説明

液体噴射装置

【課題】液体噴射装置の旋回傾斜角度の調整が容易な機構の提供。
【解決手段】オイルタンクの内部に堆積したスラッジに共油等の洗浄液体をノズルから噴射して洗浄させる液体噴射装置であって、回転軸により液体供給筒の先端回転筒部を軸周りに回転させ、回転筒部先端で噴射ノズル筒を傾斜端部を回転面とし,旋回するようにしてなる液体噴射装置において、前記回転軸を回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなり二重に構成して、回転軸筒52を介して回転筒部52を回転させる一方、回転軸芯51を介して噴射ノズル筒を旋回させ、回転軸筒52と回転軸芯51の回転をそれぞれ受ける太陽歯車を備える第1遊星歯車機構81と第2遊星歯車機構82とからなるインジケータ機構を設け、インジケータ機構に軸線に対する噴射ノズル筒の傾斜角度を表示させ、スイッチ機構により液体噴射ノズルの振り角度の設定を容易に行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な液体噴射装置に関し、例えばオイルタンクの内部に堆積したスラッジに洗浄液等の液体を噴射して流動化させる液体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりオイルタンクの内部の洗浄に用いられる液体噴射装置としては数多くの提案がなされている。例えば実公平4−33275号公報、実公昭58−9674号公報、実公昭59−36281号公報、実開平4−110158号公報、特開昭56−15855号公報、実公昭58−23435号公報など多くの提案は、洗浄液を高圧で供給し、その供給圧力でタービンを回転させて洗浄液を噴射するノズル部分を回転させたり旋回させたりするものである。しかしながら、洗浄液の供給圧力を用いる方法は、タービンを抵抗とするものであるから洗浄液の噴射圧力は当然低下することとなる。そのため、オイルタンク内部で固化したスラッジが十分に粉砕されない場合もあった。また、特に洗浄液としてオイルを使用する場合には、タービンやその他の機械的構成中にオイルが侵入することを避けられないので、この機械的構成の駆動により生ずる摩擦熱や火花がオイルに引火する虞もあった。そこで、第1の回転伝達機構により噴射筒部を振り回動させながら、第2の回転伝達機構により回転筒部及び噴射筒部を回転させ、殆ど全方向に液体を噴射させることができ、さらに液体の送出圧力を利用することなく、火災等の虞がなく、液体の噴出圧力が高く、例えばオイルタンクにおけるスラッジの破砕効果、流動化効果が極めて大きいものが提供された(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−285449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、第1操作ロッド及び第2操作ロッドを用い、回転するオイル供給筒の回転筒部の先端で噴射筒部の振り回動の振り幅を設定し、それを検出する機構は複雑で、しかも、振り幅の位置変更機構を設ける場合、噴射筒部の振り回動の開始位置を変更することが難しいという難点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、液体供給筒の先端を軸の回りに回転させつつその先端に取り付けられた噴射ノズル筒を旋回させる液体噴射装置において、回転軸を軸芯とそれを内包する軸筒の二重回転軸とし、それぞれの伝達手段の回転を受けて液体供給筒を回転させる一方、第1及び第2伝達手段の伝達する回転差(回転伝達比)に基づいて噴出ノズル筒の振り回動を行わせると、第1及び第2伝達手段の伝達する回転差(回転伝達比)に基づいて噴出ノズルの振り角度の表示が簡単にできることに着目してなされたもので、
オイルタンクの内部に堆積したスラッジに共油等の洗浄液体をオイルタンク内を垂下する液体供給筒の先端に位置するノズルから噴射して洗浄させる液体噴射装置であって、駆動源Mを備える駆動機構と、回転数の異なる回転力を伝達する手段と、先端部に回転筒部を備える液体供給筒と、該供給管内を軸方向に垂下し、前記駆動機構の駆動力を受けて回転する回転軸とを備える回転伝達機構とを備え、前記回転筒部の下端に形成した傾斜状端面部に回転可能に接続する傾斜端部を一端に有し、他端に液体噴射口を設けた噴射ノズル筒を備え、前記回転軸により前記回転筒部を軸周りに回転させる一方、前記噴射ノズル筒を傾斜端部を回転面とし,前記回転筒部先端で旋回するようにしてなる液体噴射装置において、
前記回転軸50が回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなり、伝達手段が回転軸筒52を介して回転筒部62を回転させるとともに、回転軸芯51を介して噴射ノズル筒70を旋回させる一方、前記噴射ノズル筒の垂直軸に対する傾斜角度を表示するインジケータ機構80を備え、該インジケータ機構80を前記回転軸筒52と回転軸芯51の回転をそれぞれ受けて回転する太陽歯車を備える第1遊星歯車機構81と第2遊星歯車機構82と、該第1及び第2遊星歯車機構81、82の共通の環状内歯車83とで形成し、該インジケータ機構80を前記噴射ノズル筒の旋回に同期して旋回させ、軸線に対する噴射ノズル筒70の傾斜角度を表示させることを特徴とする液体噴射装置にある。
【0006】
また、前記回転軸50が回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなり、伝達手段が回転軸筒52を介して回転筒部62を回転させるとともに、回転軸芯51を介して噴射ノズル筒70を旋回させる装置においては、回転軸筒と回転軸芯との相対回転差に基づいて軸線に対する噴射ノズル筒70の傾斜角度(振り回動角度)が設定されるので、第2の発明は回転軸筒と回転軸芯との相対回転差をクラッチ手段でプラス又はマイナスに切り替えてプラスの相対回転差でノズル振り回動を上昇方向に、マイナスの相対回転差でノズル振り回動を下降方向に切り替えることができる液体噴射装置を提供するものである。
【0007】
さらに、前記回転軸50が回転軸芯51とそれを内包する回転軸筒52とからなり、伝達手段が回転軸筒52を介して回転筒部62を回転させるとともに、回転軸芯51を介して噴射ノズル筒70を旋回させる装置において、第3の発明は回転軸筒と回転軸芯とをそれぞれ別個の駆動モータで回転駆動し、その相対回転差を大きく取り、回転軸筒の所定の旋回角度変化の間にノズルの上下の振り回動を頻繁に行わせ、洗浄軌跡が菊花弁型を取ることができる液体噴射装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明によれば、二重回転軸50を用いて回転筒部を回転させながら別途噴射ノズル70を旋回させるので、回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転差で噴射ノズルの旋回角度を設定し、そのまま、一対の遊星歯車機構81、82を用いて外部インジケータ機構80に表示することができる。したがって、前記インジケータ機構80の所望旋回角度位置に設定可能なスイッチ操作手段を設けると、該スイッチ操作手段によりスイッチ機構90を作動させることにより、スイッチ操作手段の設置位置で噴射ノズル振り回動角度を容易に設定可能である。
