説明

液体噴射装置

【課題】本発明は、装置構成の複雑化を抑制しつつ、液体流路内の液体に混入した気泡を効果的に除去することができる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンタ10は、下流トラップ室622に透過壁624を隔てて隣接する気体回収室621を有するキャリッジ60と、キャリッジ60の位置に応じて気体回収室621に着脱可能に接続する着脱接続部750と、気体回収室621に接続した着脱接続部750を通じて気体回収室621の圧力を下流トラップ室622の圧力よりも低い圧力に減圧するバキュームポンプ710を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体供給源から供給される液体を噴射ヘッドから噴射する液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、紙やプラスチック等の薄板状の記録媒体に対してインク滴を噴射して文字や図形を記録するインクジェット式プリンタがある。その他、液体噴射装置としては、液晶ディスプレー,プラズマディスプレー,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー,面発光ディスプレー (Field Emission Display、FED)等を製造するディスプレー製造装置において、色材や電極等を形成する液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域に対して噴射するものがある。
【0003】
液体噴射装置では、液体が蓄えられた液体供給源から噴射ヘッドまで液体を誘導する液体流路が、樹脂製のチューブや構造壁によって形成されたものがある(特許文献1)。そのような液体噴射装置では、流路外部の空気がチューブや構造壁を透過して液体流路に透過して液体に溶け込むことを完全に防止することは困難であり、液体流路中の液体に気泡が発生する場合がある。液体流路中の液体に発生した気泡は、次第に成長して大きくなり、過度に成長した気泡は、液体を噴射させるために液体に加えられる圧力を吸収してしまうことによる液体の噴射不良や、液体流路を塞いでしまうことによる液体の供給不足を招く虞がある。
【0004】
このような気泡の混入による不具合を防止するために、従来、液体に噴射圧力を加える圧力室に連通する共通液室に気体透過性膜を隔ててチャンバを設け、このチャンバの圧力を共通液室の圧力よりも減圧することによって、圧力室内の気泡の発生を抑制するものが提案されていた(特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−219229号公報
【特許文献2】特開2006−95878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、液体流路内の液体に混入した気泡を効果的に除去するための構成(例えば、液体流路やチャンバの構造や、チャンバの圧力を減圧する減圧手段の構成)について、十分に考慮されていなかった。
【0007】
本発明は、上記した課題を踏まえ、装置構成の複雑化を抑制しつつ、液体流路内の液体に混入した気泡を効果的に除去することができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0009】
[適用例1]液体供給源から供給される液体を噴射ヘッドから噴射する液体噴射装置であって、前記噴射ヘッドが配設されたキャリッジであって、前記液体供給源から前記噴射ヘッドに液体を流下する液体流路と、前記液体流路の途中に形成され該液体流路の幅を拡張した気体トラップ室と、気体が透過する透過壁を隔てて前記気体トラップ室に隣接する気体回収室とを有するキャリッジと、前記キャリッジを駆動するキャリッジ駆動部と、前記キャリッジ駆動部によって駆動されることにより移動した前記キャリッジの位置に応じて、前記気体回収室に着脱可能に接続する着脱接続部と、前記気体回収室に接続した着脱接続部を通じて、該気体回収室の圧力を前記トラップ室の圧力よりも低い圧力に減圧する減圧部とを備えることを特徴とする。
【0010】
適用例1の液体噴射装置によれば、気体トラップ室および気体回収室が液体流路に対して効果的に配設されると共に、気体回収室が減圧部と着脱可能に接続されるため、キャリッジの大型化および構造の複雑化を抑制しつつ、液体流路内の液体に混入した気泡を効果的に除去することができる。
【0011】
[適用例2]適用例1の液体噴射装置において、更に、前記キャリッジにおける前記気体回収室に配設され、前記着脱接続部が前記気体回収室から離脱している間、該気体回収室を密閉する密閉バルブを備えるとしても良い。適用例2の液体噴射装置によれば、着脱接続部が気体回収室から離脱している間であっても、気体回収室の圧力が減圧した状態に維持されるため、電源遮断時であっても、液体流路内の液体に混入した気泡を除去することができる。
【0012】
