説明

液体噴射装置とその制御方法及び液体噴射ヘッド

【課題】従来の液体噴射装置によれば、必要なノズル列を選択的に吸引するための構造が
複雑であり、コスト高となってしまう。
【解決手段】複数のインクノズルを有する液体噴射ヘッド6と、当該液体噴射ヘッドのノ
ズル面6aに接触してノズル面を吸引する外キャップ3と、この外キャップの内側に位置
して所定範囲のノズル面を覆ってシールする内キャップ4,5と、上記外キャップの内部
を吸引する吸引手段(吸引ポンプ11)と、上記内キャップのあらかじめ設定されたシー
ル位置に応じて内キャップをリーク状態に設定するリーク設定部(流路R1,R2)とを
備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置とその制御方法及び液体噴射ヘッド、特に、ノズル又はノズル
列を有するノズル面の吸引範囲を選択可能とした液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液体噴射装置はキャッピング装置を備えている。このキャッピング装置は、液
体噴射ヘッドにおけるノズル面側のインクの乾燥を防止する蓋体としての機能と、インク
滴を空吐出させてノズルの目詰まりを解消するフラッシング機能と、ノズル面を覆ってシ
ールした状態で吸引ポンプからの負圧を印加してノズル面側からインクを強制的に吸引、
排出してノズルの目詰まりを解消するクリーニング機能とを有している。
クリーニング操作の終了後には、例えば、ゴム素材を短冊状に成形したワイピング部材
によりノズル面を一定方向(ワイピング方向)に払拭して清掃するワイピング操作が伴わ
れる。
従来、上記クリーニング操作では、複数色のインクを使用する場合、色の数に対応した
複数のノズル列が液体噴射ヘッドに設けられているので、このノズル列全てをキャッピン
グ装置のキャップで覆って全てのノズル列から同時にインクを吸引していた。
しかるに、全てのノズル列を一括してインクを吸引する手法では、目詰まりが生じてい
ないノズル列からもインクが吸引されるので、不必要なインクまでも無駄に消費されるこ
とになる。
そこで、各色のノズル列毎に、ノズル列を個別に吸引するキャップ及びバルブを設け、
ノズル列を選択的に吸引するようにした液体噴射装置が知られている(例えば、特許文献
1等)。この従来技術によれば、吸引すべきノズル列を担当するバルブを開くことで、必
要なノズルのみを選択して集中的に吸引できるので、目詰まりを効果的に除去でき、しか
も、不必要なインクの消費を防止できる。しかるに、この従来技術では、複数のノズル列
のそれぞれに対してインク吸出し路及びバルブを複数個設けなければならず、装置が複雑
となってしまう。
そこで、各色毎のノズル列に対向する吸引の溝を有するキャップ部材を設け、キャップ
部材の液体噴射ヘッドに対する相対位置に応じて上記吸引の溝が必要なノズル列に対向す
るようにして、必要なノズル列を吸引できるようにした技術が提案されている(例えば、
特許文献2等)。しかしながら、この従来技術によれば、キャップ部材の液体噴射ヘッド
に対する相対位置を変更するだけで良いので操作が容易であるものの、吸引の溝を形成す
る仕切りには、各溝間を連通する連通孔を形成しなければならないので、部品作成が容易
ではなく、製作コストが高くなる。
尚、外キャップと内キャップとの二重キャップを用いてノズル列の吸引を行う技術が知
られている(例えば、特許文献3等)。しかるに、この従来技術は、外キャップと内キャ
ップとで二重に覆った上で1つのノズル列を吸引しようとするものであり、外、内の二重
キャップでシールの気密性を高くして吸引の信頼性を高めようとするものであって、ノズ
ルを選択的に吸引するものではなかった。また、この技術によれば構造が複雑となる欠点
を有していた。
【特許文献1】特開2000−225715号公報
【特許文献2】特開2004−276270号公報
【特許文献3】特開2001−301186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の液体噴射装置によれば、必要なノズル列を選択的に吸引するための構造が複雑で
あり、コスト高となってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の液体噴射装置の制御方法は、複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、当該液
体噴射ヘッドのノズル面に接触する外キャップと、この外キャップの内側に位置して所定
範囲のノズル面を覆ってシールする複数の内キャップと、上記外キャップの内部を吸引す
る吸引手段とを備え、上記内キャップでノズル面をシールするか否かに応じて上記外キャ
ップで吸引される範囲を選択可能とした。これにより簡単な構成により、必要なノズルの
みを確実に吸引でき、必要最小限の量だけインクを吸出すことができる。
本発明の液体噴射装置は、複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッ
ドのノズル面に接触する外キャップと、この外キャップの内側に位置して所定範囲のノズ
ル群を囲むようにノズル面をシールする複数の内キャップと、上記外キャップの内部を吸
引する吸引手段と、上記内キャップをリーク状態に設定するリーク設定部とを備え、上記
複数の内キャップにおいてリーク状態に設定された内キャップから液体を吸引する。これ
により簡単な構成により、必要なノズルのみを確実に吸引でき、必要最小限の量だけイン
クを吸出すことができる。
本発明の液体噴射装置は、複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッ
ドのノズル面に接触する外キャップと、この外キャップの内側に位置して所定範囲のノズ
ル群を囲むようにノズル面をシールする複数の内キャップと、上記外キャップの内部を吸
引する吸引手段と、上記内キャップをリーク状態に設定するリーク設定部と、上記液体噴
射ヘッドと内キャップとの相対位置を所定位置に設定する制御手段とを備え、上記複数の
内キャップにおいてリーク状態に設定された内キャップから液体を吸引する。これにより
簡単な構成により、必要なノズルのみを確実に吸引でき、必要最小限の量だけインクを吸
出すことができる。
本発明による液体噴射装置は、上記リーク設定部が、内キャップの内,外間を連通する
流路より成る。これにより、流路を介してノズルをスムーズに吸引できる。
本発明による液体噴射装置は、上記流路がノズル面に形成された凹部又は凸部又は孔等
の成形部よりなる。これによりノズル面に流路を形成したことによって構造を簡略化でき
て、コストも抑えることができる。
本発明による液体噴射装置は、上記リーク設定部が、ワイピング上流側のものがワイピ
ング下流側のノズル列とワイピング方向の重なりが生じない位置に設けられた。これによ
り、インクの混濁を防止できる。
本発明による液体噴射装置は、上記内キャップが、噴出インクの色毎にインクノズルを
囲むように設けられた。これにより色毎のインクノズルを選択的に吸引できる。
本発明による液体噴射装置は、上記内キャップが、外キャップと同一のキャップホルダ
に設けられた。これによりキャップの構成を簡素化できる。
本発明による液体噴射装置は、上記リーク設定部が、液体噴射ヘッドの走行方向に沿う
位置に設けられた。これにより液体噴射ヘッドの走行方向の位置制御で必要なノズルを吸
引できる。
本発明による液体噴射ヘッドは、複数のノズルが形成されたノズル面を有する液体噴射
ヘッドであって、当該ノズル面に接触する外キャップ及びこの外キャップの内側に位置し
て所定範囲のノズル群を囲むようにノズル面をシールする複数の内キャップとから成るキ
ャッピング装置により、上記外キャップの内部を吸引する吸引手段の吸引力が付与される
液体噴射ヘッドにおいて、上記内キャップの所定のシール位置において内キャップをリー
ク状態に設定するリーク設定部を備え、上記複数の内キャップにおいてリーク状態に設定
された内キャップから液体を吸引する。これにより簡単な構成のキャッピング装置により
、必要なノズルのみを確実に吸引させることの可能な液体噴射ヘッドを提供できる。
本発明による液体噴射ヘッドは、上記リーク設定部が、ノズル面に形成され、内キャッ
プの内,外間を連通する流路より成る。これにより流路を介してノズルをスムーズに吸引
させることの可能な液体噴射ヘッドを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
最良の形態1
図1乃至図3は最良の形態1による液体噴射装置、特に、キャッピング装置を示す斜視
図、断面図及び側面図であり、各図において、キャッピング装置1は、キャップホルダ2
、外キャップ3、内キャップ4,5を備える。キャップホルダ2は樹脂により上開口部を
備えた矩形の有底箱状に形成され、このキャップホルダ2の上開口部内に外キャップ3と
内キャップ4,5が一体に形成される。
外キャップ3は、ゴム,合成ゴムあるいは樹脂等の可撓性素材により上開口部を備えた
矩形の箱状に形成される。即ち、外キャップ3は、矩形のキャップホルダ2の各辺より液
体噴射ヘッド6のノズル面6a方向に突出することによって箱の側壁を形成する4つのキ
ャップ片3a〜3dとを備えた構成である。この外キャップ3のキャップ片3a〜3dの
上先端tがノズル面6aの外縁部に接触することによって、ノズル面6aのほぼ全体が外
キャップ3で覆われる。
内キャップ4,5は、外キャップ3の内側に設けられる。
内キャップ4は、キャップホルダ2の底面よりノズル面6a方向に突出する4つのキャ
ップ片4a〜4dを備えた構成であり、ノズル面6aにおけるブラックのノズル列6bの
両サイドに位置する2個のキャップ片4a,4b及び両キャップ片4a,4bの両端を接
続する2個のキャップ片4c,4dより成る。つまり内キャップ4はノズル列6bを囲む
ようにノズル面6aに当接してシールする。
内キャップ5は、キャップホルダ2の底面よりノズル面6a方向に突出する4つのキャ