【0009】
第2の発明によれば、駆動モータの一方向回転であっても回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転差をプラス又はマイナスに切り替えてノズルの振り回動方向を上昇方向から下降方向に切り替えることができるので、駆動機構の故障を減少させることができる。
【0010】
第3の発明によれば、回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転差を大きくして回転筒部の所定角度の旋回の間にノズルの上下に振り回動を何度も行わせることができるので、通常の渦巻型洗浄(図26B)に対し菊花弁型洗浄(図26A)を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】液体噴射装置の第1実施例の全体図である。
【図2】第1実施例の回転伝達機構の全体を示す主要部断面図である。
【図3】過大荷重時に駆動を遮断する安全装置を備える駆動機構の詳細を示す一部断面図である。
【図4】第1実施例の回転軸の回転軸芯と回転軸筒に与える回転数を2段階に切り換えるクラッチ機構を示す断面正面図で、(A)は第1段目の連結を示し、(B)は第1実施例の回転軸の回転軸芯と回転軸筒に与える回転数を2段階に切り換えるクラッチ機構を示す断面正面図で、第2段目の連結を示す。
【図5】上部にインジケータ機構を備える回転伝達機構の全体を示す一部断面正面図である。
【図6】回転軸と回転筒及び回転筒の先端で旋回する噴射ノズル筒との連結関係を示す断面図である。
【図7】回転筒の先端で旋回する噴射ノズル筒との連結関係を示す要部端面図である。
【図8】噴射ノズル筒の内部構成を示す図で、(A)はノズル外筒の断面図、(B)、(C)はノズル外筒内に装着される整流器の側面図及び正面図である。
【図9】噴射ノズル筒の形成する噴射流の形成される形態を例示する説明図である。
【図10】インジケータ機構の組み立て分解斜視図である。
【図11】インジケータの機能と噴射ノズル筒の旋回角度の関係を示す説明図で、(A)は上段遊星歯車機構の平面図、(B)は下段遊星歯車機構の平面図である。
【図12】(A)は噴射ノズル筒の旋回角度(実線0度、破線135度)の説明図で、(B)はインジケータ機構の旋回角度を設定するインジケータ板とスイッチ機構との関係を示す平面図である。
【図13】第2実施例の液体噴射装置の全体図である。
【図14】安全装置を備える駆動機構を示す一部断面図である。
【図15】図14の安全装置の詳細を示す断面図である。
【図16】駆動機構から回転軸への回転伝達機構の全体を示す主要部断面図である。
【図17】回転軸筒に対する回転軸芯(ノズル回転)に与える回転数を2段階に切り換えるクラッチ機構の要部を示す断面図で、(A)は第1段目のノズルの角度上昇を行わせるプラスの相対回転差を与える連結を示し、(C)は第2段目のノズルの角度下降を行わせるマイナスの相対回転差を与える連結を示し、(B)はニュートラルの状態を示し、ノズル角度を液体供給筒の垂直軸線に対し平行な角度0とし、液体供給筒をタンクから取り出し、可能とする状態を示す。
【図18】インジケータ機構に回転軸筒と回転軸芯の双方の回転を伝達する機構を示す一部断面正面図である。
【図19】インジケータの機能と噴射ノズル筒の傾斜角度(振れ角度)の関係を示す説明図で、(A)は上段遊星歯車機構の平面図、(B)は下段遊星歯車機構の平面図、(C)は相対回転差による噴射ノズルの進みまたは遅れを示す説明図である。
【図20】噴射ノズル筒の振り回動角度(実線0度、破線135度)の説明図で、(A)はインジケータ機構の振れ角度を設定するインジケータ板とスイッチ機構との関係を示す平面図で、(B-1)は70度−110度間の振り回動の角度設定のスイッチ位置を、(B-2)は60度−130度間の振れ回動の角度設定のスイッチ位置を示す。
【図21】二駆動モータを備える液体噴射装置の第3の実施例の全体図である。
【図22】安全装置を備える駆動機構を示す一部断面図である。
【図23】第1駆動モータから本体クラッチ軸を介して回転軸筒へ駆動力を伝達する第1伝達機構及び第2駆動モータからノズルクラッチ軸を介して回転軸芯へ駆動力を伝達する第2伝達手段を含む駆動機構の要部を示す断面図で、回転軸筒の旋回角度を表示する第1インジケータ機構と噴射ノズルの振り傾斜角度を表示する第2インジケータ機構を備える。
【図24】インジケータと噴射ノズル筒の傾斜角度(振れ角度)の関係を示す説明図で(A)は上段遊星歯車機構の平面図、(B)は下段遊星歯車機構の平面図である。
【図25】噴射ノズル筒の振り回動角度を示す(実線0度、破線135度)説明図(A)とインジケータ機構の振れ角度を設定するインジケータとスイッチ機構との関係を示す平面図(B)、液体供給筒の旋回角度とスイッチ機構の関係を示す平面図(C)である。
【図26】本発明での菊花弁型洗浄軌跡(A)と従来の渦巻型洗浄軌跡(B)を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、オイルタンクの洗浄装置として、本発明の液体噴射装置の第1実施例を用いたものを添付図面に示す実施例に基づいて説明する。

【実施例1】
【0013】
本発明の液体噴射装置は概略すると、図1に示すように、駆動機構10と、クラッチ機構40と、回転軸50と、液体供給管60と、その先端に設けられる噴射ノズル筒70と、インジケータ機構80とからなる。
詳しくは、駆動機構10と、第1及び第2伝達手段20、30と、クラッチ機構40と、回転軸50とは図2に示す駆動伝達機構100を構成する。前記駆動機構10はエアモータ1からなる駆動源Mからの駆動力をオリエンタルギアボックス2を介して駆動軸3に伝達し、駆動軸3の回転はシャーピン機構11を介して駆動ギア12,13に伝える。駆動機構10は第1の異なる回転数を伝達する第1の伝達手段20及び第2の異なる回転数を伝達する第2の伝達手段30と、第1と第2の伝達手段を切り替えるクラッチ機構40を介して接続され、異なる回転数を二重回転軸50に伝達する。前記駆動伝達機構100の下面には、回転筒部62を固定筒61の先端で回転させる液体供給筒60が垂下するとともに、その内部を回転軸50が垂下する。前記該液体供給筒60の先端には回転軸50の回転をべベルギア機構で受けて旋回する噴射ノズル筒70が設けられる一方、上記駆動伝達機構100の上部には噴射ノズル筒70の旋回角度を表示するインジケータ機構80が設けられる。
【0014】
上記駆動機構10は、エアモータ1からなる駆動源Mの回転をオリエンタルギアボックス2を介して駆動軸3に伝達するが、この駆動力をシャーピン機構11を介して連結された小駆動ギア12と大駆動ギア13とで伝達する。シャーピン機構11はシャーピン用ボス11aとシャーピン11bとからなり、ベアリング14を介して取り替えキャップ15上に設置され、破損時には容易に取り替え可能となっている。上記シャーピン機構11は前記駆動伝達機構に大きな荷重がかかると、破断し、小駆動ギア12と大駆動ギア13との連結を解くようになっており、オイルタンク内の液体供給筒60内に蓄積するスラッジの影響を受けて回転筒62の回転や噴射ノズル筒70の旋回に異常が起こった時に過大荷重が駆動機構10にかかるのでこの駆動伝達を停止するようになった安全装置を形成している。
