説明

液体噴射装置

【課題】液体噴射ヘッドにおける液体の消費量に拘わらず液体の温度を安定させることが可能な液体噴射装置を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ13と記録ヘッド20との間に配設され、記録ヘッドへのインクの供給状態又は非供給状態に切り替えることが可能な圧力調整弁69を有するサブタンク21と、圧力調整弁側から記録ヘッド側に供給されるインクを加熱する加熱ヒーター48を有する加熱流路ユニット24と、加熱ヒーターを制御するプリンターコントローラー60と、圧力調整弁の開弁または閉弁を検出するスイッチ77と、を備え、プリンターコントローラーは、スイッチにより圧力調整弁の開弁が検出された場合に加熱ヒーターによる加熱を開始させる一方、スイッチにより圧力調整弁の閉弁が検出された場合、加熱ヒーターによる加熱を停止させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関し、特に、液体を加熱する加熱手段を有する液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する液体噴射装置の代表的なものとしては、例えば、着弾対象物(記録媒体)としての記録紙等に対してインク滴を噴射・着弾させて記録を行うインクジェット式プリンター等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、或いはFED(面発光ディスプレイ)等のディスプレイ製造装置においては、色材や電極等の液体状の各種材料を、画素形成領域や電極形成領域等に対して噴射するためのものとして、液体噴射装置が用いられている。
【0003】
近年、紫外線などの光のエネルギーの照射によって硬化する光硬化型インクが画像等の印刷の際に用いられることがある。この光硬化型インクは、インク吸収性の乏しい記録媒体に対しても光を当てれば硬化して画像等を記録することができるため、様々な用途に用いられている。しかしながら、この光硬化型インクは、一般のインクよりも粘度が高く、この光硬化型インクを液体噴射ヘッドで支障なく噴射するには、粘度を低下させる必要がある。このため、加熱手段によって光硬化型インクを加熱してから記録媒体上に噴射するように構成された液体噴射ヘッドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−083470号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、加熱手段から液体噴射ヘッドのノズルまでの流路の距離が長いほど、液体がノズルに至るまでの間に当該液体の温度が低下しやすくなる。特に、単位時間あたりにより多くの液体を連続的に噴射する場合、液体の流速が速くなるので、それだけ加熱手段を液体が通過する時間が短くなり、液体が十分に加熱され難い。この場合、液体の粘度が理想値よりも高まるため、ノズルから噴射される液体の量や飛翔速度が低下してしまう。このような不具合を防止すべく、液体噴射ヘッド内の液体が規定の温度となるまで液体の噴射を行わずに待機させる方法が考えられるが、待機時間を設ける分、処理時間が長くなってしまう問題がある。その一方で、液体を長時間噴射しない場合や、液体の消費量が比較的少ない場合等では、液体の流速が遅くなるので、加熱手段によって液体が加熱され過ぎて液体温度が必要以上に高まることになる。この場合、ノズルから噴射される液体の量や飛翔速度が必要以上に高まってしまう。
【0006】
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、液体を加熱して当該液体の粘度を低下させてから噴射を行う他の液体噴射装置においても同様に存在する。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体噴射ヘッドにおける液体の消費量に拘わらず液体の温度を安定させることが可能な液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は、液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに供給する液体を貯留した液体貯留部材と、
該液体貯留部材と前記液体噴射ヘッドとの間に配設され、前記液体噴射ヘッドへの液体の供給状態又は非供給状態に切り替えることが可能な開閉弁と、