ップ片5a〜5dを備えた構成であり、ノズル面6aにおいて直線配列された3色(例え
ば、シアン、イエロー、マゼンタ)のカラーノズル列6c,6d,6eの両サイドに位置
する2個のキャップ片5a,5b及び両キャップ片5a,5bの両端を接続する2個のキ
ャップ片5c,5dより成る。内キャップ5はノズル列(ノズル群)6c、6d、6eを
囲むようにノズル面6aに当接してシールする。なお、ノズル群はキャップで囲める状態
であれば、ノズル1つでもよいし、複数のノズル列でもよい。
外キャップ3、内キャップ4,5の各キャップ片3a〜3d,4a〜4d,5a〜5d
は、上先端tに近付くに従って肉厚が先細となって、ノズル面6aに対する接触面積が小
さくなるように形成される。上部開口の前記各キャップ4,5の内部空間は、通常の状態
では、ノズル面6aに各キャップ片の上先端tがノズル面6aに当接した場合にノズル面
6aを覆う密閉空間となる。なお、キャップ3の内部空間は後述する吸引孔8aを通じて
外気と連通可能となっている。
外キャップ3、内キャップ4,5は、キャップホルダ2に対して、例えば、二色成形法
により形成されており、これは、エラストマー樹脂等の可撓性素材により構成されている
。尚、内キャップ4,5の各キャップ片4a,4b,5a,5bの長さは外キャップ片3
a,3bの長さよりも短く設定され、各キャップ片4c,4d,5c,5dは各キャップ
片3c,3dより離間している。
【0006】
キャップホルダ2の底面にはインク吸収材7が収容されている。
キャッピング装置1には、内キャップ4,5の外側であって外キャップ3の内側となる
位置に、吸引孔8aが形成される。キャップホルダ2の底板2aには、上記吸引孔8aと
連通する吸引孔8bを備えた吸引管9の一端が接続される。吸引管9の他端にはチューブ
10の一端が接続される。チューブ10の他端は吸引ポンプ11に接続される。吸引ポン
プ11の排出口にはチューブ12の一端が接続される。チューブ12の他端側には廃液タ
ンク13が設置される。従って、吸引ポンプ11を駆動することにより、外キャップ3の
内側空間が吸引され、外キャップ3の内側空間の負圧で吸引されたインクは、インク吸収
材7、キャッピング装置1の吸引孔8a、吸引管9の吸引孔8b、チューブ10、吸引ポ
ンプ11、チューブ12を経由して廃液タンク13に排出される。
【0007】
この場合、内キャップ4,5は、後述するように、ノズル面に対しシール状態かリーク
状態のいずれかに設定され、シール状態に設定されると、外キャップ3の内部空間の負圧
が及ばないので、内キャップ4,5内は吸引されず、リーク状態に設定されると外キャッ
プ3の内部空間の負圧が及んで、内キャップ4,5内は吸引され、インクが吸引され、外
キャップ3内を介して廃液タンク13に排出される。このようにして、キャッピング装置
1は、フラッシング時の吐出インク及びクリーニング時の吸引インクを廃液タンク13内
に排出できることになる。
【0008】
キャッピング装置1は、記録装置の休止期間中において、液体噴射ヘッド6のノズル面
6aをシールする蓋体としても機能し、液体噴射ヘッド6におけるノズル開口からインク
溶媒が揮散するのを防止するように機能する。
【0009】
最良の形態1において、液体噴射ヘッド6は、図外のキャリッジにより左,右方向(主
走査方向)に移送される。ホームポジションにおいては、図4(a)のブラック吸引モー
ド位置M1と図4(b)の全色吸引モード位置M2と図4(c)のカラー吸引モード位置
M3の三箇所のいずれかに位置決めされる。これは、図5に示すようにキャリッジ17を
制御手段16によりコントロールして位置設定することで、ホームポジションにおいてキ
ャリッジ17に支承される液体噴射ヘッド6を上記ブラック吸引モード位置M1、全色吸
引モード位置M2、カラー吸引モード位置M3のそれぞれの位置に選択的に設定できるも
のである。
【0010】
上記カラー吸引モード位置M3は液体噴射ヘッド6をキャリッジガイドロッドの最右端
で停止した場合の位置、全色吸引モード位置M2はカラー吸引モード位置M3よりも距離
F1だけロッド中央寄りにシフトした位置、ブラック吸引モード位置M1は全色吸引モー
ド位置M2よりも距離F2だけロッド中央寄りにシフトした位置である。
このようなホームポジションでの液体噴射ヘッド6の位置設定により、外キャップ3は
ノズル面6aの全体を覆い、内キャップ4,5はそれぞれブラックのノズル列6b,カラ
ーのノズル列6c〜6eを覆った(キャッピングした)状態を維持しつつ、左,右方向に
若干位置の異なる複数のシール位置に設定される。つまり、内キャップ4はブラックのノ
ズル列6bに対し図4(a),(b),(c)の3箇所のシール位置を有し、内キャップ
5はノズル列6c〜6eに対し図4(a),(b),(c)の3箇所のシール位置を有し
ているとも言える。
尚、シール位置とは、内キャップ4,5の上先端tがノズル面6aと接触した状態の位
置であって、このシール位置で後述するようにシールが破れることでリーク状態に設定さ
れることがある。
【0011】