【0015】
次いで、本発明においては、第1の異なる回転数を伝達する第1の伝達手段20と、第2の異なる回転数を伝達する第2の伝達手段30と、第1と第2の伝達手段を切り替えるクラッチ軸を有するクラッチ機構40とからなり、異なる回転数を二重回転軸50に伝達する駆動伝達機構100を備えている。詳しくは、クラッチ機構40は、上記駆動軸3の外周に軸着された小駆動ギア12と噛合する大駆動ギア13を軸着してなるクラッチ軸41を回転可能に設けるとともに、軸方向にスライド可能に設ける。他方、このクラッチ軸41に歯数が僅かに異なる第1の伝達歯車列20の中間ギアと組み合わせ、第2の伝達歯車列30の中間ギア31を軸着して前記中間ギア21と組み合わせ、2段切り替え機構を構成する。なお、25は小ギア配列駆動を前記インジケータ機構80に伝達する中間ギアであり、伝導ギア26を介して回転軸芯52と接続している。
【0016】
そして、クラッチ軸41は図4に示すように、シャフト42と、これを摺動可能で、上下にスプライン部43aを有するスプライン筒43とからなり、該スプライン筒43を上方付勢手段44で上方に付勢する一方、下方付勢手段45で下方に付勢するとともに、上端にクラッチ切替ボルト46を備える。
【0017】
上記スプライン筒43aは第1段目の解放状態(A)では上記第1の伝達歯車列20を介して駆動機構10と回転軸50に接続する一方、下方に抑え込み、ボルト止めした第2段目(B)では、上記第2の伝達歯車列30を介して駆動機構10と回転軸50に接続するようになっている。
詳しくは、第1の伝達手段20の中間ギア21及び22はそれぞれ前記二重回転軸50の回転軸芯51及び回転軸筒52に接続する伝導ギア23,24と噛み合う。他方、第2の伝達手段30の組み合わせ中間ギア21及び31はそれぞれ前記二重回転軸50の回転軸芯51及び回転軸筒52に接続する伝導ギア23,32と噛み合う。
【0018】
具体的には第1の伝達手段20では歯数n1(17)、歯数n2(19)の中間ギア21と22が組み合わされ、前者は二重回転軸の回転軸筒52に接続する小歯数N1(63)伝導ギア23と噛み合い、中間ギア22は回転軸芯51に接続する大歯数N2(71)伝導ギア24と噛みあい、回転筒52をN1/n1で回転させる一方、噴射ノズル筒70をN2/n2で回転させる。
【0019】
他方、第2の伝達手段30は小歯数n1の中間ギア21を兼用し、大歯数n3(18)の中間ギア31と組み合わされ、前者は二重回転軸の回転軸筒52に接続する小歯数N1の回転ギア23と、後者は回転軸芯51に接続する大歯数N3(72)の回転ギア33と噛みあい、二重回転軸50の回転軸芯51をN3/n3(72/18)の回転数で回転させる一方、回転軸筒52をN1/n1(63/17)の回転数で回転させるように構成されている。
【0020】
したがって、第1の伝達手段列20では回転筒部に接続する回転軸筒52はN1/n1で回転する間に噴射ノズル筒60に接続する回転軸芯51はN2/n2で回転し、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されて噴射ノズル筒60をN2/n2/nの旋回速度で旋回させる。他方、第2の伝達手段列30では回転筒部に接続する回転軸筒52はN1/n1(63/17)の回転数で回転する間に噴射ノズル筒に接続する回転軸芯51はN3/n3(72/18)の回転数で回転し、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されて噴射ノズル筒60をN3/n3/nの旋回速度で旋回させる。
【0021】
そのため、N3>N2の時では旋回速度はN3/n3/n(72/18/n)<N2/n2/n(71/19/n)に減少することになり、回転筒部の1回転当りの旋回傾斜角度を調整する構成となっている。垂直軸に対する傾斜角度の調整はノズルから噴射されるオイルのオイルタンク内壁との衝突間隔を調整するもので、クラッチ機構40を介することにより回転筒部に対する噴射ノズル筒の傾斜角度を調整することができ、洗浄間隔を調整して、細かく洗浄したり、間隔を大きくして粗く洗浄することができる。
【0022】
前記二重回転軸50は上部で軸受機構55で駆動機構100の下部に支持され、前記第1及び第2伝達手段の大ギア配列と接続する回転軸芯51と、前記第1及び第2伝達手段の小ギア配列と接続する回転軸筒52とからなる。該回転軸筒52は図6に示すように、オイルを供給する供給路を形成する放射状羽根53を備えて外部回転筒部62と接続する一方、上記回転筒部62の下端の傾斜状端面部62aには、噴射ノズル筒70の傾斜端部71が当接し、該傾斜端部71周縁に一体的に形成された大べベルギア72と前記回転軸芯51の先端に回動可能に取り付けられた小べベルギア54とを噛み合わせ(図7)、この回転に伴って回転軸芯51の回転をギア比でn分の1に減速して噴射ノズル筒70に伝達し、傾斜端部71を回転面として旋回するように構成されている。
【0023】
前記噴射ノズル筒70は図7及び図8に示すように、円筒外ノズル72と、該ノズル内で噴射方向に矢羽根状に延びる複数の整流羽根73aを等間隔で放射状に形成してなる整流部73と、その噴射方向前方の噴射口に位置する逆円錐台形の内ノズル74からなり、噴射口75には円環状の空隙を形成し、整流部73で整流された洗浄液体を内ノズル74と外ノズル72とがなす環状噴射口75から噴射して芯部に形成される真空部Vの周りに環状の洗浄液体層Lを形成するように形成されている。したがって、環状の洗浄液体層Lは逆円錐台形の内ノズル74を通して環状噴射口75から拡大するように噴射されるが、同時に芯部に真空部Vが形成される結果、その影響を受けて前方で集束する(図9参照)。したがって、洗浄液体は拡散せず、前方で集束するように噴射可能であるから、大きな洗浄力が得られる集束ノズルを形成するようになっている。
【0024】
また、回転伝達機構100の上部には図10に示す、上記噴射ノズル筒70の旋回角度を表示するインジケータ機構80を備える。該インジケータ機構80は一対の第1及び第2遊星歯車機構81、82からなり、基台87上に配置される一方、上面に噴射ノズル筒70の旋回と同期して旋回し、液体供給筒60の軸線に対する傾斜角度を表示するインジケータ表示板84を備える。
【0025】
詳しくは、遊星歯車機構81は前記回転軸芯51と連結して回転する第1の太陽歯車81aと、これを受けて回転する一対の第1の遊星歯車81b,81bとを有し、この遊星歯車を固定させて共通内歯車53に伝達する一方、他方の遊星歯車機構82が前記回転軸筒32と連結して第2の太陽歯車82aを回転させるとともに、該太陽歯車82aと前記共通内歯車83とで一対の第2の遊星歯車82b,82bを回転させる(図10)。第1と第2の遊星歯車のギア比を同一とし、第1の遊星歯車機構の遊星歯車を固定しておくと、第2の遊星歯車機構の遊星歯車82b,82bが回転軸芯と回転軸筒の回転差(歯数差)に基づいて旋回する噴射ノズル筒の旋回と同期することになり、噴射ノズル筒の旋回角度を示すことになる(図11)。なお、クラッチ機構40で二段階に回転比を切り替えて噴射ノズル筒70の旋回間隔を調整するために、上記第1の伝達手段20の小ギア配列の回転を回転軸筒52の上方に伝達するため、第1の小ギア配列21及び23と同様のギア配列25と26が別途設けられている(図2参照)。
