説明

液体噴射装置

【課題】ノズルから噴射される液体を所定の部材に着弾させ、装置内の他の部材に液体が付着することを防止できる液体噴射装置を提供する。
【解決手段】駆動信号の印加により駆動して圧力室48内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段40を有し、当該圧力発生手段40の駆動によりノズル50から着弾対象6に向けて液体を噴射させる液体噴射ヘッド3と、前記着弾対象6を搬送経路に搬送する搬送手段10と、を備えた液体噴射装置1であって、前記着弾対象6に着弾しなかった液滴のうちの少なくとも一部を捕集する液滴捕集部材11と、前記搬送経路を通過する着弾対象6と接触する電極部材と、を設け、該電極部材に前記液滴捕集部材11を電気的に接続した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関し、特に、圧力発生手段の駆動により圧力室内の液体をノズルから噴射する液体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体噴射装置は液体噴射ヘッドを備え、この噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置としては、例えば、インクジェット式プリンターやインクジェット式プロッター等の画像記録装置があるが、最近ではごく少量の液体を所定位置に正確に着弾させることができるという特長を生かして各種の製造装置にも応用されている。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極形成装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置に応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
【0003】
上記のプリンター等で使用される記録ヘッドでは、近年、画像向上等の要求に応えるため、ノズルから噴射されるインクの液量を小さくする傾向がある。このような微量の液滴を記録媒体に対して確実に着弾させるために、液滴の初速が比較的高く設定される。これにより、ノズルから噴射された液滴は、飛翔中に引き伸ばされて、先頭のメイン液滴(主液滴)とそれよりも後のサテライト液滴(副液滴)に分離する。このサテライト液滴の一部又は全部は、空気の粘性抵抗により速度が急激に低下し、記録媒体に到達することなくミスト化してしまうことがある。このことより、ミスト化したサテライト液滴(ミスト)は、装置内を汚染し、記録ヘッドや電気回路等の帯電しやすい部材への付着によって動作不良を発生させたりする問題があった。
【0004】
このような不具合を防止すべく、ノズルから噴射される液滴を帯電させると共に、記録時の記録媒体を支持する支持部材(或いはプラテン)に設けられた液滴を吸収する吸収部材と、記録ヘッドのノズル形成面との間に電界を形成することで、ミストを吸収部材に確実に着弾させようとする試みがなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
ところが、図7(a)の模式図に示すように、記録ヘッドのノズル80から噴射されたインクが記録媒体Pおよび支持部材81に向けて伸びる過程で、プラスに帯電した支持部材81からの静電誘導により、支持部材81に近い側の先頭部分(メイン液滴Mdとなる部分)にはマイナスの電荷が誘導される一方で、これとは反対のノズル80に近い側の後端部分にはプラスの電荷が誘導される。そして、図7(b)に示すように、ノズルから噴射されたインクが、例えばメイン液滴Mdと、第1のサテライト液滴Sd1と、第2のサテライト液滴(ミスト)Sd2とに分離した場合、メイン液滴Mdはマイナスに帯電し、第2のサテライト液滴Sd2はプラスに帯電し、第1のサテライト液滴Sd1は無帯電となる。この場合、メイン液滴Mdと第1のサテライト液滴Sd1が記録媒体Pに着弾したとしても、第2のサテライト液滴Sd2は、プラスに帯電した支持部材81に反発して記録媒体のノズル形成面の近傍でミスト化して漂ってしまう。このミストの一部はノズル形成面に付着する。ノズル形成面にミストが付着した場合、ノズル形成面をワイピング部材によって定期的に払拭する必要性が生じる。また、ノズル形成面に付着しなかったミストは、当該ミストと極性の異なるプリンター構成部品に付着して汚染してしまう虞がある。
【0006】
上記のようなことから、支持部材(基材)が例えばマイナスに帯電した状態でノズルからインクを噴射し、メイン液滴とサテライト液滴に分離したタイミングで、支持部材の極性をプラスに切り替えて、メイン液滴については慣性力により記録媒体に着弾させる一方、サテライト液滴やミストについては当該サテライト液滴やミストとは逆極性に帯電した支持部材に引き付けることで記録媒体に着弾させる構成も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−173324号公報