上記液体噴射ヘッド6のノズル面6aには、後述の流路R1を形成するための所定幅W
1,所定長さL1の2個の凹部14,14がノズル列6bの近傍に形成され、また、後述
の流路R2を形成するための所定幅W2,所定長さL2の凹部15がノズル列6c〜6e
の近傍に形成されている。上記凹部14,14は内キャップ4のキャップ片4bの両端近
傍に対応する。但し、キャップ片4c,4dよりも内側に位置する。また、凹部15は内
キャップ5のキャップ片5bの中央側に対応する。凹部14,14と凹部15とは、後述
の流路R1,R2を形成するものであって、液体噴射ヘッド6の走行方向に沿う位置に設
けられる。
最良の形態1では、図外のワイピング部材によるワイピング方向Wにおいて、ワイピン
グ上流側の凹部14,14がそのワイピング下流側に位置するノズル列6c〜6eに重な
りが生じないようにノズル面6aの外側の位置に設けられる。これは、上流に位置する凹
部14,14内に貯まったブラックのインクがワイピングで掻き出されて下流方向に送ら
れることで、ワイピング下流のノズル列6c〜6eに付着してこのノズル列6c〜6eの
カラーの噴射インクを混濁しないようにするためである。なお、凹部14、15の形状は
リークできればどんな形状でもよい。
【0012】
リーク設定部としての凹部14,14,15と内キャップ4,5との位置関係は次のと
おりである。
図4(a)の液体噴射ヘッド6のブラック吸引モード位置M1では、キャッピング装置
1が水平を保ちつつ上動,停止してシールした場合、外キャップ3の上先端tの全周がノ
ズル面6aに接触してその全周でブラックのノズル列6b,カラーのノズル列6c〜6e
及び凹部14,14,15をシールすることになるが、左側の内キャップ4はキャップ片
4bの両端の上先端tが凹部14,14の下に位置するので、左側の内キャップ4の内側
とその外側(外キャップ3内)との間に凹部14,14が開かれて流路R1が形成されて
、この部分でシールが破れるので、リーク状態となる。従って、外キャップ3内を吸引ポ
ンプ11で吸引した場合、右側の内キャップ5で覆われたカラーのノズル列6c,6d,
6e及び凹部15は、内キャップ5の上先端全周がノズル面6aに当接してシールされる
ので、その内部には外キャップ3の負圧は及ばす、内キャップ5内は吸引されないが、左
側の内キャップ4でシールしたとき、流路R1及びシールが破れ、ブラックのノズル列6
bは流路R1を介して吸引されてインクが吸い出される。このように凹部14,15の位
置関係は、液体噴射ヘッド6の図4(a)のブラック吸引モード位置M1での内キャップ
4,5のシール位置に応じて、リーク設定部としての流路R1が形成されるように予め設
定されている。
【0013】
図4(b)の液体噴射ヘッド6の全色吸引モード位置M2では、キャッピング装置1が
水平を保ちつつ上動,停止してシールした場合、外キャップ3の上先端t側全周がノズル
面6aに接触してその全周でブラックのノズル列6b,カラーのノズル列6c〜6e及び
凹部14,14,15をシールすることになるが、左側の内キャップ4はキャップ片4b
の両端の上先端tが凹部14,14の下に位置するので、凹部14,14が開かれて左側
の内キャップ4の内側とその外側(外キャップ内)との間にリーク設定部としての流路R
1が形成されて、この部分でシールが破れる。また、右側の内キャップ5は、キャップ片
5bの中央側の上先端tが凹部15の下に位置するので、凹部15が開かれて右側の内キ
ャップ5の内側とその外側(外キャップ3内)との間にリーク設定部としての流路R2が
形成されて、この部分でシールが破れる。従って、外キャップ3内を吸引ポンプ11で吸
引した場合、左側の内キャップ4,右側の内キャップ5で覆われてシールされたブラック
,カラーのノズル列6b,6c〜6eは流路R1及び流路R2を介して全て吸引されてイ
ンクが吸い出される。このように凹部14,15の位置関係は、液体噴射ヘッド6の図4
(b)の全色吸引モード位置M2での内キャップ4,5のシール位置に応じて、リーク設
定部としての流路R1,流路R2の両方が形成されるように予め設定されている。
【0014】
図4(c)の液体噴射ヘッド6のカラー吸引モード位置M3では、キャッピング装置1
が水平を保ちつつ上動,停止してシールした場合、外キャップ3の上先端t側全周がノズ
ル面6aに接触してその全周でブラックのノズル列6b,カラーのノズル列6c〜6e及
び凹部14,14,15をシールすることになるが、左側の内キャップ4はキャップ片4
bの両端の上先端tが凹部14よりはずれて全周がノズル面6aに接触するので、ブラッ
クのノズル列6bをシールすることになる。また、右側の内キャップ5は、キャップ片5
bの中央側の上先端tが凹部15の下に位置するので、凹部15が開かれて、右側の内キ
ャップ5の内側とその外側(外キャップ3内)との間にリーク設定部としての流路R2が
形成されて、この部分でシールが破れる。従って、外キャップ3内を吸引ポンプ11で吸
引した場合、左側の内キャップ4で覆われたブラックのノズル列6bはシールされている