【0026】
前記インジケータ機構80のノズル70の旋回と同期して旋回する表示板84は半旋回で0度から135度までの傾斜角度を変更するため、それにあった傾斜角度位置を示す目盛85が表示板周囲に刻まれている。図12に示すように、所望旋回角度位置にスイッチ操作手段である突起84を設ける。一方、スイッチ機構90のエアスイッチ91を所定の位置に配置すると、所望位置で正転逆転の毎に、回転スイッチ91に接触し、この回転スイッチ91は左右のいずれかのエアスイッチ92a,92bをONOFFさせ、伝達手段93a,93bを介して駆動源Mのエアモータ1を正転または逆転させ、噴射ノズル旋回角度範囲を調整可能である。
【0027】
このような構成を有する本発明の液体噴射装置は、回転伝達手段の回転を二重回転軸の一方を介して液体供給筒の先端回転筒部を軸周りに回転させるとともに、他方を介して噴射ノズル筒部を振り回動させる一方、両者の回転を一対の遊星歯車機構を介して受け、インジケータ機構に傾斜角を変えながら旋回する噴射ノズル筒の垂直軸に対する傾斜角度を表示させることができるので、インジケータ機構の示す傾斜角度に基づいて噴射ノズル筒の旋回傾斜角度を容易に設定することができる。このように、噴射方向を適宜に設定することができ、例えばオイルタンク内のスラッジの堆積状況等に応じて適宜に噴射方向を設定することができる。

【実施例2】
【0028】
上記第1実施例では、この種噴射ノズルは液体供給筒の軸線と一直線をなす0度から液体供給筒の傾斜面と平行をなす135度の位置まで傾斜角度を変えるだけでなく、しかも往復動を行う、いわば上下に振り回動を行う機能を有する必要があるため、駆動モータの正転によって噴射ノズルを上昇させ、そして駆動モータを逆転させることにより噴射ノズルを下降させるのが通常であるが、駆動モータの正転逆転に伴う駆動機構の切り替えは時として機械寿命を低下させる。そこで、駆動モータを一方向に回転させつつ噴射ノズルの傾斜角度を上昇させ、反転して下降させることが要望される。
【0029】
第2実施例では、上記液体供給筒の先端回転筒に対する噴射ノズル(回転軸芯)の相対回転差で液体供給筒の垂直軸線に対し噴射ノズルの振り回動を行わせる液体噴射装置においては、液体供給筒の先端回転筒を回転させる第1伝達手段に対し、噴射ノズルを回転させる第2伝達手段の相対回転差(相対回転角度差)をプラスとマイナスに切り替えると、第1及び第2伝達手段の伝達する相対回転差に基づいて噴出ノズルの傾斜角度(振り)が上昇方向と下降方向とに切り替え可能であることに着目してなされたもので、
オイルタンク内を垂下する液体供給筒の先端を回転させつつ噴射ノズルを上下に振り回動させて洗浄液を噴射して洗浄させる液体噴射装置において、駆動機構から回転数の異なる回転力を伝達する第1伝達手段120及び第2伝達手段130と、前記供給管内を軸方向に垂下し、回転軸芯151とそれを内包する回転軸筒152とからなり、前記駆動機構の駆動力を受けて回転する二重回転軸150とを備え、前記第1伝達手段120が回転軸筒152を回転させる一方、前記第2伝達手段130が回転軸芯151を回転させるように接続して、回転軸筒152と回転軸芯151の相対回転差で噴射ノズル筒170を垂直軸線に対する傾斜角度を変更可能な機構となし、
前記二重回転軸を一方向に回転させつつ前記第1伝達手段120に対する第2伝達手段130の相対回転差をプラス相対回転とする第1段階(A)と、前記第1伝達手段120に対する第2伝達手段130の相対回転差をマイナス相対回転とする第2段階(B)とを切り替え、噴射ノズルの振り回動時の垂直軸線に対する傾斜角度を上昇方向又は下降方向に切り替えることを特徴とする。
【0030】
第2の実施例によれば、二重回転軸150を用いて回転筒部を回転させながら、その先端で別途噴射ノズル170を振り回動させるので、第1伝達手段に対する第2伝達手段の伝達する相対回転差をプラス相対回転とマイナス相対回転とで切り替えることで噴射ノズルの傾斜角度を上昇方向から下降方向に変更することができる。好ましくは、前記第1伝達手段の回転を受ける太陽歯車を備える第1遊星歯車機構181と第2伝達手段の回転を受ける太陽歯車を備える第2遊星歯車機構182とを共通の内歯車183で連結してなるインジケータ機構180を設け、前記第2遊星歯車機構182に第1及び第2伝達手段の相対回転差で振り回動する噴射ノズル筒170の振り回動角度を表示させることにより、噴射ノズルの振り角度をそのまま、一対の遊星歯車機構181、182を用いて外部インジケータ180に表示することができるので、前記インジケータ180が所望振り回動角度位置に設定可能なスイッチ機構を備え、第2遊星歯車機構182との接触によりクラッチ機構の第1段階と第2段階とを切り替え、噴射ノズルの垂直軸線に対するノズル振り方向を任意の角度(傾斜角度)で自動的に切り替え、反転させることができる。
【0031】
以下、本発明の第2実施例の液体噴射装置を用いたものを添付図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0032】
第2実施例の液体噴射装置は概略すると、図13に示すように、駆動機構110と、第1伝達手段120と、第2伝達手段130と、クラッチ機構140と、二重回転軸150と、液体供給管160と、その先端に設けられる噴射ノズル筒170と、インジケータ機構180とからなる。また、駆動機構110と、第1伝達手段120と、第2伝達手段130と、クラッチ機構140と、回転軸150とは図13に示す駆動伝達機構100‘を構成する。
【0033】
前記駆動機構110は図14に示すように、エアモータ1からなる駆動源Mからの駆動力をオリエンタルギアボックス102を介して駆動軸103に伝達し、駆動軸103の回転はシャーピン機構111を介して駆動ギア112,113に伝える。駆動機構110は第1の回転数を二重回転軸150の駆動軸筒に伝達する第1の伝達手段120と、第2の回転数を二重回転軸150の駆動軸芯に伝達する第2の伝達手段130と、第2の伝達手段130の回転数を駆動軸芯に伝達する手段を切り替えるクラッチ機構140を介して接続され、異なる回転数を二重回転軸150に伝達してノズルに振り回動を行わせるとともに、第2の伝達手段の回転数を第1の伝達手段に対する相対回転数をプラスとマイナスに切り替え、プラス相対回転によって振り角度を上昇方向に、マイナス相対回転によって振り角度を上昇から下降方向に切り替える。
【0034】
前記駆動伝達機構100‘の下面には、図13に示すように、回転筒部162を固定筒161の先端で回転させる液体供給筒160が垂下するとともに、その内部を回転軸150が垂下する。前記該液体供給筒160の先端には回転軸150の回転をべベルギア機構で受けて上下に往復振り回動する噴射ノズル筒170が設けられる一方、上記駆動伝達機構100’の上部には噴射ノズル筒170の振り回動角度を表示するインジケータ機構180が設けられる。
【0035】