該開閉弁側から前記液体噴射ヘッド側に供給される液体を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記開閉弁の開弁または閉弁を検出する検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により前記開閉弁の開弁が検出された場合に前記加熱手段による加熱を開始させる一方、前記検出手段により前記開閉弁の閉弁が検出された場合、前記加熱手段による加熱を停止させることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、開閉弁の開弁が検出された場合に加熱手段がオンにされて液体の加熱が開始される一方、開閉弁が閉弁されたときに加熱手段がオフにされて液体の加熱が停止されるので、液体噴射ヘッド内部の流路を流れる液体の流速の高低(即ち、液体の消費量の多少)に拘わらず、当該流路内の液体の温度を可及的に一定に保つことが可能となる。即ち、液体噴射ヘッドによる液体の消費量が相対的に多く、ヘッド内部の流路を流れる液体の流速が比較的速い場合、開閉弁が開弁され、これに伴って加熱手段による液体の加熱が開始されるので、液体の温度の低下が防止される。一方、液体噴射ヘッドによる液体の消費量が相対的に少なく、ヘッド内部の流路を流れる液体の流速が比較的低い場合、開閉弁が閉弁され、これに伴って加熱手段による加熱が停止されるので、液体の過加熱が防止される。したがって、液体噴射ヘッド内の液体の温度が一定に維持される。その結果、液体の粘度がノズルからの噴射に適した値に維持されるので、ノズルから噴射される液体の量や飛翔速度などの噴射特性の安定化が図れる。また、加熱手段のオン・オフの切り替えを、開閉弁の開閉に連動させることで、複雑な制御を要しない。
【0010】
また、上記構成において、前記液体噴射ヘッドは、当該液体噴射ヘッド内の液体の温度を検出する温度検出手段を有し、
前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が規定の温度に満たない場合、検出温度が規定の温度に至るまで、前記検出手段による前記開閉弁の検出状態に拘わらず、前記加熱手段を加熱状態に維持する構成を採用することが望ましい。
【0011】
上記構成によれば、温度検出手段による検出温度が規定の温度に満たない場合、検出温度が規定の温度に至るまで、検出手段による開閉弁の検出状態に拘わらず、加熱手段を加熱状態に維持するので、液体噴射装置の電源が投入された直後など液体の温度が比較的低い場合に、液体の温度を速やかに規定の温度に調整することが可能となる。
【0012】
また、上記構成において、前記液体噴射ヘッドは、当該液体噴射ヘッド内部の液体の温度を保温する保温手段を有し、
前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が規定の温度となるように、前記保温手段を制御する構成を採用することができる。
【0013】
上記構成によれば、加熱手段に加えて保温手段を備え、温度検出手段による検出温度が規定の温度となるように、保温手段が制御されるので、より効率良く且つより精度の高い温度制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】プリンターの構成を説明する平面図である。
【図2】インク噴射ユニットの構成を説明する分解斜視図である。
【図3】インク噴射ユニットの構成を説明する斜視図である。
【図4】記録ヘッドの構成を説明する要部断面図である。
【図5】プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。
【図6】インクカートリッジから記録ヘッドに至るまでの構成を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
【0016】
図1はインク噴射ユニット10(図2)を搭載するインクジェット式記録装置(以下、プリンターという)の構成を示す平面図である。
本実施形態におけるプリンター1は、記録用紙、布、樹脂フィルム等の記録媒体(着弾対象:図示せず)の表面に対して液体状のインク(本発明に液体に相当)を噴射して画像やテキスト等の記録を行う装置である。このプリンター1は、フレーム2と、このフレーム2内に配設されたプラテン3とを備えており、紙送りモーターの駆動により回転する紙送りローラー(何れも図示せず)によってプラテン3上に記録紙が搬送されるようになっている。また、フレーム2内には、プラテン3と平行にガイドロッド4が架設されており、このガイドロッド4には、記録ヘッド20を備えたインク噴射ユニット10を収容したキャリッジ5が摺動可能に支持されている。このキャリッジ5は、パルスモーター6の駆動によって回転する駆動プーリー7と、この駆動プーリー7とはフレーム2における反対側に設けられた遊転プーリー8との間に架設されたタイミングベルト9に接続されている。そして、キャリッジ5は、パルスモーター6を駆動することで、ガイドロッド4に沿って紙送り方向と直交する主走査方向に往復移動するように構成されている。
【0017】
フレーム2の一側には、インクカートリッジ13(本発明における液体貯留部材の一種)を着脱可能に搭載するカートリッジホルダー14が設けられている。インクカートリッジ13は、エアチューブ15を介してエアポンプ16と接続されており、このエアポンプ16からの空気が各インクカートリッジ13内に供給される。そして、この加圧空気によってインクカートリッジ13内に配設されたインクパックが加圧されることにより、インクパック内のインクがインク供給チューブ17を通じてインク噴射ユニット10側に供給(圧送)されるように構成されている。
