液体噴射装置
【課題】搬送媒体に液体が付着するのを低減させること。
【解決手段】第一位置に搬送される搬送媒体に対して液体を噴射するノズルが形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、前記第一位置と前記液体の噴射を停止させて待機する第二位置との間で前記液体噴射ヘッドを移動させる駆動部と、前記第一位置と前記第二位置との間に設けられ、前記ノズル形成面を払拭する払拭部と、前記払拭部と前記第一位置との間に設けられ、前記液体噴射ヘッドのうち前記ノズル形成面から外れた部分に残った前記液体に接触して前記液体を除去する液体除去部とを備える。
【解決手段】第一位置に搬送される搬送媒体に対して液体を噴射するノズルが形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、前記第一位置と前記液体の噴射を停止させて待機する第二位置との間で前記液体噴射ヘッドを移動させる駆動部と、前記第一位置と前記第二位置との間に設けられ、前記ノズル形成面を払拭する払拭部と、前記払拭部と前記第一位置との間に設けられ、前記液体噴射ヘッドのうち前記ノズル形成面から外れた部分に残った前記液体に接触して前記液体を除去する液体除去部とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置としてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)では、ノズルから噴射される液滴の良好な吐出状態を維持又は回復するためのメンテナンス処理を定期的に行っている。その具体的なメンテナンス動作として、例えば、噴射によりノズル形成面に付着してしまったインク(流体)等をワイパで払拭することによってノズル面に付着した付着物を除去するワイピング動作などがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−108375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のワイピング動作においては、ノズル形成面に付着したインクが記録ヘッドの移動方向の側方に押し流され、記録ヘッドの側面等に付着する場合がある。この場合、当該インクが記録ヘッドから垂れ、紙などに付着するおそれがある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、搬送媒体に液体が付着するのを低減させることが可能な液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る液体噴射装置は、第一位置に搬送される搬送媒体に対して液体を噴射するノズルが形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、前記第一位置と前記液体の噴射を停止させて待機する第二位置との間で前記液体噴射ヘッドを移動させる駆動部と、前記第一位置と前記第二位置との間に設けられ、前記ノズル形成面を払拭する払拭部と、前記払拭部と前記第一位置との間に設けられ、前記液体噴射ヘッドのうち前記ノズル形成面から外れた部分に残った前記液体に接触して前記液体を除去する液体除去部とを備える。
【0007】
本発明によれば、払拭部と第一位置との間に設けられ、液体噴射ヘッドのうちノズル形成面から外れた部分に残った液体に接触して液体を除去する液体除去部を備えるので、払拭部によって払拭しきれない部分に残った液体についても除去することができる。これにより、液体噴射ヘッドに液体が残るのを抑制することができるので、搬送媒体に液体が付着するのを低減させることができる。
【0008】
上記の液体噴射装置は、前記第一位置を含む領域に設けられ、前記搬送媒体を支持する支持部を更に備え、前記液体除去部は、前記支持部に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、第一位置を含む領域に設けられ、搬送媒体を支持する支持部を更に備え、液体除去部が支持部に設けられているので、液体除去部を支持する部分を別途設ける必要が無くなる。これにより、装置内のスペースを節約することができる。
【0009】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドのうち当該液体噴射ヘッドの移動方向に直交する方向の端部に対応する位置に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部が液体噴射ヘッドのうち当該液体噴射ヘッドの移動方向に直交する方向の端部に対応する位置に設けられているので、液体噴射ヘッドの側部に押し流された液体を除去することができる。
【0010】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、少なくとも一部が前記端部からはみ出すように設けられていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部の少なくとも一部が端部からはみ出すように設けられているため、液体噴射ヘッドの側部に回りこんだ液体をより確実に除去することができる。
【0011】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、前記液体を吸収する材料を用いて形成されていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部が液体を吸収する材料を用いて形成されていることとしたので、液体除去部が液体に接触する際に液体を吸収することができる。これにより、効率的に液体を除去することができる。