詳しくは、上記駆動機構110は、エアモータ101からなる駆動源Mの回転をオリエンタルギアボックス102を介して駆動軸103に伝達するが、図15に示すように、この駆動力をシャーピン機構111を介して連結された小駆動ギア112と大駆動ギア113とで伝達する。シャーピン機構111はシャーピン用ボス111aとシャーピン111bとからなり、ベアリング114を介して取り替えキャップ115上に設置され、破損時には容易に取り替え可能となっている。上記シャーピン機構111は前記駆動伝達機構に大きな荷重がかかると、破断し、小駆動ギア112と大駆動ギア113との連結を解くようになっており、オイルタンク内の液体供給筒160内に蓄積するスラッジの影響を受けて回転筒162の回転や噴射ノズル筒170の振り回動に異常が起こった時に過大荷重が駆動機構110にかかるのでこの駆動伝達を停止するようになった安全装置を形成している。
【0036】
次いで、本実施例においては、回転軸の軸筒を回転させる第1の伝達手段120と、回転軸の軸芯を回転させる第2の伝達手段130と、第2の伝達手段の第1の伝達手段に対する相対回転数を切り替えるクラッチ軸を有するクラッチ機構140とからなり、第1及び第2の異なる回転数をそれぞれ二重回転軸150の回転軸筒151と回転軸芯152に伝達するとともに回転軸芯52の回転を二段階に切り替える駆動伝達機構100‘を備えている。詳しくは、図16に示すように、クラッチ機構140は、上記駆動軸3の外周に軸着された小駆動ギア112と噛合する大駆動ギア113を軸着してなるクラッチ軸141を回転可能に設けるとともに、中間クラッチギア142を軸方向にスライド可能に設け、下方で上昇クラッチギア143と噛み合い、上方で下降クラッチギア144と噛み合うようになっている。他方、このクラッチ軸141の上昇クラッチギア143は第1段目の伝達歯車列の131、132の第1歯車131と噛み合い、第2歯車132を介して回転軸芯152を駆動する一方、下降クラッチギア144は第2段目の伝達歯車列133、134の第1歯車133と噛み合い、第2歯車134を介して回転軸芯152を駆動し、2段切り替え機構を構成する。なお、125は小ギア配列駆動を前記インジケータ機構80に伝達する中間ギアであり、伝導ギア126を介して回転軸芯152と接続している。したがって、上記クラッチ機構140は第1段目(A)では上記第2の伝達歯車列の第1段目131、132を介して駆動機構110を回転軸芯151に接続する一方、第2段目(C)では、上記第2の伝達歯車列の第2段目133、134を介して駆動機構110を回転軸芯151に接続するようになっている(図17参照)。なお、(B)はニュートラルの状態を示し、ノズル角度を液体供給筒の垂直軸線に対し平行な角度0とし、液体供給筒をタンクから取り出し、可能とする状態とすることができるようになっている。
【0037】
そして、上下面にベベルギアを備える中間クラッチギア142は図16に示すように、シャフト141に対して上下に摺動可能なスプライン筒145に固定される一方、上昇および下降クラッチギア143,144はスプライン筒145に回転可能に取り付けられ、該スプライン筒145に固着されたエア付勢手段146で上方に付勢できるようになっており、上方付勢を解除するとこのスプライン筒は、下方付勢手段147で下方に付勢される。なお、上端には手動クラッチ切替ボルト148を備える。
【0038】
前記二重回転軸150は上部で軸受機構155で駆動機構100‘の下部に支持され、前記第1伝達手段と接続する回転軸芯151と、前記第2伝達手段と接続する回転軸筒152とからなる。該回転軸筒152は共通図6に示すように、オイルを供給する供給路を形成する放射状羽根153を備えて外部回転筒部162と接続する一方、上記回転筒部162の下端の傾斜状端面部162aには、噴射ノズル筒170の傾斜端部171が当接し、該傾斜端部171に周縁に一体的に形成された大べベルギア172と前記回転軸芯151の先端に回動可能に取り付けられた小べベルギア154とを噛み合わせ(共通図7)、この回転に伴って回転軸芯151の回転をギア比でn分の1に減速して噴射ノズル筒170に伝達し、傾斜端部171を回転面として振り回動するように構成されている。
【0039】
具体的には第1の伝達手段120では歯数n1(19)の中間ギア121と歯数N1(71)の伝導ギア122が組み合わされ、二重回転軸の回転軸筒152に接続し、回転筒152をN1/n1で回転させる。
【0040】
他方、第2の伝達手段130の第1段目(A)は歯数n2(18)の中間ギア131と大歯数n2(63)の伝導ギア132とを組み合わせ、第2段目(B)は歯数n2(17)の中間ギア133と大歯数n2(72)の伝導ギア134とを組み合わせ、前者は二重回転軸の回転軸筒152に回転軸筒151に対するプラスの相対回転を与え、後者は二重回転軸の回転軸筒152に回転軸筒151に対するマイナスの相対回転を与えるように構成されている。
【0041】
したがって、第1の伝達手段列120に接続する回転軸筒152がN1/n1(71/19)で回転する間に、噴射ノズル筒160に接続する回転軸芯151はN2/n2(63/18)で回転し、プラスの相対回転となるので、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されて噴射ノズル筒160をN2/n2/nの振り回動速度で上昇方向に振り回動させる。他方、第2段目(C)では回転筒部に接続する回転軸筒52がN1/n1(71/19)の回転数で回転する間に、噴射ノズル筒に接続する回転軸芯151はN3/n3(72/18)の回転数で回転し、マイナス相対回転となるので、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されて噴射ノズル筒160をN3/n3/nの振り回動速度で下降方向に振り回動させる。
【0042】
そのため、上昇振り回動は下降振り回動と同一でなくより早く上昇し、上昇時は一回転に対してやや振り幅が大きくなる一方、下降時は振り幅を小さくして下降し、タンク内を洗浄することになる。
【0043】
また、回転伝達機構100‘の上部には図10に示す、上記噴射ノズル筒170の振り回動角度を表示するインジケータ機構180を備える。該インジケータ機構180は一対の第1及び第2遊星歯車機構181、182からなり、基台187上に配置される一方、上面に噴射ノズル筒170の振り回動と同期して振り回動し、液体供給筒160の軸線に対する傾斜角度を表示するインジケータ表示板184を備える。
【0044】
詳しくは、遊星歯車機構181は前記回転軸芯151と連結して回転する第1の太陽歯車181aと、これを受けて回転する一対の第1の遊星歯車181b,181bとを有し、この遊星歯車を固定させて共通内歯車153に伝達する一方、他方の遊星歯車機構182が前記回転軸筒152と連結して第2の太陽歯車182aを回転させるとともに、該太陽歯車182aと前記共通内歯車183とで一対の第2の遊星歯車182b,182bを回転させる(図10)。第1と第2の遊星歯車のギア比を同一とし、遊星歯車と内歯歯車とのギア比を相対させ、第1の遊星歯車機構の遊星歯車を固定しておくと、第2の遊星歯車機構の遊星歯車182b1,82bが回転軸芯と回転軸筒の回転差(歯数差)に基づいて振り回動する噴射ノズル筒の振り回動と同期することになり、噴射ノズル筒の振り回動角度を示すことになる(図19)。なお、クラッチ機構140で二段階に回転比を切り替えて噴射ノズル筒70の振り回動方向を切り替えるために、上記第1の伝達手段120の小ギア配列の回転を回転軸筒152の上方に伝達するため、第1の小ギア配列121及び122と同様のギア配列125と126が別途設けられている(図18参照)。