【特許文献2】特開2010−214880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、近年、この種のプリンターでは、インクを噴射する駆動周波数がより高くなる傾向にあり、サテライト液滴が記録媒体に着弾する前にノズルから次のインクが噴射されるケースが生じる。このため、上記のようなインクの噴射タイミングやインクが分離するタイミングで電極の極性を切り替える構成では、サテライト液滴を記録媒体に確実に着弾させることが困難となるのに加えて、メイン液滴の飛翔への影響が生じ、着弾が不安定となる可能性があった。
【0009】
また、インクの帯電を防止するべく、ノズル形成面と支持部材との間に電界を形成しないようにする構成も考えられるが、当該構成においてノズルからインクを噴射した場合においても噴射されたインクが帯電することが判っている。即ち、例えば、図8に示すように、記録ヘッドの圧電振動子84の駆動電極85に対して駆動電圧を印加することで、圧力室86内のインクに圧力変動を生じさせ、この圧力変動を利用してノズル87から記録媒体Pに対してインクを噴射させる構成では、圧電振動子84の駆動電極85に正電圧が入力されたときに、圧電振動子84と圧力室86との間は絶縁されているので、圧力室86内のインクにおける圧電振動子84の近傍には静電誘導によりマイナスの電荷が誘導される。また、これとは反対側となるノズル87の近傍のインクにはプラスの電荷が誘導される。一般的な記録ヘッドではノズル形成面88が接地されているので、ノズル形成面88側にインクのプラス電荷が移動するが、上記のように、より高い駆動周波数でインクを噴射する構成においては、プラス電荷が残った状態でノズル87からインクが噴射される。その結果、ノズル87から噴射されたインクはプラスに帯電することになる。
【0010】
さらに、ノズル87から噴射されたインクは、記録媒体Pに向けて飛翔している間、レナード効果によりプラスの帯電が強まる(マイナスに帯電した状態で噴射された場合は、マイナスが弱まる)傾向にある。即ち、インクが帯電している場合、液滴の中心部分にプラス電荷が集まる一方で、表層部分にマイナス電荷が集まる。そして、飛翔中における表層部分の蒸発や分裂により液滴が次第にプラスに偏っていく。
このように、ノズル形成面と支持部材との間に電界を形成しないようにする構成においてもノズルから噴射されたインクが帯電するため、ミストがノズル形成面やプリンターの構成部品に付着するという不具合が生じていた。
【0011】
以上のような現象は、圧電振動子には限られず、発熱素子等の、駆動電圧の印加により作動する他の圧力発生手段でも同様に生じる。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルから噴射される液体を所定の部材に着弾させ、装置内の他の部材に液体が付着することを防止できる液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の液体噴射装置は、上記目的を達成するために提案されたものであり、駆動信号の印加により駆動して圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の駆動によりノズルから着弾対象に向けて液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、前記着弾対象を搬送経路に搬送する搬送手段と、を備えた液体噴射装置であって、前記着弾対象に着弾しなかった液滴のうちの少なくとも一部を捕集する液滴捕集部材と、前記搬送経路を通過する着弾対象と接触する電極部材と、を設け、該電極部材に前記液滴捕集部材を電気的に接続したことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、着弾対象との接触により電極部材を帯電させることができ、電極部材と電気的に接続した液滴捕集部材を帯電させることができるため、液滴捕集部材にミストを捕集することが可能となる。これにより、これらのミストが装置内の他の構成部品(例えば、モーター、駆動ベルト、リニアスケールなど)に付着することが低減される。その結果、ミストの付着による故障が抑制され、液体噴射装置の耐久性および信頼性が向上する。また、電源等の電圧発生手段を別途用意する必要が無いため、液体噴射装置の製造コストを抑えることができると共に、液体噴射装置の消費電力を抑えることができる。
【0015】
上記構成において、前記液滴捕集部材が前記駆動信号の極性とは逆極性に帯電する構成を採用することが望ましい。
【0016】
この構成によれば、圧力発生手段を駆動する際に、当該圧力発生手段に印加する電圧に起因する静電誘導によりノズル近傍の液体が帯電し、これにより、ノズルから噴射される液体およびミストが駆動信号と同極性に帯電した場合に、液滴捕集部材にミストを捕集することが可能となる。
【0017】
また、前記液滴捕集部材が負極性に帯電する構成を採用することが望ましい。
【0018】
この構成によれば、レナード効果により、ミストが正極性(プラス)に帯電した場合に、液滴捕集部材にミストを捕集することが可能となる。