【0012】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドに対して非接触となるように配置されていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部が液体噴射ヘッドに非接触に設けられているため、液体噴射ヘッドへの影響を抑えつつ液体を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一実施形態に係る印刷装置の構成を示す全体図。
【図2】本実施形態に係る印刷装置の一部の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る印刷装置の一部の構成を示す図。
【図4】本実施形態に係る印刷装置の制御系の構成を示すブロック図。
【図5】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【図6】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【図7】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【図8】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置PRT(液体噴射装置)の概略構成を示す図である。本実施形態では、印刷装置PRTとしてインクジェット型の印刷装置を例に挙げて説明する。
【0015】
図1に示す印刷装置PRTは、例えば、紙、プラスチックシートなどのシート状の媒体Mを搬送しつつ印刷処理を行う装置である。印刷装置PRTは、筐体PBと、媒体Mにインクを噴射するインクジェット部IJと、当該インクジェット部IJにインクを供給するインク供給部ISと、媒体Mを搬送する搬送部CVと、インクジェット部IJの保全動作を行うメンテナンス部MNと、これら各部を制御する制御装置CONTとを備えている。
【0016】
以下、XYZ直交座標系を設定し、当該XYZ直交座標系を適宜参照しつつ各構成要素の位置関係を説明する。本実施形態では、媒体Mの搬送方向をX方向とし、当該媒体Mの搬送面においてX方向に直交する方向をY方向とし、X軸及びY軸を含む平面に垂直な方向をZ方向と表記する。また、X軸周りの回転方向をθX方向、Y軸周りの回転方向をθY方向、Z軸周りの回転方向をθZ方向とする。
【0017】
筐体PBは、一方向を長手とするように形成されている。筐体PBには、上記のインクジェット部IJ、インク供給部IS、搬送部CV、メンテナンス部MN及び制御装置CONTの各部が取り付けられている。筐体PBには、プラテン13が設けられている。プラテン13は、媒体Mを支持する支持部材である。プラテン13は、媒体Mに向けられた平坦な支持面13aを有している。当該支持面13aは、媒体Mを支持する面である。
【0018】
搬送部CVは、搬送ローラーや当該搬送ローラーを駆動するモーターなどを有している。搬送部CVは、媒体Mがプラテン13上の搬送領域JAをX方向に通過するように当該媒体Mを筐体PBの短手方向に搬送する。搬送部CVは、制御装置CONTによって搬送のタイミングや搬送量などが制御される。
【0019】
インクジェット部IJは、インクを噴射するヘッドHと、当該ヘッドHを保持して移動させるヘッド移動部ACとを有している。ヘッドHは、プラテン13上に送り出された媒体Mに向けてインクを噴射する。ヘッドHは、インクを噴射するノズル形成面Haを有している。ノズル形成面Haは、支持面13aに向けられた状態で配置されている。
【0020】
ヘッド移動部ACは、ヘッドHを筐体PBの長手方向に移動させる。ヘッド移動部ACは、ヘッドHを固定させるキャリッジ4を有している。キャリッジ4は、筐体PBの長手方向に架けられたガイド軸8に当接されている。ヘッド移動部ACは、当該キャリッジ4をガイド軸8に沿ってY方向に移動させる部、例えばパルスモーター9、駆動プーリー10、遊転プーリー11及びタイミングベルト12などを有している。
【0021】
メンテナンス部MNは、媒体Mが搬送される搬送領域JAから外れた領域(ホームポジション)HPに設けられている。メンテナンス部MNは、キャッピング部CP、ワイピング部WP及びインク除去部RMを有している。キャッピング部CPは、ヘッドHのノズル形成面Haを覆う。キャッピング部CPには、吸引ポンプなどの吸引部SCが接続されている。ヘッドHからメンテナンス部MN側に排出された廃インクは、廃液回収部(不図示)において回収される。ワイピング部WPは、ノズル形成面Haを払拭する。
【0022】
インク供給部ISは、ヘッドHにインクを供給する。インク供給部ISには、複数のインクカートリッジ(液体収容体)ICが収容されている。本実施形態の印刷装置PRTは、インクカートリッジICがヘッドHとは異なる位置に収容される構成(オフキャリッジ型)である。
【0023】
インク供給部ISは、各インクカートリッジICの内部の圧力を個別に調整可能な圧力調整部6を有している。インク供給部ISは、ヘッドHとインクカートリッジICとを接続する供給チューブTBを有している。供給チューブTBは、インクカートリッジIC毎に設けられている。
【0024】
図2及び図3は、プラテン13の一部及びメンテナンス部MNの構成を示す図である。
図2に示すように、キャッピング部CPは、ヘッドHのホームポジションHPに配置されている。ワイピング部WPは、当該ヘッドHのホームポジションHPと、媒体Mの搬送領域JAとの間に配置されている。