【0045】
前記インジケータ機構180のノズル170の振り回動と同期して回転する表示板184は半振り回動で0度から135度までの傾斜角度を変更するため、それにあった傾斜角度位置を示す目盛185が表示板周囲に刻まれている。図20に示すように、所望振り回動角度位置にスイッチ操作手段185a、185bを設ける。
一方、スイッチ機構190のエアスイッチ191a,191bを所定の位置に配置すると、(B-1)は70度−110度間、(B-2)は60度−130度間の振れ角度に設定されることになる。所望間隔でスイッチ操作手段185a、185bが接触し、いずれかのエアスイッチ191a,191bをONOFFさせ、伝達手段192a,192bを介してクラッチ機構140を第1段目(A)と第2段目(B)に、噴射ノズル振り回動上下に切り替える(図16参照)。
【0046】
このような構成を有する本発明の液体噴射装置は、回転伝達手段の回転を二重回転軸の一方を介して液体供給筒の先端回転筒部を軸周りに回転させるとともに、他方を介して噴射ノズル筒部を振り回動させる一方、両者の回転を一対の遊星歯車機構を介して受け、インジケータ機構に傾斜角を変えながら振り回動する噴射ノズル筒の垂直軸に対する傾斜角度を表示させることができるので、インジケータ機構の示す傾斜角度に基づいて噴射ノズル筒の振り回動の切り替え傾斜角度を容易に設定することができる。このように、回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転速度をプラス又はマイナスに調整して噴射ノズルの振り回動速度及び振り回動切り替え角度を適宜に設定することができるので、オイルタンク内のスラッジの堆積状況等に応じて適宜に噴射態様を設定することができる。
【0047】
以上第2実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。例えば、実施例では第2伝達手段の回転速度を歯車伝達機構の切り替えにより行ったが自動変速機構を用いることにより相対回転差を自在に調整することも可能である。

【実施例3】
【0048】
この種噴射ノズルは液体供給筒の軸線と一直線をなす0度から液体供給筒の傾斜面と平行をなす135度の位置まで傾斜角度を変えるだけでなく、しかも往復動を行う、いわば上下に振り回動を行う機能を有する必要があるが、一つの駆動モータでの液体供給筒の先端回転に対するノズルの相対回転差でノズルの振り回動を行う場合、ギア比での調整では一回転ごとの振り角度を大きく又は小さくするのが限度で、渦巻き型軌跡を形成するのが一般的である。しかしながら、オイルタンクの一定の旋回角度範囲において噴射ノズルを上下に振り回動させて洗浄する必要がある場合があり、液体供給筒の一定の旋回角度内において何度も噴射ノズルを上下に振り回動させるには回転軸筒に対する回転軸芯の回転数差を大きく、即ち減速比を小さくする必要があって、駆動モータを共通とすることなく、別個の駆動モータを使って回転軸筒と回転軸芯を駆動する必要があることを見出した。
【0049】
第3実施例では上記液体供給筒の先端回転筒に対する噴射ノズル(回転軸芯)の相対回転差で液体供給筒の垂直軸線に対し振り回動を行わせる液体噴射装置においては、洗浄軌跡を菊花弁型とするためには液体供給筒の先端回転筒の旋回角度変化に対して噴射ノズルを何度も上下に振り回動させる必要があり、第1伝達手段に対し第2伝達手段の回転差大きくすることが必要であることに着目してなされたもので、
オイルタンクの内部に堆積したスラッジに洗浄液体をオイルタンク内を垂下する液体供給筒の先端に位置するノズルから噴射して洗浄させる液体噴射装置であって、駆動源M1及びM2を備える駆動機構210と、駆動源M1の回転を伝達する伝達手段220と駆動源M2の回転を伝達する伝達手段230とを備える回転駆動機構200と、先端部に回転筒部241を備える液体供給筒260と、該液体供給管260内を軸方向に垂下し、前記駆動機構210の駆動力を受けて回転する回転軸250と、前記回転筒部261の下端に形成した傾斜状端面部261aに回転可能に接続する傾斜端部271を一端に有し、他端に液体噴射口272を設けた噴射ノズル筒270を備え、前記回転軸250により前記回転筒部251を軸周りに回転させる一方、前記噴射ノズル筒70を上下に振り回動するようにしてなる液体噴射装置において、
前記回転軸250が回転軸芯251とそれを内包する回転軸筒252とからなり、前記第1伝達手段220が駆動源M1の回転駆動を受けて回転軸筒252を回転させる一方、前記第2伝達手段230が駆動源M2の回転駆動を受けて回転軸芯251を回転させ、回転軸筒252と回転軸芯251の相対回転差で垂直軸線に対する噴射ノズル筒270を上下に振り往復動させる機構を備え、
更に、前記駆動モータM1からの回転軸筒252への第1伝達手段220の回転伝達に対し、前記駆動モータM2から回転軸芯251への第2伝達手段230の回転伝達を、数倍から数十倍の比率に設定可能な減速機構を備えることを特徴とする液体噴射装置の二駆動モータ洗浄機構にある。
【0050】
本第3の実施例によれば、二重回転軸250を用いて回転筒部を回転させながら、別途駆動モータを用いて噴射ノズル270を振り回動させるので、第1伝達手段に対する第2伝達手段の伝達する相対回転差を駆動モータからの減速比で自在に設定することができる。そのため、二駆動モータで回転筒と噴射ノズルの回転をそれぞれ自在に設定し、回転軸筒252の所定の角度の回転間に噴射ノズル筒270を複数回上下に振り回動させることができる。好ましくは、前記第1伝達手段及び第2伝達手段の回転を受けるインジケータ機構280を設け、回転筒部の旋回範囲を設定するとともに、第1伝達手段に対する第2伝達手段の減速比を調整することにより、回転筒部の所定旋回角度内での噴射ノズル筒270の振り回動回数を設定することができる。
【0051】
以下、オイルタンクの洗浄装置として、本発明の液体噴射装置を用いたものを添付図面に示す実施例に基づいて説明する。
【0052】
第3の実施例の液体噴射装置は概略すると、図21に示すように、第1駆動モータM1と三段減速機G1とを備える第1駆動機構210と、第2駆動モータM2と1段減速機G2とを備える第2駆動機構210‘と、第1駆動機構の駆動力を第1クラッチ機構240を介して液体噴射筒260を回転駆動させる第1伝達機構220と、第2駆動機構の駆動力を第2クラッチ機構240’を介して噴射ノズル270を回転駆動させる第2伝達機構230と、二重回転軸250と、液体供給管260と、その先端に設けられる噴射ノズル筒270と、インジケータ機構280とからなる。
【0053】