[適用例3]適用例1または適用例2の液体噴射装置において、更に、前記キャリッジ駆動部によって駆動されることにより移動した前記キャリッジの位置に応じて、前記噴射ヘッドに着脱可能に接続することによって該噴射ヘッドとの間に液体吸引室を形成するヘッドクリーナ部を備え、前記減圧部は、前記着脱接続部が前記気体回収室に接続されている場合、前記気体回収室に接続した着脱接続部を通じて、該気体回収室の圧力を前記トラップ室の圧力よりも低い圧力に減圧し、前記ヘッドクリーナ部が前記噴射ヘッドに接続されている場合、前記噴射ヘッドに接続したヘッドクリーナ部を通じて、前記液体吸引室の圧力を前記液体流路の圧力よりも低い圧力に減圧するとしても良い。適用例3の液体噴射装置によれば、気体回収室の減圧を行う減圧部を、液体吸引室の減圧にも利用することができるため、液体噴射装置における構成の簡素化を図ることができる。
【0013】
[適用例4]適用例3の液体噴射装置において、前記減圧部は、前記着脱接続部が前記気体回収室に接続されている間、ヘッドクリーナ部から負圧が開放されるのを防止する第1の開放防止部を備えるとしても良い。適用例4の液体噴射装置によれば、着脱接続部が気体回収室に接続されている間、ヘッドクリーナ部から負圧が開放されるのを防止することによって、気体回収室を効率良く減圧することができる。
【0014】
[適用例5]適用例3または適用例4の液体噴射装置において、前記減圧部は、前記ヘッドクリーナ部が前記噴射ヘッドに接続されている間、前記着脱接続部から負圧が開放されるのを防止する第2の開放防止部を備えるとしても良い。適用例5の液体噴射装置によれば、ヘッドクリーナ部が噴射ヘッドに接続されている間、着脱接続部から負圧が開放されるのを防止することによって、液体吸引室を効率良く減圧することができる。
【0015】
[適用例6]適用例3の液体噴射装置において、前記ヘッドクリーナ部が前記噴射ヘッドに接続された状態における前記キャリッジの位置において、前記着脱接続部は前記気体回収室に接続されるとしても良い。適用例6の液体噴射装置によれば、液体吸引室の減圧と気体回収室の減圧とを同時に実施することができるため、液体噴射装置のメンテナンスに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0016】
[適用例7]適用例1ないし適用例6のいずれかの液体噴射装置において、更に、前記キャリッジにおける前記液体流路の途中に配設され、該液体流路を流下する液体の圧力を調整する調圧バルブを有し、前記気体トラップ室は、前記液体流路における前記調圧バルブよりも上流側に形成された上流トラップ室と、前記液体流路における前記調圧バルブよりも下流側に形成された下流トラップ室との少なくとも一方を含むとしても良い。適用例7の液体噴射装置によれば、上流トラップ室では、調圧バルブに至るまでに発生した気泡を除去することができ、下流トラップ室では、調圧バルブの作用によって発生した気泡を除去することができる。
【0017】
[適用例8]適用例1ないし適用例7のいずれかの液体噴射装置において、更に、当該液体噴射装置に対する電源投入に応じて、前記減圧部による前記気体回収室の減圧を実施することを決定する第1判断部を備えるとしても良い。適用例8の液体噴射装置によれば、気体回収室に対する次回の減圧処理が予測できない状況への対応として、気体回収室の減圧を的確に実施することができる。
【0018】
[適用例9]適用例1ないし適用例8のいずれかの液体噴射装置において、更に、前記キャリッジにおける前記気体回収室に配設され、該気体回収室の圧力を検出する圧力センサと、前記圧力センサによって検出された圧力に応じて、前記減圧部による前記気体回収室の減圧を実施するか否か判断する第2判断部とを備えるとしても良い。適用例9の液体噴射装置によれば、気体回収室の実際の圧力に応じて気体回収室の減圧処理を的確な状況で実施することができる。
【0019】
[適用例10]適用例1ないし適用例9のいずれかの液体噴射装置において、更に、前回実施された前記減圧部による前記気体回収室の減圧から経過した経過期間に応じて、前記減圧部による前記気体回収室の減圧を実施するか否か判断する第3判断部とを備えるとしても良い。適用例10の液体噴射装置によれば、液体噴射装置の構造の複雑化を抑制しつつ、気体回収室の減圧処理を一定の頻度で的確に実施することができる。
【0020】
本発明の形態は、液体噴射装置に限るものではなく、例えば、液体噴射装置の制御方法、液体噴射装置を制御する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムなどの他の形態に適用することもできる。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用した液体噴射装置について説明する。なお、本実施形態では、液体噴射装置の一形態である画像記録装置に代表されるインクジェット式プリンタを例に挙げて説明する。
【0022】
A−1.実施例:
図1は、プリンタ10の概略構成を示す説明図である。プリンタ10は、記録媒体である印刷用紙900に対してインク滴を噴射して文字や図形を記録するインクジェット式プリンタである。プリンタ10は、印刷用紙900に対してインク滴を噴射する印刷機構部50を収容する本体筐体20を備え、本体筐体20には、印刷機構部50へと供給される印刷用紙900を本体筐体20の内部に導入する給紙トレイ12と、印刷機構部50から排出された印刷用紙900を本体筐体20の外部に導出する排紙トレイ14とが配設されている。印刷機構部50の構成についての詳細は後述する。