【0025】
ワイピング部WPは、ヘッドHのノズル形成面HaのうちノズルNZが配置された領域を少なくとも払拭する。図2及び図3に示すように、ノズルNZは、ノズル形成面Haの中央部に配置されている。X方向において、ワイピング部WPは、ノズルNZが形成された領域をカバーするように形成されている。このため、ワイピング部WPは、ノズルNZが形成された領域を少なくとも払拭する。一方、ノズル形成面Haの+X側端部及び−X側端部については、ワイピング部WPによってカバーされていない状態となっている。
【0026】
プラテン13の支持面13aのうち+Y側の端部には、インク除去部(液体除去部)RMが設けられている。インク除去部RMは、支持面13aのうち媒体Mの搬送領域JAから外れて配置されている。したがって、インク除去部RMは、搬送領域JAとホームポジションHPとの間に配置されており、ワイピング部WPよりも搬送領域JA側(−Y側)に配置されている。
【0027】
インク除去部RMは、ヘッドHに付着したインクを除去する。図3に示すように、インク除去部RMは、一対のインク吸収部材60を有している。インク吸収部材60は、スポンジなどの多孔質材料を用いて形成されている。インク吸収部材60は、ヘッドHに付着したインクを吸収することでヘッドHからインクを除去する。
【0028】
インク吸収部材60は、例えば直方体状に形成されている。インク吸収部材60は、ヘッドHのうちワイピング部WPによって払拭される領域から外れた領域に対応する位置に配置されている。つまり、インク吸収部材60は、ワイピング部WPがカバーしていない領域として、ヘッドHのX方向の端部に対向して配置されている。インク吸収部材60の一部は、当該ヘッドHのX方向の端部からはみ出すように設けられている。このため、ヘッドHがX方向に移動する際には、ヘッドHの+X側及び−X側の各側面Hbがインク吸収部材60の+Z側を通過することになる。
【0029】
インク吸収部材60の+Z側の面60aは、平坦に形成されている。当該面60aは、ヘッドHのノズル形成面Haよりも−Z側に配置されている。したがって、ヘッドHは、X方向に移動する際には、インク吸収部材60に接触しない状態(非接触状態)で当該インク吸収部材60の+Z側を通過する。
【0030】
図4は印刷装置PRTの電気的な構成を示すブロック図である。
制御装置CONTには、印刷装置PRTの動作に関する各種情報を入力する入力装置IP、印刷装置PRTの動作に関する各種情報を記憶した記憶装置MRなどが接続されており、上述した搬送部CVや、ヘッド移動部AC、メンテナンス部MN等が接続されている。制御装置CONTは、メンテナンス部MNのうち例えばキャッピング部CPやワイピング部WPなどを制御可能である。
【0031】
印刷装置PRTは、それぞれの圧電振動子38に入力する駆動信号を発生する駆動信号発生器62を備えている。この駆動信号発生器62は、制御装置CONTに接続されている。駆動信号発生器62には、ヘッドHの圧電振動子38に入力する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータ、及び吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号が入力される。駆動信号発生器62は、各圧電振動子38に対して、個別に駆動信号を供給可能に設けられている。
【0032】
次に、上記のように構成された印刷装置PRTの動作を説明する。
ヘッドHによる印刷動作を行う場合、制御装置CONTは、搬送部CVによって媒体MをヘッドHの−Z側に配置させる。媒体Mを配置させた後、制御装置CONTは、ヘッドHを移動させつつ、印刷する画像の画像データに基づいてノズルNZに係る駆動信号発生器62から圧電振動子38に駆動信号を入力する。圧電振動子38に駆動信号が入力されると、圧電振動子38が伸縮し、ノズルNZからインクが噴射される。ノズルNZから噴射されたインクによって、媒体Mに所望の画像が形成される。
【0033】
制御装置CONTは、ヘッドHのメンテナンス動作として、例えばキャッピング動作やワイピング動作などを行わせる。ワイピング動作を行う場合、制御装置CONTは、ワイピング部WPの+Z側の先端部をヘッドHのノズル形成面Haよりも+Z側に配置させる。制御装置CONTは、この状態でヘッドHを−Y方向に移動させると、図5に示すように、ワイピング部WPの+Z側の先端部によってノズル形成面Haが払拭される。
【0034】
このとき、ワイピング部WPによって払拭されたインクの一部がノズル形成面Haから外れた位置、例えばヘッドHの側面Hbに流れると、ワイピング動作によって当該インクを除去することが困難となる。このため、図5に示すように、ヘッドHの側面HbにはインクLが残った状態となる。この状態でヘッドHが搬送領域JAへ移動すると、媒体Mに対してインクを噴射する際にヘッドHの表面に残ったインクが媒体Mに付着する場合がある。
【0035】
これに対して、本実施形態では、ワイピング部WPと搬送領域JAとの間に上記のインク除去部RMが設けられているため、図6に示すように、ヘッドHがインク除去部RMの+Z側に到達すると、側面Hbに残ったインクLがインク吸収部材60に接触し側面HbからインクLが除去される。
【0036】
このままヘッドHがインク除去部RMの+Z側を移動する場合、図7に示すように、ワイピング部WPによって払拭されて側面Hbに流れたインクLは一旦は側面Hbに残るものの、当該払拭された部分がインク吸収部材60の+Z側に到達すると、インク吸収部材60によってインクLが除去される。
【0037】