ので、吸引されないが、右側の内キャップ5で覆われたカラーのノズル列6c〜6eは流
路R2を介して吸引されてカラーインクが吸い出される。このように凹部14,15の位
置関係は、液体噴射ヘッド6の図4(c)のカラー吸引モード位置M3での内キャップ4
,5のシール位置に応じて、リーク設定部としての流路R2が形成されるように予め設定
されている。
【0015】
以上のように、ホームポジションのブラック吸引モード位置M1、全色吸引モード位置
M2、カラー吸引モード位置M3に示すそれぞれ三箇所の位置では、次のように、ブラッ
クのノズル列6bとカラーのノズル列6c〜6eの吸引とシール(吸引しない)との状態
が異なるように設定される。
(a)ブラック吸引モード位置M1では、ブラックのノズル列6bを吸引し、カラーのノ
ズル列6c〜6eをシールする。
(b)全色吸引モード位置M2では、ブラックのノズル列6bを吸引し、カラーのノズル
列6c〜6eも吸引する。
(c)カラー吸引モード位置M3では、ブラックのノズル列6bをシールし、カラーのノ
ズル列6c〜6eを吸引する。
すなわち、液体噴射ヘッド6の位置を選択し、設定するだけで、特定のシール位置では
流路R1,R2のいずれか又は両方が形成されてリーク状態となり、外キャップ3による
吸引範囲を大,小に選択できる構成となっている。
【0016】
図5は最良の形態1における液体噴射装置を示すブロック図であり、図5において、1
6は制御手段であり、この制御手段16により、キャリッジ17、キャッピング装置1、
用紙搬送系18、吸引ポンプ11が制御される。特に、ブラック吸引モード位置M1、全
色吸引モード位置M2、カラー吸引モード位置M3に液体噴射ヘッド6が設定されるよう
に、キャリッジ17を制御でき、さらに、ブラック吸引モード位置M1、全色吸引モード
位置M2、カラー吸引モード位置M3でキャッピング装置1を水平を保ちつつ上動,停止
してシールするように制御してから、吸引ポンプ11を駆動して、インク廃液を吸引する
ような構成である。
【0017】
以上の構成による液体噴射装置の動作を以下説明する。
まず、ブラックのノズル列6bのみが目詰まりを生じてこのノズル列6bのみを吸引す
る必要性が生じた場合、制御手段16により、液体噴射ヘッド6の位置を図4(a)のブ
ラック吸引モード位置M1に設定する。この状態でキャッピング装置1を水平を保ちつつ
上昇,停止することで、ノズル面6aの外縁部に外キャップ3の上先端tが接触し、この
シール位置での内キャップ4はキャップ片4bの両端の上先端tが凹部14の下側に対応
するので、吸引ポンプ11による吸引によってブラックのノズル列6bに付着したブラッ
クのインクが内キャップ4の内側から外側に吸引されるのを許容する流路R1が形成され
る。即ち、内キャップ4はブラックのノズル列6bのインクを吸引可能なリーク状態に設
定される。よって、吸引ポンプ11による吸引によってブラックのノズル列6bからブラ
ックのインクが吸い出され、廃液タンク13に排出される。このとき、内キャップ5のキ
ャップ片5bは凹部15からはずれるので、内キャップ5はカラーのノズル列6c〜6e
をシールするシール状態に設定されることになる。従って、吸引ポンプ11で外キャップ
3内を吸引すると、ブラックのノズル列6bからのブラックのインクのみが流路R1を介
して吸引され、カラーのノズル列6c〜6eは吸引されない(図6のステップS1)。こ
れにより、ブラックのノズル列6bのみを吸引できて、目詰まりを解消できる。
【0018】
次に、ブラック,カラーの両方のノズル列6b,6c〜6eに目詰まりを生じて全ノズ
ル列6b,6c〜6eを吸引する必要性が生じた場合、制御手段16により、液体噴射ヘ
ッド6の位置を図4(b)の全色吸引モード位置M2に設定する。この状態でキャッピン
グ装置1を水平を保ちつつ上昇,停止してシールすることで、ノズル面6aの外縁部に外
キャップ3の上先端tが接触し、このシール位置での内キャップ4はキャップ片4bの両
端の上先端tが凹部14,14の下側に対応するので、流路R1が形成される。さらに、
内キャップ5のキャップ片5bの上先端tが凹部15の下側に対応するので、流路R2が
形成される。即ち、内キャップ5がカラーのノズル列6c〜6eのインクを吸引可能なリ
ーク状態に設定される。従って、吸引ポンプ11で外キャップ3内を吸引すると、ブラッ
ク、カラーの全部のノズル列6b〜6eが流路R1,R2を介して吸引される(図6のス
テップS2)。これにより、ブラック、カラーの全部のノズル列6b〜6eを吸引できて
、目詰まりを解消できる。
【0019】
次に、カラーのノズル列6c〜6eのいずれかが目詰まりを生じてこのノズル列6c〜
6eを吸引する必要性が生じた場合、制御手段16により、液体噴射ヘッド6の位置を図
4(c)のカラー吸引モード位置M3に設定する。この状態でキャッピング装置1を水平
を保ちつつ上昇,停止してシールすることで、ノズル面6aの外縁部に外キャップ3の上
先端tが接触し、内キャップ4のキャップ片4bは凹部14からはずれるので、内キャッ