【0023】
本体筐体20には、プリンタ10の各部を制御する制御部40が収容されている。本実施例では、制御部40は、セントラルプロセッシングユニット(Central Processing Unit、CPU)と、リードオンリメモリ(Read Only Memory、ROM)と、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)などのハードウェアを備えたASIC(Application Specific Integrated Circuits)を含む。制御部40には、プリンタ10の各種機能を実現させるソフトウェアがインストールされている。制御部40の制御動作についての詳細は後述する。
【0024】
本体筐体20の上面には、各色の液体インクをそれぞれ収容した複数のインクパック310を収容する上部筐体30が配設されている。本実施例では、インクパック310は、可撓性シートにより略楕円断面を有する略長方形の袋状に形成され、その短辺側の一方に、インクを導出可能な供給口が配設されている。本実施例では、複数のインクパック310は、その長辺側の一方を持ち上げて斜めに重なり合う状態で保持されている。本実施例では、ブラック,シアン,マゼンダ,イエロの四色のインク毎に四つのインクパック310が上部筐体30に収容されている。他の実施形態として、これら4色に加え、ライトシアン,ライトマゼンダを加えた計六色のインクで印刷を行うプリンタでは、ライトシアン,ライトマゼンダを加えた計六色のインク毎に六つのインクパック310を上部筐体30に収容することができる。
【0025】
上部筐体30には、インクを導出可能にインクパック310に接続されたインク供給部330が配設されている。インク供給部330には、インクパック310からインク供給部330に導出されたインクを印刷機構部50へと流下する液体流路を形成する供給チューブ340が接続されている。供給チューブ340は、気体透過性を有する材料、例えば、オレフィン系やスチレン系などの熱可塑性エラストマで作製することができる。
【0026】
図2は、プリンタ10の印刷機構部50の構成を示す説明図である。印刷機構部50は、印刷用紙900に対するインク滴の噴射が実施される印刷領域に配設された長方形状のプラテン530を備える。プラテン530の上には、印刷用紙900が紙送り機構(図示しない)によって給送される。印刷機構部50は、供給チューブ340に接続されたキャリッジ60を備える。キャリッジ60は、ガイドロッド520に沿ってプラテン530の長手方向へ移動可能に支持され、キャリッジ駆動部であるキャリッジモータ510によりタイミングベルト512を介して駆動される。これによって、キャリッジ60は、プラテン530の上を長手方向に往復運動する。本体筐体20の内部において、プラテン530が配設された印刷領域から一端側に外れた非印刷領域には、キャリッジ60を待機させるホームポジションが設けられている。そのホームポジションには、キャリッジ60をメンテナンスするメンテナンス機構部70が配設されている。メンテナンス機構部70の詳細については後述する。
【0027】
図3Aは、キャリッジ60の内部構成を主に示す説明図である。図3Bは、着脱接続部750に接続されたキャリッジ60を図3AにおけるB−B断面で切断した断面を示す説明図である。図3Cは、着脱接続部750から切り離したキャリッジ60を図3AにおけるB−B断面で切断した断面を示す説明図である。キャリッジ60の下部には、圧電振動子(図示しない)の伸縮によりノズル612からインク滴を吐出する記録ヘッド610が配設されている。本実施例では、記録ヘッド610には、四色のインクに対応して、複数のノズル612で構成された四つのノズル群が形成されている。記録ヘッド610の上部には順に、第2キャリッジ部材620,第3キャリッジ部材630,第4キャリッジ部材640,第5キャリッジ部材650が積層されている。
【0028】
第5キャリッジ部材650は、キャリッジ60の上面を構成し、供給チューブ340に接続してインク流路の一部を形成するインク導入口659を有する。本実施例では、第5キャリッジ部材650は、四色のインクに対応する四つのインク導入口659を有する。
【0029】