図8は、上記の図6及び図7においてインク吸収部材60によってインクLが吸収される状態をY方向に見たときの様子を示す図である。
図8に示すように、+X側のインク吸収部材60及び−X側のインク吸収部材60の両側においてインクLが吸収されている。
【0038】
このように、ヘッドHがインク除去部RMを通過すると、ヘッドHのうちノズル形成面Haはワイピング部WPによって払拭される。また、ヘッドHのうち側面Hbはインク除去部RMによってインクLが付着しても除去される。このため、ヘッドHにインクLが残ることが抑制される。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、ヘッドHに対して非接触となるようにワイピング部WPと搬送領域JAとの間に設けられ、ワイピング部WPから搬送領域JAへ向けて移動するヘッドHのうちノズル形成面Haから外れた部分である側面Hbに残ったインクLに接触して当該インクLを除去するインク除去部RMを備えるので、ワイピング部WPによって払拭しきれない部分に残ったインクについても除去することができる。これにより、ヘッドHにインクLが残るのを抑制することができるので、媒体MにインクLが付着するのを低減させることができる。また、インク除去部RMがヘッドHに非接触に設けられているため、ヘッドHへの影響を抑えつつインクを除去することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、インク除去部RMがプラテン13に設けられているので、インク除去部RMを支持する部分を別途設ける必要が無くなる。これにより、印刷装置PRT内のスペースを節約することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、インク除去部RMがヘッドHのうち当該ヘッドHの移動方向に直交する方向(X方向)の端部に対応する位置に設けられており、少なくとも一部が端部からはみ出すように設けられているので、ヘッドHの側面Hbに回りこんだインクをより確実に除去することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、インク除去部RMがインクを吸収する材料を用いて形成されているので、インク除去部RMがインクLに接触する際にインクLを吸収して除去することができる。これにより、効率的にインクを除去することができる。
【0043】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、インク除去部RMとして、インク吸収部材60が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えばインクを吸収しない材料を用いても構わない。
【0044】
また、上記実施形態の構成に加えて、ヘッドHのノズル形成面HaのX側端部にカバー部材を配置させた構成としても構わない。
また、上記実施形態においては、インク除去部RMがヘッドHに対して非接触に設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、インク除去部RMがヘッドHに接触する構成としても構わない。
【0045】
上記実施形態では、印刷方式としてインクジェット方式を採用した印刷装置について記載したが、電子写真方式や熱転写方式など、任意の方式の印刷装置に変更することもできる。また、印刷装置に限らず、FAX装置、コピー装置、あるいはこれら複数機能を備えた複合機等、他の記録装置であってもよい。さらに、記録装置として、インク以外の他の液体の微小量の液滴を噴射したり吐出したりする液体噴射ヘッド等を備える液体噴射装置を採用してもよい。
【0046】
なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。
【0047】
ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置等であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
PRT…印刷装置 M…媒体 CV…搬送部 JA…搬送領域 H…ヘッド AC…ヘッド移動部 Ha…ノズル形成面 WP…ワイピング部 RM…インク除去部 HP…ホームポジション NZ…ノズル Hb…側面 L…インク 13…プラテン 60…インク吸収部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置としてのインクジェット式記録ヘッド(以下、単に記録ヘッドという)では、ノズルから噴射される液滴の良好な吐出状態を維持又は回復するためのメンテナンス処理を定期的に行っている。その具体的なメンテナンス動作として、例えば、噴射によりノズル形成面に付着してしまったインク(流体)等をワイパで払拭することによってノズル面に付着した付着物を除去するワイピング動作などがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−108375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のワイピング動作においては、ノズル形成面に付着したインクが記録ヘッドの移動方向の側方に押し流され、記録ヘッドの側面等に付着する場合がある。この場合、当該インクが記録ヘッドから垂れ、紙などに付着するおそれがある。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本発明は、搬送媒体に液体が付着するのを低減させることが可能な液体噴射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る液体噴射装置は、第一位置に搬送される搬送媒体に対して液体を噴射するノズルが形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、前記第一位置と前記液体の噴射を停止させて待機する第二位置との間で前記液体噴射ヘッドを移動させる駆動部と、前記第一位置と前記第二位置との間に設けられ、前記ノズル形成面を払拭する払拭部と、前記払拭部と前記第一位置との間に設けられ、前記液体噴射ヘッドのうち前記ノズル形成面から外れた部分に残った前記液体に接触して前記液体を除去する液体除去部とを備える。