【0019】
上記各構成において、前記電極部材の前記着弾対象と接触可能な領域の面積が、前記液滴捕集部材の空気と接触する面積よりも大きいことが望ましい。
【0020】
この構成によれば、空気により除電される(空気中に放電される)液滴捕集部材の電荷の量に対して、電極部材に帯電する電荷の量を多くすることができ、より確実に液滴捕集部材を帯電させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】プリンターの構成を説明する図であり、(a)平面図、(b)A−A線の断面図である。
【図2】記録ヘッドの要部断面図である。
【図3】圧電振動子の構成を説明する断面図である。
【図4】記録ヘッドの電気的構成を説明するブロック図である。
【図5】噴射駆動パルスおよび微振動駆動パルスの構成を説明する波形図である。
【図6】液体捕集部の帯電を説明する模式図である。
【図7】ノズルと支持部材間に電界を形成した構成においてノズルから噴射されたインクが帯電する様子を説明する模式図である。
【図8】ノズルと支持部材間に電界を形成しない構成においてノズルから噴射されたインクが帯電する様子を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置1(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
【0023】
図1(a)はプリンター1の構成を示す平面図であり、図1(b)はA−A線の断面図である。このプリンター1は、筐体2の内側において、液体噴射ヘッドの一種である記録ヘッド3が取り付けられると共に、液体供給源の一種であるインクカートリッジ4が着脱可能に取り付けられるキャリッジ5と、キャリッジ5を記録紙6(記録媒体および着弾対象の一種)の紙幅方向、即ち、主走査方向に往復移動させるキャリッジ移動機構7と、記録動作(噴射動作)時の記録ヘッド3の下方において記録ヘッド3の下面(ノズル形成面)に対して間隔を空けて配設されたプラテン8と、を備えている。また、プラテン8の下方には、記録紙6を複数重ねて収容した給紙トレイ9を備えている。さらに、プリンター1は、給紙トレイ9の記録紙6を主走査方向に直交する副走査方向に沿った搬送経路に搬送する搬送機構10(本発明における搬送手段に相当)と、記録ヘッド3と干渉しない位置に配設された液滴捕集部材11と、を備えている。
【0024】
キャリッジ5は、主走査方向に架設されたガイドロッド12に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ移動機構7の作動により、ガイドロッド12に沿って主走査方向に移動するように構成されている。本実施形態のキャリッジ移動機構7は、図示しないキャリッジモーター(駆動源の一種)の駆動軸に設けられた駆動プーリー(図示せず)と、該駆動プーリーと一体的に回転する遊転プーリー(図示せず)と、該遊転プーリーと駆動プーリーとの間に張設された駆動ベルト16と、を有している。駆動プーリーは、主走査方向の一側端部に位置し、キャリッジモーターの駆動に応じて回転する。この駆動プーリーに対して主走査方向における反対側の位置には、自由回転可能な遊転プーリーが設けられている。これらのプーリーに、無端ベルトである駆動ベルト16が張設され、この駆動ベルト16の一部がキャリッジ5に接続されている。このため、キャリッジモーターを駆動すれば、駆動ベルト16が移動し、これに伴いキャリッジ5(記録ヘッド3)が主走査方向に移動する。また、キャリッジ5の主走査方向の位置は、リニアエンコーダー17によって検出される。リニアエンコーダー17は、主走査方向に張設されたリニアスケール17aと、キャリッジ5に設けたセンサー(図示せず)とから構成されており、その検出信号、即ち、記録ヘッド3の走査位置に応じたエンコーダーパルスEP(位置情報の一種)がプリンターコントローラー64(図4参照)に送信される。
【0025】
プラテン8は、主走査方向に長尺な板状の部材であり、本実施形態では、接地(アース)されている。このプラテン8上に搬送された記録紙6に対して、記録ヘッド3は記録動作を行う。給紙トレイ9は、記録紙6を収容する空間が設けられたトレイであり、筐体2に対して着脱可能に構成されている。また、給紙トレイ9の底部には、図示しないエッジガイドが設けられており、このエッジガイドによって給紙トレイ9に収容された記録紙6の側端位置および後端位置が規制されるようになっている。さらに、給紙トレイ9の後方(後述する反転ガイド部材29側)には、反転ガイド部材29に向けて上り傾斜した給紙ガイド部9aが形成されている。なお、本実施形態では、給紙トレイ9は絶縁体で、給紙ガイド部9aは導体で形成されている。
【0026】