第4キャリッジ部材640は、第5キャリッジ部材650と第3キャリッジ部材630との間に積層され、第5キャリッジ部材650のインク導入口659に連通する上流トラップ室642と、気体が透過する透過壁644を隔てて上流トラップ室642に隣接する気体回収室641とを有する。上流トラップ室642は、第5キャリッジ部材650から第3キャリッジ部材630に向かうに連れてインク流路の幅が拡張するようにスカート状の略円錐形に形成されている。本実施例では、第4キャリッジ部材640は、四色のインクに対応する四つの上流トラップ室642を有する。本実施例では、気体回収室641は、複数の上流トラップ室642に共通して透過壁644を隔てて隣接する。本実施例では、透過壁644は、第4キャリッジ部材640においてキャリッジ60の外部と気体回収室641とを区画する他の区画壁と共に、気体が透過可能な材料、例えば、ポリアセタール,ポリプロピレン,ポリフェニレンエーテル等で一体成型され、透過壁644の壁厚は、第4キャリッジ部材640における他の区画壁よりも薄く成型されている。第4キャリッジ部材640の材料は、気体透過係数が5cc・mm/m2・day・atm以上であり、透湿係数が2g・mm/m2・day・atm以下が好適である。本実施例では、透過壁644は、一つあたりの面積が約1cm2、厚さが約1mmである。本実施例では、第4キャリッジ部材640は一体成型された部材であるが、他の実施形態において、第4キャリッジ部材640における透過壁644を他の区画壁よりも気体透過性の高い材料で形成しても良い。
【0030】
第3キャリッジ部材630は、第4キャリッジ部材640と第2キャリッジ部材との間に積層され、第4キャリッジ部材640の上流トラップ室642にフィルタ646を介して連通するインク流路634と、記録ヘッド610へと流下するインクの圧力を減圧調整する調圧バルブ636と、調圧バルブ636からのインクを記録ヘッド610へと流下するインク流路638とを有する。本実施例では、第3キャリッジ部材630は、四色のインクにそれぞれ対応する四つのインク流路634,調圧バルブ636,インク流路638を有する。
【0031】
第2キャリッジ部材620は、第3キャリッジ部材630と記録ヘッド610との間に積層され、第3キャリッジ部材630のインク流路638にフィルタ626を介して連通する下流トラップ室622と、気体が透過する透過壁624を隔てて下流トラップ室622に隣接する気体回収室621とを有する。下流トラップ室622は、第3キャリッジ部材630から記録ヘッド610に向かうに連れてインク流路の幅が拡張するようにスカート状の略円錐形に形成されている。本実施例では、第2キャリッジ部材620は、四色のインクに対応する四つの下流トラップ室622を有する。本実施例では、気体回収室621は、複数の下流トラップ室622に共通して透過壁624を隔てて隣接する。本実施例では、透過壁644は、第2キャリッジ部材620においてキャリッジ60の外部と気体回収室621とを区画する他の区画壁と共に、気体が透過可能な材料、例えば、ポリアセタール,ポリプロピレン,ポリフェニレンエーテル等で一体成型され、透過壁624の壁厚は、第2キャリッジ部材620における他の区画壁よりも薄く成型されている。第2キャリッジ部材620の材料は、気体透過係数が5cc・mm/m2・day・atm以上であり、透湿係数が2g・mm/m2・day・atm以下が好適である。本実施例では、透過壁624は、一つあたりの面積が約1cm2、厚さが約1mmである。本実施例では、第2キャリッジ部材620は一体成型された部材であるが、他の実施形態において、第2キャリッジ部材620における透過壁624を他の区画壁よりも気体透過性の高い材料で形成しても良い。
【0032】
キャリッジ60の内部には、気体回収室621と気体回収室641と相互に連通する連通路631が形成され、気体回収室641の下方には、開口656を介して連通する減圧中継室651が形成されている。図3Cに示すように、減圧中継室651は、側面に開口を有する中空針652を介してキャリッジ60の外部に連通する。図3Bおよび図3Cに示すように、気体回収室621に連通する開口656には、コイルバネ654で付勢され開口656を開閉可能に封止する密閉バルブ653が配設されている。図3Bに示すように、密閉バルブ653は、コイルバネ654に対抗する力によってキャリッジ60の外部から押圧されると、開口656を開放する。
【0033】
図2の説明に戻り、メンテナンス機構部70は、ノズル612が配設された記録ヘッド610の下面を覆うヘッドキャップ740と、キャリッジ60の減圧中継室651を介して気体回収室621および気体回収室641に着脱可能に接続する着脱接続部750と、ノズル612が配設された記録ヘッド610の下面に付着したインクを拭い取るワイパブレード760と、ヘッドキャップ740および着脱接続部750にバキュームチューブ715を介して負圧を供給する減圧部であるバキュームポンプ710とを備える。ヘッドキャップ740,着脱接続部750,ワイパブレード760は、昇降ベース730に配設され、昇降ベース730は、本体筐体20に固定されたベース720に昇降可能に支持されている。
【0034】
図4は、着脱接続部750と接続可能な位置にキャリッジ60が移動した状態を示す説明図である。図5は、着脱接続部750が上昇してキャリッジ60に接続した状態を示す説明図である。メンテナンス機構部70の昇降ベース730には、ヘッドキャップ740を上方へ付勢しながら支持する付勢支持部734と、着脱接続部750を上方へ付勢しながら支持する付勢支持部735とが配設されている。メンテナンス機構部70のベース720には昇降モータ722が配設され、昇降モータ722が、伝達ギア724および伝達ギア725を介してリードスクリュ726を回転させると、リードスクリュ726に螺合された昇降ベース730は、リードスクリュ726の回転に応じて昇降する。
【0035】
