説明

液体噴射装置

【課題】液体貯留部材に挿入された液体導入柱状体を取外す際に、液体が液体貯留部材に設けられた液体の流出口に残留することを抑制できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンタにおけるインク導入針21は、先端から基端側に向けて次第に拡径するテーパ部48を有する針状突起部23と、テーパ部48から直線的に連続して形成されたストレート部51とを備え、インク導入針21がインクカートリッジ7の針挿入口44に挿入したとき、インク導入針21のストレート部51の外表面の針挿入口44内に配設されたシール部材が当接する領域よりも先端側の領域に溝部54を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置等の液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出可能な液体噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を吐出する液体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、吐出対象物(記録媒体)としての記録紙等に対してインク滴を吐出・着弾させて記録を行うインクジェット式プリンタ等の画像記録装置を挙げることができる。
【0003】
この種の液体噴射装置としては、流通に乗せ易く取り扱いが容易なカートリッジタイプの液体貯留部材を用いるものが種々開発されている。例えば、インクジェット式プリンタ(以下、単にプリンタという)では、液体状のインクを封入したインクカートリッジを使用するものが広く普及している。この構成では、インクカートリッジをカートリッジ装着部に装着してインク導入針(液体導入柱状体)をインクカートリッジ内に挿入することで、このインク導入針の先端(テーパ部)側に穿設されたインク導入孔(液体導入孔)を通じてインクカートリッジ内のインクを液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド側に導入している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図13及び図14は、従来技術に係るインクジェット式プリンタのインク導入針のインクカートリッジの針挿入口への挿入を示す断面図である。図13(a)に示すように、インクカートリッジ107は、インクを貯留するインク貯留室(図示せず)と、インクの流出口である針挿入口144とを有している。針挿入口144は、開口部166を介してインク貯留室に連通しており、インク貯留室のインクを針挿入口144に挿入されたインク導入針121に供給する流路となる。一方、インク導入針121は、インクカートリッジ107の針挿入口144の封止フィルム146を針状突起部123で破断し、シール部材145の通孔168を貫通して弁体160を押圧している。弁体160が押圧されることにより、インク貯留室のインクが、インク導入針121に穿設されたインク導入孔124を介して、インク導入針121内部のインク導入路138に流入する。そしてこのインク導入路138に流入したインク161はヘッド流路137を経由して記録ヘッドに供給されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−069168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した構成のインク導入針121では、インクカートリッジ107をプリンタから取外す際に、封止フィルム146の内側にインクが残留してしまう。図13(b)は、インクカートリッジ107をプリンタから取外し始めたときの状態を示している。図示するように、弁体160がシール部材145の通孔168を塞ぐため、インクカートリッジ107内に貯留されたインクがインク導入針121へ流入することはない。しかしながら、インク導入針121の外周面と筒部147の内周面との間には、インクが残留している。残留したインクの大半はインク導入孔124を介してインク導入路138内へ流入するが、図14に示すように、インクカートリッジ107がプリンタから取外されて、インク導入針121が針挿入口144から取り出されても、一部のインクは封止フィルム146の内側に依然として残留したままである。
【0007】
このようにインクカートリッジ107の針挿入口144にインクが残留したままインクカートリッジ107がプリンタから取外されると、残留したインクは次第に増粘して粒状化する。そして、インクカートリッジ107がプリンタに再度取付けられる際に、粒状化したインクがインク導入針121のインク導入孔124からインク導入路138へ混入する虞がある。このような粒状化したインクがインク導入路138へ混入すると、ヘッド流路137などの記録ヘッドに至るインク流路で目詰まりが生じ、インクの吐出不良の原因となる。