給紙ガイド部9aは、主走査方向において記録紙6よりも幅広な板状に形成され、記録紙6を給紙トレイ9内から反転ガイド部材29へ案内する搬送経路の一部を構成する。本実施形態では、記録紙6との摩擦により、マイナス(負極性)に帯電する素材で形成されている。具体的には、給紙ガイド部9aは、導電性を有し、かつ帯電列において記録紙6に比べてマイナスに帯電し易い部材(例えば、ステンレス合金、ニッケル合金等)で形成される。そして、この給紙ガイド部9aの一部には、一端を液滴捕集部材11に接続した導線27の他端が電気的に接続されている。また、給紙ガイド部9aは、記録紙6と接触可能な領域の面積が、液滴捕集部材11の空気と接触する面積よりも大きくなるように寸法が設定されている。なお、給紙ガイド部9aが本発明における電極部材に相当する。また、給紙ガイド部9aおよび液滴捕集部材11の帯電については後述する。
【0027】
搬送機構10は、給紙ローラー19、反転ローラー20、搬送駆動ローラー21、および排紙駆動ローラー22を備えている。給紙ローラー19は、図示しない駆動モーターの回動軸に軸支されている。この給紙ローラー19は、給紙トレイ9内の最上位の記録紙6に当接して回転することにより、最上位の記録紙6を給紙トレイ9の給紙ガイド部9aに向けて送り出す。給紙ガイド部9aの上方には、反転ローラー20が配置されている。反転ローラー20は、回動可能に軸支され、その回動軸方向の一側の端部であって記録紙6の搬送経路の外側に、伝達ギヤ部20aを備えている。この伝達ギヤ部20aには、プリンター1の後方(給紙ガイド部9aの後方)に設けられた駆動ギヤ24からの動力を伝達する伝達ベルト25(段付ベルトの一種)が架設されている。駆動ギヤ24は図示しない駆動モーターに軸支され、駆動モーターの駆動により回転する。
【0028】
反転ローラー20の斜め上方には、反転ローラー20に当接する補助ローラー28が配置されている。また、補助ローラー28と給紙ガイド部9aの上端部との間には、反転ローラー20の曲面に沿って円弧状に形成された反転ガイド部材29が配置されている。補助ローラー28は、回動自由に軸支されると共に、反転ローラー20に接する状態(若しくは僅かな隙間を空けた状態)で取り付けられている。反転ガイド部材29は、反転ローラー20との間に記録紙6が通過可能な僅かな間隔を設けて配置されている。これにより、給紙トレイ9の給紙ガイド部9aから補助ローラー28に至るまでの間の記録紙6をガイドする。そして、補助ローラー28まで搬送された記録紙6は、補助ローラー28と反転ローラー20の間で挟持され、反転ローラー20の回動により湾曲反転されてガイド部材30側(上方(紙送り下流側)の搬送経路)に送り出される。
【0029】
ガイド部材30とプラテン8の間には、ガイド部材30上に送られてきた記録紙6をプラテン8上に搬送する搬送駆動ローラー21および搬送従動ローラー31が設けられている。搬送駆動ローラー21は、図示しない駆動モーターの回動軸に軸支されている。搬送従動ローラー31は、回動自由に軸支されると共に、搬送駆動ローラー21に接する状態(若しくは僅かな隙間を空けた状態)で配置されている。これにより、搬送駆動ローラー21と搬送従動ローラー31との間で記録紙6を挟持すると共に、駆動モーターの駆動により搬送駆動ローラー21を回動させることで、記録紙6をプラテン8側に搬送する。
【0030】
プラテン8の前端部(記録紙6の搬送方向の下流側)には、プラテン8との間で記録紙6を挟持する紙押さえローラー32と、この紙押さえローラー32が取り付けられると共に、紙押さえローラー32をプラテン8側に付勢する紙押さえ部材33と、が備えられている。紙押さえ部材33は、長尺な板状の部材であり、記録ヘッド3と干渉しないように記録ヘッド3との間に間隙を設けて、バネ等の付勢部材により、あるいは自重により記録紙6側(プラテン8側)に付勢された状態で取り付けられている。紙押さえローラー32は、紙押さえ部材33のプラテン8側において、主走査方向に沿って等間隔に並べられている。この紙押さえローラー32は、記録紙6の表面に当接した状態で回動自由に構成されている。そして、紙押さえ部材33の上面(プラテン8とは反対側の面)には、液滴捕集部材11の一部が配設されている。
【0031】
紙押さえローラー32の前方(記録紙6の搬送方向の下流側)には、記録動作を終えた記録紙6を排出する排紙駆動ローラー22および排紙従動ローラー34が設けられている。排紙駆動ローラー22は、図示しない駆動モーターの回動軸に軸支されている。排紙従動ローラー34は、回動自由に軸支されると共に、バネ等の付勢部材により、排紙駆動ローラー22側に付勢されている。これにより、排紙駆動ローラー22と排紙従動ローラー34との間で記録紙6を挟持すると共に、駆動モーターの駆動により排紙駆動ローラー22を回動させることで、記録紙6を排出する。
【0032】
このように、給紙ローラー19、反転ローラー20、搬送駆動ローラー21、および排紙駆動ローラー22を備える搬送機構10の駆動により、記録紙6を給紙トレイ9の内部から給紙ガイド部9a、反転ガイド部材29、反転ローラー20、ガイド部材30、搬送駆動ローラー21、およびプラテン8を通過して排紙駆動ローラー22に至る搬送経路に搬送する。
【0033】