詳しくは、第1駆動機構210及び第2駆動機構210‘と、第1伝達手段220及び第2伝達手段230と、第1クラッチ機構240及び第2クラッチ機構240’と、二重回転軸250とは図3に示す駆動伝達機構200を構成する。前記駆動機構210、210‘は図21に示すように、エアモータからなる駆動源M1、M2からの駆動力をオリエンタルギアボックスG1,G2を介して駆動軸S、Sに伝達し、駆動軸S、Sの回転はシャーピン機構211、211を介して駆動ギア212及び212に伝える。この実施例ではオリエンタルギアボックスG1は3段階に減速されるのに対し,オリエンタルギアボックスG2の減速は1段階であり、駆動源M1、M2の回転数はオリエンタルギアボックスG1では例えば1/9000に減速されるとすると,オリエンタルギアボックスG2では1/90に減速され、減速率は後者は前者の1/100程度である。
【0054】
第1の駆動機構210は第1の回転数を第1の伝達手段220で二重回転軸250の駆動軸筒252に伝達する一方、第2の駆動機構210‘は第2の回転数を第2の伝達手段230で二重回転軸250の駆動軸芯252に伝達する。第1及び第2の伝達手段220及び230は第1及び第2の駆動機構210、210’の回転駆動をONOFFするクラッチ機構240、240‘を介して接続され、異なる回転数を二重回転軸250に伝達してノズル270を上下に頻繁に振り回動させながら、供給筒先端をゆっくりと旋回させる。前記駆動伝達機構200の下面には、回転筒部262を固定筒261の先端で回転させる液体供給筒260が垂下するとともに、その内部を二重回転軸250が垂下する。前記該液体供給筒260の先端には回転軸250の回転をべベルギア機構で受けて上下に往復振り回動する噴射ノズル筒270が設けられる一方、上記駆動伝達機構200の上部には噴射ノズル筒270の振り回動角度を表示するインジケータ機構280が設けられる。
【0055】
図22では説明を簡略化するため、上記第2の駆動機構210‘側だけを示すが第1の駆動機構210にも以下の安全装置が設けられる。安全装置は、エアモータからなる駆動源M1、M2の回転をオリエンタルギアボックスG1、G2を介して駆動軸S、Sに伝達するが、この駆動力をシャーピン機構211を介して連結された小駆動ギア212を介して伝達する。シャーピン機構211はシャーピン用ボスとシャーピンとからなり、ベアリングを介して取り替えキャップ上に設置され、破損時には容易に取り替え可能となっている。上記シャーピン機構211は前記駆動伝達機構に大きな荷重がかかると、破断し、小駆動ギア212を介して第1の伝達手段220の駆動ギア221、第2の伝達手段230の駆動ギア231との連結を解くようになっており、オイルタンク内の液体供給筒260内に蓄積するスラッジの影響を受けて回転筒262の回転や噴射ノズル筒270の振り回動に異常が起こった時に過大荷重が駆動機構210にかかるが、この駆動伝達を停止する安全装置を形成している。
【0056】
前記二重回転軸250は上部で軸受機構255で駆動機構200の下部に支持され、前記第1伝達手段220と接続する回転軸芯251と、前記第2伝達手段230と接続する回転軸筒252とからなる。該回転軸筒252は図6に示すように、オイルを供給する供給路を形成する放射状羽根253を備えて外部回転筒部262と接続する一方、上記回転筒部262の下端の傾斜状端面部262aには、噴射ノズル筒270の傾斜端部271が当接し、該傾斜端部271周縁に一体的に形成された大べベルギア272と前記回転軸芯251の先端に回動可能に取り付けられた小べベルギア254とを噛み合わせ(図7)、この回転に伴って回転軸芯251の回転をギア比でn分の1に減速して噴射ノズル筒270に伝達し、傾斜端部271を回転面として振り回動するように構成されている。
【0057】
第1の伝達手段220ではオリエンタルギアボックスG1は3段階に減速され、エアモータの回転数をおよそ9000分の1に減速し、歯数n1の駆動ギア221と歯数N1の伝導ギア222が組み合わされ、歯数n2の従動ギア223と歯数N2の伝導ギア224とが組み合わされ、二重回転軸の回転軸筒252に接続し、回転筒252をN1/n1×N2/n2で回転させる。
この回転軸筒252の回転は従動ギア225aと伝導ギア225bの組みあわせで中間軸Bに伝え、中間軸Bの従動ギア226bを介して伝導ギア226aに伝達し、インジケータ機構280の第2遊星歯車機構282に回転軸筒252の回転を伝達する。中間軸Bの従動ギア227は中間軸Aの伝導ギア228と組み合わされ、枠外の取付け板289に取り付けられた第1インジケータ表示器288に伝達し、その操作ロッド288a,288bを介して切り替え機構291のエアスイッチ291a,291bを作動させて回転軸筒252、すなわち液体供給筒260の先端の旋回角度を設定できるようになっている(図25C)。
【0058】
他方、第2の伝達手段230はオリエンタルギアボックスG2は1段階に減速され、エアモータの回転数をおよそ90分の1に減速し、駆動ギア12の回転を歯数n3の駆動ギア231に伝達し、中間軸Cの歯数n4の従動ギア232を介して大歯数N4の伝導ギア232を駆動させ、二重回転軸の回転軸筒251に回転軸筒252に対する25〜100倍の相対回転を与えるように構成され、インジケータ機構280の第1遊星歯車機構281に回転軸芯251の回転を伝達する。したがって、第1の伝達手段列220では回転筒部に接続する回転軸筒252は1回転する間に噴射ノズル筒270に接続する回転軸芯251は25〜100倍で回転し、下記するべベルギア機構を介してn分の1に減速されても噴射ノズル筒270を何回も上下に振り回動させ、図8Aに示す菊花弁型の軌跡で洗浄を行う。そのため、ゆっくりと旋回する供給筒の先端で噴射ノズル270は頻繁に上下に振り回動してタンク内を洗浄することになる。
【0059】
また、回転伝達機構200の上部には図21に示す、上記噴射ノズル筒270の振り回動角度を表示するインジケータ機構280を備える。該インジケータ機構280は図10に示すように、一対の第1及び第2遊星歯車機構281、282からなり、基台287上に配置される一方、上面に噴射ノズル筒270の振り回動と同期して振り回動し、液体供給筒260の軸線に対する傾斜角度を表示するインジケータ表示器284を備える。本実施例では枠外の取付け板285に取り付けられた第2インジケータ表示器284に伝達し、その操作ロッド284a,284bを介して切り替え機構290のエアスイッチ290a,290bを作動させて回転軸筒252、すなわち噴射ノズル振り回動角度を設定できるようになっている(図25A,B)。
【0060】
詳しくは、遊星歯車機構281は前記回転軸芯251と連結して回転する第1の太陽歯車281aと、これを受けて回転する一対の第1の遊星歯車281b,281bとを有し、この遊星歯車を固定させて共通内歯車253に伝達する一方、他方の遊星歯車機構282が前記回転軸筒262と連結して第2の太陽歯車282aを回転させるとともに、該太陽歯車282aと前記共通内歯車283とで一対の第2の遊星歯車282b,282bを回転させる(図24)。第1と第2の遊星歯車のギア比を同一とし、遊星歯車と内歯歯車とのギア比を相対させ、第1の遊星歯車機構の遊星歯車を固定しておくと、第2の遊星歯車機構の遊星歯車82b,82bが回転軸芯と回転軸筒の回転差(歯数差)に基づいて振り回動する噴射ノズル筒の振り回動と同期することになり、噴射ノズル筒の振り回動角度を示すことになる(図24A及びB)。