また、インクカートリッジ107の針挿入口144に残留したインクは、プリンタの各部品やプリンタ機外を汚染する原因ともなる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体貯留部材に挿入された液体導入柱状体を取外す際に、液体が液体貯留部材に設けられた液体の流出口に残留することを抑制できる液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を解決する本発明の態様は、液体を貯留する液体貯留室を有すると共に当該液体の流出口を有する液体貯留部材が着脱可能に装着される液体貯留部材装着部と、装着された前記液体貯留部材の前記流出口に挿入された状態で前記液体貯留部材内の液体を液体導入孔から内部の液体流路内に導入する液体導入柱状体と、前記液体導入柱状体から導入された液体を、圧力発生手段の作動によってノズル開口から吐出可能な液体噴射ヘッドとを備え、前記流出口は、前記液体貯留部材の前記インク貯留室に連通する筒状体と、前記液体導入柱状体を受容可能な通孔を有すると共に前記液体導入柱状体の外周面と前記筒状体の内面との間で前記液体を遮断するシール部材と、前記筒状体の前記インク貯留室側から前記シール部材の通孔を選択的に塞ぐ弁体と、前記筒状体の前記液体導入柱状体の入口となる開口を封止する封止部材とを有し、前記液体導入柱状体は、前記液体貯留部材が前記液体貯留部材装着部に装着された状態において、前記弁体を押圧して前記液体を導入すると共に、前記液体導入柱状体の外周面の前記シール部材に当接されている領域よりも先端側の領域に形成された凹部を有することを特徴とする液体噴射装置にある。
【0010】
かかる態様では、液体貯留部材が液体貯留部材装着部に装着された状態においては、液体導入柱状体が液体貯留部材に設けられた液体の流出口に挿入されて、液体貯留部材内部の液体が液体導入柱状体内に流入する。このとき、液体貯留部材の流出口の筒状体の内周面と、液体導入柱状体の外周面との間に空間が形成され、この空間にも液体が流入する。この状態から、前記液体貯留部材が前記液体貯留部材装着部から取外されると、液体導入柱状体は液体の流出口から引き抜かれる。このとき、液体導入柱状体の外表面に設けられた凹部は液体の貯留領域として機能し、前記空間に流入した液体は凹部にも貯えられる。そして、その状態で液体導入柱状体を液体の流出口から引き抜くと、凹部に貯えられた液体は液体の流出口の外部へ排出される。つまり、前記空間に流入した液体をより多く外部へ排出でき、これにより液体が流出口の封止部材よりも内側に残留することが抑制される。従って、取外された液体貯留部材を液体貯留部材装着部に再度装着する際にも、流出口内に残留して粒状化した液体が液体導入柱状体内に混入することを回避することができる。そして、これにより液体噴射ヘッドに至る液体流路が目詰まりせずに、液体の吐出特性を良好に維持することができる。
【0011】
ここで、前記液体貯留部材の前記流出口の前記封止部材は、一方向に沿って破断するものであり、前記液体導入柱状体の前記凹部は、軸方向に沿って延設されると共に前記封止部材が破断する際の破断線に対応させて構成することが好ましい。これによれば、凹部は封止部材が破断する際の破断線に対応させて構成されている。すなわち、凹部は、液体導入柱状体の外表面のうち、破断した封止部材の開口縁部が摺接しない領域に設けられることになる。このため、液体が凹部に流入し易くなっている。この結果、液体が流出口の封止部材よりも内側に残留することがより確実に抑制される。
【0012】
また、前記液体導入柱状体の前記凹部は、前記液体導入柱状体が前記液体貯留部材の前記流出口から引き抜かれるに際し、前記液体導入柱状体の前記シール部材に当接されている領域よりも先端側の領域の外周面と前記流出口の前記筒状体の内面との間に形成される空間部が前記流出口外部に連通するように形成されていることが好ましい。これによれば、凹部が空間部と液体貯留部材の流出口の外部の空間とを連通する流路となり、空間部に充満した液体を流出口の外部に効率的に排出することができる。
【0013】
また、前記液体導入柱状体の前記凹部は、前記液体導入柱状体が前記液体貯留部材の前記流出口から引抜かれ且つ前記流出口の前記弁体が前記シール部材の前記通孔を塞いだ状態において、前記空間部が前記流出口外部に連通するように形成されていることが好ましい。これによれば、凹部が液体の流路となって空間部内の液体を流出口の外部へ排出しているのにもかかわらず、液体貯留部材の内部から液体が空間部へ継ぎ足されることを防止でき、効率的に空間部内の液体を排出することができる。
【0014】
また、前記液体導入柱状体は、先端から基端側に向けて漸次拡径するテーパ部を有する針状突起部を備えていることが好ましい。これによれば、液体貯留部材を装着する際に、液体導入柱状体は封止部材を破断し易くなっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
〈実施形態1〉
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、本実施形態では、代表的な液体噴射装置であるインクジェット式記録装置(以下、プリンタ)を例に挙げて説明する。
【0016】
ここで、図1はインクジェット式記録装置に代表されるプリンタの概略斜視図、図2は記録ヘッドの分解斜視図、図3は記録ヘッドの平面図、図4は記録ヘッドの断面図、図5は記録ヘッドの要部断面図である。
【0017】
