するか又は直接に、第1凹部601に流入する。そして、第1凹部601に流入したインクは、カバー部32の端部32aに案内され排出される。すなわち、案内部600によりカバー部32に付着したインクは、回路基板60の露出部62に向かう第1方向以外の方向に案内される。
【0089】
カバー部32の開口部372に挿通されたチューブ等の液体供給管(図示なし)が接続口51に着脱される際には、該液体供給管からインクが漏れてカバー部32の表面に付着する場合がある。しかしながら、当該インクは、カバー部32に設けられた案内部600により露出部62に流入することが防止される。これにより、インクにより回路基板60の回路が短絡したり電子部品が故障することが防止され、信頼性が向上した液体噴射ヘッド10が提供される。
【0090】
また、案内部600は、開口部372に直接連通していない。そのため、案内部600を流れるインクが開口部372に流入し、その結果、開口部372の液体が溢れて、露出部62に流入することを防止できる。
【0091】
さらに、図4及び図8に示すように、ベース部31には、配線挿通孔312の周囲に第3の溝部90が設けられている。第3の溝部90は、配線挿通孔312を取り囲むように形成された凹部である。
【0092】
このように配線挿通孔312の周囲に第3の溝部90を設けることで、配線挿通孔312内、すなわち露出部62に流入しようとするインクが第3の溝部90で貯留され、配線挿通孔312にインクが流入することが防止される。例えば、カバー部32の第2壁部322などを経由してインクが支持部313に到達したとしても、露出部62にインクが流入することが防止される。
【0093】
以上、一実施形態に係るインクジェット式記録ヘッド10について説明したが、上述したものに限定されない。例えば、図9に示すように、露出部62と接続部37との間に設けられる貯留部38Aは、接続部37の配線挿通孔312側の一部に設けられた凹部であってもよい。この場合においても、接続部37の開口部372から漏れ出たインクは、貯留部38Aに貯留され、排出路39によりカバー部32の外部に排出される。
【0094】
また、特に図示しないが、接続部37の開口縁部371は、カバー部32の表面と同じ位置、すなわちカバー部32の表面と面一になるように形成されていてもよい。この場合においては、開口部372から漏れ出たインクは、貯留部38A及び排出路39によりカバー部32の外部に排出されるので、少なくとも配線挿通孔312側に流入することを防止できる。
【0095】
さらに、図10に示すように、接続部37の全周囲に亘って貯留部38Bが設けられていてもよい。この場合でも同様に、開口部372から漏れ出たインクを貯留部38Bに確実に貯留し、カバー部32の表面にインクが漏れ出すことを防止できる。
【0096】
また、上述した実施形態では、露出部62は、回路基板60のコネクター61が配線挿通孔312に露出した先端部分としたが、これに限らない。露出部62は、回路基板60の任意の部分又は全体であってもよい。例えば、回路基板60がカバー30の側面に取り付けられている場合では、回路基板60全体が露出部となるが、この場合であっても、露出部と接続部37との間に貯留部38(第1の溝部)を設け、貯留部38に連通する排出路39(第2の溝部)を設けることで、回路基板60をインクから保護することができる。
【0097】
上述したインクジェット式記録ヘッド10は、インクジェット式記録装置に搭載される。図11は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略斜視図である。図示するように、本実施形態のインクジェット式記録装置1では、インクジェット式記録ヘッド10がキャリッジ2に搭載されている。そして、インクジェット式記録ヘッド10が搭載されたキャリッジ2は、装置本体7に取り付けられたキャリッジ軸2aに軸方向移動自在に設けられている。
【0098】
また、装置本体7には、インクが貯留されたタンクからなる貯留手段3が設けられており、貯留手段3からのインクは、キャリッジ2に搭載されたインクジェット式記録ヘッド10(背圧制御ユニット20)に液体供給管4を介して供給される。
【0099】
そして、駆動モーター8の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト8aを介してキャリッジ2に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッド10を搭載したキャリッジ2はキャリッジ軸2aに沿って移動される。一方、装置本体7にはキャリッジ軸2aに沿ってプラテン9が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン9に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
【0100】
このようなインクジェット式記録装置1では、キャリッジ2がキャリッジ軸2aに沿って移動されると共にインクジェット式記録ヘッド10のヘッド本体80によってインクが吐出されて記録シートSに印刷される。
【0101】
また、上述したインクジェット式記録装置1では、インクジェット式記録ヘッド10がキャリッジ2に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド10が装置本体7に固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
【0102】
なお、上記した例では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッド10を、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置1を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
【符号の説明】
【0103】
1 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 20 背圧制御ユニット、 30 カバー、 31 ベース部、 32 カバー部、 37 接続部、 38 貯留部(第1の溝部)、 39 排出路(第2の溝部)、 40 流路部材、 50 液体流路、 60 回路基板、 61 コネクター、 62 露出部、 70 ヘッドケース、 80 ヘッド本体、 90 第3の溝部、 371 開口縁部、 372 開口部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するヘッド本体と、当該ヘッド本体に駆動信号を供給する回路基板と、当該ヘッド本体及び当該回路基板が固定されて前記ヘッド本体に供給される液体の圧力を制御する背圧制御ユニットとを備え、
前記背圧制御ユニットは、液体流路が設けられた流路部材と、当該流路部材を保護するカバーとを備え、
前記回路基板は、少なくとも一部が露出した露出部を有し、
前記カバーには、
液体供給管が接続される接続部と、
前記露出部と前記接続部との間に設けられた第1の溝部と、
前記第1の溝部に連通し、当該第1の溝部に貯留された液体を前記第1の溝部から前記露出部に向かう方向以外の方向に案内するように延設された第2の溝部とが設けられている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項2】
請求項1に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記接続部は、前記流路部材の液体流路に連通する開口部を有し、
当該開口部の開口縁部は、前記カバーの前記流路部材とは反対側の表面よりも、第1の溝部の底部に近い高さに設定されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記第2の溝部の底部は、前記接続部の開口縁部よりも前記第1の溝部の底部に近い高さに設定されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記カバーの前記流路部材とは反対側の表面には、当該表面に付着した液体を、前記露出部に向かう方向以外の方向に案内するように延設された案内部が設けられている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項5】
請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記カバーには、前記露出部の周囲を囲うように形成された第3の溝部が設けられている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか一項に記載する液体噴射ヘッドにおいて、
前記カバーは、ベース部と、該ベース部に固定されたカバー部とを備え、前記ベース部と前記カバー部とで形成された保持部に前記流路部材を保持し、
前記回路基板は、前記露出部が前記カバー部の側方に位置するように前記ベース部に固定され、
前記カバー部の表面に、前記接続部、前記露出部と前記接続部との間に設けられた前記第1の溝部及び前記第1の溝部に連通する前記第2の溝部が設けられ、
前記第2の溝部は、前記カバー部の前記露出部側の端部以外の端部まで延設されている
ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2012−131082(P2012−131082A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283750(P2010−283750)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】