メンテナンス機構部70には、バキュームチューブ715をヘッドキャップ740および着脱接続部750に分岐する分岐部716が設けられ、分岐部716とヘッドキャップ740との間には分岐チューブ717が接続され、分岐部716と着脱接続部750との間には分岐チューブ718が接続されている。ヘッドキャップ740へと接続された分岐チューブ717の途中には、着脱接続部750に設けられた凸部759に係合する遮断レバー739が横架されている。図5に示すように、キャリッジ60と着脱接続部750とが接続された場合、遮断レバー739は、凸部759によって下方に移動して分岐チューブ717を押し潰すことによって第1の開放防止部として機能し、ヘッドキャップ740に対する負圧の供給を遮断する。これにより、供給された負圧は、ヘッドキャップ740から漏れることなく減圧提供室751側を吸引する。
【0036】
図3A,図3B,図3Cに示すように、メンテナンス機構部70の着脱接続部750には、分岐チューブ718に接続された接続口756に連通する減圧提供室751が形成されている。減圧提供室751の上部には、キャリッジ60の中空針652と密嵌する貫通孔を有するパッキン752が嵌挿されている。減圧提供室751の内部には、コイルバネ754によってパッキン752に付勢された密閉バルブ753が配設されている。密閉バルブ753は、中空針652の挿入および離脱に応じてパッキン752の貫通孔を開閉可能に封止し、中空針652が離脱した場合には、パッキン752に密着して第2の開放防止部として機能する。図3B,図3Cに示すように、着脱接続部750の上面には、着脱接続部750が上昇してキャリッジ60に接続した場合にキャリッジ60の密閉バルブ653を押圧する開放凸部758が配設されている。
【0037】
図3A,図3Bに示すように、着脱接続部750が上昇してキャリッジ60に接続した場合、着脱接続部750の減圧提供室751は、キャリッジ60の減圧中継室651に連通すると共に、キャリッジ60の減圧中継室651は、気体回収室621および気体回収室641に連通する。これによって、気体回収室621および気体回収室641の圧力は、バキュームポンプ710から負圧の提供を受けることによって、下流トラップ室622および上流トラップ室642の圧力よりも低い圧力に減圧される。本実施例では、下流トラップ室622および上流トラップ室642と気体回収室621,641との圧力差は、常温で約5キロパスカルから約40キロパスカルの範囲に維持され、圧力差が約5キロパスカルまで自然に低下すると、圧力差が約40キロパスカルとなるように減圧される。
【0038】
図6は、ヘッドキャップ740と接続可能な位置にキャリッジ60が移動した状態を示す説明図である。図7は、ヘッドキャップ740が上昇してキャリッジ60に接続した状態を示す説明図である。本実施例では、キャリッジ60がヘッドキャップ740と接続する位置は、キャリッジ60が着脱接続部750と接続する位置とは異なる位置である。ヘッドクリーナ部であるヘッドキャップ740は、ヘッドキャップ740が上昇してキャリッジ60に接続した場合に、記録ヘッド610の下面との間に、分岐チューブ717に接続された接続口742に連通するインク吸引室741を形成する。これによって、インク吸引室741の圧力は、バキュームポンプ710から負圧の提供を受けることによって、ノズル612の圧力よりも低い圧力に減圧される。バキュームポンプ710からの負圧は着脱接続部750側へも行くが、密閉バルブ753により閉塞されており、確実に減圧することができる。インク吸引室741の底面には、ノズル612からインク吸引室741に吸引されたインクを吸収するスポンジ744が配置されている。
【0039】
図8は、プリンタ10の制御部40が実行する起動処理を示すフローチャートである。本実施例では、図8の起動処理は、制御部40のCPUによるソフトウェアに基づく動作によって実現される。本実施例では、プリンタ10に電源が投入された場合、制御部40は、図8の起動処理を開始する。
【0040】
制御部40は、プリンタ10に電源が投入されると(ステップS110)、初期設定を実施する(ステップS120)。その後、制御部40は、気体回収室621および気体回収室641を減圧する回収室減圧処理を実行する(ステップS130)。回収室減圧処理(ステップS130)では、制御部40は、キャリッジモータ510に制御信号を送信して、キャリッジ60を図4に示した位置に移動させる。その後、制御部40は、昇降モータ722に制御信号を送信して、着脱接続部750を図5に示した位置まで上昇させキャリッジ60に接続させる。その後、制御部40は、バキュームポンプ710に制御信号を送信して、バキュームポンプ710によって負圧を発生させる。本実施例では、下流トラップ室622および上流トラップ室642の内部に補足された気泡の体積が気体回収室621,641に回収されて減少する体積減少速度は、下流トラップ室622および上流トラップ室642の内部に補足された気泡の体積がインク流路の上流側から流入する気泡と合わさって増大(成長)する体積増大速度よりも速くなるように設定される。具体的には、透過壁624,644における24時間(1日)あたりの気体透過量が、例えば、0.05mm3/day以上、水蒸気の透過量を0.10mg/day以下となるように、下流トラップ室622および上流トラップ室642と気体回収室621,641との圧力差や、透過壁624,644の面積、透過壁624,644の厚さ、透過壁624,644を形成する材料の気体透過係数、透過壁624,644を形成する材料の透湿係数などの各種値のバランスが調整される。