まず、記録ヘッドを搭載するインクジェット式記録装置(液体噴射装置の一種。以下、プリンタという。)の概略構成について、図1を参照して説明する。例示したプリンタ1は、記録紙等の記録媒体(吐出対象物)2の表面へ液滴状のインクを吐出して画像等の記録を行う装置である。このプリンタ1は、記録ヘッド3と、この記録ヘッド3が取り付けられるキャリッジ4と、このキャリッジ4を主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構5と、記録媒体2を副走査方向(主走査方向に直交する方向)に移送する紙送り機構6等を備えている。ここで、上記のインクは、本発明における液体の一種であり、インクカートリッジ7(液体貯留部材の一種)に貯留されている。このインクカートリッジ7は、記録ヘッド3のキャリッジ4に対して着脱可能に装着される。
【0018】
上記のキャリッジ移動機構5はタイミングベルト8を備えている。そして、このタイミングベルト8はDCモータ等のパルスモータ9により駆動される。従って、パルスモータ9が作動すると、キャリッジ4は、プリンタ1に架設されたガイドロッド10に案内されて、主走査方向(記録媒体2の幅方向)に往復移動する。
【0019】
プリンタ1の非記録領域であるホームポジションには、キャッピング機構12が配設されている。キャッピング機構12は、記録ヘッド3のノズル形成面に当接し得るトレイ状のキャップ部材12´を有する。このキャッピング機構12では、キャップ部材12´内の空間が封止空部として機能し、この封止空部内に記録ヘッド3のノズル開口14(図5参照)を臨ませた状態でノズル形成面に密着可能に構成されている。また、このキャッピング機構12には、ポンプユニット13が接続されており、このポンプユニット13の作動によって封止空部内を負圧化することができる。そして、ノズル形成面への密着状態でポンプユニット13を作動し、封止空部(密閉空間)内を負圧化すると、ノズル開口14から記録ヘッド3内のインクや気泡が吸引されてキャップ部材12´の封止空部内に排出されるようになっている。つまり、このキャッピング機構12は、記録ヘッド3内(インク流路内)のインクや気泡を強制的に吸引排出するクリーニング動作を行う構成となっている。このクリーニング動作は、キャップ部材12´をノズル形成面に密着させた状態でポンプユニット13を作動させて通常の記録動作時の数倍の流速のインク流をインク流路(インク導入路38)内に生じさせ、後述する拡径部52内に浮遊する気泡をこのインク流に乗せることで、フィルタ19の上面(上流側)に押し付けて通過させて下流側に移動させ、フィルタ19の下流側の一連のインク流路を通ってノズル開口14から記録ヘッド3の外部に排出するものである。
【0020】
次に、記録ヘッド3の構成について説明する。例示した記録ヘッド3は、導入針ユニット15、ヘッドケース16、流路ユニット17、及び、振動子ユニット18等から概略構成されている。
【0021】
導入針ユニット15は、例えば合成樹脂によって作製されており、図3に示すように、その上面には複数のカートリッジ装着部15´(液体貯留部材装着部の一種)が設けられている。各カートリッジ装着部15´には、インク流路内のインクを濾過するためのフィルタ19を介在させた状態でインク導入針21(本発明における液体導入柱状体に相当)が、先端を上方に突出させた状態でそれぞれ取り付けられている。また、これらのカートリッジ装着部15´には、各種インクを貯留したインクカートリッジ7が装着される。カートリッジ装着部15´にインクカートリッジ7を装着すると、インク導入針21がインクカートリッジ7の内部に挿入される。これにより、インクカートリッジ7の内部のインク貯留空間と記録ヘッド3内部のインク流路とが、インク導入針21の先端に穿設されたインク導入孔24(図9参照)を通じて連通し、インクカートリッジ7の内部に貯留されているインクがインク導入孔24を通じて記録ヘッド3内に導入される。なお、インクカートリッジ7とインク導入針21の詳細については後述する。
【0022】
上記カートリッジ装着部15´とは反対側となる導入針ユニット15の下面とヘッドケース16の上面との間には、図2に示すように、回路基板25が取り付けられる。この回路基板25は、例えば圧電振動子26(図5参照)へ駆動信号を供給するための回路パターンや、プリンタ1本体側との接続のためのコネクタ等を備えている。そして、この回路基板25は、パッキンとして機能するシート部材27を介して導入針ユニット15に取り付けられる。
【0023】
ヘッドケース16は、圧電振動子26を有する振動子ユニット18を収容するための中空箱体状の部材である。このヘッドケース16の内部には、振動子ユニット18を収容可能な収容空部28(図5参照)が形成されている。そして、振動子ユニット18は、この収容空部28内に収容され、収容空部28の内周面に接着等によって固定されている。そして、ヘッドケース16の導入針ユニット15の取付面とは反対側の先端面には、流路ユニット17が接着剤等により固定されている。この流路ユニット17は、流路形成基板29を間に挟んでノズルプレート30を流路形成基板29の一方の面側に配置し、振動板31をノズルプレート30とは反対側となる他方の面側に配置して積層した状態で接着剤等で接合して一体化することにより作製されている。
【0024】