プ4はブラックのノズル列6bをシール状態に設定される。一方、内キャップ5のキャッ
プ片5bの上先端tが凹部15の下側に位置するので、流路R2が形成される。即ち、内
キャップ5がカラーのノズル列6c〜6eのインクを吸引可能なリーク状態に設定される
。従って、吸引ポンプ11で外キャップ3内を吸引すると、カラーのノズル列6c〜6e
が流路R2を介して吸引され、ブラックのノズル列6bは吸引されない(図6のステップ
S3)。これにより、カラーのノズル列6c〜6eのみを吸引できて、目詰まりを解消で
きる。
【0020】
図6のフローチャートに示すように、いずれのノズル列を吸引するのかを決定したら、
その決定を制御手段16に入力することで、制御手段16はこの入力に応じて液体噴射ヘ
ッド6の位置を、ブラック吸引モード位置M1、全色吸引モード位置M2、カラー吸引モ
ード位置M3のいずれかの位置に設定して、外キャップ3のみを吸引することにより、必
要なノズル列のみを確実に吸引でき、必要最小限の量だけインクを吸出すことができる。
【0021】
最良の形態2
図7は最良の形態2による液体噴射装置を示す図である。図7に示すように、最良の形
態2による液体噴射装置では、外キャップ3に対して、内キャップ4,5を独立して上下
,進退自在として、その上先端tをノズル面6aに当接するか引離す駆動部としてのアク
チュエータ19,20を有し、このアクチュエータ19,20を制御手段16で制御する
ように構成してもよい。
最良の形態2によれば、外キャップ3を上動,停止してシールする時、内キャップ4,
5の両方をアクチュエータ19,20で外キャップ3よりも窪ませる退モードとする。こ
れにより、内キャップ4,5の上先端tをノズル面6aより離間してギャップgを形成す
ることにより流路R3,R3を形成できるので、この退モード状態で外キャップ3内を吸
引すると、吸引力は流路R3,R3を介してブラック,カラーのノズル列6b〜6eに及
ぶので、両ノズル列6b〜6eのインクを吸引できる。しかるに、ブラック,カラーのノ
ズル列のいずれかをシールするときは、シールする方のノズル列を覆ういずれかの内キャ
ップ4,5を、アクチュエータ19,20を駆動して外キャップ3と同じ高さに突出させ
て、進モードとし、上動,停止することでシールが可能となりインクは吸引されない。
従って、外キャップ3で吸引するときに、あらかじめアクチュエータ19,20により
内キャップ4,5のいずれかを上方向に進,退した後にキャッピング装置1を水平を保ち
つつ上動,停止してシールすることで、ブラックのノズル列6bのみを吸引するか、全部
のノズル列6b〜6eを吸引するか、カラーのノズル列6c〜6eのみを吸引するかを、
選択でき、吸引範囲を選択できる。つまり、内キャップ4の退モード,内キャップ5の進
モードでブラックのノズル列6bのみを吸引でき、内キャップ4の退モード,内キャップ
5の退モードでブラック,カラーの両ノズル列6b〜6eを吸引でき、内キャップ4の進
モード,内キャップ5の退モードでカラーのノズル列6c〜6eのみ吸引できる。
【0022】
最良の形態3
最良の形態1では、ノズル面6aに凹部14,14,15を形成し、この凹部14,1
4,15で内キャップ4,5の内,外を連通する流路を形成するとして説明したが、図8
に示すように、ノズル面6aに内キャップ4,5の内,外を連通させるための連通孔21
よりなる流路を形成し、内キャップ4,5の位置に応じてこの連通孔21が塞がれるか、
連通するか選択可能となるようにしてもよい。内キャップ4,5を図8の実線位置に設定
した場合には、連通孔21を介して内キャップ4,5内のノズル列6b〜6eのインクを
吸引でき、内キャップ4,5を図8の二点鎖線の位置に設定した場合には、内キャップ4
,5内のノズル列6bをシールできる。
【0023】
最良の形態4
凹部14,15はリークできればどのような形状でも良く例えば、図9に示すように、
内キャップ4,5に連通孔22を形成し、この連通孔22を開閉するシャッター23を駆
動部としてのアクチュエータ24で駆動するように構成してもよい。シャッター23を開
けば内キャップ4,5の内側と外側とを繋ぐ連通孔22の流路が形成されることによって
内キャップ4,5内に位置される1つ又は複数のノズル6x又はノズル列6yを吸引でき
、シャッター23を閉じればノズル6x又はノズル列6yをシールできる。従って、シャ
ッター23を開いたままシールするかシャッター23を閉じたままシールするかにより、
リーク状態かシール状態のいずれかに設定できる。
【0024】
最良の形態5
図10に示すように、孔25を有した凸部としてのフレーム26を液体噴射ヘッド6の
ノズル面6aに立設する。つまり、フレーム26の上縁26a側を液体噴射ヘッド6のノ
ズル面6aに接続する。このフレーム26に、連通孔27を有する内キャップ4,5のキ
ャップ片4c,5cが摺動するようにし、左,右方向の摺動位置を調整することによって
フレーム26の孔25で連通孔27を開閉してリーク状態とシール状態とに設定する構成