【0007】
本発明によれば、払拭部と第一位置との間に設けられ、液体噴射ヘッドのうちノズル形成面から外れた部分に残った液体に接触して液体を除去する液体除去部を備えるので、払拭部によって払拭しきれない部分に残った液体についても除去することができる。これにより、液体噴射ヘッドに液体が残るのを抑制することができるので、搬送媒体に液体が付着するのを低減させることができる。
【0008】
上記の液体噴射装置は、前記第一位置を含む領域に設けられ、前記搬送媒体を支持する支持部を更に備え、前記液体除去部は、前記支持部に設けられていることが好ましい。
本発明によれば、第一位置を含む領域に設けられ、搬送媒体を支持する支持部を更に備え、液体除去部が支持部に設けられているので、液体除去部を支持する部分を別途設ける必要が無くなる。これにより、装置内のスペースを節約することができる。
【0009】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドのうち当該液体噴射ヘッドの移動方向に直交する方向の端部に対応する位置に配置されていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部が液体噴射ヘッドのうち当該液体噴射ヘッドの移動方向に直交する方向の端部に対応する位置に設けられているので、液体噴射ヘッドの側部に押し流された液体を除去することができる。
【0010】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、少なくとも一部が前記端部からはみ出すように設けられていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部の少なくとも一部が端部からはみ出すように設けられているため、液体噴射ヘッドの側部に回りこんだ液体をより確実に除去することができる。
【0011】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、前記液体を吸収する材料を用いて形成されていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部が液体を吸収する材料を用いて形成されていることとしたので、液体除去部が液体に接触する際に液体を吸収することができる。これにより、効率的に液体を除去することができる。
【0012】
上記の液体噴射装置は、前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドに対して非接触となるように配置されていることが好ましい。
本発明によれば、液体除去部が液体噴射ヘッドに非接触に設けられているため、液体噴射ヘッドへの影響を抑えつつ液体を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第一実施形態に係る印刷装置の構成を示す全体図。
【図2】本実施形態に係る印刷装置の一部の構成を示す図。
【図3】本実施形態に係る印刷装置の一部の構成を示す図。
【図4】本実施形態に係る印刷装置の制御系の構成を示すブロック図。
【図5】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【図6】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【図7】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【図8】本実施形態に係る印刷装置の動作を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る印刷装置PRT(液体噴射装置)の概略構成を示す図である。本実施形態では、印刷装置PRTとしてインクジェット型の印刷装置を例に挙げて説明する。
【0015】
図1に示す印刷装置PRTは、例えば、紙、プラスチックシートなどのシート状の媒体Mを搬送しつつ印刷処理を行う装置である。印刷装置PRTは、筐体PBと、媒体Mにインクを噴射するインクジェット部IJと、当該インクジェット部IJにインクを供給するインク供給部ISと、媒体Mを搬送する搬送部CVと、インクジェット部IJの保全動作を行うメンテナンス部MNと、これら各部を制御する制御装置CONTとを備えている。
【0016】
以下、XYZ直交座標系を設定し、当該XYZ直交座標系を適宜参照しつつ各構成要素の位置関係を説明する。本実施形態では、媒体Mの搬送方向をX方向とし、当該媒体Mの搬送面においてX方向に直交する方向をY方向とし、X軸及びY軸を含む平面に垂直な方向をZ方向と表記する。また、X軸周りの回転方向をθX方向、Y軸周りの回転方向をθY方向、Z軸周りの回転方向をθZ方向とする。
【0017】