液滴捕集部材11は、ノズル形成面に対して記録紙6側とは反対側に外れた位置に配設され、本実施形態では、図1(a)に示すように、記録ヘッド3と干渉しないように記録ヘッド3の移動範囲の外周を長方形の枠状に囲む状態で配設されている。具体的には、液滴捕集部材11の一辺は、紙押さえ部材33の上面の後端部(記録ヘッド3側)に紙押さえ部材33の長辺に亘って配設されている。また、この辺と記録ヘッド3を挟んで反対側(上流側)の他辺は、搬送従動ローラー31の上方において図示しない支持部材によって支持された状態で配設されている。これらの辺の両端部は、副走査方向に平行な辺によって接続されている。そして、この液滴捕集部材11の一部には、他端が電極板26に接続された導線27の一端が電気的に接続されている。
【0034】
記録ヘッド3は、図2に示すように、ケース36と、このケース36内に収納される振動子ユニット37と、ケース36の底面(先端面)に接合される流路ユニット38と、カバー部材61等を備えている。上記のケース36は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット37を収納するための収納空部39が形成されている。振動子ユニット37は、圧力発生手段の一種として機能する圧電振動子40と、この圧電振動子40が接合される固定板41と、圧電振動子40に駆動信号を供給するフレキシブルケーブル42とを備えている。
【0035】
図3は、振動子ユニット37の構成を説明する素子長手方向の断面図である。同図に示すように、この圧電振動子40は、共通内部電極56と個別内部電極57とで、圧電体58を挟んで交互に積層して形成された積層型の圧電振動子40である。ここで、共通内部電極56は、全ての圧電振動子40に共通な電極であり、接地電位に設定される。また、個別内部電極57は、印加される駆動信号の噴射駆動パルスDP(図5参照)に応じて電位が変動する電極である。そして、本実施形態では、圧電振動子40における振動子先端から振動子長手方向(積層方向とは直交する方向)の半分程度まで若しくは3分の2程度までの部分が自由端部40aとなっている。また、圧電振動子40における残りの部分、即ち、自由端部40aの基端から振動子基端までの部分が基端部40bとなっている。
【0036】
自由端部40aには、共通内部電極56と個別内部電極57とが重なり合った活性領域(オーバーラップ部分)Lが形成されている。これらの内部電極に電位差を与えると、活性領域Lの圧電体58が作動して変形し、自由端部40aが振動子長手方向に変位して伸縮する。そして、共通内部電極56の基端は、圧電振動子40の基端面部で共通外部電極59に導通している。一方、個別内部電極57の先端は、圧電振動子40の先端面部で個別外部電極60に導通している。なお、共通内部電極56の先端は圧電振動子40の先端面部よりも少し手前(基端面側)に位置しており、個別内部電極57の基端は自由端部40aと基端部40bの境界に位置している。
【0037】
個別外部電極60は、圧電振動子40の先端面部と、圧電振動子40における積層方向の一側面である配線接続面(図3における上側の面)とに一連に形成された電極であり、配線部材としてのフレキシブルケーブル42の配線パターンと各個別内部電極57とを導通する。そして、この個別外部電極60の配線接続面側の部分は、基端部40b上から先端側に向けて連続的に形成されている。共通外部電極59は、圧電振動子40の基端面部と、上記の配線接続面と、圧電振動子40における積層方向の他側面である固定板取付面(図3における下側の面)とに一連に形成された電極であり、フレキシブルケーブル42の配線パターンと各共通内部電極56との間を導通する。そして、この共通外部電極59における配線接続面側の部分は個別外部電極60の端部よりも少し手前から基端面部側に向けて連続的に形成されており、固定部取付面側の部分は圧電振動子40の先端面部よりも少し手前の位置から基端側に向けて連続的に形成されている。
【0038】
上記の基端部40bは、活性領域Lの圧電体58の作動時においても伸縮しない非作動部である。この基端部40bの配線接続面側にはフレキシブルケーブル42が配置されており、基端部40b上で個別外部電極60及び共通外部電極59とフレキシブルケーブル42とが電気的に接続される。そして、このフレキシブルケーブル42を通して駆動信号が各個別外部電極60に印加される。
【0039】
流路ユニット38は、流路形成基板43の一方の面にノズルプレート44を、流路形成基板43の他方の面に振動板45をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット38には、リザーバー46(共通液室)と、インク供給口47と、圧力室48と、ノズル連通口49と、ノズル50とが設けられている。そして、インク供給口47から圧力室48及びノズル連通口49を経てノズル50に至る一連のインク流路が、各ノズル50に対応して形成されている。
【0040】
上記ノズルプレート44は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル50が列状に穿設されたステンレス等の金属製の薄いプレートである。このノズルプレート44には、ノズル50を列設してノズル列(ノズル群)が複数設けられており、1つのノズル列は、例えば180個のノズルによって構成される。このノズルプレート44のノズル50からインクが噴射される側の面が、本発明におけるノズル形成面に相当する。