ノズルプレート30は、例えばステンレス製の薄板から作製された部材であり、このノズルプレート30には、プリンタ1のドット形成密度に対応したピッチで微細なノズル開口14が列状に形成されている。ヘッドカバー32は、例えば金属製の薄板部材によって作製されており、ノズルプレート30の外側からその周縁部を包囲するようにヘッドケース16の先端部に取り付けられる。このヘッドカバー32は、流路ユニット17やヘッドケース16の先端部を保護すると共に、ノズルプレート30の帯電を防止する機能を有する。
【0025】
ノズルプレート30に接合される流路形成基板29は、図5に示すように、共通インク室33となる空部、インク供給口34となる連通部、及び、圧力室35となる空部を隔壁で区画した状態で各ノズル開口14に対応させて複数形成した板状の部材である。この流路形成基板29は、例えば、シリコンウェハをエッチング処理することによって作製される。上記の圧力室35は、ノズル開口14の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室33は、ヘッドケース16の高さ方向を貫通して形成されたヘッド流路37(液体流路の一種)を介してインク導入針21のインク導入路38(液体流路の一種。図9参照)と連通し、インクカートリッジ7に貯留されたインクが導入される室である。そして、この共通インク室33に導入されたインクは、インク供給口34を通じて各圧力室35に供給される。
【0026】
流路形成基板29におけるノズルプレート30とは反対側となる他方の面側に接合される振動板31は、ステンレス鋼等の金属製の支持板上に弾性フィルムをラミネート加工した二重構造の複合板材である。この振動板31の圧力室35に対応する部分には、圧電振動子26の自由端部の先端を接合するための島部40が形成されており、この部分がダイヤフラム部として機能する。また、振動板31は、共通インク室33となる空部の一方の開口面を封止し、コンプライアンス部としても機能する。このコンプライアンス部として機能する部分については弾性フィルムだけにしている。
【0027】
上記の振動子ユニット18は、図5に示すように、圧力発生手段としての圧電振動子群41と、この圧電振動子群41が接合される固定板42と、圧電振動子群41に回路基板25からの駆動信号を供給するためのフレキシブルケーブル(図示せず)等から構成される。本実施形態の圧電振動子群41は、櫛歯状に列設された複数の圧電振動子26を備える。各圧電振動子26は、固定端部が固定板42上に接合され、自由端部が固定板42の先端面よりも外側に突出している。即ち、各圧電振動子26は、所謂片持ち梁の状態で固定板42上に取り付けられている。また、各圧電振動子26を支持する固定板42は、例えば厚さ1mm程度のステンレス鋼によって構成されている。なお、圧力発生手段としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエータ、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
【0028】
この記録ヘッド3は、圧電振動子26を素子長手方向に伸縮させると、島部40が圧力室35に近接する方向或いは離隔する方向に移動する。これにより、圧力室35の容積が変化し、圧力室35内のインクに圧力変動が生じる。この圧力変動によってノズル開口14からインク滴(液滴の一種)が吐出される。
【0029】
次に、上記インクカートリッジ7について説明する。図6はインクカートリッジの構成を説明する斜視図、図7はインクカートリッジの針挿入口の断面図、図8はインクカートリッジの弁体の斜視図である。
【0030】
インクカートリッジ7は、本発明の液体貯留部材の一種として機能して記録ヘッド3に供給するインクを貯留する部材である。本実施形態のプリンタ1は、8種類のインク、具体的には、イエロー、マゼンタ、シアン、マットブラック、フォトブラック、レッド、ブルー、及び、グロスオプティマイザ(クリア)からなる8色のインクを吐出可能に構成されており、記録ヘッド3には、各インクを個別に貯留した合計8つのインクカートリッジ7が装着される。
【0031】
図6乃至図7に示すように、各インクカートリッジ7の底面部には、インク導入針21が挿入される針挿入口44(インクの流出口)を設けてある。針挿入口44のインク導入針21と対向する側には外部開口64が形成されており、その反対側には内部開口66が形成されている。この内部開口66を介して、針挿入口44は、インクカートリッジ7のインクが貯留されているインク貯留室(図示せず)に連通している。詳言すると、この針挿入口44は、インクカートリッジ7の内部開口66を介してインク貯留室と連通すると共にインク導入針21が挿通される筒部47(筒状体)と、インク導入針21を受容可能な通孔68を有すると共にインク導入針21の外周面と筒部47の内周面との間でインクを遮断するシール部材45と、インクカートリッジ7内部から通孔68を塞ぐ弁体60と、筒部47のインク導入針21の入口となる外部開口64を封止する封止部材の一種である封止フィルム46とを有している。
【0032】
シール部材45は針挿入口44内に圧入され、その中心部には、インク導入針21を受容可能な通孔68が形成されている。また、シール部材45の外周部には凸部70が形成されており、この凸部70が、針挿入口44の筒部47に形成された凹部72と係合してシール部材45が筒部47内に固定される。このシール部材45の凸部70と筒部47に形成された凹部72とによって、シール部材45と針挿入口44の筒部47とが液密に結合し、インクがシール部材45の外周部と針挿入口44の筒部47との間から漏れ出すことを防いでいる。