筐体PBは、一方向を長手とするように形成されている。筐体PBには、上記のインクジェット部IJ、インク供給部IS、搬送部CV、メンテナンス部MN及び制御装置CONTの各部が取り付けられている。筐体PBには、プラテン13が設けられている。プラテン13は、媒体Mを支持する支持部材である。プラテン13は、媒体Mに向けられた平坦な支持面13aを有している。当該支持面13aは、媒体Mを支持する面である。
【0018】
搬送部CVは、搬送ローラーや当該搬送ローラーを駆動するモーターなどを有している。搬送部CVは、媒体Mがプラテン13上の搬送領域JAをX方向に通過するように当該媒体Mを筐体PBの短手方向に搬送する。搬送部CVは、制御装置CONTによって搬送のタイミングや搬送量などが制御される。
【0019】
インクジェット部IJは、インクを噴射するヘッドHと、当該ヘッドHを保持して移動させるヘッド移動部ACとを有している。ヘッドHは、プラテン13上に送り出された媒体Mに向けてインクを噴射する。ヘッドHは、インクを噴射するノズル形成面Haを有している。ノズル形成面Haは、支持面13aに向けられた状態で配置されている。
【0020】
ヘッド移動部ACは、ヘッドHを筐体PBの長手方向に移動させる。ヘッド移動部ACは、ヘッドHを固定させるキャリッジ4を有している。キャリッジ4は、筐体PBの長手方向に架けられたガイド軸8に当接されている。ヘッド移動部ACは、当該キャリッジ4をガイド軸8に沿ってY方向に移動させる部、例えばパルスモーター9、駆動プーリー10、遊転プーリー11及びタイミングベルト12などを有している。
【0021】
メンテナンス部MNは、媒体Mが搬送される搬送領域JAから外れた領域(ホームポジション)HPに設けられている。メンテナンス部MNは、キャッピング部CP、ワイピング部WP及びインク除去部RMを有している。キャッピング部CPは、ヘッドHのノズル形成面Haを覆う。キャッピング部CPには、吸引ポンプなどの吸引部SCが接続されている。ヘッドHからメンテナンス部MN側に排出された廃インクは、廃液回収部(不図示)において回収される。ワイピング部WPは、ノズル形成面Haを払拭する。
【0022】
インク供給部ISは、ヘッドHにインクを供給する。インク供給部ISには、複数のインクカートリッジ(液体収容体)ICが収容されている。本実施形態の印刷装置PRTは、インクカートリッジICがヘッドHとは異なる位置に収容される構成(オフキャリッジ型)である。
【0023】
インク供給部ISは、各インクカートリッジICの内部の圧力を個別に調整可能な圧力調整部6を有している。インク供給部ISは、ヘッドHとインクカートリッジICとを接続する供給チューブTBを有している。供給チューブTBは、インクカートリッジIC毎に設けられている。
【0024】
図2及び図3は、プラテン13の一部及びメンテナンス部MNの構成を示す図である。
図2に示すように、キャッピング部CPは、ヘッドHのホームポジションHPに配置されている。ワイピング部WPは、当該ヘッドHのホームポジションHPと、媒体Mの搬送領域JAとの間に配置されている。
【0025】
ワイピング部WPは、ヘッドHのノズル形成面HaのうちノズルNZが配置された領域を少なくとも払拭する。図2及び図3に示すように、ノズルNZは、ノズル形成面Haの中央部に配置されている。X方向において、ワイピング部WPは、ノズルNZが形成された領域をカバーするように形成されている。このため、ワイピング部WPは、ノズルNZが形成された領域を少なくとも払拭する。一方、ノズル形成面Haの+X側端部及び−X側端部については、ワイピング部WPによってカバーされていない状態となっている。
【0026】
プラテン13の支持面13aのうち+Y側の端部には、インク除去部(液体除去部)RMが設けられている。インク除去部RMは、支持面13aのうち媒体Mの搬送領域JAから外れて配置されている。したがって、インク除去部RMは、搬送領域JAとホームポジションHPとの間に配置されており、ワイピング部WPよりも搬送領域JA側(−Y側)に配置されている。
【0027】
インク除去部RMは、ヘッドHに付着したインクを除去する。図3に示すように、インク除去部RMは、一対のインク吸収部材60を有している。インク吸収部材60は、スポンジなどの多孔質材料を用いて形成されている。インク吸収部材60は、ヘッドHに付着したインクを吸収することでヘッドHからインクを除去する。
【0028】
インク吸収部材60は、例えば直方体状に形成されている。インク吸収部材60は、ヘッドHのうちワイピング部WPによって払拭される領域から外れた領域に対応する位置に配置されている。つまり、インク吸収部材60は、ワイピング部WPがカバーしていない領域として、ヘッドHのX方向の端部に対向して配置されている。インク吸収部材60の一部は、当該ヘッドHのX方向の端部からはみ出すように設けられている。このため、ヘッドHがX方向に移動する際には、ヘッドHの+X側及び−X側の各側面Hbがインク吸収部材60の+Z側を通過することになる。
【0029】
インク吸収部材60の+Z側の面60aは、平坦に形成されている。当該面60aは、ヘッドHのノズル形成面Haよりも−Z側に配置されている。したがって、ヘッドHは、X方向に移動する際には、インク吸収部材60に接触しない状態(非接触状態)で当該インク吸収部材60の+Z側を通過する。
【0030】
図4は印刷装置PRTの電気的な構成を示すブロック図である。
制御装置CONTには、印刷装置PRTの動作に関する各種情報を入力する入力装置IP、印刷装置PRTの動作に関する各種情報を記憶した記憶装置MRなどが接続されており、上述した搬送部CVや、ヘッド移動部AC、メンテナンス部MN等が接続されている。制御装置CONTは、メンテナンス部MNのうち例えばキャッピング部CPやワイピング部WPなどを制御可能である。