としてもよい。連通孔27と孔25とが一致すれば内キャップ4,5内がリーク状態とな
ってノズル列を吸引でき、連通孔27がフレーム26で閉じられた場合にはシール状態と
なって内キャップ4,5内のノズル列をシールできる。
【0025】
最良の形態6
また、上記では、ノズル列が各色毎に一列であるとして説明したが、各色毎に二列以上
に設定したタイプのものであってもよい。即ち、二列以上の複数のノズル列を1つの内キ
ャップで覆うように構成してもよい。
【0026】
最良の形態7
また、上記では、凹部14,14を一方のキャップ片4bの両端側に対応させて設ける
として説明したが、本発明はこれに限定されず、図11(a)〜(c)に示すように、他
方のキャップ片4aの両端にも対応させて同じ凹部14,14を設けるようにしてもよい
。これによれば、4個の凹部14によって、よりスムーズにブラックのノズル列6bのイ
ンクを吸引できるリーク状態が得られる。
【0027】
最良の形態8
また、上記では、凹部15を一方のキャップ片4bの中央側に対応させて設けるとして
説明したが、本発明はこれに限定されず、図11(a)〜(c)に示すように、他方のキ
ャップ片5aにも対応させて同じ凹部15を設けるようにしてもよい。これによれば、2
個の凹部15によって、よりスムーズにカラーのノズル列6c,6d,6eのインクを吸
引できるリーク状態が得られる。
【0028】
最良の形態9
また、上記では、ホームポジションにおいて、液体噴射ヘッド6の位置を3箇所の位置
M1,M2,M3に位置決めするとして説明したが、図12に示すように、ホームポジシ
ョンにおいて、液体噴射ヘッド6の位置を1箇所に固定するとともに、キャッピング装置
1を上,下だけでなく、左右にも動かすようにし、内キャップ4,5の位置を3箇所のブ
ラック吸引モード位置M1a、全色吸引モード位置M2a、カラー吸引モード位置M3a
のいずれかの位置に設定可能としてもよい。この場合、キャッピング装置1の上動、停止
時において、ブラック吸引モード位置M1aでは、内キャップ4がブラックのノズル列6
bを吸引可能とするリーク状態に設定され、内キャップ5がカラーのノズル列6c〜6e
をシールするシール状態に設定され、全色吸引モード位置M2aでは、内キャップ4がブ
ラックのノズル列6bを吸引可能とするリーク状態に設定され、内キャップ5もカラーの
ノズル列6c〜6eを吸引可能とするリーク状態に設定され、カラー吸引モード位置M3
aでは、内キャップ4がブラックのノズル列6bをシールするシール状態に設定され、内
キャップ5がカラーのノズル列6c〜6eを吸引可能とするリーク状態に設定される。
【0029】
最良の形態10
上記では、カラーのノズル列6c,6d,6eを一列に配列して内キャップ5により一
括して覆うとして説明したが、これらカラーのノズル列6c,6d,6eを平行配置して
、専用の3個の内キャップでカラーのノズル列6c,6d,6eの1つ1つを個別に覆う
ように構成してもよい。
【0030】
最良の形態11
また、内キャップによって、ノズル列単位ではなく、個々のノズル単位で個々のノズル
をシール状態及びリーク状態に設定してもよい。あるいは、各色毎に設けた複数のノズル
列を各色のブロック単位で内キャップで覆うようにして、シール状態,リーク状態に設定
してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
尚、凹部14は内キャップ4のキャップ片4a〜4dの上先端tの一部に対応する位置
に少なくとも1つ設けられていればよい。
また、凹部15は内キャップ5のキャップ片5a〜5dの上先端tの一部に対応する位
置に少なくとも1つ設けられていればよい。
また、吸引孔8aの形成場所は、内キャップ4,5の外側で外キャップ3の内側であれ
ばどこでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】キャッピング装置を示す斜視図(最良の形態1)。
【図2】キャッピング装置を示す断面図(最良の形態1)。
【図3】キャッピング装置を示す側面図(最良の形態1)。
【図4】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態1)。
【図5】液体噴射装置の制御ブロック図(最良の形態1)。
【図6】液体噴射装置の制御フローチャート図(最良の形態1)。
【図7】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態2)。
【図8】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態3)。
【図9】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態4)。
【図10】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態5)。
【図11】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態7)。