【0033】
シール部材45は、シリコンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、ニトリルゴム等のゴム材料、またはエラストマー材料等の弾性材料により構成される。またシール部材45の内周面のインク導入針21が接する領域には、インク導入針21の挿入を滑らかにするために、必要に応じてシリコーン樹脂やフッ素樹脂等がコーティングされた滑面層が形成されている。
【0034】
シール部材45の内周部には、外部開口64から内部開口66の方向に向かってテーパ状に延び、インク導入針21をガイドする第1テーパ部74及び第2テーパ部76と、インク導入針21と嵌合する円筒状の嵌合部78とが形成されている。また、シール部材45の内部開口66側には、インク導入針の外径よりも小さい直径の襞部82が形成され、インク流路を与えている。この襞部82は、インク導入針21の挿入により拡開してインク導入針21の周囲と液密に嵌合する。
【0035】
針挿入口44の筒部47に固定されたシール部材45と内部開口66との間にはインク誘導室86が形成され、ここに弁体60が収容されている。インク誘導室86は、弁体60の一部と係合して、弁体60をシール部材45に対してほぼ垂直に移動可能にガイドする筒状の案内部88を有している。案内部88には通孔が形成されている。弁体60は圧縮バネ62によりシール部材45側に常時付勢され、シール部材45のインク流路を選択的に封止している。
【0036】
図8に、弁体60の一実施例を示す。弁体60は、シール部材45のインク貯留室側の表面に弾接する弁体部90と、弁体がインク誘導室86に収容されたとき弁体部90を針挿入口44のシール部材45に対してほぼ垂直に移動可能にガイドするガイド部材92と、を有している。弁体部90は、弁体部90がシール部材45と弾接するときインク貯留室からのインクを封止する平板状の封止部94と、弁体60をシール部材45と弾接するよう付勢するバネを保持するバネ保持部96と、弁体部90が記録装置のインク導入針21に押圧されてシール部材45と距離を隔てたときインク貯留室からのインクを通過させるインク流路98と、を有す。ここで、インク流路98は、封止部94を切除して形成されている。ガイド部材92は、前記弁体部90に接続された軸100と、その軸100の自由端側に形成された抜止部102とを有す。抜止部102はインク誘導室86の案内部88内を移動可能な大きさで、通孔よりも大きい径を有す。
【0037】
図7に戻り、弁体60の抜止部102は、インク誘導室86内に設けられた案内部88と係合して弁体部90をシール部材45に対してほぼ垂直に移動可能にガイドする。
【0038】
ところで、いわゆるピエゾ型と呼ばれる記録ヘッド3は、圧電振動子等により圧力発生室を機械的に拡大させてインクをここに補給し、また圧縮してインク滴を吐出させる。このような記録ヘッド3に用いられるインクカートリッジにあっては、記録ヘッド3の圧力発生室に気泡が発生すると、インクを充分に加圧することができないため、インクの製造時に気泡をインクに溶解させて消滅させる必要がある。
【0039】
そのため、この場合、インクカートリッジは、その製造工程においてインク貯留室が大気圧に対して最大マイナス1気圧(6033kg/平方メートル)程度に減圧された状態でインクが注入される。よって、バネ62は、インク貯留室が減圧にされた状態であっても、弁体60がシール部材45に弾接した状態を保つことができるようにその弾圧力が設定されている。
【0040】
針挿入口44の筒部47のインク貯留室側に形成された内部開口66は、弁体60が収容されているインク誘導室86よりも面積が広くなっている。そのため流路抵抗が減少し、十分な量の液状インクをインク導入針21に供給することが可能である。また、この内部開口66とインク貯留室との間にはフィルタ104が設けられている。よって、例えインク貯留室のインクに埃などが混入していても、フィルタ104によって除去され、記録ヘッド3には供給されない。さらに、フィルタ104は、内部開口66と実質的に同一の大きさなので、流路抵抗が減少すると共に目詰まりが起こりにくいという利点を有す。
【0041】
封止フィルム46は、インクカートリッジ7の未使用時において、内部に貯留されたインクの漏れや蒸発を防止するためのシールであり、例えば、破断可能な薄手(例えば、厚み約39μm)のPP(ポリプロピレン)などの樹脂フィルムが好適に用いられ、後述するように、インクカートリッジ7の装着時においてインク導入針21により破断される。この封止フィルム46は圧延方向Y(図9(a)参照)に圧延されて形成されているため、かかる装着時には圧延方向Yに直交する方向(以下、「破断方向X」と称する(図9(a)参照))に沿って破断し易くなっている。すなわち、封止フィルム46が破断したときの破断部の形状は、円形状ではなく圧延方向Yよりも破断方向Xにより長く裂けた形状になる。なお、この封止フィルム46は、圧延されて形成されたものに限定されず、裂け易い方向が規定されていればよい。例えば、一方向にハーフカットされた封止フィルムを用いてもよい。
【0042】