【0018】
インク供給チューブ17は、例えば、合成樹脂で作製された可撓性を有する中空部材であり、このインク供給チューブ17の内部には、各インクカートリッジ13に対応するインク流路が形成されている。また、プリンター1本体側とインク噴射ユニット10側との間には、プリンター1本体側の制御部(図示せず)からインク噴射ユニット10側に駆動信号等を伝送するFFC(フレキシブルフラットケーブル)18が配線されている。
【0019】
インク噴射ユニット10の移動範囲における一側(カートリッジホルダー14側)に設けられたホームポジションには、記録ヘッド20のノズル面を封止するキャップ部材11′を有するキャッピング機構11が配設されている。キャップ部材11′は、エラストマー等の弾性を有する材料により、上面が開口したトレイ状の部材である。そして、キャッピング機構11は、ホームポジションで待機状態にある記録ヘッド20のノズル面をキャップ部材11′により封止してノズル30からインクの溶媒が蒸発することを抑制する。また、キャッピング機構11は、記録ヘッド20のノズル面を封止した状態で封止空部内を図示しない吸引ポンプによって負圧化し、ノズル30からインクや気泡を強制的に吸引するクリーニングを行うことができる。
【0020】
次に、インク噴射ユニット10の構成について説明する。本実施形態におけるインク噴射ユニット10は、本発明における液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド20と、この記録ヘッド20の上流側に配置されたサブタンク21と、を備えている。インクカートリッジ13からエアポンプ16による加圧によりインク供給チューブ17から送られてくるインクは、まず、サブタンク21に導入される。サブタンク21に導入されたインクは、後述するフィルター66を通って、圧力調整部68において供給圧力が調整された後、加熱流路ユニット24内の通液路を通過して記録ヘッド20に供給される。
【0021】
図2及び図3は、本実施形態におけるインク噴射ユニット10の構成を説明する図であり、図2はインク噴射ユニット10の分解斜視図、図3はインク噴射ユニット10の斜視図である。また、図4は、記録ヘッド20の要部断面図である。
本実施形態におけるインク噴射ユニット10は、記録ヘッド20、サブタンク21、インナーケース22、アウターケース23、及び、加熱流路ユニット24を主な構成要素としている。
【0022】
上記記録ヘッド20は、複数の圧電振動子25を備えたアクチュエータユニット26、共通インク室27(リザーバー又はマニホールドとも言う)からインク供給口28及び圧力室29を通ってノズル30に至る一連のインク流路を形成する流路ユニット31、及び、ヘッドケース32などを備えて概略構成されている。
【0023】
ヘッドケース32は中空箱体状のケーシングであり、その内部には、サブタンク21および加熱流路ユニット24側からのインクを共通インク室27側に導入する流路であるケース流路33と、各アクチュエータユニット26を個別に収容する収容室34とが形成されている。このヘッドケース32は、熱硬化性樹脂の一種であるエポキシ樹脂によって成型されており、流路取付面(下面)に流路ユニット31が固定される。また、流路取付面とは反対側の基端面(上面)には、導入針ユニット36(図2参照)が取り付けられる。さらに本実施形態におけるヘッドケース32の外周面には、記録ヘッド20内のインクを保温する保温ヒーター35が貼設されている。この保温ヒーター35は、例えば、可撓性を有する帯状の絶縁体によってニクロム線などの電熱線を封止した所謂フィルムヒーターから構成される。そして、この保温ヒーター35は、後述するプリンターコントローラー60による制御の下、ケース流路33内を通過するインクの温度を所定の温度に維持するように構成されている。即ち、保温ヒーター35は、本発明における保温手段として機能する。
【0024】
上記のアクチュエータユニット26は、圧力発生手段としての圧電振動子25と、この圧電振動子25が接合される金属製の固定板38と、圧電振動子25に配線基板41からの駆動信号を印加するフレキシブルケーブル39等から構成される。各圧電振動子25は、自由端部が固定板38の先端面よりも外側に突出した所謂片持ち梁の状態で、ステンレス鋼などの金属製板材からなる固定板38上に取り付けられている。なお、圧力発生手段としては、上記圧電振動子以外にも、静電アクチュエーター、磁歪素子、発熱素子等を用いることができる。
【0025】