【図12】液体噴射装置の動作説明図(最良の形態9)。
【符号の説明】
【0033】
1 キャッピング装置、2 キャップホルダ、3 外キャップ、
4,5 内キャップ、6 液体噴射ヘッド、6a ノズル面、
6b〜6e ノズル列、11 吸引ポンプ(吸引手段)、16 制御手段、
17 キャリッジ、19,20,24 アクチュエータ(駆動部)、
R1〜R3 流路(リーク設定部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッドのノズル面に接触する外
キャップと、この外キャップの内側に位置して所定範囲のノズル群を囲むようにシールす
る複数の内キャップと、上記外キャップの内部を吸引する吸引手段とを備え、上記内キャ
ップでノズル面をシールするか否かに応じて上記外キャップで吸引される範囲を選択可能
としたことを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
【請求項2】
複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッドのノズル面に接触する外
キャップと、この外キャップの内側に位置して所定範囲のノズル群を囲むようにノズル面
をシールする複数の内キャップと、上記外キャップの内部を吸引する吸引手段と、上記内
キャップをリーク状態に設定するリーク設定部とを備え、上記複数の内キャップにおいて
リーク状態に設定された内キャップから液体を吸引することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項3】
複数のノズルを有する液体噴射ヘッドと、当該液体噴射ヘッドのノズル面に接触する外
キャップと、この外キャップの内側に位置して所定範囲のノズル群を囲むようにノズル面
をシールする複数の内キャップと、上記外キャップの内部を吸引する吸引手段と、上記内
キャップをリーク状態に設定するリーク設定部と、上記液体噴射ヘッドと内キャップとの
相対位置を所定位置に設定する制御手段とを備え、上記複数の内キャップにおいてリーク
状態に設定された内キャップから液体を吸引することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項4】
上記リーク設定部は、内キャップの内,外間を連通する流路より成ることを特徴とする
請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
上記流路は、ノズル面に形成された凹部又は凸部又は孔等の成形部よりなることを特徴
とする請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
上記リーク設定部は、ワイピング上流側のものがワイピング下流側のノズル列とワイピ
ング方向の重なりが生じない位置に設けられたことを特徴とする請求項2乃至請求項5の
いずれか1項に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
上記内キャップは、噴出インクの色毎にノズルを囲むように設けられたことを特徴とす
る請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項8】
上記内キャップは、外キャップと同一のキャップホルダに設けられたことを特徴とする
請求項2又は請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項9】
上記リーク設定部は、液体噴射ヘッドの走行方向に沿う位置に設けられることを特徴と
する請求項2乃至請求項8のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
【請求項10】
複数のノズルが形成されたノズル面を有する液体噴射ヘッドであって、当該ノズル面に
接触する外キャップ及びこの外キャップの内側に位置して所定範囲のノズル群を囲むよう
にノズル面をシールする複数の内キャップとから成るキャッピング装置により、上記外キ
ャップの内部を吸引する吸引手段の吸引力が付与される液体噴射ヘッドにおいて、上記内
キャップの所定のシール位置において内キャップをリーク状態に設定するリーク設定部を
備え、上記複数の内キャップにおいてリーク状態に設定された内キャップから液体を吸引
することを特徴とする液体噴射ヘッド。
【請求項11】
上記リーク設定部は、ノズル面に形成され、内キャップの内,外間を連通する流路より
成ることを特徴とする請求項10に記載の液体噴射ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−162038(P2008−162038A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−351212(P2006−351212)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】