次に、インク導入針21について説明する。図9はインク導入針の構成を説明する図であり、(a)はインクカートリッジの針挿入口の平面図、(b)はインク導入針の平面図、(c)はインク導入針長手方向の断面図である。上記インクカートリッジ7に挿入される液体導入柱状体の一例であるインク導入針21は、図9(b)及び(c)に示すように、内部にインク導入路38(液体流路の一種)が形成された中空針であり、先端から基端側に向けて漸次拡径するテーパ部48を有する針状突起部23と、この針状突起部23に直線的に連続して形成された円筒状のストレート部51と、このストレート部51の下端からその下流側に向けて次第に拡径した状態で形成されたスカート状の拡径部52とにより構成され、上記先端側のテーパ部48には、外部空間とインク導入路38とを連通するインク導入孔24(本発明における液体導入孔の一種)が穿設されている。そして、インク導入針21は、拡径部52の下端開口をフィルタ19に対向させる状態で、例えば超音波溶着によって導入針ユニット15に取り付けられる(図3,4参照)。これにより、インク導入針21のインク導入路38とヘッドケース16側のヘッド流路37とが液密状態で連通し、拡径部52の下端開口の面積がその直下に配置されるフィルタ19の有効濾過面の面積となる。なお、このインク導入路38とヘッド流路37は、本発明における液体流路として機能する。
【0043】
ストレート部51は、上記インクカートリッジ7内に挿入される中空円筒状の部材であり、その先端部分に形成された円錐形状の針状突起部23がインクカートリッジ7の装着時に、封止フィルム46を破いて針挿入口44に挿入し易いように構成されている。そして、インク導入針21のストレート部51の外周面には軸方向に沿って2つの溝部54(凹部)が延設されており、封止フィルム46の破断方向Xに沿う破断線に位置的に対応している。例えば本実施形態では、図9(b)に示すように、溝部54を、平面視で一方の溝部54の開口が左側、他方の溝部54の開口が右側を向くように設ける。これにより、上述したように封止フィルム46は破断方向Xに長く破断するから、破断した封止フィルム46の開口縁部とストレート部51の溝部54が設けられた領域との間に間隙が確保される。つまり、溝部54は封止フィルム46の開口縁部に摺接しない位置に設けられていることになる。
【0044】
次に、上記インクカートリッジ7のカートリッジ装着部15´への装着について説明する。図10及び図11はインクカートリッジのインク導入針(カートリッジ装着部)への装着について説明する断面図である。
【0045】
本実施形態におけるカートリッジ装着部15´には、図3、4に示したように、インク導入針21が上に向いて立設している。したがって、インクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´に装着するにあたっては、図10(a)に示すように、針挿入口44を下側に向けた状態でインクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´の上方から下方に向けて押し込む。この押し込みにより、針挿入口44の封止フィルム46が撓んでインク導入針21の先端側の外表面、即ち針状突起部23のテーパ部48の外表面に密着する状態になる。この状態からインクカートリッジ7をインク導入針21側にある程度押し下げると、図10(b)に示すように、インク導入針21は、針状突起部23で封止フィルム46を破断する。このとき、封止フィルム46は針状突起部23により破断方向X(図10(b)中、左右方向)に沿って破裂する。そして、図11に示すように、インクカートリッジ7がカートリッジ装着部15´に更に押し込まれて、インク導入針21のストレート部51がシール部材45の嵌合部78に嵌合すると共に、針状突起部23がシール部材45の襞部82を貫通した後、弁体60を押し開く。これにより、インク導入孔24を通じてインクカートリッジ7のインク貯留室とインク導入路38(インク流路)とが連通史、記録ヘッド3の圧力室35側にインクが導入される。
【0046】
このとき、インク導入針21のシール部材45が当接している領域よりも先端側の外周面と、インクカートリッジ7の針挿入口44の筒部47の内周面との間には空間部110が形成されている。そして、この空間部110には、インクカートリッジ7のインク貯留室からのインクが流入して充填された状態となっている。また、インク導入針21に設けられた溝部54内部にもインクが充填された状態となっている。
【0047】
また、溝部54は、インク導入針21のストレート部51の外周面のシール部材45が当接している領域よりも先端側に形成されている。このため、シール部材45はストレート部51の外周面に対して液密状態で密着することができ、インクがシール部材45の下方に漏洩することが防止されている。
【0048】
なお、上述したようなインクカートリッジ7をインク導入針21へ装着する一連のステップは、インク導入針21が針状突起部23で封止フィルム46を破断することを除けば、一度インクカートリッジ7を取外して再度装着する時も同様である。
【0049】