【0041】
上記振動板45は、支持板51の表面に弾性体膜52を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板51とし、この支持板51の表面に樹脂フィルムを弾性体膜52としてラミネートした複合板材を用いて振動板45を作製している。この振動板45には、圧力室48の容積を変化させるダイヤフラム部53が設けられている。また、この振動板45には、リザーバー46の一部を封止するコンプライアンス部54が設けられている。
【0042】
上記のダイヤフラム部53は、エッチング加工等によって支持板51を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部53は、圧電振動子40の自由端部40aの先端面が接合される島部55と、この島部55を囲む薄肉弾性部とからなる。上記のコンプライアンス部54は、リザーバー46の開口面に対向する領域の支持板51を、ダイヤフラム部53と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー46に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
【0043】
そして、上記の島部55には圧電振動子40の先端面が接合されているので、この圧電振動子40の自由端部40aを伸縮させることで圧力室48の容積を変動させることができる。この容積変動に伴って圧力室48内のインクに圧力変動が生じる。そして、記録ヘッド3は、この圧力変動を利用してノズル50からインクを噴射させるようになっている。
【0044】
カバー部材61は、流路ユニット38の側面やケース36の側面を保護する部材であり、ステンレス鋼等の導電性を有する板材から作製されている。本実施形態におけるカバー部材61の一部は、ノズルプレート44のノズル50を露出させた状態でノズル形成面の周縁部に当接しており、当該ノズルプレート44に対して電気的に導通している。カバー部材61は接地されており、ノズルプレート44に接触して導通することで、例えば、記録紙6等から発生した静電気がノズルプレート44を通じて伝達することによる駆動IC等の損傷やノズルプレート44の帯電を防止するようになっている。
【0045】
次に、プリンター1の電気的構成を説明する。図4は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。外部装置63は、例えばコンピューターやデジタルカメラなどの画像を取り扱う電子機器である。この外部装置63は、プリンター1のプリンターコントローラー64と通信可能に接続されており、プリンター1において記録紙6等の記録媒体に画像やテキストを印刷させるため、その画像等に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
【0046】
本実施形態におけるプリンター1は、搬送機構10、キャリッジ移動機構7、リニアエンコーダー17、記録ヘッド3、及び、プリンターコントローラー64を有する。
【0047】
プリンターコントローラー64は、プリンター1の各部の制御を行うための制御ユニットであり、インターフェース(I/F)部66と、CPU67と、記憶部68と、駆動信号生成部69と、を有する。インターフェース部66は、外部装置63からプリンター1へ送信される印刷データや印刷命令を受信したり、外部装置63にプリンター1の状態情報を送信したりする等、プリンター1とのデータの送受信を行う。CPU67は、プリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。記憶部68は、CPU67のプログラムや各種制御に用いられるデータを記憶する素子であり、ROM、RAM、NVRAM(不揮発性記憶素子)を含む。CPU67は、記憶部68に記憶されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。
【0048】
CPU67は、リニアエンコーダー17から出力されるエンコーダーパルスEPからタイミングパルスPTSを生成するタイミングパルス生成手段として機能する。そして、CPU67は、このタイミングパルスPTSに同期させて印刷データの転送や、駆動信号生成部69による駆動信号COMの生成等を制御する。また、CPU67は、タイミングパルスPTSに基づいて、ラッチ信号LAT等のタイミング信号を生成して記録ヘッド3のヘッド制御部65に出力する。ヘッド制御部65は、プリンターコントローラー64からのヘッド制御信号(印刷データおよびタイミング信号)に基づき、記録ヘッド3の圧電振動子40に対する駆動信号COMの噴射駆動パルスDP(図5参照)の印加制御等を行う。
【0049】