流路ユニット31は、振動板40、流路基板41、及びノズル基板42からなる流路ユニット構成部材を積層した状態で接合して一体化することにより作製されている。この流路ユニット31における圧力室29は、ノズル30の列設方向(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室として形成されている。また、共通インク室27は、サブタンク21側および加熱流路ユニット24を経由してきたインクが導入される室である。そして、この共通インク室27に導入されたインクは、インク供給口28を通じて各圧力室29に分配供給されるようになっている。
【0026】
流路ユニット31の底部に配置されるノズル基板42は、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル30が列状に開設された金属製の薄い板材である。本実施形態のノズル基板42は、ステンレス鋼の板材によって作製され、複数のノズル30を列設してなるノズル列(ノズル群の一種)が、インク噴射ユニット10の走査方向(主走査方向)に複数並べて設けられている。そして、1つのノズル列は、例えば180個のノズル30によって構成される。
【0027】
本実施形態における記録ヘッド20には、例えば熱電対或いはサーミスターから構成される温度センサー43(本発明における温度検出手段の一種)が設けられている。本実施形態においては、流路基板41のノズル基板42との接合面の一部を反対面側(振動板40との接合面側)に窪ませてセンサー収容部43′が形成され、当該センサー収容部43′内に温度センサー43が収容されている。当該センサー収容部43′内の温度センサー43は、センサー収容部43′の一部を区画するノズル基板42に熱伝導性接着剤等で接合されている。そして、温度センサー43からの検出信号は、プリンター1本体側のプリンターコントローラー60に出力されるように構成されている。なお、温度センサー43の配設位置は、本実施形態で例示した位置に限定されない。例えば、ノズル基板42の外表面に温度センサー43を配置する構成を採用することも可能である。
【0028】
ヘッドケース32の基端面(ノズル形成面とは反対側の面)には、図2に示すように、導入針ユニット36が配置される。この導入針ユニット36は、合成樹脂等によって成型されており、その上面にはフィルター(図示せず)を介在させた状態でインク導入針44が複数取り付けられている。また、導入針ユニット36の上面には、加熱流路ユニット24が着脱可能に装着されるようになっている。そして、加熱流路ユニット24を導入針ユニット36に装着すると、加熱流路ユニット24内にインク導入針44が挿入される。また、この導入針ユニット36の内部には、各インク導入針44に対応した集束流路(図示せず)が形成されている。この集束流路は、ヘッドケース32のケース流路33に連通し、インク導入針44から導入されたインクを、ケース流路33を通じて圧力室側に供給するようになっている。
【0029】
上記サブタンク21は、上面に形成された流路接続部46にプリンター本体側からのインク供給チューブ17が接続され、このインク供給チューブ17からのインクを受け、供給圧力を調整した上で圧力室側に導入する部材である。本実施形態においては、合計4つのサブタンク21が、インナーケース22内に収容されるようになっている。1つのサブタンク21内には2つの流路が形成されており、2種類のインクに対応できるようになっている。また、各サブタンク21の底部には挿入部45が設けられており、この挿入部45内には加熱流路ユニット24の接続針部24′が挿入されるようになっている。このサブタンク21の内部構成については、図6を用いて後述する。
【0030】
本実施形態における加熱流路ユニット24は、サブタンク21の各流路にそれぞれ対応した通液流路(図示せず)が内部に複数区画形成された中空箱体状の部材である。加熱流路ユニット24本体は、熱伝導率が高い材質(例えば、50W/mk以上の熱伝導率を有する材質)、本実施形態においては、銅、アルミニウム等の金属によって形成されている。そして、通液流路は、サブタンク21の流路と記録ヘッド20(ヘッドケース32)のケース流路33との間を連通する流路である。加熱流路ユニット24の上面(組み付け状態におけるサブタンク21側の面)には、サブタンク21の挿入部45に対応させて複数の接続針部24′が立設されている。また、加熱流路ユニット24の下面(組み付け状態における記録ヘッド20側の面)には、インク導入針44に対応させて複数の針挿入部(図示せず)が設けられている。さらに、加熱流路ユニット24本体の側面には、シート状の加熱ヒーター48が全周に渡って貼設されている。加熱ヒーター48は、例えば、可撓性を有する帯状の絶縁体によってニクロム線などの電熱線を封止した所謂フィルムヒーターである。この加熱ヒーター48には、リード線48′が設けられている。そして、加熱流路ユニット24は、プリンターコントローラー60による制御の下、リード線48′を通じて加熱ヒーター48の電熱線に通電することで加熱ヒーター48を発熱させ、この加熱ヒーター48の熱を加熱流路ユニット24の構造体を通じて通液流路内を通過するインクを加熱するように構成されている。即ち、加熱流路ユニット24は、本発明における加熱手段の一種として機能する。通液路を通過するインクは、後述する規定温度よりも高い温度(例えば、55℃)となるように加熱ヒーター48によって加熱される。