次に、上記インクカートリッジ7のカートリッジ装着部15´からの取外しに付いて説明する。図12はインクカートリッジのインク導入針(カートリッジ装着部)からの取外しについて説明する断面図である。図12(a)は、上述した図11の状態からインクカートリッジ7を取外し始めた後の状態、図12(b)は、インクカートリッジが完全に取外された状態を示す図である。このとき、インクカートリッジ7を取外す前(図11参照)においては、シール部材45はインク導入針21のストレート部51の外表面に密着していたが、インク導入針21の引き抜きにより、シール部材45はストレート部51の外表面の溝部54が設けられた領域に当接するようになっている。すなわち、シール部材45は、前記外表面に対して液密状態で密着することができなくなっている。この状態においては、溝部54は、空間部110とインクカートリッジ7の針挿入口44の外部の空間とを連通するインクの流路となり、この溝部54を介して空間部110のインクが針挿入口44外部へ排出される。そして、図12(b)に示すようにインクが針挿入口44の封止フィルム46の内側に残留することが抑制される。従って、取外されたインクカートリッジ7をカートリッジ装着部15´に再度装着する際にも、針挿入口44内に残留して粒状化したインクがインク導入針21内に混入することを回避することができる。そして、これにより記録ヘッド3に至るインク流路が目詰まりせずに、インクの吐出特性を良好に維持することができる。
【0050】
なお、溝部54は、上述したようにインク導入針21の外表面のうち、封止フィルム46の開口縁部が摺接しない領域に設けられているため、図12(b)に示す状態において、空間部110内のインクは溝部54を介してインクカートリッジ7の針挿入口44の外部へ流出し易くなっている。
【0051】
また、図12(b)に示したように、溝部54は空間部110に充填されたインクの流路として機能したが、一時的なインクの貯留領域としても機能する。すなわち、溝部54にはインクが満ちたままの状態で、インク導入針21が針挿入口44から引き抜かれることにより、空間部110内のインクをより多く針挿入口44の外部へ排出させることができる。
【0052】
一方、インク導入針21の針状突起部23により押圧されていた弁体60は、シール部材45の通孔68を塞いでいる。これにより、溝部54がインクの流路となって、空間部110内のインクを針挿入口44の外部へ排出しているのにもかかわらず、インクカートリッジ7のインク貯留室からインクが空間部110へ継ぎ足されることを防止でき、効率的に空間部110内のインクを排出することができる。なお、図12(b)に示した状態において、弁体60は必ずしもシール部材45の通孔68を塞いでいなくてもよい。空間部110内のインクを排出する効率は若干低下するが、通常、インク導入針21は速やかに引き抜かれるため、弁体60が通孔68を塞いでいない時間はごく僅かだからである。
【0053】
また、インク導入針21の外表面は、濡れ性が高いものが好ましい。これにより、空間部110に充填されたインクが溝部54を伝わり易くなるからである。
【0054】
なお、インク導入針21のストレート部51には、軸に沿って溝部54が延設されていたが、溝部54の形状はこれに限定されない。インク導入針21のストレート部51の外周面に溝部があればよいから、例えば、インク導入針21のストレート部51の周方向に沿って溝部を設けてもよい。また溝部のように細長い形状にも限定されず、インク導入針21のストレート部51の外周面に任意の形状の凹部を設けることもできる。
【0055】
また、インクカートリッジ7の針挿入口44の封止フィルム46には破断方向Xが規定されていたが、必ずしもこのような破断方向を有する封止フィルムを用いなくてもよい。この場合においても、インク導入針21の溝部54は、インク導入針21が針挿入口44から引き抜かれる際に、インクの一時的な貯留領域としても機能するし、針挿入口44内の空間部110に充填されたインクを針挿入口44の外部へと排出させる流路としても機能する。
【0056】
〈他の実施形態〉
実施形態1では、液体導入柱状体として先端がテーパ状のインク導入針21について説明したが、このような形状に限定されない。液体導入柱状体は、インクカートリッジ7の封止フィルム46を破断すると共に針挿入口44に挿通して、インクカートリッジ7内のインクをインク導入路38に導入可能な形状であればよい。例えばインク導入針は先端が封止フィルムに面接触する平面状に形成されたものであってもよい。
【0057】
さらに、本発明は、上記各実施形態のようにインクカートリッジ7をキャリッジ4に装着するオンキャリッジタイプには限らず、インクカートリッジ7をプリンタ1の筐体側のカートリッジホルダ(液体貯留部材装着部の一種)に装着させてインク供給チューブを通じて記録ヘッド3側にインクを供給するオフキャリッジタイプに採用することも可能である。即ち、オフキャリッジタイプにおけるカートリッジホルダに取り付けられたインク導入針にも上述した各実施形態における構成を適用することが可能である。
【0058】
以上は、液体噴射装置の一種であるプリンタ1を例に挙げて説明したが、本発明は液体導入針を有する他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレー等のカラーフィルタを製造するディスプレー製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーやFED(電界放出ディスプレー)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,極く少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】プリンタの構成を説明する概略斜視図である。