【0061】
前記インジケータ機構280のノズル270の振り回動と同期して回転する表示器284は半振り回動で0度から135度までの傾斜角度を変更するため、それにあった傾斜角度位置を示す目盛が表示器周囲に刻まれている(図25B)。図示のように、所望振り回動角度位置にスイッチ操作手段である突起284a,284bを設ける。一方、切り替え機構290のエアスイッチ290a,290bを所定の位置に配置すると、所望位置で正転逆転の毎に接触し、左右のいずれかのエアスイッチ290a,290bをONOFFさせ、伝達手段を介して第2駆動モータM2を正転と逆転に切り替え、噴射ノズル振り回動を上昇方向と下降方向とを切り替えるとともに角度範囲を調整可能である。他方、液体供給筒60の先端と同期して回転する表示器88は旋回角度0度から360度までの旋回角度を変更するため、それにあった角度位置を示す目盛が表示器周囲に刻まれている(図25C)。図示のように、所望旋回角度位置にスイッチ操作手段である突起288a,288bを設ける。一方、切り替え機構291のエアスイッチ291a,291bを所定の位置に配置すると、所望位置で正転逆転の毎に接触し、左右のいずれかのエアスイッチ291a,291bをONOFFさせ、伝達手段を介して第1駆動モータM1を正転と逆転に切り替え、液体供給筒260の旋回を時計回り方向と反時計回り方向とを切り替えるとともに角度範囲を調整可能である。
【0062】
このような構成を有する液体噴射装置は、回転伝達手段の回転を二重回転軸の一方を介して液体供給筒の先端回転筒部を軸周りに回転させるとともに、他方を介して噴射ノズル筒部を振り回動させる一方、両者の回転を一対の遊星歯車機構を介して受け、インジケータ機構に傾斜角を変えながら振り回動する噴射ノズル筒の垂直軸に対する傾斜角度を表示させることができるので、インジケータ機構の示す傾斜角度に基づいて噴射ノズル筒の振り回動の切り替え傾斜角度を容易に設定することができる。このように、回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転速度を数倍から数十倍に調整して液体供給筒の所定の旋回角度範囲で噴射ノズルの振り回動回数を適宜に設定することができるので、オイルタンク内のスラッジの堆積状況等に応じて適宜に噴射態様を設定することができる。
【0063】
以上第3の実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。例えば、実施例では第1及び第2伝達手段の回転速度を歯車伝達機構の切り替えにより行ったが自動変速機構を用いることにより相対回転差を自在に調整することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルタンクの内部に堆積したスラッジに共油等の洗浄液体をオイルタンク内を垂下する液体供給筒の先端に位置するノズルから噴射して洗浄させる液体噴射装置であって、駆動源を備える駆動機構と、回転数の異なる回転力を伝達する第1及び第2伝達手段を備える回転駆動機構と、先端部に回転筒部を備える液体供給筒と、該供給管内を軸方向に垂下し、前記駆動機構の駆動力を受けて回転する回転軸と、前記回転筒部の下端に形成した傾斜状端面部に回転可能に接続する傾斜端部を一端に有し、他端に液体噴射口を設けた噴射ノズル筒を備え、前記回転軸により前記回転筒部を軸周りに回転させる一方、前記噴射ノズル筒を傾斜端部を回転面とし,前記回転筒部先端で旋回させ、振り回動させるようにしてなる液体噴射装置において、
前記回転軸が回転軸芯とそれを内包する回転軸筒とからなり、第1の伝達手段が回転軸筒を介して回転筒部を回転させるとともに、第2の伝達手段が回転軸芯を介して噴射ノズル筒を旋回させて回転軸筒に対する回転軸芯の相対回転差で噴射ノズルの振り回動を設定する機構を形成するとともに、前記噴射ノズル筒の垂直軸に対する振り角度(傾斜角度)を表示するインジケータ機構を備え、該インジケータ機構を前記回転軸筒と回転軸芯の回転をそれぞれ受けて回転する太陽歯車を備える第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構と、該第1及び第2遊星歯車機構を共通の環状内歯車とで形成し、第2遊星歯車機構の遊星歯車の動きを介して該インジケータ機構の表示板を前記噴射ノズル筒の振り回動に同期して旋回させ、該表示板に軸線に対する噴射ノズル筒の傾斜角度を表示させることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記インジケータ機構が前記表示板の所望旋回角度を示す位置に設定可能なスイッチ操作手段を備える一方、該スイッチ操作手段が作動する位置にスイッチ機構を設置し、該スイッチ機構により駆動機構の回転駆動方向を正逆転可能であることを特徴とする請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記第1伝達手段に対する第2伝達手段の伝達する相対回転差をプラス相対回転とする第1段階(A)と、前記第1伝達手段に対する第2伝達手段の相対回転差をマイナス相対回転とする第2段階(B)とを切り替えるクラッチ機構を備える請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記インジケータ機構が所望振り回動角度位置に設定可能なスイッチ機構を備え、第2遊星歯車機構との接触によりクラッチ機構の第1段階(A)と第2段階(B)とを切り替え、噴射ノズルの垂直軸線に対するノズル傾斜角度を増加させる上昇方向とノズル傾斜角度を減少させる降下方向とを切り替えることを特徴とする請求項1記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記駆動モータが第1駆動モータM1と第2駆動モータM2からなり、第1駆動モータM1の回転軸筒への第1伝達手段の回転伝達に対し、前記駆動モータM2から回転軸芯への第2伝達手段の回転伝達を、数倍から数十倍の比率に設定可能な減速機構G1,G2を備えることを特徴とする液体噴射装置。
【請求項6】
前記第1伝達手段の回転を受け、液体供給筒の先端旋回角度を表示する前記インジケータが所望旋回角度位置に設定可能なスイッチ機構を備え、液体供給筒の先端旋回方向を切り替える可能である一方、前記第1伝達手段の回転を受ける第1遊星歯車機構と第2伝達手段の回転を受ける第2遊星歯車機構とからなる前記インジケータ機構が噴射ノズルのノズル振り回動を表示可能で、所定の振り角度位置に設定可能なスイッチ機構を備え、振り回動方向を切り替え可能であることを特徴とする請求項5記載の液体噴射装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−110887(P2012−110887A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240584(P2011−240584)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(510291253)株式会社ジェビック (2)
【Fターム(参考)】