【0031】
このように構成された加熱流路ユニット24を記録ヘッド20の上面に装着すると、インク導入針44が針挿入部に挿入される。これにより、インク導入針44の先端部に開設された図示しない導入穴を通じて、通液流路とヘッド流路とが液密状態で連通する。また、加熱流路ユニット24の上面側には、サブタンク21が装着される。このとき、接続針部24′がサブタンク21の挿入部45内に挿入される。これにより、サブタンク21の内部の流路と通液流路とが液密状態で連通する。サブタンク21側からのインクは、通液流路を通過した後、インク導入針44の導入穴を介してインク噴射ユニット10のヘッド流路内に導入される。この加熱流路ユニット24を採用することで、光硬化型インク等の高粘度のインク(具体的には25℃において8mPa・s以上の粘度のインク)の噴射に対応することができる。即ち、サブタンク21から導入したインクを加熱流路ユニット24によって加熱することで当該インクの粘度を低下させてからノズル30から噴射するので、一般のインクと同様な噴射特性(噴射量、噴射速度等)を得られることができる。当然ながら、光硬化型インク以外の水系及び溶剤系インクにおける高粘度のインクにも適用可能である。
【0032】
上記インナーケース22は、上下面が開口したスリーブ状の部材であり、インク導入針44を囲繞する状態で記録ヘッド20の上面側に取り付けられる。インナーケース22の開口部の平面形状は略矩形に形成されており、その内部空間は、加熱流路ユニット24とサブタンク21を収容する収容空部47となっている。また、インナーケース22の外側面には、駆動基板37が取り付けられる。
【0033】
上記アウターケース23は、インナーケース22の上部開口を被覆可能なベース面49と、当該ベース面49におけるサブタンク列設方向に直交する方向の両辺縁部から下方(記録ヘッド20側)に延出した側壁部50とから形成された断面略門型の部材である。側壁部50は、インナーケース22の側面に固定された駆動基板37を被覆する基板被覆壁として機能する。ベース面49には、収容空部47に収容されたサブタンク21の流路接続部46に対応する部分に、当該流路接続部46を露出可能な開口部51が開設されている(図2)。また、ベース面49におけるサブタンク列設方向の両縁部には、スリット52が形成されている。そして、インナーケース22内に収容された加熱流路ユニット24のリード線48′がスリット52を通してヘッド外部に引き出されるようになっている(図3)。
【0034】
さらに、アウターケース23のベース面49には、サブタンク列設方向の両辺縁部から下方に向けて、インナーケース22の係止爪54が係止可能な被係止部55が形成されている。インナーケース22にアウターケース23を取り付けると、この被係止部55の貫通孔にインナーケース22の係止爪54が係止して、インナーケース22に対してアウターケース23が固定されるようになっている。
【0035】
そして、導入針ユニット36のインク導入針44を囲繞する状態でインナーケース22を記録ヘッド20に取り付け、インナーケース22の収容空部47内に加熱流路ユニット24と各サブタンク21を順次収容し、インナーケース22の側面に駆動基板37を固定する。さらに、各サブタンク21の流路接続部46を開口部51から露出させると共にスリット52からリード線48′を引き出した状態で、アウターケース23をインナーケース22の外側に取り付けて収容空部47の上部開口やインナーケース22の側面の駆動基板37をこのアウターケース23によって被覆する。なお、この被覆状態では、駆動基板37のコネクター56が露出し、このコネクター56にはプリンター本体側のFFC18が接続されるようになっている。
【0036】
図5は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。
外部装置としてのコンピューターCPは、プリンター1と通信可能に接続されている。プリンター1に画像を印刷させるため、コンピューターCPは、その画像に応じた印刷データをプリンター1に送信する。本実施形態におけるプリンター1は、駆動信号生成回路59、インク噴射ユニット10、及び、プリンターコントローラー60(本発明における制御手段の一種)を有する。上述したように、インク噴射ユニット10は、記録ヘッド20と、加熱ヒーター48と、保温ヒーター35と、温度センサー43と、を有している。駆動信号生成回路59は、プリンターコントローラー60から送られた駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの電圧信号を生成して増幅することで、駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、記録媒体に対する印刷処理(記録処理或いは噴射処理)時に記録ヘッド20の圧電振動子25に印加されるものであり、駆動信号COMの繰り返し周期である単位期間内に噴射駆動パルスを少なくとも1つ以上含む一連の信号である。ここで、噴射駆動パルスとは、記録ヘッド20から液滴状のインクを噴射させるために、圧電振動子25に所定の動作を行わせるものである。