【図2】記録ヘッドの構成を説明する分解斜視図である。
【図3】記録ヘッドの構成を説明する平面図である。
【図4】記録ヘッドの内部構造を説明する断面図である。
【図5】記録ヘッドの内部構造を説明する要部断面図である。
【図6】インクカートリッジの構成を説明する斜視図である。
【図7】インクカートリッジの針挿入口の断面図である。
【図8】インクカートリッジの弁体の斜視図である。
【図9】針挿入口及びインク導入針の平面図並びにインク導入針の断面図である。
【図10】インクカートリッジのインク導入針への装着時の断面図である。
【図11】インクカートリッジのインク導入針への装着時の断面図である。
【図12】インクカートリッジのインク導入針からの取外し時の断面図である。
【図13】従来技術に係るインク導入針の針挿入口への挿入を示す断面図である。
【図14】従来技術に係るインク導入針の針挿入口への挿入を示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 プリンタ、 2 記録媒体、 3 記録ヘッド、 4 キャリッジ、 5 キャリッジ移動機構、 6 紙送り機構、 7 インクカートリッジ、 8 タイミングベルト、 9 パルスモータ、 10 ガイドロッド、 12 キャッピング機構、 12´ キャップ部材、 13 ポンプユニット、 14 ノズル開口、 15 導入針ユニット、 15´ カートリッジ装着部、 16 ヘッドケース、 17 流路ユニット、 18 振動子ユニット、 19 フィルタ、 21 インク導入針、 23 針状突起部、 24 インク導入孔、 25 回路基板、 26 圧電振動子、 27 シート部材、 28 収容空部、 29 流路形成基板、 30 ノズルプレート、 31 振動板、 32 ヘッドカバー、 33 共通インク室、 34 インク供給口、 35 圧力室、 37 ヘッド流路、 38 インク導入路、 40 島部、 41 圧電振動子群、 42 固定板、 44 針挿入口、 45 シール部材、 46 封止フィルム、 47 筒部、 48 テーパ部、 51 ストレート部、 52 拡径部、 54 溝部、 60 弁体、 110 空間部、 X 破断方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する液体貯留室を有すると共に当該液体の流出口を有する液体貯留部材が着脱可能に装着される液体貯留部材装着部と、
装着された前記液体貯留部材の前記流出口に挿入された状態で前記液体貯留部材内の液体を液体導入孔から内部の液体流路内に導入する液体導入柱状体と、
前記液体導入柱状体から導入された液体を、圧力発生手段の作動によってノズル開口から吐出可能な液体噴射ヘッドとを備え、
前記流出口は、前記液体貯留部材の前記インク貯留室に連通する筒状体と、前記液体導入柱状体を受容可能な通孔を有すると共に前記液体導入柱状体の外周面と前記筒状体の内面との間で前記液体を遮断するシール部材と、前記筒状体の前記インク貯留室側から前記シール部材の通孔を選択的に塞ぐ弁体と、前記筒状体の前記液体導入柱状体の入口となる開口を封止する封止部材とを有し、
前記液体導入柱状体は、前記液体貯留部材が前記液体貯留部材装着部に装着された状態において、前記弁体を押圧して前記液体を導入すると共に、前記液体導入柱状体の外周面の前記シール部材に当接されている領域よりも先端側の領域に形成された凹部を有することを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記液体貯留部材の前記流出口の前記封止部材は、一方向に沿って破断するものであり、
前記液体導入柱状体の前記凹部は、軸方向に沿って延設されると共に前記封止部材が破断する際の破断線に対応させて構成したことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記液体導入柱状体の前記凹部は、前記液体導入柱状体が前記液体貯留部材の前記流出口から引き抜かれるに際し、前記液体導入柱状体の前記シール部材に当接されている領域よりも先端側の領域の外周面と前記流出口の前記筒状体の内面との間に形成される空間部が前記流出口外部に連通するように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記液体導入柱状体の前記凹部は、前記液体導入柱状体が前記液体貯留部材の前記流出口から引抜かれ且つ前記流出口の前記弁体が前記シール部材の前記通孔を塞いだ状態において、前記空間部が前記流出口外部に連通するように形成されたことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記液体導入柱状体は、先端から基端側に向けて漸次拡径するテーパ部を有する針状突起部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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