【0041】
以上説明したプリンタ10によれば、下流トラップ室622,上流トラップ室642および気体回収室621,641がインク流路に対して効果的に配設されると共に、気体回収室621,641が着脱接続部750によってバキュームポンプ710へと着脱可能に接続されるため、キャリッジ60の大型化および構造の複雑化を抑制しつつ、インク流路内のインクに混入した気泡を効果的に除去することができる。また、気体回収室621に連通する開口656には密閉バルブ653が配設されているため、着脱接続部750がキャリッジ60から離脱している間であっても、気体回収室621の圧力が減圧した状態に維持されるため、電源遮断時であっても、下流トラップ室622や上流トラップ室642のインクに混入した気泡を除去することができる。また、下流トラップ室622および上流トラップ室642の減圧を行うバキュームポンプ710を、ヘッドキャップ740におけるインク吸引室741の減圧にも利用することができるため、プリンタ10における構成の簡素化を図ることができる。また、上流トラップ室642では、調圧バルブ636に至るまでに発生した気泡を除去することができ、下流トラップ室622では、調圧バルブ636の作用によって発生した気泡を除去することができる。また、プリンタ10の電源投入時に回収室減圧処理(ステップS130)を実施するため、気体回収室621,641に対する次回の減圧処理が予測できない状況への対応として、気体回収室621,641の減圧を的確に実施することができる。
【0042】
A−2.第1変形例:
図9は、第1変形例におけるキャリッジ60の内部構成を示す説明図である。第1変形例におけるプリンタの構成は、気体回収室621,641の圧力を検出する圧力センサ658をキャリッジ60に配設した点を除き、上述の実施例におけるプリンタ10と同様である。圧力センサ658は、制御部40に電気的に接続されている。図10は、第1変形例におけるプリンタ10の制御部40が実行する減圧判断処理を示すフローチャートである。本実施例では、図10の減圧判断処理は、制御部40のCPUによるソフトウェアに基づく動作によって実現される。本実施例では、制御部40は、印刷が実行されていない場合に定期的に図10の減圧判断処理を実行する。制御部40は、図10の減圧判断処理を開始すると、圧力センサ658の出力信号から気体回収室621,641の圧力を検出し(ステップS210)、気体回収室621,641の圧力が予め設定された設定圧力よりも高い場合(ステップS220)、回収室減圧処理(ステップS130)を実施する。以上説明した第1変形例のプリンタによれば、気体回収室621,641の実際の圧力に応じて回収室減圧処理(ステップS130)を的確な状況で実施することができる。
【0043】
A−3.第2変形例:
第2変形例におけるプリンタの構成は、上述の実施例におけるプリンタ10と同様である。図11は、第2変形例におけるプリンタ10の制御部40が実行する減圧判断処理を示すフローチャートである。本実施例では、図11の減圧判断処理は、制御部40のCPUによるソフトウェアに基づく動作によって実現される。本実施例では、制御部40は、印刷が実行されていない場合に定期的に図11の減圧判断処理を実行する。制御部40は、図11の減圧判断処理を開始すると、前回の回収室減圧処理(ステップS130)を実施した際にリセットした減圧タイマを確認する(ステップS310)。減圧タイマが予め設定された設定期間を超過している場合(ステップS320)、制御部40は、回収室減圧処理(ステップS130)を実施する。その後、制御部40は、次回の回収室減圧処理(ステップS130)のために減圧タイマをリセットする。以上説明した第2変形例のプリンタによれば、プリンタの構造の複雑化を抑制しつつ、回収室減圧処理(ステップS130)を一定の頻度で的確に実施することができる。
【0044】
A−4.第3変形例:
前述の実施例では、メンテナンス機構部70に対するキャリッジ60の位置は、着脱接続部750に接続する場合とヘッドキャップ740に接続する場合とで異なるとしたが、着脱接続部750およびヘッドキャップ740の双方に対してキャリッジ60が同じ位置で接続するとしても良い。
【0045】
図12は、第3変形例においてキャリッジ60がメンテナンス機構部70の上方に位置する状態を示す説明図である。第3変形例におけるプリンタ10は、メンテナンス機構部70の構成が異なる点を除き前述の実施例と同様である。第3変形例のメンテナンス機構部70は、着脱接続部750およびヘッドキャップ740の位置が異なる点、遮断レバー739を有しない点を除き、前述の実施例と同様である。第3変形例では、キャリッジ60がメンテナンス機構部70の上方に位置する場合に、キャリッジ60の中空針652の下方にメンテナンス機構部70の着脱接続部750が位置すると共に、キャリッジ60の記録ヘッド610の下方にメンテナンス機構部70のヘッドキャップ740が位置する。