【0037】
プリンターコントローラー60は、プリンターの制御を行うための制御ユニットである。プリンターコントローラー60は、インターフェース部(I/F)62と、CPU61と、メモリー63とを有する。インターフェース部62は、外部装置であるコンピューターCPとプリンター1との間で、コンピューターCPからプリンター1へ印刷データや印刷命令を送ったり、コンピューターCPがプリンター1の状態情報を受け取る等プリンターの状態データの送受信を行ったりする。CPU61は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー63は、CPU61のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU61は、メモリー63に格納されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。このように構成されたプリンターコントローラー60は、本発明における制御手段として機能し、インク噴射ユニット10の温度センサー43による検出温度に基づいて、加熱ヒーター48や保温ヒーター35の温度を制御して、記録ヘッド20内のインクの温度を、噴射に適した値(規定温度。例えば、50℃)に維持する。
【0038】
次に、サブタンク21の構成について説明する。
図6は、インクカートリッジ13からサブタンク21および加熱流路ユニット24を通って記録ヘッド20に至るまでの構成について説明する模式図であり、主にサブタンク21の内部構成について示している。本実施形態におけるサブタンク21は、合成樹脂等から作製された本体部65内に、フィルター66が配設されたフィルター室67と、圧力調整弁69(本発明における開閉弁の一種)を有する圧力調整部68と、を備えて概略構成されている。
【0039】
インクカートリッジ13からインク供給チューブ17を通じて圧送されてくるインクは、流路接続部46からサブタンク21内に導入されて、まず、フィルター室67に流入する。このフィルター室67と調整弁収容室70との境界部分にフィルター66が配設されている。このフィルター66は、インクカートリッジ13側からのインクを濾過する部材であり、例えば、金属をメッシュ状に細かく編み込んで形成されている。
【0040】
圧力調整部68は、圧力調整弁69が配設された調整弁収容室70と、当該調整弁収容室70に連通する圧力調整室72と、圧力調整室72の一側の開口部を封止する状態で配設された受圧部材71と、を備えて概略構成されている。圧力調整室72は、本体部65の一方の側面(図6における右側の側面)から他方の側面(同図における左側の側面)側に向けて窪んだ状態に形成された空部である。この圧力調整室72の縦方向(本体部65の高さ方向)における略中央部の窪み底部(調整弁収容室70との仕切壁)には流入口73が開設されており、当該流入口73は調整弁収容室70と連通している。また、圧力調整室72において、流入口73よりも下流側の底部には導出口74が開設されている。
【0041】
受圧部材71は、圧力調整室72の内圧が所定の圧力より低くなると、圧力調整室72の内側(本体部65の他方の側面側)へ弾性変形する可撓性のフィルム部材75と、このフィルム部材75の内側(圧力調整室側)に添設された作動片76とにより構成されている。フィルム部材75は、例えば、可撓性を有する薄手の樹脂製のフィルムから成る。このフィルム部材75は、圧力調整室72となる窪みの開口部(即ち、圧力調整室72の一側の開口面)を密封するように本体部65の一方の側面に接着又は溶着されている。したがってフィルム部材75は圧力調整室72の一部を区画している。作動片76は、圧力調整室72内にあって一端部76a側を本体部65に支持された所謂片持ち梁状態に設けられており、当該一端部76aを支点として、フィルム部材75の変形に伴って回動可能に構成されている。
【0042】
フィルム部材75の外表面には、スイッチ77が設けられている。このスイッチ77は、フィルム部材75(受圧部材71)の変位に連動してプリンターコントローラー60との間で形成される回路の開閉を行う。具体的には、フィルム部材75が、圧力調整室72の開口面の近傍に位置する定常状態(即ち、圧力調整弁69の閉弁状態)ではスイッチ77が開く(オフ)一方、フィルム部材75が圧力調整室72の内側へ変形した状態(即ち、圧力調整弁69の開弁状態)ではスイッチ77が閉じる(オン)ように構成されている。即ち、このスイッチ77は、圧力調整弁69の開弁または閉弁を検出する検出手段として機能する。したがって、プリンターコントローラー60は、スイッチ77の開閉に基づいて圧力調整弁69の閉弁状態又は開弁状態を把握することができる。そして、プリンターコントローラー60は、圧力調整弁69の開閉に応じて、加熱流路ユニット24の加熱ヒーター48のオン・オフを制御する。具体的には、圧力調整弁69が開弁されたときに加熱ヒーター48をオンにしてインクの加熱を開始させる一方、圧力調整弁69が閉弁されたときに加熱ヒーター48をオフにしてインクの加熱を停止させる。