【0031】
印刷装置PRTは、それぞれの圧電振動子38に入力する駆動信号を発生する駆動信号発生器62を備えている。この駆動信号発生器62は、制御装置CONTに接続されている。駆動信号発生器62には、ヘッドHの圧電振動子38に入力する吐出パルスの電圧値の変化量を示すデータ、及び吐出パルスの電圧を変化させるタイミングを規定するタイミング信号が入力される。駆動信号発生器62は、各圧電振動子38に対して、個別に駆動信号を供給可能に設けられている。
【0032】
次に、上記のように構成された印刷装置PRTの動作を説明する。
ヘッドHによる印刷動作を行う場合、制御装置CONTは、搬送部CVによって媒体MをヘッドHの−Z側に配置させる。媒体Mを配置させた後、制御装置CONTは、ヘッドHを移動させつつ、印刷する画像の画像データに基づいてノズルNZに係る駆動信号発生器62から圧電振動子38に駆動信号を入力する。圧電振動子38に駆動信号が入力されると、圧電振動子38が伸縮し、ノズルNZからインクが噴射される。ノズルNZから噴射されたインクによって、媒体Mに所望の画像が形成される。
【0033】
制御装置CONTは、ヘッドHのメンテナンス動作として、例えばキャッピング動作やワイピング動作などを行わせる。ワイピング動作を行う場合、制御装置CONTは、ワイピング部WPの+Z側の先端部をヘッドHのノズル形成面Haよりも+Z側に配置させる。制御装置CONTは、この状態でヘッドHを−Y方向に移動させると、図5に示すように、ワイピング部WPの+Z側の先端部によってノズル形成面Haが払拭される。
【0034】
このとき、ワイピング部WPによって払拭されたインクの一部がノズル形成面Haから外れた位置、例えばヘッドHの側面Hbに流れると、ワイピング動作によって当該インクを除去することが困難となる。このため、図5に示すように、ヘッドHの側面HbにはインクLが残った状態となる。この状態でヘッドHが搬送領域JAへ移動すると、媒体Mに対してインクを噴射する際にヘッドHの表面に残ったインクが媒体Mに付着する場合がある。
【0035】
これに対して、本実施形態では、ワイピング部WPと搬送領域JAとの間に上記のインク除去部RMが設けられているため、図6に示すように、ヘッドHがインク除去部RMの+Z側に到達すると、側面Hbに残ったインクLがインク吸収部材60に接触し側面HbからインクLが除去される。
【0036】
このままヘッドHがインク除去部RMの+Z側を移動する場合、図7に示すように、ワイピング部WPによって払拭されて側面Hbに流れたインクLは一旦は側面Hbに残るものの、当該払拭された部分がインク吸収部材60の+Z側に到達すると、インク吸収部材60によってインクLが除去される。
【0037】
図8は、上記の図6及び図7においてインク吸収部材60によってインクLが吸収される状態をY方向に見たときの様子を示す図である。
図8に示すように、+X側のインク吸収部材60及び−X側のインク吸収部材60の両側においてインクLが吸収されている。
【0038】
このように、ヘッドHがインク除去部RMを通過すると、ヘッドHのうちノズル形成面Haはワイピング部WPによって払拭される。また、ヘッドHのうち側面Hbはインク除去部RMによってインクLが付着しても除去される。このため、ヘッドHにインクLが残ることが抑制される。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、ヘッドHに対して非接触となるようにワイピング部WPと搬送領域JAとの間に設けられ、ワイピング部WPから搬送領域JAへ向けて移動するヘッドHのうちノズル形成面Haから外れた部分である側面Hbに残ったインクLに接触して当該インクLを除去するインク除去部RMを備えるので、ワイピング部WPによって払拭しきれない部分に残ったインクについても除去することができる。これにより、ヘッドHにインクLが残るのを抑制することができるので、媒体MにインクLが付着するのを低減させることができる。また、インク除去部RMがヘッドHに非接触に設けられているため、ヘッドHへの影響を抑えつつインクを除去することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、インク除去部RMがプラテン13に設けられているので、インク除去部RMを支持する部分を別途設ける必要が無くなる。これにより、印刷装置PRT内のスペースを節約することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、インク除去部RMがヘッドHのうち当該ヘッドHの移動方向に直交する方向(X方向)の端部に対応する位置に設けられており、少なくとも一部が端部からはみ出すように設けられているので、ヘッドHの側面Hbに回りこんだインクをより確実に除去することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、インク除去部RMがインクを吸収する材料を用いて形成されているので、インク除去部RMがインクLに接触する際にインクLを吸収して除去することができる。これにより、効率的にインクを除去することができる。
【0043】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態においては、インク除去部RMとして、インク吸収部材60が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えばインクを吸収しない材料を用いても構わない。