【0046】
図13は、図12に示した状態から昇降ベース730を上昇させてヘッドキャップ740をキャリッジ60に接続させた状態を示す説明図である。本実施例では、メンテナンス機構部70における昇降ベース730が上昇すると、まず、ヘッドキャップ740がキャリッジ60の記録ヘッド610に接続され、ヘッドキャップ740と記録ヘッド610の下面との間にインク吸引室741が形成される。インク吸引室741の圧力は、バキュームポンプ710から負圧の提供を受けることによって、ノズル612の圧力よりも低い圧力に減圧される。
【0047】
図14は、図13に示した状態から更に昇降ベース730を上昇させて着脱接続部750をキャリッジ60に接続させた状態を示す説明図である。ヘッドキャップ740が記録ヘッド610に接続された後、更に、昇降ベース730が上昇すると、ヘッドキャップ740が記録ヘッド610に接続された状態で、着脱接続部750がキャリッジ60の中空針652に接続され、着脱接続部750の減圧提供室751は、キャリッジ60の減圧中継室651に連通すると共に、キャリッジ60の減圧中継室651は、気体回収室621および気体回収室641に連通する。気体回収室621および気体回収室641の圧力は、バキュームポンプ710から負圧の提供を受けることによって、下流トラップ室622および上流トラップ室642の圧力よりも低い圧力に減圧される。
【0048】
以上説明した第3変形例におけるプリンタ10によれば、インク吸引室741の減圧と気体回収室641の減圧とを同時に実施することができるため、プリンタ10のメンテナンスに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0049】
B.その他の実施形態:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置や、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレー,面発光ディスプレー (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】プリンタ10の概略構成を示す説明図である。
【図2】プリンタ10の印刷機構部50の構成を示す説明図である。
【図3A】キャリッジ60の内部構成を主に示す説明図である。
【図3B】図3AのB−B断面において着脱接続部750に接続されたキャリッジ60を切断した断面を示す説明図である。
【図3C】図3AのB−B断面において着脱接続部750から切り離したキャリッジ60を切断した断面を示す説明図である。
【図4】着脱接続部750と接続可能な位置にキャリッジ60が移動した状態を示す説明図である。
【図5】着脱接続部750が上昇してキャリッジ60に接続した状態を示す説明図である。
【図6】ヘッドキャップ740と接続可能な位置にキャリッジ60が移動した状態を示す説明図である。
【図7】ヘッドキャップ740が上昇してキャリッジ60に接続した状態を示す説明図である。
【図8】プリンタ10の制御部40が実行する起動処理を示すフローチャートである。
【図9】第1変形例におけるキャリッジ60の内部構成を示す説明図である。
【図10】第1変形例におけるプリンタ10の制御部40が実行する減圧判断処理を示すフローチャートである。
【図11】第2変形例におけるプリンタ10の制御部40が実行する減圧判断処理を示すフローチャートである。
【図12】第3変形例においてキャリッジ60がメンテナンス機構部70の上方に位置する状態を示す説明図である。
【図13】図12に示した状態から昇降ベース730を上昇させてヘッドキャップ740をキャリッジ60に接続させた状態を示す説明図である。
【図14】図13に示した状態から更に昇降ベース730を上昇させて着脱接続部750をキャリッジ60に接続させた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10…プリンタ
12…給紙トレイ
14…排紙トレイ
16…タイミングベルト
20…本体筐体
30…上部筐体
40…制御部
50…印刷機構部
60…キャリッジ
70…メンテナンス機構部
310…インクパック
330…インク供給部
340…供給チューブ
510…キャリッジモータ
520…ガイドロッド
530…プラテン
610…記録ヘッド
612…ノズル
620…第2キャリッジ部材
621…気体回収室
622…下流トラップ室
624…透過壁
626…フィルタ
630…第3キャリッジ部材
631…連通路
634…インク流路
636…調圧バルブ
638…インク流路
640…第4キャリッジ部材
641…気体回収室
642…上流トラップ室
644…透過壁
646…フィルタ
650…第5キャリッジ部材
651…減圧中継室
652…中空針
653…密閉バルブ
654…コイルバネ
656…開口
658…圧力センサ
659…インク導入口
710…バキュームポンプ
715…バキュームチューブ
716…分岐部
717…分岐チューブ