駆動信号生成部69は、駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの電圧信号を生成する。また、駆動信号生成部69は、上記の電圧信号を増幅して駆動信号COMを生成する。この駆動信号COMは、記録媒体に対する印刷処理(記録処理或いは噴射処理)時に記録ヘッド3の圧力発生部である圧電振動子40に印加されるものであり、繰り返し周期である単位期間内に、例えば図5に示す噴射駆動パルスDPを少なくとも1つ以上含む一連の信号である。ここで、噴射駆動パルスDPとは、記録ヘッド3のノズル50から液滴状のインクを噴射させるために、圧電振動子40に所定の動作を行わせるものである。
【0050】
図5は、駆動信号COMに含まれる噴射駆動パルスDPの構成の一例を示す波形図である。なお、図5において、縦軸は電位であり、横軸は時間である。また、図5に示すように、本実施形態の噴射駆動パルスDPは平均するとプラスの極性である。噴射駆動パルスDPは、基準電位(中間電位)Vbから最大電位(最大電圧)Vmaxまでプラス側に電位が変化して圧力室48を膨張させる膨張要素p1と、最大電位Vmaxを一定時間維持する膨張維持要素p2と、最大電位Vmaxから最小電位(最小電圧)Vminまでマイナス側に電位が変化して圧力室48を急激に収縮させる収縮要素p3と、最小電位Vminを一定時間維持する収縮維持(制振ホールド)要素p4と、最小電位Vminから基準電位Vbまで電位が復帰する復帰要素p5と、を含んでいる。
【0051】
噴射駆動パルスDPが圧電振動子40に印加されると次のように作用する。まず、膨張要素p1により圧電振動子40が収縮し、これに伴って圧力室48が基準電位Vbに対応する基準容積から最大電位Vmaxに対応する最大容積まで膨張する。これにより、ノズル50内に露出しているメニスカスが圧力室48側に引き込まれる。この圧力室48の膨張状態は、膨張維持要素p2の印加期間中に亘って一定に維持される。膨張維持要素p2の後に続いて収縮要素p3が圧電振動子40に印加されると、当該圧電振動子40が伸長し、これにより、圧力室48が上記最大容積から最小電位Vminに対応する最小容積まで急激に収縮する。この圧力室48の急激な収縮によって圧力室48内のインクが加圧され、これにより、ノズル50からは数pl〜数十plのインクが噴射される。この圧力室48の収縮状態は、収縮維持要素p4の印加期間に亘って短時間維持され、その後、制振要素p5が圧電振動子40に印加されて、圧力室48が最小電位Vminに対応する容積から基準電位Vbに対応する基準容積まで復帰する。
【0052】
本実施形態の駆動信号(噴射駆動パルスDP)は上記したようにプラス極性であり、記録動作時において、静電誘導により圧力室48内の圧電振動子40の近傍のインクにマイナス電荷、ノズル50の近傍のインクにプラス電荷がそれぞれ誘導されるため、ノズル50から噴射されたインクはプラスに帯電する。加えて、記録紙6に向けて飛翔しているインクは、レナード効果により一層プラスの帯電が強まる。これにより、飛翔する間にインクが分離して生じるサテライト液滴や、これよりも更に微小なミスト(以下、ミスト等)がプラスに帯電されることになる。そして、これらのミスト等の一部は、記録紙6に着弾せずに浮遊する。
【0053】
次に、給紙ガイド部9aおよび液滴捕集部材11の帯電およびミスト等の捕集について、図6を用いて説明する。記録動作時において、給紙ローラー19の駆動により記録紙6を給紙ガイド部9aへ搬送すると、記録紙6と給紙ガイド部9aとが擦れることにより給紙ガイド部9aがマイナスに帯電する(摩擦帯電)。また、記録紙6が下流側に搬送され、給紙ガイド部9aから離脱(送出)することにより給紙ガイド部9aがマイナスに帯電する(剥離帯電)。これにより、給紙ガイド部9aと電気的に接続された液滴捕集部材11もマイナスに帯電する。このため、液滴捕集部材11は、例えば、筐体2、記録ヘッド3、モーター、駆動ベルト16、リニアスケール17aなどのプリンター1内の構成部品との間に電界を形成することになる。特に、液滴捕集部材11と、記録ヘッド3において当該液滴捕集部材11に対向する部分との間には、両者が等電位となる場合を除き、他の構成部品と比較して強い電界が形成される。そして、プラスに帯電したミスト等はマイナスに帯電した液滴捕集部材11に誘導され、少なくとも一部が捕集される。なお、他のプリンター1内の構成部品がマイナスに帯電することも考えられるが、液滴捕集部材11は、これらの帯電電圧よりも低くなるように構成している。
【0054】
このように、記録紙6との接触により給紙ガイド部9aを帯電させ、給紙ガイド部9aをノズル50からの液体の噴射に伴って生じるミスト等とは反対の極性(本実施形態ではマイナス)に帯電させたので、液滴捕集部材11にミスト等を捕集することが可能となる。これにより、これらのミスト等が装置内の他の構成部品(例えば、モーター、駆動ベルト16、リニアスケール17aなど)に付着することが低減される。その結果、ミスト等の付着による故障が抑制され、プリンター1の耐久性および信頼性が向上する。また、電源等の電圧発生手段を別途用意する必要が無いため、プリンター1の製造コストを抑えることができると共に、プリンター1の消費電力を抑えることができる。また、給紙ガイド部9aの記録紙6と接触可能な領域の面積を、液滴捕集部材11の空気と接触する面積よりも大きくしたので、空気により除電される液滴捕集部材11の電荷の量に対して、給紙ガイド部9aに帯電する電荷の量を多くすることができ、より確実に液滴捕集部材を帯電させることが可能となる。