【0043】
圧力調整弁69は、圧力調整室72へのインクの導入を許容する開弁状態と、圧力調整室72へのインクの導入を遮断する閉弁状態とに変換可能に構成されており、異形コイルバネから成る付勢部材78によって閉弁位置側へ付勢された状態で、流入口73の上流側に形成された調整弁収容室70内に配設されている。圧力調整弁69は、円柱状の軸部79と、この軸部79の途中から側方に延出した略円盤状の鍔部80とにより構成されている。軸部79の先端部(鍔部80よりも先端側)は、その外径が流入口73の内径よりも小さくなるように形成され、流入口73を通じて圧力調整室72内に挿入されている。そして、この軸部79と流入口73の内周面との間の隙間を介して、フィルター室67側からのインクが圧力調整室72内に導入されるようになっている。なお、図示しないが、鍔部80の流入口73側の面には、ゴムやエラストマー等の弾性部材からなるパッキンが取り付けられている。
【0044】
付勢部材78は、圧力調整弁69の鍔部80に当接して圧力調整弁69全体を圧力調整室72側に付勢し、圧力調整室72が所定圧力に減圧されるまで閉成状態を保持するようになっている。即ち、圧力調整弁69は、付勢部材78の弾性力に抗する応力を受けない限り、鍔部80が流入口73の開口周縁部に密着する閉弁位置に保持される。そして、この閉弁位置では、圧力調整弁69は、調整弁収容室70側から圧力調整室72側へのインクの流入を遮断する。
【0045】
圧力調整弁69によって圧力調整室72へのインクの流入が遮断されると、圧力調整室72の内圧が、記録ヘッド20によるインクの消費に伴って次第に低下する。圧力調整室72内が所定圧力まで減圧されると、受圧部材71のフィルム部材75が圧力調整室72の内側へ弾性変形し、作動片76を底部側(圧力調整弁69側)へ押圧する。これにより、作動片76は、フィルム部材75が弾性変形する際の押圧力を受けて、閉弁位置にある圧力調整弁69の軸部79の先端部を押圧し、付勢部材78の弾性力に抗しながら圧力調整弁69を開方向に移動させる。これにより、鍔部80が流入口73の開口周縁部から離間して密着状態が解除された位置(開弁位置)まで圧力調整弁69が変位する。また、受圧部材71の変形に伴い、スイッチ77が閉じられ、圧力調整弁69の開弁状態が検出される。開弁状態が検出されると、プリンターコントローラー60は加熱ヒーター48をオンにする。これにより、加熱流路ユニット24を通過するインクの加熱が開始される。
【0046】
上記の開弁状態では、調整弁収容室70側から流入口73を通じて圧力調整室72内へのインクの流入が許容される。圧力調整室72に流入したインクは、導出口74を通じて加熱流路ユニット24の通液流路に流入する。通液流路を流れるインクは、加熱ヒーター48によって加熱された後、記録ヘッド20のインク流路に供給される。開弁後、圧力調整室72内にインクが流入すると、これに伴って圧力調整室72の内圧が次第に上昇する。圧力調整室72の内圧の上昇により、受圧部材71が、圧力調整室72の底部側(圧力調整弁69側)から開口面側に向かって次第に変位する。最終的には、圧力調整弁69が付勢部材78からの付勢力によって閉弁位置まで変位し、これにより鍔部80が流入口73の開口周縁部に密着して流入口73を閉塞し、圧力調整室72へのインクの流入を遮断する。これに伴い、スイッチ77が開かれ、圧力調整弁69の閉弁状態が検出される。閉弁状態が検出されると、プリンターコントローラー60は加熱ヒーター48をオフにする。これにより、加熱流路ユニット24を通過するインクの加熱が停止される。
【0047】
以上のように、本発明に係るプリンター1では、圧力調整弁69が開弁されたときに加熱ヒーター48がオンにされてインクの加熱が開始される一方、圧力調整弁69が閉弁されたときに加熱ヒーター48がオフにされてインクの加熱が停止されるので、記録ヘッド20のインク流路を流れるインクの流速の高低(即ち、インクの消費量の多少)に拘わらず、当該インク流路内のインクの温度を可及的に一定に保つことが可能となる。即ち、記録ヘッド20によるインクの消費量が相対的に多く、インク流路を流れるインクの流速が比較的速い場合、圧力調整弁69が開弁され、これに伴って加熱ヒーター48による加熱が開始されるので、インクの温度の低下が防止される。一方、記録ヘッド20によるインクの消費量が相対的に少なく、インク流路を流れるインクの流速が比較的低い場合、圧力調整弁69が閉弁され、これに伴って加熱ヒーター48による加熱が停止されるので、インクの過加熱が防止される。したがって、記録ヘッド20内のインクの温度が一定に維持される。