718…分岐チューブ
720…ベース
722…昇降モータ
724…伝達ギア
725…伝達ギア
726…リードスクリュ
730…昇降ベース
734…付勢支持部
735…付勢支持部
739…遮断レバー
740…ヘッドキャップ
741…インク吸引室
742…接続口
744…スポンジ
750…着脱接続部
751…減圧提供室
752…パッキン
753…密閉バルブ
754…コイルバネ
756…接続口
758…開放凸部
759…凸部
760…ワイパブレード
900…印刷用紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体供給源から供給される液体を噴射ヘッドから噴射する液体噴射装置であって、
前記噴射ヘッドが配設されたキャリッジであって、
前記液体供給源から前記噴射ヘッドに液体を流下する液体流路と、
前記液体流路の途中に形成され該液体流路の幅を拡張した気体トラップ室と、
気体が透過する透過壁を隔てて前記気体トラップ室に隣接する気体回収室と
を有するキャリッジと、
前記キャリッジを駆動するキャリッジ駆動部と、
前記キャリッジ駆動部によって駆動されることにより移動した前記キャリッジの位置に応じて、前記気体回収室に着脱可能に接続する着脱接続部と、
前記気体回収室に接続した着脱接続部を通じて、該気体回収室の圧力を前記トラップ室の圧力よりも低い圧力に減圧する減圧部と
を備える液体噴射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体噴射装置であって、更に、前記キャリッジにおける前記気体回収室に配設され、前記着脱接続部が前記気体回収室から離脱している間、該気体回収室を密閉する密閉バルブを備える液体噴射装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置であって、更に、前記キャリッジ駆動部によって駆動されることにより移動した前記キャリッジの位置に応じて、前記噴射ヘッドに着脱可能に接続することによって該噴射ヘッドとの間に液体吸引室を形成するヘッドクリーナ部を備え、
前記減圧部は、
前記着脱接続部が前記気体回収室に接続されている場合、前記気体回収室に接続した着脱接続部を通じて、該気体回収室の圧力を前記トラップ室の圧力よりも低い圧力に減圧し、
前記ヘッドクリーナ部が前記噴射ヘッドに接続されている場合、前記噴射ヘッドに接続したヘッドクリーナ部を通じて、前記液体吸引室の圧力を前記液体流路の圧力よりも低い圧力に減圧する、液体噴射装置。
【請求項4】
前記減圧部は、前記着脱接続部が前記気体回収室に接続されている間、ヘッドクリーナ部から負圧が開放されるのを防止する第1の開放防止部を備える請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記減圧部は、前記ヘッドクリーナ部が前記噴射ヘッドに接続されている間、前記着脱接続部から負圧が開放されるのを防止する第2の開放防止部を備える請求項3または請求項4に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記ヘッドクリーナ部が前記噴射ヘッドに接続された状態における前記キャリッジの位置において、前記着脱接続部は前記気体回収室に接続される請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の液体噴射装置であって、更に、前記キャリッジにおける前記液体流路の途中に配設され、該液体流路を流下する液体の圧力を調整する調圧バルブを有し、
前記気体トラップ室は、
前記液体流路における前記調圧バルブよりも上流側に形成された上流トラップ室と、
前記液体流路における前記調圧バルブよりも下流側に形成された下流トラップ室と
の少なくとも一方を含む、液体噴射装置。
【請求項8】
更に、当該液体噴射装置に対する電源投入に応じて、前記減圧部による前記気体回収室の減圧を実施することを決定する第1判断部を備える請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の液体噴射装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の液体噴射装置であって、更に、
前記キャリッジにおける前記気体回収室に配設され、該気体回収室の圧力を検出する圧力センサと、
前記圧力センサによって検出された圧力に応じて、前記減圧部による前記気体回収室の減圧を実施するか否か判断する第2判断部と
を備える液体噴射装置。
【請求項10】
更に、前回実施された前記減圧部による前記気体回収室の減圧から経過した経過期間に応じて、前記減圧部による前記気体回収室の減圧を実施するか否か判断する第3判断部を備える請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−18570(P2009−18570A)
【公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−112082(P2008−112082)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】