【0055】
ところで、上記した実施形態では、給紙ガイド部を電極部材として帯電させたが、これには限られない。例えば、反転ガイド部材、反転ローラー、ガイド部材、搬送駆動ローラー、プラテン、排紙駆動ローラー等を、記録紙との摩擦帯電および剥離帯電によりマイナスに帯電する電極部材とすることもできる。要は、記録紙が通過する搬送経路のうち、記録紙と接触する部材を電極部材とし、液滴捕集部材に電気的に接続すればよい。なお、電極部材は少なくとも1つに限らず、複数の電極部材を設けることもできる。複数の電極部材を設けた場合は、それぞれの電極部材を液滴捕集部材に電気的に接続する。
【0056】
また、上記した実施形態では、プラス極性の駆動信号を用いたが、マイナス極性の駆動信号を用いても良い。この場合、圧電振動子の電圧に起因する静電誘導によりノズルから噴射されるインクはマイナスに帯電する。一方、上記したように、飛翔しているインクは、レナード効果によりプラスの帯電が強まる。ミスト等の帯電極性は、これらの兼合いにより決定されるが、どちらの影響が強いかは、プリンターの構造や駆動信号の波形等の様々な要因により決定されるため、一概には言えない。しかしながら、いずれにしても、電極部材をミスト等の帯電極性とは反対の極性に帯電する素材を用いて形成し、液滴捕集部材をミスト等の帯電極性とは反対の極性に帯電するように構成すれば良い。このような場合において、例えば、圧電振動子の電圧に起因する静電誘導が支配的である場合には、ミスト等がマイナスに帯電するため、液滴捕集部材は、駆動信号の極性(マイナス)とは逆極性(プラス)の極性に帯電する構成を採用すればよい。一方、レナード効果が支配的である場合には、ミスト等がプラスに帯電するため、液滴捕集部材はマイナスの極性に帯電する構成を採用すればよい。そして、いずれの場合も、液滴捕集部材にミスト等を捕集することが可能となる。
【0057】
さらに、本発明は、圧力発生手段を用いて液体の噴射制御が可能な液体噴射装置であれば、プリンターに限らず、プロッター、ファクシミリ装置、コピー機等、各種のインクジェット式記録装置や、記録装置以外の液体噴射装置、例えば、ディスプレイ製造装置、電極製造装置、チップ製造装置等にも適用することができる。そして、ディスプレイ製造装置では、色材噴射ヘッドからR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極製造装置では、電極材噴射ヘッドから液状の電極材料を噴射する。チップ製造装置では、生体有機物噴射ヘッドから生体有機物の溶液を噴射する。
【符号の説明】
【0058】
1…プリンター,3…記録ヘッド,6…記録紙,7…キャリッジ移動機構,8…プラテン,9…給紙トレイ,9a…給紙ガイド部,10…搬送機構,11…液滴捕集部材,16…駆動ベルト,19…給紙ローラー,20…反転ローラー,21…搬送駆動ローラー,22…排紙駆動ローラー,24…駆動ギヤ,25…伝達ベルト,27…導線,40…圧電振動子,48…圧力室,50…ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号の印加により駆動して圧力室内の液体に圧力変動を生じさせる圧力発生手段を有し、当該圧力発生手段の駆動によりノズルから着弾対象に向けて液体を噴射させる液体噴射ヘッドと、
前記着弾対象を搬送経路に搬送する搬送手段と、
を備えた液体噴射装置であって、
前記着弾対象に着弾しなかった液滴のうちの少なくとも一部を捕集する液滴捕集部材と、前記搬送経路を通過する着弾対象と接触する電極部材と、を設け、
該電極部材に前記液滴捕集部材を電気的に接続したことを特徴とする液体噴射装置。
【請求項2】
前記液滴捕集部材が前記駆動信号の極性とは逆極性に帯電することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項3】
前記液滴捕集部材が負極性に帯電することを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
【請求項4】
前記電極部材の前記着弾対象と接触可能な領域の面積が、前記液滴捕集部材の空気と接触する面積よりも大きいことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の液体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−236340(P2012−236340A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106980(P2011−106980)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】