その結果、インクの粘度がノズル30からの噴射に適した値に維持されるので、ノズル30から噴射されるインクの量や飛翔速度などの噴射特性の安定化が図れる。また、加熱ヒーター48のオン・オフの切り替えを、圧力調整弁69の開閉に連動させることで、複雑な制御を要しない。さらに、加熱ヒーター48のオン・オフの切り替えを圧力調整弁69の開閉に連動させることで、圧力調整弁69の開閉状態をスイッチ77によって検出することができるので、圧力調整弁69の動作の不具合を監視することができる。そして、本実施形態におけるプリンター1は、加熱ヒーター48に加えて保温ヒーター35を備え、温度センサー43による検出温度が規定の温度となるようにこれらのヒーター35が制御されるので、より効率良く且つより精度の高い温度制御が可能となる。
【0048】
ここで、本実施形態におけるプリンターコントローラー60は、記録ヘッド20の温度センサー43による検出温度が規定の温度に満たない場合、検出温度が規定の温度に至るまで、スイッチ77による圧力調整弁69の開閉状態の検出に拘わらず、加熱ヒーター48を加熱状態に維持するように構成されている。これにより、プリンター1の電源が投入された直後などインクの温度が低い場合に、インクの温度を速やかに規定の温度に調整することが可能となる。
【0049】
なお、上記スイッチ77に関し、上記実施形態で例示したものには限られず、圧力調整弁69の開閉が検出できるものであれば、周知の種々の検出手段を採用することができる。例えば、静電容量式のスイッチを検出手段として採用することができる。また、耐液性(耐インク性)を有する検出手段であれば、圧力調整室72内に配設する構成を採用することも可能である。
【0050】
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、液体流路を開閉する開閉弁および液体流路を通過する液体を加熱する加熱手段を備えた他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro
Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…プリンター,10…インク噴射ユニット,13…インクカートリッジ,15…エアチューブ,16…エアポンプ,17…インク供給チューブ,20…記録ヘッド,21…サブタンク,24…加熱流路ユニット,30…ノズル,35…保温ヒーター,43…温度センサー,48…加熱ヒーター,60…プリンターコントローラー,68…圧力調整部,69…圧力調整弁,71…受圧部材,75…フィルム部材,76…作動片,77…スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するノズルを有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドに供給する液体を貯留した液体貯留部材と、
該液体貯留部材と前記液体噴射ヘッドとの間に配設され、前記液体噴射ヘッドへの液体の供給状態又は非供給状態に切り替えることが可能な開閉弁と、
該開閉弁側から前記液体噴射ヘッド側に供給される液体を加熱する加熱手段と、
前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記開閉弁の開弁または閉弁を検出する検出手段と、を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により前記開閉弁の開弁が検出された場合に前記加熱手段による加熱を開始させる一方、前記検出手段により前記開閉弁の閉弁が検出された場合、前記加熱手段による加熱を停止させることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記液体噴射ヘッドは、当該液体噴射ヘッド内の液体の温度を検出する温度検出手段を有し、
前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が規定の温度に満たない場合、検出温度が規定の温度に至るまで、前記検出手段による前記開閉弁の検出状態に拘わらず、前記加熱手段を加熱状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記液体噴射ヘッドは、当該液体噴射ヘッド内部の液体の温度を保温する保温手段を有し、
前記制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が規定の温度となるように、前記保温手段を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−106395(P2012−106395A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256550(P2010−256550)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】