【0044】
また、上記実施形態の構成に加えて、ヘッドHのノズル形成面HaのX側端部にカバー部材を配置させた構成としても構わない。
また、上記実施形態においては、インク除去部RMがヘッドHに対して非接触に設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、インク除去部RMがヘッドHに接触する構成としても構わない。
【0045】
上記実施形態では、印刷方式としてインクジェット方式を採用した印刷装置について記載したが、電子写真方式や熱転写方式など、任意の方式の印刷装置に変更することもできる。また、印刷装置に限らず、FAX装置、コピー装置、あるいはこれら複数機能を備えた複合機等、他の記録装置であってもよい。さらに、記録装置として、インク以外の他の液体の微小量の液滴を噴射したり吐出したりする液体噴射ヘッド等を備える液体噴射装置を採用してもよい。
【0046】
なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。
【0047】
ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置等であってもよい。
【符号の説明】
【0048】
PRT…印刷装置 M…媒体 CV…搬送部 JA…搬送領域 H…ヘッド AC…ヘッド移動部 Ha…ノズル形成面 WP…ワイピング部 RM…インク除去部 HP…ホームポジション NZ…ノズル Hb…側面 L…インク 13…プラテン 60…インク吸収部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一位置に搬送される搬送媒体に対して液体を噴射するノズルが形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
前記第一位置と前記液体の噴射を停止させて待機する第二位置との間で前記液体噴射ヘッドを移動させる駆動部と、
前記第一位置と前記第二位置との間に設けられ、前記ノズル形成面を払拭する払拭部と、
前記払拭部と前記第一位置との間に設けられ、前記液体噴射ヘッドのうち前記ノズル形成面から外れた部分に残った前記液体に接触して前記液体を除去する液体除去部と
を備える液体噴射装置。
【請求項2】
前記第一位置を含む領域に設けられ、前記搬送媒体を支持する支持部を更に備え、
前記液体除去部は、前記支持部に設けられている
請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドのうち当該液体噴射ヘッドの移動方向に直交する方向の端部に対応する位置に配置されている
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記液体除去部は、少なくとも一部が前記端部からはみ出すように設けられている
請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記液体除去部は、前記液体を吸収する材料を用いて形成されている
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドに対して非接触となるように配置されている
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項1】
第一位置に搬送される搬送媒体に対して液体を噴射するノズルが形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
前記第一位置と前記液体の噴射を停止させて待機する第二位置との間で前記液体噴射ヘッドを移動させる駆動部と、
前記第一位置と前記第二位置との間に設けられ、前記ノズル形成面を払拭する払拭部と、
前記払拭部と前記第一位置との間に設けられ、前記液体噴射ヘッドのうち前記ノズル形成面から外れた部分に残った前記液体に接触して前記液体を除去する液体除去部と
を備える液体噴射装置。
【請求項2】
前記第一位置を含む領域に設けられ、前記搬送媒体を支持する支持部を更に備え、
前記液体除去部は、前記支持部に設けられている
請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドのうち当該液体噴射ヘッドの移動方向に直交する方向の端部に対応する位置に配置されている
請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記液体除去部は、少なくとも一部が前記端部からはみ出すように設けられている
請求項3に記載の液体噴射装置。
【請求項5】
前記液体除去部は、前記液体を吸収する材料を用いて形成されている
請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【請求項6】
前記液体除去部は、前記液体噴射ヘッドに対して非接触となるように配置されている
請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の液体噴射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−196932(P2012−196932A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64015(P2011−64015)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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